JP5792026B2 - 光学素子、および光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
このような内面反射光を抑制するため、光学素子の外周面に光吸収性の塗料を塗布することが知られている。
しかし、ガラス母材を切削、研磨して製造する光学素子の場合、非有効領域である外周面等では、粗ずり面等の粗面加工を行うことが可能であるため、塗料が剥がれることなく安定した塗布状態を保持できる。また、塗布面が粗面であることにより、内面反射光を抑制しやすくなっている。
しかし、近年では、生産効率の高い成形によって製造される光学素子が増えている。成形品では、粗面を形成することが困難であるため、光吸収性の塗料を塗布しても、塗料が剥がれやすくなり、かつ、塗布面が滑らかであるため、内面反射の防止効果が劣ることになるという問題があった。
このため、特許文献1には、チタン(Ti)を含むガラスを用いた光学素子において、成形時に、光学素子の非光学有効部分に、二酸化炭素による発泡痕を形成する光学素子の製造方法が提案されている。
特許文献1に記載の技術によれば、金型の非光学有効領域転写面の表層に炭素を含む素材を配置し、成形時に600℃以上750℃以下に加熱されると、「化学的活性度の大きいTiを含むガラス素材4が炭素を含む素材からなる内面5と触れることで、Ti原子が内面5の炭素原子への酸素供給成分として働く。これによって、活性酸素が炭素に供給され、活性酸素は炭素と接触することによって二酸化炭素を生成し、光学素子の成形表面に発泡痕が形成される。すなわち、光学素子の非光学部分有効領域のみが粗ずり状態にされる。」ことが記載されている。
例えば、酸化ビスマスを含む超高屈折率ガラスを用いたガラス成形には、特許文献1に記載の技術が適用できないため、このようなガラス材料を用いた場合でも、塗料が剥がれにくくなる粗面を形成できるようにすることが強く求められている。また、高屈折率を有するガラス材料は、低屈折率のガラス材料に比べて内面反射を起こしやすいという問題もある。
本発明の実施形態の光学素子について説明する。
図1(a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施形態の光学素子の一例を示す正面図、平面図である。図1(c)は、本発明の実施形態の光学素子の光学有効領域外のガラス表面の拡大断面図である。
光学素子の種類としては、光学有効領域内に光を透過させる光学素子であれば特に限定されない。例えば、レンズ、プリズム、ミラー、フィルタ、基板などの適宜の種類を採用することができ、光学有効領域の表面は曲率を有していてもよいし、曲率を有しない平面であってもよい。また、曲率を有する場合には凸面でも凹面でもよい。
以下では、本実施形態の光学素子について、図1(a)、(b)、(c)に示すレンズ1の例で説明する。
レンズ1は、凸レンズ面1aと、凸レンズ面1bとを備え、これら凸レンズ面1a、1bの外周に外形が円形のフランジ部1cが設けられた形状を有している。
ガラスGの具体例としては、例えば、K−PSFn2(商品名;(株)住田光学ガラス製、nd=2.00170、C=57(重量%))、K−PSFn3(商品名;(株)住田光学ガラス製、nd=1.83917、C=11(重量%))、L−BBH1(商品名;(株)オハラ製、nd=2.102050、C=84(重量%))、M−FDS2(商品名;HOYA(株)製、nd=2.00178、C=51(重量%))などの例を挙げることができる。ここで、ndはd線における屈折率(メーカデータ)、Cは酸化ビスマスの含有量である。ただし、Cは、実測に基づく推定値である。
これらの硝材はいずれもガラスモールド用である。
凸レンズ面1aでは、光軸Oを中心とする直径Daの円内が光学有効領域Eaに設定されている。光学有効領域Eaの外周側は、非光学有効領域Naを構成している。
同様に、凸レンズ面1bでは、光軸Oを中心とする直径Dbの円内が光学有効領域Ebに設定されている。光学有効領域Ebの外周側は、非光学有効領域Nbを構成している。
本実施形態では、非光学有効領域Na、Nbである表面には、図1(c)に示すように、変質層Tが形成されている。
フランジ側面1fは、レンズ1を、例えばレンズ鏡筒等の保持部材に組み付ける際、レンズ1の径方向の位置決めに用いる位置決め面、あるいは径方向の位置を固定する固定面として用いることが可能である。
また、フランジ平面部1d、1eは、レンズ1を、例えばレンズ鏡筒等の保持部材に組み付ける際、レンズ1の光軸方向の位置決めに用いる位置決め面、あるいは光軸方向の位置を固定する固定面として用いることが可能である。
本実施形態では、フランジ側面1f、フランジ平面部1d、1eの各表面には、非光学有効領域Na、Nbと同様に、変質層Tが形成されている。
図2は、本発明の実施形態の光学素子の製造方法に用いる光学素子成形用型の分解図である。図3(a)は、光学素子成形用型の還元層の拡大断面図である。図3(b)は、光学有効領域の表面を形成する光学素子成形用型の成形面の拡大断面図である。図4は、本発明の実施形態の光学素子の製造方法に用いる成形装置の断面図である。図5は、本発明の実施形態の光学素子の製造方法の成形工程を示す工程説明図である。図6(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の光学素子を用いた光学部品の一例を示す正面図、平面図、および光学有効領域外の部品表面の拡大断面図である。
平面部成形面3bの外周部には、後述する外径型6の内周面6aと嵌合可能な外径を有し側面3dよりも小径の円筒面状の側面と、外径型6の軸方向の端部を当接させるための中心軸線Pに直交する平面とで構成された段状の外径型受け部3cが設けられている。
また、下型3の軸方向の他方の端部には、側面3dから中心軸線Pに直交する径方向の外側に延びるフランジ部3eが形成されている。フランジ部3eの軸方向の他方側の端面(図2の下側の端面)は中心軸線Pに直交する下面3fを構成している。
レンズ面成形面3aは、凸レンズ面1bの光学有効領域Ebと非光学有効領域Nbとにそれぞれ対応して、光学有効領域成形面3Aと非光学有効領域成形面3Bとを有し、それぞれの薄膜層の種類が異なる。
金属層mの材質は、ガラスGを成形対象とした場合に、凸レンズ面1bに必要とされる面精度の凹面形状を転写して繰り返し成形が行えるような成形性、離型性、耐久性が得られる適宜の金属単体、複数の金属元素の混合体、または合金を含む構成とすることができる。本実施形態では、後述するように、成形工程を非酸化雰囲気で行うため、酸化されやすい金属元素を含む構成も可能である。
金属層mに含まれる好ましい金属元素としては、貴金属元素、遷移金属元素を挙げることができる。また、特に好ましい材質としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ハフニウム(Hf)から選択される少なくとも1種類の元素、もしくはこれら元素を1種以上含む合金を挙げることができる。金属層mを合金で形成する場合、例えば、白金とイリジウムとの合金、白金とパラジウムとの合金などが特に好適である。
金属層mの層厚は、ガラスGの材質や成形温度などに応じて、必要な耐久性が得られるように適宜設定することができる。例えば、K−PSFn2の場合、100nm〜1000nmが好適である。
金属層mの成膜方法としては、例えば、RFスパッタ、イオンビームスパッタ、蒸着などを採用することができる。
還元層Xの材質は、後述する成形工程において、加熱されたガラスG内で還元される酸化ビスマスに由来する金属ビスマスの表面への析出、凝縮を促進するビスマスよりもイオン化傾向の大きい元素の酸化物、窒化物、炭化物を採用することができる。ビスマスよりもイオン化傾向の大きい元素の酸化物、窒化物、炭化物の種類は一種類には限定されず、複数の元素の酸化物、窒化物、炭化物の混合体も可能である。
還元層Xの好ましい材質としては、成形加熱に耐えうる耐熱性が良好な酸化物、窒化物、炭化物を挙げることができる。特に好ましい例としては、例えば、酸化タンタル(Ta2O5)、窒化クロム(CrN)、炭化ケイ素(SiC)などを挙げることができる。
還元層Xの層厚は、ガラスGの材質や成形温度などに応じて、必要な耐久性が得られるように適宜設定することができる。例えば、酸化タンタルの場合、100nm〜1000nmが好適である。
傾斜中間層GRの組成は、還元層Xに含まれる金属元素等の酸化される元素をMで表すと、基体部3Cと接する部分ではMが100%であり、層厚方向において還元層Xに向かうにつれて、酸素(O)の組成が、連続的または段階的に増大して、還元層Xと接する部分で還元層Xにおける元素の酸化物と同じ組成となる層である。
このような傾斜中間層GRおよび還元層Xは、例えば、Mのターゲットと、Mの酸化物のターゲットとを用いて、それぞれの組成比を調整しながらスパッタリングをおこなうことによって形成することができる。
このように、傾斜中間層GRを介して還元層Xを形成することにより、基体部3Cと還元層Xとの密着力を高めることができる。
平面部成形面4bの外周部には、後述する外径型6の内周面6aと嵌合可能な外径を有し側面4dよりも小径の円筒面状の側面と、外径型6の軸方向の端部を当接させるための中心軸線Pに直交する平面とで構成された段状の外径型受け部4cが設けられている。
また、上型4の軸方向の他方の端部には、側面4dから中心軸線Pに直交する径方向の外側に延びるフランジ部4eが形成されている。フランジ部4eの軸方向の他方側の端面(図2の上側の端面)は中心軸線Pに直交する上面4fを構成している。
レンズ面成形面4aは、凸レンズ面1aの光学有効領域Eaと非光学有効領域Naとにそれぞれ対応して、光学有効領域成形面4Aと非光学有効領域成形面4Bとを有し、それぞれの薄膜層の種類が異なる。
金属層mの材質は、下型3の光学有効領域成形面3Aに設けられた金属層mと同じ材質、または同様の選択肢の内から選ばれた材質を採用することができる。
還元層Xの材質は、下型3の非光学有効領域成形面3Bに設けられた還元層Xと同じ材質、または同様の選択肢の内から選ばれた材質を採用することができる。
胴型5の軸方向の長さ(下面5bから上面5cまでの距離)は、後述する光学素子成形用型2の組立状態におけるフランジ部3e、4e間の距離よりも短くなっている。
このような構成により、胴型5は、ガラスGの成形を行う間、下型3、上型4、および外径型6を同軸の位置関係に保持するとともに、上型4を中心軸線Pに沿って移動可能に案内できるようになっている。
本実施形態では、胴型5は、ガラスGを成形する成形面を有しておらず、また加圧を受ける部材でもないため、成形温度に対する耐熱性を有する適宜の金属材料やセラミックスで構成することができる。本実施形態では、高硬度で耐熱性が良好な超硬合金を採用している。
外径型6の軸方向の両端部である下面6cと上面6dとは、それぞれ、下型3の外径型受け部3cの上型4の外径型受け部4cとにそれぞれ軸方向に当接して、下型3と上型4との間の中心軸線Pに沿う距離を規制できるようになっている。
内周面6aの薄膜層としては、非光学有効領域成形面3Bまたは非光学有効領域成形面4Bと同様な薄膜層を採用している。
本工程は、光学素子成形用型2を非酸化雰囲気に配置し、加熱されたガラスGを光学素子成形用型2によってプレスして、ガラスGにレンズ1の形状を転写するとともに、還元層Xと密着するガラスGの表面に金属ビスマスを含む変質層Tを形成する工程である。
以下では、具体例を挙げて説明する際、特に断らない場合には、一例として、ガラスGがK−PSFn2(商品名)であって、レンズ1の大きさは、レンズ外径7mm、レンズ有効径4.5mmの場合の例で説明する。また、基体部3C、4C、6Aは超硬合金であり、還元層XがTa2O5(層厚300nm)、金属層mがPtとIrとの合金(層厚300nm)であるとして説明する。
成形装置10は、光学素子成形用型2を内部に収容し、内部を非酸化雰囲気に保つ真空チャンバー11と、下型3を下側に向けた光学素子成形用型2を、その中心軸線Pが鉛直方向に沿うように載置し、下型3の下面3fと当接する載置面を通して光学素子成形用型2を下方から加熱する加熱ステージ12と、加熱ステージ12上に載置された光学素子成形用型2を上方から加熱しつつ押圧する加圧部13とを備える。
押圧板13aには図示略のヒータ等の加熱手段を備えており、光学素子成形用型2の押圧時に、光学素子成形用型2を上方から加熱することができるようになっている。
すなわち、下型3に胴型5を外嵌させるとともに、胴型5の内周面5a内に外径型6を挿入し、外径型6の下面6cが形成された端部を下型3の環状型受け部3cに嵌め込み、レンズ面成形面3a上に、レンズ1を成形するために必要な質量に秤量されたガラスGを配置する。
そして、胴型5の上部から、レンズ面成形面4aを下方に向けた上型4を挿入して、レンズ面成形面4aをガラスGの上部に当接させる。
このようにして、光学素子成形用型2の組立体が形成される(図4参照)。
次に、駆動部13cによって、駆動アーム13bの移動量を調整して、押圧板13aを、光学素子成形用型2の上面4fに当接させる。
このような状態で、排気管14から真空チャンバー11内の酸素を含む雰囲気を排気し、不活性ガス供給管15を通して、不活性ガスを供給して、真空チャンバー11内の酸素が排出され、不活性ガスに満たされた非酸化雰囲気を形成する。
例えば、窒素ガスが満たして、酸素濃度が10ppm以下の非酸化雰囲気を形成する。
例えば、K−PSFn2(商品名)の屈伏点は、514℃であるため、上記成形工程において、成形温度としては、560℃が好適である。
このとき、光学素子成形用型2に加える押圧力は、0.3MPa、加熱時間は、5分が好適である。この加熱時間は、変質層Tを形成しない従来の製造方法による成形を行う場合の加熱時間と同一である。例えば、ガラスGにおけるBi2O3の含有量等によって変質層Tの形成が不十分となる場合には、加熱時間を延長するか、成形温度を上げればよい。
加熱時間が経過したら、加熱を停止し、放熱冷却させる。ガラスGの温度が、ガラス転移点より充分低い温度になったら、光学素子成形用型2を成形装置10の外部に移動して脱型を行う。
以上で、成形工程が終了する。これにより、ガラスGが固化したレンズ1が製造される。
還元層Xからなる成形面によって成形された非光学有効領域Na、Nb、フランジ平面部1d、1e、フランジ側面1fの表面に、変質層Tが形成されていることは、脱型したレンズ1の表面に金属ビスマス粒子が観察されること、これらの表面が光学有効領域Ea、Ebに比べて粗面化していることによって容易に確かめられる。
ガラスGに含まれるBi2O3は成形加熱によって表面に析出しやすくなる。
表面に析出したBi2O3は非酸化雰囲気(周辺に酸素が無い又は極めて少ない状態)で還元層Xと接しているため、イオン化傾向の大きい元素の還元層Xと酸化還元反応を起こして還元され、金属化する。なお、酸素が極めて少ない状態とは、酸素濃度が例えば20ppm以下をいう。
析出して金属化したビスマス同士は、安定な結晶状態を生成する過程で凝集して微粒子になる。このため、金属ビスマス粒子がガラスGの表面に残り、ガラスGの表面に微細な凹凸形状が形成され、ガラスGの表面の粗面化が起こる。また、金属ビスマス粒子は光を吸収するため、ガラスGの表面の光学特性は悪化する。
これに対して、金属層mからなる成形面では、ビスマスよりもイオン化傾向が小さいため、酸化還元反応を起こさない。この結果、ガラスGの表面が粗面化されず、また金属ビスマス粒子による光吸収も発生しない。
このため、金属層mによって形成される光学有効領域Ea、Ebでは、良好な光学特性が維持される。
また、金属ビスマス粒子自体も光を吸収するため、塗料による光吸収作用と相俟って、内面反射によるゴーストやフレアを抑制することができる。
このように、金属ビスマスが成形面に堆積すると、成形面が粗面化し、成形時のガラスGの密着性や離型性が悪くなるおそれがある。このため、本実施形態では、一定回数の成形を行ったら、還元層Xによって形成された成形面を有機溶剤により洗浄するようにしている。また、酸化還元反応によって過酸化状態となった還元層Xの一部を、研磨などにより除去し、過酸化した部分を取除いている。
光学部品20は、レンズ1の非光学有効領域Na、Nb、フランジ平面部1d、1e、フランジ側面1f上に形成された変質層Tの表面に、塗料を塗布して乾燥させ、光吸収層Aを形成したものである。
光吸収層Aに用いる塗料としては、オリジン電機株式会社製レンズ用黒BNo.3などのふち塗り塗料を採用することができる。
実施例1は、上記実施形態の具体例として説明したものと同じである。
実施例2、3は、それぞれ、ガラス種を、L−BBH1(商品名)、K−PSFn3(商品名)に代えて、上記の実施形態の光学素子の製造方法を用いて製造した例である。
いずれも、レンズ1の形状と、光学素子成形用型2の構成と、光吸収層Aを形成するのに用いた塗料の種類とは、実施例1と共通である。
成形温度、加熱時間は、実施例2が420℃、5分、実施例3が560℃、5分とした。
比較例は、実施例1に用いた光学素子成形用型2において、すべての成形面を金属層mによって形成した点以外は、実施例1と同じである。
また、光吸収層Aの塗布状態の評価は、乾燥後の光吸収層Aを観察し、光吸収層Aの剥がれや、浮きなどがないか目視検査することにより行った。
これらの評価結果を以下に表1として示す。
また、光吸収層Aの塗布状態の評価では、実施例1〜3は、剥がれや浮きが見られなかったため、良好と評価した。一方、比較例は、剥がれが見られたため、不良と評価した。
比較例は、実施例1の還元層Xが金属層mに置き換えられている点のみが異なるため、このような評価結果の違いは、変質層Tが形成されているかいないかの違いである。
したがって、この評価結果から、変質層Tが上記実施形態で説明したような効果を発揮していることが分かる。
例えば、SiCなどのセラミックスは、基体部として用いることも可能である。この場合、基体部の表面がそのまま還元層になっているため、還元層を成膜する工程を省略できる。このため、光学素子成形用型の製造がより容易となり、安価に製造することができる。
したがって、例えば、特に内面反射の防止を意図しない塗布物であっても、塗布状態を向上させることができる点で、優れた効果を発揮する。
このような塗布物としては、光学素子を固定するための接着剤や、例えば製造番号などを印字するインクや、光学素子の絞りを形成する塗料などの例を挙げることができる。
1a、1b 凸レンズ面
1d、1e フランジ平面部(光学有効領域外のガラス表面)
1f フランジ側面(光学有効領域外のガラス表面)
2 光学素子成形用型
3 下型
3A、4A 光学有効領域成形面
3B、4B 非光学有効領域成形面
3C、4C、6A 基体部
3a、4a レンズ面成形面
3b、4b 平面部成形面
4 上型
4a レンズ面成形面
5 胴型
6 外径型
6a 内周面
10 成形装置
11 真空チャンバー
12 加熱ステージ
13 加圧部
20 光学部品
A 光吸収層
Ea、Eb 光学有効領域
G ガラス(ガラス材料)
GR 傾斜中間層
m 金属層
Na、Nb 非光学有効領域(光学有効領域外のガラス表面)
O 光軸
P 中心軸線
T 変質層
X 還元層
Claims (5)
- 酸化ビスマスを含むガラス材料で成形された光学素子であって、
光学有効領域外のガラス表面に、前記ガラス材料中の酸化ビスマスが還元されてなる金属ビスマスを含む変質層が形成された
ことを特徴とする、光学素子。 - 酸化ビスマスを含むガラス材料を用いた光学素子の製造方法であって、
前記光学素子の形状を前記ガラス材料に転写する形状の成形面を有し、該成形面のうち前記光学素子の光学有効領域外の表面形状を転写する部分の少なくとも表面に、ビスマスよりもイオン化傾向の大きい元素を含む還元層が設けられた光学素子成形用型を準備する型準備工程と、
前記光学素子成形用型を非酸化雰囲気に配置し、加熱された前記ガラス材料を前記光学素子成形用型によってプレスして、前記ガラス材料に前記光学素子の形状を転写するとともに、前記還元層と密着する前記ガラス材料の表面に金属ビスマスを含む変質層を形成する成形工程と、
を備えることを特徴とする、光学素子の製造方法。 - 前記還元層は、ビスマスよりもイオン化傾向の大きい元素の酸化物、窒化物、または炭化物を含む
ことを特徴とする、請求項2に記載の光学素子の製造方法。 - 前記光学素子成形用型の成形面のうち、前記光学素子の光学有効領域の表面を形成する部分が、
白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、ハフニウムで構成される元素群の中の少なくとも1種の元素からなる、又は前記元素群の中の少なくとも1種の元素を含む合金からなる
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の光学素子の製造方法。 - 前記光学素子成形用型の成形面のうち、前記光学素子の光学有効領域の表面を形成する部分が、
前記元素群の中の少なくとも2種の元素から構成される合金からなる
ことを特徴とする、請求項4に記載の光学素子の製造方法。
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