JP2005001966A - 光学素子の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の成形面を有する上下一対の型1,2を用いてガラス素材10を成形し、成形された光学素子の上下面の形状をそれぞれ測定して、それぞれの初期設計値からのズレ量を算出する第1の工程と、光学素子の一方の面の面形状の設計値からのズレによる光学的影響をキャンセルするように、光学素子の他方の面の面形状を再設計する第2の工程と、第2の工程で得えられた他方の面の面形状の再設計値に、第1の工程で得られた他方の面の面形状の初期設計値からのズレ量をキャンセルするための修正分を加えて、他方の面の面形状を成形する型の成形面を再加工する第3の工程と、成形面の調整を行わない一方の型と、第3の工程により成形面の調整を行った他方の型を用いて成形を行い、所望の光学素子を成形する第4の工程とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱されたガラス素材を一対の型間で成形するための光学素子の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レンズなどの光学素子を上下一対の型を用いて成形し、その面形状が設計値の許容誤差範囲を越えていた場合、成形条件を工夫するか、上下の型の成形面を補正するなどして対応していた。
【0003】
例えば、本願出願人による特許第2972482号公報(特許文献1)には、成形面の形状がクセ(光軸に対称な形状誤差)をキャンセルするような形状に加工された成形用型部材を用いて光学素子の成形を行い、高精度な面精度を有する光学素子を得ることが記載されている。
【0004】
また、本願出願人が既に出願している特開平8−40732号公報(特許文献2)には、冷却工程で上下型に温度差をつけるなどして、一方の光学機能面のクセを多く発生させるようにし、他方の光学機能面のクセの発生を抑え、それにより、型補正の手間を一方の型のみとすることにより、高精度な面精度を有する光学素子を得るとともに、安価な生産を達成することが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2972482号公報
【特許文献1】
特開平8−40732号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、通常、光学素子の設計値からの面形状のズレは両面に発生するため、上下両方の型ともに補正を行う必要がある。特に、クセ成分の補正では、球面の光学機能面を成形する場合でも、非球面形状の型が必要となるため、型の加工や検査も非球面対応となり、これを上下両方の型に対して行う必要があることから、手間がかかり、コストアップの要因となっていた。
【0007】
また、非球面の型を加工する場合、研削加工時に発生する微小な段差を研磨で完全に除去することは難しく、これが光学素子に転写されて少なからず光学性能に影響を及ぼしている。そして、光学素子が片側非球面のレンズの場合などでも、球面を成形する型も非球面の加工となるため、微小な段差の影響が2面分で2倍になってしまうという不具合があった。
【0008】
その点、特許文献2に記載されている技術では、補正する型が、片側1面のみで済むことから、上記の問題点を克服することができる。しかしながら、一方の光学機能面のクセを多く発生させることから、安定したクセを発生させる成形も徐々に難しくなり、形状によっては型の補正では安定した面精度の光学素子を得ることが難しくなる。また、クセの発生を制御するために、冷却時の型の温度等を調整するため、成形条件の制約が増え、他の不良対策に支障をきたす場合も想定される。
【0009】
なお、冷却をゆっくりすることで面形状のズレを低減させ、型の補正を行わないで済ませることができる場合もあるが、成形サイクルが延びてしまい、コストアップにつながるため、実用的ではない。
【0010】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精度な面形状を有する光学素子を安価に製造できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる光学素子の成形方法は、上下一対の型間で、変形可能な状態に加熱されたガラス素材を押圧し、冷却した後に型から取り出して、上下面に前記型の成形面を転写した光学機能面を持つ光学素子を成形するための光学素子の成形方法であって、所定の成形面を有する上下一対の型を用いて前記ガラス素材を成形し、成形された光学素子の上下面の形状をそれぞれ測定して、それぞれの初期設計値からのズレ量を算出する第1の工程と、前記光学素子の一方の面の面形状の設計値からのズレによる光学的影響をキャンセルするように、前記光学素子の他方の面の面形状を再設計する第2の工程と、該第2の工程で得えられた前記他方の面の面形状の再設計値に、前記第1の工程で得られた前記他方の面の面形状の初期設計値からのズレ量をキャンセルするための修正分を加えて、前記他方の面の面形状を成形する型の成形面を再加工する第3の工程と、前記一方の面の面形状を成形するための、成形面の調整を行わない一方の型と、前記第3の工程により成形面の調整を行った他方の型を用いて成形を行い、所望の光学素子を成形する第4の工程と、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係わる光学素子の成形方法において、前記初期設計値からのズレ量は、前記光学素子の光軸に対称な誤差成分であることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係わる光学素子の成形方法において、前記一方の面の面形状の設計値は、球面形状であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係わる光学素子成形型の構成を示した図であり、上型1と下型2とによるガラス素材10のプレス動作を開始する前の、上型1が上昇した状態が示されている。
【0016】
図1において、成形型の外殻部を構成する胴型3は、上面視略正方形の角柱状に形成されており、その中心軸上にはこの胴型3を上下に貫通した状態で、貫通穴3b,3cが形成されている。これらの貫通穴のうち上側の貫通穴3bには、円柱状に形成された上型1が、嵌合した状態で上下方向に沿って摺動可能に挿入されている。
【0017】
また、上型1の下面中央には、ガラス素材10を押圧して、その表面に所望の形状を転写して光学機能面を形成するための成形面1aが形成されている。
【0018】
なお、上型1の上方には、ガラス素材10に印加するプレス圧を発生させるための駆動源8が配置されており、この駆動源8が下方に向けて押し出し動作されることにより上型1を介してガラス素材10にプレス圧が印加される。
【0019】
さらに、上型1は不図示のN2噴出管などを通して噴出されるN2ガスにより冷却される。
【0020】
一方、胴型3の下側の貫通穴3cには、上型1と同様、円柱状に形成された下型2が嵌合した状態で挿入されている。
【0021】
また、下型2の下面には下型2を保持するめに、胴型3に対して下板4が取り付けられており、胴型3は下板4を介してベース6上に載置されている。
【0022】
そして、下型2の上面中央には、ガラス素材10の下面に所望の形状を転写して光学機能面を形成するための成形面2aが形成されている。したがって、ガラス素材には、上型1および下型2の各々の成形面1a,2aにより、光学機能面が転写されることとなる。
【0023】
なお、ベース6の下方には駆動源9が設置されており、ベース6、および下板4に形成された貫通穴を介して下型2の下面に当接し、成形品のプレス動作が終了した後の冷却過程において、成形品の面形状が崩れることを防止するために、下型2を上方に押し上げて、成形品に圧力を作用させる。
【0024】
また、下型2は不図示のN2噴出管などを通して噴出されるN2ガスにより冷却される。
【0025】
一方、胴型3の側面には、開口穴3aが形成されており、この開口穴3aを介して、成形型の内部にガラス素材10が供給されると共に、成形の完了した成形品が成形型の内部から取り出される。
【0026】
また、胴型3内には、この胴型3、上型1、下型2を加熱すると共に、これら胴型3、上型1、下型2を介して、ガラス素材10を加熱するための不図示のヒータが複数配置されており、これらのヒータは上型部と下型部とが不図示のそれぞれ独立した温度調節機に接続され、それぞれ不図示のセンサーにより温度を検出し、制御される。
【0027】
次に、上記のように構成された成形装置によりレンズを成形する手順について説明する。
【0028】
まず、図1に示したように、駆動源8を引き込み動作させて、上型1を胴型3に対して上方にスライドさせ、下型2から逃がしておく。この状態において、胴型3の開口穴3aを介して、オートハンド等により、所定の温度に加熱されたガラス素材10を下型2の成形面2a上に供給する。また、胴型3、上型1、および下型2は、所定の成形条件に対応した温度に加熱調整されている。
【0029】
ガラス素材10の型への供給が終了するとさらに加熱され、上型1、下型2およびガラス素材10が所定の温度に到達した時点で駆動源8を押し出し動作させて、ガラス素材10の上面に上型部材1の成形面1aを当接させ、ガラス素材10にプレス圧を印加させる。そして上型1のつば部1bが胴型3の上面に突き当たることによりプレス動作が完了する。この状態においては、ガラス素材10の上下には、上型1の成形面1aと下型2の成形面2aの形状が転写された光学機能面がそれぞれ形成されており、また、ガラス素材の厚みは、所望の厚みに成形されている。
【0030】
その後、冷却工程に移り、不図示のN2噴出管からのN2ガス供給により冷却が促進されるとともに、型がガラス転移点温度よりも高い所定の温度となったときに、成形品12の面形状が崩れないように、駆動源9を押し出し動作させて下型2を押し上げ、成形品に圧力を印加する。その後、型がガラス転移点温度付近の所定の温度となったときに、駆動源9を引き込み動作させて、下型2による圧力を解除する。
【0031】
そして、さらに所定の温度まで冷却を行い、駆動源8を引き込み動作させて、上型1を上方に移動させ、型開きを行った後に、成形品をオートハンド等により、胴型3の開口穴3aを介して外部に取り出す。
【0032】
上記のような一連の動作により、レンズの成形が行われるが、ここでカメラなどで使用する実際のレンズを例に挙げて、さらに説明を続ける。
【0033】
ガラス素材に重クラウンガラス(屈折率1.58、アッベ数59.4、転移点506℃)を使用し、下面側が球面形状、上面側が非球面形状を持つ、外径φ40mmの両凸レンズを成形する場合について説明する。
【0034】
まず上型1および下型2の温度が470℃(1015.2ポアズ相当)のときにガラス素材10を供給し、この状態で上型1、下型2およびガラス素材10の温度が580℃(109.0 ポアズ相当)になるまで加熱した後に、上型1の下降により押圧成形を行い、胴型3の上面に上型1のつば部1bが当接したところでプレス工程を完了し、型の成形面をガラスに転写するとともにレンズの肉厚を一旦決定した。
【0035】
その後、胴型3には上型1からの圧力が加わったままの状態で冷却が開始されるが、ガラスには、圧力が徐々にかからなくなっていく。
【0036】
そして、560℃(109.8ポアズ相当)になった時点で下型2により成形品に圧力を加え、そのまま冷却を続けて490℃(1013.5ポアズ相当)になった時点で、下型2による加圧を解除する。
【0037】
その後470℃(1015.2ポアズ相当)で上型1を引き上げて型を開き、成形品の取出しを行なう。
【0038】
次に、この方法により得られた成形品の上下の面形状を、干渉計や形状測定機などで測定したところ、レンズの設計値のうち、R成分(曲率の絶対値)については、あらかじめ成形品の成形後の形状を予測して型のR形状をずらして設定しておいたため、両面とも許容範囲に収まっていた。また、クセ(光軸について対称な形状誤差)については、上面の非球面側は0.2μm以内のズレで許容範囲内であったが、下面の球面側が1μmの周辺部のダレ形状を生じており、許容限度を越えていた。しかしながら、面形状誤差の再現性については、毎回0.1μmのばらつきの範囲に収まっており、安定して成形されていることが確認された。
【0039】
そこで、本実施形態では、下型2の球面の成形面2aの形状はそのままとし、上型1の非球面の成形面1aの形状を修正することでレンズの光学性能を確保するようにする。
【0040】
具体的には、下型2の成形面をそのままの形状にしておくということは、成形されたレンズの球面側の周辺部に1μmのダレ形状が安定して成形されるということであるから、レンズの球面側の設計形状が、もともと周辺部に1μmのダレ形状がある非球面形状であったものとしてレンズ設計をしなおす。つまり、レンズの球面側の設計形状を、1μmの周辺部のダレ形状が生じた形状に設定し直すとともに、球面側の1μmの周辺部のダレ形状が、レンズの光学的作用に及ぼす影響を見積り、その影響を取り除くために、反対側の非球面形状の設計値の修正を行なう。
【0041】
そして、非球面形状の修正後の設計値に、レンズの非球面側に発生しているクセである0.2μm以内のズレをキャンセルする形状を加えて、非球面側の上型1の成形面1aの再加工を行った。
【0042】
その後、再加工後の上型1(非球面形状)と再加工していない下型2(球面形状)を使用して、前回と同じ成形条件にて成形を行い、得られた成形品の面形状を測定したところ、クセも含めて、レンズの修正後の設計値に対して0.1μmのズレに収まり、良好な成形品を得ることができた。また、この成形品を製品に組み込んで光学性能評価を行ったところ、やはり良好な光学特性を得ることができた。
【0043】
以上説明したように、片側が非球面で反対側が球面のレンズを成形して、球面側にクセが発生した場合でも、従来のように、球面側のクセをキャンセルするように本来球面である下型2を非球面加工する必要がなくなるため、型加工が容易となるほか、非球面の型が片側のみのままで済むため、非球面型の加工で残りやすい研削加工時の微小段差形状の磨き残りが、ガラスの成形面に転写することで発生する光学特性の低下も抑えることができる。
【0044】
(他の実施形態)
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正または変形したものに適用可能である
例えば、上記実施形態では、片側が非球面で反対側が球面のレンズを成形しており、また球面側のクセの発生を非球面側の設計値の修正で対応しているが、両面ともに球面、あるいは非球面でもよく、また、修正する設計値からのズレもクセではなく、アスやR成分(曲率の絶対値)であってもよい。この場合も、片面側のズレを反対面側の設計値の修正で行うため、少なくとも反対面側の型のみの修正で済むという効果が得られる。
【0045】
また、上記実施形態の中で、R成分については、あらかじめ成形品の形状を予測して型のR形状をずらして設定しておいたため、両面とも許容範囲に収まっており、その分の修正は必要なかった。しかし、もし、上下面ともR成分の修正も必要な場合は、もちろん非球面側の設計値の修正と非球面側の型の再加工のみで行ってもよいが、型の球面加工は非球面加工に比べて容易であることから、球面側の下型2については、R成分のズレ量のみを修正した形状で成形面2aを再加工し(この場合球面加工となる)、非球面側については、上記実施形態と同様に、球面側のクセによる光学的影響のみを非球面形状の設計値の修正で対応し、さらに修正後の設計値に非球面側のR成分のズレやクセをキャンセルする形状を加えて上型1の成形面1aを再加工してもよい。そしてそれぞれ再加工後の上型1と下型2を使用して成形し、所望のレンズを得られるようにしてもよい。この場合も、型の非球面加工は片側のみで済むため、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】
さらに、上記実施形態では、型の再加工を1回行って、許容値内の面形状を有するレンズが得られているが、1回で得られない場合は、上述の成形〜測定〜再設計〜再加工〜再成形までの工程を、所望のレンズが得られるまで、繰り返し行ってもよい。
【0047】
また、場合によっては、成形条件を調整し、成形で得られるレンズの面形状の調整(つまり、R成分のズレやクセの大きさを小さくするなど)を行ってから、レンズの設計値からのズレ量を決定し、そのズレ量を元にレンズの設計値の修正、および型の再加工を行ってもよい。この場合、反対側のレンズの設計値の修正が容易になる場合もある。
【0048】
また、上記実施形態では、両凸レンズを例に説明を行ったが、これにとらわれずに光学機能面であれば、平面や凹形状、さらには自由曲面形状であってもよく、外形についても丸レンズのような軸対称形状でなく、角形状レンズや異形状レンズであってもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態では、まずレンズの初期設計値に基づいて用意された上下の型で成形を行ってから、得られたレンズの面形状を測定して、設計値からの面形状のズレ量を算出しているが、コンピューターシミュレーションを利用できるものに関しては、ここまでの工程を実際の成形に頼らず、すべて計算により、設計値からの面形状のズレ量を算出するようにしてもよい。
【0050】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、レンズの片面側の設計値からのズレ量の全部、あるいは一部を、レンズの反対面側の設計値を修正することにより対応するため、特に成形条件に頼ることもなく、少なくとも片面側の型の修正が容易になるか、あるいは不要になるため、成形サイクルが延びたり、他の成形不良の対策を行うための成形条件の制約が発生することもなく、光学特性の優れたレンズが得られるとともに、型の加工費削減や試作期間の短縮においても大きな効果が得られる。
【0051】
また、片側が球面のレンズの場合、たとえ球面側に許容量を超えるクセが発生した場合でも、球面側のクセによる光学的影響を反対の非球面側の設計値を修正して対応するため、球面側のクセをキャンセルするために、球面側の型を非球面に加工する必要もなくなり、上記効果とともに、型の非球面加工により発生するレンズの光学特性の劣化を最小限に抑えることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高精度な面形状を有する光学素子を安価に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる光学素子の成形用型の構成を示した図である。
【符号の説明】
1 上型
1b つば部
1a,2a 成形面
2 下型
3 胴型
3a 窓部
4 下板
6 ベース
8,9 駆動源
10 ガラス素材
Claims (3)
- 上下一対の型間で、変形可能な状態に加熱されたガラス素材を押圧し、冷却した後に型から取り出して、上下面に前記型の成形面を転写した光学機能面を持つ光学素子を成形するための光学素子の成形方法であって、
所定の成形面を有する上下一対の型を用いて前記ガラス素材を成形し、成形された光学素子の上下面の形状をそれぞれ測定して、それぞれの初期設計値からのズレ量を算出する第1の工程と、
前記光学素子の一方の面の面形状の設計値からのズレによる光学的影響をキャンセルするように、前記光学素子の他方の面の面形状を再設計する第2の工程と、
該第2の工程で得えられた前記他方の面の面形状の再設計値に、前記第1の工程で得られた前記他方の面の面形状の初期設計値からのズレ量をキャンセルするための修正分を加えて、前記他方の面の面形状を成形する型の成形面を再加工する第3の工程と、
前記一方の面の面形状を成形するための、成形面の調整を行わない一方の型と、前記第3の工程により成形面の調整を行った他方の型を用いて成形を行い、所望の光学素子を成形する第4の工程と、
を具備することを特徴とする光学素子の成形方法。 - 前記初期設計値からのズレ量は、前記光学素子の光軸に対称な誤差成分であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形方法。
- 前記一方の面の面形状の設計値は、球面形状であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形方法。
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