JPH08337426A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

Info

Publication number
JPH08337426A
JPH08337426A JP7149093A JP14909395A JPH08337426A JP H08337426 A JPH08337426 A JP H08337426A JP 7149093 A JP7149093 A JP 7149093A JP 14909395 A JP14909395 A JP 14909395A JP H08337426 A JPH08337426 A JP H08337426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
optical element
shape
glass material
mold member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7149093A
Other languages
English (en)
Inventor
Sunao Miyazaki
直 宮崎
Masashi Mashige
雅志 真重
Masaki Omori
正樹 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP7149093A priority Critical patent/JPH08337426A/ja
Publication of JPH08337426A publication Critical patent/JPH08337426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/40Product characteristics
    • C03B2215/46Lenses, e.g. bi-convex
    • C03B2215/47Bi-concave
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/76Pressing whereby some glass overflows unrestrained beyond the press mould in a direction perpendicular to the press axis

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アスクセのない高い面精度の光学機能面が得
られる光学素子を、量産に適した生産効率で製造できる
光学素子の成形方法を提供する。 【構成】 成形用ガラス素材を一対の成形型内に収容し
て加熱下でプレス成形することにより光学素子を製造す
る方法において、複数個の前記光学素子を成形するにあ
たり、各光学素子の光学機能面に一定のアスクセが安定
して形成されるように、プレス成形後の冷却時の冷却速
度、温度分布を配慮した条件を含む成形条件を設定する
第1の工程と、前記成形面の表面形状が前記一定のアス
クセをキャンセルするような形状に加工された成形用型
部材を用いて光学素子の成形を行う第2の工程とを具備
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、非球面レンズ
などの複雑な面形状を有する光学素子を高精度にプレス
成形するための光学素子の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器の小型化、軽量化にとも
ない、光学系に使用されるガラスレンズの枚数を減らす
ことが望まれている。これを実現する一つの手段とし
て、レンズの枚数を少なくしても収差の補正が可能な非
球面形状のレンズを使用することが挙げられる。このよ
うな非球面形状を有するレンズの製造方法としては、所
定の表面精度を有する成形用型部材の間にガラス材料を
挟み、プレス成形する方法が知られている。
【0003】このようにプレス成形により光学素子を成
形する方法の従来例としては、特公昭61−32263
号公報に開示されているような方法が挙げられる。この
方法は、光学素子の完成形状の理想形に正確に対応する
面形状に仕上げられた成形面を有する一対の型部材の間
に、ガラス素材を挟み込み、このガラス素材の粘度が1
8 〜5×1010ポアズとなるような温度範囲におい
て、プレス成形を行うものである。その後、ガラス素材
と型部材の温度差が少なくとも20℃以上にならないよ
うに冷却を行い、ガラス素材の粘度が1012ポアズより
も小さくなる温度域において、成形された光学素子を型
部材から取り出す。このような方法により高精度な光学
素子を加工しようとするものである。
【0004】しかしながら、上記の従来例においては、
例えば、表面の曲率半径の大きい凹レンズや、メニスカ
スレンズなどのように、面精度を出し難い形状の光学素
子を加工しようとした場合には、種々の成形条件を最適
なものに設定したとしても、要求される面精度(例えば
ニュートンリング1本以下といった高精度な値)を満足
することができない場合がある。
【0005】また、完成した光学素子の面精度を少しで
も向上させるためには、例えば、成形後の冷却時におけ
るプレス圧を厳密に管理する必要があり、また、このよ
うにプレス圧を厳密に制御することは困難を極めるもの
である。また、その他の成形条件に関しても、奇妙な変
化が面精度を低下させることに繋がる。更には、光学素
子の面精度を向上させるために、補助的な装置を必要と
する場合があり、加工装置のコストを上昇させ、それに
伴って、光学素子自体の高コスト化を招くという問題点
もある。
【0006】上述した課題を解消するために、成形条件
を制御したり、補助的な装置を用意したりしなくとも、
型修正によって、高精度な面精度を有する光学素子、例
えば、非球面形状のレンズを加工することができる光学
素子の成形方法が、既に提案されている。
【0007】この光学素子の成形方法は、加熱されるこ
とにより軟化状態となっているガラス素材を、一対の成
形用型部材を用いてプレスし、該型部材の成形面の表面
形状が転写された光学機能面を前記ガラス素材の表面に
形成するようにした光学素子の成形方法において、複数
個の前記光学素子を成形するにあたり、各光学素子の光
学機能面に一定のクセが安定して形成されるように成形
条件を設定する第1の工程と、前記成形面の表面形状が
前記一定のクセをキャンセルするような形状に加工され
た成形用型部材を用いて光学素子の成形を行う第2の工
程とを具備することを特徴としている。
【0008】特に、この光学素子の成形方法では、前記
成形条件は、少なくとも、前記一対の成形用型部材の温
度差と、冷却速度と、冷却時において前記ガラス素材に
印加される圧力と、離型させる温度とにより規定され
る。
【0009】また、この光学素子の成形方法は、加熱さ
れることにより軟化状態となっているガラス素材を、一
対の成形用型部材を用いてプレスし、該型部材の成形面
の表面形状が転写された光学機能面を前記ガラス素材の
表面に形成するようにした光学素子の成形方法におい
て、所定の形状の光学素子の表面形状に対応した成形面
形状を有する第1次の型部材を用いて、ガラス素材を、
所定の加熱温度、型部材温度、加圧圧力、加圧時間、冷
却速度等の成形条件に基づいて成形する第1の成形工程
と、該第1の成形工程において成形した光学素子の表面
形状を測定する測定工程と、該測定工程において得られ
た測定データと、光学素子の最終希望形状のデータとの
誤差を算出する算出工程と、前記算出工程において得ら
れた結果に基づいて前記第1次の型部材の成形面を補正
加工して第2次の型部材を加工する補正加工工程と、前
記第2次の型部材を用いて、ガラス素材を前記第1の成
形工程と同じ成形条件でプレス成形する第2の成形工程
とを具備することを特徴としている。
【0010】特に、この光学素子の成形方法において、
前記測定工程において得られた測定データと、前記最終
希望形状のデータとの差は、少なくともニュートンリン
グ4本以下である。
【0011】また、この光学素子の成形方法において、
前記成形条件のうち、前記一対の型部材間の温度差が、
0±2.5℃、冷却速度が20±5℃/min、冷却時
圧力が5±1.5kNに設定されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
光学素子の成形方法では、成形品のクセを一定にするた
めに、冷却速度を20±5℃/minと、極めて遅く設
定しているために、量産を行う上でタクトが長くなる欠
点があった。また、偶々、上述の光学素子の成形方法を
確立するに際して、アスクセの発生がなかったので、そ
の点の配慮がなく、上述の成形方法で光学素子を成形す
る場合、アスの発生については、最終の成形型で成形す
る際の成形条件で防ぐしかなかった。
【0013】ところが、量産用成形型の胴型には、成形
品であるレンズの取出し用の穴が開いているので、生産
性向上のために、プレス成形後の冷却速度を早くした場
合、穴の開いている側と、開いていない側とでは、自ず
から、不可避的に冷却速度に差が生じることになり、そ
の結果、製品の成形段階の成形条件を調整する程度で
は、アスの発生を防止しきれないこととなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の光学素子の成形方法は加
熱されることにより軟化状態となっているガラス素材
を、一対の成形用型部材を用いてプレスし、該型部材の
成形面の表面形状が転写された光学機能面を前記ガラス
素材の表面に形成するようにした光学素子の成形方法に
おいて、複数個の前記光学素子を成形するにあたり、各
光学素子の光学機能面に一定のアスクセが安定して形成
されるように、プレス成形後の冷却時の冷却速度、温度
分布を配慮した条件を含む成形条件を設定する第1の工
程と、前記成形面の表面形状が前記一定のアスクセをキ
ャンセルするような形状に加工された成形用型部材を用
いて光学素子の成形を行う第2の工程とを具備すること
を特徴としている。
【0015】また、本発明に係わる光学素子の成形方法
において、前記成形条件とは、少なくとも、前記一対の
成形用型部材の温度差と、冷却速度と、冷却時において
前記ガラス素材に印加される圧力と、離型させる温度と
により規定されることを特徴としている。
【0016】また、本発明の光学素子の成形方法は、加
熱されることにより軟化状態となっているガラス素材
を、一対の成形用型部材を用いてプレスし、該型部材の
成形面の表面形状が転写された光学機能面を前記ガラス
素材の表面に形成するようにした光学素子の成形方法に
おいて、所定の形状の光学素子の表面形状に対応した成
形面形状を有する第1次の型部材を用いて、ガラス素材
を、所定の加熱温度、型部材温度、加圧圧力、加圧時
間、冷却速度等の成形条件に基づいて成形する第1の成
形工程と、該第1の成形工程において成形した光学素子
の表面形状を測定する測定工程と、該測定工程において
得られた測定データと、光学素子の最終希望形状のデー
タとの誤差を算出する算出工程と、前記算出工程におい
て得られた結果に基づいて前記第1次の型部材の成形面
を補正加工して第2次の型部材を加工する補正加工工程
と、前記第2次の型部材を用いて、ガラス素材を前記第
1の成形工程と同じ成形条件でプレス成形する第2の成
形工程とを具備することを特徴としている。
【0017】なお、前記測定工程において得られた測定
データと、前記最終希望形状のデータとの差は、少なく
ともニュートンリング4本以下である。
【0018】
【作用】本発明に係わる光学素子の成形方法は、以上の
ように構成されているので、完成した光学素子に現れる
アスクセが常に一定になるように成形条件を設定し、そ
の一定のアスクセをキャンセルするような形状に型部材
の成形面を加工しておくことにより、高精度な面精度を
有する光学素子を加工することが可能となる。このよう
に、アスクセの現れ方が常に一定になるような成形条件
は、常に、光学素子の光学機能面を、高い面精度に仕上
げるために必要とされる成形条件ほどには、厳密に制御
されている必要がないので、成形型について、上述の2
段構えの型修正を実施することで、容易に高精度な光学
素子を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実現するための好適な一実施
例について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1
は、本発明の光学素子の成形方法を凹レンズを成形加工
するために採用された成形用型12の構成を示してい
る。なお、図1は、上型部材16と下型部材18とによ
る、ガラス素材40のプレス動作が終了し、ガラスレン
ズの成形が略完了した状態を示している。
【0020】図1において、成形用型12の外殻部を構
成する胴型14は、支持基板20を介して、光学素子の
成形装置本体10上に載置されている。胴型14は、上
面視で、略正方形の角柱状に形成されており、その中心
軸上には、この胴型14を上下に貫通した状態で、貫通
穴14a、14bが形成されている。これらの貫通穴の
うち、上側の貫通穴14aには、円柱状に形成された上
型部材16が、嵌合した状態で、上下方向に摺動可能に
挿入されている。上型部材16は、その上端部に円板状
のフランジ部16aが形成されており、このフランジ部
16aの下面が胴型14の上面14cに、上方から当接
することにより、それ以上、下方に移動することを防止
されており、これによって、上型部材16の、下方への
プレスストロークが規定されている。また、上型部材1
6の下面には、ガラス素材40を押圧して、その表面に
所望の形状を転写して、光学機能面を形成するために、
成形面16bが形成されている。
【0021】なお、胴型14の側面には、ガラス素材搬
入及びレンズ搬出用のオートハンドが出入りするための
穴14dが明いている。また、上型部材16の上方に
は、ガラス素材40に印加するプレス圧を発生させるた
めのエアシリンダ22が、支持部材(図示せず)により
支持された状態で、配置されている。エアシリンダ22
の下方には、上下方向に沿ってピストンロッド22aが
配置されており、このピストンロッド22aの下端部
は、上型16の上端面に接続されている。したがって、
エアシリンダ22が動作されて、ピストンロッド22a
が下方に向けて押し出し動作されることにより、ガラス
素材40にプレス圧P1が印加される。
【0022】一方、下側の貫通穴14bには、上型部材
16と同様に、円柱状に形成された下型部材18が、嵌
合した状態で、上下方向に摺動可能に挿入されている。
下型部材18の下部には、円板上のフランジ部18aが
形成されており、このフランジ部18aの下面18c
は、胴型14が載置されている支持基板20の上面に当
接している。そして、支持基板20により、上型部材1
6からガラス素材40を介して下型部材18に加えられ
る、下方へのプレス圧P1が受けられる。下型部材18
の上端面には、ガラス素材40の下面に所望の形状を転
写して、光学機能面を形成するための成形面18bが形
成されている。
【0023】したがって、ガラス素材40には、その上
面に、上型部材16の成形面16bの表面形状が転写さ
れ、光学機能面40aが形成され、また、その下面に、
下型部材18の成形面18bの表面形状が転写され、光
学機能面40bが形成されることとなる。
【0024】また、成形された凹レンズ(ガラス素材4
0)の厚みは、上述したように、上型部材16のフラン
ジ部16aの下面が、胴型14の上面14cに当接する
ことにより規定され、プレス成形加工の都度、凹レンズ
(40)の厚みが変化しないようになされている。
【0025】なお、成形装置本体10の下面には、エア
シリンダ24が固定されており、このエアシリンダ24
のピストンロッド24aは、成形装置本体10に形成さ
れた貫通穴10aと、支持基板20に形成された貫通穴
20aとを順次、介して、下型部材18の下面18cに
接続されている。このエアシリンダ24は、凹レンズ
(ガラス素材40)の成形動作が終了した後の冷却過程
において、その凹レンズ(40)の形が崩れることを防
止するために、下型部材18を上方に押し上げて、凹レ
ンズ(40)に圧力P2を作用させるためのものであ
る。
【0026】一方、胴型14の側面には、開口穴14d
が形成されており、ガラス素材40が、この開口穴14
dを介して、成形用型12の内部に供給されると共に、
成形の完了した凹レンズ(40)が、成形用型12の内
部から取り出される。
【0027】なお、胴型14内には、その四隅に位置し
た状態で、この胴型14、上型部材16、下型部材18
を加熱すると共に、これら胴型14、上型部材16、下
型部材18を介して、ガラス素材40を加熱するための
ヒータ26が配置されている。
【0028】次に、上記のように構成された成形用型1
2により、凹レンズ(直径20mm、こば部5mm、中
心厚1mm)を成形する手順について説明する。
【0029】まず、図2に示したように、エアシリンダ
22のピストンロッド22aを引き込み動作させて、上
型部材16を、胴型14に対して上方にスライドさせ、
下型部材18から逃がしておく。この状態において、胴
型14の開口穴14dを介して、オートハンドなどによ
り、所定の高温に加熱されたガラス素材40を下型部材
18の成形面18b上に供給する。この時に供給される
ガラス素材40は、凹レンズを成形する場合に、円板上
に形成されているか、あるいは、凹レンズの完成形状に
近い形状に予め形成されている。また、胴型14、上型
部材16、下型部材18は、所定の成形条件に対応した
温度に加熱されている。
【0030】ガラス素材40が、下型部材18の成形面
18b上に供給された後、エアシリンダ22のピストン
ロッド22aを押し出し動作させて、ガラス素材40の
上面に上型部材16の成形面16bを当接させ、ガラス
素材40にプレス圧P1を印加させる。プレス圧P1が
印加されて、上型部材16が徐々に下方に移動すると、
ガラス素材40は、次第に水平方向に押しつぶされて、
最終的には、図1に示したような状態となる。この状態
においては、ガラス素材40の上下には、上型部材16
の成形面16bと、下型部材18の成形面18bとの形
状が転写された光学機能面40a、40bが形成されて
おり、また、ガラス素材40の厚みは、所望の厚みにプ
レス成形されている。
【0031】この後、成形された凹レンズ(ガラス素材
40)は徐々に冷却される。この冷却過程においては、
成形された凹レンズ(40)の形状が崩れないように、
エアシリンダ24が作動され、下型部材18が押し上げ
られ、凹レンズ(40)に圧力P2が印加される。そし
て、所定の温度まで温度が低下した時に、再び、エアシ
リンダ22が引き込み動作されて、上型部材16が上方
に移動し、その後、凹レンズは、オートハンドなどによ
り、胴型14の開口穴14dを介して、外部に取り出さ
れる。
【0032】上記のような一連の動作により、凹レンズ
(40)が成形加工される理由であるが、この成形加工
の途中において、凹レンズ(40)の光学機能面40a
および40bの面精度に大きく影響を与えると考えられ
る成形条件は、以下の通りである。 冷却過程におけるプレス圧P2 冷却中の上下の型部材16、18の温度差 冷却速度 すなわち、冷却過程におけるプレス圧P2が小さすぎる
と、冷却中のレンズが未だ変形可能な温度域で、型から
レンズが剥がれてしまい、転写性が悪化する。しかも、
剥がれる温度が一定となる保障がないので、発生するク
セの形状が一定とならない。
【0033】一方、プレス圧P2が高すぎる場合にも、
実験的には、面精度が悪化することが解っている。例え
ば、実施例のレンズ形状では、プレス圧P2を適当に変
えることにより、一定のクセの発生した面を得ることが
可能であったが、クセの無い面を得ることはできなかっ
た。
【0034】また、冷却中の上下の型部材16、18の
温度差があり過ぎる場合には、面精度が悪化するととも
に、本実施例のように、胴型側面に穴の開いた型では、
レンズ内の温度分布にバラツキが発生し、アスクセが生
じる。この場合、本実施例のレンズ形状では、型部材1
6、18の温度差を適当に変えることで、一定のクセ
(アスを含む)の発生した面を得ることができたが、ク
セの無い面を得ることはできなかった。これは、特に、
冷却速度が速い場合に顕著である。表1には、上述の
〜の条件を適当に選択した場合に、一定のクセの発生
した面を得ることができたかどうかの事例が示されてい
る。
【0035】
【表1】 以上のことから、この実施例においては、離型性の良さ
と面精度の良さのバランスをとるための最良点を捜すの
ではなく、仮に、若干、面精度が低下しても、確実に離
型不良を防止できるようなプレス圧P2を選択すること
にした。ただし、面精度は、或る程度、低下してもよい
が、複数個のレンズを成形した時に、レンズの光学機能
面が再現性良く形成され、必ず、同じクセ(アスクセを
含む)を持った形状に仕上がることが重要である。この
ように、成形する毎に、同じクセを持った形状にレンズ
が加工されるのであれば、このクセをキャンセルするよ
うに、型部材16、18の成形面の形状を決めれば、理
論的には、この型部材で、同じ条件の成形加工を行った
とき、全くクセのないレンズができ上がることになる。
【0036】そのため、この実施例においては、成形さ
れるレンズのクセが、成形を繰り返しても、一定となる
ように、表1の3に示すP2値、上下型部材の温度差、
冷却速度とを選択した。即ち、表1の3に示す成形条件
ならば、光学機能面の面精度は若干、低下するものの、
光学機能面のクセ形状の再現性が良好となる。
【0037】上記の成形条件によって、凹レンズを成形
した際の、上下の型部材の成形面形状、及び、これら型
部材で成形された凹レンズの光学機能面の形状を、フィ
ゾー干渉計によって調べた結果は、図4に示されてい
る。この場合、型部材の成形面の形状は、クセをキャン
セルする形状にはしていない。そのため、上記光学素子
の光学機能面の形状は、中高のクセ及びアスクセが生じ
ている。
【0038】図4の結果から、凹レンズの光学機能面の
クセを読み取り、このクセをキャンセルするような形状
に、型部材の成形面を加工し、その型部材をフィゾー干
渉計によって調べた結果が、図5の左側の図である。ま
た、その型部材を用いて、上記の成形条件で、成形加工
を行った場合の、凹レンズの光学機能面の形状が図5の
右側に示されている。図5の結果から明らかなように、
この実施例の方法によって成形された凹レンズは、アス
(光軸を中心とする軸対称でない形状誤差)、クセが共
に、ニュートンリング1本以内に納まっており、極めて
良好な面精度が得られていることが理解される。また、
上記のクセをキャンセルした形状の型部材を用いて、連
続的に凹レンズを成形した結果、全てのレンズが、ア
ス、クセ共にニュートンリング1本以下に納まってい
た。
【0039】なお、上記のように、レンズの光学機能面
のクセをニュートンリングの本数から読み取り、このク
セをキャンセルするような形状に、型部材16、18の
成形面を加工することは、人手によって可能である。し
かしながら、このような型の加工作業を、人手によって
行うことは、非常に手間のかかることである。このた
め、実際には、図6に示すフローチャートに従い、NC
工作機械を使用して、自動加工により、型の補正加工を
行うのがよい。 (他の実施例)図7は、他の実施例、即ち、メニスカス
状のレンズ(直径40mm)を成形する場合を示してい
る。なお、この実施例においては、ガラス素材40’と
して、フリントガラス(F8)を使用している。その結
果は、実施例1と同様である。同様にして、ガラス素材
として、ランタンガラス、フッ素含有ガラス、鉛を含ま
ないSF系ガラスなどで、実験を行なったが、同様の結
果が得られた。
【0040】以上説明したように、実施例に示したよう
な光学素子の成形方法によれば、従来と同様な、極めて
基本的な装置によって、高精度な成形条件の制御も必要
とせずに、しかも、従来では成形が困難であった形状の
光学素子を高精度に成形することが可能となる。
【0041】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で、上記実施例を修正または変形したものに適用でき
ることは勿論である。例えば、上記実施例では、凹レン
ズとメニスカスレンズとを、それぞれ、成形する場合に
ついて説明したが、本発明は、その他の形状の光学素
子、例えば、凸レンズや平板状の光学素子の成形にも適
用可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようになり、完
成した光学素子に現れるクセが常に一定になるように成
形条件を設定する場合、実際の成形で、冷却速度や温度
分布のバラツキで発生する一定のアスクセを、予め、配
慮して、これをキャンセルするように、型部材の成形面
を加工しておくことにより、高精度な面精度を有する光
学素子を加工することが可能となる。因みに、アスクセ
の現れ方が常に一定になるような成形条件は、光学素子
を、常に、高い面精度に仕上げるために必要とされる成
形条件ほどには厳密に設定する必要がない。したがっ
て、容易に高精度な光学素子を製造することができるの
である。
【0043】その結果、冷却速度を早くすることができ
るので、タクトを短かくできるから、低コストで、非球
面レンズなどの光学素子を、効率よく量産することがで
きる。なお、胴型に開孔部があり、急冷した場合に、型
内やレンズ内部の温度分布にバラツキが生じ易い型構造
や、レンズ径が大きく(φ20mm以上)て、急冷によ
り、レンズ内温度分布にバラツキが生じ易いレンズ形
状、レンズのこば部と中心厚の差が大きいレンズ形状に
のものを成形する上で、特に、効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の成形方法を適用する成形用
型の一実施例の構成図である。
【図2】同じく、上型部材が上方に逃げた状態を示した
図である。
【図3】成形条件を変化させた場合の光学機能面の変化
の様子を示した図である。
【図4】凹レンズを成形した際の上下の型部材の成形面
形状、及び成形された凹レンズの光学機能面の形状をフ
ィゾー干渉計によって調べた結果を示した図である。
【図5】クセをキャンセルした型の成形面形状、及びそ
の型により成形された凹レンズの光学機能面の形状をフ
ィゾー干渉計によって調べた結果を示した図である。
【図6】凹レンズの光学機能面のクセをキャンセルする
ような形状に型部材を補正加工する手順を示したフロー
チャートである。
【図7】他の実施例の光学素子の成形方法を適用する成
形用型の構成を示した図である。
【符号の説明】
10 成形装置本体 12 成形用型 14 胴型 16 上型部材 18 下型部材 20 支持基板 22,24 エアシリンダ 26 ヒータ 40 ガラス素材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用ガラス素材を一対の成形型内に収
    容して加熱下でプレス成形することにより光学素子を製
    造する方法において、 複数個の前記光学素子を成形するにあたり、各光学素子
    の光学機能面に一定のアスクセが安定して形成されるよ
    うに、プレス成形後の冷却時の冷却速度、温度分布を配
    慮した条件を含む成形条件を設定する第1の工程と、 前記成形面の表面形状が前記一定のアスクセをキャンセ
    ルするような形状に加工された成形用型部材を用いて光
    学素子の成形を行う第2の工程とを具備することを特徴
    とする光学素子の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記成形条件とは、少なくとも、前記一
    対の成形用型部材の温度差と、冷却速度と、冷却時にお
    いて前記ガラス素材に印加される圧力と、離型させる温
    度とにより規定されることを特徴とする請求項1に記載
    の光学素子の成形方法。
  3. 【請求項3】 加熱されることにより軟化状態となって
    いるガラス素材を、一対の成形用型部材を用いてプレス
    し、該型部材の成形面の表面形状が転写された光学機能
    面を前記ガラス素材の表面に形成するようにした光学素
    子の成形方法において、 所定の形状の光学素子の表面形状に対応した成形面形状
    を有する第1次の型部材を用いて、ガラス素材を、所定
    の加熱温度、型部材温度、加圧圧力、加圧時間、冷却速
    度等の成形条件に基づいて成形する第1の成形工程と、 第1の成形工程において成形した光学素子の表面形状を
    測定する測定工程と、 測定工程において得られた測定
    データと、光学素子の最終希望形状のデータとの誤差を
    算出する算出工程と、 前記算出工程において得られた結果に基づいて第1次の
    型部材の成形面を補正加工して第2次の型部材を加工す
    る補正加工工程と、 第2次の型部材を用いて、ガラス素材を第1の成形工程
    と同じ成形条件でプレス成形する第2の成形工程とを具
    備することを特徴とする光学素子の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記測定工程において得られた測定デー
    タと、前記最終希望形状のデータとの差は、少なくとも
    ニュートンリング4本以下であることを特徴とする請求
    項3に記載の光学素子の成形方法。
JP7149093A 1995-06-15 1995-06-15 光学素子の成形方法 Pending JPH08337426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7149093A JPH08337426A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 光学素子の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7149093A JPH08337426A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 光学素子の成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08337426A true JPH08337426A (ja) 1996-12-24

Family

ID=15467549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7149093A Pending JPH08337426A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 光学素子の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08337426A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1323961C (zh) * 2003-03-26 2007-07-04 Hoya株式会社 透镜的制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1323961C (zh) * 2003-03-26 2007-07-04 Hoya株式会社 透镜的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5435818A (en) Mold for optical element and a method of molding optical element
JPH10182173A (ja) ガラス成形品とガラス成形方法及びガラス成形装置
JPH0551224A (ja) 光学素子のプレス成形法およびその装置
US4836840A (en) Press-molding device for lenses
US5630859A (en) Optical element forming method
JPH08337426A (ja) 光学素子の成形方法
JP2002029763A (ja) ガラス光学素子の製造方法及びそれに用いるガラス光学素子用成形型
JP2972482B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP2001270724A (ja) 光学レンズ及びその成形金型
JP3618983B2 (ja) 光学素子の成形方法及びその装置
JP2005022917A (ja) 光学素子の成形方法及び成形型の作成方法
JP2718452B2 (ja) ガラス光学素子の成形方法
JP4125183B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP4436561B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP3793116B2 (ja) 成形型の作成方法
JP3359235B2 (ja) 光学素子のプレス成形装置
JP3216099B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP2618527B2 (ja) 光学部品の製造法
JP3217153B2 (ja) 光学素材成形型、それを使用する光学素材成形方法およびそれにより得られる光学素材
JPH08133767A (ja) 光学素子の成形方法
JPH06256025A (ja) 光学素子の成形用金型、成形方法、および光学素子成形装置
JP2954427B2 (ja) ガラス成形方法
JPH09268018A (ja) 光学素子のプレス成形方法および装置
JP3209722B2 (ja) 光学素子の成形方法及び光学素子
JPH0840732A (ja) 光学素子の成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 10