JP3216099B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

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JP3216099B2 JP05581794A JP5581794A JP3216099B2 JP 3216099 B2 JP3216099 B2 JP 3216099B2 JP 05581794 A JP05581794 A JP 05581794A JP 5581794 A JP5581794 A JP 5581794A JP 3216099 B2 JP3216099 B2 JP 3216099B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば非球面レンズな
どの複雑な形状を有する光学素子を高精度にプレス成形
する事ができる光学素子の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器の小型化、軽量化にとも
ない光学系に使用されるガラスレンズとして、非球面形
状のレンズが望まれている。上記非球面形状を有するガ
ラスレンズの製造方法として、所定の表面精度を有する
成形用型内に光学素子材料を挟み込みプレス成形するこ
とにより光学素子を製造する方法が提唱された。
【0003】この方法は例えば特公昭61−32263
号公報に開示してあるように、所望の光学素子の最終形
状に正確に対応する内部形状を有する鋳型の中にガラス
素材を挟み込み、上記ガラス素材の粘度が108 〜5×
1010ポアズの範囲の温度でプレス成形を行い、その後
ガラス素材と鋳型の温度差が少なくとも20℃以上にな
らないように冷却を行い、ガラス素材がその粘度が10
12ポアズよりも大きくなる温度域で鋳型間から上記ガラ
ス素材を取り出すことによって、高精度な光学素子を得
る方法である。
【0004】また更に特公昭61−286236号公報
には、高精度な光学素子を得るために所定形状に押圧成
形後のガラス光学素子をそのガラス素材の歪点(粘度1
14 .5ポアズ)以上、ガラス転移点(粘度1013.5)以
下の温度に所定時間保持する工程と、前記ガラス光学素
子が所望の屈折率となる冷却速度にて冷却を行う工程と
からなるガラス素子の徐冷方法が提唱されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上記
従来例(特公昭61−32263号公報)では、例えば
光学機能面の曲率半径の大きい凹レンズやメニスカスレ
ンズのように冷却プレスの圧力等の成形条件を最適なも
のに設定したとしても、形状によっては光学素子の形状
精度が、例えばクセ、ニュートンリング1本以下といっ
た必要とする精度まで向上できないものがある。
【0006】さらに特公昭61−286236号公報に
開示してあるように、冷却過程においてそのガラス素材
の転移点(粘度1013.5ポアズ)以下で定温保持する過
程では、すでにガラス素材の粘度は比較的高い状態にあ
るため、ガラスの応力緩和作用によってガラス素子内に
発生した熱応力を緩和しきれず、結果的に型部材からガ
ラス光学素子が剥離した際に上記熱応力が解放され変形
を生じてしまい形状精度を維持できない場合がある。
【0007】例えば、先に述べたような形状の光学素子
では、特にガラス素材内に熱応力が強く生ずるため内部
に熱応力が残り易く、上記型部材とガラス光学素子が剥
離する際に変形し易い。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、軟化状
態にあるガラス素材を成形用型部材を用いてプレスして
該型部材の成形面に対応した光学機能面を該ガラス素材
に成形する光学素子の製造方法において、前記ガラス素
材を加熱した前記成形用型部材内に入れて加圧して該成
形用型の成形面をガラス素材に押圧してガラス素材を形
状変形し、前記ガラス素材を光学素子形状の形状成形後
に前記形状変形したガラス光学素子を冷却工程に移行
し、該冷却工程の光学素を、ガラス転移点以上屈伏点
以下の一定温度に所定時間保持したことを特徴とする光
学素子の製造方法である。
【0009】本発明においては、ガラス素材はまだ活発
に応力緩和作用を行うため、短時間で内部に発生した熱
応力を除去可能であるので、従来までは成形が困難であ
った形状の光学素子の高精度な成形を可能とした。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例に付いて、添付図面を
参照にして詳細に説明する。 〔第1実施例〕本実施例では、ガラス素材に重クラウン
ガラス(SK12)を使用し、凹形状の光学素子を成形
する場合について示す。
【0011】図1は本実施例の光学素子の成形方法を適
用する成形用型12の構成を示した図である。また図1
は、凹レンズを成形加工するための成形用型12の構成
を示しており、上型部材16と下型部材18によるガラ
ス素材40のプレス動作が終了し、ガラスレンズの成形
が略完了した状態を示している。
【0012】図1において、成形用型12外殻部を構成
する胴型14は、支持基板20を介して光学素子の成形
装置本体10上に載置されている。胴型14は上面視略
正方形の角柱状に形成されており、その中心軸上には、
この胴型14を上下に貫通した状態で、貫通穴14a,
14bが形成されている。これらの貫通穴のうち上側の
貫通穴14aには、円柱状に形成された上型部材16
が、勘合した状態で上下方向に沿って摺動可能に挿入さ
れている。上型部材16の上端部には、円盤状のフラン
ジ部16aが形成されており、このフランジ部16aの
下面が胴型14の上面14cに上方から当接することに
より、上型部材16はそれ以上下方に移動することを阻
止されており、これによって、上型部材16の下方への
プレスストロークが規定されている。また上型部材16
の下面には、ガラス素材40を押圧して、その表面に所
望の形状を転写して光学機能面を形成するための成形面
16bが形成されている。
【0013】なお上型部材16上方には、ガラス素材4
0に印加するプレス圧を発生させるためのエアシリンダ
22が、不図示の支持部材により支持された状態で配置
されている。エアシリンダ22の下方には、上下方向に
沿ってピストンロッド22aが配置されており、このピ
ストンロッド22aの下端部は、上型16の上端面に接
続されている。したがって、エアシリンダ22が動作さ
れてピストンロッド22aが下方に向けて押し出し動作
されることにより、ガラス素材40にプレス圧p1が印
加される。
【0014】一方下側の貫通穴14bには、上型部材1
6と同様に円柱状に形成された下型部材18が、勘合し
た状態で上下方向に沿って摺動可能に挿入されている。
下型部材18の下部には円板状のフランジ部18aが形
成されており、このフランジ部18aの下面18cは、
胴型14が載置されている支持基板20の上面に当接し
ている。そして、この支持基板20により上型部材16
からガラス素材40を介して下型部材18に加えられる
下方へのプレス圧p1を受けるように構成されている。
下型部材18の上端面には、ガラス素材40の下面に所
望の形状を転写して光学機能面を形成するための成形面
18bが形成されている。
【0015】したがって、ガラス素材40には、その上
面に、上型部材16の成形面16bの表面形状が転写さ
れた光学機能面40aが形成され、下面には、下型部材
18の成形面18bの表面形状が転写された光学機能面
40bが形成されることとなる。
【0016】また成形された凹レンズ(ガラス素材4
0)の厚みは、上述したように、上型部材16のフラン
ジ部16aの下面が、胴型14の上面14cに当接する
ことにより規定され、加工する毎に凹レンズ(40)の
厚みが変化しないようになされている。
【0017】なお成形装置本体10の下面には、エアシ
リンダ24が固定されており、このエアシリンダ24の
ピストンロッド24aは、成形装置本体10に成形され
た貫通穴10aと、支持基板20に形成された貫通穴2
0aを順次介して下型部材18の下面18cに接続され
ている。このエアシリンダ24は、凹レンズ(ガラス素
材40)の成形動作が終了した後の冷却過程において、
凹レンズ(40)の形が崩れることを防止するために、
下型部材18を上方に押し上げて、凹レンズ(40)に
圧力p2を作用させるためのものである。
【0018】一方、胴型14の側面には、開口穴14d
が形成されており、この開口穴14dを介して、成形用
型12の内部にガラス素材40が供給されると共に、成
形の完了した凹レンズ(40)が成形用型12の内部か
ら取り出される。
【0019】なお胴型14内には、その四隅に位置した
状態で、この胴型14、上型部材16、下型部材18を
加熱すると共に、これら胴型14、上型部材16、下型
部材18を介してガラス素材40を加熱するためのヒー
タ26が配置されている。
【0020】次に、上記の様に構成された成形用型12
により凹レンズを成形する手順について説明する。
【0021】ここで図2は光学素子で成形されるまで
の、温度プロセス及びガラス素材40に負荷される荷重
プロセスを示した図である。なお荷重プロセス図では、
図1中のp1の方向が“+”、p2の方向が“−”で示
してある。
【0022】まずエアシリンダ22のピストンロッド2
2aを引き込み動作させて、上型部材16を胴型14に
対して上方にスライドさせ、下型部材18から逃がして
おく。この状態において、胴型14の開口穴14dを介
して、オートハンド等により、所定の高温に加熱された
ガラス素材40を下型部材18の成形面18b上に供給
する。このとき供給されるガラス素材40は、凹レンズ
を成形する場合には、円板状に形成されているか、ある
いは凹レンズの完成形状に近い形状に形成されている。
また胴型14及び上型部材16及び下型部材18は、所
定の成形条件に対応した温度に加熱されている。本実施
例では、ガラス素材40の粘度で109. 5 ポアズに相当
する温度(620℃)であった。
【0023】ガラス素材40が、下型部材18の成形面
18b上に供給された後、エアシリンダ22のピストン
ロッド22aを押し出し動作させて、ガラス素材40の
上面を上型部材16の成形面16bを当接させ、ガラス
素材40にプレス圧p1を印加させる。本実施例では4
000Nであった。このプレス圧p1が印加されて、上
型部材16が徐々に下方に移動すると、ガラス素材40
が、次第に水平方向に押しつぶされて、最終的には、図
1に示したような状態となる。この状態においては、ガ
ラス素材40の上下には、上型部材16の成形面16b
と下型部材18の成形面18bの形状が転写された光学
機能面40a,40bが形成されており、またガラス素
材40の厚みは、所望の厚みに成形されている。
【0024】この後成形された凹レンズ(ガラス素材4
0)は徐々に冷却される。この冷却過程においては、成
形された凹レンズ(40)の形状が崩れないように、本
実施例では凹レンズ(40)の温度がガラス素材40の
粘度で1010.5ポアズに相当する温度(600℃)にな
った時点で、エアシリンダ24が作動されて下型部材1
8が押し上げられ、凹レンズ(40)に圧力p2が印加
される。本実施例では3200Nであった。そしてさら
に冷却を行い、所定の温度まで温度が低下した時に、所
定の時間温度を一定に保ち、凹レンズ(40)内の冷却
によって発生したと思われる熱応力が、ガラス特有の応
力緩和作用によってほぼ無くなるのを待つ。本実施例で
は、ガラス素材40の粘度で1011.5ポアズに相当する
温度(570℃)で2分の定温保持を行った。その後再
度冷却を開始し、所定の温度まで温度が低下したとき
に、再びエアシリンダ22が引き込み動作されて上型部
材16が上方に移動し、この凹レンズはオートハンド等
により、胴型14の開口穴14dを介して外部に取り出
される。本実施例ではガラス素材40の粘度が1012
アズに相当する温度(560℃)で凹レンズを取り出し
た。
【0025】ここで、汎用構造解析用ソフト『MAR
C』(日本マーク株式会社製)を用いて、上述の冷却行
程におけるガラス素材40内部の熱応力をシミュレート
してみる。ここでは、ガラス素材40及び型部材16,
18の物性を、以下に示す表1から、データとして入力
する。なお温度と膨張係数の関係は、ガラス素材40及
び型部材16,18について、それぞれ、図3のグラフ
に示すとおりである。
【0026】
【表1】
【0027】上記表1で示すガラス素材40の粘弾性物
性は、次のようにして求められる。即ち、先ず粘弾性の
温度領域にあるガラス試料を、一定温度に保ったまま、
3点曲げ状態で一定の負荷を加え続ける曲げ試験を行
い、試料の撓み量を測定し、以下の式によりクリープ・
コンプライアンスを求める。これは温度のファクターを
少しずつ換えて計算され、結果として図4に示すクリー
プ曲線を得る。
【0028】 Dc(t,To)=4bd3 /13 ×v(t)/Wo なお上の式で、Dc(t,To)はクリープ・コンプラ
イアンス、bは試験片の幅、dは試験片の長さ、1はス
パン間距離、v(t)は荷重点における撓み、Woは荷
重である。
【0029】粘弾性温度域におけるガラスは、熱レオロ
ジー的に単純な性質を有するので、図4の各温度におけ
るクリープ・コンプライアンス曲線を左右に平行移動
(時間分の平行移動)することにより、図5に示す1本
のマスターカーブにまとめられる。この場合の温度と時
間との関係は、図6に示す時間・温度シフトファクター
で表すことができる。即ち、ここで示すガラスの時間・
温度シフトファクターは、図6の様に2本の直線(アレ
ニュースの式)で近似でき、その交点の温度は、ガラス
転移点温度よりやや低い温度である。
【0030】緩和弾性係数(弾性体における弾性係数に
相当する)は、応力緩和減少の影響があるため温度及び
時間の関数として取り上げることができるが、ここで対
象となるガラスが上述のように熱レオロジー的に単純な
ので、図5のクリープ・コンプライアンス同様に、図7
に示すマスターカーブ(一般に、図7に緩和弾性係数の
マスターカーブは図5のクリープ・コンプライアンスの
逆数で近似される)が得られる。
【0031】上述のように、ガラスのような、熱レオロ
ジー的に単純な性質の粘弾性物質は、図7の緩和弾性係
数のマスターカーブと、図6の時間・温度シフトファク
ターとから、そのある温度、ある時間における緩和弾性
係数Er(t,To)を求め、線形粘弾性理論での履歴
積分の式(以下に示す)によって表すことができる。
【0032】
【式1】 なお上式で、τは解析時間、σ(t)は応力、ε(t)
は歪みである。
【0033】そこで、数値解析に粘弾性特性を取り入れ
るために、図7の緩和弾性係数のマスターカーブと図6
の時間・温度シフトファクターの数式化が必要になる。
図6の時間・温度シフトファクターに関しては、上述の
ようにアレニュースの式で近似できるので、解析プログ
ラム(日本マーク株式会社製のソフトプログラム『MA
RC』)を利用して、直線の式と直線同士の交点をデー
タ入力し解析できる。なお、図7の緩和弾性係数のマス
ターカーブは、以下に示すプロニー展開によって近似可
能である。
【0034】
【式2】 なお、t’n はn次の換算時間、Ern はn次の緩和弾
性係数である。
【0035】以上の各物性値を用いて、ガラス素材40
の粘度で109.5 ポアズに相当する温度(620℃)か
らその粘度で1011.5ポアズに相当する温度(570
℃)まで冷却を行った後に、その温度(570℃)のま
まで定温に保持した際の、ガラス内の熱応力を解析し
た。
【0036】その結果図8より明らかなように、ガラス
素材40の粘度で1011.5ポアズに相当する温度(57
0℃)までの冷却工程中にガラス内に生じた熱応力が、
その温度(570℃)で一定に保持している間に緩和さ
れ、ほぼ消滅していることが解る。また熱応力が消滅す
るまでに、2分あれば十分なことが解る。
【0037】以上より、本実施例での定温での保持時間
は2分とした。
【0038】また定温に保持する温度は、活発にガラス
の応力緩和作用が働くガラス素材40の転移点以上の温
度でなければならないのはもちろんだが、より応力緩和
作用が活発に作用する、なるべく高温での定温保持が望
ましい。
【0039】しかし、あまり高温域で定温保持を行う
と、ガラス素材40がまだ軟化状態にあるため、取り出
し可能な粘度になるまで更に冷却を行わなければならな
くなる。それでは、またガラス素材40内に熱応力が生
じてしまうため定温保持の意味がなくなってしまうた
め、定温に保持する温度は、適当な温度域を選択する必
要がある。
【0040】そこで本実施例では、使用しているガラス
素材40の転移点がその粘度で10 12.5ポアズ(550
℃)であるため、その粘度で1011.5ポアズに相当する
温度(570℃)で定温保持を、その粘度で1012ポア
ズに相当する温度(560℃)で取り出しを行った。
【0041】以上の手順によって本実施例で成形したレ
ンズの形状を図9に示す。
【0042】また本発明の定温保持を行わず、同じ成形
装置で成形した同一形状の凹レンズの、光学機能面をフ
ィゾー干渉計によって調べた結果を図10に、本発明の
定温保持を行ったレンズのそれを図11に示す。
【0043】図10及び図11の結果から明らかなよう
に、従来までの成形方法では、例えばクセがニュートン
リング1本以下といった所望の面精度を確保できない形
状のレンズでも、本発明の方法によって、良好な面精度
が確保できていることがわかる。また本発明の方法によ
って連続的に凹レンズを成形した結果、全てのレンズが
アス(光軸を中心とする軸対称でない形状誤差)、クセ
共にニュートンリング1本以下に納まっていた。
【0044】〔第2実施例〕他の実施例としてガラス素
材をフリントガラス(F8)にし、成形する光学素子形
状を図12に示す凹メニスカス形状として成形を行っ
た。
【0045】使用した成形装置は図13に示す様に、第
1実施例(図1)と同一のものであるが成形する光学素
子形状が異なるため、上型部材16及び下型部材18が
それぞれ16’,18’と形状が変わっている。
【0046】また図14に本実施例での光学素子が成形
されるまでの、温度プロセス及びガラス素材40’に負
荷される荷重プロセスを示した図である。なお荷重プロ
セス図では、図13中のp1の方向が“+”、p2の方
向が“−”で示してある。図に示す様に、硝種の違い、
光学素子の形状の違いによって定温保持する温度がガラ
ス素材の粘度で1011ポアズに相当する温度(470
℃)、保持する時間が3分とそれぞれ第1実施例と異な
っている。
【0047】図13の装置を使用し第1実施例の手順に
よって、本発明の定温保持を行わずに、同じ成形装置で
成形した同一形状の凹メニスカスレンズの、光学機能面
をフィゾー干渉計によって調べた結果を図15に、本発
明の定温保持を行ったレンズのそれを図16に示す。
【0048】図15及び図16の結果から明らかなよう
に、従来までの成形方法では、クセがニュートンリング
1本以下の面精度を確保できないが、本発明の方法では
良好な面精度が確保できていることがわかる。
【0049】以上説明した様に、上記実施例に示した光
学素子の成形方法によれば、従来と同様の極めて基本的
な装置によって、従来成形が困難であった形状の光学素
子を高精度に成形することが可能となる。
【0050】なお本発明は、その主旨を逸脱しない範囲
で上記実施例を修正または変形したものに適用可能であ
る。
【0051】例えば、上記実施例では、凹レンズとメニ
スカスレンズを成形する場合について説明したが、本発
明はその他の形状の光学素子、例えば凸レンズや、平板
状の光学素子の成形にも適用可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明による成形方
法によって、ガラス素材の活発な応力緩和作用を利用
し、短時間で内部に発生した熱応力を除去可能であるた
め、従来までは成形が困難であった形状の光学素子の高
精度な成形を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の成形用型の構成を示した図であ
る。
【図2】第1実施例での温度プロセス及び荷重プロセス
を示した図である。
【図3】第1実施例でのガラス素材と型部材の膨張率の
温度依存性を示す図である。
【図4】第1実施例でのガラス素材のクリープ・コンプ
ライアンスを示す図である。
【図5】第1実施例でのガラス素材のクリープ・コンプ
ライアンスのマスターカーブを示す図である。
【図6】第1実施例でのガラス素材の時間・温度シフト
ファクターを示す図である。
【図7】第1実施例でのガラス素材の緩和弾性係数のマ
スターカーブを示す図である。
【図8】第1実施例での解析結果を示す図である。
【図9】第1実施例での成形した光学素子形状の概略図
である。
【図10】第1実施例で定温保持を行わずに成形したレ
ンズの、光学機能面をフィゾー干渉計によって調べた結
果である。
【図11】第1実施例で定温保持を行い成形したレンズ
の、光学機能面をフィゾー干渉計によって調べた結果で
ある。
【図12】第2実施例で成形した光学素子形状の概略図
である。
【図13】第2実施例の成形用型の構成を示した図であ
る。
【図14】第2実施例での温度プロセス及び荷重プロセ
スを示した図である。
【図15】第2実施例で定温保持を行わずに成形したレ
ンズの、光学機能面をフィゾー干渉計によって調べた結
果である。
【図16】第2実施例で定温保持を行い成形したレンズ
の、光学機能面をフィゾー干渉計によって調べた結果で
ある。
【符号の説明】
10 成形装置本体 12 成形用型 14 胴型 16 上型部材 18 下型部材 20 支持基板 22,24 エアシリンダ 26 ヒータ 40 ガラス素材(光学素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−16436(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 9/00 - 17/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化状態にあるガラス素材を成形用型部
    材を用いてプレスして該型部材の成形面に対応した光学
    機能面を該ガラス素材に成形する光学素子の製造方法に
    おいて、 前記ガラス素材を加熱した前記成形用型部材内に入れて
    加圧して該成形用型の成形面をガラス素材に押圧してガ
    ラス素材を形状変形し、前記ガラス素材を光学素子形状
    の形状成形後に前記形状変形したガラス光学素子を冷却
    工程に移行し、該冷却工程の光学素を、ガラス転移点
    以上屈伏点以下の一定温度に所定時間保持したことを特
    徴とする光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記光学素子が凹レンズ形状である請求
    項1記載の光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光学素子が凹メニスカス形状である
    請求項1記載の光学素子の製造方法。
JP05581794A 1994-03-25 1994-03-25 光学素子の製造方法 Ceased JP3216099B2 (ja)

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