JPH07313186A - 抗pivka−iiモノクロナ−ル抗体 - Google Patents
抗pivka−iiモノクロナ−ル抗体Info
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- JPH07313186A JPH07313186A JP2719293A JP2719293A JPH07313186A JP H07313186 A JPH07313186 A JP H07313186A JP 2719293 A JP2719293 A JP 2719293A JP 2719293 A JP2719293 A JP 2719293A JP H07313186 A JPH07313186 A JP H07313186A
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- antibody
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来のPIVKA-II測定試薬においては測定できな
かったPIVKA-IIを、新しいモノクローナル抗体を使用し
た免疫学的測定法により測定可能とする。 【構成】ヒト肝細胞培養細胞株が産生するPIVKA-IIを免
疫用抗原とすることにより、新しい抗PIVKA-IIモノクロ
ーナル抗体を作製する。本モノクローナル抗体を利用し
た免疫学的測定法により生物学的試料中のPIVKA-IIを測
定可能とする測定試薬。
かったPIVKA-IIを、新しいモノクローナル抗体を使用し
た免疫学的測定法により測定可能とする。 【構成】ヒト肝細胞培養細胞株が産生するPIVKA-IIを免
疫用抗原とすることにより、新しい抗PIVKA-IIモノクロ
ーナル抗体を作製する。本モノクローナル抗体を利用し
た免疫学的測定法により生物学的試料中のPIVKA-IIを測
定可能とする測定試薬。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人肝細胞培養細胞株が産
生するPIVKA-IIを抗原としその抗原と反応するモノクロ
−ナル抗体の作製とその抗体を用いて生物学的試料中の
PIVKA-IIを測定する測定試薬に関する。
生するPIVKA-IIを抗原としその抗原と反応するモノクロ
−ナル抗体の作製とその抗体を用いて生物学的試料中の
PIVKA-IIを測定する測定試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】PIVKA-IIはビタミンK 依存性血漿蛋白質
の一つであるプロトロンビンの前駆物質であって、アミ
ノ末端領域にある10個のグルタミン酸残基についてのγ
−カルボキシル化の程度が不完全なものを言う。当該カ
ルボキシル化の程度が完全なものを正常プロトロンビン
という。従って、PIVKA-IIとは正常プロトロンビンのγ
−カルボキシグルタミン酸残基についての脱カルボキシ
ル化体であるということもでき、PIVKA-IIという名称以
外に異常プロトロンビン(Abnormal prothrombin)と呼
ばれることもある。10個のグルタミン酸残基中いくつか
がγ−カルボキシル化を受けるかにより数種類のPIVKA-
IIが混在した状態で存在している。本発明は主として生
物学的試料中のPIVKA-IIの測定を目的としているので、
本発明におけるPIVKA-IIとは、特にことわらない限り、
数種類のPIVKA-IIの混在状態を言う。10個のグルタミン
酸残基についてのカルボキシル化の程度が完全なものを
正常プロトロンビンと言う。
の一つであるプロトロンビンの前駆物質であって、アミ
ノ末端領域にある10個のグルタミン酸残基についてのγ
−カルボキシル化の程度が不完全なものを言う。当該カ
ルボキシル化の程度が完全なものを正常プロトロンビン
という。従って、PIVKA-IIとは正常プロトロンビンのγ
−カルボキシグルタミン酸残基についての脱カルボキシ
ル化体であるということもでき、PIVKA-IIという名称以
外に異常プロトロンビン(Abnormal prothrombin)と呼
ばれることもある。10個のグルタミン酸残基中いくつか
がγ−カルボキシル化を受けるかにより数種類のPIVKA-
IIが混在した状態で存在している。本発明は主として生
物学的試料中のPIVKA-IIの測定を目的としているので、
本発明におけるPIVKA-IIとは、特にことわらない限り、
数種類のPIVKA-IIの混在状態を言う。10個のグルタミン
酸残基についてのカルボキシル化の程度が完全なものを
正常プロトロンビンと言う。
【0003】PIVKA-II測定の臨床的な有用性については、ビ
タミンK の不足状態あるいは抑制状態において当該γ−
カルボキシル化が不完全となり、その結果PIVKA-IIが血
液中に出現するので、ビタミンK の不足状態あるいは抑
制状態のマーカーとしてその測定は臨床上重要である。
PIVKA-IIとはProtein induced by vitamin K absence-I
I の略称であり、これは上記生理的観点に基づいて命名
されたものである。また最近では、肝細胞癌に伴って血
液中にPIVKA-IIが出現することが見いだされ、従来肝細
胞癌の良いマーカーとされているα−フェトプロテイン
が陰性の肝細胞癌患者においてもPIVKA-IIが高頻度に出
現することにより、α−フェトプロテインと同等の臨床
的な有用性が認められている。PIVKA-IIとビタミンK お
よび肝細胞癌との関連について参考のために下記文献1)
から3)を列挙する。 1)Motohara K. Kuroki Y. Kan H. Endo F. Mtsuda I.、
Detection of vitaminK deficiency by use of an enz
yme-linked immunosorbent assay for circulating ab
normal prothrombin. Pediatric Research.,19,354-7,
1985 . 2)Okuda H. Obata H. Nakanishi T. Furukawa R. Hashi
moto E., Production ofabnormal prothrombin (des-γ
-carboxyprothrombin)by hepatocellular carcinoma.,J
ournal Hepatology,4,357-63,1987 . 3)Hattori N. Ohmizo R. Unoura M. Tanaka N. Kobayas
hi K.,Abnormal prothrombin measurements in hepatoc
ellular carcionama., Journal of Tumor markeroncolo
gy,3,207-16,1988.
タミンK の不足状態あるいは抑制状態において当該γ−
カルボキシル化が不完全となり、その結果PIVKA-IIが血
液中に出現するので、ビタミンK の不足状態あるいは抑
制状態のマーカーとしてその測定は臨床上重要である。
PIVKA-IIとはProtein induced by vitamin K absence-I
I の略称であり、これは上記生理的観点に基づいて命名
されたものである。また最近では、肝細胞癌に伴って血
液中にPIVKA-IIが出現することが見いだされ、従来肝細
胞癌の良いマーカーとされているα−フェトプロテイン
が陰性の肝細胞癌患者においてもPIVKA-IIが高頻度に出
現することにより、α−フェトプロテインと同等の臨床
的な有用性が認められている。PIVKA-IIとビタミンK お
よび肝細胞癌との関連について参考のために下記文献1)
から3)を列挙する。 1)Motohara K. Kuroki Y. Kan H. Endo F. Mtsuda I.、
Detection of vitaminK deficiency by use of an enz
yme-linked immunosorbent assay for circulating ab
normal prothrombin. Pediatric Research.,19,354-7,
1985 . 2)Okuda H. Obata H. Nakanishi T. Furukawa R. Hashi
moto E., Production ofabnormal prothrombin (des-γ
-carboxyprothrombin)by hepatocellular carcinoma.,J
ournal Hepatology,4,357-63,1987 . 3)Hattori N. Ohmizo R. Unoura M. Tanaka N. Kobayas
hi K.,Abnormal prothrombin measurements in hepatoc
ellular carcionama., Journal of Tumor markeroncolo
gy,3,207-16,1988.
【0004】PIVKA-IIの測定方法としては、ポリクローナル
な抗PIVKA-II抗体を使用した競合ラジオイムノアッセイ
法(Blanchard R. et al. Acquired vitamin K-dependen
t carboxylation deficiency in liver disease. The N
ew England Journal ofMedicine.,305,242-8,1981) あ
るいは正常プロトロンビンを吸収後、残存するPIVKA-II
のトロンビン活性を測定する方法(Soulier J. et al.,
A new method toassay des-γ-carboxyprothrombin., G
astroenterology, 91:1258-62,1986)などが報告されて
いるが、いずれも材料の調製が繁雑であったり、測定系
が複雑であったりして多数の臨床検体を扱う臨床検査の
場においては実用的ではない。これらの方法に対して、
抗PIVKA-IIモノクローナル抗体を使用した特異的なPIVK
A-II測定方法(特開昭60-60557号)は非常に簡便であ
り、しかも正確に多数の検体が測定できるという特徴を
持っており、現在その方法を使用した測定試薬が唯一の
PIVKA-II測定診断薬として広く利用されている。
な抗PIVKA-II抗体を使用した競合ラジオイムノアッセイ
法(Blanchard R. et al. Acquired vitamin K-dependen
t carboxylation deficiency in liver disease. The N
ew England Journal ofMedicine.,305,242-8,1981) あ
るいは正常プロトロンビンを吸収後、残存するPIVKA-II
のトロンビン活性を測定する方法(Soulier J. et al.,
A new method toassay des-γ-carboxyprothrombin., G
astroenterology, 91:1258-62,1986)などが報告されて
いるが、いずれも材料の調製が繁雑であったり、測定系
が複雑であったりして多数の臨床検体を扱う臨床検査の
場においては実用的ではない。これらの方法に対して、
抗PIVKA-IIモノクローナル抗体を使用した特異的なPIVK
A-II測定方法(特開昭60-60557号)は非常に簡便であ
り、しかも正確に多数の検体が測定できるという特徴を
持っており、現在その方法を使用した測定試薬が唯一の
PIVKA-II測定診断薬として広く利用されている。
【0005】特開昭60ー60557号の抗PIVKA-IIモノクローナル
抗体は、ビタミンK拮抗剤を投与した患者の血漿中から
PIVKA-IIを精製し、それを免疫用抗原としてマウスに免
疫してPIVKA-IIに対するモノクローナル抗体を作製し
た。
抗体は、ビタミンK拮抗剤を投与した患者の血漿中から
PIVKA-IIを精製し、それを免疫用抗原としてマウスに免
疫してPIVKA-IIに対するモノクローナル抗体を作製し
た。
【0006】特開昭60ー60557号の抗PIVKA-IIモノクローナル
抗体を使用した特異的なPIVKA-II測定方法は非常に簡単
であり、しかも正確に多数の検体が測定できるという特
長を持っており、現在その方法を使用した測定試薬が唯
一のPIVKA-II測定診断薬として広く利用され、肝細胞癌
の診断および経過観察に使用されている。
抗体を使用した特異的なPIVKA-II測定方法は非常に簡単
であり、しかも正確に多数の検体が測定できるという特
長を持っており、現在その方法を使用した測定試薬が唯
一のPIVKA-II測定診断薬として広く利用され、肝細胞癌
の診断および経過観察に使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60ー60557号の抗
PIVKA-IIモノクローナル抗体を使用した特異的なPIVKA-
II測定方法によると、肝細胞癌の陽性率は52.9% であっ
た。(服部信、臨床と研究、65巻3 号249 〜258 頁1988
年)本発明者らは、特開昭60ー60557号で使用しているモ
ノクローナル抗体と特性の異なる抗体を作製し、測定試
薬を構成することにより肝細胞癌での陽性率を上昇させ
ることを目的に検討し、本発明を完成した。
PIVKA-IIモノクローナル抗体を使用した特異的なPIVKA-
II測定方法によると、肝細胞癌の陽性率は52.9% であっ
た。(服部信、臨床と研究、65巻3 号249 〜258 頁1988
年)本発明者らは、特開昭60ー60557号で使用しているモ
ノクローナル抗体と特性の異なる抗体を作製し、測定試
薬を構成することにより肝細胞癌での陽性率を上昇させ
ることを目的に検討し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、モノクローナ
ル抗体を作製するための免疫用抗原であるPIVKA-IIを従
来のごとくビタミンK拮抗剤投与患者血中から精製する
のではなく人肝細胞培養細胞株から得ることにある。す
でにこの人肝細胞培養株がPIVKA-IIを産生することは報
告されている(奥田博明、肝胆膵第14巻第5 号1987年5
月759 〜766 頁)
ル抗体を作製するための免疫用抗原であるPIVKA-IIを従
来のごとくビタミンK拮抗剤投与患者血中から精製する
のではなく人肝細胞培養細胞株から得ることにある。す
でにこの人肝細胞培養株がPIVKA-IIを産生することは報
告されている(奥田博明、肝胆膵第14巻第5 号1987年5
月759 〜766 頁)
【0009】人肝細胞培養細胞株からPIVKA-IIを精製しこれ
を免疫源としてマウスに投与し常法に順じマウス脾臓細
胞とマウスミエロ−マ細胞とを細胞融合させ、プロトロ
ンビンと反応せずPIVKA-IIとのみ特異的に反応するモノ
クロ−ナル抗体を産生するハイブリドーマクロ−ンを確
立する。また、確立したハイブリドーマクローンをマウ
ス腹腔内に投与することにより腹水を得、腹水よりIgG
を精製する。得られたIgG を第一抗体に、第二抗体に抗
プロトロンビン抗体の二抗体法免疫測定法により生体試
料中のPIVKA-IIを測定する。
を免疫源としてマウスに投与し常法に順じマウス脾臓細
胞とマウスミエロ−マ細胞とを細胞融合させ、プロトロ
ンビンと反応せずPIVKA-IIとのみ特異的に反応するモノ
クロ−ナル抗体を産生するハイブリドーマクロ−ンを確
立する。また、確立したハイブリドーマクローンをマウ
ス腹腔内に投与することにより腹水を得、腹水よりIgG
を精製する。得られたIgG を第一抗体に、第二抗体に抗
プロトロンビン抗体の二抗体法免疫測定法により生体試
料中のPIVKA-IIを測定する。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。モノクローナ
ル抗体の作製のための免疫用抗原であるPIVKA-IIの精製
はPIVKA-II産生人肝培養細胞株の培養上清を硫安塩析、
DEAE-Sephacel 、Heparin-Sepharose 、Blue-Sepharos
e、Ultrogel AcA44のゲル濾過およびプロトロンビンア
フィニテイ −カラムにて得た。
ル抗体の作製のための免疫用抗原であるPIVKA-IIの精製
はPIVKA-II産生人肝培養細胞株の培養上清を硫安塩析、
DEAE-Sephacel 、Heparin-Sepharose 、Blue-Sepharos
e、Ultrogel AcA44のゲル濾過およびプロトロンビンア
フィニテイ −カラムにて得た。
【0011】抗PIVKA-IIモノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマ細胞の作製は、精製PIVKA-IIをマウスに免疫しその
脾臓細胞を採取し、Koehler G.等の方法(Koehler G.Mil
stein C.,Deviation of specific antibody-producting
culture and tumor lines by cell fusion., Eur. J.
Immunol.,6,511-9,1976)によりミエローマ細胞株P3U1と
細胞融合、クローニングを行い、プロトロンビンと反応
せず免疫用抗原PIVKA-IIとのみ反応する抗 PIVKA-II抗
体産生ハイブリドーマ細胞株を確立した。
ーマ細胞の作製は、精製PIVKA-IIをマウスに免疫しその
脾臓細胞を採取し、Koehler G.等の方法(Koehler G.Mil
stein C.,Deviation of specific antibody-producting
culture and tumor lines by cell fusion., Eur. J.
Immunol.,6,511-9,1976)によりミエローマ細胞株P3U1と
細胞融合、クローニングを行い、プロトロンビンと反応
せず免疫用抗原PIVKA-IIとのみ反応する抗 PIVKA-II抗
体産生ハイブリドーマ細胞株を確立した。
【0012】抗PIVKA-II抗体産生ハイブリドーマ細胞株をマ
ウスに投与し、腹水を得た後、腹水よりProtein A にて
IgG を精製する。
ウスに投与し、腹水を得た後、腹水よりProtein A にて
IgG を精製する。
【0013】本発明によるPIVKA-II測定法は、酵素免疫測定
法、ラジオイムノアッセイ法あるいはその他の測定法に
よる二抗体サンドイッチ法を原理とし抗体としては、第
一抗体に抗PIVKA-IIモノクローナル抗体を使用し、第二
抗体にはPIVKA-IIとプロトロンビンの共通抗原に対する
抗体(抗プロトロンビン抗体と呼ぶ)を使用して生体試
料中のPIVKA-IIを測定する。
法、ラジオイムノアッセイ法あるいはその他の測定法に
よる二抗体サンドイッチ法を原理とし抗体としては、第
一抗体に抗PIVKA-IIモノクローナル抗体を使用し、第二
抗体にはPIVKA-IIとプロトロンビンの共通抗原に対する
抗体(抗プロトロンビン抗体と呼ぶ)を使用して生体試
料中のPIVKA-IIを測定する。
【0014】次に本発明における二抗体サンドイッチ法を利
用する測定法は例えば次のように実施される。なお、こ
こでは酵素免疫測定法の場合を示すが、ラジオイムノア
ッセイ法あるいはその他の方法においても本発明が使用
できることは言うまでもない。本発明測定試薬の具体的
態様を示せば次の如くになる。すなわち、本発明測定試
薬はヒトトロンビンと反応する抗体を含まない抗ヒトプ
ロトロンビン抗体を必須の構成成分とし、モノクローナ
ル抗PIVKA-II抗体(単独または固相化したもの)、標準
抗原、酵素及び基質よりなる群より任意に選択したもの
を組み合わせたもののセットである。ここにおいて、セ
ット中に固相が含まれる場合に当該固相がモノクローナ
ル抗PIVKA-II抗体によってコートされた状態で提供され
ること、あるいはセット中に抗ヒトプロトロンビン抗体
と酵素とが含まれる場合に、両者がコンジュゲートした
状態で提供されることは自由であり、これらも同様に本
発明測定試薬の態様に含まれる。また測定の実施の便益
のために適当なる抗原希釈液、反応希釈液、基質溶解
液、反応停止液等がセット中に添付されることも自由で
あり、これらは本発明を限定するものではない。測定は
抗PIVKA-IIモノクローナル抗体コート固相体に標準抗原
または被検生物学的試料(血液、血漿または血清)を加
えてインキュベートする。固相体を洗浄後、酵素標識抗
プロトロンビン抗体(トロンビンと反応しない)を加え
て再びインキュベートし、洗浄し、最後に基質を加えて
インキュベート後、基質の分解量を分光光度計を用いて
測定する。後記実施例によって示されるごとく、本発明
測定試薬によってはじめて従来の測定感度の30倍の感度
でのPIVKA-II測定が可能となる。
用する測定法は例えば次のように実施される。なお、こ
こでは酵素免疫測定法の場合を示すが、ラジオイムノア
ッセイ法あるいはその他の方法においても本発明が使用
できることは言うまでもない。本発明測定試薬の具体的
態様を示せば次の如くになる。すなわち、本発明測定試
薬はヒトトロンビンと反応する抗体を含まない抗ヒトプ
ロトロンビン抗体を必須の構成成分とし、モノクローナ
ル抗PIVKA-II抗体(単独または固相化したもの)、標準
抗原、酵素及び基質よりなる群より任意に選択したもの
を組み合わせたもののセットである。ここにおいて、セ
ット中に固相が含まれる場合に当該固相がモノクローナ
ル抗PIVKA-II抗体によってコートされた状態で提供され
ること、あるいはセット中に抗ヒトプロトロンビン抗体
と酵素とが含まれる場合に、両者がコンジュゲートした
状態で提供されることは自由であり、これらも同様に本
発明測定試薬の態様に含まれる。また測定の実施の便益
のために適当なる抗原希釈液、反応希釈液、基質溶解
液、反応停止液等がセット中に添付されることも自由で
あり、これらは本発明を限定するものではない。測定は
抗PIVKA-IIモノクローナル抗体コート固相体に標準抗原
または被検生物学的試料(血液、血漿または血清)を加
えてインキュベートする。固相体を洗浄後、酵素標識抗
プロトロンビン抗体(トロンビンと反応しない)を加え
て再びインキュベートし、洗浄し、最後に基質を加えて
インキュベート後、基質の分解量を分光光度計を用いて
測定する。後記実施例によって示されるごとく、本発明
測定試薬によってはじめて従来の測定感度の30倍の感度
でのPIVKA-II測定が可能となる。
【0015】
【発明の効果】本モノクローナル抗体及びそれを用いた
PIVKA-II測定試薬で測定することにより、従来のPIVKA-
II測定試薬で測定できなかったPIVKA-II抗原が30倍の測
定感度で測定可能となる。
PIVKA-II測定試薬で測定することにより、従来のPIVKA-
II測定試薬で測定できなかったPIVKA-II抗原が30倍の測
定感度で測定可能となる。
【0016】
【実施例】以下に記載する実施例をもって本発明の効果
を更に具体的に説明する。 実施例1 人肝細胞培養株の細胞培養とPIVKA-IIの精製 人肝細胞の培養細胞株をワルファリンカリウム10ug/ml
を含むMEM 培地で培養しその上清を採取する。培養上清
中のPIVKA-IIの精製は、40リットルの培養上清に4M飽和
硫安を等量加え、2 時間撹拌後遠心分離した。沈澱物を
0.1Mリン酸緩衝液で溶解し透析した。DEAE-Sephacel に
て0M〜0.6M NaCl 分画を行い、PIVKA-II画分を集め透析
後Heparin-Sepharose およびBlue-Sepharoseに通す。Ul
trogel AcA44にてゲル濾過およびプロトロンビンアフィ
ニテイ −カラムでPIVKA-IIを作製した。その最終回収率
は、10% であった。
を更に具体的に説明する。 実施例1 人肝細胞培養株の細胞培養とPIVKA-IIの精製 人肝細胞の培養細胞株をワルファリンカリウム10ug/ml
を含むMEM 培地で培養しその上清を採取する。培養上清
中のPIVKA-IIの精製は、40リットルの培養上清に4M飽和
硫安を等量加え、2 時間撹拌後遠心分離した。沈澱物を
0.1Mリン酸緩衝液で溶解し透析した。DEAE-Sephacel に
て0M〜0.6M NaCl 分画を行い、PIVKA-II画分を集め透析
後Heparin-Sepharose およびBlue-Sepharoseに通す。Ul
trogel AcA44にてゲル濾過およびプロトロンビンアフィ
ニテイ −カラムでPIVKA-IIを作製した。その最終回収率
は、10% であった。
【0017】実施例2 抗PIVKA-IIモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞
株の確立 精製PIVKA-IIをマウスに12.5ug/ 匹で5 回免疫をし、そ
の脾臓細胞を採取して、Koehler G.等の方法(Koehler
G. Milstein C. Deviation of specific antibody pro
ducting culture and tumor lines by cell fusion., E
ur. J. Immunol.,6, 511-9,1976)によりミエローマ細胞
株P3U1と細胞融合し、限界希釈法により3 クローニング
を行い、プロトロンビンと反応せず免疫用抗原であるPI
VKA-IIとのみ反応する抗PIVKA-IIモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマP19B7 を細胞株として確立した。
株の確立 精製PIVKA-IIをマウスに12.5ug/ 匹で5 回免疫をし、そ
の脾臓細胞を採取して、Koehler G.等の方法(Koehler
G. Milstein C. Deviation of specific antibody pro
ducting culture and tumor lines by cell fusion., E
ur. J. Immunol.,6, 511-9,1976)によりミエローマ細胞
株P3U1と細胞融合し、限界希釈法により3 クローニング
を行い、プロトロンビンと反応せず免疫用抗原であるPI
VKA-IIとのみ反応する抗PIVKA-IIモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマP19B7 を細胞株として確立した。
【0018】実施例3 測定法 抗PIVKA-IIモノクローナル抗体をエンザイムイムノアッ
セイ用マルチプレ−トへの固相化する方法は特開昭60-6
0557記載の常法により行う。このようにして得られた抗
PIVKA-IIモノクロ−ナル抗体コ−ト固相に1 ウエル当り
被検検体100ulを注入し、4 ℃で一夜間インキュベ−ト
する。0.05M トリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.05%Tween20)
で 3回洗浄後抗プロトロンビン抗体に酵素を標識した酵
素標識抗体を100ul を加えて4 ℃で1 時間インキュベ−
トする。0.05M トリス−塩酸緩衝液pH7.5 (0.05%Tween2
0)で3 回洗浄後、 ABTS 溶液100ul を加えて60分静置
し、2mM アジ化ナトリウム100ul を加えて反応を停止し
て分光光度計により波長405nm の吸光度を測定する。こ
の方法により測定した標準曲線を図1に示す。健常人8
例を測定したところ0.002AU/ml以下であったのでこの測
定試薬の検出限界は0.002AU/mlである(図2)。
セイ用マルチプレ−トへの固相化する方法は特開昭60-6
0557記載の常法により行う。このようにして得られた抗
PIVKA-IIモノクロ−ナル抗体コ−ト固相に1 ウエル当り
被検検体100ulを注入し、4 ℃で一夜間インキュベ−ト
する。0.05M トリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.05%Tween20)
で 3回洗浄後抗プロトロンビン抗体に酵素を標識した酵
素標識抗体を100ul を加えて4 ℃で1 時間インキュベ−
トする。0.05M トリス−塩酸緩衝液pH7.5 (0.05%Tween2
0)で3 回洗浄後、 ABTS 溶液100ul を加えて60分静置
し、2mM アジ化ナトリウム100ul を加えて反応を停止し
て分光光度計により波長405nm の吸光度を測定する。こ
の方法により測定した標準曲線を図1に示す。健常人8
例を測定したところ0.002AU/ml以下であったのでこの測
定試薬の検出限界は0.002AU/mlである(図2)。
【図1】
【図2】
【0019】実施例4 得られたモノクローナル抗体の特性 モノクローナル抗体をマイクロカップに固相化し、実施
例3 記載の方法に従いPIVKA-II陽性血漿を利用してモノ
クローナル抗体の特性比較を行った。結果を図3に示
す。本発明により得られたモノクローナル抗体は特開昭
60-605575 号記載のモノクローナル抗体に比べ活性が10
倍高い。
例3 記載の方法に従いPIVKA-II陽性血漿を利用してモノ
クローナル抗体の特性比較を行った。結果を図3に示
す。本発明により得られたモノクローナル抗体は特開昭
60-605575 号記載のモノクローナル抗体に比べ活性が10
倍高い。
【図3】
【0020】実施例5 肝疾患患者血清中のPIVKA-IIの測定 肝疾患患者214 人より得られた血清を特開昭60-605575
号記載のモノクローナル抗体を使用したPIVKA-II測定試
薬と本測定試薬により、PIVKA-II測定値を比較した。そ
の結果を図2に示す。本発明によるモノクローナル抗体
は、従来のPIVKA-II測定試薬で測定できなかったPIVKA-
IIが測定でき、陽性率は28.3%上昇した(表-1)。また
従来のPIVKA-II測定試薬とはr2=0.252と相関しなかった
(図4)。
号記載のモノクローナル抗体を使用したPIVKA-II測定試
薬と本測定試薬により、PIVKA-II測定値を比較した。そ
の結果を図2に示す。本発明によるモノクローナル抗体
は、従来のPIVKA-II測定試薬で測定できなかったPIVKA-
IIが測定でき、陽性率は28.3%上昇した(表-1)。また
従来のPIVKA-II測定試薬とはr2=0.252と相関しなかった
(図4)。
【図4】
【表1】
【0021】このように、ヒト肝細胞培養細胞株が産生する
PIVKA-IIを用いて抗PIVKA-IIモノクローナル抗体の作成
ができた。また、特開昭60-605575 号の抗PIVKA-IIモノ
クローナル抗体に比較して反応性が約30倍高く、従来の
PIVKA-II測定試薬で測定されなかったPIVKA-IIがこの抗
体により測定可能となった。
PIVKA-IIを用いて抗PIVKA-IIモノクローナル抗体の作成
ができた。また、特開昭60-605575 号の抗PIVKA-IIモノ
クローナル抗体に比較して反応性が約30倍高く、従来の
PIVKA-II測定試薬で測定されなかったPIVKA-IIがこの抗
体により測定可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により作製したモノクローナル抗体を使
用した測定試薬の標準曲線
用した測定試薬の標準曲線
【図2】肝疾患患者検体中のPIVKA-IIの測定分布図
【図3】モノクローナル抗体間の活性比較
【図4】特開昭60-605575 合記載のモノクローナル抗体
を使用した測定試薬及び本発明によるPIVKA-II測定試薬
間のPIVKA-II測定値の相関
を使用した測定試薬及び本発明によるPIVKA-II測定試薬
間のPIVKA-II測定値の相関
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (5)
- 【請求項1】人肝細胞培養細胞株より精製したPIVKA-II
を抗原として作製した抗PIVKA-IIモノクロ−ナル抗体。 - 【請求項2】人肝細胞培養細胞株がPLC/PRF/5 、huH-1
、huH-2 、HepG2 またはHep3B である請求項1記載の
モノクロ−ナル抗体。 - 【請求項3】人肝細胞培養細胞株より精製したPIVKA-II
を抗原として作製した抗PIVKA-IIモノクロ−ナル抗体を
産生するハイブリド−マ。 - 【請求項4】ハイブリド−マが P19B7である請求項3記
載のハイブリド−マ。 - 【請求項5】生体試料中のPIVKA-IIの免疫化学的測定法
において、請求項1記載の抗PIVKA-IIモノクロ−ナル抗
体を用いることを特徴とするPIVKA-IIの測定試薬。
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---|---|---|---|
JP2719293A JP3121166B2 (ja) | 1993-01-25 | 1993-01-25 | 抗pivka−iiモノクロナ−ル抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2719293A JP3121166B2 (ja) | 1993-01-25 | 1993-01-25 | 抗pivka−iiモノクロナ−ル抗体 |
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---|---|
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JP3121166B2 JP3121166B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=12214227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2719293A Expired - Lifetime JP3121166B2 (ja) | 1993-01-25 | 1993-01-25 | 抗pivka−iiモノクロナ−ル抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3121166B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001044810A1 (fr) * | 1999-12-14 | 2001-06-21 | Sanko Junyaku Co., Ltd. | Procede de criblage immunologique du pivka-ii |
JP2013541936A (ja) * | 2010-07-26 | 2013-11-21 | アボット・ラボラトリーズ | Pivka−iiに関する抗体およびその使用 |
CN107102135A (zh) * | 2011-05-20 | 2017-08-29 | 阿波特日本有限公司 | 用于减少非特异性结合的免疫检验方法和试剂 |
WO2021107105A1 (ja) | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 積水メディカル株式会社 | 免疫反応を利用したアナライトの測定方法及び測定試薬 |
CN114634576A (zh) * | 2021-05-26 | 2022-06-17 | 中元汇吉生物技术股份有限公司 | 抗pivka-ii单克隆抗体及其应用 |
-
1993
- 1993-01-25 JP JP2719293A patent/JP3121166B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001044810A1 (fr) * | 1999-12-14 | 2001-06-21 | Sanko Junyaku Co., Ltd. | Procede de criblage immunologique du pivka-ii |
US6893831B1 (en) | 1999-12-14 | 2005-05-17 | Sanko Junyaku Co., Ltd. | Immunoassay of PIVKA-II |
JP2013541936A (ja) * | 2010-07-26 | 2013-11-21 | アボット・ラボラトリーズ | Pivka−iiに関する抗体およびその使用 |
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WO2021107105A1 (ja) | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 積水メディカル株式会社 | 免疫反応を利用したアナライトの測定方法及び測定試薬 |
CN114634576A (zh) * | 2021-05-26 | 2022-06-17 | 中元汇吉生物技术股份有限公司 | 抗pivka-ii单克隆抗体及其应用 |
CN114634576B (zh) * | 2021-05-26 | 2023-07-25 | 中元汇吉生物技术股份有限公司 | 抗pivka-ii单克隆抗体及其应用 |
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---|---|
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