JPH07315192A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH07315192A
JPH07315192A JP10985994A JP10985994A JPH07315192A JP H07315192 A JPH07315192 A JP H07315192A JP 10985994 A JP10985994 A JP 10985994A JP 10985994 A JP10985994 A JP 10985994A JP H07315192 A JPH07315192 A JP H07315192A
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JP
Japan
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valve
brake fluid
fluid pressure
flow path
pressure
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Application number
JP10985994A
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English (en)
Inventor
Hiroharu Kaneuchi
弘治 金内
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 増圧作動時であるにも係らずホイールシリン
ダとリザーバとの間が連通状態となるような液圧制御弁
の失陥時でも制動力を低下させないこと。 【構成】 ホイールシリンダ4の液圧の減圧・保持・増
圧を行う液圧制御弁5a,5bとマスタシリンダ1との
間の第1流路にトラクションコントロール時に作動して
第1流路3を遮断する常開の電磁切換弁15と、減圧時
に排出されるブレーキ液を第2流路6を介して貯留する
リザーバ7と、第3流路8を介してリザーバに貯留され
たブレーキ液を吸入加圧して液圧制御弁と電磁切換弁と
の間の第1流路に還流させる液圧ポンプ9と、液圧ポン
プの吸入側と蓄液タンク11との間を連通する第4流路
12の途中に設けられていて蓄液タンクから液圧ポンプ
方向への流通のみを許容する逆止弁23と、を備え、逆
止弁には第4流路を閉じた状態にポペット23bを押圧
固定可能なソレノイドアッセンブリ24を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両などのブレーキ液
圧制御装置に関し、特に、アンチスキッド制御およびト
ラクションコントロールを行なうものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチスキッド制御およびトラク
ションコントロール用ブレーキ液圧制御装置としては、
例えば、特開平2−18150号公報に記載のものが知
られている。
【0003】この従来のブレーキ液圧制御装置は、ブレ
ーキペダルの操作によりブレーキ液圧を発生するマスタ
シリンダと、第1流路を介してブレーキ液圧を受圧する
ことで車輪の制動を行なうホイールシリンダと、第1流
路の途中に設けられていてホイールシリンダに入力され
るブレーキ液圧の減圧・保持・増圧を行うべく所定の条
件に基づいて開閉する液圧制御弁と、液圧制御弁とマス
タシリンダ間の第1流路にトラクションコントロール時
に作動して第1流路を遮断する常開のカット弁と、液圧
制御弁の減圧時にホイールシリンダから排出されるブレ
ーキ液を第2流路を介して貯留するリザーバと、第3流
路を介してリザーバに貯留されたブレーキ液を吸入加圧
して液圧制御弁とカット弁との間の第1流路に還流させ
る液圧ポンプと、液圧ポンプの吸入側とマスタシリンダ
の蓄液タンクとの間を連通する第4流路の途中に設けら
れていてブレーキペダル操作時にはブレーキ液圧の受圧
により第4流路を閉じる方向に作動する常開の開閉バル
ブと、を備えた構造となっていた。
【0004】即ち、この従来の装置では、ブレーキペダ
ルの操作がない状態で行なわれるトラクションコントロ
ール時においては、常開の開閉バルブにより第4流路を
開いた状態に維持させると共に、カット弁を作動させて
第1流路を閉じた状態とすることにより、液圧ポンプの
駆動によりマスタシリンダの蓄液タンクから吸入加圧し
たブレーキ液圧を、液圧制御弁を介してホイールシリン
ダに供給可能な状態とするものであり、また、ブレーキ
ペダルの操作によりブレーキ液圧が発生している通常の
制動時、および、アンチスキッド制御時においては、ブ
レーキ液圧の受圧による開閉バルブの作動によって第4
流路を閉じると共に、カット弁の作動を解除させて第1
流路を開くことにより、液圧制御弁を介してブレーキ液
圧をホイールシリンダに供給可能な状態とすることがで
きるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ブレーキ液圧制御装置にあっては、車輪の制動力を必要
とするトラクションコントロール時においては、マスタ
シリンダの蓄液タンクと液圧ポンプの吸入側を連通する
第4流路が常開の開閉バルブによって開かれた状態、即
ち、液圧制御弁の2次側となる第2流路側がオープン回
路となる構造であることから、この状態で液圧制御弁の
失陥により増圧作動時であるにも係らずホイールシリン
ダと第2流路との間が連通状態となった場合には、制動
力が低下するという問題点があった。
【0006】本発明は、上記の従来の問題点に着目して
成されたもので、増圧作動時であるにも係らずホイール
シリンダとリザーバ側との間が連通状態となるような液
圧制御弁の失陥時においても制動力を充分に発生させる
ことができるブレーキ液圧制御装置を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明請求項1記載のブレーキ液圧制御装置では、
ブレーキペダルの操作によりブレーキ液圧を発生するマ
スタシリンダと、第1流路を介してブレーキ液圧を受圧
することで車輪の制動を行なうホイールシリンダと、第
1流路の途中に設けられていてホイールシリンダに入力
されるブレーキ液圧の減圧・保持・増圧を行うべく所定
の条件に基づいて開閉する液圧制御弁と、液圧制御弁と
マスタシリンダ間の第1流路にトラクションコントロー
ル時に作動して第1流路を遮断する常開のカット弁と、
液圧制御弁の減圧時にホイールシリンダから排出される
ブレーキ液を第2流路を介して貯留するリザーバと、第
3流路を介してリザーバに貯留されたブレーキ液を吸入
加圧して液圧制御弁とカット弁との間の第1流路に還流
させる液圧ポンプと、液圧ポンプの吸入側とマスタシリ
ンダの蓄液タンクとの間を連通する第4流路の途中に設
けられていて蓄液タンクから液圧ポンプ方向への流通の
みを許容する逆止弁と、を備え、前記逆止弁には第4流
路を閉じた状態に弁体を押圧固定可能なアシスト機構を
備えている手段とした。
【0008】また、請求項2記載のブレーキ液圧制御装
置では、アシスト機構をソレノイドで構成したものであ
る。また、請求項3記載のブレーキ液圧制御装置では、
アシスト機構をマスタシリンダで発生するブレーキ液圧
の受圧により駆動する駆動部材で構成したものである。
【0009】
【作用】本発明実施例のブレーキ液圧制御装置では、第
4流路の途中に介装された逆止弁により、トラクション
コントロール時においては、液圧ポンプの吸入側に対す
るマスタシリンダの蓄液タンクからのブレーキ液の供給
を可能としつつ、第4流路を少なくとも液圧ポンプの吸
入側から蓄液タンク方向においては常にその流路を閉じ
たクローズ回路状態とするもので、これにより、増圧作
動時であるにも係らずホイールシリンダとリザーバ側と
の間が連通状態となるような液圧制御弁の失陥時におい
ても、ホイールシリンダの液圧を増圧して車輪の制動力
を発生させることができる。
【0010】また、アシスト機構によるアシスト力で逆
止弁を閉じた状態に維持させることにより、アンチスキ
ッド制御時においては、蓄液タンク側からのブレーキ液
の吸入が阻止された状態となる。
【0011】また、請求項3記載のブレーキ液圧制御装
置では、マスタシリンダで発生するブレーキ液圧の受圧
により駆動部材が駆動されて逆止弁を閉じた状態に維持
させるもので、これにより、アシスト力の発生をブレー
キ液圧の発生に連動させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。図2は、本発明実施例のブレーキ液圧制御装置を示
す全体図であって、図において、1はマスタシリンダで
ある。
【0013】このマスタシリンダ1は、ブレーキペダル
2の操作によりブレーキ液圧を発生するもので、このマ
スタシリンダ1で発生するブレーキ液圧は、第1流路3
を介してブレーキ装置のホイールシリンダ4に伝達さ
れ、これにより、車輪の制動が行われるようになってい
る。
【0014】また、前記第1流路3の途中には、車輪の
ロックを防止するためにホイールシリンダ4のブレーキ
液圧を制御(減圧・保持・増圧)するための常開の増圧
バルブ(液圧制御弁)5aが設けられ、また、この増圧
バルブ5aとホイールシリンダ4との間の下流側第1流
路3bとリザーバ7との間を連通する第2流路6には常
閉の減圧バルブ(液圧制御弁)5bが設けられている。
即ち、両バルブ5a,5bを閉じると、ホイールシリン
ダ4の液圧が保持され、増圧バルブ5aを閉じて減圧バ
ルブ5bを開くと、ホイールシリンダ4の液圧がリザー
バ7にドレーンされて減圧され、減圧バルブ5bを閉じ
て増圧バルブ5aを開くと、ホイールシリンダ4にブレ
ーキ液圧が供給されて増圧される構造となっていて、両
バルブ5a,5bは、ブレーキコントローラ17により
所定の条件に基づいて切り換え制御される。
【0015】なお、図において20は、増圧バルブ5a
をバイパスしてホイールシリンダ4からマスタシリンダ
1方向への流通のみを許容するリターンチェックバル
ブ、21は、オリフィスを示す。
【0016】次に、図中9は液圧ポンプであって、リザ
ーバ7に貯留されたブレーキ液を、第3流路8を介する
ことによって、マスタシリンダ1と増圧バルブ5aとの
間の上流側第1流路3aに還流させるもので、その吐出
側の第3流路8には脈圧減衰手段としてのダンパ室10
およびオリフィス13が設けられている。尚、図中9
a,9bは液圧ポンプ9の吸入側と吐出側にそれぞれ設
けられたインレットチェックバルブおよびアウトレット
チェックバルブである。
【0017】前記リザーバ7は、図3にその詳細を示す
ように、シリンダ7a内を蓄液室7bと大気圧室7cと
に画成して摺動する摺動ピストン7dを備えると共に、
大気圧室7c側には、蓄液室7bの容積を縮小する方向
に摺動付勢する付勢手段としてのスプリング7eが設け
られている。そして、摺動ピストン7dの端面と対向す
るシリンダ7aの端面には、第3流路8が接続される第
1接続口7fと、第2流路6が接続される第2接続口7
gとが設けられていて、第1接続口7fと対向する摺動
ピストン7dの端面には、スプリング7eの付勢による
摺動により、第1接続口7fのみを閉じる球弁7hが設
けられている。
【0018】即ち、前記第1接続口7fとこの第1接続
口7fを閉じる球弁7hと第1接続口7fを閉じる方向
に所定の力で球弁7hを付勢するスプリング7eとで逆
止弁を構成させている。従って、イニシャル状態では、
液圧ポンプ9の吸入側と減圧バルブ5bとの間が閉塞さ
れた状態となる。
【0019】また、前記第3流路8とマスタシリンダ1
の蓄液タンク11との間が第4流路12で接続されると
共に、この第4流路12の途中には、蓄液タンク11か
ら液圧ポンプ9方向への流通のみを許容する逆止弁23
と、逆止弁23の開放を阻止するアシスト機構24を有
するアシスト機構付逆止弁ARが設けられている。
【0020】このアシスト機構付逆止弁ARは、図1に
その詳細を示すように、上端開口部には非磁性帯よりな
るストッパ24aが嵌合され下端開口部には磁性帯より
なるボディ24bが嵌装された非磁性帯よりなるシリン
ダ24cと、該シリンダ24c内に摺動自在に設けられ
た磁性帯よりなるプランジャ24dと、シリンダ24c
の外周に設けられていて通電によりプランジャ24dを
吸引駆動するコイル24eとからなるソレノイドサブア
ッセンブリ(アシスト機構)24中に、蓄液タンク11
と液圧ポンプ9との間を連通する第4流路12の途中に
設けられたバルブシート23aと、蓄液タンク11側か
らバルブシート23aを開閉可能な状態にボディ24b
内に摺動自在に設けられたポペット(弁体)23bと、
該ポペット23bをバルブシート23aに当接して第4
流路12を閉じる方向にプランジャ24dを介して押圧
付勢するスプリング23cとで構成される逆止弁23が
組み込まれた構造になっている。従って、コイル24e
に対する通電が解除された状態では、逆止弁23が正常
に作動し、蓄液タンク11から液圧ポンプ9方向への流
通を許容するが、コイル24eに対する通電を行なう
と、プランジャ24dのボディ24b方向(下方)への
吸引により、ポペット23bをバルブシート23aに押
圧固定し、これにより、第4流路12が閉じた状態に維
持される。なお、このソレノイドサブアッセンブリ24
は、ブレーキコントローラ17により所定の条件に基づ
いて切り換え制御される。
【0021】また、前記上流側第1流路3aにおける第
3流路8との合流点Pより上流側には、2ポート2ポジ
ションの電磁切換弁(カット弁)15が設けられてい
る。即ち、この電磁切換弁15は、通電オフの状態で
は、マスタシリンダ1と増圧バルブ5aとの間の流通を
許容するが、通電オンの状態では、マスタシリンダ1と
増圧バルブ5aとの間の流通を停止するようになってい
る。そして、この電磁切換弁15は、ブレーキコントロ
ーラ17により所定の条件に基づいて切り換え制御され
る。なお、図において22は、リターンチェックバルブ
である。
【0022】また、電磁切換弁15と増圧バルブ5aと
の間の上流側第1流路3aと第4流路12との間を連通
する第5流路14が設けられていて、この第5流路14
の途中にはリリーフ弁16が設けられている。即ち、こ
のリリーフ弁16は、上流側第1流路3aにおける電磁
切換弁15の上流側と下流側の液圧を受圧していて、ブ
レーキペダル2の操作時はブレーキ液圧の受圧力で第5
流路を閉じた閉弁状態に維持されるが、ブレーキペダル
2の非操作時においては、液圧ポンプ9から増圧バルブ
5aに対する供給液圧が所定値以上になると開弁して液
圧を第4流路12側に逃がすようになっている。
【0023】尚、前記ブレーキコントローラ17には、
アンチスキッド制御を行なうABS制御部とトラクショ
ンコントロールを行なうTCS制御部を備えると共に、
車速センサ18からの車速信号および車輪速センサ19
からの車輪回転数信号が入力される。
【0024】次に、実施例の作用を説明する。 (a) 通常のブレーキ操作時 図2はブレーキコントローラ17が作動していない通常
のブレーキ状態を示すもので、この状態では、電磁切換
弁15が非作動(通電オフ)の状態で、マスタシリンダ
1と増圧バルブ5aとの間の流通が許容され、また、通
電オフにより常開の増圧バルブ5aが開いて常閉の減圧
バルブ5bが閉じた増圧作動状態となっており、従っ
て、この状態でブレーキペダル2を踏むと、マスタシリ
ンダ1で発生したブレーキ液圧が、第1流路3の増圧バ
ルブ5aを経由してホイールシリンダ4に伝達され、こ
れにより、ブレーキペダル2の踏力に応じた車輪の制動
が行なわれる。
【0025】なお、アシスト機構付逆止弁ARは、コイ
ル24eに対する通電が行なわれることで逆止弁23を
閉じるアシスト力を受け、これにより、第4流路12が
閉じられた状態に維持されている。
【0026】(b) アンチスキッド制御時 上述のようにブレーキペダル2を操作している時に、車
輪がロックしそうな状態となった時には、ブレーキコン
トローラ17のABS制御部においてアンチスキッド制
御を行う。即ち、ブレーキコントローラ17のABS制
御部では、車速センサ18で検出された車速と、車輪速
センサ19で検出された車輪回転数とから、タイヤのス
リップ状態が検出されると、増圧バルブ5aおよび減圧
バルブ5bを作動させて、そのスリップ量が所定の値に
低下するまでブレーキ液圧の減圧・保持・再増圧を行な
うもので、まず、減圧作動への切り換えが行なわれる。
【0027】即ち、この減圧作動時においては、通電を
オン状態とすることにより、増圧バルブ5aが閉じられ
て減圧バルブ5bが開かれるもので、これにより、ホイ
ールシリンダ4のブレーキ液が第2流路6の減圧バルブ
5bを経由してリザーバ7へドレーンされて減圧され、
車輪の制動力が低下してスリップ量を減少させることが
できる。
【0028】そして、リザーバ7ではその蓄液室7b内
にブレーキ液圧が流入することでスプリング7eの付勢
力に抗して摺動ピストン7dが大気圧室7c方向へ押圧
摺動されて蓄液室7bの容積が拡大され、この拡大され
た蓄液室7b内にホイールシリンダ4から排出されたブ
レーキ液が一旦蓄液される。一方、大気圧室7c方向へ
の摺動ピストン7dの摺動により、球弁7hによる第1
接続口7fの閉塞状態が解除された状態となるため、減
圧作動と同時に作動を開始する液圧ポンプ9により、蓄
液室7b内に蓄液されたブレーキ液が第2流路6を経由
して上流側第1流路3aに還流されるもので、最終的に
は摺動ピストン7dの上昇により第1接続口7fが球弁
7hによって再び閉塞された状態となる。
【0029】つまり、減圧作動時においては減圧バルブ
5bからリザーバ7を経由した液圧ポンプ9の吸入側へ
の流通を確保しつつ、イニシャル状態では液圧ポンプ9
の吸入側と減圧バルブ5bとの間を閉塞状態とするもの
で、これにより、液圧ポンプ9が気密性をなくしたピス
トンパッキング等を介して外気を吸入することによって
ホイールシリンダ4内に負圧を発生させるという不都合
な事態の発生を防止する差圧制御弁としての機能を発揮
させることができる。
【0030】なお、アンチスキッド制御時においては、
アシスト機構付逆止弁ARは、そのコイル24eに対す
る通電が行なわれることで逆止弁23を閉じるアシスト
力を受け、これにより、第4流路12が閉じられた状態
に維持されている。従って、ホイールシリンダ4の液圧
が負圧になっても、マスタシリンダ1の蓄液タンク11
内のブレーキ液を吸引することはなく、従って、正常な
減圧作動を確保することができる。
【0031】次に、以上のような減圧作動により、タイ
ヤのスリップ量が所定の値まで低下した場合には、増圧
バルブ5aおよび減圧バルブ5bを保持作動に切り換え
てホイールシリンダ4のブレーキ液圧を保持させ、ま
た、タイヤのスリップ量が所定の値以下に低下した場合
には、両バルブ5a,5bを増圧作動に切り換えてホイ
ールシリンダ4のブレーキ液圧の再増圧を行なう。
【0032】なお、この増圧作動時において、リザーバ
7のブレーキ液がなくなると、アシスト機構付逆止弁A
Rとリザーバ7との間が負圧になるが、前述のように、
アンチスキッド制御時においては、アシスト機構付逆止
弁ARにより第4流路12が閉じられた状態に維持され
ているため、マスタシリンダ1の蓄液タンク11内のブ
レーキ液を吸引することはない。
【0033】(c) トラクションコントロール時 車両の急発進時や急加速時等のようにエンジントルクの
急増によってタイヤのスリップ現象が生じると、ブレー
キコントローラ17のTCS制御部においてトラクショ
ンコントロールを行う。即ち、ブレーキコントローラ1
7のTCS制御部では、車速センサ18で検出された車
速と、車輪速センサ19で検出された車輪回転数とか
ら、タイヤのスリップ状態が検出されると、液圧ポンプ
9、電磁切換弁15、増圧バルブ5aおよび減圧バルブ
5bを作動させて、そのスリップ量が所定の値に低下す
るまでホイールシリンダ4のブレーキ液圧の増圧・保持
・減圧を行なって車輪の制動を行なう。
【0034】即ち、電磁切換弁15の通電をオン状態と
することにより、マスタシリンダ1と増圧バルブ5aと
の間の流通が停止される一方で、液圧ポンプ9の駆動に
より電磁切換弁15と増圧バルブ5aとの間の上流側第
1流路3aに液圧が供給される。そして、この時、アシ
スト機構付逆止弁ARはコイル24eに対する通電をオ
フとすることでアシスト力が解除され、これにより、通
常の逆止弁23としての機能を発揮できる状態となって
いる。従って、液圧ポンプ9の駆動によりその吸入側が
負圧となることから、マスタシリンダ1の蓄液タンク1
1のブレーキ液が第4流路12を経由して液圧ポンプ9
に供給される。
【0035】そこで、まず、増圧バルブ5aを開いて減
圧バルブ5bを閉じた増圧作動への切り換えが行なわれ
るもので、この増圧作動時においては、液圧ポンプ9で
発生した液圧が増圧バルブ5aを経由してホイールシリ
ンダ4に供給されることにより、ブレーキ操作がないに
も係らず、車輪の制動力が発生し、これにより、車輪の
回転速度を減少させてスリップ状態を解消させる方向に
制御される。
【0036】そして、液圧ポンプ9からの供給液圧が所
定の値を越えた時は、リリーフ弁16が作動して第5流
路14を開き、増圧バルブ5aへの供給液圧を第4流路
12側に逃がすようになっている。
【0037】次に、以上のような増圧作動により、タイ
ヤのスリップ量が所定の値まで低下した場合には、両バ
ルブ5a,5bを保持作動に切り換えてホイールシリン
ダ4のブレーキ液圧を保持させ、また、タイヤのスリッ
プ量が所定の値以下に低下した場合には、減圧作動に切
り換えてホイールシリンダ4のブレーキ液圧の再減圧を
行なう。
【0038】なお、減圧作動時におけるリザーバ7の作
動は前記アンチスキッド制御時における場合と同様であ
るため、その説明を省略する。
【0039】(d) 液圧制御弁の失陥時 この実施例では、第4流路12の途中に介装された逆止
弁23により、第4流路12が少なくとも蓄液タンク1
1方向においては常にその流路を閉じたクローズ回路状
態となっている。従って、増圧作動時であるにも係らず
ホイールシリンダ4とリザーバ7側との間が連通状態と
なるような減圧バルブ5bの失陥時においても、ホイー
ルシリンダ4の液圧を増圧して車輪の制動力を発生させ
ることができる。
【0040】以上説明してきたように、この実施例にあ
っては、以下に列挙する効果が得られる。 第4流路12の途中に介装された逆止弁23によ
り、トラクションコントロール時においては、液圧ポン
プ9の吸入側に対するマスタシリンダ1の蓄液タンク1
1からのブレーキ液の供給を可能としつつ、第4流路1
2を少なくとも蓄液タンク11方向においては常にその
流路を閉じたクローズ回路状態とすることができるた
め、増圧作動時であるにも係らずホイールシリンダ4と
リザーバ7側との間が連通状態となるような減圧バルブ
5bの失陥時においても、ホイールシリンダ4の液圧を
増圧して車輪の制動力を発生させることができるように
なる。
【0041】 ソレノイドアッセンブリ24によるア
シスト力で逆止弁23を閉じた状態に維持させることが
できるため、アンチスキッド制御時においては、蓄液タ
ンク11側からのブレーキ液の吸入を阻止することがで
きる。
【0042】 リザーバ7の摺動ピストン7dに、リ
ザーバ7の蓄液室7bを介して減圧バルブ5bと液圧ポ
ンプ9の吸入側とを連通する第1接続口7fを開閉する
球弁7hを組み込んだことことで、別に逆止弁を組み込
む場合に比べ、大きなコストアップやシステムの大型化
を招くことなく、アンチスキッド制御およびトラクショ
ンコントロールの減圧作動時におけるホイールシリンダ
4内の負圧発生を防止することができるようになるとい
う効果が得られる。
【0043】次に、図4に示すアシスト機構付逆止弁の
他の実施例について説明する。この実施例のアシスト機
構付逆止弁ARは、蓄液タンク11と液圧ポンプ9との
間を連通する第4流路12の途中に設けられたバルブシ
ート25aと、蓄液タンク11側からバルブシート25
aを開閉可能な状態に設けられたチェックボール25b
と、該チェックボール25bをバルブシート25aに当
接して第4流路12を閉じる方向に押圧付勢するスプリ
ング25cとで逆止弁25が構成されると共に、マスタ
シリンダ1で発生するブレーキ液圧を受圧することによ
って駆動し、前記チェックボール25bをバルブシート
25aに押圧固定するアシスト力を発生させるピストン
(駆動部材)26aと、該ピストン26aをブレーキ液
圧の非発生時には押し戻すスプリング26bとでアシス
ト機構26が構成されている。なお、図において26
c,26dはシール部材である。
【0044】従って、この実施例のアシスト機構付逆止
弁ARでは、ブレーキペダル2の非操作時、即ち、トラ
クションコントロール時を含む車輪の非制動時において
は、逆止弁25が正常に作動し、蓄液タンク11から液
圧ポンプ9方向への流通を許容するが、ブレーキペダル
2の操作時、即ちアンチスキッド制御時を含む車輪の制
動時においては、マスタシリンダ1で発生するブレーキ
液圧に基づいてアシスト力を発生させ、これにより、自
動的に第4流路12を閉じた状態に維持させることがで
きるようになるという効果が得られる。
【0045】以上、本発明の実施例を図面により説明し
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0046】例えば、実施例では、液圧制御弁を別体の
増圧バルブと減圧バルブとで構成させた場合を示した
が、増圧・保持・減圧の3つの切り換えポジションを有
する1つの液圧制御弁で構成させることもできる。
【0047】また、他の実施例では、駆動部材をピスト
ンで構成したが、ダイヤフラムやベローズ等で構成する
こともできる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のブレーキ
液圧制御装置にあっては、液圧制御弁とマスタシリンダ
間の第1流路にトラクションコントロール時に作動して
第1流路を遮断する常開のカット弁と、液圧制御弁の減
圧時にホイールシリンダから排出されるブレーキ液を第
2流路を介して貯留するリザーバと、第3流路を介して
リザーバに貯留されたブレーキ液を吸入加圧して液圧制
御弁とカット弁との間の第1流路に還流させる液圧ポン
プと、液圧ポンプの吸入側とマスタシリンダの蓄液タン
クとの間を連通する第4流路の途中に設けられていて蓄
液タンクから液圧ポンプ方向への流通のみを許容する逆
止弁と、を備え、前記逆止弁には第4流路を閉じた状態
に弁体を押圧固定可能なアシスト機構を備えている構成
としたことで、第4流路を少なくとも蓄液タンク方向に
おいて常に閉じたクローズ回路状態とすることができ、
これにより、増圧作動時であるにも係らずホイールシリ
ンダとリザーバ側との間が連通状態となるような液圧制
御弁の失陥時においても制動力を充分に発生させること
ができるようになるという効果が得られる。
【0049】また、請求項3記載のブレーキ液圧制御装
置では、アシスト機構をマスタシリンダで発生するブレ
ーキ液圧の受圧により駆動する駆動部材で構成すること
により、ブレーキ操作時においては自動的にアシスト力
を発生させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のブレーキ液圧制御装置におけるアシス
ト機構付逆止弁の詳細を示す拡大断面図である。
【図2】実施例のブレーキ液圧制御装置を示す全体図で
ある。
【図3】実施例のブレーキ液圧制御装置におけるリザー
バの詳細を示す拡大断面図である。
【図4】アシスト機構付逆止弁の他の実施例を示す拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 ブレーキペダル 3 第1流路 4 ホイールシリンダ 5a 増圧バルブ(液圧制御弁) 5b 減圧バルブ(液圧制御弁) 6 第2流路 7 リザーバ 8 第3流路 9 液圧ポンプ 11 蓄液タンク 12 第4流路 15 電磁切換弁(カット弁) 23 逆止弁 23a ポペット(弁体) 24 ソレノイドアッセンブリ(アシスト機構) 25a バルブシート 25b チェックボール(弁体) 25c スプリング 26 アシスト機構 26a ピストン(駆動部材) 26b スプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの操作によりブレーキ液
    圧を発生するマスタシリンダと、 第1流路を介してブレーキ液圧を受圧することで車輪の
    制動を行なうホイールシリンダと、 第1流路の途中に設けられていてホイールシリンダに入
    力されるブレーキ液圧の減圧・保持・増圧を行うべく所
    定の条件に基づいて開閉する液圧制御弁と、 液圧制御弁とマスタシリンダ間の第1流路にトラクショ
    ンコントロール時に作動して第1流路を遮断する常開の
    カット弁と、 液圧制御弁の減圧時にホイールシリンダから排出される
    ブレーキ液を第2流路を介して貯留するリザーバと、 第3流路を介してリザーバに貯留されたブレーキ液を吸
    入加圧して液圧制御弁とカット弁との間の第1流路に還
    流させる液圧ポンプと、 液圧ポンプの吸入側とマスタシリンダの蓄液タンクとの
    間を連通する第4流路の途中に設けられていて蓄液タン
    クから液圧ポンプ方向への流通のみを許容する逆止弁
    と、を備え、 前記逆止弁には第4流路を閉じた状態に弁体を押圧固定
    可能なアシスト機構を備えていることを特徴とするブレ
    ーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 アシスト機構がソレノイドで構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のブレーキ液圧制御
    装置。
  3. 【請求項3】 アシスト機構がマスタシリンダで発生す
    るブレーキ液圧の受圧により駆動する駆動部材で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ液圧
    制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016078753A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 本田技研工業株式会社 車両用ブレーキシステム
CN109305155A (zh) * 2018-10-17 2019-02-05 芜湖伯特利电子控制系统有限公司 可降低电控制动系统减压脉冲的油路
JP2020164119A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日信工業株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置

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CN109305155A (zh) * 2018-10-17 2019-02-05 芜湖伯特利电子控制系统有限公司 可降低电控制动系统减压脉冲的油路
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