JP4850052B2 - 光学デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子と枠部材とが一体的に結合された枠付き光学素子等の光学デバイスの製造方法に関する。
従来から、成形手段により成形された後の光学素子に対しアニール処理を実施したり、又はアニール処理を実施せずに、光学素子の内部応力又は屈折率分布を見込んで成形する技術が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、ガラス素材を一対の成形型と同時又は個別に加熱軟化して変形可能にし、成形型内で押圧して光学素子を得る場合に、ガラス素材を押圧して変形させた後、成形型の外周又は中心から輪帯状に均等に冷却しつつ押圧成形する技術が開示されている。
また、特許文献2には、成形用金型による成形条件を設定し、次に、成形品を離型後に所定の速度で冷却する冷却条件を設定し、その後、成形品の屈折率分布を測定し、その測定値から結像位置ずれが相殺するように形状誤差を算出し、その形状誤差を低減するように成形用金型を修正加工する旨が開示されている。
更に、特許文献3には、成形により得られた成形品の屈折率分布の不均一性のデータを予め取得し、その不均一性のデータに基づいて、その不均一性に起因する収差が補正されるように、成形用金型を修正する旨が開示されている。
特開2002−193627号公報 特開2004−223928号公報 特開2005−283783号公報
しかしながら、従来技術では、主として光学素子単体を補正形状通りに成形するという概念しか明示されていない。これに対し、光学素子と枠部材とを一体的に結合した枠付きの光学素子においては、その光学的機能において光学素子単体とは異なる特別な課題が発生する。
これは、枠付きの成形光学素子では、成形条件によって内部応力又は屈折率分布の変動が大きいこと、シミュレーションによる屈折率分布を正確に予測するのが困難であること、枠部材を含むことで屈折率分布の測定が困難であること、更に、アニール処理を実施しても屈折率分布を完全に除去することは困難であること、等のためである。
例えば、光学素子と枠部材とを一体的に結合した枠付き光学素子にあっては、枠部材から光学素子に複雑な応力が作用する。このため、光学素子部分には、光学素子単体とは異なる屈折率分布等の内部応力が発生し、光学的機能が設計値と乖離する場合が生じる。
しかも、枠付き光学素子は、枠部材と光学素子との熱膨張率の差により、特に光学素子の外周部付近の屈折率変化は予測することが難しくかつ変化が大きい。
ところで、屈折率分布の測定には、例えば枠付き光学素子を液体に浸して屈折率分布を調べる液浸法、光学素子と枠部材を分離して測定する破壊法による測定、非破壊での透過波面測定法等が挙げられる。しかし、液浸法では枠部材の影響で測定が困難であり、破壊法では応力の解放による誤差が大きく正確な測定が困難である。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、一度枠付き光学素子の成形を行った後に光学的機能の測定を行い、その測定値が設計値に合致するように成形条件又は成形型を修正し、再度枠付き光学素子の成形を行うようにした光学デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学デバイスの製造方法の発明は、
ガラスからなる光学素子と、該光学素子とは熱膨張率が異なる枠部材とが一体的に結合された枠付き光学素子を成形する第1成形工程と、
前記第1成形工程後、前記枠付き光学素子にアニール処理を施す第1アニール工程と、
前記第1アニール工程後、前記枠付き光学素子の光学的機能を測定する測定工程と、
前記測定工程後、再度枠付き光学素子を成形する第2成形工程と、
前記第2成形工程後、前記枠付き光学素子にアニール処理を施す第2アニール工程と、を備え、
前記第2成形工程および前記第2アニール工程のうちの少なくとも一方は、前記測定工程における測定値が設計時に予測した光学的機能と乖離している場合に、その誤差を小さくするように補正されて行われる
また、前記光学デバイスの製造方法において、
前記誤差の補正は、前記枠付き光学素子を成形する成形型の成形面の形状を修正すること、成形温度を変更すること、成形圧力を変更すること、及びアニール温度を変更することのうちの少なくとも1つを行うことによって、前記光学機能面の形状、屈折率分布、及び屈折率の絶対値のうちの少なくとも1つを変化させて行われるようにしてもよい。
また、前記光学デバイスの製造方法において、
前記光学的機能の測定は、前記枠付き光学素子の光学素子単体の表面形状変化及び内部屈折率分布を対象として行われるようにしてもよい
また、前記光学デバイスの製造方法において、
前記誤差の測定は、透過波面測定光学系を用いて非破壊で行われるようにしてもよい
また、前記光学デバイスの製造方法において、
前記誤差の測定は、前記枠付き光学素子の枠部材を装置本体への取り付け基準面として、該取り付け基準面と前記枠付き光学素子の光学機能面との位置変化を考慮して行われるようにしてもよい。
本発明によれば、一度枠付き光学素子の成形を行った後に光学的機能の測定を行い、その測定値が設計値に合致するように成形条件又は成形型を修正し、再度枠付き光学素子の成形を行うようにしたので、光学系の収差を調整できて高精度な光学デバイスを得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態における光学デバイスの製造装置の全体構成を示す図である。
この製造装置10は、ガラスやプラスチック等の熱可塑性素材12を加熱変形させて、光学素子14と枠部材16とを一体的に結合した光学デバイスとしての枠付き光学素子18を成形する成形手段としての成形装置20と、この成形された枠付き光学素子18の光学的機能が、設計時に予測した光学的機能と乖離している場合に、その誤差を測定する測定手段としての透過波面測定装置22と、を備えている。
また、この製造装置10は、成形された枠付き光学素子18の光学的機能と、設計時に予測した光学的機能と、の誤差を小さくするように補正する補正手段としての、アニール処理装置(図示せず)又は成形型の修正装置(図示せず)を有している。なお、これらアニール処理装置や成形型の修正装置は一般的なものであり、ここでは図示しない。
成形装置20は、型セット30が搬入される成形室23を有している。この型セット30は、図2に示すように、対向配置された上型24と下型26、及びこれらを嵌挿する円筒状のスリーブ28を有している。
上型24及び下型26は、スリーブ28の両端側から、夫々の成形面24aと成形面26aが対向するように嵌挿され、上型24はスリーブ28の軸方向に摺動自在とされている。上型24の成形面24aと下型26の成形面26aとの間には、熱可塑性素材12としてガラスのボールプリフォームが配置されている。
本実施の形態では、上型24及び下型26の材質は超硬合金が用いられ、スリーブ28の材質は窒化珪素が用いられている。また、下型26の外径とスリーブ28の内径は成形温度で軽いしまり嵌めになるような寸法に加工されている。
成形室23には、この型セット30を上下方向から挟持する上ヒータプレート32及び下ヒータプレート34と、この上ヒータプレート32を押圧するエアシリンダ36と、で構成される5つのステージA〜Eが配置されている。なお、上・下ヒータプレート32、34はプレスヘッドを兼ねている。
これらのステージA〜Eは、型セット30の工程順に配置された昇温ステージA、昇温/押圧ステージB、押圧ステージC、冷却ステージD、冷却ステージEを有している。型セット30は、図1の投入口側から成形室23内に投入され、工程順に配置されたステージA〜Eを経て、取り出し口から取り出される。熱可塑性素材12と枠部材16は、これらの工程を経て、枠付き光学素子18に成形される。
図3は、成形完了後の型セット30の状態を示している。このとき、上型24は所定位置まで下型26に接近移動して熱可塑性素材12が変形し、熱可塑性素材12と枠部材16とが一体的に結合する。図4は、型セット30を用いて成形された枠付き光学素子18の断面正面図である。
図5は、各ステージA〜Eにおける型セット30の加熱温度と、エアシリンダ36による押圧力との関係を示している。
すなわち、型セット30が成形室23に投入され、続いて、型セット30は順に各ステージA〜Eに移動して、それぞれのステージにおいて昇温〜押圧されて成形が行われる。
ステージAは、昇温工程である。この工程では、温度が略423℃〜570℃にまで昇温され、また、押圧力は略10kg/cm2である。この状態では、熱可塑性素材12は上下ヒータプレート32、34間に挟持されて保持された状態である。このとき、熱可塑性素材12は十分には軟化しておらず、ほとんど変形しない。
ステージBは、昇温/押圧工程である。この工程では、温度が略570℃〜600℃に昇温され、また、押圧力は、略20kg/cm2である。この状態では、熱可塑性素材12はやや軟化しており、変形が開始される。
ステージCは、押圧工程である。この工程では、温度が略600℃付近に保持され、また、押圧力は、略50kg/cm2である。この状態では、熱可塑性素材12は変形可能に軟化しており、かつ十分な押圧力が付与されて変形する。
ステージDは、冷却工程である。この工程では、温度が略600℃〜391℃に冷却され、また、押圧力は、略30kg/cm2である。このとき、熱可塑性素材12には所定の押圧力が付与された状態で冷却が開始される。
ステージEは、冷却工程である。この工程では、温度が略391℃〜200℃に冷却され、また、押圧力は、略5kg/cm2である。このとき、熱可塑性素材12への押圧力はほとんどなくなっている。
このようにして、型セット30が成形室23から搬出される。この型セット30を分解すると、図4に示したような枠付き光学素子18が得られる。
成形された枠付き光学素子18は、後述する透過波面測定光学系としての透過波面測定装置22により光学機能面の形状、屈折率分布、屈折率の絶対値等の光学的機能が測定される。そして、この光学的機能の測定値が、設計時に予測した光学的機能と乖離している場合は、その誤差を測定する。
次に、その誤差を小さくするように成形条件又は成形型の形状を修正する。更に、その成形条件又は成形型の形状を修正した後の内容で、再度枠付き光学素子18を成形するものである。
図6は、透過波面測定装置22の外観を示す図である。
この透過波面測定装置22は、例えばフィゾー干渉計38と表示装置40とを有する。フィゾー干渉計38は、ミラー42と参照レンズ44を有し、光源としてレーザ光を利用している。そして、光源から出射された平面波を、枠付き光学素子18(被検レンズ)に入射させ、枠付き光学素子18を透過した光束をミラー42で折り返すことにより、枠付き光学素子18の透過波面収差や屈折率を高精度で測定することができる。
図7(a)(b)は、屈折率分布のないガラスにて、単波長で一点に集光する理想的な非球面凸レンズ46と、比較のために、両面が平面のガラス板47との二つを示している。この場合は、勿論枠部材から非球面凸レンズ46やガラス板47に複雑な応力が作用するようなことはない。
これに対し、図8(a)に示すように、光学素子14’と枠部材16’とが一体的に結合された枠付き光学素子18’について考えてみる。この場合、枠付き光学素子18’は、光学素子14’として凸レンズが用いられている。また、この凸レンズに屈折率分布が存在して、外周側の屈折率が高くなった場合には、外側の光線が矢印のように光軸中心側に曲がり、手前の点O’に結像したり、逆に中央付近の光線は外側に開いて点O”に結像してしまう。わかりやすい例として、図8(b)に、平面のガラス板47'に同様の屈折率分布を付けた場合の光線の変化を併せて示す。
図9は、この枠付き光学素子18’の屈折率分布のイメージを示した図である。
同図で明らかなように、屈折率は光軸中心とその周囲部では低く、外周部に至るに従い高くなっている。このように、光学素子14’の外周部に至るに従い屈折率が高くなっているのは、枠部材16’と光学素子14’の熱膨張率の差等に起因して、光学素子14’の内部応力や屈折率分布が複雑に変動するためと考えられる。
例えば、ガラス素材においては、成形時の冷却工程で急激に冷却すると屈折率は低くなり、反対に、ゆっくり冷却すると屈折率は高くなる性質を有している。
また、図10は、光学素子14”と枠部材16”とを一体的に結合した枠付き光学素子18”を示している。
この枠付き光学素子18”は、光学素子14”として凹レンズが用いられている。そして、この凹レンズには、例えば図10(a)のような屈折率分布が存在している。また、図10(b)は、屈折率分布のないガラス50により得られる光線状態を示している。両者を比較すると、枠付き光学素子18”の凹レンズの中央部付近は内側に光線が曲がり、かつ最外周部付近の光線が外側に曲がってしまっている。
本実施形態では、このような実情から、理想の光学機能(設計値通りの光学機能)が得られるように、誤差を小さくするように補正するものである。その補正方法としては、例えば、金型形状を補正して光学機能面の形状を変更する方法と、成形温度や冷却速度等の成形条件を変更する方法とがある。
本実施形態では、例えば成形条件を変更する場合には、設定された成形条件に対して大幅な変更を行わないこととした。これは、予め定められた成形プロセスの内容を、大幅に変更するのは好ましくないためである。
例えば、成形温度の変更幅は、熱可塑性素材12としてのガラスの屈伏点をAt、ガラス転移点をTgとした場合に、(At−Tg)×0.1℃の範囲内で変更する。また、ガラスの固化時の温度は Tg±30℃とする。さらに、押圧力の変更は、設計上の押圧力の10%の範囲内で変化させる。
図11は、本実施形態における光学デバイスの製造方法のフローチャートを示している。
この実施形態では、誤差を小さくするように補正する工程として、成形型の形状修正を行うものである。なお、以下において、枠付き光学素子18の成形工程については既に説明したので、その詳細な説明は省略する。
S11で、前述した光学デバイスの製造装置10を用いて枠付き光学素子18を成形する。
S12で、透過波面測定装置22を用いて枠付き光学素子18の非破壊検査による測定を行う。ここでは、例えば成形した枠付き光学素子18をフィゾー干渉計38に取り付けて光学的機能を測定する。そして、その測定値が設計上で予測した光学的機能と乖離している場合に、その誤差を測定する。この場合の光学的機能は、例えば枠付き光学素子18におけるレンズ部分の表面形状変化及び屈折率分布を対象として行う。
枠付き光学素子18の光学的機能として、この表面形状変化及び屈折率分布が最も重要な因子だからである。こうして、成形された枠付き光学素子18の光学的機能と、設計上の光学的機能との誤差を測定する。
S13で、枠付き光学素子18の光学的機能を設計値に合致するように、成形型における成形面の形状修正を行う。具体的には、上型24の成形面24a及び下型26の成形面26aの形状を修正加工する。
S14で、修正後の成形型により改めて枠付き光学素子18を成形する。上型24及び下型26の形状が修正されているので、この修正後の型で成形する。S15では、設定値に近い光学的機能を備えた良品の枠付き光学素子18を得ることができる。
図12は、他の実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示している。
この実施形態では、誤差を小さくするように補正する工程として、成形条件の変更を行うものである。
この実施形態では、工程S21において、枠付き光学素子18を成形し、S22で、透過波面測定装置22による非破壊検査による測定を行う点は、図11の場合と同様である。
S23では、枠付き光学素子18の光学的機能が設計値に合致するように、成形条件を変更する。この成形条件の変更には、成形温度や成形圧力等が含まれる。この成形条件変更により、焦点距離の調整、レンズ外周部での光の曲がり具合の調整を行うことができる。
但し、この成形条件変更は、前述したように、以下の制限された範囲で行う。
すなわち、成形温度は、ガラスの(At−Tg)×0.1℃以内であり、ガラスの固化時の温度は Tg±30℃であり、成形圧力の加重は 10%以内で行う。
次に、前記と同様に、S24で新たな成形条件で枠付き光学素子18を成形し、S25で良品が得られる。
図13は、他の実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示している。
この実施形態では、枠付き光学素子18の枠部材16を基準面として取付け、透過波面測定装置22により測定を行う点が特徴である。
まず、工程S31で、光学デバイスの製造装置10を用いて枠付き光学素子18を成形する。
次に、S32では、図14(a)(b)に示すように、枠付き光学素子18を、枠部材16の底面(X面)と側面(Y面)を基準面として鏡枠48に取り付けることを想定して、透過波面測定装置22による測定を行う。これは、枠付き光学素子18を鏡枠48に組み付ける場合は、枠部材18を介して組み付けるのが通常だからである。
よって、枠付き光学素子18の光学機能の測定の際も、枠部材16の底面(X面)と側面(Y面)を基準面としてフィゾー干渉計38に取り付けて測定する。こうして、成形された枠付き光学素子18の光学的機能と、設計上の光学的機能との誤差を測定する。この場合の光学的機能は、例えば枠付き光学素子18におけるレンズ部分の表面形状変化及び屈折率分布を対象として行う。
次いで、S33では、枠付き光学素子18の光学機能が設計値に合致するように、上型24の成形面24a及び下型26の成形面26aの形状を修正加工する。
その後、S34で、修正後の成形型により改めて枠付き光学素子18を成形し、S35で、設定値に近い光学的機能を備えた良品の枠付き光学素子18を得ることができる。
以上説明した図11〜図13の実施形態によれば、一度枠付き光学素子18の成形を行った後に、アニール処理は行わないで透過波面測定装置22による屈折率分布等の光学的機能の測定を行った。更に、設計値に合致するように成形条件又は成形型の変更により修正し、再度枠付き光学素子18の成形を行うようにしたので、収差を調整して高精度な光学デバイスを得ることができる。
図15は、他の実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示している。
この実施形態では、枠付き光学素子18を成形した後にアニール処理を行うようにした点に特徴を有する。
S41で、光学デバイスの製造装置10を用いて枠付き光学素子18を成形する。
次に、S42で、枠付き光学素子18のアニール処理を行う。すなわち、枠付き光学素子18を全体として所定温度まで加熱してレンズ部分の内部応力を除去する。これにより、枠付き光学素子18の屈折率分布がある程度緩和される。
次いで、S43で、透過波面測定装置22を用いて枠付き光学素子18の非破壊検査による測定を行う。こうして、成形された枠付き光学素子18の光学的機能と、設計上の光学的機能との誤差を測定する。この場合の光学的機能は、例えば枠付き光学素子18におけるレンズ部分の表面形状変化及び屈折率分布を対象として行う。
S44で、枠付き光学素子18の光学的機能を設計値に合致するように、上型24の成形面24a及び下型26の成形面26aの形状を修正加工する。
S45で、修正後の成形型により改めて枠付き光学素子18を成形する。
更に、S46で、再び枠付き光学素子18のアニール処理を行い、該枠付き光学素子18を所定温度まで加熱して内部応力を除去する。
なお、ここでのアニール処理では、そのアニール処理条件を種々に変更することで、枠付き光学素子18の光学機能面の形状、屈折率分布、及び屈折率の絶対値を変化させて設計値に合致するようにしても良い。
こうして、S47で、良品の枠付き光学素子18を得る。
図16は、他の実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示している。
この実施形態でも、枠付き光学素子18を成形した後にアニール処理を行うようにした点に特徴を有する。
まず、工程S51において、光学デバイスの製造装置10を用いて枠付き光学素子18を成形し、次いで、S52で、枠付き光学素子18のアニール処理を行い、更に、S53で、透過波面測定装置22による非破壊検査による測定を行う点は、前述した実施形態と同様である。
本実施形態では、S54において、成形条件を変更することで、枠付き光学素子18の光学的機能を設計値に合致するようにする。
この成形条件の変更には、前述したように、成形温度や成形圧力等が含まれるとともに、この成形条件変更は、所定の制限された範囲で行う。
次いで、S55で、変更した成形条件の下で改めて枠付き光学素子18を成形する。
次に、S56では、再び枠付き光学素子18のアニール処理を行い、該枠付き光学素子18を所定温度まで加熱して内部応力を除去する。そして、S57で良品の枠付き光学素子18を得る。
なお、ここでのアニール処理では、そのアニール処理条件を種々に変更することで、枠付き光学素子18の光学機能面の形状、屈折率分布、及び屈折率の絶対値を変化させて設計値に合致するようにしても良い。
図17は、他の実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示している。
この実施形態では、アニール処理後の枠付き光学素子18の光学的機能と、設計上の光学的機能との誤差を測定した後に、アニール処理条件を変更して成形する点に特徴を有している。
S61において、光学デバイスの製造装置10を用いて枠付き光学素子18を成形し、S62で、この枠付き光学素子18のアニール処理を行い、次いで、S63で、透過波面測定装置22による非破壊検査による測定を行う点は、前述した実施形態の場合と同様である。
次に、S64では、再度枠付きレンズを成形する。その後、S65では、アニール処理条件を、S62で行ったアニール処理条件とは異なる条件に変更することで、枠付き光学素子18の光学的機能を設計値に合致するようにする。すなわち、アニール処理条件を変更することで、枠付き光学素子18の光学機能面の形状、屈折率分布、及び屈折率の絶対値を変化させて設計値に合致するようにする。そして、変更したアニール処理条件によってアニール処理を行い、良品の枠付き光学素子18を得る。
以上説明した図15〜図17の実施形態によれば、一度枠付き光学素子18の成形を行い、アニール処理を実施した後に、アニール処理後の光学的機能を非破壊で透過波面により測定した。更に、設計上の光学的機能との乖離を成形条件、アニール処理条件、又は成形型の変更により修正し、再度枠付き光学素子18の成形を行うようにしたので、収差を調整して高精度な光学デバイスを得ることができる。
本実施形態における光学デバイスの製造装置の概略の断正面図である。 型セットの成形前の断正面図である。 型セットの成形後の断正面図である。 枠付き光学素子の断正面図である。 枠付き光学素子の成形温度と押圧力との関係を示す図である。 透過波面測定装置の外観図である。 (a)は、理想的な屈折率を有する凸レンズの結像状態を示す図、(b)は、屈折率分布のない平面のガラス板を示す図である。 (a)は、枠付き凸レンズの結像状態を示す図、(b)は、平面のガラス板に屈折率分布を付けた場合の光線の変化を示す図である。 同上の屈折率分布を示す図である。 (a)は、枠付き凹レンズの結像状態を示す図、(b)は、屈折率分布のないガラスにより得られる光線状態を示す図である。 本実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示す図である。 本実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示す図である。 本実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示す図である。 (a)は、枠付き光学素子の取付基準面を示す図であり、(b)は、枠付き光学素子が鏡枠に組み込まれた状態の断正面図である。 本実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示す図である。 本実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示す図である。 本実施形態における光学デバイスの製造工程のフローチャートを示す図である。
符号の説明
10 光学デバイスの製造装置
12 熱可塑性素材
14 光学素子
16 枠部材
18 枠付き光学素子
20 成形装置
22 透過波面測定装置
23 成形室
24 上型
24a 成形面
26 下型
26a 成形面
28 スリーブ
30 型セット
32 上ヒータプレート
34 下ヒータプレート
36 エアシリンダ
38 フィゾー干渉計
40 表示装置
42 ミラー
44 参照レンズ
46 凸レンズ単体
48 鏡枠

Claims (5)

  1. ガラスからなる光学素子と、該光学素子とは熱膨張率が異なる枠部材とが一体的に結合された枠付き光学素子を成形する第1成形工程と、
    前記第1成形工程後、前記枠付き光学素子にアニール処理を施す第1アニール工程と、
    前記第1アニール工程後、前記枠付き光学素子の光学的機能を測定する測定工程と、
    前記測定工程後、再度枠付き光学素子を成形する第2成形工程と、
    前記第2成形工程後、前記枠付き光学素子にアニール処理を施す第2アニール工程と、を備え、
    前記第2成形工程および前記第2アニール工程のうちの少なくとも一方は、前記測定工程における測定値が設計時に予測した光学的機能と乖離している場合に、その誤差を小さくするように補正されて行われる、光学デバイスの製造方法。
  2. 前記誤差の補正は、前記枠付き光学素子を成形する成形型の成形面の形状を修正すること、成形温度を変更すること、成形圧力を変更すること、及びアニール温度を変更することのうちの少なくとも1つを行うことによって、前記光学機能面の形状、屈折率分布、及び屈折率の絶対値のうちの少なくとも1つを変化させて行われる、請求項1記載の光学デバイスの製造方法。
  3. 前記光学的機能の測定は、前記枠付き光学素子の光学素子単体の表面形状変化及び内部屈折率分布を対象として行われる、請求項1又は2に記載の光学デバイスの製造方法。
  4. 前記誤差の測定は、透過波面測定光学系を用いて非破壊で行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  5. 前記誤差の測定は、前記枠付き光学素子の枠部材を装置本体への取り付け基準面として、該取り付け基準面と前記枠付き光学素子の光学機能面との位置変化を考慮して行われる、請求項1から3のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
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