JP2783747B2 - 光学素子の成形法 - Google Patents

光学素子の成形法

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JP2783747B2 JP5114188A JP11418893A JP2783747B2 JP 2783747 B2 JP2783747 B2 JP 2783747B2 JP 5114188 A JP5114188 A JP 5114188A JP 11418893 A JP11418893 A JP 11418893A JP 2783747 B2 JP2783747 B2 JP 2783747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟化したガラス素材を
加圧成形することによって、高精度なガラスレンズなど
の光学素子を成形する、光学素子の成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器の小型化、軽量化にとも
ない、光学系に使用されるガラスレンズとして非球面形
状のレンズが望まれている。上記レンズは、その研磨加
工が困難であり、このため、所定の表面精度を有する上
下型部材間に光学素子を成形するためのガラス素材、例
えば、或る程度の形状、表面精度に予備成形されたガラ
スブランクを収容し、加熱下でプレス成形することによ
り、研削および研磨などの後加工を不要にした光学素子
の製造法が開発されている。
【0003】このようなプレス成形で光学素子を製造す
る方法では、既に、特公昭62−292636号公報に
も開示してあるように、ガラス素材を光学素子成形用型
部材の間に挟み込み、上記ガラス素材を型部材ともど
も、ガラスの屈伏点以上の温度に加熱し、所定の形にプ
レスするのである。その後に、型部材による加圧状態の
まま、上記ガラス素材を、ガラスの転移点以下の温度ま
で冷却し、取出すことで、高精度な光学素子を得るので
ある。この場合、上記成形用型部材は、胴型と組み合わ
された1つの成形ブロックを構成しており、その中に、
上記ガラス素材を保持したまま、加熱、プレス、冷却の
各ステージに移動される過程で、光学素子の成形がなさ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この場合、型
部材による圧力付加の状態で、上記ガラス素材をガラス
の転移点以下の温度まで冷却すると、その間、型部材と
ガラス素材とが密着した状態を維持しており、そのた
め、型部材とガラス素材との熱膨張係数の相違から、相
互の収縮量に差が生じ、上記ガラス素材中に熱応力が発
生し、型部材を開放した後、その熱応力が開放され、光
学素子として完成された成形品に変形を生じてしまう。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記事情に基いてなされたもの
で、その目的とするところは、冷却過程で、不必要な熱
応力歪みを残さないように、しかも、最終成形品の光学
機能面が、所要の高精度な成形状態に保持できるように
工夫した光学素子の成形法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
ガラス素材を加圧成形するための成形用上型部材および
下型部材を備え、前記各型部材を一緒に、あるいは、そ
れぞれ独立して、所定温度に加熱し、前記型部材に負荷
した加圧力により前記ガラス素材を前記型部材の成形面
に沿って変形させ、前記ガラス素材の成形工程の後に、
前記型部材および成形ガラスを冷却工程に移行し、その
後、両型部材を開放して、成形ガラスを取り出すこと
で、上記型部材の成形面に対応した光学機能面を、上記
ガラス素材に転写する光学素子の成形法において、前記
冷却工程内には、上記両型部材を開放して、それらの成
形面から上記ガラス素材を剥離させて、加圧成形時にお
ける成形面とガラス素材との密着状態を解除する工程
と、解除した後、再び、上記成形ガラスの成形状態を維
持するように、上記両型部材を閉め、この状態で上記成
形ガラスを更に取り出し温度まで冷却する工程とを含ん
でいる。
【0007】なお、その他の本発明の目的および特徴
は、以下の実施例で具体的に説明されるであろう。
【0008】
【実施例】以下、本発明の成形法を図示の実施例にもと
ずいて具体的に説明する。ここでは、両凸レンズを球形
のガラスブランクから成形する場合が示されている。な
お、ここで使用するガラスブランクは重クラウンガラス
SK12のガラス素材1である。このガラス素材の熱特
性温度のカタログ値は、表1の通りであり、また、凸レ
ンズは、例えば、図7に示す寸法・形状である。
【0009】
【表1】 図1に示す成形型はケ−シング(図示せず)に収容され
ており、上記ケ−シングは、例えば、1×10-2Tor
rに減圧された後、窒素ガスを導入している。そして、
上記成形型を構成する上の型部材2および下の型部材3
が、これらを囲む胴型4に設けたヒ−タ(図示せず)な
どによって、620℃(ガラス粘度で109.7 ポアズ)
近くまで加熱される。上記型部材2および3が上記温度
迄昇温された時、予め同じケ−シング内で予備加熱(例
えば、620℃)しておいた上記ガラス素材1を吸着ハ
ンド9などを使用して吸着し、胴型4に開口した出入り
口から下の型部材3の成形面3a上に載せる(図1
(a)参照)。なお、上記胴型4はベース5上に装備さ
れている。
【0010】そして、ラムなどの操作手段6を介して上
記上の型部材2を下降し、プレス成形を行う。なお、上
記ガラス素材1は、上述のように、予め、620℃(ガ
ラス粘度で109.7 ポアズ)まで加熱しておいて、型部
材2および3の間に装填しても良いが、装填した後、そ
の温度まで加熱するようにしてもよい。そして、型部材
2の上縁に設けたストッパ部が上記胴型4の上面4aに
接するまで、上記型部材2の下降を続けるが、その段階
で、上記型部材2および3の各成形面2aおよび3a
を、上記ガラス素材1の表面に転写させ、かくして、上
記ガラス素材1は所定の成形品7に成形される(図1
(b)参照)。なお、この際の加圧荷重は320kgf
であり、成形品7の厚さは、上記ストッパ部が上記胴型
4の上面4aに接するレベルで決定される。
【0011】その後、ヒ−タヘの通電を断ち、それぞれ
の型部材2および3に設けた冷却通路(図示せず)に、
例えば、窒素ガスなどを通して、冷却を行う。そして、
成形品(光学素子)7が580℃(ガラス粘度で1011
ポアズ)になった時点(型圧は0)で、上記成形品7を
両側から、バネ機構を有する固定手段8で挟み付け、上
側の型部材2を上昇させ、成形面2aから成形品7を剥
離する。次に、上記固定手段8を若干上昇させて、下側
の型部材3の成形面3aから上記成形品7を剥離する
(図1(c)参照)。
【0012】次に、上記固定手段8を元のレベルに降下
し、上記成形品7を成形面3aに載せるとともに、上側
の型部材2を降下させ、始めの状態に戻し(図1(b)
参照)、上記固定手段8を成形型からその外部へと退避
させる(図1(d)参照)。以上の動作を迅速に行ない
(降下温度は5℃程度)、上記成形型を閉じた後(型圧
は0)、上下の型部材2および3、ならびに上記成形品
7をガラスの遷移温度以下、例えば480℃まで冷却す
る。この間に、成形品7の自重変形は、上記型部材2お
よび3の成形面2aおよび3aの働きで抑制され、所期
の形状を維持し、また、成形型を開放するまでに型部材
との熱膨張係数の差で上記ガラス素材内に発生した熱応
力歪みは、ガラス素材の粘弾性の働きで、解消される。
【0013】このような本発明のガラス光学素子の成形
方法における温度制御、プレス成形圧、ガラス素材内部
発生応力の変化は、図5に示すようなグラフで示すこと
ができる。なお、図中、点線で示す応力の特性曲線は、
冷却工程で、本発明のような型部材の開放を行なわない
従来方式での応力変化を示している。また、t1 点は冷
却開始時を、t2 点は一時的離型の時点を、更に、t3
点は型取り出し時をそれぞれ、示している。
【0014】このようにガラス素材内に発生した熱応力
の状態を図6に模式的に示す。ここでは、型部材2およ
び3の熱収縮量Aに比べ、ガラス素材の熱収縮量Bが大
きく(図6の(a)参照)、丁度、その差量に相当する
応力が、矢印の反対方向に向けて発生する(図6の
(b)参照)。これは、加圧成形時に、型部材の各成形
面で、物理的にみて、分子結合的な密着状態が、型部材
表面とガラス素材表面との間に発生しているためと推定
される。因に、その状態のまま、従来の成形方法のよう
に、冷却を継続し、冷却終了時点で、型部材2および3
を開放すると、図6の(c)に示すように、離型の際
に、内部応力の開放が一時になされ、ガラス素材に変形
をもたらす(なお、図中、矢印は、応力の開放によって
もたらされる力を表わす)。
【0015】しかし、本発明の成形方法では、その加圧
成形後の冷却工程で、図6(d)に示すように、ガラス
素材の温度がガラス粘度で1010〜1012ポアズに相当
する温度範囲、好ましくは、ガラス素材の温度がガラス
粘度で1011ポアズに相当する温度(580℃付近)
で、上記両型部材2、3を開放して、それらの成形面か
ら上記ガラス素材を剥離させて、加圧成形時における成
形面とガラス素材との密着状態を解除し、それまでの冷
却過程で発生したガラス内部応力を緩和すると、それま
でに蓄積した熱応力が開放される。従って、次に、再
び、上記成形ガラスの成形状態を維持するように、上記
両型部材を閉め、この状態で上記成形ガラスを更に取り
出し温度まで冷却すると、この過程では、熱応力の発生
が起こらない。これは、一度、成形面と成形ガラス面と
の間が離れると、再び、型部材2、3を閉じても、前述
のような物理的な分子結合状態にはならず、両者間に
は、雰囲気分子が入り込み、再度の分子結合状態を阻
み、その境界面で、互いに滑りを発生するためと推定さ
れる。
【0016】そして、所定の取り出し温度(成形ガラス
が自重で変形しない程度の温度)例えば、480℃(ガ
ラス粘度で1013ポアズ以下に相当する温度)で、再
び、成形型を開放し、上記吸着ハンド9を介して熱応力
歪みの無い、完全な成形品(成形ガラス)7を取出すこ
とができる(図1(e)参照)。この場合、上記吸着ハ
ンドの温度は、成形品7に対して熱衝撃を与えないた
め、および、成形品のその後の取出しまでの温度降下を
考慮して、400℃程度に保持してある。
【0017】なお、このような成形装置を用いて、実際
に光学素子の成形を行ったところ、光学素子の面精度に
ついては、アス、クセ共に、ニュートンリング1/4本
以下の良好な結果を得ている。
【0018】図2に示す別の実施例では、フリントガラ
ス(F8)がガラス素材として用いられており、成形さ
れる光学素子の形状を凹形状としている。この場合に
は、ガラスブランク(ガラス素材)を下側の型部材の上
に搭載した後、先の固定手段8を用いて、型部材の中央
に対するガラス素材の位置決めを行なうのである。その
他の操作は前述の実施例の場合と同様であり、その成果
も、前述の実施例と同様である。なお、上記凹レンズ
は、例えば、図8のような寸法・形状である。
【0019】なお、各実施例において、光学素子の形状
は、その光学機能面が凸でも、凹でも構わない。また、
上・下の型部材を完全にガラス素材から剥離させる工程
は素早く行なうことが好ましい(例えば、約4秒以
内)。
【0020】図3および図4には、本発明の成形法を実
施した場合、所望されている光学素子(R=51mmの
凸面、R=9mmの凹面)の曲率半径の寸法と、型部材
の成形面の曲率半径の寸法とを比較したものである。な
お、ここでは、型部材と成形品との熱膨張係数差を配慮
して、型部材の曲率半径が設定されている。
【0021】次に、汎用構造解析用ソフト『MARC』
(日本マーク株式会社製)を用いて、上述の冷却工程に
おけるガラス素材内部の熱応力をシュミレートしてみ
る。ここでは、表1に示すガラスおよび型部材の物性
を、以下に示す表2から、データとして、入力する。な
お、温度と膨張係数との関係は、ガラス素材および型部
材について、それぞれ、図9のグラフに示す通りであ
る。
【0022】
【表2】 上記表2で示すガラスの粘弾性物性は、次のようにして
求められる。即ち、先ず、粘弾性の温度領域にあるガラ
ス試料を、一定温度に保ったまま、3点曲げ状態で一定
の負荷を加え続ける曲げ試験を行ない、試料の撓み量を
測定し、以下の式よりクリープ・コンプライアンスを求
める。これは、温度のファクターを少しずつ換えて計算
され、結果としてクリープ曲線を得るのである。 DC (t,TO)=4bd3 /l3 ×v(t)/WO なお、上の式で、DC (t,TO)はクリープ・コンプ
ライアンス、bは試験片の幅、dは試験片の長さ、lは
スパン間距離、v(t)は荷重点における撓み、WOは
荷重である。
【0023】粘弾性温度域におけるガラスは、熱レオロ
ジー的に単純な性質を有するので、各温度におけるクリ
ープ・コンプライアンス曲線を左右に平行移動(時間分
の平行移動)することにより、1本のマスターカーブに
まとめられる。この場合の温度と時間との関係は、時間
・温度シフトファクターで表わすことができる。即ち、
ここで示すガラスの時間・温度シフトファクターは、2
本の直線(アレニュースの式)で近似でき、その交点の
温度は、ガラス転移点温度よりもやや低い温度である。
【0024】緩和弾性係数(弾性体における弾性係数に
相当する)は、応力緩和減少の影響があるため、温度お
よび時間の関数として取り上げることができるが、ここ
で対象となるガラスが上述のように熱レオロジー的に単
純なので、クリープ・コンプライアンス同様に、マスタ
ーカーブ(一般に、緩和弾性係数のマスターカーブはク
リープ・コンプライアンスの逆数で近似される)が得ら
れる。
【0025】上述のように、ガラスのような、熱レオロ
ジー的に単純な性質の粘弾性物質は、緩和弾性係数のマ
スターカーブと、時間・温度シフトファクターとから、
その或る温度、或る時間における緩和弾性係数Er
(t,TO)を求め、線形粘弾性理論での履歴積分の式
(以下に示す)によって表わすことができる。 なお、上式で、τは解析時間、σ(t) は応力、ε(t)
は歪みである。
【0026】そこで、数値解析に粘弾性特性を取入れる
ために、緩和弾性係数のマスターカーブと時間・温度シ
フトファクターの数式化が必要になる。時間・温度シフ
トファクターに関しては、上述のようにアレニュースの
式で近似できるので、解析プログラム(日本マーク株式
会社製のソフトプログラム『MARC』)を利用して、
直線の式と直線同士の交点をデータ入力し、解析でき
る。なお、緩和弾性係数のマスターカーブは、以下に示
すプロニー展開によって近似可能である。 なお、t'nはn次の換算時間、Er nはn次の緩和弾性係
数である。
【0027】その結果、冷却過程で一時的な離型を行な
う本発明の方式では、図10に示すモニタ表示のよう
に、ガラス内部に発生する熱応力は、上記離型後、ほぼ
零値を示すのに対して、従来方式では、図11に示すよ
うに、内部熱応力が、型取り出し時まで、漸次、蓄積さ
れ、大きな歪を起こすことが解る。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したようになり、プ
レス成形後の冷却工程において、両型部材を開放して、
それらの成形面からガラス素材を剥離させた後、再び、
上記ガラス素材の成形状態を維持するように、上記両型
部材を閉め、この状態で上記ガラス素材を取り出し温度
まで冷却するようにしたので、冷却過程で、不必要な熱
応力歪みを残すことなく、その結果、最終成形品の光学
機能面を、所要の高精度な成形状態に保持するという優
れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形法の一実施例を作業順序(a)な
いし(e)で示す概略説明図である。
【図2】別の実施例の概略説明図である。
【図3】光学素子の所望寸法と成形型の寸法との関係を
具体例で示すグラフである。
【図4】光学素子の所望寸法と成形型の寸法との関係を
具体例で示すグラフである。
【図5】本発明のガラス光学素子の成形方法における各
制御値の具体例を時間軸に関して示したグラフである。
【図6】本発明におけるガラス素材内部の熱応力発生の
メカニズムを説明するための模式的な断面図である。
【図7】凸レンズの具体的寸法例を示す断面図である。
【図8】凹レンズの具体的寸法例で示す断面図である。
【図9】ガラスと型部材の各膨張率の温度依存性を示す
グラフである。
【図10】本発明の方式によるガラス素材内部に発生す
る熱応力の蓄積状態を示すモニタ画面である。
【図11】従来方式によるガラス素材内部に発生する熱
応力の蓄積状態を示すモニタ画面である。
【符号の説明】
1 ガラス素材 2 上型部材 3 下型部材 4 胴型 5 ベース 6 操作手段 7 光学素子(成形品) 8 固定手段 9 吸着ヘッド

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス素材を加圧成形するための成形用
    上型部材および下型部材を備え、前記各型部材を一緒
    に、あるいは、それぞれ独立して、所定温度に加熱し、
    前記型部材に負荷した加圧力により前記ガラス素材を前
    記型部材の成形面に沿って変形させ、前記ガラス素材の
    成形工程の後に、前記型部材および成形ガラスを冷却工
    程に移行し、その後、両型部材を開放して、成形ガラス
    を取り出すことで、上記型部材の成形面に対応した光学
    機能面を、上記ガラス素材に転写する光学素子の成形法
    において、 前記冷却工程内には、上記両型部材を開放して、それら
    の成形面から上記ガラス素材を剥離させて、加圧成形時
    における成形面とガラス素材との密着状態を解除する工
    程と、 解除した後、再び、上記成形ガラスの成形状態を維持す
    るように、上記両型部材を閉め、この状態で上記成形ガ
    ラスを更に取り出し温度まで冷却する工程とを含むこと
    を特徴とする光学素子の成形法。
  2. 【請求項2】 ガラス素材を加圧成形するための成形用
    上型部材および下型部材を備え、前記各型部材を一緒
    に、あるいは、それぞれ独立して、所定温度に加熱し、
    前記型部材に負荷した加圧力により前記ガラス素材を前
    記型部材の成形面に沿って変形させ、前記ガラス素材の
    成形工程の後に、前記型部材および成形ガラスを冷却工
    程に移行し、その後、両型部材を開放して、成形ガラス
    を取り出すことで、上記型部材の成形面に対応した光学
    機能面を、上記ガラス素材に転写する光学素子の成形法
    において、 前記冷却工程内には、ガラス素材の温度がガラス粘度で
    1010〜1012ポアズに相当する温度範囲で、上記両型
    部材を開放して、それらの成形面から上記ガラス素材を
    剥離させて、加圧成形時における成形面とガラス素材と
    の密着状態を解除する工程と、 解除した後、再び、上記成形ガラスの成形状態を維持す
    るように、上記両型部材を閉め、この状態で上記成形ガ
    ラスを更に取り出し温度まで冷却する工程とを含むこと
    を特徴とする光学素子の成形法。
  3. 【請求項3】 ガラス素材を加圧成形するための成形用
    上型部材および下型部材を備え、前記各型部材を一緒
    に、あるいは、それぞれ独立して、所定温度に加熱し、
    前記型部材に負荷した加圧力により前記ガラス素材を前
    記型部材の成形面に沿って変形させ、前記ガラス素材の
    成形工程の後に、前記型部材および成形ガラスを冷却工
    程に移行し、その後、両型部材を開放して、成形ガラス
    を取り出すことで、上記型部材の成形面に対応した光学
    機能面を、上記ガラス素材に転写する光学素子の成形法
    において、 前記冷却工程内には、ガラス素材の温度がガラス粘度で
    1010〜1012ポアズに相当する温度範囲、好ましく
    は、ガラス素材の温度がガラス粘度で1011ポアズに相
    当する温度で、上記両型部材を開放して、それらの成形
    面から上記ガラス素材を剥離させて、加圧成形時におけ
    る成形面とガラス素材との密着状態を解除し、それまで
    の冷却過程で発生したガラス内部応力を緩和する工程
    と、 解除した後、再び、上記成形ガラスの成形状態を維持す
    るように、上記両型部材を閉め、この状態で上記成形ガ
    ラスを更に取り出し温度、例えば、ガラス素材の温度が
    ガラス粘度で1013ポアズ以下に相当する温度まで冷却
    する工程とを含むことを特徴とする光学素子の成形法。
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