JP2006096566A - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない修正回数で、所望形状のレンズを成形できる成形型を作製し、この成形型を用いて、成形品を製造する方法を提供する。
【解決手段】凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形することを含む、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えた成形品を得る製造方法。一次成形型を用いて加熱軟化した成形素材をプレス成形して暫定成形品を得る第一成形工程と、暫定成形品の形状と一次成形型の成形面形状との相違から暫定成形品における第一及び第二成形面側の収縮率を把握する工程と、これらの収縮率に基づいて所望成形品を得るための二次成形型の成形面の形状を決定し、決定した形状に基づいて二次成形型を作製する二次成形型作製工程と、二次成形型を用いて成形素材をプレス成形して最終成形品を得る第二成形工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、難度の高い面形状を有するメニスカスレンズなどの光学素子を高精度にプレス成形することを含むレンズ等の成形品の製造方法に関する。特に、プレス成形用の成形型をより効率的、高精度に作製する工程を含むレンズ等の成形品の製造方法に関する。
光学素子を成形する方法として、得ようとする光学素子の形状に対応し、所定の表面精度を有する面形状に仕上げられた成形面を有する一対の型部材の間に、ガラス素材を挟み込み、このガラス素材の粘度が10 8 dPaS以下となるような温度範囲においてプレス成形を行い、その後、ガラス素材と型部材の冷却を行い、ガラス素材がガラス転移点近辺になる温度域において、成形された光学素子を型部材から取り出す成形方法が知られている。(特許文献1)
また、成形の際の冷却速度や温度分布のバラツキで発生するアスクセを予め配慮し、これをキャンセルするように型部材の成形面を加工する方法が知られている(特許文献2)。この光学素子の成形方法は、成形用ガラス素材を一対の成形型内に収容して加熱下でプレス成形することにより光学素子を製造する方法において、複数個の前記光学素子を成形するにあたり、各光学素子の光学機能面に一定のアスクセが安定して形成されるように、プレス成形後の冷却時の冷却速度、温度分布を配慮した条件を含む成形条件を設定する第1の工程と、前記成形面の表面形状が前記一定のアスクセをキャンセルするような形状に加工された成形用型部材を用いて光学素子の成形を行う第2の工程とを具備することを特徴としている。
特公昭61−32263号公報 特開平8−337426号公報
しかしながら、特許文献1の例においては、例えば、凹メニスカスレンズのように、面精度を出し難い形状の光学素子を加工しようとした場合には、(1)成形時の加熱温度、プレス圧、プレス時間など、(2)成形後の冷却速度、(3)成形後の冷却時におけるプレス圧、の範囲の選択が極めて困難であるほか、(4)成形後の冷却時における上下型の温度差など、精度に影響を与える他の要因も精査する必要が生じる。更に、これらの種々の成形条件を最適なものに設定したとしても、要求される面精度を満足することが困難な場合が多く、歩留りが低下し、製造コストが高くなるという問題があった。
また、特許文献2による成形方法では、
(1)一定の形状が安定して形成されるように成形条件を設定することが必要となること
(2)型成形面の表面形状を修正加工することを光学素子の各光学機能面について行うことが必要であった。
特に、凹メニスカスレンズの場合には、凹面および凸面ともに成形後の形状が不安定であり、一定の形状が安定して得られるような成形条件を設定することが困難である。例えば、あらかじめ一定の形状が安定して形成されるように設定した成形条件であっても、凹面側の型形状を修正すると、成形によって得られる形状が不安定になる。そのため、「(2)型修正」を行うと、「(1)成形条件」の修正も併せて行う必要があった。さらに、凹面側の型形状を修正すると、凸面側にも影響がある。そのため、凹面側の型形状および成形条件の修正のみならず、凸面側の「(1)成形条件」および「(2)型修正」の修正も必要となる。そして、凸面側の修正により、再度、凹面側に影響が生じる。この様に、凹メニスカスレンズの「(1)成形条件」および「(2)型修正」修正においては、凹面側と凸面側との修正を交互に行うことが必要であり、修正回数が多くなり、量産を行う上で、重大な支障となっていた。
そこで、本発明は、プレス成形用の成形型を作製する際の、型修正の確度を高め、その結果、少ない修正回数で、所望形状のレンズを成形できる成形型を作製できる方法を提供し、この方法により作製した成形型を用いて、生産性が極めて良好で、形状精度、面精度、表面粗さの良好なメニスカスレンズ、特に凹メニスカスレンズ等の成形品を製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は以下のとおりである。
[請求項1]
凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する一次成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形して暫定成形品を得る第一成形工程と、
上記暫定成形品の形状と上記一次成形型の成形面形状との相違から上記暫定成形品における第一成形面側の収縮率及び第二成形面側の収縮率をそれぞれ把握する工程と、
これらの収縮率に基づいて所望成形品を得るための二次成形型の、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面の形状をそれぞれ決定し、決定した形状に基づいて二次成形型を作製する二次成形型作製工程と、
前記二次成形型を用いて前記成形素材をプレス成形して最終成形品を得る第二成形工程とを含む成形品の製造方法。
[請求項2]
前記収縮率を、前記一次成形型の成形面の曲率半径に対する、該成形面により成形された暫定成形品の面の曲率半径の変化率に基づいて把握する、請求項1の製造方法。
[請求項3]
前記一次成形型の第一成形面及び第二成形面の形状は、得ようとする成形品の第一面と第二面に基づいた形状とすることを特徴とする、請求項1又は2の製造方法。
[請求項4]
前記二次成形型を用いて、成形素材のプレス成形を繰り返し行い、最終製品を連続的に得る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項5]
凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形することを含む、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えた成形品を得る製造方法において、
前記成形型は以下の(1)および(2)の工程により作製されたものであることを特徴とする方法。
(1)所望の成形品の第一面(室温T0における曲率半径R1LT0)及び第二面(室温T0における曲率半径R2LT0)の形状を基にして、該第一面及び第二面の形状を補正することにより第一成形面(室温T0における曲率半径R1MT0)と第二成形面(室温T0における曲率半径R2MTO)の形状を決定する補正工程、
ただし、前記第一面の形状を補正することによって前記成形型の第一成形面形状を決定する補正係数をr1とし、前記第二面の形状を補正することによって前記成形型の第二成形面を決定する補正係数をr2とし、
としたとき、
とする、
(2)決定した第一成形面と第二成形面の形状により、前記成形型を作製する成形型作製工程。
[請求項6]
凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形することを含む、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えた成形品を得る製造方法において、
前記成形型は以下の(1)および(2)の工程により作製されたものであることを特徴とする方法。
(1)所望の成形品の第一面及び第二面の形状を基にして、該第一面及び第二面の形状を補正することにより第一成形面と第二成形面の形状を決定する補正工程、
ただし、前記第一面の形状を補正することによって前記成形型の第一成形面形状を決定する補正係数をr1とし、前記第二面の形状を補正することによって前記成形型の第二成形面を決定する補正係数をr2とし、
前記所望レンズの第一面が次式で示す非球面を有するとき、
前記第一成形面の形状は、前記所望レンズの第一面の非球面上の任意の点(x1,y1)を(r1・X1,r1・Y1)に変換する非球面式
を決定し(但しK1 = K2)、
更に、
前記所望レンズの第二面が次式で示す非球面を有するとき、
前記第一成形面の形状は、前記所望レンズの第一面の非球面上の任意の点(x2,y2)を(r2・X2,r2・Y2)に変換する非球面式
を決定する(但しK3= K4)、ただし、
である、
(2)決定した第一成形面と第二成形面の非球面式の形状により、前記成形型を作製する成形型作製工程。
[請求項7]
補正係数r1及びr2を、それぞれ次の範囲内とすることを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
[請求項8]
前記補正係数r1を前記補正係数r2の0.980〜0.999倍とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項9]
プレス成形において、軟化した状態の成形素材に対して所定荷重による第1加圧を行った後、第1加圧開始時より低い温度に冷却された成形素材に対して、第1加圧より小さい荷重による第2加圧を施すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項10]
前記成形品が、凹メニスカスレンズである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項11]
前記成形品が外周部に自由表面を有する成形品であり、該成形品を芯取り工程に付して凹メニスカスレンズを得る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明に係わる凹メニスカスレンズの成形方法では、成形型を用いてプレス成形された暫定レンズの、凹面側と凸面側の収縮率の相違をそれぞれ把握することによって、「(1)成形条件」と「(2)型修正」の修正回数を減らし、高精度な面精度を有する光学素子を加工することが可能となる。請求項1に記載の本発明の方法では、修正回数は最小限の1回にすることもできる。但し、修正回数場2回以上であってもよい。
また、請求項5及び6に記載の本発明の方法では、実際に暫定レンズを成形しなくても、所望のレンズの形状を基に、成形型における凸面側の補正係数r1と凹面側の補正係数r2を適切な範囲に設定して、成形型の形状を決定することにより、上記と同様の効果が得られる。即ち、請求項5及び6に記載の本発明の方法は、暫定レンズの成形すら必要ない、と画期的な方法である。
これらの本発明により、成形型の凸面側と凹面側の修正を交互に行うなどの煩雑な成形条件の選択が不要となり、容易に高精度な成形型を製造することができる。
以下、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(プレス成形装置)
図1は、本発明にかかる凹メニスカスレンズを第二成形工程においてプレス成形するために採用した成形装置の構成を示す断面図である。なお、図1は、上型11と下型12とによるガラス素材20へのプレス成形動作がほぼ終了した状態を示している。
図1に示すとおり、成形された成形品の外周には、自由表面が形成されるように、成形型の設計を行うことが好ましい。すなわち、成形品の外周には成形過程を通じて成形型に接触しないで形成された表面、即ち、自由表面がある。これは、成形の過程で成形品外周部が型部材に接触し、規制されると、その際に成形品が受ける内部応力に起因して、成形品の成形面[成形品がレンズである場合にはレンズ面](凸面、凹面)の収縮が不均一になることがあるためである。更に、成形素材(後述の予備体積に予備成形されたガラスプリフォームなど)に体積ばらつきが多少生じた場合、成形素材の成形型への供給精度が低下することによってプレス成形時に偏肉が生じた場合にも、自由表面が形成されるように成形すると、上記収縮不均一に起因する面精度不良の発生が避けられ、有利である。この場合、見かけ上、成形された成形品に偏肉が生じていても、面精度は必要性能を充足しているため、芯取り工程を経ることによって、良好な成形品を得ることができる。
図1において、成形型10の外殻部を構成する胴型13は、内側に小径部13aを有して円筒状に形成されており、胴型13の上側の貫通穴には、円柱状に形成された上型11が嵌合した状態で、上下方向に摺動可能に挿入されている。上型11は、その上端部に円板状のフランジ部11aが形成されている。また、上型11の下面には、ガラス素材20を押圧して、その表面に所望の形状を転写して、光学機能面を形成するための、凸面形状を含む第一成形面14が形成されている。
また、上型11の上方には、ガラス素材20に印加するプレス圧を発生させるためのシリンダ33、およびシリンダ33の移動に伴って上型11の上底面を押圧する支持台31が配置されている。したがって、シリンダ33が動作されて、支持台31が下方に向けて押し出し動作されることにより、ガラス素材20にプレス圧が印加される。上型11が下方に押し出され、上型上面と胴型上面が同一面を形成したとき、上型11の下方へのプレスストロークがいったん規定される。この後、冷却による成形体の収縮に追従して更に下降できるよう、上型上面と胴型上面が同一面を形成した時点において、フランジ部11aと胴型小径部13aの間に隙間が空くように、フランジ部11aおよび胴型小径部13aの形状および寸法を決定することが好ましい。
一方、胴型13の下側の貫通穴には、上型11と同様に、円柱状に形成された下型12が、嵌合した状態で、挿入されている。下型12の下部には、円板上のフランジ部12aが形成されており、このフランジ部12aの下面は、支持基板32の上面に当接している。そして、支持基板32により、上型11からガラス素材20を介して下型12に加えられる、下方へのプレス圧が受けられる。下型12の上端面には、ガラス素材20の下面に所望の形状を転写して、光学機能面を形成するための凹面形状を含む第二成形面15が形成されている。
上記プレス操作によって、ガラス素材20には、その上面に、上型11の第一成形面14の表面形状が転写され、光学機能面(凹面)が形成され、また、ガラス素材20の下面に、下型12の第二成形面15の表面形状が転写され、光学機能面(凸面)が形成される。
なお、成形装置10の周囲には、胴型13、上型11、下型12を加熱すると共に、これら胴型13、上型11、下型12を介して、ガラス素材20を加熱するための加熱手段(図示省略)が配置されている。
(成形素材)
本発明の製造方法に適用する成形素材は特に制約が無いが、ガラス素材が好適に用いられる。例えば、光学恒数として、屈折率(nd)が1.55以上、アッベ数(υd)が20〜65であるものが、本発明に係る凹メニスカスレンズとして、一般に、有用に用いられる。これら光学恒数を有するガラスを、溶融状態から受け型に滴下、または流下し、所定体積、所定形状に予備成形したもの、または、冷間で研削、研磨等の加工によって予備成形したものをガラス成形素材として用いることができる。
また、所望のレンズよりも体積が大きい成形素材を用いることができる。このとき、成形素材の外縁部が自由表面となるようにプレス成形し、前記第二成形工程の後に成形体の外縁部を除去する芯取り工程を施すことができる。
(プレス成形工程)
次に、上記のように構成された成形型10により、凹メニスカスレンズを成形する手順について説明する。
(a)成形型予熱工程
上下の成形型11、12を高周波誘導コイルなどの加熱手段によって所定温度に予熱する。成形型の予熱温度は、例えば、ガラスの粘度に換算して108〜1012dPaS相当が適当である。型の温度について、過度に高温ではガラスの成形面への融着の問題があり、低温過ぎるとガラス素材の変形が不十分になる問題があるため、上記温度範囲であることが適当である。このとき、上下の成形型の温度設定値は同一としてもよく、また成形されるレンズの形状や大きさによっては温度差を設けてもよい。
(b)ガラス素材供給工程
予熱された上下成形型間に、ガラス素材が搬送され、下型の成形面上に供給、配置される。ガラス素材としては、通常、予め適切な体積(一般には、最終製品であるレンズの体積よりも大きいもの)の所定形状に予備成形されたガラス素材(プリフォーム)を用いる。このようなガラス素材は、成形に適した粘度まで軟化したものを成形型に供給することができる。あるいは、成形に適した粘度に相当する温度より低温のガラス素材を上下型間に供給し、上下型間で更に、成形に適した粘度まで加熱することもできる。なお、成形型に供給されるときのガラス素材の温度は、ガラス粘度で105.5〜1012dPaS相当が好ましく、105.5〜108.5dPaS相当がより好ましい。
軟化したガラス素材を搬送して下型上に配置するときに、ガラス素材が搬送部材に接触して表面に欠陥が起きると、成形される光学レンズの面形状に影響を与える。そのために、軟化したガラス素材は、例えば、気体により浮上させた状態で搬送し、下型成形面上にガラス素材を落下供給させる治具を用いることが好ましい。
(c)プレス成形工程
上下成形型とガラス素材がそれぞれ所定の温度にあり、ガラス素材が加熱軟化した状態で、下型を上昇(または上型を下降)させてガラス素材を加圧し、上下成形型の成形面形状を転写することによって、所定面形状をもった光学素子(例えば凹メニスカスレンズ)を成形する。下型の上昇は、シリンダに連結させた駆動手段(例えば、サーボモータ)を動作させることにより行い、下型を所定ストローク上昇させることでガラス素材を加圧する。加圧のスケジュールは、成形する光学素子の形状や大きさに応じて任意に設定することができる。
本発明において、凹メニスカスレンズを成形する場合、ガラス素材の加圧を二回以上に分けて行う多段プレスとし、かつ加圧開始時、又は加圧途中から冷却を開始することが、良好な面精度を有する凹メニスカスレンズを、有利な成形サイクルタイムで得る上でより好ましい。例えば、上下成形型間にガラス素材を供給後直ちに所定荷重によって第一加圧をした後、または第一加圧と同時に冷却を開始することができる。その後、第一次加圧より小さい荷重による第二次加圧を行なってもよく、また、第一加圧の後、一旦荷重を減少または開放し、所定の温度まで降温した後に再度加圧(二次加圧)を行なってもよい。
第一次加圧の荷重は、30〜300kg/cm2であることがガラスの粘性および変形時の破壊防止の点から適当である。第二加圧の荷重は、第一次加圧の荷重より小さいことが好ましく、例えば、第一次加圧の10〜80%とし、20〜150kg/cm2であることが好ましい。この範囲とすることで、二次加圧の降下が良好に得られ、かつレンズが破壊する可能性もなく、好ましい。
(d)冷却・離型工程
上記のような加圧スケジュールを行なうと共に、成形された光学素子と成形型の密着を保ちつつ、ガラスの粘度で1012dPaS相当の温度になるまで冷却した後、プレス成形品を離型する。離型温度は、1012.5〜1013.5dPaS相当で行うことが好ましい。
なお、成形型の冷却速度は、例えば10〜400℃/minとすることができる。冷却速度が遅すぎると冷却時間が長くなり生産効率を低下させ、冷却速度が速すぎると面精度の悪化およびカン・ワレを生ずる傾向がある。また、場合により、上下の成形型を異なる冷却速度で冷却してもよい。
(e)取り出し工程
離型した後、下型成形面上のプレス成形品(光学素子)を、例えば、吸着部材を有する取り出しアーム等により、自動取り出しをする。
(f)芯取り工程
離型したプレス成形品は、必要に応じて、芯取り工程に付すことができる。特に、プレス成形品の外周に自由表面が形成されるように成形される場合には、芯取り工程を経ることによって、所望形状の凹メニスカスレンズを得ることができる。
(成形型の作製)
本発明の製造方法においては、
凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する一次成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形して暫定成形品を得る第一成形工程と、
上記暫定成形品の形状と上記一次成形型の成形面形状との相違から上記暫定成形品における第一成形面側の収縮率及び第二成形面側の収縮率をそれぞれ把握する工程と、
これらの収縮率に基づいて所望成形品を得るための二次成形型の、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面の形状をそれぞれ決定し、決定した形状に基づいて二次成形型を作製する二次成形型作製工程と、
を経て、二次成形型、即ち、製品成形用の成形型を作製し、
この二次成形型を用いて前記成形素材をプレス成形して最終製品を得る(第二成形工程)。
(第一成形工程)
第一成形工程においては、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する一次成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形して暫定成形品を得る。一次成形型は、第一成形面及び第二成形面の形状を、得ようとする成形品の第一面と第二面の形状に基づいて作製することが好ましい。また、一次成形型は、二次成形型と同一の素材で作製することが適当である。プレス成形の方法や条件は前述のとおりである。
(収縮率把握工程)
収縮率把握工程では、暫定成形品の形状と一次成形型の成形面形状との相違から上記暫定成形品における第一成形面側の収縮率及び第二成形面側の収縮率をそれぞれ把握する。収縮率は、成形面形状が球面である場合は、一次成形型の成形面の曲率半径に対する、該成形面により成形された暫定レンズの面の曲率半径の変化率に基づいて把握することができる。この点については、後述する実施例においてさらに説明する。また、成形面形状が非球面である場合は、収縮率は、曲率半径に代えて、近軸曲率半径を用いて、収縮率を把握することができる。
(二次成形型作製工程)
二次成形型作製工程では、上記工程で把握された収縮率に基づいて所望成形品を得るための二次成形型の、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面の形状をそれぞれ決定し、決定した形状に基づいて二次成形型を作製する。前述の一次成形型及び二次成形型ともに、成形型の作製自体は、従来の方法をそのまま利用できる。凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面の形状の決定方法のみ、本発明の方法により行えばよい。
(第二成形工程)
第二成形工程では、二次成形型を用いて前記成形素材をプレス成形して最終製品を得る。プレス成形の方法や条件は、基本的には、前述のとおりである。また、本発明では、二次成形型が作製できれば、それを用いて、成形素材のプレス成形を繰り返し行い、最終製品を連続的に得ることができる。
上記本発明の態様では、暫定レンズを成形することにより成形型の第一成形面と第二成形面の形状を決定する。しかし、暫定レンズを成形することなく、所望のレンズ形状をもとに、その形状を補正して、成形型の第一成形面と第二成形面の形状を決定することも可能である。以下、この方法(第2の態様)について説明する。
この方法は、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形して、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えたメニスカスレンズを得ることを含む製造方法であって、前記成形型は以下の(1)および(2)の工程により作製されたものであることを特徴とする。
(1)所望のレンズの第一面(室温T0における曲率半径R1LT0)及び第二面(室温T0における曲率半径R2LT0)の形状を基にして、成形型の第一成形面と第二成形面の形状を決定する補正工程と、
(2)決定した第一成形面(室温T0における曲率半径R1MT0)と第二成形面(室温T0における曲率半径R2MTO)の形状の成形型を作製する、成形型作製工程。
これにより得られた成形型を用いて、ガラス素材をプレス成形することによって、所定の光学性能のレンズを得ることができる。ガラス素材のプレス成形は、前述の方法と同様に行うことができる。
上記方法は、本発明者らの検討の結果、下記の関係が近似的に成り立つとの知見が得られたことに基づく。
( RLT :プレス成形後に型からレンズが離型する温度Tにおけるレンズ曲率半径
RLT0 :室温T0における、レンズ曲率半径
αL :温度T0〜Tにおける、成形素材の熱膨張係数)
( RMT :プレス成形後に型からレンズが離型する温度Tにおける成形面曲率半径
RMT0 :室温T0における、成形面曲率半径
αM :温度T0〜Tにおける、成形型素材の熱膨張係数 )
このとき、
とすると、
1 < r1 < r2
が成り立つ。
更に、r1、r2の値は、
とすると、面精度が優れた(例えば、アス、クセがニュートンリング1本以内の面精度)のレンズが得られることも、本発明者らにより見出された。
また、r1とr2の関係は、r1がr2の0.980〜0.999倍であるときに、上記の効果が得られることが、本発明者らにより見出された。
尚、第一面又は第二面に非球面を有するレンズを得る場合には、その非球面を成形する成形面形状を決定する際、上記において、「曲率半径」を、当該非球面を規定する非球面式の「近軸曲率半径」に置き換えることによって、同様の方法を行うことができ、このような方法も本発明に含まれる。更に、得ようとするレンズの第一面、又は第二面の非球面を規定する非球面式を補正することによって、当該非球面を成形する成形面の形状を規定する非球面式を得ることも可能である。以下、この方法(第3の態様)について説明する。
この方法は、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形することを含む、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えた成形品を得る製造方法であって、前記成形型は以下の(1)および(2)の工程により作製されたものであることを特徴とする。
(1)所望の成形品の第一面及び第二面の形状を基にして、該第一面及び第二面の形状を補正することにより第一成形面と第二成形面の形状を決定する補正工程、
ただし、前記第一面の形状を補正することによって前記成形型の第一成形面形状を決定する補正係数をr1とし、前記第二面の形状を補正することによって前記成形型の第二成形面を決定する補正係数をr2とし、
前記所望レンズの第一面が次式で示す非球面を有するとき、
前記第一成形面の形状は、前記所望レンズの第一面の非球面上の任意の点(x1,y1)を(r1・X1,r1・Y1)に変換する非球面式
を決定し(但しK1 = K2)、
更に、
前記所望レンズの第二面が次式で示す非球面を有するとき、
前記第一成形面の形状は、前記所望レンズの第一面の非球面上の任意の点(x2,y2)を(r2・X2,r2・Y2)に変換する非球面式
を決定する(但しK3= K4)、ただし、
である、
(2)決定した第一成形面と第二成形面の非球面式の形状により、前記成形型を作製する成形型作製工程。
これにより得られた成形型を用いて、ガラス素材をプレス成形することによって、所定の光学性能のレンズ(成形品)を得ることができる。ガラス素材のプレス成形は、前述の方法と同様に行うことができる。
尚、上記非球面式において、xは光軸からyの高さにある非球面上の点に対する非球面頂点の接平面からの光軸方向の距離であり、Rは近軸曲率半径、Kは円錐定数、B、C、D、Eは非球面係数である。
第3の態様においても、r1、r2の値は、
とすると、面精度が優れた(例えば、アス、クセがニュートンリング1本以内相当の面精度)のレンズ(成形品)が得られることも、本発明者らにより見出された。また、r1とr2の関係は、r1がr2の0.980〜0.999倍であるときに、上記の効果が得られることが、本発明者らにより見出された。
尚、得ようとするレンズの第一面、又は第二面のいずれかが球面である場合にも、この方法を適用することが可能であり、その場合も本発明に含まれる。すなわち、球面側の成形面形状を決定するに際しては、上記非球面式において係数がゼロの場合として適用することができる。
以下、本発明、特に、本発明の製造方法における成形型の作製について、実施例によりさらに詳細に説明する。尚、以下の実施例は、本発明を説明するための例であって、本発明はこの例に限定されるものではない。
実施例1
ここで、所望の凹メニスカスレンズをプレス成形する際に使用する成形型の作製手順について、図2に示すようなレンズ径がφ16.2mm、レンズ凹面側の曲率半径が8.970±0.005mm、レンズ凸面側の曲率半径が48.980±0.010 mmである凹メニスカスレンズを、ガラス素材として、ホウケイ酸塩ガラス系(Tg=500℃、Ts=540℃、nd=1.583、vd=59.5)を用いてプレス成形した実施例に基づいて説明する。
まず、一次成形型として、凸面形状を含む第一成形面を有する仮上型と、凹面形状を含む第二成形面とを有する仮下型を用意した(第一成形型の用意)。仮上型の凸面の曲率半径は、得ようとするレンズ凹面側の曲率半径(8.970mm)と同一とし、仮下型の凹面の曲率半径は、得ようとするレンズ凸面の曲率半径(48.980mm)と同一とした。
これらの仮上型および仮下型(第一成形型)を用いて、上記ガラス素材を以下のプレス条件下で第一次成形を行なった(第一次成形工程)。
・第一プレス条件
温度:600℃、プレス力:100kgf、プレス時間:30秒
・冷却速度:−60℃/分、上下型の温度差なし
・冷却過程におけるプレス条件(第二プレス条件)
温度:530℃〜500℃、プレス力:50kgf
第一次成形工程によって得られた暫定レンズの形状(曲率半径)を測定したところ、表1に示すように、暫定レンズの凹面の曲率半径は8.940mm、凸面の曲率半径は48.681mmであった。
ここで、一次成形型成形面に対する暫定レンズの収縮係数εは、以下に示す式1で算出することができる。
この式1から、暫定レンズにおける第一成形面側(暫定レンズの凹面)の収縮係数ε1、及び第二成形面側(暫定レンズの凸面)の収縮係数ε2を算出すると、それぞれ収縮係数ε1が0.00334(0.334%)、収縮係数ε2が0.00610(0.610%)であった。
尚、ここで収縮とは、冷却による成形体の体積収縮に起因する面形状の変化であり、収縮係数は、この変化の度合いを意味する。すなわち、一次成形型の成形面の曲率半径に対する、この成形面により形成された暫定レンズの面の曲率半径の変化(減少)の度合によって、収縮係数を把握している。尚、非球面レンズの場合には、近軸曲率半径を、ここでいう曲率半径として用いることができる。
発明者らは、この収縮挙動の把握の結果から、凹メニスカスレンズをプレス成形した場合、レンズの凹面側の収縮係数ε1が凸面側の収縮係数ε2に比べて常に小さくなることを見出した。すなわち、所望のレンズ形状(曲率半径)を得るための二次成形型を作製するにあたり、第一成形型の第一成形面(凸面側)および第二成形面(凹面側)のそれぞれの曲率半径をどの程度に設定するか検討した結果、上記収縮係数ε、又は補正係数r1、r2(第一成形面の補正係数、及び第二成形面の補正係数)を用いて、二次成形型の形状を決定することができる。ここで補正係数は以下のように定義する。
また、本発明では上記補正係数が成形素材の収縮挙動を示すものであることから、収縮率とも言う。
尚、一次成形型の第一成形面を補正して所望のレンズ形状を得るための補正係数r1、および、一次成形型の第二成形面を補正して所望のレンズ形状を得るための補正係数r2は、レンズの凹面側の収縮係数ε1が凸面側の収縮係数ε2に対して、以下の関係を有する。
尚、上記式1で算出した収縮係数ε1=0.00334、収縮係数ε2=0.00610の場合には、補正係数は、それぞれ、r1=1.00335、r2=1.00614である。
ここで、凹メニスカスレンズの場合には、r1とr2の関係は、1 < r1 < r2 となる。
本発明においては、最終的に求めようとする凹メニスカスレンズをプレス成形するための二次成形型の曲率半径を、これらの補正係数を、一次成形型の第一成形面(凸面)の曲率半径および一次成形型の第二成形面(凹面)の曲率半径に乗じた数値とする。すなわち、本実施例では、二次成形型の第一成形面(凸面)の曲率半径は9.000mm、二次成形型の第二成形面(凹面)の曲率半径は49.281として、二次成形型を作製した(二次成形型作製工程)。
こうして作製された前記二次成形型を用いて第一成形工程と同じ成形条件でガラス素材をプレス成形(第二成形工程)し、その結果得られた凹メニスカスレンズの形状を、フィゾー干渉計によって調べた結果を、表2にまとめる。レンズの凹面および凸面ともに、曲率関係は所望のスペックに入り、また、アス(光軸を中心とする軸対称でない形状誤差)、クセが共に、ニュートンリング1本以内(これをOK品とする)に納まっており、極めて良好な面精度が得られていることがわかる。
本実施例においてプレス成形された凹メニスカスレンズは、図2に示すような外径がφ16.2mmで、外周部に自由表面を有する成形品である。この成形品の図中、点線より外側の領域を芯取り加工に付して、外周部が加工表面である凹メニスカスレンズを得ることもできる。
実施例2〜4
硝材、プレス条件およびレンズ形状を表3に示す様に変更したほかは実施例1と同様に、凹面側の型面の補正係数を凸面側の型面の補正係数を所定範囲に選択することにより、良好な凹メニスカスレンズを得た。
本実施例では、球面の凹メニスカスレンズにおける事例を紹介したが、非球面凹メニスカスレンズにおいても、同様に本発明を適用可能である。
実施例5
所望のレンズを、両非球面凹メニスカスレンズとして、以下の方法により、良好なレンズを得た。
所望レンズ形状は、表4に示すものとした。ここで、第一面、第二面の補正係数を、1<r1<r2とし、具体的にはそれぞれ、r1=1.003、r2=1.008とし、第一面の非球面上の任意の点の座標(x1,y1)を(r1・X1,r1・Y1)に変換し、第二面の非球面上の任意の点の座標(x2,y2)を(r2・X2,r2・Y2)に変換するような、非球面式を、第一面、第二面のそれぞれについて演算によって決定した。この非球面式は、表5に示すものであった。そして、この表5に示す、第一面、第二面のそれぞれの非球面式に示す形状をもつ、成形型を作製し、これを用いて、凹メニスカスレンズをプレス成形した。
尚、用いた成形素材は、実施例1と同様のホウケイ酸塩ガラス系(Tg=500℃、Ts=540℃、nd=1.583、vd=59.5)であり、レンズ径はφ15.2mmである。得られたレンズにつき、触診式の形状測定器で測定したレンズ面の形状誤差(所望のレンズ形状と、得られたレンズ形状の差異のP-V値)は0.3μm以内であった。
*尚、ここで各係数は、以下の非球面式の係数を表す。
X=(Y2/R)/[1+[1-(1+K)(Y/R)2]1/2] +BY4+CY6+DY8+EY10
さらに、ガラス素材として、フッ素含有ガラス、鉛を含まない高屈折低分散ガラスなどでも同様の結果が得られた。また、他の成形素材を用いた成形にも同様に適用できることはいうまでもない。また、本実施例5は、両非球面凹メニスカスレンズについて説明したが、本発明は、片側非球面、片側球面の凹メニスカスレンズにも適用できる。
以上説明したように、実施例に示したような光学素子の成形方法によれば、従来と同様な、極めて基本的な装置によって、高精度な成形条件の制御も必要とせずに、しかも、従来では成形が困難であった形状の光学素子を高精度に成形することが可能となる。
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施例を修正または変形したものに適用できることは勿論である。
本発明は、以上説明したようになり、凹メニスカスレンズをプレス成形する場合、プレス成形温度から室温に至るまでのレンズの収縮に予め対応するための型形状の補正に際し、凹面側と凸面側の収縮率の相違をそれぞれ把握することによって、成形条件や型修正の修正回数を減らし、確度高く、所定の面形状を比較的容易に得ることができる。その結果、冷却速度など、プレス成形に関連する種々の条件の最適化にいたる煩雑な工程が短縮化され、かつ、タクトを短くできるから、低コストで、難度の高い形状の光学素子を、効率よく量産することができる。また、プレス成形後の冷却工程におけるレンズ素材の挙動が予め把握されていれば、実際に暫定レンズを成形した上で上記算定工程を行わなくても、補正係数を設定することが可能である場合がある。このような場合にも、凹面側の補正係数と凸面側の補正係数を所定の関係に設定することで、所定の面精度を、煩雑な工程を繰り返さずに得ることができる。
本発明は、ガラス等の成形素材を用いたレンズの製造分野に利用可能である。
本発明にかかる凹メニスカスレンズを第二成形工程においてプレス成形するために採用した成形装置の構成を示す断面図である。 凹メニスカスレンズの断面図。

Claims (11)

  1. 凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する一次成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形して暫定成形品を得る第一成形工程と、
    上記暫定成形品の形状と上記一次成形型の成形面形状との相違から上記暫定成形品における第一成形面側の収縮率及び第二成形面側の収縮率をそれぞれ把握する工程と、
    これらの収縮率に基づいて所望成形品を得るための二次成形型の、凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面の形状をそれぞれ決定し、決定した形状に基づいて二次成形型を作製する二次成形型作製工程と、
    前記二次成形型を用いて前記成形素材をプレス成形して最終成形品を得る第二成形工程とを含む成形品の製造方法。
  2. 前記収縮率を、前記一次成形型の成形面の曲率半径に対する、該成形面により成形された暫定成形品の面の曲率半径の変化率に基づいて把握する、請求項1の製造方法。
  3. 前記一次成形型の第一成形面及び第二成形面の形状は、得ようとする成形品の第一面と第二面に基づいた形状とすることを特徴とする、請求項1又は2の製造方法。
  4. 前記二次成形型を用いて、成形素材のプレス成形を繰り返し行い、最終製品を連続的に得る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形することを含む、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えた成形品を得る製造方法において、
    前記成形型は以下の(1)および(2)の工程により作製されたものであることを特徴とする方法。
    (1)所望の成形品の第一面(室温T0における曲率半径R1LT0)及び第二面(室温T0における曲率半径R2LT0)の形状を基にして、該第一面及び第二面の形状を補正することにより第一成形面(室温T0における曲率半径R1MT0)と第二成形面(室温T0における曲率半径R2MT0)の形状を決定する補正工程、
    ただし、前記第一面の形状を補正することによって前記成形型の第一成形面形状を決定する補正係数をr1とし、前記第二面の形状を補正することによって前記成形型の第二成形面を決定する補正係数をr2とし、
    としたとき、
    とする、
    (2)決定した第一成形面と第二成形面の形状により、前記成形型を作製する成形型作製工程。
  6. 凸面形状を含む第一成形面と凹面形状を含む第二成形面とを有する成形型を用いて加熱により軟化した成形素材をプレス成形することを含む、凹面形状を含む第一面と、凸面形状を含む第二面を備えた成形品を得る製造方法において、
    前記成形型は以下の(1)および(2)の工程により作製されたものであることを特徴とする方法。
    (1)所望の成形品の第一面及び第二面の形状を基にして、該第一面及び第二面の形状を補正することにより第一成形面と第二成形面の形状を決定する補正工程、
    ただし、前記第一面の形状を補正することによって前記成形型の第一成形面形状を決定する補正係数をr1とし、前記第二面の形状を補正することによって前記成形型の第二成形面を決定する補正係数をr2とし、
    前記所望レンズの第一面が次式で示す非球面を有するとき、
    前記第一成形面の形状は、前記所望レンズの第一面の非球面上の任意の点(x1,y1)を(r1・X1,r1・Y1)に変換する非球面式
    を決定し(但しK1 = K2)、
    更に、
    前記所望レンズの第二面が次式で示す非球面を有するとき、
    前記第一成形面の形状は、前記所望レンズの第一面の非球面上の任意の点(x2,y2)を(r2・X2,r2・Y2)に変換する非球面式
    を決定する(但しK3= K4)、ただし、
    である、
    (2)決定した第一成形面と第二成形面の非球面式の形状により、前記成形型を作製する成形型作製工程。
  7. 補正係数r1及びr2を、それぞれ次の範囲内とすることを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記補正係数r1を前記補正係数r2の0.980〜0.999倍とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. プレス成形において、軟化した状態の成形素材に対して所定荷重による第1加圧を行った後、第1加圧開始時より低い温度に冷却された成形素材に対して、第1加圧より小さい荷重による第2加圧を施すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記成形品が、凹メニスカスレンズである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記成形品が外周部に自由表面を有する成形品であり、該成形品を芯取り工程に付して凹メニスカスレンズを得る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
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