JP2609908B2 - 慢性関節リウマチ疾患の診断用試薬 - Google Patents

慢性関節リウマチ疾患の診断用試薬

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京子 山下
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は慢性関節リウマチ疾患の診断のためのヒト体
液中のヒトコラゲナーゼインヒビターの定量用試薬に関
するものである。コラゲナーゼインヒビター(テイシユ
・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ:TIMP)は
ヒト及びその他の動物の骨、皮膚、歯髄、羊水、血液、
関節液中及び関節軟骨細胞、滑液細胞、各種組織由来線
維芽細胞、線維肉腫細胞培養外液中に存在するたん白質
である(Murphyら、Biochem.j.195、167〜170、1981;We
lgusら、J.Biol.Chem.258、12259〜12264、1983;Kishi
ら、J.Biochem.96、395〜404、1984等参照)。TIMPは特
定のたん白質であってたん白化学的に単一な物質であ
る。本発明はウシコラゲナーゼインヒビターに対するモ
ノクローナル抗体のうち、ヒトコラゲナーゼインヒビタ
ーとも反応するモノクローナル抗体を用いるサンドイツ
チ法に基づく酵素免疫学的測定法により、ヒト体液中の
ヒトコラゲナーゼインヒビターを定量する方法に関する
ものであり、そのヒトコラゲナーゼインヒビター量を健
常人の血清中、血漿中あるいは関節液中のヒトコラゲナ
ーゼインヒビター量と比べることにより慢性関節リウマ
チ疾患の診断を行うことができるものである。
〔背景技術〕 従来、慢性関節リウマチ疾患の診断法としては、リウ
マチ因子の検出法に基づいたRose法、Rose法のHellerに
よる変法、RAHA−テストおよびRA−テストなどが用いら
れている。しかしながら、それらの方法は複雑な実験方
法を用いる点、あるいは診断までに長い日数を要する点
などの欠点を有する。
ところで、ヒトコラゲナーゼインヒビターは、ヒトの
骨、皮膚、歯髄、羊水、血液、関節液中および関節軟骨
細胞、滑液細胞、各種組織由来線維芽細胞、線維肉腫細
胞培養液中に存在するたん白質であるが、コラゲナーゼ
インヒビター量を測定する手段としては、従来、その生
物活性を測定することによる方法が知られている。しか
し、J.Lab.Clin.Med.75,258〜263(1970)にEisenら
が、また、Arthritis and Rheumatism27,285〜290(198
4)にCawstonらが記載しているように、血清中、血漿中
あるいは関節液中のコラゲナーゼインヒビター活性を測
定するには、それらの液中に、その測定を妨害する蛋白
質、たとえば、α−マクログロブリンが存在するた
め、従来知られている測定方法によっては、その測定は
不可能である。早川、岩田らは、先に、ウシコラゲナー
ゼインヒビターに対するモノクローナル抗体を用い、サ
ンドイツチ法に基づく酵素免疫学的測定法(EIA)を行
うことにより微量の試料で精度良く、簡便かつ迅速にコ
ラゲナーゼインヒビターを特異的に定量する方法を開発
したが(特開昭63−210665号)、本発明者らは、ヒト血
清中、血漿中あるいは関節液中に存在するコラゲナーゼ
インヒビター量が、慢性関節リウマチ疾患にかかること
により明らかに増加することを発見し、血清中、血漿中
あるいは関節液中に存在するコラゲナーゼインヒビター
の量を上記の酵素免疫学的測定法により測定することに
よって、慢性関節リウマチ疾患の診断を行い得ることを
見出した。
〔発明の開示〕
本発明は、固相担体に結合させる抗体および酵素標識
を付与する抗体としてウシコラゲナーゼインヒビターの
異なる抗原決定基に対し特異的に結合するモノクローナ
ル抗体を用いて、酵素免疫学的定量法を行うことによ
り、血清中、血漿中あるいは関節液中に存在するヒトコ
ラゲナーゼインヒビターを定量し、その定量値を健常人
の示す値と比較することにより、被測定者が慢性関節リ
ウマチ疾患にかかっているか否かを診断することができ
定量用試薬を提供するものである。
本発明においては上記の酵素免疫学的測定法が用いら
れるが、固相担体として抗原や抗体を受動的に良く吸着
するポリスチレン製、ポリカーボネイト製、ポリプロピ
レン製、あるいはポリビニール製のボール、マイクロプ
レート、ステイツク、試験管などの種々の材料および使
用形態が任意に選択、使用できる。一方、酵素標識を付
与する抗体としては、抗体含有物を硫安分画後、DEAE−
Sephacelの如き陰イオン交換ゲルにより精製したIgG画
分、さらにはペプシン消化後、還元して得られる特異的
結合部分Fab′を用いることもできる。
本発明は、慢性関節リウマチ疾患を診断するためのヒ
ト体液中のヒトコラゲナーゼインヒビターの定量用試薬
であって、ウシコラゲナーゼインヒビターに対するモノ
クローナル抗体で、ヒトコラゲナーゼインヒビターの異
なる抗原決定基に対し、特異的に結合する2種類のモノ
クローナル抗体の組合せを用い、その一方の固相用抗体
として使用し、他方を酵素標識用抗体として使用して、
サンドイッチ法によりヒトの血清中、血漿中あるいは関
節液中に存在するヒトコラゲナーゼインヒビターを酵素
免疫学的に定量するための試薬を提供するものである。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。ただ
し、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1 抗ウシコラゲナーゼインヒビターモノクローナル抗体の
作製 (a)抗原−ウシコラゲナーゼインヒビターの調製 J.Biochem.96,395〜404(1984)に記載の本発明者ら
の方法に従いウシ未萌出知歯の根部歯髄をイーグルMEM
培地(日水製薬製)で培養した培養外液からCon A−セ
フアロース、ウルトロゲルAcA44およびDE−52セルロー
スの各カラムを用いてコラゲナーゼインヒビターを精製
した。精製インヒビターはJ.Mol.Biol.80,579〜599(19
73)に記載のLaemmliらの方法に従いドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)で調べたところ分子量約32,000ダルトン(D)の単
一バンドを示した。
(b)抗体産生細胞の調製 6週令のBalb/c雌マウス2匹をまずフロインド完全ア
ジユバンド中で、前記(a)で記述した精製ウシコラゲ
ナーゼインヒビターで初回免疫する。マウスにそれぞれ
48μgのウシコラゲナーゼインヒビターを0.4mlの溶液
として腹腔内投与する。さらに30日目に生理食塩水に溶
解した84μgのウシコラゲナーゼインヒビターを追加免
疫する。最終免疫として58日目に腹腔内投与(95μg/50
0μ生理食塩水)により補助免疫し、3日後にマウス
脾臓を取り出し、脾細胞を調製する。
(c)細胞融合 (1)以下の材料および方法を用いる。
RPMI1640培地:RPMI No.1640(Difco Laboratories)に
重炭酸ナトリウム(12mM)、ピルビン酸ナトリウム(1m
M)、L−グルタミン(2mM)、ペニシリンGカリウム
(50U/ml)、硫酸ストレプトマイシン(50μg/ml)、お
よび硫酸アミカシン(100μg/ml)を加え、ドライアイ
スでpHを7.2にし、0.2μm東洋メンブレンフイルターで
除菌過する。
NS−1培地:上記RPMI1640培地に除菌過した仔牛胎児
血清(M.A.Bioproducts)を15%(v/v)の濃度に加え
る。
PEG4,000溶液:RPMI1640培地のポリエチレングリコール
4,000(PEG4,000、Merck & CO.,Inc.)50%(w/w)無
血清溶液を調製する。
8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞NS−1(P3−NS
1−1)との融合はSelected Method in Cellular Immun
ology(ed.B.B.Mishell and S.M.Shiigi)、W.H.Freema
n and Company(1980)、351〜372に記載のOiらの方法
を若干改変して行った。
(2)前記(b)で調製した有核脾臓細胞(生細胞率10
0%)とミエローマ細胞(生細胞率100%)とを5:1の割
合で融合する。脾臓細胞とミエローマ細胞とを別に前記
のRPMI1640培地で洗浄する。次に同じ培地にけん濁し、
融合させるため上記の割合で混合する。容量50mlの円錐
形スチロール樹脂製試験管(Iwaki Glass)を用い、40m
lのRPMI1640培地中400×g、10分間遠心し、上清を完全
に吸出する。沈澱細胞に37℃加温PEG4,000溶液1.3mlを
穏やかに攪拌しながら1分間で滴下し、さらに1分間攪
拌し細胞を再けん濁、分散させる。次に37℃加温RPMI16
40培地1.3mlを1分間で滴下する。この操作をさらに1
回繰返した後、同培地9mlを2〜3分間で常に攪拌しな
がら滴下し細胞を分散させる。これを400×g、10分間
遠心分離し、上清を完全に吸引除去する。次にこの沈澱
細胞に37℃加温NS−1倍地12.9mlをすみやかに加え、細
胞の大きい塊りを10mlのピペツトを用いて注意深くピペ
ツテイングして分散する。さらに同培地26mlを加えて希
釈し、ポリスチレン製96穴マイクロウエル(Iwaki Glas
s)にウエル当り6.0×105個/0.1mlの細胞を加える。な
お、この時使用する96穴マイクロウエルは前処理として
0.2mlのNS−1培地を加え、炭酸ガス培養器中(37℃)
で一晩保温し、使用時に培地を吸引除去しておく。細胞
を加えた上記のマイクロウエルを7%炭酸ガス/93%空
気中で温度37℃、湿度100%下に培養に付する。
(d)選択培地によるハイブリドーマの選択的増殖 (1)使用する培地は以下のとおりである。
HAT培地:前記(c)で述べたNS−1培地にさらにヒポ
キサンチン(100μM)、アミノプテリン(0.4μM)、
およびチミジン(16μM)を加える。
HT培地:アミノプテリンを除去した以外は上記HAT培地
と同一組成のものである。
(2)前記(c)の培養開始後翌日(1日目)、細胞に
パスツールピペツトでHAT培地2滴(約0.1ml)を加え
る。2、3、5、8、11日目に培地の半分(0.1ml)を
新しいHAT培地で置き換え、14日目に培地の半分を新し
いHT培地で置き換える。以降3〜4日毎に培地の半分を
新しいHT培地で置き換える。通常2〜3週間で充分なハ
イブリドーマの生育が観察される。ハイブリドーマ生育
全ウエルについて次項(e)記載の固相−抗体結合テス
ト法(ELISA)により陽性ウエルをチエツクする。次に
フイーダーとして107個のマウス胸腺細胞を含むHT培地1
mlをポリスチレン製24穴セルウエル(Iwaki Glass)に
加えたものを用い、上記で検出された各陽性ハイブリド
ーマの全内容物を移す。これを前記(c)におけると同
様に7%炭酸ガス存在下、37℃で約1週間培養に付す
る。その間1〜2回各ウエルの上清0.5mlを新しいHT培
地0.5mlと交換する。ハイブリドーマの充分生育した時
点でELISA法により陽性を再確認し、それぞれについて
次項(f)記載の限界希釈法によるクローニングを行
う。なお、クローニングに使用後の残液をポリスチレン
製25cm2組織培養フラスコ(Iwaki Glass)に移し、凍結
保存用試料を調製する。
(e)固相−抗体結合テスト(ELISA)による抗ウシコ
ラゲナーゼインヒビター抗体産生ハイブリドーマの検索 Anal.Biochem.104,205〜214(1980)に記載のRennard
らの方法を若干改変した方法を用いる。この方法は、ハ
イブリドーマ抗体の検出に適している。96穴ミクロタイ
トレーシヨンプレート(Flow Laboratories,Inc.)を0.
5〜1.0μgのウシコラゲナーゼインヒビターでコート
し、次に、未コート部分を1%牛血清アルブミン(BS
A)でブロツクする。これに前記(d)で得られたハイ
ブリドーマ生育ウエルの上清の一部を加えて室温で約1
時間インキユベートする。2次抗体として西洋わさびペ
ルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスイムグロブリン(capp
el Lab.)を加え、さらに室温で約1時間インキユベー
トする。次に過酸化水素と基質である。o−フエニレン
ジアミンを加え生成した褐色の程度を肉眼で定性的に判
定するか、あるいはコロナ2波長マイクロプレート光度
計(MTP−22、コロナ電気社)を用いて500nmの吸光度を
測定する。
(f)クローニング 前記(d)の操作後、各ウエル中には2種以上のハイ
ブリドーマが生育している可能性があるので、限界希釈
法によりクローニングを行い、モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマを取得する。NS−1培地ml当りフイーダ
ーとして107個のマウス胸腺細胞を含むクローニング培
地を調製し、96穴マイクロウエル36ウエル、36ウエルお
よび24ウエルにウエル当り5個、1個および0.5個のハ
イブリドーマを加える。5日目、12日目に全ウエルに各
約0.1mlのNS−1培地を追加する。クローニング開始後1
4〜15日で充分なハイブリドーマの生育が認められ、コ
ロニー形成陰性ウエルが50%以上である群についてELIS
A法を行う。テストした全ウエルが陽性でない場合、抗
体陽性ウエル中のコロニー数を確認し、ウエル中に1コ
ロニーが確認されたウエルを4〜6個選び再クローニン
グする。最終的にウシコラゲナーゼインヒビターに対す
るモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ17株が得られ
た。
(g)モノクローナル抗体の生体外増殖および生体内増
殖 モノクローナル抗体の増殖は常法による。すなわち、
モノクローナル抗体は、得られた各ハイブリドーマをNS
−1培地などの適当な培養液で培養(生体外増殖)し、
その培養上清から得ることができる(モノクローナル抗
体の濃度は10〜100μg/mlである)。一方、大量に抗体
を得るためには脾細胞とミエローマ細胞の由来動物と同
系の動物(Balb/c、マウス)に腫瘍形成促進剤プリスタ
ン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン、Aldrich C
hemical社)をマウス一匹当たり0.5ml腹腔内投与し、1
〜3週間後に、各ハイブリドーマ1×107個を同じく腹
腔内投与することにより生体内で、さらに、1〜2週間
後、モノクローナル抗体の濃度が4〜7mg/mlの腹水を得
ることができる。
(h)モノクローナル抗体のアイソタイプ 前記(g)で得られた各々の腹水を先ずウシコラゲナ
ーゼインヒビターをコートしたミクロタイトレーシヨン
プレートに前述したELISA法に従って結合させる。PBSに
よる洗浄後次に、アイソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg
抗体(Zymed Laboratories)を加える。PBSによる洗浄
後、西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG
(H+L)抗体を加え、基質として2,2′−アジノ−ジ
(3−エチルベンゾチアゾリン硫酸−6)および過酸化
水素を用いて検出した。その結果をまとめて後掲の第1
表に示した。得られたウシコラゲナーゼインヒビターに
対するモノクローナル抗体の内15個が免疫グロブリン鎖
γ1/κを、1個がγ2a/κを、そして、1個がγ2b/κを
有していた。
(i)モノクローナル抗体の精製 前記(g)で得られた各腹水を硫安分画(40%飽和)
後、塩化ナトリウム0.06Mを含む40mMリン酸緩衝液、pH
8.0で平衡化したDEAE−Sephacel(pharmacia社)の非吸
着画分を分取し、このIgG画分を更に0.42M塩化ナトリウ
ムを含む50mMリン酸緩衝液、pH7.4で平衡化したSephacr
yl S−300Superfine(Pharmacia社)カラムでゲル過
し、培地中のFCSおよびマウス由来のたん白質を分離、
除去した。
実施例 2 ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターとモノクローナル抗
体との交叉性 (a)酵素標識モノクローナル抗体(Fab′−POD複合
体)の調製法 (1)Fab′画分の調製 実施例1(i)で得られたIgG画分を0.1M塩化ナトリ
ウム含有0.1M酢酸緩衝液(pH4.2)に溶解し、その溶液
を以下述べるようにしてペプシンで消化した。すなわ
ち、前記画分中のIgGに対して2%(w/w)のペプシンを
加え、37℃、24時間消化した。更にその消化物に2Mトリ
ス溶液を加えてpHを7.0に調整することにより消化反応
を停止させ、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化した
ウルトロゲルAcA44カラム(LKB製)を用いたゲル過に
よりF(ab′)画分を分取した。
次に、このF(ab′)画分をエチレンジアミン四酢
酸(EDTA)含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)中で透析
し、終濃度10mMとなるようにアミノエタンチオール(ME
A)を加え37℃で1.5時間還元した後、5mM EDTA含有0.1M
リン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したウルトロゲルAcA44
カラムを用いてゲル過し、Fab′画分を分取した。
(2)マレイミド標識POD画分の調製 上記(1)の操作とは別に、以下述べるようにして西
洋わさび由来ペルオキシダーゼ(POD)にマレイミドを
標識した。すなわち、PODを10mg/mlの量で0.1Mリン酸緩
衝液(pH7.0)に溶解し、そのPODに対して、25倍モル量
のN−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)コハク酸イ
ミド(EMCS)をジメチルホルムアミド溶液として加え、
30℃、30分間反応させた。これを0.1Mリン酸緩衝液(pH
6.0)で平衡化したセフアデツクスG−50カラムでゲル
過し、マレイミド標識POD画分を分取した。
(3)Fab′−POD複合体画分の調製 上記(1)の如くして調製した画分中のFab′に対し
て上記(2)で得られた画分中のマレイミド標識PODと
して等モルになるようにして、両画分を混合し、更にFa
b′およびマレイミド標識PODの終濃度が100μMとなる
ように5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で希釈
した。この混合液を4℃、20時間反応後、Fab′の10倍
モル量のN−エチルマレイミドで未反応のチオール基を
ブロツクした。これを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平
衡化したウルトロゲルAcA44カラムでゲル過し、Fab′
−POD複合体画分を分取後、0.1%牛血清アルブミン(BS
A)及び0.005%チメロサールを添加し、4℃で保存し
た。
(b)ウエスタンブロツテイング 実施例1(a)項で精製したウシ歯髄コラゲナーゼイ
ンヒビターをSDS−PAGEに供した後、市販のPOD標識ヤギ
抗マウス免疫グロブリンおよび上記実施例2(a)で得
られたFab′−POD複合体を用いて細胞工学1&2、1061
〜1068(1983)に記載の田部の方法に従ってウエスタン
ブロツテイングを行い、酵素抗体染色のパターンを得
た。これを第1図に示す。第1図において、A及びBは
ウエスタンブロツテイング後のニトロセルロース膜をそ
れぞれ実施例2(a)で得られたFab′(クローン7−3
F1)−POD複合体及びFab′(クローン7−21B12)−POD
複合体で免疫染色した結果を示すものである。
また、1〜16は下記の各モノクローナル抗体(いずれ
もIgGタイプ)の溶液にウエスタンブロツテイング後の
ニトロセルロース膜を浸した後、あらためて各ニトロセ
ルロース膜をPOD標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン(Cap
pel Laboratories製)で免疫染色した結果を示すもので
ある。
1:クローン7−3F1、2:クローン7−4F2、3:クローン
7−5A1、4:クローン7−6C1、5:クローン7−7F11、6:
クローン7−8B2、7:クローン7−9B4、8:クローン7−
10E11、9:クローン7−11A5、10:クローン7−12B6、1
1:クローン7−15E8、12:クローン7−18F3、13:クロー
ン7−19F6、14:クローン7−20C2、15:クローン7−21
B12、16:クローン7−23G9。
第1図に示されるところから明らかなように、上記の
モノクローナル抗体は、いずれもウシ歯髄コラゲナーゼ
インヒビターと交叉することがわかった。
実施例 3 サンドイツチ酵素免疫測定法 (a)モノクローナル抗体結合ボールの調製法 J.Immunoassay,209〜327(1983)に記載の石川らの
方法に従って実施例1(i)で得られたモノクローナル
抗体を0.1%アジ化ナトリウム含有0.1Mリン酸緩衝液(p
H7.5)に溶解し、それを100μg/ml(A280=0.15)の濃
度に調整した後、そのモノクローナル抗体溶液にポリス
チレンボール(径6.5mm、Precision Plastic Ball製)
を浸漬し、4℃に24時間静置した。次にモノクローナル
抗体溶液を除去した後、0.1%BSA、0.1M塩化ナトリウム
及び0.1%アジ化ナトリウム含有10mMリン酸緩衝液(pH
7.0)(以下緩衝液Aと略記する)で5回洗浄した後、
緩衝液Aに浸し、4℃で保存した。
(b)サンドイツチ測定法 精製したコラゲナーゼインヒビター溶液、あるいはコ
ラゲナーゼインヒビターを含む試料溶液を1%BSAを含
む緩衝液Aで希釈し、各試験管に30.0μを加えた。次
に前記(a)項で調製した抗体結合を加え、37℃で1時
間振とう加温後(第1反応)、0.1M塩化ナトリウム含有
10mMリン酸緩衝液(pH7.0)3mlで各試験管を3回洗浄し
た。次に実施例2(a)項で調製したFab′−POD複合体
を20ng/試験管となるように0.1%BSA及び0.1M塩化ナト
リウム含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈し30℃で
1時間振とう加温した(第2反応)。反応終了後、第1
反応終了時と同様に洗浄した。次に0.1M酢酸緩衝液(pH
5.5)に溶解したPOD基質、すなわち0.0134%テトラメチ
ルベンチジン(TMBZ)を0.3ml加え、更に0.01%過酸化
水素0.1mlを加えて30℃で1時間振とう加温(第3反
応)後、1.33N硫酸0.6mlを添加することにより反応を停
止させた。その反応混液のA450値を分光光度計で測定
し、標準直線より試料中のコラゲナーゼインヒビター量
を求めた。
(c)サンドイツチ測定用モノクローナル抗体の選択 コラゲナーゼインヒビターを定量することが可能なモ
ノクローナル抗体の組み合わせを探す目的で実施例1
(i)項の方法で精製したクローン7−3F1、7−6C1、
7−19F6、および7−21B12の各モノクローナル抗体か
らFab′−POD複合体を調製した。一方、クローン7−3F
1、7−4F2、7−5A1、7−6C1、7−7F11、7−8B2、
7−9B4、7−10E11、7−11A5、7−12B6、7−15E8、
7−18F3、7−19F6、7−20C2、7−21B12、および7
−23G9の各モノクローナル抗体を固相として、試験管当
たり1ngの精製したウシ歯髄コラゲナーゼインヒビター
を用いて実施例3(b)項の方法によりサンドイツチ定
量を行った。得られたA450値を後掲の第2表に示す。な
お、第2表中のA450値は試料1ng添加の値からコラゲナ
ーゼインヒビターを添加しない時の値を差し引いた数値
である。上記4種類のいずれのFab′−POD複合体を用い
た場合においても、固相として7−4F2、7−11A5、7
−12B6、7−18F3、7−20C2、および7−23G9の6種類
の抗体を用いた時のA450が2以上の値を示した。次にこ
れら24通りの組み合わせについて、ウシ歯髄コラゲナー
ゼインヒビターの添加量を変えてサンドイツチ定量を行
った。Fab′(クローン7−6C1)−PODを複合体とし
て、クローン7−23G9抗体を固相とした場合に得られた
結果を第2図に示す。第2図に示すように、添加したウ
シ歯髄コラゲナーゼインヒビター量とA450の間に直線関
係が成立し、定量感度は試験管当たり約1pg(32a mol)
であった。上記以外の組み合わせについても上記の直線
関係がみられ、いずれの組み合わせについてもサンドイ
ツチ定量が可能であることがわかった。
実施例 4 ヒト血清中のコラゲナーゼインヒビターの同定 (a)アフイニテイカラムの調製 Nature214,1302〜1304(1967)に記載のAxnらおよ
びProc.Natl.Acad.Sci.USA,61 636〜643(1968)に記載
のCuatrecasasらの方法に従って臭化シアンを介して担
体のセフアロース4Bにリガンドとして実施例1(i)項
で得られた精製モノクローナル抗体を固定化した。次に
抗体結合セフアロース4Bゲル0.3mlをガラス管に充填
し、0.1M塩化ナトリウムおよび5mM塩化カルシウム含有3
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化し使用した。
(b)ヒト血清コラゲナーゼインヒビターのアフイニテ
イカラムクロマトグラフイー ヒト血清1mlを0.1M塩化ナトリウムおよび5mM塩化カル
シウム含有30mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に対して
透析した後、上記(a)項記載の方法に従って調製した
クローン7−21B12抗体結合セフアロース4Bカラムに供
し、上記緩衝液で洗浄し(非吸着画分)、次にカラムを
2M塩化ナトリウム含有30mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)および0.5M塩化ナトリウム含有0.2Mグリシン−水酸
化ナトリウム緩衝液(pH10.5)で順次洗浄し(洗浄画
分)、最後にカラム吸着した蛋白質を0.2Mグリシン−塩
酸緩衝液(pH2.0)で溶出した(溶出画分)。得られた
溶出画分を0.1M塩化ナトリウムおよび5mM塩化カルシウ
ム含有30mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)中で透析した
後、もう一度クローン7−21B12抗体結合セフアロース4
Bカラムを用いた再アフイニテイクロマトグラフイーに
供し、上記と同様の操作により溶出画分にコラゲナーゼ
インヒビターを得た。そこで、ウシ歯髄コラゲナーゼイ
ンヒビターに対するモノクローナル抗体がヒト血清コラ
ゲナーゼインヒビターと交叉するのか否かを検討するた
め、上記の溶出画分をSDS−PAGEに供した後、ウエスタ
ンブロツテイングを行った。第3図はウエスタンブロツ
テイング後のニトロセルロース膜を1:クローン7−3F
1、2:クローン7−6C1、3:7−19F6、4:クローン7−21B
12および5:クローン7−23G9の各モノクローナル抗体か
ら調製したFab′−POD複合体で免疫染色を行った結果を
示すものである。第3図に示されるように、ヒト血清中
にもウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターに対するモノク
ローナル抗体と反応するコラゲナーゼインヒビターが存
在することがわかった。しかも、それらの分子量はいず
れも実施例1(a)項で得られたウシ歯髄コラゲナーゼ
インヒビターとそれの同じ32,000Dであることがわかっ
た。
実施例 5 サンドイツチ測定法によるヒト血清中のコラゲナーゼイ
ンヒビターの定量 (a)標準直線の作成 ヒトコラゲナーゼインヒビターをサンドイツチ定量す
るのに最も適したモノクローナル抗体の組み合わせにつ
いて検討した。実施例3(c)項に示したように、ウシ
歯髄コラゲナーゼインヒビターを感度良く定量できる4
種類のFab′−POD複合体、すなわち、Fab′(7−3F1)
−POD、Fab′(7−6C1)−POD、Fab′(7−19F6)−P
ODおよびFab′(7−21B12)−PODと6種類の固相用抗
体、すなわち、クローン7−4F2、7−11A5、7−12B
6、7−18F3、7−20C2および7−23G9のモノクローナ
ル抗体を用いた24通りの組み合わせのうち、実施例4
(b)項に記載したとおりにカラムクロマトグラフイー
処理したヒト血清コラゲナーゼインヒビターを定量でき
る組み合わせを調べた。その結果、ヒト血清コラゲナー
ゼインヒビターを抗原とした場合、用いたほとんどの組
み合わせでA450のシグナルは全く検出されなかったが、
固相用抗体としてクローン7−23G9抗体、複合体として
Fab′(クローン7−6C1)−PODを用いた場合、サンド
イツチ定量可能であることがわかった。次に、上記の組
み合わせを用いて、実施例3(c)項に示した方法によ
り、ヒト血清コラゲナーゼインヒビターの添加量を変え
てサンドイツチ定量を行うことによって標準直線を作成
し、得られた結果を第4図に示す。第4図にみられるよ
うに、添加したヒト血清コラゲナーゼインヒビター量と
A450の間に直線関係が成立し、ヒトコラゲナーゼインヒ
ビターの定量が可能であることがわかった。しかし、そ
の定量感度は試験管当たり約10pg(320a mol)であり、
ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターの場合の定量感度
(試験管当たり1pg)に比べて10倍低いことがわかっ
た。
(b)サンドイツチ測定法による健常人血清中および慢
性関節リウマチ疾患血清中のコラゲナーゼインヒビター
の定量 上記(a)項に示したモノクローナル抗体の組み合わ
せを用いて、健常人血清50検体および慢性関節リウマチ
患者血清14検体の中に存在するコラゲナーゼインヒビタ
ーをサンドイツチ定量し、その結果を後掲の第3表に示
した。なお、このサンドイツチ定量においては、標準直
線の作成には抗原として実施例4(b)項で精製したヒ
ト血清コラゲナーゼインヒビターを用いた。また、この
定量は、検体血清を1%BSAを含む緩衝液Aで1,600倍に
希釈して行った。第3表に示した数値は、同一の実験系
を2回行った結果の平均値である。第3表にみられるよ
うに、健常人血清1ml中に存在するコラゲナーゼインヒ
ビター量は平均1.23±0.20μgであるのに対し、慢性関
節リウマチ疾患血清1ml中に存在するコラゲナーゼイン
ヒビター量は平均2.08±0.58μgと高い値(p≪0.00
1)を示した。従って、血清中のコラゲナーゼインヒビ
ターをサンドイツチ定量することにより、被測定者が慢
性関節リウマチ疾患にかかっているか否かを知ることが
できる。
(c)サンドイツチ測定法による健常人関節液中および
慢性関節リウマチ患者関節液中のコラゲナーゼインヒビ
ターの定量 上記(b)項に示したのと同じ方法を用いて、健常人
関節液7検体および慢性関節リウマチ患者関節液5検体
の中に存在するコラゲナーゼインヒビターをサンドイツ
チ定量し、その結果を後掲の第4表に示した。第4表に
みられるように、健常人関節液1ml中に存在するコラゲ
ナーゼインヒビター量は平均2.35±0.36μgであるのに
対し、慢性関節リウマチ疾患血清中に存在するコラゲナ
ーゼインヒビター量は平均9.49±1.77μgと高い値(p
≪0.001)を示した。
従って、関節液中に存在するコラゲナーゼインヒビタ
ーをサンドイツチ定量することにより、被測定者が、慢
性関節リウマチ疾患にかかっているか否かを知ることが
できる。
実施例 6 ヒト血清中のコラゲナーゼインヒビターの精製 実施例4の(b)で最終的に得られた溶出画分中には
前述したとおり、ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターに
対するモノクローナル抗体と反応するコラゲナーゼイン
ヒビターが存在する(第3図参照)。しかし、コラゲナ
ーゼインヒビター以外にも、上記モノクローナル抗体と
は反応しない蛋白質が多種存在することが認められた。
そこで、この溶出画分を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)で
平衡化したAcA44カラムを用いてゲル過を行い、コラ
ゲナーゼインヒビターと他の蛋白質とを分離することに
よりヒト血清コラゲナーゼインヒビターを精製した。第
5図は得られた血清コラゲナーゼインヒビター(1)、
対照としてのウシ歯髄コラゲナーゼインヒビター(2)
および分子量マーカー(3)の各SDS−PAGEパターンを
示している。第5図にみられるように、ヒト血清コラゲ
ナーゼインヒビターの分子量はウシ歯髄コラゲナーゼイ
ンヒビターのそれと同様、32,000Dであることがわかっ
た。
実施例 7 サンドイツチ測定法における精製ヒト血清コラゲナーゼ
インヒビターの標準直線の作成 実施例6において得られた精製ヒト血清コラゲナーゼ
インヒビターの添加量を変えて、実施例5の(a)項記
載のモノクローナル抗体の組み合わせを用いてサンドイ
ツチ定量を行うことによって標準直線を作成した。得ら
れた結果は第6図に示すとおりである。第6図にみられ
るように、添加したヒト血清コラゲナーゼインヒビター
量とA450の間に直線関係が成立し、この時の定量感度は
試験管当たり1.5pg(48 a mol)であった。この定量感
度は、実施例5の(a)項で作成した標準直線の場合に
比べて6.7倍高く、また、実施例3の(c)項記載のウ
シ歯髄コラゲナーゼインヒビターの場合に比べて1.5倍
低いことがわかった。
実施例 8 サンドイツチ測定法によるヒト体液中のコラゲナーゼイ
ンヒビターの定量に基づく慢性関節リウマチ疾患の診断 (a)サンドイツチ測定法による健常人血清中および慢
性関節リウマチ疾患患者血清中のコラゲナーゼインヒビ
ターの定量 実施例7に示した標準直線に基づいて健常人血清50検
体および慢性関節リウマチ疾患血清14検体の中に存在す
るコラゲナーゼインヒビターをサンドイツチ定量した。
その結果は後掲の第5表に示されている。なお、このサ
ンドイツチ定量においては、標準直線の作成には抗原と
して実施例6項で精製したヒト血清コラゲナーゼインヒ
ビターを用いた。また、この定量は、検体血清を1%BS
Aを含む緩衝液Aで1,600倍に希釈して行った。第5表に
示した数値は、同一の実験系を2回行った結果の平均値
である。第5表にみられるように、健常人血清1ml中に
存在するコラゲナーゼインヒビター量は平均184±31ng
であるのに対し、慢性関節リウマチ患者血清1ml中に存
在するコラゲナーゼインヒビター量は平均312±87ngと
高い値(p≪0.001)を示した。従って、血清中のコラ
ゲナーゼインヒビターをサンドイツチ定量することによ
り、被測定者が慢性関節リウマチ疾患にかかっているか
否かを知ることができる。
(b)サンドイツチ測定法による健常人血漿中および慢
性関節リウマチ疾患患者血漿中のコラゲナーゼインヒビ
ターの定量 Br.J.Haematol.33,239〜247(1976)に記載のLudlam
とCashの方法に従って、健常人血液および慢性関節リウ
マチ疾患患者血液からそれぞれの血漿を採取した。な
お、ここで採取した血漿は、血液にEDTA、プロスタグラ
ンジンE1、およびテオフイリンを加え冷却した後、4℃
で1900×g60分間遠心分離して得られた上澄であり、血
液中の血小板は、分解されずに沈澱画分にとどまってい
る。
上記の如くして得られた健常人血漿26検体および慢性
関節リウマチ疾患患者血漿24検体の中に存在する各コラ
ゲナーゼインヒビターを上記(a)項に示した方法と同
じ方法を用いてサンドイツチ定量した。その結果は後掲
の第6表に示すとおりである。第6表にみられるよう
に、健常人血漿1ml中に存在するコラゲナーゼインヒビ
ター量は平均64±10ngであるのに対し、慢性関節リウマ
チ疾患患者血漿中に存在するコラゲナーゼインヒビター
量は平均84±23ngと高い値(p≪0.001)を示した。
(c)サンドイツチ測定法による健常人関節液中および
慢性関節リウマチ疾患患者滑節液中のコラゲナーゼイン
ヒビターの定量 上記(a)項に示した方法と同じ方法を用いて、健常
人関節液7検体および慢性関節リウマチ疾患患者関節液
5検体の中に存在するコラゲナーゼインヒビターをサン
ドイツチ定量した。その結果は、後掲の第7表に示すと
おりである。第7表にみられるように、健常人関節液1m
l中に存在するコラゲナーゼインヒビター量は平均357±
51ngであるのに対し、慢性関節リウマチ疾患患者血清中
に存在するコラゲナーゼインヒビター量は平均1424±26
ngと高い値(p≪0.001)を示した。
従って、関節液中に存在するコラゲナーゼインヒビタ
ーをサンドイツチ定量することにより、被測定者が、慢
性関節リウマチ疾患にかかっているか否か知ることがで
きる。
実施例 9 モノクローナル抗体とコラゲナーゼインヒビターとの特
異的反応の確認 実施例4(b)項に示したように、サンドイツチ測定
法に用いる2種類のモノクローナル抗体(クローン7−
6C1とクローン7−23G9)はヒトコラゲナーゼインヒビ
ターと反応するが、血清、血漿あるいは関節液などのよ
うに、種々の蛋白質が高濃度で溶解している系中でもこ
のモノクローナル抗体がコラゲナーゼインヒビターと特
異的に反応していることを確認するための試験を行っ
た。健常人血清あるいはリウマチ疾患患者血清をそれぞ
れ0.1M塩化ナトリウムおよび5mM塩化カルシウム含有30m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で5倍に希釈した後、実
施例4(a)項記載の方法に従って調製したクローン7
−23G9(サンドイツチ測定法の固相用抗体)結合セフア
ロース4Bカラムに供し、実施例4の(b)項記載の方法
に従って溶出画分を得た。この溶出画分をSDS−PAGEに
供した後、ウエスタンブロツテイングを行い、サンドイ
ツチ測定法の標識抗体であるFab′(クローン7−6C1)
−POD複合体で免疫染色を行った。その結果は第7図に
示すとおりである。この第7図に見られるように、1:精
製ヒト血清コラゲナーゼインヒビター、2:健常人血清、
3:リウマチ疾患患者血清のいずれを用いた場合にも、単
一バンドを示すことから、本発明の診断法におけるサン
ドイツチ測定法により、極めて特異的にコラゲナーゼイ
ンヒビターが定量されていることが示された。
以上述べたことから明らかなように、本発明に係る診
断用試薬を用いるサンドイッチ法を適用することによ
り、慢性関節リウマチ疾患の診断を、簡便に、短時間内
にさらに感度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターをSDS−PAG
Eに供した後、種々のモノクローナル抗体を用いた時の
ウエスタンブロツテイングパターンを示す図であり、第
2図は固相7−23G9抗体−複合体Fab′(7−6C1)−PO
D測定系でのウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターの標準
直線を示す図であり、第3図はヒト血清コラゲナーゼイ
ンヒビターをSDS−PAGEに供した後、ウエスタンブロツ
テイングを行った時の免疫染色のパターンを示す図であ
り、第4図は固相7−23G9抗体−複合体Fab′(7−6C
1)−POD測定系でのヒト血清コラゲナーゼインヒビター
の標準直線を示す図であり、第5図はヒト血清から精製
したコラゲナーゼインヒビターのSDS−PAGEパターンを
示す図であり、第6図は精製したヒト血清コラゲナーゼ
インヒビターを用いて、サンドイツチ測定した時の標準
直線を示す図であり、第7図はヒト血清をIgG(7−23G
9)抗体結合アフイニテイカラムに供して得られた溶出
画分をSDS−PAGEに供した後、Fab′(7−6C1)−POD複
合体を用いた時のウエスタンブロツテイングパターンを
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 来住 準一 愛知県名古屋市瑞穂区山下通5丁目5番 地 ライオンズマンション瑞穂公園4棟 15号 (72)発明者 山下 京子 愛知県名古屋市千種区千代田橋1丁目1 番地13―1101 (72)発明者 岩田 久 愛知県名古屋市北区大蔵町40番地

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンドイッチ法によりヒト体液中に存在す
    るヒトコラゲナーゼインヒビターを酵素免疫学的に定量
    するための、ウシコラゲナーゼインヒビターに対するモ
    ノクローナル抗体であってヒトコラゲナーゼインヒビタ
    ーと特異的に結合する2種類のモノクローナル抗体から
    なる慢性関節リウマチ疾患の診断用試薬。
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