JP2006298668A - 光学素子の成形方法とその装置、及び光学素子 - Google Patents

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裕介 中川
Hiroyuki Seki
博之 関
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Abstract

【課題】上型及び下型を押圧方向と略直交する方向に位置制御して光学素子の偏心精度を確保し、かつ光学素子の面精度を向上させる。
【解決手段】上型2及び下型3を接近させる矢印B方向に力を加えて、加熱軟化した光学素子素材10を押圧成形すると共に、上型2及び下型3に対し、シリンダ5を駆動して押圧方向(矢印B方向)と略直交する方向に力を加える位置制御を行うことにより、上型2及び下型3の光軸調整を行い、さらに、上シリンダ13を駆動して上型2と上ヒータプレート11とを離反させた後に、位置制御を解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子、光学素子の成形方法及び成形装置に関する。
近年、レンズ系の設計自由度拡大や、従来では不可能と考えられていた小型化、性能向上の要求が高まり、これらを可能とする非球面光学素子のニーズが益々増加している。そして、球面光学素子の製造については、古くはガラスを研削、研磨していたが、非球面光学素子の場合には、ガラスを加熱して軟化させ、成形型でプレス(押圧)して成形するという製造方法が盛んに行われている。
このような成形技術においては、一対の型部材とこれを摺動保持する為の胴型からなる上型、下型、及び胴型が用いられているが、高い形状精度と面精度を有する光学素子を得るためには、一対の型部材の一方の光学機能面の光軸と、他方の光学機能面の光軸とのズレ(シフト)や相対的な傾き(チルト)を高精度に設定して成形する必要がある。
これに対し、例えば、特許文献1には、一対の型部材を接近させるように押圧動作させて光学素子を成形すると同時に、光学機能面の光軸方向と交差する方向から型部材の外周部を挟み込むように加圧して、光学機能面の光軸を調整する技術が開示されている。この従来技術によれば、光学素子面の光軸が調整され、光軸のズレ(シフト)や相対的な倒れ(チルト)が除かれ、かつ、その光軸調整は、簡単かつ確実に実現できるというものである。
特許第3618983号公報(第7頁、図2)
一般に、一対の型部材による光学素子素材の押圧動作時、押圧される光学機能面の光軸方向にのみ(光軸に対し対称な)力を受けた場合は、光学素子には光軸に対し対称な内部応力しか発生しない。しかし、光軸方向に対し傾いた方向に(光軸に対し非対称な)力を受けた場合には、光学素子には光軸に対し非対称な内部応力が発生する。この光学素子が持つ内部応力の非対称性は、光学性能上、光学機能面の光軸がズレた場合と略同じ影響を結像性能に与える。このため、非対称な内部応力を含んだ光学素子は、結果として、高精度な光学性能を得ることができないことになる。
例えば、エアシリンダなどの駆動手段により押圧される型部材の押圧方向に対する進直度(進行方向に対する傾き)を数μm単位で調整することは困難であり、光学素子素材は光軸方向に対し傾いた方向に力を受けて、非対称な内部応力が発生してしまう。これにより、成形品たる光学素子の面精度を悪化させてしまうという課題があった。あるいは、例えば図7に示すように、成形時に上型102及び下型103を押圧部材111で押圧して接近させる最中に、進直度の程度により、押圧部材111の押圧力の方向(矢印方向)に傾きが生じてしまい、これに起因して、上型102と下型103との相互間に光軸のズレ(シフト)が発生してしまう。
このシフトズレにより、上型102と下型103とが胴型104内で偏心してしまい、またはチルト方向に傾いてしまい、成形品たる光学素子110の偏心精度及び面精度を悪化させてしまうという課題があった。なお、押圧部材111の進直度を機械的に高精度にするためには、径時変化や装置の大きさ、又は温度による変化等を厳密に制御しなければならず、現実的には難しい。
また、特許文献1においては、型部材の押圧動作により光学素子を成形すると同時に、光学機能面の光軸方向と交差する方向から型部材の外周部を挟み込むように加圧しているため、駆動手段の進直度の影響によるシフトズレは顕著ではない。しかし、成形型や胴型等の加工誤差、あるいは転胴体(ベアリング)の直径のバラツキ、調整誤差などを考えると、必ずしも進直度の影響による内部応力の非対称性を無視できない場合が想定される。このときは、成形品たる光学素子が、光学機能面の光軸精度は良くても面の非対称性により、所望の光学性能が得られないことになる。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、一対の型部材を押圧方向と略直交する方向に位置制御して光学素子の偏心精度を確保すると共に、押圧方向の加圧を解除した後に位置制御を解除して光学素子の面精度を向上させることのできる光学素子の成形方法とその装置、及び光学素子を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、加熱軟化した光学素子素材を押圧成形する光学素子の成形方法において、
対向配置された一対の型部材に対し、前記押圧方向と略直交する方向に力を加える位置制御により該一対の型部材の光軸調整を行うとともに、前記一対の型部材を接近させる方向に力を加えて加熱軟化した前記光学素子素材を押圧成形し、
さらに、前記一対の型部材を接近させる方向に力を加える押圧部材を前記一対の型部材の少なくとも一方から離反させた後に、前記位置制御を解除する、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の光学素子の成形方法において、
前記押圧部材と前記一対の型部材の少なくとも一方との離反は、前記光学素子素材の温度が転移点以上で行われる、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の光学素子の成形方法において、
前記一対の型部材に対する位置制御を解除した後に、少なくとも1回以上前記光学素子素材を再押圧することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の光学素子の成形方法において、
前記一対の型部材の少なくとも一方と接触する前記押圧部材の押圧方向の移動量をx、
前記押圧部材の、前記押圧方向に対する該押圧方向と略直交する方向の移動量の比をy、
前記光学素子素材を再押圧する前の前記一対の型部材のシフト方向のズレをδ1とし、シフト方向のズレの目標値をδ2としたときに、
δ2−δ1>xy
を満たす条件で再押圧することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4記載の光学素子の成形方法において、
複数個の光学素子素材を略同時に成形することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、加熱軟化した光学素子素材を押圧成形する光学素子の成形装置において、
前記押圧方向に移動自在に対向配置された一対の型部材と、
該一対の型部材を接近させる方向に力を加える押圧部材と、
前記一対の型部材に対し、前記押圧方向と略直交する方向に力を加えて位置制御することにより光軸調整を行う位置制御部材と、
前記一対の型部材の少なくとも一方と前記押圧部材とを離反させる制御を行った後に、前記位置制御部材による加圧を解除する制御を行う制御手段と、を備えている、ことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の光学素子の成形装置において、
前記制御手段は、前記一対の型部材に対する位置制御を解除した後に、少なくとも1回以上前記光学素子素材を再押圧する動作を制御することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1〜5記載の光学素子の成形方法により得られる光学素子であることを特徴とする。
本発明によれば、光学素子素材が押圧成形された時点で、一対の型部材を接近させる方向に力を加える押圧部材を型部材から離反させた後に、押圧方向と略直交する方向に力を加える位置制御を解除することで、光軸に対し非対称な内部応力が残留せず、偏心精度が良好な光学素子を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、一部を省略した光学素子の成形装置の断面正面図、図2はその平面図、図3(a)〜(d)は、各成形工程毎の装置の状態を示す図である。
図1及び図2において、成形装置1は、一対の型部材としての上型2及び下型3と、これら上型2及び下型3が対向状態で挿入され、上型2及び下型3の外周面と略同形状の内周面を有する胴型4と、この胴型4を、その内周面の径を大小に弾性変形させて上型2及び下型3の位置制御をする位置制御部材としてのシリンダ5と、受部材6とを備えている。前記胴型4には、一部に切欠部41が形成されている。光学素子素材(ガラス素材)10は、下型3と上型2との間に挟まれた状態で加熱軟化され、押圧成形に供される。
この光学素子素材10の成形は、胴型4に挿入された状態の上型2及び下型3が下ヒータプレート7上に載置された状態で行われる。下ヒータプレート7は、下ヒータ8の上面に取り付けられると共に、この下ヒータ8は下シリンダ9に取り付けられている。また、上型2の上面には、上ヒータプレート11が当接されている。この上ヒータプレート11は、上ヒータ12を介して押圧部材としての上シリンダ13に取り付けられている。この上シリンダ13は、光学素子素材10の光軸と略平行な矢印B方向に押圧力を作用させ、これにより、上型2が下型3方向に移動して光学素子素材10の押圧が行われる。
なお、光学素子素材10の押圧成形は、下シリンダ9と上シリンダ13の少なくとも一方を作動させることによって可能であるが、本実施の形態では、上シリンダ13のみの作動による押圧成形について説明する。
また、胴型4の側方には、光軸に対して略直交する矢印A方向に伸長作動する前記シリンダ5が配置されている。このシリンダ5は、そのロツド5aが胴型4のアーム部4a(図2参照)に当接(又は連結)されていて、このロツド5aが伸長作動して胴型4方向に進出する。このロツド5aの進出により、胴型4の内周面の径が小さくなるように弾性変形させる。一方、受部材6は、胴型4を挟んでシリンダ5と略対称の位置に配置されており、ロツド5aの伸長に基づく胴型4の変形を受け止めるように作用する。更に、シリンダ5と上シリンダ13とは制御手段としての制御部50に接続されていて、この制御部50により、シリンダ5と上シリンダ13の動作タイミングが制御される。
胴型4の内周面は上型2及び下型3の外周面と当接しており、よって、シリンダ5を作動させて、上型2及び下型3を光軸と略直交する方向に力を加えることで、該上型2及び下型3の位置制御が行われる。この位置制御により、上型2及び下型3の光軸調整を行うことができる。ただし、本実施の形態では、上型2は下型3に比べて直径で略2μm小さく加工されているため、上型2は位置制御中も胴型4内で光軸方向に摺動可能となっている。
次に、図3(a)〜(d)に基づき、本実施の形態による光学素子の成形工程を説明する。
図3(a)において、光学素子素材10を挟み込んだ上型2及び下型3を、胴型4内に挿入して組立状態とし、この組立状態のものを下ヒータプレート7上に載置する。次いで、シリンダ5を駆動し、そのロツド5aを、胴型4のアーム部4aに矢印A方向に押圧して変形力を作用させる。この押圧力により、胴型4は切欠部41(図2参照)を介して直径が小さくなるように変形する。このとき、胴型4の内周面の形状は上型2及び下型3の外周面の形状と近似しているため、上型2及び下型3は胴型4の内周面に倣った状態となって高精度な光軸調整(位置制御)が行われる。
図3(b)に示すように、この上型2及び下型3の位置制御の後、図1に示した上シリンダ13を矢印B方向に若干動作させて、上ヒータプレート11を上型2に接触させた状態とし、この状態で、それぞれの下ヒータ8及び上ヒータ12により、上型2と下型3、及び胴型4を加熱する。この加熱により、上型2及び下型3に挟み込まれた光学素子素材10が加熱される。そして、光学素子素材10が、ガラス転移点以上の所定の温度(押圧可能な温度)に加熱されたとき、上シリンダ13を更に矢印B方向に駆動することにより、上下のヒータプレート11,7を相対的に接近させる。こうして、位置制御によって、高精度に光軸調整された上型2及び下型3による光学素子素材10の押圧が開始される。なお、加熱開始のタイミングは、上ヒータプレート11を上型2に接触させた後に限らず、光軸調整前後でも良く、そのタイミングは適宜設定しても構わない。
更に、図3(c)に示すように、上シリンダ13による押圧により、光学素子素材10が所定の厚みまで変形した時点で、加熱温度を維持したまま、上シリンダ13を矢印B方向と反対方向に駆動させて上ヒータプレート11を上昇させる。これにより、上型2と上ヒータプレート11とを離反させる。その後、図3(d)に示すように、側方のシリンダ5のロツド5aを矢印A方向と反対方向に引き込み動作させることで、胴型4の変形を元に戻し、上型2及び下型3の位置制御を解除する。
以上において、シリンダ5と上シリンダ13の動作タイミングは、図1に示した制御部50によって制御されるようになっており、この制御により、上型2と上ヒータプレート11とを離反させた後に位置制御が解除される。
なお、図3(c)において、上ヒータプレート11を上昇させる際の光学素子素材10の温度は、必ずしも加熱温度に維持されている必要はなく、例えば、既に冷却を開始した状態であっても、光学素子素材10の内部応力が解放されるための所定の時間以上にわたってガラス転移点以上であればよい。
その後、上下のヒータ12,8をOFFとして、上型2と下型3、及び胴型4の冷却を開始する。やがて、光学素子素材10の温度が所定の温度まで下がったとき、上シリンダ13を矢印B方向に再び駆動し、上下ヒータプレート11,7を相対的に接近させることで、上型2及び下型3により、光学素子素材10の再押圧を行う。このように、成形された光学素子の冷却に伴う収縮に応じて光学素子を再度押圧することで、より高精度な面形状を有する光学素子を得ることができる。
ここで、再押圧の条件は、例えば図4のグラフに従って設定するものとする。
すなわち、この図4は再押圧条件を示している。この再押圧の条件は、
δ2−δ1>xy
の式で表される。
但し、上ヒータプレート11の、押圧方向(B方向)に対する該押圧方向と略直交する方向(A方向)の移動量の比をy=3.4(μm/mm)とし、
再押圧前の上型2及び下型3のシフト方向のズレをδ1=1.5μmとしたときの、シフト方向のズレの目標値δ2(μm)に対する上ヒータプレート11の押圧方向(B方向)の許容移動量をx(mm)とする。なお、δ1=1.5μmは、上型2及び下型3の直径差が2μmでシフト方向のズレを1μmとし、上型2と下型3、及び胴型4の真円度をそれぞれ0.25μmとして、シフト方向のズレを0.5μmとしたときのシフト方向のズレの合計(1.5μm)である。
そして、再押圧後の型冷却終了の後、上ヒータプレート11を上昇させ、上型2と下型3、及び胴型4を下ヒータプレート7から取り出す。なお、ここでは、上ヒータプレート11を動作させることで押圧を行ったが、前述したように、下ヒータプレート7あるいは上下ヒータプレート11,7を動作させ、上下ヒータプレート11,7の間隔を相対的に変化させても、もちろん構わない。
以上説明した本実施の形態によれば、胴型4を、その内周面の径が小さくなるように弾性変形させて、上型2及び下型3をその内周面に倣った状態として位置制御を行うようにしたため、光学素子にシフトやチルトが発生するのを防止することができる。このように、上型2及び下型3を高精度に位置決めして、光学素子を高精度に成形することができる。また、シフトやチルトを防止するような複雑な構造も不要であり、制御も容易である。
また、本実施の形態によれば、光学素子素材10が所定の厚みまで変形した時点で、転移点以上の温度を維持したまま、上型2と上ヒータプレート11とを離反させ、さらに上型2及び下型3の位置制御を解除するようにしたため、押圧の過程で発生した内部応力を解放することができ、成形された光学素子に対し、光軸に対して非対称な内部応力が残留するのを防止することができる。
このため、光学機能面に非対称性のない高精度な光学素子を成形することができる。また、上型2と上ヒータプレート11とを離反させた後に、位置制御を解除するようにしたことで、上シリンダ13の進直度誤差による上型2のシフト(位置ズレ)やチルト(傾き)を防止することができる。このため、胴型4による位置制御の効果が維持され、高精度に光軸調整された光学素子を得ることができる。なお、若しも、上型2と上ヒータプレート11とを離反させる前に、矢印A方向の位置制御を解除した場合には、上シリンダ13の進直度誤差により、上型2と上ヒータプレート11がシフト方向にズレてしまうことになる。
また、本実施の形態では、例えば図4に従い、目標のシフト量δ2と進直度誤差を考慮した押圧条件により光学素子素材10を再押圧するようにしたことで、光学素子素材10の温度が所定の温度まで下がったときの冷却に伴う収縮に上下型2,3が追従することができる。これにより、高精度な面形状を有することはもちろん、偏心精度も確保された光学素子を安定して得ることができる。
また、本実施の形態では、上型2は下型3に比べ若干直径が小さく加工されているため、胴型4を変形させて位置制御を行った状態でも上型2を押圧方向に摺動させることができる。よって、位置制御を光学素子素材10の押圧開始前に行ったが、例えば、押圧終了直前に行うことで、上型2と胴型4との摺動時間が短く、つまり、上型2と胴型4との摺動距離が短くなり、上型2の摺動による上型2及び胴型4の磨耗を抑制することもできる。
更に、本実施の形態では、1個の光学素子を成形する場合について説明したが、例えば複数個の光学素子を略同時に成形することもできる。この場合も、各光学素子には光軸に対して非対称な内部応力が残留せず、かつ偏心精度が良好な光学素子を短時間で大量生産することができる。
また、略同径の上型2及び下型3による押圧と、胴型4を当接させることによる上型2及び下型3の位置制御と、シリンダ5の駆動停止による胴型4の当接解除とを繰り返して成形を行なっても良い。更に、上型2及び下型3による光学素子素材10の押圧中に、シリンダ5による胴型4への押圧力を段階的に変化させるように制御して成形を行っても良い。同様に、上型2及び下型3による押圧力及び再押圧力を段階的に変化させるように制御して成形を行っても良い。
なお、本実施の形態では、胴型4を変形させて上型2及び下型3の位置制御を行ったが、胴型4を用いず、シリンダ5及び受部材6の型部材と当接する形状を、∨形状やR形状等とし、シリンダ5及び受部材6により、上型2及び下型3の位置制御を行って成形しても良い。もちろん、上型2及び下型3の両側から、あるいは3方向以上からシリンダ5により位置制御を行ってもよい。
(第2の実施の形態)
図5及び図6は、第2の実施の形態を示しており、図5は、一部を省略した光学素子の成形装置14の正面図、図6はその平面図である。
図5及び図6において、不図示の架台の上に加熱炉として使用するチャンバー15が設置されている。チャンバー15には、上型2及び下型3と胴型28を搬入する入口と搬出する出口が設けられ、それぞれ供給ステージ56と入口シャッタ16、取り出しステージ57と出口シャッター17を設置している。また、チャンバー15内には、加熱ステージ18、19、20、押圧ステージ21、冷却ステージ22,23を設け、各ステージは、上下一対で温度制御可能なヒーター24を取り付けたヒータブロック8,12を設けている。下ヒータブロック8は、断熱プレート25、水冷ブロック26を介してチャンバー15に設置され、また、上ヒータブロック12は、断熱プレート25、水冷ブロック26を介して、上下移動自由なシャフト27に設置されていて、上型2及び下型3と胴型28を押圧する機能を有している。
また、ヒータブロック8、12の表面には、WCを主成分とする超硬合金製のヒータプレート7,11を取り付けている。なお、以降の説明に於いては、チャンバー15に固定されたヒータブロック8とヒータプレート7を下ステージと称し、シャフト27に固定されたヒータブロック12とヒータプレート11を上ステージと称し、上下一対を表すときは単にステージと称する。押圧ステージ21には、光軸に対して略直交する矢印A方向に沿って伸長作動するシリンダ29が配置されている(図6参照)。このシリンダ29は、その伸長作動により、ロッド29aが胴型28方向に進出し、この進出により胴型28の内周面の径が小さくなるように弾性変形させる。一方、受部材30は、シリンダ29との間で胴型28を挟む位置に配置されており、シリンダ29のロッド29aの伸長に基づく胴型28の変形を受けるように作用する。
次に、この実施の形態による光学素子の成形工程を説明する。
図5に示すように、光学素子素材10を挟み込んだ上型2及び下型3を胴型28内に挿入して組立状態とし、この組立状態で、供給ステージ56により入口シャッタ16からチヤンバー15内に搬入し、加熱ステージ18上に載置する。各ステージ温度は、光学素子素材10が適正な成形温度プロフィルを辿るように設定されていて、まず、加熱ステージ18,19,20で予備加熱を行う。次いで、チヤンバー15内に設置された不図示の搬送部材により、光学素子素材10を挟み込んだ上型2及び下型3と胴型28は、各ステージ間を、設定された成形サイクルに従って順次移動する。
このように、光学素子素材10を挟み込んだ上型2及び下型3と胴型28が順次移動し、押圧ステージ21上に載置されたところで、シリンダ29を駆動してそのロツド29aをアーム部28aに押圧して変形力を作用させる(図6参照)。この押圧力により、上型2及び下型3は胴型28の内周面に倣った状態となって、位置制御による高精度な光軸調整が行われる。その後、成形サイクルに従い、上ステージ11,12が下降して上型2に接触し、高精度に光軸調整された上型2及び下型3による光学素子素材10の押圧が開始される。
上型2及び下型3の押圧により、光学素子素材10は所定の厚みまで変形し、上述した成形サイクルに従い、上ステージ11,12は上昇する。これにより、上型2と上ステージ11,12とは離反する。その後、シリンダ29のロツド29aを引き込み動作させることで、胴型28の変形を戻し、上型2及び下型3への位置制御を解除する。次いで、光学素子素材10を挟み込んだ上型2及び下型3と胴型28は、不図示の搬送部材により冷却ステージ22上に載置され、上ステージ11,12の下降により、光学素子素材10は冷却されるとともに、再度押圧される。その後、上型2及び下型3と胴型28は成形サイクルに従い順次移動し、冷却終了の後、チヤンバー15から取り出される。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、上型2及び下型3を高精度に位置決めすることができ、光学素子を高精度に成形することができる。また、この成形方法によれば、光軸に対して非対称な内部応力の残留を防ぐことができ、光学機能面に非対称性のない光学素子を高精度に成形することができる。また、光学素子の冷却に伴う収縮に上型2及び下型3が追従することができ、より高精度な面形状を有する光学素子を安定して得ることができる。
また、本実施の形態では、加熱、押圧、冷却の役割を複数のステージに分けることで、昇温、降温に要する時間を短縮することができ、サイクルタイムを短縮することができる。さらに、複数のステージがあっても、光軸調整機構は押圧ステージ21にのみあればよく、複雑な構造が不要であり、制御も容易である。このように、加熱、押圧、冷却等の温度制御を短時間に遂行し、かつ偏心精度、面精度が高精度な光学素子を連続して成形することができる。
なお、本実施の形態では、各ステージの上昇、下降動作は、所定の成形サイクルに従って全て同時に行われる。しかし、押圧ステージ21においては、押圧開始前に押圧方向と略直交する方向に力を加えて位置制御を行い、押圧力解放後に位置制御を解除する必要があるため、独立して上ステージ11,12の上昇、下降ができることが望ましい。よって、押圧ステージ21に限らずとも、各ステージの動作は、成形サイクル内で独立して設定できるものとし、成形を行うようにしても良い。
第1の実施の形態の光学素子の成形装置の断面正面図である。 同上の平面図である。 (a)〜(d)は成形工程毎の状態を示す図である。 再押圧条件を示すグラフである。 第2の実施の形態の光学素子の成形装置の正面図である。 同上の平面図である。 従来の光学素子の成形型の正面図である。
符号の説明
1 光学素子の成形装置
2 上型
3 下型
4 胴型
5 シリンダ
6 受部材
7 下ヒータプレート
8 下ヒータ
10 光学素子素材
11 上ヒータプレート
12 上ヒータ
13 上シリンダ
28 胴型
29 シリンダ
30 受部材
50 制御部

Claims (8)

  1. 加熱軟化した光学素子素材を押圧成形する光学素子の成形方法において、
    対向配置された一対の型部材に対し、前記押圧方向と略直交する方向に力を加える位置制御により該一対の型部材の光軸調整を行うとともに、前記一対の型部材を接近させる方向に力を加えて加熱軟化した前記光学素子素材を押圧成形し、
    さらに、前記一対の型部材を接近させる方向に力を加える押圧部材を前記一対の型部材の少なくとも一方から離反させた後に、前記位置制御を解除する、
    ことを特徴とする光学素子の成形方法。
  2. 前記押圧部材と前記一対の型部材の少なくとも一方との離反は、前記光学素子素材の温度が転移点以上で行われる、
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子の成形方法。
  3. 前記一対の型部材に対する位置制御を解除した後に、少なくとも1回以上前記光学素子素材を再押圧することを特徴とする請求項1又は2記載の光学素子の成形方法。
  4. 前記一対の型部材の少なくとも一方と接触する前記押圧部材の押圧方向の移動量をx、
    前記押圧部材の、前記押圧方向に対する該押圧方向と略直交する方向の移動量の比をy、
    前記光学素子素材を再押圧する前の前記一対の型部材のシフト方向のズレをδ1とし、シフト方向のズレの目標値をδ2としたときに、
    δ2−δ1>xy
    を満たす条件で再押圧することを特徴とする請求項3記載の光学素子の成形方法。
  5. 複数個の光学素子素材を略同時に成形することを特徴とする請求項1〜4記載の光学素子の成形方法。
  6. 加熱軟化した光学素子素材を押圧成形する光学素子の成形装置において、
    前記押圧方向に移動自在に対向配置された一対の型部材と、
    該一対の型部材を接近させる方向に力を加える押圧部材と、
    前記一対の型部材に対し、前記押圧方向と略直交する方向に力を加えて位置制御することにより光軸調整を行う位置制御部材と、
    前記一対の型部材の少なくとも一方と前記押圧部材とを離反させる制御を行った後に、前記位置制御部材による加圧を解除する制御を行う制御手段と、を備えている、
    ことを特徴とする光学素子の成形装置。
  7. 前記制御手段は、前記一対の型部材に対する位置制御を解除した後に、少なくとも1回以上前記光学素子素材を再押圧する動作を制御することを特徴とする請求項6記載の光学素子の成形装置。
  8. 請求項1〜5記載の光学素子の成形方法により得られることを特徴とする光学素子。

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