JPH0677017B2 - ヒト▲iv▼型コラーゲンのサンドイツチ酵素免疫学的定量法 - Google Patents

ヒト▲iv▼型コラーゲンのサンドイツチ酵素免疫学的定量法

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JPH0677017B2
JPH0677017B2 JP1036111A JP3611189A JPH0677017B2 JP H0677017 B2 JPH0677017 B2 JP H0677017B2 JP 1036111 A JP1036111 A JP 1036111A JP 3611189 A JP3611189 A JP 3611189A JP H0677017 B2 JPH0677017 B2 JP H0677017B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、肝臓疾患を簡易に診断するのに有用なヒトIV
型コラーゲンペプチドの酵素免疫学的定量法に関するも
のである。
さらに詳しく言えば、本発明は、ヒトIV型コラーゲンに
対するモノクローナル抗体を用いた1段階サンドイッチ
法に基づく酵素免疫学的定量法によるヒトIV型コラーゲ
ンの定量法を提供するものである。
〔背景技術〕
従来、血中ヒトIII型プロコラーゲンN末端ペプチド、
ヒトIV型コラーゲンN末端ペプチド7-Sドメインおよび
同、C末端ペプチドNC1ドメインの各ポリクローナル抗
体を用いて放射性免疫学的測定を行ったという報告はな
されている(Rohdeら、Eur. J. Clin. Invest.,,451
〜459,1979、Hgemannら、Clin. Chim. Acta,1441〜
10,1984、Schuppanら、J. Clin. Invest.,78,244〜248,
1986)。
しかしながら、従来知られている上記の如きヒトIV型コ
ラーゲンの定量法は、いずれも、ヒト胎盤からのIV型コ
ラーゲン7-Sドメインに関するポリクローナル抗体ある
いはヒト胎盤からのヒトIV型コラーゲンNC−1ドメイン
に関するポリクローナル抗体を用いるものであり、定量
精度は、極めて正確性に欠け、したがって、これらの定
量方法によって得られる定量結果は、肝疾患の診断等に
用いるにしても、充分なものではなかった。
本発明者らは、ヒトIV型コラーゲンを特異的に定量する
方法に関し、種々研究した結果、本発明によりペプシン
可溶化ヒトIV型コラーゲンに対するモノクローナル抗体
を用い、1段階サンドイッチ法に基づく酵素免疫学的定
量法により、少量の試料で、良好な精度で迅速に測定し
得るヒトIV型コラーゲンペプチドの定量法を提供するこ
とに成功した。従来知られているサンドイッチ法、すな
わち、固相化担体と試料中の抗原との反応(第1反
応)、次いで、固相化担体‐抗原複合体と酵素標識抗体
との反応(第2反応)、さらに酵素基質による発色反応
(第3反応)と、発色反応までに2段階の免疫反応を必
要とするサンドイッチ法にくらべ、本発明方法において
は、第1反応と第2反応を同時に行う1段階サンドイッ
チ法によるため、より高い精度で、短時間で、多数の検
体の測定を簡易に行うことができる。
〔発明の開示〕
本発明は、以下に詳述するとおりの1段階サンドイッチ
法に基づく酵素免疫学的定量法によるヒト血中のヒトIV
型コラーゲンの定量用試薬を提供するものである。
本発明のヒトIV型コラーゲンの定量法は、下記の特徴的
構成を有する。
(a)ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンと特異的に反
応する抗ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンモノクロー
ナル抗体に酵素標識を付与した酵素標識抗体を緩衝液に
溶解し、この酵素標識抗体の緩衝液溶液を用いて測定対
象試料を希釈して得られる試料希釈液と (b)上記(a)におけるモノクローナル抗体とは異な
る部位を認識する別の抗ペプシン可溶化ヒトIV型コラー
ゲンモノクローナル抗体を固相担体に結合させた抗体結
合固相担体 とを用い、上記(a)の試料希釈液中に、上記(b)の
抗体結合固相担体を混和し、上記測定対象試料中に存在
するヒトIV型コラーゲンと上記の酵素標識抗体ならびに
上記の固相担体に結合している抗体との間において免疫
反応を行わしめた後、固相担体を分別し、その固相担体
の酵素活性を測定することにより測定対象試料中に存在
するヒトIV型コラーゲンを定量する方法。
本発明の定量法において、使用する上記の酵素標識を付
与するモノクローナル抗体としては、抗体含有物を硫安
分画後、DEAE-SephacelおよびプロテインAアフィニテ
ィカラムにより精製したIgG画分が用いられる。
本発明方法において使用するモノクローナル抗体につい
ては、それら抗体における特異的結合部分F(a
b′)、あるいはFab′そのものを使用する態様も含ま
れるものである。
添付の第2図および第5図にみられように本発明の定量
法を用いて測定した肝疾患患者血清中のヒトIV型コラー
ゲンペプチドの濃度の測定値は、健常人血清中のそれよ
りも有意に高いことが認められ、そして、本発明の定量
法を用いて、血中ヒトIV型コラーゲンペプチドの濃度を
測定することにより、患者に負担のかかるバイオプシー
を実施することなく、肝疾患、特に肝線維化、肝癌およ
び消化器肝転移癌の予知に貢献することができる。
従来の肝機能判定法として使用されているZTT(硫酸亜
鉛混濁反応)、GOT(グルタミンオギザロ酢酸トランス
アミナーゼ)、GPT(グルタミンピルビン酸トランスア
ミナーゼ)、ALP(アルカリ性フォスファターゼ)、LDH
(乳酸脱水素酵素)およびγ−GTP(γ−グルタミルト
ランスペプチダーゼ)などによる測定では、肝組織の線
維化、肝癌および消化器肝転移癌を判定するまでの精度
は得られず、このことは、本発明者らによって確認され
ている。したがって、本発明者らが先に報告した血中ヒ
トプロリン水酸化酵素濃度の測定(特開昭61-202162号
公報参照)と本発明の定量法とをあわせて用いることに
より血中の、ヒトIV型コラーゲンペプチドの濃度を正確
に測定することができ、上記の諸疾患の早期発見が可能
となる。
本発明の定量法により、ヒトIV型コラーゲンペプチドの
濃度測定に基づく肝組織線維化、肝癌および消化器肝転
移癌の診断を行うことができるので、本発明は著しい有
用性を有するものである。以下、実施例により本発明を
具体的に説明する。ただし本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
実施例1 抗ヒトIV型コラーゲンペプチドモノクローナル抗体の作
製 (a)抗原‐ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンの調製 ヒト胎盤を材料としてArtery,7,262〜280(1980)に記
載のMayneらの方法に従い0.5N酢酸でホモゲナイズし、
ペプシン消化(1mg/ml)でコラーゲンを可溶化後、最終
濃度2Mとなるように塩化ナトリウムを加えコラーゲンを
析出させた。これを0.5N酢酸に溶解し0.7M塩化ナトリウ
ム含有0.5N酢酸溶液で透析することによりI、III型コ
ラーゲンを析出させ、その上清を1.2M塩化ナトリウム含
有0.5N酢酸溶液で透析し、IV、V型コラーゲンを析出さ
せた。IV、V型コラーゲン画分を0.5M塩化ナトリウム含
有50mMトリス‐塩酸緩衝液(pH7.4)に溶解させ、2.2M
塩化ナトリウム含有50mMトリス‐塩酸緩衝液(pH7.4)
でIV型コラーゲンを析出させ、V型コラーゲンと分別し
た。得られたIV型の純度をBiochem. Biophys. Res. Com
mun.,72,1472〜1480(1976)記載のSykesらの方法に従
いドデシル硫酸ナトリウム‐ポリアクリルアミドゲル電
気泳動(SDS-PAGE)で調べたところ約95%であった。
なお、その際174KD、135KD、108KD、92KD、78KD、68K
D、60KD、56KD、43KD、34KDおよび29.5KD(メルカプト
エタノール存在下)の11個の異なるバンドが検出され
た。
(b)抗体産生細胞の調製 ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲン100μgを完全フロ
インドアジュバンドと共に8週令のBALB/c雌マウス2匹
に初回腹腔内投与した。2回目以降は0.5M塩化ナトリウ
ム含有50mMトリス‐塩酸緩衝液(pH7.4)に溶解させた
抗原100μgを2〜4週間毎に、2〜4回BALB/c雌マウ
スに追加免疫した。最終免疫として脾臓摘出3日前に静
脈内投与し脾細胞を調製した。
(c)細胞融合 以下の材料および方法を用いる。
RPMI 1640培地:RPMI 1640(Difco Laboratories製)
に重炭酸ナトリウム(12mM)、ピルビン酸ナトリウム
(1mM)、L-グルタミン(2mM)、ペニシリンGカリウム
(50u/ml)、硫酸ストレプトマイシン(50μg/ml)、お
よび硫酸アミカシン(100μg/ml)を加え、ドライアイ
スでpHを7.2にし、0.2μm Toyoメンブレンフィルター
で除菌濾過する。
NS-1培地:上記RPMI 1640培地に除菌濾過した仔牛胎児
血清(M.A. Bioproducts製)を15%(v/v)の濃度に加
える。
HAT培地:上記のNS-1培地にさらにヒポキサンチン(100
μM)、アミノプテリン(0.4μM)、およびチミジン
(16μM)を加える。
HT培地:アミノプテリンを除去した以外は上記HAT培地
と同一組成のものである。
PEG4,000溶液:RPMI 1640培地のポリエチレングリコー
ル4,000(PEG4,000,Merck & Co. Inc.製)50%(w/w)
無血清溶液を調製する。
8-アザグアニン耐性ミエローマ細胞NS-1(P3-NS1-1)と
の融合はSelected Method in Cellular Immunology(e
d. B.B. Mishell and S.M. Shiigi)、W.H. Freeman an
d Company(1980),351〜372に記載のOiらの方法を若干
改変して行った。前記(b)で調製した有核脾臓細胞
(生細胞率95%)とミエローマ細胞(生細胞率95%)と
を5〜6:1の割合で融合する。脾臓細胞とミエローマ細
胞とを別々に前記のRPMI 1640培地で洗浄する。次に同
じ培地にけん濁し、融合させるため上記の割合で混合す
る。容量50mlの円錐形スチロール樹脂製試験管(Iwaki
Glass製)を用い、40mlのRPMI 1640培地中400×g、10
分間遠心し、上清を完全に吸出する。沈殿細胞に37℃加
温PEG4,000溶液1mlを穏やかに攪拌しながら1分間で滴
下し、さらに1分間攪拌し細胞を再けん濁、分散させ
る。次に37℃加温RPMI 1640培地1mlを1分間で滴下す
る。この操作をさらに1回繰返した後、同培地7mlを2
〜3分間で常に攪拌しながら滴下し細胞を分散させる。
これを400×g、10分間遠心分離し、上清を完全に吸引
除去する。次にこの沈殿細胞に37℃加温NS-1培地10mlを
すみやかに加え、細胞の大きい塊りを10mlのピペットを
用いて注意深くピペッティングして分散する。さらに同
培地20mlを加えて希釈し、ポリスチレン製96穴マイクロ
ウエル(Iwaki Glass製)にウエル当り5.9×105個/0.1m
lの細胞をまき込む。なおこの時使用した96穴マイクロ
ウエルの前処理として0.2mlのNS-1培地を加え、炭酸ガ
ス培養器中(37℃)で一晩保温し、使用時に培地を吸引
除去する。細胞融合完了したマイクロウエルを7%炭酸
ガス/93%空気中で温度37℃、湿度100%下にインキュベ
ートする。
(d)選択培地によるハイブリドーマの選択的増殖 培養1日目にパスツールピペットでHAT培地2滴(約0.1
ml)を加える。2、3、5、8、11日目に培地の半分
(0.1ml)を新しいHAT培地で置き換える。14日目にHT培
地に切換え以降3〜4日毎に同操作を繰り返す。通常2
〜3週間で充分なハイブリドーマの生育が観察される。
ハイブリドーマ生育全ウエルについて次項(e)記載の
固相‐抗体結合テスト(ELISA)法により陽性ウエルを
チェックする。次にフィーダーとして107個のマウス胸
腺細胞を含むHT培地1mlをポリスチレン製24穴セルウエ
ル(Iwaki Glass製)に加えたものを用い、上記で検出
された各陽性ハイブリドーマの全内容物を移す。これを
前記(c)におけると同様に7%炭酸ガス存在下、37℃
で約1週間インキュベートする。その間1〜2回各ウエ
ルの上清0.5mlを新しいHT培地0.5mlと交換する。ハイブ
リドーマの充分生育した時点でELISA法により陽性を再
確認し、それぞれについて次項(f)記載の限界希釈法
によるクローニングを行う。なお、クローニングに使用
後の残液をポリスチレン製25cm2組織培養フラスコ(Iwa
ki Glass製)に移し、凍結保存用試料を調製する。
(e)ELISA法による抗ヒトIV型コラーゲンペプチド抗
体産生ハイブリドーマの検索 Anal. Biochem.104,205〜214(1980)に記載のRennard
らの方法を若干改変した方法を用いる。この方法は、ハ
イブリドーマ抗体の検出に適している。96穴ミクロタイ
トレーションプレート(Flow Laboratories, Inc.製)
を0.5〜1.0μgのペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンで
コートし、さらにその他を1%牛血清アルブミン(BS
A)でコートしブロックする。これにハイブリドーマ生
育ウエルの上清の一部を加えて室温で約1時間インキュ
ベートする。2次抗体として西洋わさび由来ペルオキシ
ダーゼ(POD)標識ヤギ抗マウスイムノグロブリン(Cap
pel Lab.製)を加えさらに室温で約1時間インキュベー
トする。次に過酸化水素と基質であるo-フェニレンジア
ミン(OPD)を加え生成した褐色の程度をマイクロプレ
ートリーダー(MPR-A4,東洋曹達工業製)を用いて492nm
の吸光度を測定する。
(f)クローニング 各ウエル中には2種以上のハイブリドーマが生育してい
る可能性があるので、限界希釈法によりクローニングを
行い、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを取得す
る。NS-1培地ml当りフィーダーとして107個のマウス胸
腺細胞を含むクローニング培地を調製し96穴マイクロウ
エルの36ウエル、36ウエルおよび24ウエルにウエル当り
5個、1個および0.5個のハイブリドーマを加える。5
日目、12日目に各約0.1mlのNS-1培地を追加する。クロ
ーニング開始後14〜15日で充分なハイブリドーマの生育
が認められ、コロニー形成陰性ウエルが50%以上である
群についてELISA法を行う。テストした全ウエルが陽性
でない場合、抗体陽性ウエル中のコロニー数を確認し、
ウエル中に1コロニーのウエルを4〜6個選び再クロー
ニングする。最終的にペプシン可溶化IV型コラーゲンに
対して22株のクローンを得た。
(g)モノクローナル抗体のインビトロ増殖およびイン
ビボ増殖 モノクローナル抗体の増殖は以下のようにして行う。上
記(f)で得られた各クローンをNS-1培地などの適当な
培養液で培養(インビトロ増殖)し、その培養上清から
各モノクローナル抗体を得ることができる(モノクロー
ナル抗体たん白濃度は10〜100μg/mlである)。一方、
大量に抗体を得るためには脾細胞とミエローマ細胞の由
来動物と同系の動物(BALB/c、マウス)に腫瘍形成促進
剤プリスタン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン、
Aldrich Chemical製)をマウス1匹当り0.5ml腹腔内投
与する。1〜3週間後にハイブリドーマ1×107個を同
じく腹腔内投与することによりインビボで1〜2週間後
にモノクローナル抗体たん白質濃度4〜7mg/mlの腹水を
得ることができる。
(h)モノクローナル抗体の重鎖、軽鎖のアイソタイプ 上記(g)で得られた各々の腹水を先ずペプシン可溶化
ヒトIV型コラーゲンをコートしたミクロタイトレーショ
ンプレートのウエルの各列に入れ、前述したELISA法に
従ってそれぞれの腹水中の各モノクローナル抗体をそれ
ぞれ結合させる。洗浄後、アイソタイプ特異性ウサギ抗
マウスIg抗体(Zymed Laboratories製)を加える。洗浄
後、POD標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を加え、基
質として2,2′‐アジノ‐ジ(3-エチルベンゾチアゾリ
ン硫酸‐6)および過酸化水素を用いて重鎖、軽鎖のア
イソタイプを検出した。その結果を第1表に示した。得
られた各モノクローナル抗体についてみると、それらの
モノクローナル抗体のうち、16個が免疫グロブリン鎖γ
1/κを有し、2個がγ2b/κを有し、1個がα/κを有
し、そして3個がμ/κを有していた。
(i)モノクローナル抗体の精製 前記(g)で得られた各腹水を硫安分画(40%飽和)
後、0.06M塩化ナトリウム含有40mMリン酸緩衝液(pH8.
0)で平衡化したDEAE-Sephacel(Pharmacia製)の非吸
着画分を分取し、培地中の仔牛胎児血清およびマウス由
来のたん白質を分離、除去した。
さらに、0.15M塩化ナトリウム含有50mMトリス‐塩酸緩
衝液(pH8.6)で平衡化したプロテインAセルロファイ
ン(生化学工業製)カラムに吸着させ非吸着画分を除去
した後、0.15M塩化ナトリウム含有50mM酢酸緩衝液(pH
4.0)で溶出することにより精製した。なお、溶出液は
直ちに1.5Mトリス‐塩酸緩衝液(pH8.9)により中和し
た。
実施例2 ヒト血清中のIV型コラーゲンペプチドの定量 (a)酵素標識モノクローナル抗体(Fab′‐POD複合
体)の調製 (1)Fab′画分の調製 実施例1(i)で得られた各精製モノクローナル抗体を
0.1M塩化ナトリウム含有0.1M酢酸緩衝液(pH4.2)に溶
解し、その溶液を以下に述べるようにしてペプシンで消
化した。すなわち、前記画分中のIgGに対し2%(w/w)
のペプシンを加え、37℃、24時間消化した。更にその消
化物に2Mトリス溶液を加えてpHを7.0に調整することに
より消化反応を停止させ、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)
で平衡化したウルトロゲルAcA44カラム(LKB製)を用い
たゲル濾過によりF(ab′)画分を分取した。
次に、このF(ab′)画分を5mMエチレンジアミン四
酢酸(EDTA)含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)中で透析
し、終濃度10mMとなるようにアミノエタンチオール(ME
A)を加え37℃で1.5時間還元した後、5mM EDTA含有0.1
Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したウルトロゲルAcA
44カラムを用いてゲル濾過し、Fab′画分を分取し
た。
(2)マレイミド標識POD画分の調製 上記(1)の操作とは別に、以下に述べるようにしてPO
Dにマレイミドを標識した。すなわち、PODを10mg/mlの
量で0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、そのPODに対
して、25倍モル量のN-(ε‐マレイミドカプロイルオキ
シ)コハク酸イミド(EMCS)をジメチルホルムアミド溶
液として加え、30℃、30分間反応させた。これを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックスG-50
カラムでゲル濾過し、マレイミド標識POD画分を分取し
た。
(3)Fab′‐POD複合体画分の調製 上記(1)の如くして調製した画分中のFab′に対して
上記(2)で得られた画分中のマレイミド標識PODとし
て等モルになるようにして、両画分を混合し、更にFa
b′およびマレイミド標識PODの終濃度が100μMとなる
ように5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で希釈
した。この混合液を4℃、20時間反応後、Fab′の10倍
モル量のN-エチルマレイミドで未反応のチオール基をブ
ロックした。これを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡
化したウルトロゲルAcA 44カラムでゲル濾過し、Fab′
‐POD複合体画分を分取後、0.1%BSA及び0.005%チメロ
サールを添加し、4℃で保存した。
(b)固相担体としてポリスチレンボール(径6.5mm、P
recision Plastic Ball製)を用いた1段階サンドイッ
チ法 実施例1(i)で得られたペプシン可溶化ヒトIV型コラ
ーゲンに対する精製モノクローナル抗体(クローンNo.4
H12から得られるモノクローナル抗体)を0.1%アジ化ナ
トリウム含有0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、そ
の濃度を0.1mg/mlに調製する。この抗体溶液に固相担体
としてのポリスチレンボールを浸漬しポリスチレンボー
ルに抗体をコートする。次に抗体浸漬液を回収しポリス
チレンボールを0.1%BSA、0.1M塩化ナトリウムおよび0.
1%アジ化ナトリウム含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で
洗浄し、4℃に保存する。使用時には、0.1M塩化ナトリ
ウム含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄した抗体結
合ポリスチレンボールを用いる。
標準試料として実施例1(a)で得られた精製ペプシン
可溶化ヒトIV型コラーゲンを1%BSA、0.1M塩化ナトリ
ウム、1/50(v/v)馬血清(M.A. Bioproducts製)およ
び0.05%チメロサール含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)
を用いて、40ng/20μlの溶液を調製し、それを段階希
釈することにより、その各20μlをとり測定試料とし
た。
一方、血清試料としては健常人(NOR)の血清20μl、
肝癌(HCC)、肝硬変(LC)および慢性活動性肝炎(CA
H)各患者の血清を20μl用いた。これらの試料をそれ
ぞれ0.8μg/ml Fab′(クローンNo.1D3から得られるモ
ノクローナル抗体)‐POD複合体、1%BSA、0.1M塩化ナ
トリウム、1/50(v/v)馬血清および0.05%チメロサー
ル含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)300μlに溶解した。
次にこれらの標準試料および血清試料のそれぞれに、モ
ノクローナル抗体結合ポリスチレンボールを添加して37
℃で45分間インキュベート(免疫反応)後、0.1M塩化ナ
トリウム含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて洗浄す
る。次に0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解したPOD基質、
すなわち0.0134%テトラメチルベンチジン(TMBZ)を30
0μl加え、さらに0.01%過酸化水素水100μlを加えて
37℃で30分間インキュベート(発色反応)後、1.33N硫
酸600μlを添加することにより反応を停止させる。反
応停止後、水を対照として島津マイクロフロー紫外可視
分光光度計(UV-730)で波長450nmの吸光度を測定し、
盲検と試料の吸光度差を求める。標準試料より作成した
検量線より検体20μlの吸光度に相当するIV型コラーゲ
ンペプチド量を読みとり、その値を50倍することにより
検体1ml当りのIV型コラーゲン量を求めた(第2表参
照)。
第1図にペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンの検量線を
示した。第1図で明らかなごとくこのサンドイッチ法の
定量感度は0.31ng/試験管であり、定量範囲は0.31〜40n
g/試験管であった。また、定量変動係数(CV)は2.6〜
9.5%であった。このビーズ法での反応時間は免疫反応4
5分間、発色反応30分間で従来の2段階サンドイッチ法
(例えば特開昭61-202162号公報参照)の半分以下の時
間で測定が可能となった。
このサンドイッチ法による測定によりNOR、HCC、LCおよ
びCAH患者血清中のIV型コラーゲンを測定した結果、NOR
血清のM(平均値)+2SD(標準偏差)をカットオフ値
とした時、各肝疾患の陽性率は、それぞれ97%、80%お
よび80%であつた(第2図)。
また、胃癌患者で転移を認めない無転移群(M(−))
12例、さらに組織学的にあるいは画像診断で確診された
肝転移群(HM)13例およびリンパ行性転移群(LM)10例
の血清中IV型コラーゲンを同様にこのサンドイッチ法に
より測定した。第3図で明らかなようにIV型コラーゲン
濃度はHM、LMおよびM(‐)ではそれぞれ552±300、19
9±81および104±62ng/ml(M±SD)であった。NOR血清
のM+2SDをカットオフ値としたときに、各疾患の陽性
率は、それぞれ100%、80%および25%であった。
(c)固相担体としてポリスチレン製マイクロプレート
(Nunc製)を用いた1段階サンドイッチ法 実施例1(i)で得られた精製モノクローナル抗体(ク
ローンNo.4H12)を0.1%アジ化ナトリウム含有0.1Mリン
酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、その濃度を0.1mg/mlに調
製する。この抗体溶液を固相担体としてのポリスチレン
マイクロプレートにコートするために1ウエル当り100
μl添加し、4℃保存する。使用時には1%BSA、0.1M
塩化ナトリウムおよび0.1%アジ化ナトリウム含有10mM
リン酸緩衝液(pH7.0)300μlにてマイクロプレートを
ブロックした後、0.1M塩化ナトリウムおよび0.1%(v/
v)Tween20含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄した
マイクロプレートを用いる。
標準試料として実施例1(a)で得られた精製ペプシン
可溶化ヒトIV型コラーゲンを1%BSA、0.1M塩化ナトリ
ウム、1/50(v/v)馬血清および0.05%チメロサール含
有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で50ng/50μlに調製し、
これを段階希釈したものを各々1ウエル当り20μl用い
た。一方、血清試料として健常人(NOR)あるいはHCC、
LC、CAH、慢性非活動性肝炎(CIH)の各患者のそれぞれ
の血清を1ウエル当り各20μl用いた。すなわち、これ
らの試料各50μlを0.8μg/mlFab′(クローンNo.1D3)
‐POD複合体、1%BSA、0.1M塩化ナトリウム、1/50(v/
v)馬血清および0.05%チメロサール含有10mMリン酸緩
衝液(pH7.0)200μlに溶解し、1ウエル当り100μl
の試料溶液をモノクローナル抗体結合マイクロプレート
に添加し、室温(10〜30℃)で1時間インキュベート
(免疫反応)後、0.1M塩化ナトリウムおよび0.1%(v/
v)Tween20含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)を1ウエル
当り100μl添加することにより免疫反応を停止させ、
0.1M塩化ナトリウムおよび0.1%(v/v)Tween20含有10m
Mリン酸緩衝液(pH7.0)にて洗浄する。次に、0.02%過
酸化水素含有クエン酸‐リン酸緩衝液(pH6.0)にOPD・
2塩酸塩を溶解し、その濃度を4mg/mlに調製した溶液
(pH5.0)を100μl加え室温で15分間インキュベート
(発色反応)後、1.33N硫酸100μlを添加し反応を停止
させる。反応停止後、マイクロプレートリーダーで波長
492nmの吸光度を測定し、盲検と試料の吸光度差を求め
る。標準試料より作成した検量線より検体20μlの吸光
度に相当するIV型コラーゲン量を読みとりその値を50倍
することにより検体1ml当りのIV型コラーゲン量を求め
た(第3表参照)。
第4図にペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンの検量線を
示した。図で明らかなごとく、このサンドイッチ法の定
量感度は、0.16ng/ウエルであり、定量範囲は0.16〜20n
g/ウエルであった。また、この定量系のCV値は0.5〜6.0
%であった。このプレート法での反応時間は免疫反応60
分間、発色反応15分間で、従来の2段階サンドイッチ法
の半分以下の時間で多数の検体の測定が可能となった。
また、同一検体を測定した時の同時再現性および日差変
動はいずれもCV値5%以内と非常に良好な結果が得られ
た(第4表参照)。
本発明の定量法を用いて血中コラーゲンペプチドを定量
したとき、HCC、LC、CAH各患者の血清中におけるコラー
ゲンペプチド量について有意な増加が認められた。各肝
疾患の陽性率はNOR血清のM+2SDをカットオフ値とした
場合、HCC92%、LC87%、CAH83%、CIH39%であった
(第5図)。このような測定値に基づく肝疾患患者血清
中のコラーゲンペプチド量の増加は、固相担体としてポ
リスチレンボールを用いた1段階サンドイッチ法による
測定における場合と同様な傾向を示した。
実施例3 (a)抗原の同定 実施例1(a)で精製したペプシン可溶化ヒトIV型コラ
ーゲンをSDS-PAGEに供した後、実施例2(a)で得られ
たFab′‐POD複合体を用いて細胞工学1&2 1061〜10
68(1983)に記載の田部の方法に従ってウエスタンブロ
ッティングを行い、酵素抗体染色のパターンを得た。
SDS-PAGE後クマシーブリリアントブルーにてタンパクを
染色したもののパターン、ウエスタンブロッティング後
のニトロセルロース膜をそれぞれ実施例2(a)で得ら
れたFab′(クローンNo.1D3から得られたモノクローナ
ル抗体)‐POD複合体で免疫染色したもののパターンに
は、190KD、175KD、125KD、94KD、および86KDの5個の
バンドと200KD以上に凝集物2個(205KDおよび220KD)
のバンドが認められた(メルカプトエタノール存在
下)。同じくFab′(クローンNo.4H12)‐POD複合体で
免疫染色したもののパターンには185KD、170KD、155K
D、120KD、および90KDの5個のバンドと200KD以上に凝
集物2個(200KDおよび220KD)のバンドが認められた
(第6図)。
(b)ヒト血清中免疫反応物の分子量 実施例2(b)および(c)に記載したヒトIV型コラー
ゲン酵素免疫定量法で補足されるヒト血清中免疫反応物
の分子量サイズを測定した。すなわち、健常者および肝
疾患(HCC)患者血清(いずれもヒトIV型コラーゲン300
ng含有)を0.05%Tween20、0.15M塩化ナトリウム含有20
mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したSephacry1S-300
(1.6×90cm、Pharmacia製)でゲル濾過し、各画分の免
疫反応物を実施例2(b)のポリスチレンボールを用い
る1段階サンドイッチ法で定量した。第7図に示した如
く健常人 および肝疾患患者(−×−)血清中の免疫反応物は単一
ピークであり、対照として用いたペプシン可溶化ヒトIV
型コラーゲンペプチド(300ng、−−)より若干分子
量は小さかった。フイブリノーゲン、免疫グロブリン、
牛血清アルブミン、ペルオキシダーゼを用いた検量線か
ら血清中免疫反応物の分子量は620KDと推定した。
(c)特異性 下記註に記載した方法で調製したヒトI、III、IV(酸
抽出)、V、VI型コラーゲン、およびペプシン可溶化ラ
ットIV型コラーゲンを実施例2(b)記載のポリスチレ
ンボールを用いる1段階サンドイッチ法で定量し、ペプ
シン可溶化ヒトIV型コラーゲンの定量値と比較した。
第5表に示した如くVI型コラーゲンで若干の交差反応
(約7%)が認められた以外は他のいずれのコラーゲン
についても交差反応は認められなかった。
註:ヒト胎盤および新生仔ラツトを原料として用い実施
例1(a)記載の方法に従って、ヒト胎盤からペプシン
可溶化IV型以外にI、III、VおよびVI型コラーゲンを
分別精製した。また、新生仔ラツトから同様にペプシン
可溶化IV型コラーゲンを調製した。
酸抽出IV型コラーゲンはヒト胎盤を材料にEur. J. Bioc
hem.,84,43〜52(1978)および95,255〜263(1979)に
記載のTimplらの方法に従って調製した。
(c)回収率 IV型コラーゲン93.0ng/mlおよび234.0ng/ml濃度の2種
のヒト血清にそれぞれ31〜500ng/mlの範囲でペプシン可
溶化ヒトIVコラーゲンを添加し、実施例2(b)、同2
(c)記載のポリスチレンボールおよびポリスチレンプ
レートを用いる1段階サンドイッチ法でそれらの回収率
を調べた。第8図に示した如くボール法およびプレート
法での添加ペプシン可溶化IV型コラーゲンペプチドに対
する回収IV型コラーゲンの相関係数、回収率はそれぞれ
γ=0.9997、99.4±10.3%(M±SD)およびγ=0.999
3、101.6±7.1%であった。
(e)抗原決定基 第6図のイムノブロッティング図に示した如く実施例2
(b)および同2(c)記載のボールあるいはプレート
を用いる1段階サンドイッチ法に使用されている固相抗
体(クローンNo.4H12から得られたモノクローナル抗
体)およびPOD標識抗体(クローンNo.1D3から得られた
モノクローナル抗体)による抗原認識部位は若干異な
る。この固相抗体とPOD標識抗体の抗原認識部位を明ら
かにするために抗原抗体阻害率を調べた。すなわち、試
験管当り10ngペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンおよび
0〜10μgモノクローナル抗体(クローンNos.,1D3、3A
9および4H12からそれぞれ得られた各モノクローナル抗
体)を1%BSA、0.1M塩化ナトリウム含有10mMリン酸緩
衝液(pH7.0)中で37℃、60分間プレインキュベイショ
ンし、次に実施例2(b)の方法に従って調製したクロ
ーンNo.4H12から得られたモノクローナル抗体コートポ
リスチレンボールと試験管当り40ng Fab′(クローンN
o.3A9から得られたモノクローナル抗体)‐POD複合体と
を加え37℃、60分間反応後、TMBZおよび過酸化水素水を
加え30℃、60分間静置後、A450を測定した。第9図に示
した如く標準ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンをクロ
ーンNo.1D3(−×−)から得られたモノクローナル抗体
で処理した場合は、抗原抗体反応の阻害は観察されなか
ったが、ここで固相抗体および複合体に用いたクローン
No.3A9 およびクローンNo.4H12(−−)からのモノクローナ
ル抗体で処理した場合には阻害が認められた。この結果
より、前記の固相抗体(クローンNo.4H12)がPOD標識抗
体(クローンNo.1D3)に対してペプシン可溶化ヒトIV型
コラーゲンの異なる抗原決定基と特異的に反応している
ことが明らかに認められる。
以上、(a)〜(e)の結果により、上述の1段階サン
ドイッチ酵素免疫定量法は、IV型コラーゲン分子を特異
的に認識する測定系であることが判る。
実施例4 (a)抗ヒトIV型コラーゲンモノクローナル抗体の作製 実施例1に記載の方法に従ってヒトIV型コラーゲンに対
するモノクローナル抗体17個を調製した。それらクロー
ンの内4個が免疫グロブリン鎖γ1/κを、他の13個はμ
/κを有していた(第6表)。
第 6 表 クローンNo. アイソタイプ 鎖 31-1G4 IgG1 γ1/κ 31-2H12 IgM μ/κ 31-3D2 IgG1 γ1/κ 31-4H9 IgM μ/κ 31-5H8 IgM μ/κ 31-6H4 IgM μ/κ 31-7E4 IgM μ/κ 31-8G9 IgG1 γ1/κ 31-9H8 IgM μ/κ 31-10F5 IgM μ/κ 31-11D11 IgM μ/κ 31-12G12 IgM μ/κ 31-13H3 IgG1 γ1/κ 31-15B4 IgM μ/κ 31-17H6 IgM μ/κ 31-18H5 IgM μ/κ 31-19F4 IgM μ/κ (b)固相担体としてポリスチレンマイクロプレート
(Nunc製)を用いる1段階サンドイッチ法 上記(a)で得られたヒトIV型コラーゲンに対する精製
モノクローナル抗体(クローンNo.31-8G9)を実施例2
(c)と同様な方法でマイクロプレートにコートした。
一方、POD標識抗体は実施例1で得られたペプシン可溶
化ヒトIV型コラーゲンペプチドに対するモノクローナル
抗体(クローンNo.4H12)を用いて実施例2の方法に従
って調製した。
実施例3の(c)の註記載の方法で調製したペプシン可
溶化ヒトIV型コラーゲンを標準試料として第7表に示し
た方法で検量線を作製した。
このサンドイッチ法の定量感度は0.5ng/ウエルであり、
定量範囲は、0.5〜54ng/ウエルであった。また、その時
のCVは0.3〜6.8%であった。このプレート法での免疫反
応は60分間、発色反応30分間であり、実施例2(c)に
示した測定結果と同様に短時間、高感度でヒトIV型コラ
ーゲンが測定された。
このサンドイッチ法による測定によりNOR、LCおよびHCC
患者血清中のヒトIV型コラーゲン濃度を測定した結果、
NOR血清のM+2SDをカットオフ値とした時、LCおよびHC
C患者の陽性率はそれぞれ71%、100%であった(第8
表)。
【図面の簡単な説明】
第1図は、固相担体としてポリスチレンボールを用いた
1段階サンドイッチ法(ビーズ法)によるペプシン可溶
化ヒトIV型コラーゲンの検量線である。 第2図は、ビーズ法により測定したNOR、HCC、LC、CAH
の各患者の血清中の免疫反応性IV型コラーゲンペプチド
濃度を示す。図中、横棒はMを、点線はNORのM+2SD
を、( )内数値は検体数を示す。 第3図はビーズ法により測定したHM、LMおよびM(‐)
の各患者の血清中の免疫反応性IV型コラーゲン濃度を示
す。図中、縦棒は、M±SDを、点線は、NORのM+2SD
を、( )内数値は、検体数を示す。 第4図は、固相担体としてポリスチレンマイクロプレー
トを用いた1段階サンドイッチ法(プレート法)による
ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンの検量線である。 第5図は、プレート法により測定したNOR、HCC、LC、CA
HおよびCIH各患者の血清中の免疫反応性IV型コラーゲン
ペプチド濃度を示す。図中横棒はMを、点線はM+2SD
を、( )内数値は検体数を示す。 第6図は標準ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンベプチ
ドのイムノブロッティング図である。 A:Fab′(クローンNo.1D3)‐PODによる染色 B:Fab′(クローンNo.4H12)‐PODによる染色。 第7図はヒト血清中免疫反応物のゲル濾過パターンを示
す図である。 第8図はボール法(A)およびプレート法(B)による
ヒト血清への添加ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンペ
プチドに対する回収IV型コラーゲンの相関図を示す。 第9図は3種類のモノクローナル抗体に対する抗原抗体
反応の阻害率を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 恭一 富山県富山市長江新町1丁目5番18号 (56)参考文献 特開 昭57−208458(JP,A) 特開 昭57−16355(JP,A) 和歌山医学会「和歌山医学」,39(1) (昭63.2.1)P.87〜106 European Journal o f Clinical lnvestig ation,Vol.15(1985)P.132 〜137 Journal of Clinica l lnvestigation,Vo l.78(1986)P.241〜248 American Journal o f Pathology,108,(1982) P.310〜318 Leboratory Invosti gition,Vol.48,No.5, (1983)P.639〜649

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲン
    と特異的に反応する抗ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲ
    ンモノクローナル抗体に酵素標識を付与した酵素標識抗
    体を緩衝液に溶解し、この酵素標識抗体の緩衝液溶液を
    用いて測定対象試料を希釈して得られる試料希釈液と (b)上記(a)におけるモノクローナル抗体とは異な
    る部位を認識する別の抗ペプシン可溶化ヒトIV型コラー
    ゲンモノクローナル抗体を固相担体に結合させた抗体結
    合固相担体 とを用い、上記(a)の試料希釈液中に、上記(b)の
    抗体結合固相担体を混和し、上記測定対象試料中に存在
    するヒトIV型コラーゲンと上記の酵素標識抗体ならびに
    上記の固相担体に結合している抗体との間において免疫
    反応を行わしめた後、固相担体を分別し、その固相担体
    の酵素活性を測定することにより測定対象試料中に存在
    するヒトIV型コラーゲンを測定する方法。
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