JPH1045419A - ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法 - Google Patents

ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1045419A
JPH1045419A JP20069196A JP20069196A JPH1045419A JP H1045419 A JPH1045419 A JP H1045419A JP 20069196 A JP20069196 A JP 20069196A JP 20069196 A JP20069196 A JP 20069196A JP H1045419 A JPH1045419 A JP H1045419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
lens
layer
forming
glass layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20069196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3763552B2 (ja
Inventor
Shinichiro Hirota
慎一郎 広田
Yutaka Ogami
裕 大神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Hoya Precision Inc
Original Assignee
Hoya Corp
Hoya Precision Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp, Hoya Precision Inc filed Critical Hoya Corp
Priority to JP20069196A priority Critical patent/JP3763552B2/ja
Publication of JPH1045419A publication Critical patent/JPH1045419A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3763552B2 publication Critical patent/JP3763552B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/14Pressing laminated glass articles or glass with metal inserts or enclosures, e.g. wires, bubbles, coloured parts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/001General methods for coating; Devices therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/02Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with glass

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ガラス被覆層を有する大型のガラスレンズを
冷却時間を短縮してもクラックを生じることなく製造で
きる方法及びガラス被覆層を有するガラスレンズの提
供。 【解決手段】 ガラス基材1の少なくとも一方の表面上
にガラス片2を加圧被覆し、形成される少なくとも1つ
のガラス層3を前記ガラス基材1に融着させて一体化す
ることからなり、かつ前記ガラス層3を構成するガラス
のガラス転移温度は前記ガラス基材1を構成するガラス
のガラス転移温度より40℃以上低い、ガラスレンズの製
造方法であって、前記ガラス層3を構成するガラスとガ
ラス基材1を構成するガラスとの平均線膨張係数の差及
び前記ガラス層3の厚みを前記レンズの外周から内側4m
m ガラス層3とガラス基材1との界面から0.5mm の位置
におけるガラス基材1の歪量が±20nm/cm 以下となるよ
うに選択する製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ガラス基材の上に
このガラス基材と熱的特性が異なるガラスを積層成形し
たガラスレンズ及びその製造方法に関する。本発明の製
造方法は、例えば、光学ガラス製の非球面レンズの製造
方法に適しており、特に、交換レンズなどの撮影レンズ
として用いられる、外径が30mm以上の大きな非球面レン
ズの量産が可能な製造方法である。
【0002】
【従来の技術】近年、プレス成形後に研削や研磨を必要
としない一発成形による高精度ガラスレンズの製造技術
(精密プレス成形技術)が進歩している。研削や研磨を
必要としないことから、低コストでの製造が可能であ
る。この技術は非球面レンズの製造に対して特に有効で
あり、ビデオカメラやレンズシャッターカメラ等の撮影
レンズや、光ディスクのピックアップレンズとして非球
面レンズが広範に使用されるようになった。これらの撮
影レンズやピックアップレンズは径が20mm以下と比較的
小さいレンズである。さらに、径が30mm以上の大きいレ
ンズに対しても上記技術を応用して、より低コストで製
造されることが望まれている。しかるに、極めて少量生
産の場合以外、本格的な量産には至っていない。
【0003】精密プレス成形技術による成形方法の代表
例は、例えば、米国特許第3,833,347 号(以下、先行技
術1という)に開示された方法がある。この方法は、特
殊な型材料を用い、非酸化性雰囲気で、型にガラス素材
をセットして型とガラスをガラスの軟化点近傍に昇温
し、型によりガラス素材を加圧し、加圧を維持しながら
型温度をガラスの転移点以下まで冷却し、更に冷却して
取り出すものである。先行技術1に記載の方法をレンズ
径が30mm以上の大きさのレンズの成形に適用すると以下
のような問題がある。即ち、上記のような大きさのレン
ズは、肉厚も厚くなり、中心肉厚とコバ厚の差が大きく
なる。そのため、プレス成形後のガラス転移温度付近で
ガラスが固化するまでの冷却過程を、レンズ径が20mm
以下のレンズと同様の冷却速度で冷却すると、ガラス表
面と内部の温度差が大きくなりヒケが生じ、形状精度が
得られない。このため、大きいレンズでは非常にゆっく
りと冷却する必要がある。その結果、成形のサイクルタ
イムが極端に長くなり、量産には適しないという問題点
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような欠点を解消
する目的で、基材ガラスに、この基材ガラスよりガラス
転移温度が低いガラスを積層プレスすることにより、上
記問題を解決することが提案されている。例えば、特公
平1−42900号公報(以下、先行技術2という)に
は、「合成光学素子の機能面となる面を有する所定の形
状に形成されたガラスからなる第1の光学素子と、前記
合成光学素子の他の機能面を形成する面を有する成形用
型の間に配置された第2の光学素子を成形するためのガ
ラス素材を、該素材が成形可能であり、かつ前記第1の
光学素子が変形されない所定の温度に於いて、前記第1
の光学素子と前記成形用型によって加圧し、前記第2の
光学素子を成形すると共にこれを前記第1の光学素子に
一体化する工程を含むことを特徴とする合成光学素子の
製造方法」が開示されている。しかしながら、本発明者
らが知る限り、この技術による製品は実用化はされてい
ない。
【0005】そこで本発明者らは、先行技術2に記載の
製造方法を追試して、実用性の確認を行った。先行技術
2の実施例では、光学ガラスLaSFO16 (転移温度700
℃、平均線膨張係数72×10-7/℃)を基材とし、光学ガ
ラスSF14(軟化温度586 ℃、平均線膨張係数82×10-7
℃)の外径10mmの球形素材を外径20mmに570 ℃で押圧成
形し、変形しない温度まで3時間かけて徐冷し、更に室
温まで冷却している。本発明者らの追試では、サイクル
タイムを短縮して量産することを考慮し、変形しない温
度まで15分かけて冷却した場合、得られたガラスレンズ
にクラックが入ってしまい使用できるものではなかっ
た。先行技術2の明細書には、平均線膨張係数の差によ
る収縮歪みのためのクラック(割れ)が入らないように
十分ゆっくり冷却することが好ましいと記載されている
が、短時間に冷却する場合に発生するクラックをどのよ
うに防止するかについては言及がない。従って、先行技
術2の記載の方法をサイクルタイムの短縮を必要とする
量産にそのまま適用することはできなった。
【0006】また、特公平1−46453号(以下、先
行技術3という)には、「芯ガラスと、少なくとも1種
の面形成ガラスとを融着したことを特徴とするモールド
レンズ」が開示されている。さらに「芯ガラスの転移温
度が、面形成ガラスの転移温度よりも高い」上記モール
ドレンズ及び「芯ガラスの平均線膨張係数と、面形成ガ
ラスの平均線膨張係数とがほぼ等しい」上記モールドレ
ンズが開示されている。先行技術3の実施例1では、光
学ガラスLaLF3 (転移温度600 ℃、平均線膨張係数82×
10-7/℃)を芯ガラス(基材)とし、光学ガラスSF15
(軟化温度445 ℃、平均線膨張係数82×10-7/℃)を面
形成ガラスとし、実施例2では、光学ガラスLaK9(転移
温度625 ℃、平均線膨張係数78×10-7/℃)を芯ガラス
(基材)とし、光学ガラスSF 8(軟化温度425 ℃、平均
線膨張係数77×10-7/℃)を面形成ガラスとしている。
本発明者らは、先行技術3の方法(芯ガラスの直径:40
mm)をガラス転移温度以下の温度まで15分かけて冷却し
た場合について追試した。その結果、面形成ガラスが0.
5mm である場合には、得られたガラスレンズにクラック
が入ることなく、外観は良好なレンズが得られた。しか
し、面形成ガラスを1.0mm とした場合、得られたガラス
レンズにクラックが入った。
【0007】上記技術と類似したものとして、ガラス製
の球面レンズの表面に非球面型でプラスチック層を成形
し、紫外線で硬化させて非球面の薄層を設けた複合型非
球面レンズがあり、広く使用されている。しかし、プラ
スチック薄層を設けた複合型非球面レンズでは、プラス
チックの硬化時の収縮が大きいため、レンズ径が大きく
なるとガラスとの界面に大きな応力が発生して剥離やカ
ケが生じ易い。また、非球面量(参照球面からのずれ)
が大きくなるとヒケが生じて形状精度も得られない。こ
のため非球面量は0.5〜0.7mm程度が限界で、大きいレ
ンズには適しない。
【0008】そこで本発明の目的は、ガラス基材の上に
このガラス基材と熱的特性が異なるガラスを被覆成形し
た新規なガラスレンズの製造方法であって、量産化のた
め冷却時間を短縮した場合にガラス層の膜厚が比較的大
きくなりクラックの入り易い大型の非球面レンズ等を、
クラックを生じることなく製造することが可能な方法を
提供することにある。さらに本発明の別の目的は、ガラ
ス基材の上にこのガラス基材と熱的特性が異なるガラス
を被覆成形した新規なガラスレンズを提供することにあ
る。本発明者らは、ガラス基材とその上に積層したガラ
ス層との間に生じる歪量と両者の平均線膨張係数の差及
びガラス層の厚みとの関係に注目し、大型の非球面レン
ズの製造において量産化のため冷却時間を短縮した場合
でも、クラックが生じることがないレンズの製造方法に
ついて検討し本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス基材の
少なくとも一方の表面上にガラス片を加圧被覆し、形成
される少なくとも1つのガラス層を前記ガラス基材に融
着させて一体化することからなり、かつ前記ガラス層を
構成するガラスのガラス転移温度は前記ガラス基材を構
成するガラスのガラス転移温度より40℃以上低い、ガラ
スレンズの製造方法であって、前記ガラス層を構成する
ガラスとガラス基材を構成するガラスとの平均線膨張係
数の差及び前記ガラス層の厚みを、前記レンズの外周か
ら内側4mm 、ガラス層とガラス基材との界面から0.5mm
の位置におけるガラス基材の歪量が±20nm/cm以下とな
るように選択することを特徴とする製造方法に関する。
【0010】さらに本発明は、ガラス基材及びその一方
または両方の表面上に設けられたガラス層からなるガラ
スレンズであって、前記ガラス層を構成するガラスのガ
ラス転移温度は、前記ガラス基材を構成するガラスのガ
ラス転移温度より40℃以上低く、前記レンズの外周から
内側4mm 、ガラス層とガラス基材との界面から0.5mm の
位置におけるガラス基材の歪量が±20nm/cm 以下であ
り、かつガラス層を構成するガラスの100-300 ℃の範囲
の平均線膨張係数(α)がガラス基材を構成するガラス
の100-300 ℃の範囲の平均線膨張係数(α)よりが3〜
8×10-7/℃小さいことを特徴とするガラスレンズに関
する。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明について説明する。
本発明の製造方法は、ガラス基材の少なくとも一方の表
面上にガラス片を加圧して形成される少なくとも1つの
ガラス層を前記ガラス基材に融着させて一体化すること
からなるものである。本発明の製造方法は、ガラス基材
の一方の表面上にガラス層を形成する場合と、ガラス基
材の両方の表面のそれぞれにガラス層を形成する場合と
を包含する。
【0012】さらに本発明の製造方法においては、ガラ
ス層を構成するガラスとしてそのガラス転移温度がガラ
ス基材を構成するガラスのガラス転移温度より40℃以上
低いガラスを用いる。本発明の製造方法において、加圧
の際、前記ガラス基材は実質的に変形することなく、ガ
ラス層形成用のガラス片のみが軟化、変形してガラス層
を形成する必要がある。ある温度においてガラスが変形
するか否かは、その温度におけるガラスの粘度と加える
圧力により決まる。一般に、ガラスを加圧成形する場合
に用いられる圧力においてガラスを変形させるには、ガ
ラス転移温度より30℃以上高い温度に加熱されることが
必要である。一方、上記加圧は、ガラス基材が変形しな
い条件で行う必要があり、ガラスを変形させないために
は、ガラス基材を構成するガラスのガラス転移温度以下
の温度、好ましくはガラス転移温度より10℃以上低い温
度であることが適当である。そこで本発明の製造方法で
は、ガラス層を構成するガラスとガラス基材のガラス転
移温度の差を40℃以上とする。但し、ガラスの変形をよ
り容易にするという観点からは、ガラス層形成用のガラ
ス片はガラス転移温度より50℃以上高い温度に加熱さ
れることが好ましく、よって、上記ガラス転移温度の差
は60℃以上であることが好ましい。
【0013】本発明の製造方法の最大の特徴は、前記ガ
ラス層を構成するガラスとガラス基材を構成するガラス
との平均線膨張係数の差及び前記ガラス層の厚みを、形
成されるガラスレンズ内に生じる歪量を指標として制御
することにある。このような制御をすることで、加圧成
形の温度からガラス転移温度以下の温度までの冷却を短
時間に行ってもクラックの発生がないガラスレンズを製
造することができる。上記歪量は、形成されるレンズの
外周から内側4mm 、ガラス層とガラス基材との界面から
0.5mm の位置におけるガラス基材の歪量とする。尚、測
定方法は後述の実施例にて詳述する。その表面にガラス
層を形成したガラス基材内の歪は、本発明者らの測定の
結果、厚み方向ではガラス層との界面に近い程大きくな
り、またレンズの中心からレンズの外周になるにつれて
大きくなった。歪量の測定位置は、本来任意に設定する
ことができ、同一のレンズについても、歪量の測定位置
を変えると、検出される歪量も変化する。但し、本発明
においては、歪量が比較的大きく、測定が容易であると
いう観点から、上記外周から内側4mm で界面から0.5mm
の位置とした。上記測定位置において、歪量が±20nm/c
m 以下となるように、ガラス層を構成するガラスとガラ
ス基材を構成するガラスとの平均線膨張係数の差及びガ
ラス層の厚み選択する。この歪量の値が、20nm/cm を越
えるか、または−20nm/cm を下回ると、クラックを生じ
や易くなり、また、面精度も得られにくくなり、量産に
適さなくなる。歪量の値は、好ましくは、±15nm/cm 以
下となるように上記平均線膨張係数の差とガラス層の厚
み選択することで、より高い面精度のガラス層を有する
ガラスレンズを得ることができる。
【0014】本発明の製造方法において、ガラス層を構
成するガラスとして、その100-300℃の範囲の平均線膨
張係数がガラス基材を構成するガラスの100-300 ℃の範
囲の平均線膨張係数より3〜8×10-7/℃小さいガラス
を用いることが好ましい。このようなガラスを用いるこ
とで、上記範囲の歪量とすることが容易になり、その結
果、クラックが無く高い面精度を有するガラス層を備え
たガラスレンズを得ることが容易になる。尚、ガラスの
平均線膨張係数は30-300℃の範囲で測定すると、100-30
0 ℃の範囲で測定するのに比べて、通常2 〜3 ×10-7
℃小さい値となる。
【0015】本発明の製造方法において、ガラス層のレ
ンズの光軸方向の厚さが、最も厚い部分で2mm以下とな
るようにガラス層を形成することが好ましい。ガラス層
の厚みが増すとその分ガラス中の歪みも増加し、ガラス
層が厚くなり過ぎると、ガラス層形成用ガラス及びガラ
ス基材の平均線膨張係数の調整がより厳密に必要とな
り、実用化が難しくなる。そのため、上記のように最も
厚い部分で2mm以下とすることが好ましい。最も厚い部
分のガラス層の厚みに下限はないが、薄過ぎては、所望
の形状の面を得られにくくなる。通常は、最も厚い部分
のガラス層の厚み0.5mm 以上である。
【0016】本発明の別の態様として、ガラス基材の少
なくとも一方の表面上にガラス片を加圧被覆し、形成さ
れる少なくとも1つのガラス層を前記ガラス基材に融着
させて一体化することからなり、かつ前記ガラス層を構
成するガラスのガラス転移温度は前記ガラス基材を構成
するガラスのガラス転移温度より40℃以上低い、ガラス
レンズの製造方法であって、前記ガラス層を構成するガ
ラスの100-300 ℃の範囲の平均線膨張係数(α)がガラ
ス基材を構成するガラスの100-300 ℃の範囲の平均線膨
張係数(α)よりが3〜8×10-7/℃小さく、かつガラ
ス層のレンズの光軸方向の厚さが、最も厚い部分で2mm
以下であることを特徴とする製造方法を挙げることがで
きる。この方法によっても、量産化のため冷却時間を短
縮した場合にガラス層の膜厚が比較的大きくなりクラッ
クの入り易い大型の非球面レンズ等を、クラックを生じ
ることなく製造することが可能である。特に、ガラス層
をガラス基材に融着させて一体化させた後、10〜50℃/
分の冷却速度ですることが、上記ガラス層の膜厚が比較
的大きくなりクラックの入り易い大型の非球面レンズ等
でも、クラックを生じることなく製造することができる
という観点から好ましい。
【0017】本発明の製造方法において、ガラス層のレ
ンズの光軸方向の厚さが、最も薄い部分で0.03mm以上
であることが好ましい。ガラス層が薄くなりすぎて、場
合によっては部分的に消滅するような場合、良好な面精
度を得られにくくなる。最も薄い部分の厚みが0.03mm
以上であれば、良好な面精度を得られので、最も薄い部
分であっても、このような厚みとすることが好ましい。
【0018】本発明の製造方法は、少なくとも一方の面
が非球面である非球面レンズの製造方法に特に適してい
る。大型の非球面レンズは、従来の精密プレス法では高
い生産性で製造することが困難であった。本発明の製造
方法によれば、高い生産性、即ち冷却時間を短縮し、サ
イクルタイムを短縮しても、良好な光学特性を有する大
型の非球面ガラスレンズが得られる。上記非球面ガラス
レンズは、光学機能面の一方が球面であり、他方が非球
面である片面非球面レンズと両方の面が非球面である両
面非球面レンズとを包含する。
【0019】また、本発明の製造方法により得られるガ
ラスレンズのサイズについては特に制限は無い。例え
ば、従来法において成形が行われているレンズ径20mm
以下のものについて良好に成形ができる。また、製法の
特性上、従来短いサイクルタイムでの成形が困難であっ
たレンズ径20mm以上、さらに30mm以上のレンズについて
も良好な光学特性を有するものが得られることが特に有
効である。また、上限も特に無いが、平均線膨張係数の
差とガラス層の厚みを適当に選択し、かつ冷却速度を加
減することで、レンズ径60mm程度のガラスレンズは十分
に製造可能である。
【0020】ガラス層形成用のガラス片として、ガラス
成分として重量%で、B2O3 15〜40、SiO2 1〜3
0、RO(2価金属の酸化物)40〜60、R'O(アルカリ
金属酸化物)0〜7、Al2O3 0〜10を含有するガラスで
あって、ガラス転移点が530℃以下、100〜300℃の範
囲で測定した平均線膨張係数が73×10-7/℃以下である
ガラスを用いることが好ましい。レンズ全体の光学特性
は、概ね基材の光学特性に依存する。レンズ設計上、表
1に例示したSKやLa系ガラスを基材として好んで使
用するが、これらのガラスの平均線膨張係数が78×10-7
/℃以下であることが多く、基材ガラスと被覆層ガラス
の平均線膨張係数を所定の値にするという理由から上記
ガラス成分をガラス層形成用のガラス片として使用する
ことが好ましい。
【0021】特に、上記ガラス層形成用のガラス片は、
ガラス成分として重量%で、RO(2価金属の酸化物)と
してZnO 40〜60、R'O (アルカリ金属酸化物)とし
てLi2O 1.5〜7、Al2O3 0.5〜10を含有するガラスで
あることが低軟化性かつ低膨張性であり、化学的耐久性
にも優れているという理由から好ましい。
【0022】上記片面非球面ガラスレンズは、例えば、
一方の面が球面であり、他方の面が非球面の近似球面で
あるガラス基材を用い、このガラス基材の前記近似球面
上に非球面を有するガラス層を成形することにより製造
することができる。本明細書において「非球面の近似球
面」とは、形成しようとする非球面形状にほぼ近似する
球面であって、通常は「参照球面」にほぼ相当する球面
である。尚、「参照球面」とは、非球面の頂点と有効径
での高さとを結んだ球面を意味する。
【0023】上記片面非球面ガラスレンズは、例えば、
ガラス基材の球面に近似した球面形状のガラス基材保持
のための面(ガラス基材保持面)を有する成形型1とガ
ラス層に付与すべき非球面を成形面として有する成形型
2とを用意し、これら成形型1及び2内で、ガラス基材
を構成するガラスのガラス転移点より低い温度で軟化し
たガラス層形成用ガラス片をガラス基材に積層プレスす
ることにより製造することができる。尚、上記ガラス基
材保持面は、ガラス基材の球面に近似した球面形状であ
ることが好ましいが、ガラス基材の外周部を保持できる
形状でさえあれば、必ずしも球面でなくてもよく、外周
付近で接する平面でもよい。
【0024】上記片面非球面ガラスレンズは、より具体
的には、以下のようにして製造される。ガラス基材の上
にガラス層形成用ガラス片を載置して、前記ガラス層形
成用ガラス片の粘度が109.5 ポアズ以下に相当する温度
に加熱される。ガラス層形成用ガラス片の粘度は、好ま
しくは、107 〜109 ポアズの範囲である。ガラスの粘度
をこの範囲とすることで、ガラス片を容易に変形させる
ことができる。次に、加熱した前記ガラス層形成用ガラ
ス片を載置したガラス基材を成形型1と成形型2とから
なる成形型内に移送する。次いで、前記ガラス層形成用
ガラス片の粘度が107.5 ポアズ以上に相当する温度の成
形型内で前記ガラス層形成用ガラス片を載置したガラス
基材を加圧成形する。上記温度は、好ましくは、108
1011ポアズの範囲である。成形型の温度をこの範囲とす
ることで、ガラス片を変形させることができる。次に、
成形品と成形型とを前記ガラス層形成用ガラスの転移温
度以下の温度に冷却する。冷却温度は、速ければそれだ
けサイクルタイムを短縮することが可能になるが、速す
ぎると、ヒケや割れを生じることになる。本発明の製造
方法では、レンズの大きさにもよるが、例えば、10℃/
分〜80℃/分の範囲の冷却速度を採用することができ
る。ガラス層形成用ガラスの転移温度以下の温度に冷却
された成形品(ガラスレンズ)は成形型から取り出さ
れ、必要によりさらにアニールに付すこともできる。
【0025】尚、上記成形型1のガラス基材保持面の曲
率半径を、前記ガラス基材保持面とガラス基材の球面の
少なくとも外周とが当接するように選択する。即ち、ガ
ラス基材保持面の曲率半径とガラス基材の球面とをほぼ
等しくするか、あるいは外当たりになるように設定す
る。このように設定することで、ベルチャック方式によ
るガラス基材と成形型2の心出しを行うことができる。
このような心出しは、例えば、成形型2の外周に設けた
押し当て部材をガラス基材の上面の端部に押し当てて、
ガラス基材をはさみ込むことにより行うことができる。
【0026】ガラス層形成用ガラス片及びガラス基材の
加熱は、ガラス基材上にガラス層形成用ガラス片を載置
して行うことが好ましい。これにより、ガラス層形成用
ガラス片を加熱するための特別な手段が不要となる。ガ
ラス層形成用ガラス片を単独で加熱しようとすると、低
軟化点であるため変形等を生じる恐れがある。尚、上記
ガラス基材はリング状部材で保持することが適当であ
る。さらに、上記リング状部材は、その内径が、下方よ
り上方が大きく、ガラス基材の下面の周縁をリング状部
材の内側段部に載せることができ、上方部分はガラス基
材及びガラス層形成用ガラス片が狭いクリアランスで挿
入されるようなっており、このリング状部材とともにガ
ラス基材及びガラス層形成用ガラス片を横ずれすること
なく成形型1上に移送することができる。さらに、上記
リング状部材を成形型1に挿入することにより、ガラス
基材と成形型2の心出しを行うこともできる。
【0027】また、上記両面非球面ガラスレンズは、例
えば、両面がそれぞれ非球面の近似球面であるガラス基
材を用い、このガラス基材の前記近似球面上のそれぞれ
に非球面を有する第1及び第2のガラス層を成形するこ
とにより製造することができる。ここで、第1及び第2
のガラス層の非球面形状は、所望により同一でも異なっ
てもよく、また、ガラス素材も、非球面形状、ガラス層
の厚み、加圧成形条件等を考慮して、同一のものとして
も、異なる組成のものを用いても良い。
【0028】上記両面非球面ガラスレンズは、例えば、
第1のガラス層に付与すべき非球面を形成面として有す
る成形型3と第2のガラス層に付与すべき非球面を形成
面として有する成形型4とを用意し、これらの成形型3
及び4内で、ガラス基材を構成するガラスのガラス転移
点より低い温度で軟化した2つのガラス層形成用ガラス
片をガラス基材に積層プレスすることにより製造するこ
とができる。
【0029】上記両面非球面ガラスレンズは、より具体
的には、以下のようにして製造される。ガラス基材の上
に第1のガラス層形成用ガラス片を載置して、前記第1
のガラス層形成用ガラス片の粘度が109.5 ポアズ以下に
相当する温度に加熱し、またこれとは別に、好ましくは
並行して、第2のガラス層形成用ガラス片をその粘度が
109.5 ポアズ以下に相当する温度に加熱する。ガラス層
形成用ガラス片の粘度は、それぞれ好ましくは、107
109 ポアズの範囲である。ガラスの粘度をこの範囲とす
ることで、ガラス片を容易に変形させることができる。
次いで、加熱した第2のガラス層形成用ガラス片及び加
熱した第1のガラス層形成用ガラス片を載置したガラス
基材をこの順に成形型3と成形型4とからなる成形型内
に移送する。次いで、前記第1及び第2のガラス層形成
用ガラス片の粘度が107.5 ポアズ以上に相当する温度の
成形型内で前記第1のガラス層形成用ガラス片、ガラス
基材及び第2のガラス層形成用ガラス片を加圧成形す
る。上記温度は、好ましくは、108 〜1011ポアズの範囲
である。成形型の温度をこの範囲とすることで、ガラス
片を変形させることができる。次いで、前記第1及び第
2のガラス層形成用ガラスの転移温度以下の温度に冷却
する。冷却温度は、速ければそれだけサイクルタイムを
短縮することが可能になるが、速すぎると、ヒケや割れ
を生じることになる。本発明の製造方法では、レンズの
大きさによるが、例えば、10℃/分〜80℃/分の範囲の
冷却速度を採用することができる。ガラス層形成用ガラ
スの転移温度以下の温度に冷却された成形品(ガラスレ
ンズ)は成形型から取り出され、必要によりさらにアニ
ールに付すこともできる。
【0030】上記方法において、所望の構造のガラスレ
ンズを得るために、ガラス基材を第2のガラス層形成用
ガラス片上の適正な位置に載置することが適当であり、
そのために成形型4の周辺部に配備したガイド手段を用
いることが好ましい。
【0031】さらに、成形型4の外周に、ガラス基材の
下面の端部に加圧成形により押し当てるとともに第2の
ガラス層形成用ガラス片の成形による肉厚を決める手段
を設け、 成形型3の外周に設けた押し当て部材でガラ
ス基材の上面の端部を加圧することにより第2のガラス
層形成用ガラス片の成形による肉厚を決めるとともに、
ガラス基材と上下一対の非球面型の心出しを行うこと
が好ましい。
【0032】また、第2のガラス層形成用ガラス片を皿
部材から気体を噴出させて浮上させて加熱軟化し、しか
る後に成形型4の成形面上に落下させることにより移送
することが好ましい。通常、皿又はリング上でガラス層
形成用ガラス片を加熱軟化させると、融着、へたり等の
問題が発生する。また、軟化したガラスをパッド等によ
り移送すると変形や融着等の問題が発生する。しかる
に、上記の方法によれば、このような問題を回避するこ
とができる。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 〔平均線膨張係数差に関する基礎的検討〕本発明を実施
するにあたり必要となる基礎的条件の検討を行った。ガ
ラスを高精度にプレス成形するのに適当なガラスの粘性
は107.0 〜109.5 ポアズの範囲といえる。ガラスの粘度
と温度の関係はガラスによって異なるため一概には言え
ないが、この粘度を示す温度はガラス転移点よりおおよ
そ50〜120 ℃程度高いところである(温度に対する粘度
変化の大きいガラスでは40℃程度のものもある)。基材
ガラスはこのプレス成形の温度で短時間で粘性流動が起
こらない条件でなければならないため(粘性流動が起こ
ると変形)、ガラス転移点以下である必要がある。基材
ガラスの上に被成形ガスラ素材を載せてこの条件でプレ
ス成形を行うと、プレス後の冷却過程において固化が始
まった後、基材とガラス層成形用ガラスの収縮挙動が異
なると界面付近に応力が発生し、その程度が大きいとク
ラックが生じる。
【0034】図1に基材ガラスおよびガラス層成形用ガ
ラスとして適当と思われる光学ガラスの転移点と平均線
膨張係数(100〜300℃の範囲の値)の関係の例を示
す。Aグループのガラスを基材とし、それとほぼ等しい
平均線膨張係数のBグループのガラスをガラス層成形用
ガラスとして選べばよいと想定できる。Aグループの転
移点はBグループの転移点に比べ平均線膨張係数のほぼ
等しいガラス間では40〜50℃以上高いため、Bグル
ープのガラスが軟化しプレス成形する温度では、Aグル
ープのガラスは転移点以下であるため変形することはな
い。なお、ここに平均線膨張係数は100〜300℃の範囲
の平均線膨張係数を示したが、30〜300℃の範囲の平均
線膨張係数にすると通常2〜3×10-7/℃小さな値とな
る。
【0035】次に、平均線膨張係数の異なる種々の光学
ガラスを用意し(表1に特性を示す)、外径40mm、厚
さ5mmの平板に研磨し、基材とした。ガラス層成形用ガ
ラスとして表2〜5に示す組成と特性のガラスからNo.
1、No. 2、No. 3の3種を選び、それぞれ3種類の容
量のマーブル形状の被成形ガラス素材とした。ガラス層
成形用ガラスとしての表2〜5のガラスの組成的特徴は
プレス成形の温度が低く、かつ、No. 2のように低膨張
のガラスが得られることである。基材となるガラスが低
膨張のものが多いため(特にSK系およびLa系ガラス
の需要が高い)、低軟化点で低膨張のガラス層成形用ガ
ラスは極めて有効である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】図2(a)、(b)にプレス成形前とプレ
ス成形後の様子を示す。1は基材、2は被成形ガラス素
材(熱間で成形し、表面欠陥のないもの)、3はプレス
成形された被覆層である。3種類の容量の被成形ガラス
素材により、被覆層の厚さ0.5、1.0および1.5mmにプ
レス成形した。支持体上に被成形ガラス素材2を載せた
基材1をセットし、窒素雰囲気で被成形素材の粘度が10
8.3 ポアズになる温度に、上方にセットしてある平面研
磨した成形用型とともに昇温し、成形用型を下降させて
50kg/cm2 の圧力で2分間加圧成形した。その後減圧し
て被成形ガラス素材の転移点以下まで20℃/分の速度
で冷却し、その後は圧力を解除し冷却速度を速くして取
り出した。
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】得られた成形品の観察結果、歪み測定結果
及び面精度測定結果を表6、7に示す。歪みは成形品を
切断、研磨し、外周より4mm内側で、界面より0.5mmの
ところの基材側を測定した。この結果を図示すると図
3、図4のようになる。100 〜300 ℃の範囲での平均線
膨張係数がガラス層より基材が約6×10-7/℃大きいと
ころで歪みがゼロとなり、平均線膨張係数の差がこれか
らずれると歪みは大きくなり、ガラス層が厚いと非常に
顕著になることが非常に明確に明らかになった。ガラス
層より基材の平均線膨張係数が若干大きいところで歪み
がゼロになる理由を、図5に示すガラスの線膨張曲線
(ガラス棒の上に10gの荷重をかけて測定)で説明す
る。プレス成形されたガラス層は冷却過程で転移点Tgよ
り若干高いa点で実質的に固化する。従って、a点から
室温までの収縮量が被覆ガラス層と基材で等しいときに
歪みがゼロになると大まかに言える。このために100 〜
300 ℃の範囲での平均線膨張係数の値としてはガラス層
がやや小さいところで歪みがゼロになる。
【0045】このようにレンズ径が大きくなり、ガラス
層の厚みも厚くなると、歪みが許容値以上にならないよ
うに基材とガラス層の平均線膨張係数の適合したガラス
の組み合わせを選ぶことが極めて重要である。レンズ径
が30mm以上になると、基材に比べ、100 〜300 ℃の範囲
で測定した平均線膨張係数が3〜8×10-7/℃小さい範
囲にある被成形ガラス素材にする必要があり、成形され
たガラス層の厚さは2mm以下に抑える必要がある。表8
に基材として使用する種々の平均線膨張係数の光学ガラ
スの例とそれに適した被成形ガラス素材(ガラス層)の
ガラス組成及び特性を示す。
【0046】
【表8】
【0047】〔実施例1〕外径50mmで凹面が非球面、
凸面が球面の凹メニスカスレンズの成形例を説明する。
図6にプレス成形装置の概略模式図を示す。1はガラス
素材の加熱室、2は成形室、3は成形品の徐冷室、4は
赤外線ランプヒーター、5はシリカチューブで、装置全
体を窒素雰囲気にしてある。6は保持型(成形型1)、
7は成形型(成形型2)である。8はガラス素材および
成形品の受け渡し位置である。図7(a)はプレス直前
の状態を示し、(b)はプレス直後の状態を示す。ガラ
ス基材9は重クラウン系光学ガラスのSK15で、転移点が
655 ℃、平均線膨張係数が74×10-7/℃(100 〜300
℃)である。ガラス基材の下面10は最終製品の曲率半径
R=45mmの球面に研磨仕上げしてある。上面11は最終の
非球面の参照球面R=28mmに研磨した(参照球面とは非
球面の頂点と有効径での高さを結んだ球面)。外径は50
mm、中心肉厚は3mmで、上面の周縁部には平面部12があ
る。ガラス層形成用ガラス片13は前記の表2のNo. 4の
ガラスで、転移点480 ℃、平均線膨張係数69×10-7/℃
である。ガラス層形成用ガラス片は表面欠陥がないよう
に熱間成形されたものであり、プレス成形後に所定の厚
さになるように容量設定されている。
【0048】保持型14は成形温度にてガラス基材9の
下面と同一曲率半径になるように球面研磨した。15は
非球面に仕上げ加工した成形用型、16は成形用型の外
周に配置しガラス基材の上面の平面部12に押し当てて
ベルチャック機構により心出しする押し当て部材、17
は保持型の外周にあり、16が挿入されて全体の心出し
を行うスリーブである。ガラス基材9の上にガラス層形
成用ガラス片13を置き、図6の加熱室1にあるリング
18上で550℃に加熱した。この加熱によりガラス層
形成用ガラス片は107.4 ポアズの粘度になる。不図示の
吸着パッドでガラス基材の平面部を吸着し、図6の受け
渡し位置8に移送し、ガラス層形成用ガラス片の載った
ガラス基材を保持型14上に載置した。このとき保持
型、成形用型および他の部材はガラス層形成用ガラス片
の109.5 ポアズに相当する温度の515℃になっている
(これらは赤外線ランプヒーター4で加熱)。直ちに保
持型を成形室2に上昇させてガラス基材の上面の平面部
12を押し当て部材16に押し当て、次いで成形用型
(非球面型)15を下降して50kg/cm2 の圧力で1分
間加圧成形し(ガラス層形成用ガラス片が所望の肉厚ま
でのびた時点で上型自重のみの荷重になるようにしてあ
る)、その後成形用型および保持型をガラス層形成用ガ
ラス片の転移点以下の温度まで20℃/分の速度で冷却
した。その後離型して保持型を受け渡し位置8まで下降
し、ガラス基材にガラス層形成用ガラス片が成形されて
一体となったレンズを不図示の吸着パッドで徐冷室3に
移送し徐冷した。
【0049】得られたレンズの非球面部(ガラス層の部
分)は図8のような形状で、光軸方向に対し厚いところ
が1.8mm、薄いところが0.1mmであり、大きな非球面量
のレンズであるにもかかわらず歪みは小さく、良好な非
球面形状が得られた。また、押し当て部材と保持型によ
り、ベルチャック機構で心出しを行ったため、偏心も極
めて少なかった。本発明のこの製造方法では全体軟化法
に比べてプレス成形するのはガラス層のみであるから冷
却速度を速くしてもヒケが生じない。しかも成形型とは
別の場所でガラスを加熱し、ガラス基材上でガラス層形
成用ガラス片を軟化するという効率の良い方法を採り、
型には大きな温度サイクルを与えないので、成形のサイ
クルタイムは短く、生産性が非常に高いという利点があ
る。
【0050】〔実施例2〕本実施例は外径が50mmで凹
メニスカス形状である点は実施例1と同様であるが、非
球面が凸面に形成されている。図9(a)はプレス直前
の状態を示し、(b)はプレス直後の状態を示す。ガラ
ス基材9及びガラス層形成用ガラス片13の材料等は実
施例1とそれぞれ同様である。本実施例ではガラス基材
9の下面は最終製品の球面に仕上げ研磨し、上面は非球
面の参照球面に研磨した。ガラス層形成用ガラス片13
としては2平面に研磨した円板を用いた。ガラス基材
9、ガラス層形成用ガラス片13とも外径精度を高く仕
上げ、段付きのリング状部材19にきっちりと挿入し
た。リング状部材19にこのようにセットした状態で、
図6に示す加熱室でリング状部材と共にガラス基材、ガ
ラス層形成用ガラス片を530℃に加熱して、ガラス層形
成用ガラス片の粘度を108.5 ポアズとし、不図示の移送
手段で移送して図9(a)のように保持型(成形型1)
にセットした。このとき保持型(成形型1)14及び成
形用型(成形型2)15はガラス層形成用ガラス片の10
8.5 ポアズの粘度に対応する530 ℃になっている。直ち
に保持型を上昇させ、成形室がOリングによって閉じた
後、成形室を10-2torrの真空雰囲気にし、成形用型を下
降させて50kg/cm-2の圧力で1分間加圧成形した。その
後再び窒素雰囲気に戻し、加圧を維持したままガラス層
形成用ガラス片の転移点以下まで40℃/分の冷却速度
で冷却し、離型して受け渡し位置8に下降し、リング状
部材と共に成形されたレンズを徐冷室3に移した。
【0051】得られたレンズの非球面部(ガラス層の部
分)は図10のような形状で、光軸方向に対し厚いとこ
ろが1.5mm、薄いところが0.5mmであり、大きな非球面
量のレンズであるにもかかわらず歪みは小さく、良好な
非球面形状が得られた。また、ガラス基材の外径精度を
高くしてリング状部材に挿入したため、偏心も極めて少
なかった。なお、本実施例でプレス開始時に真空雰囲気
にしたのは、ガラス層形成用ガラス片の上面の平面を凹
型の成形用型でプレスすると窒素雰囲気ではガストラッ
プが生じるためである。また、本実施例ではガラス基材
上に下面が平面のガラス層形成用ガラス片を傾き少なく
セットするために、ガラス層形成用ガラス片の外径精度
を高くしリング状部材にきっちり挿入しているが、ガラ
ス層形成用ガラス片の下面をガラス基材の上面に近似の
形状とし、上面もガストラップが生じない形状にすれ
ば、実施例1と同様の方法を取ることもできる。
【0052】〔実施例3〕本実施例では両面非球面の場
合の実施例を説明する。形状は実施例1と同様、外径5
0mmの凹メニスカスレンズである。図11(a)はプレス
直前の状態を示し、(b)はプレス直後の状態を示す。
ガラス基材9は実施例1と同様重クラウン系光学ガラス
のSK15で、転移点が655℃、平均線膨張係数が74×10-7
/℃(100〜300℃)である。ガラス基材9の上面およ
び下面はそれぞれ最終の非球面の参照球面に研磨した。
第1および第2のガラス層形成用ガラス片13、13' は実
施例1のガラス層形成用ガラス片と同様、前記の表2の
No. 4のガラスで、転移点480℃、平均線膨張係数69
×10-7/℃である。成形型は上型(成形型3)15、下型
(成形型4)14とも非球面に仕上げ加工してある。
【0053】第2のガラス層形成用ガラス片13' の加熱
軟化にあたっては、内部から気体(窒素ガス)を噴出さ
せる図12に示す割型式の浮上皿30を用い、浮上させて加
熱軟化した。このための加熱室は図6の受け渡し位置の
向こう側にある(不図示)。浮上軟化後アームによって
浮上皿が受け渡し位置に進入し、割型を左右に開いて下
型上に第2のガラス層形成用ガラス片13' を落下させ
る。続いて直ちに、実施例1と同様の方法で加熱した第
1のガラス層形成用ガラス片13の載ったガラス基材9を
ガイド部材20をガイドにして図11のように挿入する。
直ちに、成形室に上昇してまず押し当て部材16により
プレスを開始し、少し遅れて上型によるプレスを開始し
た。押し当て部材による加圧により第2のガラス層形成
用ガラス片13' がガラス基材9によって加圧され、ガラ
ス基材9の周辺部が下型の外周に設けたストッパー21
にぶつかることにより第2のガラス層形成用ガラス片1
3' の成形による肉厚が決まるとともにベルチャック機
構によりガラス基材9が上下型に対して心出しされる。
その後、上型による加圧によって第1のガラス層形成用
ガラス片13の成形による肉厚が決まる。本実施例では以
上説明した以外の加熱条件、プレス条件、冷却条件、移
送方法等は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0054】このようにして短時間の成形で、性能、品
質の良好な、外径50mmの両面が非球面の凹メニスカス
レンズが得られた。以上外径が50mmの凹メニスカス形
状の非球面レンズについて実施例で説明してきたが、大
きさや形状はこれに限定されるものではもちろんない。
型の材質やガラス素材の材料についても限定されるもの
ではない。種々の組み合わせに対して本発明の範囲によ
ってレンズ設計者がレンズ設計を行えば実用に供するこ
とができるものである。
【0055】
【発明の効果】本発明では、特に、外径が30mm以上の大
きなレンズに対して、基材にガラス層を設ける方法を採
り、平均線膨張係数差による歪み発生の基礎検討から、
基材とガラス層との間の歪量を考慮して、平均線膨張係
数の適合したガラスの組み合わせを選ぶことが極めて重
要であることを明らかにした。本発明では、基材に比
べ、100〜300℃の範囲で測定した平均線膨張係数が3
〜8×10-7/℃小さい範囲にある被成形ガラス素材に
し、形成されたガラス層の厚さを2mm以下に抑えると、
性能、品質の良好な非球面レンズが得られる。本発明の
製造方法では全体軟化法に比べてプレス成形するのはガ
ラス層のみであるから冷却速度を比較的速くしてもヒケ
が生じない。しかも成形型とは別の場所でガラスを加熱
し、ガラス基材上でガラス層形成用ガラス片を軟化する
という効率の良い方法を採り、型には大きな温度サイク
ルを与えないので、成形のサイクルタイムは短く、生産
性が非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基材ガラスおよびガラス層成形用ガラスとし
て適当と思われる光学ガラスの転移点と平均線膨張係数
(100〜300℃の範囲の値)の関係の例を示す。
【図2】 プレス成形前のガラス基材とガラス層形成用
ガラス片(a)とプレス成形後のガラス基材とガラス層
を示す。
【図3】 基材ガラスとガラス層形成用ガラスとの平均
線膨張係数及び歪量との関係を示す。
【図4】 基材ガラスとガラス層形成用ガラスとの平均
線膨張係数及び歪量との関係を示す。
【図5】 ガラス層よりガラス基材の平均線膨張係数が
若干大きいところで歪みがゼロになる理由の説明図。
【図6】 実施例で用いたプレス成形装置の概略模式
図。
【図7】 実施例1におけるプレス直前の状態(a)と
プレス直後の状態(b)を示す。
【図8】 実施例1で得られたレンズの非球面部(ガラ
ス層の部分)の形状を示す図。
【図9】 実施例2におけるプレス直前の状態(a)と
プレス直後の状態(b)を示す。
【図10】 実施例2で得られたレンズの非球面部(ガ
ラス層の部分)の形状を示す図。
【図11】 実施例3におけるプレス直前の状態(a)
とプレス直後の状態(b)を示す。
【図12】 実施例3で使用した第2のガラス層形成用
ガラス片の加熱軟化用割型式の浮上皿の説明図。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基材の少なくとも一方の表面上に
    ガラス片を加圧被覆し、形成される少なくとも1つのガ
    ラス層を前記ガラス基材に融着させて一体化することか
    らなり、かつ前記ガラス層を構成するガラスのガラス転
    移温度は前記ガラス基材を構成するガラスのガラス転移
    温度より40℃以上低い、ガラスレンズの製造方法であっ
    て、 前記ガラス層を構成するガラスとガラス基材を構成する
    ガラスとの平均線膨張係数の差及び前記ガラス層の厚み
    を、前記レンズの外周から内側4mm 、ガラス層とガラス
    基材との界面から0.5mm の位置におけるガラス基材の歪
    量が±20nm/cm以下となるように選択することを特徴と
    する製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス層を構成するガラスの100-300 ℃
    の範囲の平均線膨張係数(α)がガラス基材を構成する
    ガラスの100-300 ℃の範囲の平均線膨張係数(α)より
    が3〜8×10-7/℃小さい請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ガラス層のレンズの光軸方向の厚さが、
    最も厚い部分で2mm以下である請求項1または2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ガラス基材の少なくとも一方の表面上に
    ガラス片を加圧被覆し、形成される少なくとも1つのガ
    ラス層を前記ガラス基材に融着させて一体化することか
    らなり、かつ前記ガラス層を構成するガラスのガラス転
    移温度は前記ガラス基材を構成するガラスのガラス転移
    温度より40℃以上低い、ガラスレンズの製造方法であっ
    て、 前記ガラス層を構成するガラスの100-300 ℃の範囲の平
    均線膨張係数(α)がガラス基材を構成するガラスの10
    0-300 ℃の範囲の平均線膨張係数(α)よりが3〜8×
    10-7/℃小さく、かつガラス層のレンズの光軸方向の厚
    さが、最も厚い部分で2mm以下であることを特徴とする
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ガラス層をガラス基材に融着させて一体
    化させた後、10〜50℃/分の冷却速度でする請求項4に
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス層のレンズの光軸方向の厚さが、
    最も薄い部分で0.03mm以上である請求項3〜5のいず
    れか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラスレンズが、少なくとも一方の光学
    機能面が非球面である非球面レンズである請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 ガラスレンズが、光学機能面の一方が球
    面であり、他方が非球面である非球面レンズである請求
    項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ガラス基材は一方の面が球面であり、他
    方の面が非球面の近似球面であり、前記近似球面上に非
    球面を有するガラス層を成形する請求項8に記載の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 ガラス基材の球面に近似した球面形状
    のガラス基材保持のための面(以下、ガラス基材保持面
    という)を有する成形型1とガラス層に付与すべき非球
    面を成形面として有する成形型2とを用意し、これらの
    成形型1及び2内で、ガラス基材を構成するガラスのガ
    ラス転移点より低い温度で軟化したガラス層形成用ガラ
    ス片をガラス基材に積層プレスする請求項9に記載の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 ガラスレンズが、両方の光学機能面面
    が非球面である両面非球面レンズである請求項7に記載
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 ガラス基材は、両面が各非球面の近似
    球面であり、前記近似球面上のそれぞれに非球面を有す
    る第1及び第2のガラス層を成形する請求項11に記載
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 第1のガラス層に付与すべき非球面を
    成形面として有する成形型3と第2のガラス層に付与す
    べき非球面を成形面として有する成形型4とを用意し、
    これらの成形型3及び4内で、ガラス基材を構成するガ
    ラスのガラス転移点より低い温度で軟化した2つのガラ
    ス層形成用ガラス片をガラス基材に積層プレスする請求
    項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 レンズ径が30mm以上である請求項1〜
    13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 ガラス層形成用のガラス片が、ガラス
    成分として重量%で、B2O3 15〜40、SiO2 1〜3
    0、RO(2価金属の酸化物)40〜60、 R'O( アルカ
    リ金属酸化物)0〜7、Al2O3 0〜10を含有するガラス
    であって、ガラス転移点が530℃以下、100〜300℃の
    範囲で測定した平均線膨張係数が73×10-7 /℃以下で
    ある請求項1〜14のいずれか1項に項記載の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 ガラス層形成用のガラス片が、ガラス
    成分として重量%で、RO(2価金属の酸化物)としてZn
    O 40〜60、 R'O(アルカリ金属酸化物)としてLi2O
    1.5〜7、Al2O3 0.5〜10含有するガラスである請求
    項15に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 ガラス基材の上にガラス層形成用ガラ
    ス片を載置して、前記ガラス層形成用ガラス片の粘度が
    109.5 ポアズ以下に相当する温度に加熱し、 加熱した前記ガラス層形成用ガラス片を載置したガラス
    基材を成形型1と成形型2とからなる成形型内に移送
    し、 前記ガラス層形成用ガラス片の粘度が107.5 ポアズ以上
    に相当する温度の成形型内で前記ガラス層形成用ガラス
    片を載置したガラス基材を加圧成形し、 前記ガラス層形成用ガラスの転移温度以下の温度に冷却
    し、次いで成形されたガラスレンズを成形型から取り出
    す請求項10記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 成形型1のガラス基材保持面の曲率半
    径を、前記ガラス基材保持面とガラス基材の球面の少な
    くとも外周とが当接するように選択し、かつガラス基材
    と成形型2の心出しを行う請求項10または17記載の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 ガラス基材をリング状部材で保持され
    た状態で加熱する請求項17記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 リング状部材の内径が、下方より上方
    が大きく、ガラス基材の下面の周縁をリング状部材の内
    側段部に載せるとともに、上方部分はガラス基材及びガ
    ラス層形成用ガラス片が狭いクリアランスで挿入される
    ようにし、リング状部材とともにガラス基材及びガラス
    層形成用ガラス片を成形型1上に移送する請求項19記
    載の製造方法。
  21. 【請求項21】 リング状部材を成形型1に挿入するこ
    とにより、ガラス基材と成形型2の心出しを行う請求項
    20記載の製造方法。
  22. 【請求項22】 ガラス基材の上に第1のガラス層形成
    用ガラス片を載置して、前記第1のガラス層形成用ガラ
    ス片の粘度が109.5 ポアズ以下に相当する温度に加熱
    し、また第2のガラス層形成用ガラス片をその粘度が10
    9.5 ポアズ以下に相当する温度に加熱し、 加熱した第2のガラス層形成用ガラス片及び加熱した第
    1のガラス層形成用ガラス片を載置したガラス基材をこ
    の順に成形型3と成形型4とからなる成形型内に移送
    し、 前記第1及び第2のガラス層形成用ガラス片の粘度が10
    7.5 ポアズ以上に相当する温度の成形型内で前記第1の
    ガラス層形成用ガラス片、ガラス基材及び第2のガラス
    層形成用ガラス片を加圧成形し、 前記第1及び第2のガラス層形成用ガラスの転移温度以
    下の温度に冷却し、次いで成形されたガラスレンズを成
    形型から取り出す請求項13記載の製造方法。
  23. 【請求項23】 成形型4の周辺部に配備したガイド手
    段により、ガラス基材を第2のガラス層形成用ガラス片
    上の適正な位置に載置する請求項22記載の製造方法。
  24. 【請求項24】 成形型4の外周に、ガラス基材の下面
    の端部に加圧成形により押し当てるとともに第2のガラ
    ス層形成用ガラス片の成形による肉厚を決める手段を設
    け、 成形型3の外周に設けた押し当て部材でガラス基材の上
    面の端部を加圧することにより第2のガラス層形成用ガ
    ラス片の成形による肉厚を決めるとともに、 ガラス基材と上下一対の非球面型の心出しを行う請求項
    22記載の製造方法。
  25. 【請求項25】 第2のガラス層形成用ガラス片を皿部
    材から気体を噴出させて浮上させて加熱軟化し、しかる
    後に成形型4の成形面上に落下させることにより移送す
    る請求項22記載の製造方法。
  26. 【請求項26】 ガラス基材及びその一方または両方の
    表面上に設けられたガラス層からなるガラスレンズであ
    って、 前記ガラス層を構成するガラスのガラス転移温度は、前
    記ガラス基材を構成するガラスのガラス転移温度より40
    ℃以上低く、 前記レンズの外周から内側4mm 、ガラス層とガラス基材
    との界面から0.5mm の位置におけるガラス基材の歪量が
    ±20nm/cm 以下であり、かつガラス層を構成するガラス
    の100-300 ℃の範囲の平均線膨張係数(α)がガラス基
    材を構成するガラスの100-300 ℃の範囲の平均線膨張係
    数(α)よりが3〜8×10-7/℃小さいことを特徴とす
    るガラスレンズ。
  27. 【請求項27】 少なくとも一方の光学機能面が非球面
    である非球面レンズである請求項26に記載のガラスレ
    ンズ。
  28. 【請求項28】 光学機能面の一方が球面であり、他方
    が非球面である非球面レンズである請求項27に記載の
    ガラスレンズ。
  29. 【請求項29】 両方の光学機能面面が非球面である両
    面非球面レンズである請求項27に記載のガラスレン
    ズ。
  30. 【請求項30】 ガラス層のレンズの光軸方向の厚さ
    が、最も厚い部分で0.5 〜2mmの範囲である請求項26〜
    29のいずれか1項に記載のガラスレンズ。
JP20069196A 1996-07-30 1996-07-30 ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3763552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20069196A JP3763552B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20069196A JP3763552B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1045419A true JPH1045419A (ja) 1998-02-17
JP3763552B2 JP3763552B2 (ja) 2006-04-05

Family

ID=16428651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20069196A Expired - Lifetime JP3763552B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3763552B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018158A1 (de) * 2004-08-10 2006-02-23 Schott Ag Verfahren und vorrichtung zum herstellen eines optischen verbundelements sowie das verbundelement selbst
JP2007256923A (ja) * 2006-02-22 2007-10-04 Seiko Epson Corp 多焦点レンズの製造方法および多焦点レンズ
JP2007261898A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Olympus Corp 複合光学素子の製造方法及びその成形用金型
JP2008083188A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Olympus Corp 複合光学素子及びその製造方法
US7746574B2 (en) 2007-05-18 2010-06-29 Panasonic Corporation Bonded optical element
US7746573B2 (en) 2007-05-18 2010-06-29 Panasonic Corporation Bonded optical element and manufacturing method thereof
US7764446B2 (en) 2007-05-18 2010-07-27 Panasonic Corporation Bonded optical element
US7885018B2 (en) 2007-05-18 2011-02-08 Panasonic Corporation Bonded optical element and manufacturing method thereof
US20220402800A1 (en) * 2021-03-05 2022-12-22 Lightpath Technologies, Inc. Systems and methods for forming a mold-bonded lens
CN115504657A (zh) * 2022-10-18 2022-12-23 上海毫米星光光学有限公司 一种制备复合透镜的方法及系统
CN115536248A (zh) * 2022-10-18 2022-12-30 上海毫米星光光学有限公司 一种复合透镜的制备方法及系统

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018158A1 (de) * 2004-08-10 2006-02-23 Schott Ag Verfahren und vorrichtung zum herstellen eines optischen verbundelements sowie das verbundelement selbst
JP2008509440A (ja) * 2004-08-10 2008-03-27 ショット アクチエンゲゼルシャフト ハイブリッドレンズを作製する方法及び装置
JP2007256923A (ja) * 2006-02-22 2007-10-04 Seiko Epson Corp 多焦点レンズの製造方法および多焦点レンズ
JP2007261898A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Olympus Corp 複合光学素子の製造方法及びその成形用金型
JP2008083188A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Olympus Corp 複合光学素子及びその製造方法
US7746573B2 (en) 2007-05-18 2010-06-29 Panasonic Corporation Bonded optical element and manufacturing method thereof
US7746574B2 (en) 2007-05-18 2010-06-29 Panasonic Corporation Bonded optical element
US7764446B2 (en) 2007-05-18 2010-07-27 Panasonic Corporation Bonded optical element
US7885018B2 (en) 2007-05-18 2011-02-08 Panasonic Corporation Bonded optical element and manufacturing method thereof
US20220402800A1 (en) * 2021-03-05 2022-12-22 Lightpath Technologies, Inc. Systems and methods for forming a mold-bonded lens
CN115504657A (zh) * 2022-10-18 2022-12-23 上海毫米星光光学有限公司 一种制备复合透镜的方法及系统
CN115536248A (zh) * 2022-10-18 2022-12-30 上海毫米星光光学有限公司 一种复合透镜的制备方法及系统
CN115536248B (zh) * 2022-10-18 2023-12-01 上海毫米星光光学有限公司 一种复合透镜的制备方法及系统
CN115504657B (zh) * 2022-10-18 2023-12-08 上海毫米星光光学有限公司 一种制备复合透镜的方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3763552B2 (ja) 2006-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR860001491B1 (ko) 정밀유리제품의 성형방법
US4481023A (en) Process to mold precision glass articles
TW201700413A (zh) 壓製成型用玻璃素材、壓製成型用玻璃素材之製造方法及光學元件之製造方法
US20050223743A1 (en) Process for mass-producing optical elements
US6363747B1 (en) Glass mold material for precision glass molding
JP3763552B2 (ja) ガラス被覆層を有するガラスレンズ及びその製造方法
US5987922A (en) Manufacturing method for molded glass articles
US4969944A (en) Process to mold precision glass articles
JP4677279B2 (ja) 成形体の製造方法
US4854958A (en) Process to mold precision glass articles
JP4951166B2 (ja) レンズブランク及びレンズの製造方法
JP2004002153A (ja) ガラス光学素子の製造方法
JPH0231012B2 (ja)
CN112218832A (zh) 玻璃透镜成型模具
TWI786235B (zh) 玻璃製成形模型
JPS62202824A (ja) プレスレンズの製造方法
JP3587499B2 (ja) ガラス成形体の製造方法
JPS61291427A (ja) モ−ルドレンズおよびその製造方法
JP4744352B2 (ja) 複合光学素子の製造方法
JP3243219B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP5442420B2 (ja) 精密プレス成形用ガラス素材の肉厚決定方法および製造方法、ならびにガラス光学素子の製造方法
JP4473692B2 (ja) 成形品の製造方法
JP3185299B2 (ja) ガラスレンズ成形用型およびガラスレンズ成形装置
JPWO2007102519A1 (ja) 光学ガラス用成形型およびそれを用いた光学ガラスのプレス成形法
JPS6296328A (ja) 光学ガラス素子の成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060116

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110127

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120127

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120127

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130127

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140127

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term