JP2965111B2 - 光学素子の成形用型およびその製造方法 - Google Patents
光学素子の成形用型およびその製造方法Info
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Description
材を加圧成形することによって、高精度なガラスレンズ
などの光学素子を成形する、光学素子の成形用型および
その製造方法に関する。
型でプレス成形して、所要の光学素子を製造する方法が
開発されている。これは、特に、光学機器の小型化、軽
量化に有効な非球面形状のレンズを得るのに、決定的な
役割を果している。因に、非球面形状の上記レンズは、
その研磨加工が困難であり、従って、上記プレス成形の
段階で、成形用型の成形面からの転写により、所定の表
面精度を有する光学機能面を確保しなければならない。
854、958号明細書に開示してあるように、成形用
型の成形面を、ガラス素材に対して高精度に転写するた
め、ガラス素材をプレス成形した後、そのガラスの粘度
で1011〜1012ポアズに相当する温度に冷却されるま
で、上記成形用型に所要の圧力を負荷して置き、その
後、型開きして、成形された光学素子を成形用型から取
出すようにしている。
形用型内でのガラス素材の熱膨張係数と、型部材の熱膨
張係数との相違から、冷却過程で熱応力が発生し、これ
が型開きの後、成形された光学素子に形状変形を起こさ
せる原因となる。特に、成形される光学素子が、両面が
凹形のレンズあるいは凹メニスカスレンズである場合に
は、上記成形用型の成形面がガラス素材に精度良く転写
されず、光学機能面にクセを生じることがある。その悪
い影響は、レンズ中心肉厚とレンズ外周部肉厚との比が
大きい場合に顕著となる。
で、プレス成形時温度から離型温度までの冷却過程にお
いて、そのガラス素材の粘度が1012〜1015ポアズに
相当する温度領域では、上記ガラス素材が著しい粘弾性
特性を示し、それが大きく上記熱応力に影響する点を考
慮して、数値解析を行ない、これを基にして、成形され
た光学素子の光学機能面が、設計上、設定された光学機
能面に適合するような成形面を決定した成形用型、およ
び、その製造方法を提供しようとするものである。
用型およびその製造方法では、成形用型を用いて光学素
子材料をプレス成形する際、予定された成形プロセスの
冷却過程で、上記光学素子材料の粘弾性温度領域および
弾性温度領域において成形用型内の光学素子成形品に発
生する熱応力を、上記光学素子材料の粘弾性特性に基い
て数値解析し、上記成形用型で成形した光学素子の室温
での光学機能面と設計上で設定された光学機能面との誤
差が許容範囲に納まるように、上記数値解析で得られた
値を基にした成形用型の成形面の補正を行ない、設計上
で設定された上記光学機能面の形状に適合する成形面を
決定している。
の熱応力の発生時期の温度履歴および/あるいはプレス
圧力の履歴が、その計算基礎に加えられてもよい。ま
た、上記成形面は、コンピュータ・シミュレーションに
よって、数次にわたって、上記数値解析で得られた値を
基にしてその補正値が決定されるとよい。また、上記成
形面は、上記数値解析で得られた値を基にして補正さ
れ、その補正成形面を有する成形用型を実際に用いて光
学素子成形品を成形し、その光学素子成形品の室温での
光学機能面と設計上で設定された上記光学機能面との誤
差が許容範囲に納まるまで、数次にわたって、繰返して
補正することにより、決定されてもよい。
を図示の実施例に基いて具体的に説明する。先ず、ここ
では、上記成形用型を用いての成形プロセスについて、
一通り、説明する。この成形プロセスでは、両側が凹形
のレンズ(例えば、直径:15mmφ、中心肉厚:0.
8mm、光学機能面の曲率半径:R=30mm)を球形
のガラスブランクから成形する場合が示されている。な
お、ここで使用するガラスブランクは重クラウンガラス
SK12のガラス素材1であり、例えば、予め、直径:
15mmφ、中心肉厚:1.2mm、光学機能面の曲率
半径:R=31mmの両面凹形をなした形に生成されて
いる。図1に示す成形型は、例えば、W−C合金で作ら
れていて、ケ−シング(図示せず)に収容されており、
上記ケ−シングは、例えば、1×10-2Torrに減圧
された後、窒素ガスを導入している。そして、上記成形
用型を構成する上の型部材2および下の型部材3が、こ
れらを囲む胴型4に設けたヒ−タ(図示せず)などによ
って620℃(ガラス粘度で109.7 ポアズ)近くまで
加熱される。上記型部材2および3が上記温度迄昇温さ
れた時、予め同じケ−シング内で予備加熱(例えば、6
20℃)しておいた上記ガラス素材1を吸着ハンド9な
どを使用して吸着し、上記胴型4に開口した出入り口か
ら下の型部材3の成形面3a上に載せる(図1(a)参
照)。なお、上記胴型4はベース5上に装備されてい
る。
記上の型部材2を下降し、プレス成形を行う。なお、上
記ガラス素材1は、上述のように、予め、620℃(ガ
ラス粘度で109.7 ポアズ)まで加熱しておいて、型部
材2および3の間に装填しても良いが、装填した後、そ
の温度まで加熱するようにしてもよい。そして、型部材
2の上縁に設けたストッパ部が上記胴型4の上面4aに
接するまで、上記型部材2の下降を続けるが、その間、
上記温度が維持され、ガラス素材の均熱化が図られる。
所要の時間が経過する過程で、上記型部材2および3の
各成形面2aおよび3aを、上記ガラス素材1の表面に
転写させ、かくして、上記ガラス素材1は所定の成形品
7に成形される(図1(b)参照)。なお、この際の加
圧荷重は320kgfであり、成形品7の厚さは、上記
ストッパ部が上記胴型4の上面4aに接するレベルで決
定される。
の型部材2および3に設けた冷却通路(図示せず)に、
例えば、窒素ガスなどを通して、冷却を行う。そして、
成形品(光学素子)7がガラス転移点温度以下、例えば
480℃になった時点(型圧は0)で、型開きし、上記
成形品を取出すのである(図1(c)参照)。なお、冷
却中に、成形用型内で成形品に不均一な温度分布を生じ
ないようにするため、その冷却速度を、例えば、毎分2
0℃としている。
において、成形用型とガラス素材との間の熱膨張係数の
相違による熱応力の発生状況を考察する。以下に掲げる
表1は上記ガラス素材の熱特性温度を示し、表2は成形
プロセスの冷却過程でのガラス素材と成形用型の機械的
性質を示している。
ラス素材と成形用型との10℃毎の熱膨張率の変化を示
している。ガラス素材の熱膨張率は、成形用型のそれに
比べると大きく、特に、高温域で顕著に変化することが
わかる。
るガラス素材の粘弾性特性は、ガラス粘度で1012〜1
015ポアズに相当する温度領域で顕著であり、これは、
成形温度(620℃)と離型温度(480℃)との間に
ある。一般に、粘弾性特性のある物質は、応力状態の解
析の上で、2つの特有な現象を伴うのであって、その1
つは粘弾性物質に一定力を負荷すると変形を持続するク
リープ現象であり、他の1つは応力を有する粘弾性物質
を一定温度で保持すると上記応力が減少していく応力緩
和現象である。
応力の発生につき、考慮すべき事柄は、上記クリープ現
象および応力緩和現象であると判断し、この点について
の検証を行なった。先ず、粘弾性の温度領域にあるガラ
ス試料を一定温度に保ったまま、3点曲げ状態で、一定
の負荷を加え続ける曲げ試験を行ない、試料の撓み量を
測定し、以下の式よりクリープ変形の容易性を示すクリ
ープ・コンプライアンスを求める。 DC (t,T)=4bd3 /l3 ×v(t)/WO なお、上の式で、DC (t,T)は温度T℃における、
負荷後t秒後のクリープ・コンプライアンス、bは試験
片の幅、dは試験片の長さ、lはスパン間距離、v
(t)は負荷後t秒後の荷重点における撓み、WOは荷
重である。
スについて、その各温度におけるクリープ・コンプライ
アンスが示されている。ここでは、粘弾性温度領域にお
けるガラスは、熱レオロジー的に単純な性質を有するの
で、各温度におけるクリープ・コンプライアンス曲線
を、左右に平行移動することにより、1本のクリープ・
コンプライアンス曲線(図4にマスターカーブで示され
る)にまとめることができる。
のマスター・カーブを得るには、各温度のクリープ・コ
ンプライアンス曲線を、或る時間分、平行移動して求め
ているが、この温度と時間との関係は、時間・温度シフ
トファクター(図6参照)で表わすことができる。ここ
に示すガラスの時間・温度シフトファクターは、2本の
直線(アレニュースの式)で近似でき、その交点の温度
は、ガラス転移点温度よりもやや低い温度である。
質における弾性係数に相当する緩和弾性係数は、応力緩
和現象の影響があるため、温度および時間の関数として
とりあげることが出来るが、ここで対象とするガラスが
熱レオロジー的な単純な性質を有するので、上述のクリ
ープ・コンプライアンスと同様なマスター・カーブ(一
般に、緩和弾性係数のマスターカーブは、図4のクリー
プ・コンプライアンスのマスターカーブの逆数で近似で
きる)を得ることができる(図5を参照)。
純な性質の粘弾性物質の場合、図5の緩和弾性係数のマ
スターカーブと、図6の時間・温度シフトファクターと
から、その或る温度T℃における緩和弾性係数Er
(t,T)を求めることにより、その応力σと歪εの関
係、すなわち、構成方程式を線形粘弾性理論での履歴積
分の式(以下に示す)によって表わすことができる。 すなわち、この構成方程式を用いて有限要素法により数
値解析すれば、粘弾性物質の応力緩和現象を考慮した熱
応力を計算により求めることができる。
ために、緩和弾性係数のマスターカーブと時間・温度シ
フトファクターの数式化が必要になる。時間・温度シフ
トファクターに関しては、上述のようにアレニュースの
式で近似する。また、緩和弾性係数のマスターカーブ
は、プロニー展開によって近似する。
のクリープ・コンプライアンスを測定し、緩和弾性係数
のマスター・カーブおよび時間・温度シフトファクター
を求めることができ、その結果、粘弾性物質の応力緩和
現象を数値解析でき、冷却中の光学素子に発生する熱応
力を粘弾性による応力緩和を考慮して解析できることに
なる。
の成形面の関する補正は、以下のようにしてなされる。
すなわち、図1(d)で概略的に示すようなプロセスに
従って、成形用型を用いて光学素子材料をプレス成形す
る際、予定された成形プロセスの冷却過程で、上記光学
素子材料の粘弾性温度領域および弾性温度領域において
成形用型内の光学素子成形品に発生する熱応力を、上記
光学素子材料の粘弾性特性に基いて数値解析し、上記成
形用型で成形した光学素子の室温での光学機能面と設計
上で設定された光学機能面との誤差が許容範囲に納まる
ように、上記数値解析で得られた値を基にした成形用型
の成形面の補正を行ない、設計上で設定された上記光学
機能面の形状に適合する成形面を決定するのである。
体的に説明する。なお、ここでの熱応力の数値解析に
は、その熱応力の発生時期の温度履歴および/あるいは
プレス圧力の履歴が、その計算基礎に加えられている。
先ず、光学素子成形品が加圧成形の温度(620℃)か
ら560℃まで冷却される間は、上記光学素子成形品は
粘性状態にあるものと考えると、この間に発生する熱応
力は、既に述べたように、瞬時に緩和されるので、上記
光学素子成形品内には応力が残らないと仮定することが
出来る。
500℃まで冷却されると、その間は、上記光学素子成
形品は粘弾性状態にあるものと考えると、この間に発生
する熱応力は、粘弾性による応力緩和現象を考慮して数
値解析できる。ここでは、上記数値解析を有限要素法を
用いて行なっている。すなわち、材料のクリープ試験か
ら得た図5の緩和弾性係数のマスター・カーブと、図6
の時間・温度シフトファクターとの値を、有限要素法構
造解析プログラムに組み込み、冷却中の光学素子成形品
内に発生する熱応力を粘弾性による応力緩和現象を考慮
して数値計算するのである。この場合、材料の粘弾性特
性、および、図12に示す熱膨張率の非線形性を考慮す
るために、この温度領域における熱応力の数値計算は6
0ステップに分けて行なわれた。
℃から室温まで冷却される間は、上記光学素子成形品は
弾性状態にあると考えると、この間に発生する応力は、
有限要素法で数値計算できる。すなわち、この実施例で
は、加圧成形から離型までの間、光学素子成形品の光学
機能面と成形用型の成形面とは、互いに密着状態にあっ
て、冷却されていると考えられるので、500℃から4
80℃までの冷却中に光学素子成形品内部で増加する熱
応力を数値計算する。そして、480℃で離型される
と、上記光学素子成形品は、成形用型部材による拘束を
解除され、残留熱応力で変形を起こす。この光学素子成
形品の形状変化を、上述の有限要素法による弾性計算で
解析し、更に、この光学素子成形品の室温までの冷却で
起こる形状変化を、同じく有限要素法で解析する。この
場合、図12に示す材料の熱膨張率の非線形性を考慮す
るために、この温度領域における熱応力の数値計算は4
0ステップに分けて行なわれた。なお、上記実施例で
は、成形用型内で冷却中の光学素子成形品、および、上
記型に、不均一な温度分布が無いものとして、熱応力が
計算されている。
が、図33ないし図37に示されている。図33のフロ
ーチャートは、数値計算の全体プロセスを総括的に示す
ものであり、ここにおいて、ステップS1では、先ず、
光学素子の光学機能面に関して、その目標とする理想形
状の数値データが、成形用型部材の成形面の初期設計値
として、取り込まれる。次に、ステップS2では、有限
要素法により、与えられた条件で、完成時に予想される
成形品の光学機能面の形状を計算する。このためには、
数値計算に必要な諸々のデータが予め揃えられていなけ
ればならない。従って、このステップS2では、別の測
定プロセスP1で、成形用型部材およびガラス素材のヤ
ング率、ポアソン比、熱膨張係数、比熱、熱伝導率、熱
伝達率などを測定し、データDAとして、計算メモリに
蓄積しておく。また、測定プロセスP2で、粘弾性領域
でのガラスのクリープコンプライアンスを測定し、更
に、プロセスP3で、クリープコンプライアンスのマス
ターカーブを求め、プロセスP4で、シフトファクター
を、また、プロセスP5で、緩和弾性係数のマスターカ
ーブを求め、その結果を、データDBとして、計算メモ
リに蓄積する。このほかに、条件として、前述のような
冷却温度、冷却中のプレス圧などを設定する。
での成形用型部材とガラス成形品との熱応力を計算し、
離型するまでの弾性領域での成形用型部材とガラス成形
品との熱応力を計算し、また、離型によるガラス成形品
の変形量(スプリング・バック)を計算する。更に、室
温まで冷却した場合のガラス成形品の形状に関する数値
を計算する。その最終値は、ステップS3で、後述する
ように、最初の設計形状の値と比較され、そのクセ量が
求められる。そして、ステップS4で、ガラス成形品の
光学機能面の形状の計算値が、設計公差の範囲にあるか
否かの判断がなされ、公差内になければ、ステップS5
で、成形用型部材の初期の形状の数値データを補正し、
再度、ステップS2にフィードバックするが、公差範囲
にあれば、これを成形用型部材の成形面の形状に関する
設計値として、ステップS6で取り上げ、NC制御の研
削加工機、成形面の研磨加工機のデータとして採用する
のである。
的フローが、図34および図35に示されている。即
ち、図34のステップS101では、室温での成形用型
部材の形状に関するデータが入力され、ステップS10
2で、560℃での成形用型部材の形状が計算される
(ここでは、上述のデータDAのヤング率、ポアソン
比、熱膨張係数から、有限要素法により、型の熱膨張に
よる変形を、弾性熱応力解析で求める)。次に、ステッ
プS103で、560℃の成形用型部材にガラス成形品
が入った状態での成形品の形状を入力する(ここでは、
成形用型部材およびガラス成形品は、両方とも、無応力
である)。
の温度降下量(1℃)を決定するのである(温度降下量
ΔT=(560−500)/60=1)。次に、ステッ
プS105では、成形用型部材の温度T0 (制御点)
を、1ステップ分、降下する。即ち、T0 =T0 −ΔT
を実行する(初期値は560℃)。次に、ステップS1
06で、データDAの比熱、熱伝導率、熱伝達率、およ
び、冷却速度から、1ステップ温度降下した時の成形用
型部材とガラス成形品の温度分布を計算する(ここで
は、有限要素法で、熱解析を実行し、温度分布T(r,Z)
を計算する。なお、初期値T(r,Z) =560℃)。次の
ステップS107では、データDA、DBのヤング率、
ポアソン比、熱膨張係数、粘弾性特性(緩和弾性係数、
シフトファクター)、および、冷却速度、冷却中のプレ
ス圧の条件から、1ステップの温度降下による温度分布
で発生する熱応力の増分Δσを求め、そして、その時の
応力分布σ(r,Z) を求める(ここでは、有限要素法で、
粘弾性熱応力解析を行ない、Δσ(r,Z) を求め、応力分
布をσ(r,Z) =σ(r,Z) +Δσ(r,Z) で計算する。な
お、初期値σ(r,Z) =0)。なお、上述のT(r,Z) およ
びσ(r,Z) の各rおよびZは、ガラス成形品の半径方
向、成形用型部材のプレス方向の応力座標系を示してい
る。そして、次のステップS108では、T0 =500
℃になったか否かを判定し、これが成立するまで、ステ
ップS104へのフィードバックが持続されるのであ
る。このようにして、560℃〜500℃の粘弾性領域
の応力分布を温度降下ステップ毎に求め、最終的には、
ステップS109で、500℃における応力分布の値、
σ(r,Z) を得ることができる。
では、前述のステップS104〜S108と同様に、ス
テップS201〜S205において、500℃〜480
℃(離型温度)の弾性領域の応力分布を温度降下ステッ
プ毎に求めるのである(これは、図面を参照すること
で、十分理解できるので、このフローの詳細な説明は省
略する)。次に、ステップS206で、離型後のガラス
成形品の形状に関する数値計算を実行する(実際の成形
では、480℃で離型し、成形用型部材によるガラス成
形品に対する拘束が解除されるので、その条件で、有限
要素法により弾性解析がなされる。すなわち、残留熱応
力のポテンシャル・エネルギーが最も小さくなる形状へ
の弾性変形(スプリング・バック現象)が起こるので、
その計算を行なう)。
と同様に、ステップS207〜S211において、48
0℃(離型温度)〜20℃(室温)の弾性領域の応力分
布を温度降下ステップ毎に求めるのである(これは、図
面を参照することで、十分理解できるので、このフロー
の詳細な説明は省略する)。その結果、最終的に、室温
での成形品の光学機能面の形状が、上述のシュミレーシ
ョンで、正確に得られることになる(ステップS21
2)。
いて、成形用型の成形面の形成を行なった場合、上述の
ステップS3およびS4において、その成形用型で成形
された光学素子の光学機能面の状況を検証するには、フ
ィゾー式のレーザ干渉計を用いて、干渉縞を写出す写真
の場合のように、画像化によって可視的に検証するのが
有効である。
3およびS4における具体的な処理プロセスがそれぞれ
示されている。図36において、ステップS301で
は、前述のステップS212で得られた室温でのガラス
成形品の光学機能面の形状(ガラスの粘弾性を考慮した
熱応力解析から得れられた座標値Z(r))を、最初に
与えられた設計値ZS (r)と比較し、そのズレ量ΔZ
(r)=Z(r)−ZS(r)を求める。そして、ステ
ップS302で、上記ズレ量をニュートン縞の干渉縞で
表示する(ここでは、ΔZ(r)=(λ/2)nの時、
黒、ΔZ(r)≠(λ/2)nの時、白とする。なお、
λ=632.8nm)。その結果は、ステップS303
で、モニタ上の目視によって干渉縞の形がみやすいかが
判定され、判定が良ければ、このルーチンを抜けるが、
判定が悪ければ、ステップS304で、設計上の光学機
能面とガラス成形品の光学機能面とのチルト角を変える
ことにより、干渉縞の形を変える。そして、チルトした
状態での設計値からのズレ量、ΔZt (r)=Z(r)
−ZtS(r)をステップS305で計算し、再び、ステ
ップS301に戻る。このように、モニタに干渉縞の形
で、ガラス成形品のクセ(設計値からのズレ)を表現す
るので、クセ量が、設計公差内かどうかの判断が、容易
になる。
では、ガラス成形品の光学機能面の設定値と初期設計値
とを比較し、そのズレ量ΔZ(r)を求め、ステップS
402で、成形用型部材の成形面の初期設計値(補正
が、2回目以降の場合には、前回補正結果の値)に、補
正値として加算する(Zk (r)=Zk (r)+ΔZ
(r))。かくして、成形用型部材の理想的な設計値が
求められるのである。
用型の補正を行なわない場合の光学機能面の干渉縞の画
像化の具体例を示している。ここで示す画像は、He−
Neレーザを用いた場合の干渉縞に相当しているから、
干渉縞1本は、0.3164μmの球面からのずれに相
当する。今回の計算結果(判定で不可)は、光学素子成
形品がニュートン3本(所望の球面形状から約1μmの
ずれ)のクセを持っていることを示しており、このよう
な光学機能面の精度では、上記光学素子をフォーカル・
プレーン・シャッター・カメラ(一眼レフ・カメラ)の
レンズなどの高精度光学部品には使用できない。
用いて、光学素子を成形し、その光学機能面をレーザ干
渉計で、写真に示した干渉縞が示されている。その結果
は、図8の画像化干渉縞に相似し、ニュートン3本のク
セを持っていることが理解できる。換言すれば、上記数
値解析に基く光学機能面の形状は、現実に則していて、
実際の光学機能面の予測性が高いことを示している。
との形状が一致している点を基本として、上記数値解析
を、成形用型の成形面の補正に適用できることが確認さ
れたので、以下に、このような数値解析により補正を実
施した場合の成形用型による光学素子成形品の光学機能
面の成形結果を予測することにする。
形面の形状を、上記数値解析に基いて補正する。この時
の補正量は、前回計算した補正をしていない成形用型を
用いて成形した場合の成形品の光学機能面の形状と、理
想とする所望の光学機能面の形状との差で示す。このよ
うにして、成形面の形状の補正を行なった成形用型を用
いて、前回の場合と同様に、粘弾性特性を考慮しつつ、
冷却過程で光学素子成形品内部に発生する熱応力を数値
解析し、室温における光学素子成形品の光学機能面の形
状を求め、その結果、第1回目(第1次)の補正を行な
った成形用型により成形した光学素子は、ニュートン1
本のクセを持っていることが解った。
成形面の形状を、上記第1回目の補正に基く補正成形用
型で成形した光学素子成形品の光学機能面に対して行な
った数値解析に基いて補正する。すなわち、この時の補
正量は、第1回目の補正で補正された補正用型で成形さ
れた光学素子成形品の光学機能面と理想の光学機能面と
の形状差で示す。このような成形用型の補正を繰返した
結果、第4回目の補正を加えた成形用型で成形した光学
素子成形品の光学機能面は、図10に示すように、クセ
がニュートン0.1本以下であり、良好な高精度光学機
能面であることが計算結果で示された。
素子は、球面の光学機能面を有し、その成形用型は、非
球面形状に補正されており、その最大デビエーション
(球面形状と非球面形状との偏差)は約0.8μmにな
った。
用型の成形面は、コンピュータ・シミュレーションによ
って、上記数値解析で得られた補正値に従って補正した
成形面(仮想成形面)を有する成形用型(仮想成形用
型)で成形した光学素子の室温での光学機能面(仮想光
学機能面)を計算して、これと上述の設定光学機能面と
の誤差が許容範囲に納まるまで、数次(1次ないし複数
次)にわたって、数値解析およびこれに基く成形面の補
正を繰返して最終的に決定される。その結果、理想とす
る所望の光学機能面に高精度に相似する光学素子を得る
ことができ、その成形用型を製造することもできる。
での光学素子成形品の粘弾性特性などに基く熱応力の数
値解析と、これに基く実際の成形用型の成形面の補正と
を数次にわたって繰返す形で、なされてもよい。
素子成形品の内部とに温度差が無い場合を想定して検証
しているが、実際には、離型に際して、成形品が上型部
材の成形面に付着されて、下型部材の成形面から離れる
のを防止するために、上下の型部材の温度管理に若干の
温度差を与えている。そこで、このように、成形用型の
上下型部材に温度差を与えて、成形を行なった場合につ
いても、一通りの検証を行なうことにする。
ように、両側凹面のレンズであり、直径:15mmφ、
中心肉厚:1.7mm、光学機能面の曲率半径:R=3
0mm(両面とも)である。なお、光学素子の材料、成
形用型の材質は、先の実施例と同様である。成形材料と
してのブランクは、上記光学素子の形状に近似した形状
(直径:15mmφ、中心肉厚:1.8mm、光学機能
面の曲率半径:R=31mm)に予備成形されている。
そして、先ず、これを上下型部材間に装填し、上型部材
を605℃に、下型部材を630℃に加熱し、その後、
上型部材に320kgfのプレス圧力を加え、その成形
品の中心肉厚が1.7mmになるまで、加圧を持続す
る。このようにして、光学素子を成形した後、加圧を終
了し、冷却工程に入る。この冷却工程では、上下型部材
には25℃の温度差を保ち、最終的に、上型部材を45
5℃に、また、下型部材480℃に達した時、成形品を
離型し、取出して、室温まで冷却する。なお、この時の
冷却速度は、上下の型部材共に毎分20℃にしている。
子の光学機能面の形状を、上述の実施例の場合と同様
に、その光学素子の材料の粘弾性特性を考慮した数値解
析により求める。なお、この場合、成形品の内部温度分
布を考慮して数値解析する必要がある。
形状の補正をしていない場合の成形用型を用いて光学素
子を成形した場合(コンピュータ・シミュレーショ
ン)、その上側の光学機能面の形状(画像)を図15
に、また、下側の光学機能面の形状(画像)を図16に
示す。今回は、成形用型の上下の成形面における曲率半
径は同じであるが、冷却過程での上下成形面の温度には
一定の差を与えているから、その光学素子の各上下光学
機能面には差があり、クセのニュートン本数は、上面に
ついては中落ち3本、下面については中高5本であっ
た。評価として、このようなクセのある光学素子を高精
度光学機器に使用することは出来ない。
学機能面に対応する成形面の形状を補正しない成形用型
を用いて、実際に成形し、その干渉縞を示したものが、
図17(上型)および図18(下型)である。結果は、
上述の画像と同じクセを持っていることが明かとなっ
た。すなわち、成形素材内部に温度勾配のある温度分布
を想定している場合でも、光学素子の形状を精度よく予
測できることが確認された。
補正を加えた成形用型で成形した光学素子の光学機能面
の形状を計算した結果は、図19(上型)および図20
(下型)に示す干渉縞を持つことが、シミュレーション
で得られた。この時の光学素子成形品のクセはニュート
ン0.2本以下であり、良好な高精度光学機能面が得ら
れる。
用型を実際に作成し、その成形用型で成形した光学素子
の光学機能面を測定した結果は、図21(上型)および
図22(下型)に示す干渉縞を持つことが確認された。
この成形品のクセはニュートン0.2本以下であり、良
好な高精度光学機能面が得られる。なお、今回の補正成
形用型で成形した光学素子は、球面の光学機能面を有
し、その成形用型は、非球面形状に補正されており、そ
の最大デビエーション(球面形状と非球面形状との偏
差)は上型部材で約1μm、下型部材で約2μmになっ
た。
要求される高精度光学機能面を持つ非球面レンズを、本
発明の成形用型で製造する場合について説明する。ここ
では図23に示すような両面が非球面形状の凹メニスカ
スレンズについて検討する。設計上のレンズ仕様は、直
径:16mmφ、中心肉厚:1.0mm、凸面はR=5
1mm、最大デビエーション:12μmの非球面、凹面
はR=9mm、最大デビエーション:8μmの非球面で
ある。光学素子の材料は、最初の実施例と同様であり、
特に、本実施例では、成形用型と成形品との離型時の分
離を良くするために、光学素子材料の表面にCH膜をコ
ーティングしている。また、成形用型の材料は前述と同
じであるが、成形面の耐久性を向上するため、TiN膜
をコーティングしている。上記光学素子材料には、予
め、光学素子の形状に近似した形状(直径:16mm
φ、R=48mmおよびR=10mmの凹メニスカスレ
ンズ形状)に成形されたブランクを用いる。
入れ、先の実施例のように、上下の型部材に所定の温度
差を与えながら、加圧成形し、次いで冷却する。この場
合、成形品がガラス転移点温度より高い温度で成形用型
から離型されると、ガラスが粘性変形するので、光学機
能面の形状が悪化するから、これを防止するため、下型
部材の温度が600℃から480℃まで冷却される間、
上記成形品には210kgfの第2のプレス圧力を加え
ている。そして、上型部材が455℃、下型部材が48
0℃に達した時、上記成形品を型から取出し、室温まで
冷却する。この冷却過程の冷却速度は、毎分20℃であ
る。
は、内部に残留応力が存在し、光学的歪を残し、複屈折
を引き起す。また、ガラス転移点温度以上に加熱した光
学材料を毎分20℃で冷却したため、その屈折率が変化
している。従って、この成形品は、これを高精度光学部
品として用いるために、上記光学的歪の除去、屈折率の
調整のため、光学アニールをする必要がある。本実施例
では、温度条件を490℃として、17時間のアニール
を行ない、その間に毎時5℃の温度降下を行ない、43
0℃まで冷却した。
れた光学素子成形品の形状を、上述の実施例の場合と同
様に、数値解析により求める。なお、アニール温度は、
成形品の材料の粘弾性温度領域にあるから、その間の残
留応力は緩和されてしまう。そこで、本実施例では、ア
ニール中の残留応力の緩和を考慮して、アニール後の、
室温までの冷却過程での光学機能面の形状を計算するこ
とにした。
面の形状の補正をしていない成形用型を用いて、光学素
子成形品を形成した場合を想定し、これにアニール処理
を加えた条件の後、室温における上面の光学機能面を図
25に、また、下面の光学機能面を図26に示す。ま
た、この条件で、実際に成形用型を用いて成形した場合
を、それぞれ、図27および図28に示す。そして、コ
ンピュータ・シュミレーションの結果と、実際の成果と
を比較してみると、光学アニール後の光学機能面の形状
を精度良く予測できることが確認できた。このことか
ら、先の実施例の場合と同様に、成形用型の成形面につ
いて、数次の補正を行なうことで、この補正された成形
用型により成形された光学素子成形品の光学機能面は、
高精度であることが予想される。
成形用型で光学素子を成形したとして数値解析した結
果、その光学機能面は、図29(上面)および図30
(下面)に示すような干渉縞を持っている。この際の成
形品のクセはニュートン0.2本以下であり、良好な高
精度光学機能面であることを示している。また、実際
に、第5回目の補正を加えた成形用型を用いて成形した
光学素子成形品の光学機能面の干渉縞を、図31(上
面)および図32(下面)に示す。この際の成形品のク
セはニュートン0.2本以下であり、良好な高精度光学
機能面であることを示している。
面レンズを成形する場合に、冷却過程で成形品に、これ
を高温状態で離型するのを防止するための第2のプレス
圧力を加え、成形後、光学アニールをした場合でも、本
発明による光学機能面の補正を行なうことに、何ら支障
がないという結論を得た。
め、光学機能面形状に対応する成形面を補正した成形用
型を用いて光学素子を成形することで、従来から成形に
より所望の精度で光学機能面を転写することが困難であ
るとされた形状のレンズ、例えば、非球面凹レンズなど
でも、成形で高精度に製造することができ、製造上のコ
ストダウンを図ることができる。
いし(c)で示し、その時の成形用型の成形面の形状補
正の処理フローを(d)で示す概略説明図である。
ある。
である。
である。
である。
である。
明図である。
成形用型での成形品の面精度を示す干渉縞の図である。
に成形した成形品の面精度を示す干渉縞の図である。
成形用型での成形品の面精度を示す干渉縞の図である。
に成形した成形品の面精度を示す干渉縞の図である。
張率の差を説明する図である。
ある。
説明図である。
い成形用型での成形品の上側光学機能面の面精度を示す
干渉縞の図である。
い成形用型での成形品の下側光学機能面の面精度を示す
干渉縞の図である。
際に成形した成形品の上側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
際に成形した成形品の下側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
成形用型での成形品の上側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
成形用型での成形品の下側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
に成形した成形品の上側光学機能面の面精度を示す干渉
縞の図である。
に成形した成形品の下側光学機能面の面精度を示す干渉
縞の図である。
ある。
説明図である。
い成形用型での成形品の上側光学機能面の面精度を示す
干渉縞の図である。
い成形用型での成形品の下側光学機能面の面精度を示す
干渉縞の図である。
際に成形した成形品の上側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
際に成形した成形品の下側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
成形用型での成形品の上側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
成形用型での成形品の下側光学機能面の面精度を示す干
渉縞の図である。
に成形した成形品の上側光学機能面の面精度を示す干渉
縞の図である。
に成形した成形品の下側光学機能面の面精度を示す干渉
縞の図である。
なプロセスを総括的に示すフローチャートである。
ートである。
ートである。
ートである。
ートである。
Claims (10)
- 【請求項1】 成形用型を用いて光学素子材料をプレス
成形する際、予定された成形プロセスの冷却過程で、上
記光学素子材料の粘弾性温度領域および弾性温度領域に
おいて成形用型内の光学素子成形品に発生する熱応力
を、上記光学素子材料の粘弾性特性に基いて数値解析
し、上記成形用型で成形した光学素子の室温での光学機
能面と設計上で設定された光学機能面との誤差が許容範
囲に納まるように、上記数値解析で得られた値を基にし
た成形用型の成形面の補正を行ない、設計上で設定され
た上記光学機能面の形状に適合する成形面を決定したこ
とを特徴とする光学素子の成形用型。 - 【請求項2】 上記熱応力の数値解析には、その熱応力
の発生時期の温度履歴および/あるいはプレス圧力の履
歴が、その計算基礎に加えられることを特徴とする請求
項1に記載の光学素子の成形用型。 - 【請求項3】 上記成形面は、コンピュータ・シミュレ
ーションによって、数次にわたって、上記数値解析で得
られた値を基にしてその補正値が決定されることを特徴
とする請求項1に記載の光学素子の成形用型。 - 【請求項4】 上記成形面は、上記数値解析で得られた
値を基にして補正され、その補正成形面を有する成形用
型を実際に用いて光学素子成形品を成形し、その光学素
子成形品の室温での光学機能面と設計上で設定された上
記光学機能面との誤差が許容範囲に納まるまで、数次に
わたって、繰返して補正することにより、決定されるこ
とを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形用型。 - 【請求項5】 成形用型を用いて光学素子材料をプレス
成形する際、予定された成形プロセスの冷却過程で、上
記光学素子材料の粘弾性温度領域および弾性温度領域に
おいて成形用型内の光学素子成形品に発生する熱応力
を、上記光学素子材料の粘弾性特性に基いて数値解析
し、型取り出し時に、上記熱応力により生じるスプリン
グ・バック量を推定し、その結果、上記成形用型で成形
した光学素子の室温での光学機能面と設計上で設定され
た光学機能面との誤差が許容範囲に納まるように、上記
数値解析で得られた値を基にした成形用型の成形面の補
正を行ない、設計上で設定された上記光学機能面の形状
に適合する成形面を決定したことを特徴とする、光学素
子の成形用型の製造方法。 - 【請求項6】 上記熱応力の数値解析には、その熱応力
の発生時期の温度履歴および/あるいはプレス圧力の履
歴が、その計算基礎に加えられることを特徴とする請求
項5に記載の、光学素子の成形用型の製造方法。 - 【請求項7】 上記成形面は、コンピュータ・シミュレ
ーションによって、数次にわたって、上記数値解析で得
られた値を基にしてその補正値が決定されることを特徴
とする請求項5に記載の、光学素子の成形用型の製造方
法。 - 【請求項8】 上記成形面は、上記数値解析で得られた
値を基にして補正され、その補正成形面を有する成形用
型を実際に用いて光学素子成形品を成形し、その光学素
子成形品の室温での光学機能面と設計上で設定された上
記光学機能面との誤差が許容範囲に納まるまで、数次に
わたって、繰返して補正することにより、決定されるこ
とを特徴とする請求項5に記載の、光学素子の成形用型
の製造方法。 - 【請求項9】 上記冷却過程における光学素子成形品の
アニール工程の温度特性を上記数値解析に取り込んでい
ることを特徴とする請求項5に記載の光学素子の成形用
型の製造方法。 - 【請求項10】 成形用型を用いて光学素子材料をプレ
ス成形する際、予定された成形プロセスの冷却過程で、
上記光学素子材料の粘弾性温度領域および弾性温度領域
において成形用型内の光学素子成形品に発生する熱応力
を、上記光学素子材料の粘弾性特性に基いて数値解析
し、上記成形用型で成形した光学素子の室温での光学機
能面と設計上で設定された光学機能面との誤差が許容範
囲に納まるように、上記数値解析で得られた値を基にし
た成形用型の成形面の補正を行ない、設計上で設定され
た上記光学機能面の形状に適合する成形面を決定し、そ
の成形面を有する成形用型で、上記成形プロセスに従い
成形されたことを特徴とする光学素子。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12208193A JP2965111B2 (ja) | 1992-06-02 | 1993-04-27 | 光学素子の成形用型およびその製造方法 |
US08/069,381 US5435818A (en) | 1992-06-02 | 1993-06-01 | Mold for optical element and a method of molding optical element |
US08/373,439 US5604549A (en) | 1992-06-02 | 1995-01-17 | Press-molded optical element |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-165532 | 1992-06-02 | ||
JP16553292 | 1992-06-02 | ||
JP12208193A JP2965111B2 (ja) | 1992-06-02 | 1993-04-27 | 光学素子の成形用型およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0648750A JPH0648750A (ja) | 1994-02-22 |
JP2965111B2 true JP2965111B2 (ja) | 1999-10-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12208193A Expired - Fee Related JP2965111B2 (ja) | 1992-06-02 | 1993-04-27 | 光学素子の成形用型およびその製造方法 |
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JP4692500B2 (ja) * | 2007-03-07 | 2011-06-01 | 旭硝子株式会社 | 光学ガラス素子の製造方法及びガラス成形品の屈折率の微調整方法 |
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1993
- 1993-04-27 JP JP12208193A patent/JP2965111B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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