JP3307422B2 - ヒトpivka−iiの免疫学的測定方法 - Google Patents
ヒトpivka−iiの免疫学的測定方法Info
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Description
(Protein induced by vitamin K absense- II) に対し
て反応性を有する各種のモノクローナル抗体群を用いた
ヒトPIVKA−IIの免疫学的定量方法に関する。
ばれる糖タンパク質であり、そのアミノ末端近傍に10
個のγ−カルボキシグルタミン酸残基(以下Glaとい
う)を有する。肝細胞癌などによる肝実質細胞障害、ビ
タミンKの欠乏、ビタミンK拮抗剤の投与などがある
と、このプロトロンビンの10個のGlaの一部あるい
は大部分は、カルボキシル化が不完全なグルタミン酸残
基(以下Gluという)のままで血中に遊離してくる。
この糖タンパク質を異常プロトロンビンすなわちPIV
KA−IIと呼んでいる。近年、肝細胞癌患者において高
率にPIVKA−IIが発現され、健常人に比較して血漿
中に高濃度に出現することが報告されており、肝細胞癌
の新しい腫瘍マーカーあるいは診断のモニターのための
マーカーとして重要視されている。そのため、血液ある
いは血漿中のPIVKA−IIの量を正確かつ簡便に測定
する必要がある。
表的な測定方法としては、以下の4種類の方法を挙げる
ことができる。第1の方法は、二次元交叉免疫電気泳動
法を用いる方法である。第2の方法は、PIVKA−II
に特異的なポリクローナル抗体を用いた競合的放射免疫
測定法である。第3の方法は、硫酸バリウムで混在する
プロトロンビンを吸着、除去し、PIVKA−IIをラテ
ックスを用いた間接凝集法で測定する。第4の方法は、
PIVKA−IIを特異的に認識するモノクローナル抗体
とプロトロンビンに対するポリクローナル抗体の両者を
用い、その一方を固定化抗体とし、酵素標識抗体として
測定する酵素免疫測定法である。
量性に欠けるという欠点があった。第2の方法は、放射
性同位元素を用いるという施設上の問題、およびPIV
KA−IIに特異的なポリクローナル抗体の精製が煩雑で
あり、ロット差があるという種々の問題点がある。第3
の方法では、間接凝集法に用いる抗体がプロトロンビン
に対するポリクローナル抗体であるため、PIVKA−
IIを特異的に測定できない欠点がある。第4の方法で
は、モノクローナル抗体を使用するので、特異性に優れ
抗体を安定に供給できる点で第1および第2の方法の欠
点が改良されているものの、酵素免疫反応が有する欠
点、すなわち操作が煩雑で測定に長時間を要するという
問題点を解消するものではなかった。
A−IIを簡便、正確かつ再現性よく測定する方法を開発
するべく鋭意研究をした結果、ヒトPIVKA−IIに特
異的に反応性を示すが、ヒトプロトロンビンには反応し
ない第1のモノクローナル抗体群(GLA−1、GLA
−2)、ヒトトロンビンおよびヒトプロトロンビンの両
者に反応性を示す第2のモノクローナル抗体群(T−
1、T−2)、ヒトプロトロンビンに反応を示すが、ヒ
トトロンビンには反応しない第3のモノクローナル抗体
群(PT−1、PT−2)の3種類のモノクローナル抗
体群を見いだし、これらのモノクローナル抗体群の第1
のモノクローナル抗体群と第2あるいは第3のモノクロ
ーナル抗体群の2種類、第1と第2と第3のモノクロー
ナル抗体群の3種類の組み合わせを用いると、血漿中の
PIVKA−IIを迅速かつ正確に、B/F分離を必要と
せず、しかも検体中にPIVKA−IIに比べて大量に存
在するプロトロンビンの妨害を受けずに、特異的に測定
することができることを見いだした。従って、本発明の
目的は、前記のモノクローナル抗体を用いる免疫学的定
量方法を提供することにある。
性担体に固定化された、ヒトPIVKA−II、ヒトトロ
ンビンおよびヒトプロトロンビンに反応するモノクロー
ナル抗体またはヒトPIVKA−IIおよびヒトプロトロ
ンビンに特異的に反応し、ヒトトロンビンには反応しな
いモノクローナル抗体の少なくとも1種、並びにヒトP
IVKA−IIに特異的に反応し、ヒトプロトロンビンお
よびヒトトロンビンには反応しないモノクローナル抗体
と、被検試料とを接触させ、被検試料における凝集反応
を観察することを特徴とする、ヒトPIVKA−IIの測
定方法に関する。
ブリドーマおよび免疫学的測定方法の順に説明する。免
疫源として用いる人工的PIVKA−IIは、例えばP.
A.Priceの方法(J.Biol.Chem.25
4,431,1979)に従って調製することができ
る。次に、精製した人工PIVKA−II免疫原溶液を用
いて哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ
またはウマ)をイン・ビボ免疫法により免疫する。
KA−II免疫原溶液を等量のフロインド氏完全アジュバ
ントまたは不完全アジュバントと乳化するまで混合す
る。この混合液を、例えばマウスの皮下に投与する(第
1回免疫)。以後、2〜4週間の間隔で同様の操作を行
い、数回免疫する。最終免疫から数日後に脾臓を無菌的
に取り出し、ステンレスメッシュなどで押しつぶして脾
臓細胞を調製し、細胞融合工程に用いる。
ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)としては、各種の公知の
細胞株、例えば、p3(p3/×63−Ag8)[Na
ture,256,495−497(1975)]、p
3−U1[CurrentTopics in Mic
robiology and Immunology,
81;1−7(1978)]、NS−1[Eur.J.
Immunol.,6;511−519(197
6)]、MPC−11[Cell,8;405−415
(1976)]、SP2/0[Nature,276;
269−270(1978)]、FO[J.Immun
ol.Meth.,35;1−21(1980)]、×
63.6.55.3[J.Immunol.,123;
1548−1550(1979)]、S194[J.E
xp.Med.,148;313−323(197
8)]、またはラットにおけるR210[Natur
e,277;131−133(1979)]などを使用
することができる。
合は通常の方法で行うことができ、例えば、公知の融合
促進剤(ポリエチレングリコールまたはセンダイウイル
スなど)を用い、場合により補助剤(ジメチルスルホキ
シドなど)を用いることもできる。免疫脾臓細胞とミエ
ローマ細胞との使用比率も常法と同様でよく、例えば、
ミエローマ細胞に対して脾臓細胞を約1〜10倍程度の
量で用いる。融合用培地としては、例えば、40%(w
/v)ポリエチレングリコールを含むダルベッコ改変イ
ーグル培地(DMEM)を用いることができる。融合
は、前記の培地内で免疫脾臓細胞とミエローマ細胞とを
よく混合することによって行う。続いて、選別用培地
(例えば、HAT培地)を用いてハイブリドーマ以外の
細胞を除去し、ハイブリドーマ培養上清の抗体産生の有
無を、例えばELISA法によって測定し、目的とする
ハイブリドーマを分離する。
クローナル抗体(後述)を各々分泌するハイブリドーマ
は、通常の培地で継代培養することができ、また液体窒
素等の中で容易に長期間保存することができる。
地としては、ハイブリドーマの培養に適した任意の培地
を用いることができ、好適にはDMEMにウシ胎児血
清、L−グルタミン、L−ピルビン酸および抗生物質
(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含む培地が用
いられる。
トロの場合には例えば培地中で5%CO2 濃度および3
7℃で約3日間、またイン・ビボ例えばマウスの腹腔中
で培養する場合には約14日間実施するのが好ましい。
した培養液から、あるいは前記6種のいずれかのハイブ
リドーマを投与した適当な哺乳動物(例えばマウスまた
はラット)の腹水から、目的とするモノクローナル抗体
を分離し、精製することが可能である。
ウスの腹水からモノクローナル抗体を分離、精製する場
合にはタンパク質の単離、精製に一般的に用いられる方
法を用いることが可能である。そのような方法としては
硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、分子篩ゲル
を用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プロテイン
A結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグラフィ
ー、透析、凍結乾燥の方法等がある。
ローナル抗体は、その反応性によって以下の3種に分類
することができる。 (1)ヒトPIVKA−IIと特異的に反応し、ヒトプロ
トロンビンとは反応しない第1のモノクローナル抗体群
(例えば、モノクローナル抗体GLA−1およびGLA
−2)。 (2)ヒトトロンビンおよびヒトプロトロンビンと特異
的に反応する第2のモノクローナル抗体群(例えば、モ
ノクローナル抗体T−1およびT−2)。 (3)ヒトプロトロンビンと特異的に反応し、ヒトトロ
ンビンとは反応しない第3のモノクローナル抗体群(例
えば、モノクローナル抗体PT−1およびPT−2)。
を不溶性担体に固定化させ、前記第1のモノクローナル
抗体および前記第2および/または前記第3のモノクロ
ーナル抗体を被検試料と接触させると、被検試料中のプ
ロトロンビンとは凝集反応を起こさず、PIVKA−II
との間でのみ凝集反応を起こさせることができるので、
PIVKA−IIの免疫学的定量方法に用いることがで
き、そして免疫学的定量用試薬としても有用である。
料は、PIVKA−IIを含有する可能性のある試料であ
れば特に制限されるものではないが、例えば、生体試
料、特には血液、血漿または尿、好ましくは血漿であ
る。本発明の免疫学的定量方法においては、被検試料を
希釈せずに、そのまま使用しても、被検試料中に遊離の
状態で存在するヒトプロトロンビンの妨害を避けること
ができる。
を利用する免疫学的測定方法において一般的に用いられ
る任意の不溶性担体を用いることができ、例えば、ラテ
ックス粒子(特には、ポリスチレンラテックス粒子)を
挙げることができる。
溶性担体に固定化させるには、公知の方法、例えば、化
学結合法(架橋剤としてカルボジイミド、グルタルアル
デヒド等を用いる)または物理吸着法を用いることがで
きる。こうして、モノクローナル抗体と不溶性担体との
複合体を形成し、これを本発明の免疫学的定量方法に用
いることができる。
記の不溶性担体に固定化した少なくとも2種のモノクロ
ーナル抗体を使用する(前記第1のモノクローナル抗体
は必須である)が、或る1種のモノクローナル抗体を不
溶性担体に固定化して調製した複合体を2種または3種
用いるか、あるいは、2種または3種のモノクローナル
抗体を或る1種の不溶性担体に固定化して調製した複合
体を用いることができる。更に、或る1種のモノクロー
ナル抗体を不溶性担体に固定化して調製した複合体1種
と、2種のモノクローナル抗体を或る1種の不溶性担体
に固定化して調製した複合体1種との組み合わせを用い
ることもできる。本発明に用いるモノクローナル抗体2
種の組み合わせとしては、前記の第1のモノクローナル
抗体(GLA−1、GLA−2)と第2のモノクローナ
ル抗体(T−1、T−2)との組み合わせが好ましい。
クローナル抗体固定化不溶性担体複合体の既知一定量と
未知量のPIVKA−IIを含有する水性被検試料の一定
量とを適当な反応容器(例えば、スライド板上あるいは
反応セル)中で接触させる。例えば血漿試料の場合に
は、血漿試料(非希釈液)1容量部に対して前記の複合
体懸濁水(1%以上の濃度)を1〜3容量部加えて接触
させる。また、凝集像をより鮮明にするために、試料と
複合体懸濁水に更に緩衝液(例えば、トリス塩酸緩衝
液)を加えて接触させてもよい。こうして形成される凝
集の程度からPIVKA−II濃度の定量を行うことがで
きる。この凝集反応は、血漿試料中に存在する遊離のプ
ロトロンビンの妨害を受けない。例えば、スライド板上
の場合には目視的に、反応セルの場合は特定の波長を用
いて分光学的に凝集反応を測定し、被検試料中のPIV
KA−II濃度を定量することができる。
するが、本発明は以下の実施例によって限定されるもの
ではない。 実施例1:人工的PIVKA−IIの調製 (a)人工的PIVKA−IIの調製は、精製プロトロン
ビンよりP.A.Priceの方法(J.Biol.C
hem.254,431,1979)に従って行った。
即ち、3mgのヒトプロトロンビンを0.05M塩酸お
よび0.1MNH4 HCO3 に溶解し、凍結乾燥した。
減圧下で乾燥プロトロンビンを110℃で加熱し、その
後セファデックスG−100によるゲルクロマトグラフ
ィーにより(4℃)精製した。
1)を等量のフロインド氏完全アジュバントと乳化する
まで混合し、その混合液200μlをBALB/c系マ
ウスの腹腔内に投与することにより免疫を行った(第1
回免疫)。30日経過後、前記と同様の混合液200μ
lを前記のマウスの腹腔内に投与した(第2回免疫)。
第2回免疫から21日経過後、人工PIVKA−II免疫
原溶液(A280nm=0.1)を等量の生理食塩水で
希釈して調製した人工PIVKA−II希釈液200μl
を、前記のマウスの静脈内に投与した(最終免疫)。最
終免疫から3日経過後、脾臓を無菌的にマウスから取り
出し、次の細胞融合工程に使用した。
ャーレに、無菌的に抽出した前記の脾臓を入れた。次
に、15%ウシ胎児血清を含むDME培地約15mlで
前記脾臓を還流して脾臓細胞を流出させた後、この脾臓
細胞懸濁液をナイロンメッシュに通した。この脾臓細胞
を50ml遠心チューブに集め、500×gで10分間
遠心した。こうして得たペレットにヘモライジング溶液
(155mM−NH4 Cl、10mM−KHCO3 、1
mM−Na2 EDTA:pH7.0)4mlを加え、懸
濁させた。0℃で5分間放置して懸濁液中の赤血球を破
壊させた。15%ウシ胎児血清10mlを含むDME培
地を加えてから遠心分離した。こうして得たペレットを
DME培地で遠心法により洗浄し、生きている脾臓細胞
数を測定した。
マ細胞(骨髄腫細胞)SP2/0−Ag14(理化学研
究所ジーンバンク細胞銀行)約2×107 個に前記脾臓
細胞1×108 個を加え、DME培地中でよく混合し、
遠心分離を行った(500×g、10分間)。その上清
を吸引し、ペレットをよく解きほぐし、40%ポリエチ
レングリコール4000溶液(38℃に保温)0.5m
lを滴下し、遠心チューブを手で1分間穏やかに回転す
ることによってポリエチレングリコール溶液と細胞ペレ
ットとを混合させた。次に、38℃に保温しておいたD
ME培地を30秒毎に1mlずつ加えて、チューブを穏
やかに回転させた。この操作を10回繰り返した後、1
5%ウシ胎児血清20mlを含むDME培地を加えて、
遠心分離(500×g、10分間)を行った。上清を除
去した後、15%ウシ胎児血清を含むHAT培地(DM
E培地にアミノプテリン4×10-7M、チミジン1.6
×10-5M、ヒポキサンチン1×10-4Mになるように
添加したもの)で細胞ペレットを遠心法によって2回洗
浄した後、前記HAT培地40mlに懸濁した。この細
胞懸濁液を96ウエル細胞培養プレートの各ウエルに2
00μlずつ分注し、5%炭酸ガスを含む炭酸ガス培養
器で37℃にて培養を開始した。培養中、2〜3日間隔
で各ウエルの培地を約100μl除き、新たに前記のH
AT培地100μlを加えることによりHAT培地中で
増殖するハイブリドーマを選択した。8日目から15%
ウシ胎児血清を含むHT培地(DME培地にチミジン
1.6×10-5M、ヒポキサンチン1×10-4Mになる
ように添加したもの)に交換し、ハイブリドーマを観察
するとともに、10日目に、後記のELISA法によ
り、抗人工PIVKA−II抗体産生ハイブリドーマをス
クリーニングした。
ELISA法により測定した。96ウエルELISA用
プレート(Immulon1.1.、日本ダイナテック株式
会社)の各ウエルに前記の人工PIVKA−II免疫原溶
液(A280nm=0.05、生理食塩水で希釈した)
50μlずつを分注し、25℃で2時間放置した。次
に、0.05%Tween20−生理食塩水で3回洗浄
した後、各ウエルに培養液上清50μlを加え、25℃
で1時間反応させた。
0倍に希釈したペルオキシダーゼ結合抗マウス抗体(ダ
コ社、デンマーク)50μlを各ウエルに加えた。反応
終了後、0.05%Tween20−生理食塩水で各ウ
エルを3回洗浄し、0.5mMアミノアンチピリン、1
0mMフェノールおよび0.005%過酸化水素水を含
む溶液250μlを各ウエルに加え、25℃で30分間
反応させ、各ウエルの490nmにおける吸光度を測定
した。その結果、192ウエル中、6ウエルに抗体産生
が認められた。その6ウエル中のハイブリドーマを24
ウエルプレートに移し、15%ウシ胎児血清を含むHA
T培地で4〜5日間培養した。その後、再度ELISA
法によって抗人工PIVKA−II抗体の産生の有無を確
認してから限界希釈法によりクローニングした。限界希
釈法は、HT培地でハイブリドーマが5個/mlとなる
ように希釈した細胞浮遊液を、予め正常BALB/c系
マウスの腹腔細胞がウエルあたり2×104 個分注して
ある96ウエルプレートの各ウエルに100μlずつ分
注した。10日後、ELISA法によって人工PIVK
A−II特異的抗体を産生するハイブリドーマのクローン
をスクリーニングした。
〜40個の抗体産生クローンが得られた。これらのクロ
ーンの中から、増殖力が強く、抗体分泌能が高く、しか
も安定なクローンを選び、前記と同様の方法で再クロー
ン化を行い、6種の抗人工PIVKA−II抗体産生ハイ
ブリドーマGLA−1、GLA−2、T−1、T−2、
およびPT−1、PT−2を樹立した。これら6種のハ
イブリドーマから分泌される6種のモノクローナル抗体
GLA−1、GLA−2、T−1、T−2、およびPT
−1、PT−2とヒトプロトロンビンあるいはヒトトロ
ンビン(アテンズ・リサーチ社、アメリカ)との反応性
を、96ウエルELISA用プレートにヒトトロンビン
あるいはヒトプロトロンビンを被覆し、前記のELIS
A法と同様の方法により調べた。モノクローナル抗体G
LA−1、GLA−2はヒトトロンビンとヒトプロトロ
ンビンの両者とは反応しなかった。モノクローナル抗体
T−1、Tー2はヒトトロンビンとヒトプロトロンビン
の両者と反応した。一方モノクローナル抗体PT−1、
PT−2はヒトプロトロンビンに反応したが、ヒトトロ
ンビンには反応しなかった。
1、T−2、およびPT−1、PT−2を、それぞれ1
5%ウシ胎児血清を含むDME培地で、37℃で5%二
酸化炭素雰囲気中において72〜96時間培養した。培
養物を遠心分離(10000×g、10分間)後、上清
に固形の硫酸アンモニウムを50%最終濃度となるよう
に徐々に加えた。混合物を氷冷下で30分間攪拌した
後、60分間放置してから遠心分離(10000×g,
10分間)処理し、得られた沈渣を少量の10mMリン
酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、1000倍量の10
mMリン酸緩衝液ですでに平衡化したDEAE−セルロ
−スのカラムに充填した。モノクローナル抗体の溶出は
10mMリン酸緩衝液(pH8.0)と0.2M−Na
Clを含む10mMリン酸緩衝液(pH8.0)の間で
濃度勾配法により行った。溶出されたモノクローナル抗
体を限外濾過法で濃縮し、0.1Mリン酸緩衝液(pH
8.0)に対して透析した。ウシ血清IgGを除くため
に、透析物をヤギ抗ウシ血清IgG−セファロース4B
カラムに通した。次に、通過液を0.1Mリン酸緩衝液
(pH8.0)で平衡化したプロテインA−セファロー
ス4Bカラムに充填した。カラムをpH3.5の緩衝液
で溶出して、精製した抗ヒトPIVKA−II特異モノク
ローナル抗体GLA−1、同様にモノクローナル抗体G
LA−2、モノクローナル抗体T−1、モノクローナル
抗体T−2、モノクローナル抗体PT−1、およびモノ
クローナル抗体PT−2の溶液を得た。
デカン)0.5mlを10〜12週齢のBALB/c系
マウスの腹腔内に投与し、それから14〜20日目のマ
ウスの腹腔内にインビトロで増殖されたハイブリドーマ
GLA−1、GLA−2、T−1、T−2、PT−1、
またはPT−2をマウス一匹あたり2×106 個となる
ように接種した。
約10〜15mlの腹水が得られた。その抗体濃度は、
2〜10mg/mlであった。腹水中のモノクローナル
抗体の精製は、前記のイン・ビトロ精製と同様の方法
(但し、ヤギ抗ウシ血清IgG−セファロース4Bのカ
ラムを通す操作を除く)で行った。
ブリンクラスおよび特異性の同定 モノクローナル抗体GLA−1、GLA−2、T−1、
T−2、PT−1、またはPT−2の免疫グロブリンク
ラスおよび特異性の同定はそれぞれオクテロニー免疫拡
散法およびエンザイムイムノアッセイ法により行った。
結果は表1および表2に示す通りである。
で反応を示すことを、そして−はELISA法で反応を
示さないことを意味する。また、図1に示すとおり、プ
ロトロンビンの1〜582番目のアミノ酸配列におい
て、プレトロンビン1は158〜582番目、フラグメ
ント1は1〜157番目、フラグメント2は158〜2
75番目、グラ領域は1〜41番目、ペプチドIは1〜
24番目(但し、glaをgluに置換した合成ペプチ
ド)およびペプチドIIは25〜41番目(但し、gla
をgluに置換した合成ペプチド)である。
ス)との結合 モノクローナル抗体GLA−1(2.0mg/ml)を
含有する水溶液2mlと、ラテックス溶液(2%、Do
w Chemical社:粒径0.482μm)2ml
とを混合し、約1時間攪拌した。遠心(20000×
g、10分間)した後、沈澱を0.1%BSA溶液に懸
濁し、約1時間攪拌した。再び遠心(20000×g、
10分間)した後、沈澱を水に懸濁し、約2時間攪拌し
た。こうして、モノクローナル抗体GLA−1/ラテッ
クス複合体含有液を得た。同様にしてモノクローナル抗
体GLA−2、モノクローナル抗体T−1、モノクロー
ナル抗体T−2、モノクローナル抗体PT−1およびモ
ノクローナル抗体PT−2を用いて、単独の各モノクロ
ーナル抗体とラテックスとの複合体の含有液を調製し
た。
のように調製した。モノクローナル抗体GLA−1、モ
ノクローナル抗体T−1およびモノクローナル抗体PT
−1をそれぞれ0.66mg/mlずつ含有する水溶液
2mlと、ラテックス溶液(2%、Dow Chemi
cal社:粒径0.482μm)2mlとを混合し、約
1時間攪拌した。以下、前記と同様に処理して、モノク
ローナル抗体GLA−1/モノクローナル抗体T−1/
モノクローナル抗体PT−1/ラテックス複合体を調製
した。他の組み合わせも同様の方法で調製した。
クローナル抗体T−1をそれぞれ1mg/mlずつ含有
する水溶液とラテックス溶液とを等量混合すること以外
は前記と同様にして、モノクローナル抗体GLA−1/
モノクローナル抗体T−1/ラテックス複合体を調製し
た。
lと種々な濃度のPIVKA−IIを含有する水溶液30
μlとをスライドガラス上で混合し、揺動して3分後に
凝集像を目視的に判定した。結果を以下の表3〜表6に
示す。
して−は凝集なしを各々意味する。また、各表の抗体/
ラテックス複合体の欄において、複合体の種類をその複
合体に結合するモノクローナル抗体によって示す。従っ
て、例えばGLA−1はモノクローナル抗体GLA−1
/ラテックス複合体を意味し、GLA−1+T−1はモ
ノクローナル抗体GLA−1/ラテックス複合体とモノ
クローナル抗体T−1/ラテックス複合体との等量混合
液を意味する。更に、GLA−1/T−1はモノクロー
ナル抗体GLA−1含有液、モノクローナル抗体T−1
含有液およびラテックス溶液を等量混合したものであ
る。
試験 5種の検体、即ち健常人Aから採取した血漿(検体
1)、健常人Bから採取した血漿(検体2)、肝細胞癌
患者Cから採取した血漿(検体3)、肝細胞癌患者Dか
ら採取した血漿(検体4)および肝細胞癌患者Eから採
取した血漿(検体5)中のPIVKA−II濃度を、実施
例5のモノクローナル抗体GLA−1/モノクローナル
抗体T−1/ラテックス複合体溶液を用いて測定した。
次いで、それぞれの検体に精製PIVKA−IIを表7に
記載の量で添加し添加回収試験を行った。測定値は検体
を倍々希釈して凝集の消失する希釈倍率から半定量的に
測定した。結果は表7に示すように、良好な回収が得ら
れた。
VKA−II値 実施例6で使用したモノクローナル抗体GLA−1/モ
ノクローナル抗体T−1/ラテックス複合体溶液を用い
て、健常人血漿20検体、肝細胞癌患者血漿55検体の
PIVKA−II量を測定した。結果を第2図に示す。健
常人群のPIVKA−II量は全例0.1μg/ml未満
であった。それに対して肝細胞癌患者群は全例1μg/
ml以上であった。
行わなくても、血漿中のプロトロンビンの干渉を受ける
ことなく、患者血漿中のPIVKA−II量を特異的に、
簡便かつ迅速に、凝集法により測定することができる。
これは、本発明によって初めて可能になったものであ
る。従って、本発明は肝細胞癌等の診断および病理研究
に有用な手段を提供するものである。
異性を同定した際に用いた各種のペプチド断片の構造を
示す説明図である。
ス複合体を用いて、健常人血漿(20検体)および肝細
胞癌患者血漿(55検体)中のPIVKA−II量を測定
した結果を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 不溶性担体に固定化された、ヒトPIV
KA−II、ヒトトロンビンおよびヒトプロトロンビンに
反応するモノクローナル抗体またはヒトPIVKA−II
およびヒトプロトロンビンに特異的に反応し、ヒトトロ
ンビンには反応しないモノクローナル抗体の少なくとも
1種、並びにヒトPIVKA−IIに特異的に反応し、ヒ
トプロトロンビンおよびヒトトロンビンには反応しない
モノクローナル抗体と、被検試料とを接触させ、被検試
料における凝集反応を観察することを特徴とする、ヒト
PIVKA−IIの測定方法。
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JP11840092A JP3307422B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | ヒトpivka−iiの免疫学的測定方法 |
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JP11840092A JP3307422B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | ヒトpivka−iiの免疫学的測定方法 |
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-
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