JP2007041314A - 対物レンズ及びその成形型、並びに対物レンズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温高圧の水蒸気に対して優れた耐久性を有するために高温高圧水蒸気滅菌処理可能であるとともに、優れた反射防止特性を有する反射防止構造部を有する対物レンズ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ランタン系ガラス又は合成石英ガラスからなり、可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有する反射防止構造部を両面又は片面に有する対物レンズ及びその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は反射防止構造部を有する内視鏡用の対物レンズに関し、特に高圧高温水蒸気(オートクレーブ)処理に対する優れた耐久性と、可視光に対する優れた反射防止特性とを有する対物レンズ及びその製造方法に関する。
近年、医療分野では診断的手段としてばかりでなく、治療的手段としても内視鏡を用いるようになってきており、内視鏡の使用頻度は増加してきている。内視鏡は体腔内に挿入するものであるので、感染症等を防止するために使用の前に十分に滅菌しておく必要がある。
従来、内視鏡の滅菌にはエチレンオキサイトガス等の滅菌剤を用いた化学的な方法がとられていた。しかしこれらの化学的な滅菌方法によると、ガスの安全対策や廃液の処理が生じるため、高コストであった。そこで最近は、煩雑な作業を伴わない高温高圧水蒸気(オートクレーブ)滅菌が主流になりつつある。高温高圧水蒸気滅菌によると、滅菌処理した後で直ぐ内視鏡を使用可能であるというメリットもある。米国規格ANSI/AAMI ST37-1992によると、高温高圧水蒸気滅菌の条件は132℃における飽和水蒸気圧で10分となっている。
内視鏡は対物レンズやプリズム等の光学素子を有している。内視鏡の体腔内に挿入する部分はできるだけ小さいのが望ましいので、内視鏡挿入部に設けられる対物レンズもできるだけ小さいものが望ましい。このため光を効率よく透過することによって小さくても透過光量を確保するとともに表面反射フレアを防止するために、対物レンズ等の表面には反射防止膜が形成される。
しかしながら、反射防止膜を有する光学素子を上述の条件で高温高圧水蒸気処理すると、反射防止膜が劣化し、光学性能を維持できないという問題がある。例えば反射防止膜として汎用されているフッ化マグネシウムからなる単層反射防止膜は、高温高圧の水蒸気と反応して膜が完全に消失してしまう。また酸化ケイ素層を表面に有する反射防止膜の場合、高温高圧水蒸気処理すると水滴状の拭き取り不能な汚れが表面に残ってしまい、光学性能が低下する。
特開平5-34505号(特許文献1)には、「基板側の第1層および第3層にZrO2
Ta2O5、ZrO2 とTa2O5との混合物またはZrO2とTiO2との混合物を積層し、第2層にSiO2を積層したことを特徴とする耐薬反射防止膜」が記載されている。この耐薬反射防止膜はイオンビーム・アシスト蒸着(IAD)を使って成膜されたものであるので比較的大きな充填率(膜の密度)を有しており、表面がZrO2、Ta2O5又はZrO2とTa2O5の混合物からなるので、酸やアルカリ溶液等に対して耐久性を有すると記載されている。
特許文献1に記載の耐薬反射防止膜は、洗浄液や消毒液による消毒又は滅菌に対して耐性を有する。しかし高温高圧の水蒸気に対しては十分な耐久性を有しておらず、高温高圧水蒸気処理を繰り返し施すと反射防止性能が低下する。このように反射防止性能が低下するのは、イオンビーム・アシスト蒸着により成膜されたZrO2 及び/又はTa2O5からなる第3層(表面層)が十分に大きな密度を有していないために、高温高圧の水蒸気が第3層を透過してその内側にあるSiO2層に接触してしまうためであると考えられる。SiO2層はあまり大きな耐湿性を有していないので、高温高圧の水蒸気との接触によって劣化する。このように高温高圧の水蒸気に耐久性を有するには、反射防止膜は大きな密度を有することが必要であると考えられる。またこの耐薬反射防止膜は、可視光の長波長側では良好な反射防止効果を示すものの、短波長側では優れた反射防止効果を有するものでない。例えば、波長400 nm程度の可視光を4%以上反射してしまう。
特開平7-234302号(特許文献2)は、「光学ガラス基板上に形成される複数の層から成る反射防止膜であって、HfO2又はTa2O5から成る高屈折率材料層と、SiO2から成る低屈折率材料層とを有し、大気側最外層が上記高屈折率材料層であることを特徴とする耐湿性反射防止膜」を記載している。この耐湿性反射防止膜は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びイオンビーム・アシスト法によって作製できると記載されている。この反射防止膜の大気側表面は、耐湿性を有するHfO2又はTa2O5からなるので、反射防止膜が高湿度雰囲気に曝されて表面に水滴が生じても、水滴の蒸発後に残ったフローマークを簡単に拭き取ることができる。しかしこの耐湿性反射防止膜も高温高圧水蒸気に対しては十分な耐久性を有しておらず、高温高圧水蒸気処理を繰り返し施すと、反射防止性能が低下してしまう。また波長450 nm程度の可視光に対する反射率は4%以上であり、優れた反射防止効果を有するものではない。
特開平7-287101号(特許文献3)は、「光学ガラス基板上に、設計波長550 nmで光学膜厚234〜316 nmのSiO2 から成る第一層、光学膜厚43〜58 nmのHfO2 又はTa2O5から成る第二層、光学膜厚34〜46 nmのSiO2 から成る第三層、光学膜厚113〜153 nmのHfO2 又はTa2O5から成る第四層、光学膜厚115〜155 nmのSiO2 から成る第五層及び光学膜厚5〜15 nmのパーフルオロアルキルシラザンから成る第六層を順次形成して構成されたことを特徴とする耐湿反射防止膜」を開示している。この耐湿反射防止膜は、最外層として撥水性高分子であるパーフルオロアルキルシラザンから成る層を有しているので、優れた耐湿性を有している。しかし高温高圧の水蒸気に対しては、十分な耐久性を有するとはいえず、オートクレーブ滅菌処理を施すと反射防止性能が低下する。また波長400 nm程度の可視光に対する反射率は2%以上であり、優れた反射防止効果を有するものではない。
特開平5-34505号公報 特開平7-234302号公報 特開平7-287101号公報
従って、本発明の目的は、高温高圧の水蒸気に対して優れた耐久性を有するために高温高圧水蒸気滅菌処理可能であるとともに、優れた反射防止特性を有する反射防止構造部を有する対物レンズ及びその製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、(a) 可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有する反射防止構造部を表面に有する対物レンズは、高温高圧水蒸気滅菌処理可能である上、優れた反射防止特性を有すること、及び(b) 係る対物レンズは、エッチング速度の異なる二種以上の材料を交互に積層した多層膜をレンズ形状に切り出し、表面をエッチングした母材にメッキし、得られたメッキ体を成形型として成形することによって得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の対物レンズは内視鏡に用いられるもので、ランタン系ガラス又は合成石英ガラスからなり、可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有する反射防止構造部を両面又は片面に有することを特徴とする。
前記凸部又は前記凹部の高さは50〜1000 nmであるのが好ましく、前記凸部又は前記凹部の間隔は50〜1000 nmであるのが好ましい。
本発明の内視鏡は、本発明の対物レンズを具備することを特徴とする。
また本発明の対物レンズ用成形型は、可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有することを特徴とする。
本発明の対物レンズの製造方法は、(a) エッチング速度の異なる二種以上の材料を可視域波長より短い周期で交互に積層し、多層膜を形成する工程と、(b) 前記多層膜の断面がレンズの面方向になるように、前記多層膜をレンズ形状の母材にする工程と、(c) 前記母材の表面を研削及び/又は研磨する工程と、(d) 前記母材の表面をエッチングし、前記周期で配列した複数の凸部又は凹部を有する反射防止構造部を設ける工程と、(e) 前記母材にメッキすることにより、前記反射防止構造部を転写したメッキ体を設ける工程と、(f) 前記メッキ体を成形型としてガラスを加熱圧縮成形する工程とを有することを特徴とする。
本発明の対物レンズは、可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有し、広い波長範囲で優れた反射防止特性を示す。反射防止構造部はレンズと同じ材料からなるので、高温高圧水蒸気に対して優れた耐久性を示す。そのため高温高圧水蒸気(オートクレーブ)による滅菌が可能であり、内視鏡用に好適である。
本発明の対物レンズの製造方法においては、二種以上の材料を可視域波長より短い周期で積層し、得られた多層膜の断面をエッチングして凹凸を形成し、この凹凸を成形型表面に転写する。凹凸の周期は各層を設ける厚さによって適宜調製できるので、所望の周期で形成できる。成形型表面に形成した凹凸形状は、加熱圧縮成形工程で成形体に精密に転写するので、得られる対物レンズは可視域波長より短い周期の凹凸構造を有し、優れた反射防止効果を示す。
[1] 対物レンズ
図1(a) 及び(b) は、本発明の対物レンズ1の一例を示す。部分拡大図に示すように、対物レンズ1は、上面及び下面に反射防止構造部2a,2bを有する。反射防止構造部2a,2bは、ほぼ等しい間隔で並んだ複数の凸部21a,21bを有する。隣り合う凸部21a,21bの間は凹部22a,22bとなっている。
凸部21a,21bの周期dは可視域波長より短い。具体的には50〜1000 nmであるのが好ましく、100〜780 nmであるのがより好ましく、350〜750 nmであるのが特に好ましい。凸部21a,21bの周期dが50〜1000 nmであると、反射防止構造部2a,2bが波長200〜4000 nmの範囲で優れた反射防止効果を示す。凸部21a,21bの高さhは50〜1000 nmであるのが好ましい。高さhが1000 nm超であると凸部21a,21bが折れ易すぎる。50 nm未満であると、十分な反射防止作用を示し難すぎる。
対物レンズはランタン系ガラス又は合成石英ガラスからなる。ランタン系ガラス又は合成石英ガラスからなる基材は、高温高圧の水蒸気に対して耐久性を有しており、高温高圧水蒸気による滅菌が可能である。内視鏡に用いられる対物レンズの場合、直径は概ね0.5〜3mmである。
[2] 対物レンズの製造方法
(1) 母材の作製
成形型の成形のために、レンズと同じ形状を有する母材を作製する。母材は、エッチング速度の異なる二種以上の材料からなる。具体的には酸化タンタル、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ハフニウム及び酸化イットリウムからなる群より選択された二種以上からなるのが好ましい。
母材が酸化タンタル及び酸化ケイ素からなる場合を例にとって、母材の作製方法を説明する。図2に示すように、合成石英からなる基板3に酸化タンタル層41と酸化ケイ素層42とを交互に積層する。図中の酸化タンタル層41及び酸化ケイ素層42は、実際より厚く描かれている。各層はイオンビームアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法、真空蒸着法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、溶射法、エアロゾルデポジッション法等によって設けることができる。層の厚さは25〜500 nmとするのが好ましい。各層の厚さは、多少ばらつきがあるのが好ましい。母材を構成する層の厚さによって、レンズ表面に形成する凹凸の幅が決定するが、この凹凸が規則的過ぎると、回折現象によって反射防止効果を損なってしまう。回折を低減するための好ましい凹凸形状については、特開2003-114316号に記載されている。
酸化タンタル層41及び酸化ケイ素層42からなる積層体4の厚さDは、作製するレンズの直径以上にする必要がある。従って、例えば直径1mmの母材を作製する場合、厚さ175 nmの酸化タンタル層41及び酸化ケイ素層42を合計で6000層設け、積層体の厚さを1mm以上(1.05 mm)にする。
図3に示すように積層体4を円盤状に切削し、研磨する。この際、積層方向が円盤400の直径方向になるようにする。次に、図4に示すように、円盤400を高速原子線エッチング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングや、酸、アルカリ等の溶剤を用いるウェットエッチングによってエッチングし、母材5を得る。図4に示す例では、母材5の両面をエッチングしているが、対物レンズの一面にのみ反射防止構造部2を設ける場合は、母材5の一面のみをエッチングすればよい。酸化タンタルと酸化ケイ素とのエッチング速度は異なり、酸化ケイ素が速くエッチングされ、酸化タンタルは遅くエッチングされる。そのため部分拡大図に示すように、母材5の表面には酸化タンタルからなる凸部51が形成する。
(2) 成形型の作製
図5に示すように、母材5の上面及び下面にそれぞれメッキを施す。図中、メッキ体は実際より厚く描かれている。メッキ体には微細な凸部51を有する母材5の形状が転写されるので、得られたメッキ体を母材5から剥離すると、レンズの成形型6a,6bとして使用できる。メッキ法は、ナノメートルオーダーの形状を転写可能なものである必要がある。具体的には無電解ニッケルメッキ、無電解ニッケル合金メッキ、無電解銅合金メッキ、無電解スズ合金メッキが好ましい。成形型6a,6bから母材5を剥離しやすいように、メッキ処理に先立って、母材5の表面に銀等を蒸着したり、フッ素系樹脂等を塗布しておくのが好ましい。取扱いが容易になるように、超硬等からなる成形型6a,6bを保持部材60,60に接着するのが好ましい。
図6に示すように、成形型6a,6bの表面に保護膜61を形成する。保護膜61はダイヤモンドライクカーボン、貴金属、セラミック等からなるのが好ましい。成形型6a,6bの凹凸に合った形状で均一な厚さで形成するように、プラズマCVD、スパッタ法、イオンプレーティング法等によって保護膜61を形成するのが好ましい。
(3) 対物レンズの成形
図7(a) に示すように、成形型6a,6bの間にランタン系ガラス又は合成石英ガラスからなる基板Gを入れ、加熱圧縮成形する(図7(b) )。加熱圧縮成形によって、基板Gをレンズ形状にする共に、成形型6a,6bの凹凸形状を基板Gに転写し、対物レンズ1の上面及び下面に反射防止構造部2a,2bを設けることができる(図7(c) )。
[3] 医療用光学機器
本発明の対物レンズ1は、高温高圧の水蒸気に対する耐久性と、優れた反射防止特性とを兼ね備えており内視鏡100に用いられる。内視鏡には、可とう性内視鏡、硬性内視鏡、カプセル内視鏡等がある。
図8に示すように、内視鏡100は外筒110内に観察光学系120を具備する。対物レンズ1は観察光学系120の最先端に設けられるのが好ましい。対物レンズ1は反射防止構造部2を有するので、効率よく光を透過させる。また最先に設けられた対物レンズ1の表面は、外筒110の外に露出しており、内視鏡100を滅菌処理すると、対物レンズ1は高温高圧の水蒸気等に接触するが、対物レンズ1は高温高圧の水蒸気に対して優れた耐久性を示す。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
(a) 母材の作製
合成石英基板に厚さ175 nmの酸化タンタル層と、厚さ175 nmの酸化ケイ素層を交互に合計6000層積層(サイズ20 mm×20 mm)した。得られた積層体4の厚さは1050μmであった。図3に示すように、積層体4を円柱状(直径1.0 mm、厚さ0.6 mm)に切り出し、表面を切削・研磨した後、高速原子線エッチングし、レンズ母材5を得た。酸化タンタルと酸化ケイ素のエッチングレートの違いにより、母材5の表面には、凹凸が形成されていた。
(b) 成形型の作製
母材5の両面に銀を蒸着した後、無電解ニッケルメッキした。ニッケルメッキ体の外面に減圧プラズマCVD法によってダイヤモンドライクカーボンを成膜し、成形型6a,6bを得た。各成形型6a,6bに、超硬からなる保持部材を接着した。
(c) 対物レンズの成形
(b)工程で得た成形型6a,6bにランタン系ガラス基板(オハラ光学製S-LAH58、nd=1.883、νd=40.8、転移点730℃)を入れ、810℃に加熱した。得られた対物レンズの表面には成形型の凹凸形状が転写されており、概ね図9に示す断面形状となった。
比較例1
表面に凹凸形状を有していない成形型にランタン系ガラス基板(オハラ光学製S-LAH58、nd=1.883、νd=40.8、転移点730℃)を入れ、810℃に加熱した。得られたレンズ基材の表面に、イオンビーム・アシスト法によって、酸化タンタルからなり物理膜厚8.7 nmの第一層、酸化ケイ素からなり物理膜厚84.0 nmの第二層、酸化タンタルからなり物理膜厚5.4 nmの第三層を形成し、反射防止膜を有する対物レンズを得た。
(分光反射率の測定)
実施例1と比較例1に、入射角5°で波長350〜750 nmの光をそれぞれ照射し、分光反射率を測定した。測定結果を図10に示す。実施例1は比較例1と比較して、可視域(波長400〜700 nm)で優れた反射防止効果を有していることが分かった。
(耐久性試験)
132℃における飽和水蒸気圧に10分間曝す処理(高圧高温水蒸気滅菌処理)を、実施例1と比較例1に200サイクル実施した。次に、レンズ表面をアルコール系溶剤で超音波洗浄し、蒸気乾燥させた後、表面の状態を観察した。観察結果を表1に示す。実施例1は比較例1と比較して、高圧高温水蒸気に対する耐久性に優れていることが分かった。
Figure 2007041314
本発明の対物レンズの一例を示し、(a) は上面図であり、(b) は断面図である。 合成石英基板上に形成した積層体の一例を示す側面図である。 積層体を切削して得た円盤を示す斜視図である。 円盤をエッチングして得た母材を示す断面図である。 母材に形成したメッキ体を示す断面図である。成形型を示す メッキ体と、保護膜とからなる成形型を示す断面図である。 対物レンズの成形を示すフロー図であり、(a) は成形型に基板を入れる工程を示し、(b) はプレス成形工程を示し、(c) は対物レンズを示す。 本発明の内視鏡の先端部を示す断面図である。 実施例1の反射防止構造部を示す拡大断面図である。 実施例1及び比較例1の分光反射率を示すグラフである。
符号の説明
1・・・対物レンズ
2a、2b・・・反射防止構造部
3・・・基板3
4・・・積層体
41・・・酸化タンタル層
42・・・酸化ケイ素層
5・・・母材
6a,6b・・・成形型
100・・・内視鏡
110・・・外筒
120・・・観察光学系

Claims (5)

  1. 内視鏡に用いられる対物レンズであって、ランタン系ガラス又は合成石英ガラスからなり、可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有する反射防止構造部を両面又は片面に有することを特徴とする対物レンズ。
  2. 請求項1に記載の対物レンズにおいて、前記凸部又は前記凹部の高さが50〜1000 nmであって、前記凸部又は前記凹部の間隔が50〜1000 nmであることを特徴とする対物レンズ。
  3. 請求項1又は2に記載の対物レンズを具備することを特徴とする内視鏡。
  4. 可視域波長より短い周期で配列した複数の凸部又は凹部を有することを特徴とする対物レンズ用成形型。
  5. (a) エッチング速度の異なる二種以上の材料を可視域波長より短い周期で交互に積層し、多層膜を形成する工程と、(b) 前記多層膜の断面がレンズの面方向になるように、前記多層膜をレンズ形状の母材にする工程と、(c) 前記母材の表面を研削及び/又は研磨する工程と、(d) 前記母材の表面をエッチングし、前記周期で配列した複数の凸部又は凹部を有する反射防止構造部を設ける工程と、(e) 前記母材にメッキすることにより、前記反射防止構造部を転写したメッキ体を設ける工程と、(f) 前記メッキ体を成形型としてガラスを加熱圧縮成形する工程とを有することを特徴とする対物レンズの製造方法。
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