JP2000512123A - ネフロパシー―関連免疫グロブリンg及びそのための抗体 - Google Patents

ネフロパシー―関連免疫グロブリンg及びそのための抗体

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Abstract

(57)【要約】 末期腎臓病の糸球体硬化症を持つ患者の尿中に高濃度で生じることが見出された新規免疫グロブリン−様糖蛋白質を記載する。このネフロパシー−関連蛋白質は腎臓病を発症する危険性が高い患者の尿、ならびに器官不全又は拒絶の初期徴候を経験している腎臓移植受容者の尿中でもしばしば高濃度で見出される。この糖蛋白質は正常ヒトIgG分子上のものと同一であるいくつかの抗原性エピトープを有するが、このネフロパシー−関連免疫グロブリン−様分子にユニークなエピトープに結合する2つのモノクローナル抗体を開発した。このネフロパシー−関連蛋白質が腎臓−関連病に対する初期の特異的マーカーとして働くことを可能とするイムノメリックアッセイを開発した。

Description

【発明の詳細な説明】 ネフロパシー−関連免疫グロブリンG 及びそのための抗体 発明の背景 本発明は、新規免疫学的試薬及び腎臓の病気又は損傷(以下、時々、「ネフロ パシー」ともいう)の検出のためのアッセイ、特に、現在の方法では検出できな い発生段階におけるネフロパシーを検出できるアッセイにおけるそれらの使用に 関する。本発明の基礎は、球状蛋白質の免疫グロブリンクラスにおける糖蛋白質 であって、明白な腎臓病の発生に関連することが示されているヒト・ネフロパシ ー−関連蛋白質の発見である。このネフロパシー−関連免疫グロブリン−様蛋白 質(以下、「NRIg」という)は、腎臓−関連病についての非常に初期の特異 的マーカーとして働くことができると信じられている。 かくして、1つの実施形態において、本発明は、米国特許第4,783,52 8号に「RhC」として記載されている免疫複合体−捕獲蛋白質試薬を用いるヒ ト体液からのNRIgの単離及び精製に関する。 もう1つの実施形態において、本発明は、本発明のアッセイで使用する高度に 特異的な抗体を調製するためのその純粋な形態のNRIgの使用に関する。本発 明の特に好ましい実施形態は、明白なネフロパシーの発生のプ リディクターとして尿中のNRIgの濃度を検出し及び/又は測定するユニーク で高度に感度のよい免疫学的アッセイにおける、かかる抗体及び免疫化RhCの 使用に関する。 さらにもう1つの実施形態において、本発明は、生物学的流体中のNRIgの 検出のための単純で経済的で信頼できるアッセイを提供する。これらのアッセイ は、本発明のモノクローナル抗体を利用する。NRIgについてのそれらの特異 性のため、これらの抗体は、例えば巧妙な酵素結合イムノソルベント検定法(E IA)からエレガントで単純な放射免疫拡散(RID)アッセイにいたる範囲の 種々の方法によって、非常に広範囲の臨床的状況において腎臓病の検出で特に有 用である。 本明細書で使用する免疫学的用語は、通常の用法及び定義に合致すると信じら れる。いずれかの現在予測されない混乱が起きれば、特に断りのない限り、用語 の解釈はWilliam E.Paul,Fundmental Immuno logy,第2版(1989)、Raven Ltd.,New Yorkによ るよく知られた教科書におけるその定義及び用法に合致させるべきである。 読み手の便宜のため、いくつかの出版物を本議論で引用する。これらの引用は 本発明が関連する技術の水準をより十分に記載するが、これらの引用を含めるこ とは、いずれも本発明に関する先行技術を表すことを許すもの ではない。 現在実施されている腎臓病の臨床的診断は、血中尿素窒素(BUN)の、及び 血漿中のクレアチニンのレベルの観察された変化、ならびに尿分析で検出された 異常及び尿生成量にほとんど絶対的に頼っている。これらのテストは存在する腎 臓損傷を明らかにするには有用であるが、それらは将来の腎臓損傷を予測するに は有用ではない。 本議論は、固有の腎臓病の履歴のない個々の患者のみならず、特に、その全身 病が、それらの病気の進行の間のある時点で、腎臓に影響する患者において、そ の発生の非常に初期の、すなわち、その発端形態の腎臓病を正確に検出するにお いて臨床家及び研究者が直面するような困難を説明するのに役に立つ。 この臨床的現象の広い生起に関わらず、また問題となる広範な臨床的及び実験 室的研究に関わらず、ほとんどの腎臓病の根底にある病理的メカニズムは知られ ていない。腎臓に影響し得る病理学的疾患の広い生起を仮定すれば、それらの一 次病の合併症としてのネフロパシーを個人が発症する信頼性に関して予測するの に使用できる測定可能な物質の単純で非侵入的な診断テストが依然としてないの は驚くべきである。初期ネフロパシーのためのかかる診断テストは、臨床的介入 が引き続いての腎臓損傷の程度を依然として制限する場合、「初期警告シグナル 」を構成するはずである。 この目的に向けて、ベータ−2−ミクログロブリン等の低分子量血漿蛋白質の 測定に、又は腎臓損傷が起こった場合に尿に放出されるL−アラニンアミノペプ チダーゼ(AAP)及びN−アセチル−ベータ−D−グルコサミニダーゼ (N AG)等の種々の腎臓酵素の測定に、多大な努力が払われてきた。これらのテス トはおくの有用な情報を提供してきたが、それらは限定された適用しか有しなか った。何故ならば、それらは腎臓障害の原因及び部位に関して非特異的であるの みならず、テスト蛋白質は尿中で非常に安定ではないからである。さらに、種々 の酵素阻害剤及び他の干渉性物質が通常尿に存在し、これがこれらのテストの特 異性及び有用性をかなり低下させる。 非侵入的テストの有用性を改良するために、尿に存在する特異的腎臓抗原の免 疫学的測定を開発して、ネフロパシーの発生のみならず腎臓障害の部位及び重症 度を判断してきた。例えば、Schoenfeld及びGlassock(Ki dney Intl 3:309−314、1973)は、濃縮されたヒト尿中 の近位細管刷子縁上皮抗原を同定するための免疫拡散技術を開発した。Zega r及び同僚は、尿中の近位腎臓細管上皮抗原(HRTE−1という)のためのラ ジオイムノアッセイを開発した。しかしながら、この抗原は腎臓以外の器官で検 出し得るので、該アッセイ(Nephron26:7−12,1980)は特異 性を欠くものであった。 多数の研究者が、血清及び尿中の特異的腎臓−関連抗原の存在を検出するプロ ーブとしてのモノクローナル抗体の使用を報告してきた(Sachseら、Cl in Chim Acta 110:91−104、1981;Michael ら、Kidney Intl 24:74−1983;Tolkoff−Rub in,Kidney Intl 29:142−152,1986)。これらの 抗体の使用は、ネフロパシーの部位及び程度双方を測定する定量的手段を提供し た。尿の系列的試料は容易に得られるので、このアプローチは腎臓病の段階及び 活動度、ならびに療法に対するその応答性をモニターすることを可能とした。例 えば、腎臓病において腎臓刷子上皮細胞から尿に放出される、120Kaの近位 細管抗原、アデノシンデアミナーゼ結合蛋白質(ABP)を検出するためのモノ クローナル抗体の使用は米国特許第4,731,326号に記載されている。し かしながら、尿中の腎臓蛋白質の存在を検出するための多数のこれらのアッセイ の欠点は、検出されるべき抗原が初期腎臓病の非常に初期のプリディクターとし ては有用ではなく;むしろ、該アッセイは臨床的に明白なネフロパシーのタイプ 及び位置を測定するのに一義的に有用であるということである。 糖尿病を持つ患者の群において、患者のほぼ35パーセントが腎臓病を発症し 、糖尿病の開始のほぼ15年後に末期腎臓病まで進行する。生憎と、これらの患 者にお ける腎臓病は、通常、尿中の過剰の(アルブミン等)血清蛋白質に執拗に存在す る、現在使用されているマーカー、及び血中クレアチニンの上昇したレベルによ って診断される時点までには、非常に進行しており、不可逆的である。 糖尿病患者の尿中の「アルブスティックス(albustix)」−陽性蛋白 質血症(マクロ蛋白質血症及びマクロアルブミン血症としばしばいわれる疾患) は、通常、明白な臨床的ネフロパシーの存在を信号する。また、この進行した段 階の腎不全を呈する患者の多くは、上昇した血圧を有する。病気進行においてこ の段階で採取した腎臓バイオプシーは、通常、腎臓に対する進行した不可逆的な 構造損傷を示し、この損傷は蛋白質血症の生起によってそれが臨床的に検出され るかなり前に腎臓に存在するようである。 マクロ蛋白質血症のこの後期検出とは対照的に、幾人かの研究者は、非常に少 量のアルブミン(ミクロアルブミン血症)の尿中での検出は腎臓病に対するより 感度のよいマーカーであるという注意を促してきた(例えば、Mogensen CE.Diabetes 39:761−767,1990参照)。生憎と、 運動、血中糖レベルの貧弱な制御及び他の代謝アンバランスは糖尿病対象におい てアルブミン分泌を非特異的に増加させ、それにより、これらの個体における初 期腎臓病の信頼できる単一のマーカーとしてのミクロアルブミン血症の臨 床的価値を低下させる。さらに、熱心な運動それ自体は幾人かの健康な個体の尿 中でミクロアルブミン血症を誘導するのに十分である。 腎臓損傷が臨床的問題となる前でさえ、ネフロパシーの発生の開始段階と特異 的に関連する物質を検出するためのテストを有するのは大きな臨床的利益であろ う。かなりま腎臓損傷が起きる前に適当な療法を開始できるようなネフロパシー のかかる初期検出は臨床的に重要である。腎臓病が実験群で初期に検出されると 、成功した療法の結果、進行性腎臓病の安定化となる。明らかに、はっきりとし た臨床的集団内のネフロパシーの初期検出から生じるべき非常に大きな利益は、 ミクロアルブミン血症よりも特異的な検出システムの開発に仕向ける。 腎臓病用の初期マーカーとしてのNRIgの使用の可能性は高度に重要である 。腎臓病の初期発生のインジケーターとしての患者の尿中のアルブミン以外の蛋 白質マーカーについてのテストは、腎臓病の開始と種々の病気のうちいずれかを 持つ患者に散発的に起こり得る運動−誘発又は偶然のアルブミン血症との間を医 師が区別できるようにする。また、末期腎臓病についての特異的マーカーは、臨 床的試行において治療様式をモニターし評価するのに高度に有益であろうし、ま た、かかる療法から益を受ける高度に危険な患者を同定するであろう。 発明の概要 本発明において、「体液」なる用語は検出可能な量の免疫グロブリンG(Ig G)を含有するいずれのかかる流体も含む。一般に、かかる流体は尿、血清及び 血漿を含む(後者は単に消費される凝固因子が除去されていない血清である)。 尿は本発明で用いるのに特に好ましい体液である。涙、唾液及び他の粘液分泌物 は体液であって、通常、IgA免疫グロブリン分子のみを含有する一方、それら は免疫複合体、又はIgG又はIgMイソタイプいずれかの免疫グロブリン分子 を含有し得る。もう1つの体液としての脳脊髄液は稀に免疫グロブリンを含有し 、ルーチン的実験のためのその使用は、感染のかなりの危険性及び/又はかかる 流体を得るのに利用される侵入的手法に伴う出血のため、極めて非現実的である 。 以下の議論のうちかなりは臨床的に確認された糖尿病を持つ患者での研究に焦 点を当てる。というのは、これは臨床的病理学的存在であり、ここに、本発明の 新規なネフロパシー−関連蛋白質が発見された。しかしながら、本発明の新規ネ フロパシー−関連蛋白質は糖尿病以外の種々の臨床的病理学における初期腎臓病 (例えば、アミロイドーシス;高血圧;及び全身性エリテマトーデスを含めたリ ウマチ学的障害)の初期ディテクターとしても関連し、そのうえ、腎臓移植を受 けた患者において器官拒絶のインジケーターでもある。 本発明によると、腎臓病の臨床的徴候のない多数の患者を含めた、初期ネフロ パシーを持つ患者の体液中で蛋 白質マーカーが見出された。このマーカーの存在はネフロパシーの開始及び進行 と正確に相関する。「RhC」免疫複合体−捕獲試薬を用い、本発明のネフロパ シー−関連マーカー蛋白質はまず末期腎臓病を持つ糖尿病患者からの循環免疫複 合体(CIC)の一部として単離された。得られた複合体は本発明の実施形態を 構成する。かかる複合体において、ネフロパシー−関連NRIg蛋白質は該CI Cの必須成分である。NRIg及びその調製は後記にてより詳しく議論する。 略言すると、NRIgは約150,000ダルトン(以後、「150kDa」 )の分子量を有し、免疫グロブリンG(IgG)である。これは非常に予測され なかった。何故ならば、糖尿病ネフロパシーの免疫学的基礎は全く確立されてい ないからである。さらに予測されなかったのは、引き続いてネフロパシーを発症 する患者の体液中のこのNRIg蛋白質マーカーの初期徴候前出現であった。こ の予測されない現象は本発明のネフロパシーの初期検出のための免疫学的アッセ イの基礎を形成する。かかる免疫学的アッセイは適当な特異性を持つ抗体、好ま しくは、本発明により提供され、後記にてより詳細に議論するモノクローナル抗 体に依存する。これらの抗体の全てはNRIg分子上の区別される抗原性抗原決 定基につき高度に特異的である。 NRIgは免疫原性蛋白質であり、ホムリクローナル及びモノクローナル抗体 の生産を誘導するにおいて有用 なユニークな抗原性抗原決定基を発現する。かかる抗体生産では、NRIgは精 製形で使用するのが好ましく、かかる形態において本発明の実施形態を構成する 。精製形において、NRIg糖蛋白質は、この蛋白質を>1μg/mlまで特異 的に濃縮する手法によって その天然状態から取り出される。特異的抗体の生産 では、NRIgの濃度は>10μg/mlであるのが好ましい。精製NRIgで 適当な宿主動物を免疫化した結果生産された抗体は、NRIgで発現された抗原 決定基に特異的にかつ非常に高い親和性をもって結合することができる。本発明 の抗体の結合親和性は、一般に、少なくとも106リットル/モル、好ましくは 少なくとも108リットル/モル、より好ましくは109リットル/モルである 。 要約すると、NRIgはネフロパシー−関連障害に罹った宿主生物の体液に由 来する。かかる臨床的障害の発生に際して、天然免疫原性NRIg蛋白質が宿主 生物の血清及び尿を含めたいくつかの体液で見出される。特に重要なのは、腎臓 病の臨床的徴候が出現する前でさえ、天然NRIgが、個体の血清及び尿で見出 すことができ、これはNRIgを、初期腎臓病のディテクターとしてのみならず 腎臓病の発生の感度のよい初期プリディクターとしても有用とする。 本発明によりモノクローナル抗体を生産するにおいて、本発明のNRIg蛋白 質に特異的なモノクローナル抗体を合成し分泌するハイブリドーマ細胞系を確立 した。 かかるモノクローナル抗体の生産における最初の工程として、常法プロトコルに 従って動物宿主を免疫化して、NRIgに対する抗体を産生する(プラズマ細胞 としても知られている)特異的免疫リンパ球の発生を誘導する。同一動物種に由 来する骨髄腫細胞に関する常法実験プロトコルに従って、これらのリンパ球を免 疫化宿主から回収し、融合させて巨大体細胞ハイブリッドを形成させる。元来は G Kohler及びC Milstein(Nature 256:495− 497,1975)によって報告されているこれらのハイブリッド融合プロトコ ルは、一般に、当業者に知られている。 細胞−細胞ハイブリッドは融合で使用された両親細胞の特徴を呈し:悪性骨髄 腫親のように、融合細胞ハイブリッドは組織培養において迅速かつ不規則に増殖 する能力を有し;加えて、それらは融合に参加した正常抗体−分泌リンパ球親の 遺伝子によって特定される大量の抗体を分泌する能力を有する。これらのハイブ リッド細胞系は「ハイブリドーマ」と呼ばれる。適当な選択及びクローニングの 後、それらを組織培養中、又は不定期間、遺伝的に同一もしくは免疫無防備動物 中で増殖させて、NRIgに対する抗体を連続的に産生させる。本発明の確立さ れたハイブリドーマ細胞系の1つはIgMイソタイプの免疫グロブリンを分泌し 、ハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10490として、メリーランド州、ロ ックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ ン(ATCC)に寄託された。本発明のもう1つの確立されたハイブリドーマ細 胞系はIgG1イソタイプの免疫グロブリンを分泌し、ハイブリドーマ細胞系受 託番号HB−10491としてATCCに寄託された。これらの細胞系は本発明 の実施形態を構成する。 本発明のもう1つの実施形態において、少なくとも2つの抗体を要するサンド イッチ型イムノメトリックアッセイで有用な異なるイソタイプの少なくとも2つ の抗体を含む一組の抗体も提供される。抗原決定基に結合する特異的かつ高い親 和性を呈するかかる抗体は本発明のヒトNRIg上でユニークに発現された。こ の組はNRIgに対する高親和性を持つ抗体の均一調節物よりなるのが好ましい 。本発明の特に好ましい実施形態はかかる抗体の一組を含み、ここに、少なくと も1つはマクログロブリンタイプのネズミ由来モノクローナル抗体であり、AT CCハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10490によって生産されたモノク ローナル抗体と同等の免疫グロブリンM(IgM)イソタイプであり、この組の 少なくとも1つの他の抗体はATCCハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10 491によって生産されたモノクローナル抗体と同等の免疫グロブリンGタイプ 1(IgG)イソタイプのネズミ由来モノクローナル抗体である。一般に、使用 される必要があるのは2つのNRIg−特異的抗体のみである。この組の各抗体 は異なる抗原性部位につき特異的であって、従って、標的NRIg分子 上の異なる抗原決定基に結合するので、モノクローナル抗体の該組は、体液中の NRIgの存在及び/又は濃度の測定にために、通常の「2−部位」又は「サン ドイッチ」イムノメトリックアッセイ技術で使用するのにユニークに適合する( 例えば、米国特許第4,376,110号及び第4,486,530号参照)。 それらがあるアッセイで容易に検出できるように、本発明の抗体は放射能、蛍 光、又は酵素マーカーを含めた種々の標準的物質のうちいずれかで標識すること ができる。かかる標準的マーカーの例は以下のものである。 1.放射能:トリチウム、炭素−14、リン32、ヨウ素−125; 2.蛍光:フルオレセイン、ローダミン、フィコエリスリン、テキサスレッド ; 3.酵素:ホースラディッシュペルオキシダゼ、アルカリ性ホスファターゼ、 B−ガラクトシダーゼ これらのマーカーで抗体を標識し、かかるマーカーを検出する方法は後記にて より詳細に議論するが、一般的には当該分野でよく知られている。 本発明のイムノメトリックアッセイのあるものを行うには、不溶化形態のNR Ig−特異的捕獲試薬(すなわち、本発明の抗体、又はRhC)を使用する必要 がある。かく使用される場合、かかるNRIg−捕獲試薬は不溶化されるか、あ るいはそうでなければ種々の標準固定化基材上に支持される。捕獲試薬が付着さ れる材料の例 はガラス、合成ポリマー、合成樹脂、セルロース及び種々の金属である。これら の捕獲試薬を付着させる手法は、使用される剤及び基材に応じて変化するが、一 般に、当該分野でよく知られている。固体マトリックスに対する抗体の結合方法 のいくつかは、E Harlow及びD Lane、Antibodies:A Laboratory Manual,New York:Cold Spr ing Harbor Laboratory,511−552頁,1988に 議論されている。しかしながら、RhCに関しては、プラスチック製ミクロテス トプレート(例えば、Dynatech,Chantilly,VAによって製 造された「Immulon−2」)へのRhCの結合には、後記にて十分に議論 するごとく、臨界的条件が必要であることは予期せぬことに見出されたことに注 目すべきである。略言すれば、これらは、プラスチック表面へのRhCの固定化 の間における特別に調製された(トリス−2−アミノ−2−ヒドロキシメチル− 1,3−プロパンジオールを含有する)トリス緩衝液の使用、ならびに該プロセ スは固定化工程の間に25℃近くの雰囲気温度でなされなければならないという 要件である。抗体又はRhCが付着されるべき又はそうでなければ不溶化される べき不活性材料は、平坦であるかあるいは皿又はマルチウェルプレートのような 便宜な形態に成型された膜又はシートのような広範な連続的形態を有し得るか、 あるいは所望のサイズの不連 続的粒子又はビーズの形態とし得る。 NRIgは多数のイムノメトリックアッセイで検出できる。本発明の特に好ま しい実施形態において、腎臓病の初期連取つのための単純で、経済的で、感度が よく、かつ信頼性のあるアッセイが提供され、ここにRhCがNRIg蛋白質に つき特異的な捕獲剤として使用される。固定化されたRhCはテスト試料中でい ずれかのNRIgを捕獲しそれに結合する。NRIgに対する免疫学的特異性を 呈する標識抗体を、次いで、試料に添加して、RhC蛋白質に結合したいずれの NRIgの存在をも確認しマークする。かくして、この実施形態によると、工程 : (A)RhC蛋白質が不活性基質に結合して固定化RhC試薬(この試薬は未 標識である)を形成するのを可能とする条件下で、分析すべき体液中に不溶な該 基質にRhC蛋白質を接触させ; (B)体液試料を固定化試薬と接触させて、固定化RhC蛋白質試薬及びテス ト試料に存在していたかも知れないいずれかのNRIgを含有する不溶化複合体 を形成させ; (C)これらの不溶化複合体を該NRIgに結合する第1の抗体と接触させ( この第1の抗体は標識されているか又は未標識であってよい)、 (1)該第1の抗体が 標識されている場合は、該不溶化複合体に結合した 標識抗体の量又は未反応標識抗 体の量を測定し; (2)該第1の抗体が未標識である場合、該第1の抗体に特異的にかつそれ だけに結合する標識された第2の抗体に該第1の抗体を接触させ、該第1の抗体 に結合した標識された第2の抗体の量又は未反応標識第2抗体の量を測定し、次 いで、 (D)テスト試料からの不溶化複合体に結合した標識抗体の量を、工程(A) −(C)に従って調製した陽性又は陰性対象試料からの不溶化複合体に結合した 標識抗体の量に関連付けて体液中のテスト試料中におけるNRIgの存在又は濃 度を決定する; を含む体液のテスト試料中のNRIgの存在の判定方法が提供される。 かくして、要約すると、本発明は、抗原性物質、RhC蛋白質及びRhC蛋白 質以外の異なる部位で抗原に結合した抗体の複合体を形成させることを含む、ネ フロパシーの引き続いての発症に関連した抗原性物質の存在又は濃度を、体液の 試料中にて、測定するイムノメトリックアッセイ方法を提供する。この複合体は 、体液試料を固定化RhC蛋白質と接触させ、続いてNRIgに対する結合特異 性を有する抗体と接触させることによって形成される。 本発明のもう1つのアッセイは、捕獲剤としてNRIg特異的抗体を使用する ことを含む。かかるアッセイの例は酵素結合イムノソルベント検定法IEIAで あり、 これはNRIgに対して特異的であってNRIgを捕獲するために不活性基質に 固定化されたポリクローナル又はモノクローナル抗体を用いる。次いで、NRI gにつき特異的な第2のポリクローナル又はモノクローナル抗体を試料に添加し て、第1の抗体に結合したNRIgの存在を確認しマークする。この第2の抗体 は通常のEIAプレートリーダー(例えば、Dynatech自動EIAプレー トリーダー、Dynatech Laboratories,Chantill y,バージニア州)による検出に適した酵素で標識される。 固体支持体に結合した未標識抗体としてEIAアッセイで使用される抗体及び 可溶性標識抗体として使用される抗体は、通常、2以上の異なるモノクローナル 抗体、すなわち、単一の抗原部位に対して特異的であってユニークな細胞系に由 来するクローンによって別々に産生された各抗体である。好ましい実施形態にお いて、固体支持体に結合した抗体として使用されるモノクローナル抗体は、標識 抗体で使用されるモノクローナル抗体であるというよりも異なる細胞系の産物で あって、2つのモノクローナル抗体は、相互から離れた部位でNRIgに結合し て抗原への他のものの結合に干渉しないように選択される。 NRIgの検出に適したEIAアッセイにおいて前記モノクローナル抗体の組 を利用するのが便宜であることが判明した。略言すると、このアッセイは以下の ごとく に行われる。 a. NRIgにつき特異的な精製IgMモノクローナル抗体をEIAプレー トのウェル中で1時間ないし24時間インキュベートし、続いてウェルを徹底的 に洗浄して全ての未結合抗体を除去することによって、該抗体を該ウェルにコー トする。 b. NRIg含量につきテストすべき体液を、Tween−20を含有する リン酸緩衝化セーライン(PBS−Tween)中で1:5に希釈する。次いで 、希釈したテスト検体を37℃にてEIAプレートの適当なウェル中で1ないし 2時間インキュベートするPBS−Tweenで徹底的に洗浄することによって いずれかの又は全ての未結合蛋白質をテストウェルから除去する。 c. アッセイ系についてのバックグラウンドを定義するにおいて、健康な個 体からの実質数の体液検体をテスト試料中に含ませなければならず、陰性対照と して用いる。これは、使用すべき実験条件下でアッセイ系で起こる正常応答の範 囲についての情報を提供する。 d. NRIgにつき特異的な本発明の第2のユニークなモノクローナル抗体 はIgG抗体である。それをEIAプレートの全ての適当なウェルに添加し、3 7℃で少なくとも1時間インキュベートする。 e. PBS−Tweenで過剰の(未結合)IgG抗体を洗い落とし、ペル オキシダーゼ酵素結合ヤギ抗−マウス抗体を全てのテストウェルに添加し、37 ℃で1時 間インキュベートする。 f. EIAプレートを再度徹底的に洗浄し、テトラメチルベンジジン(TM B)(N Rose,H Friedman及びJ Fahey:Manual of Clinical Laboratory Immunology,第3 版,Wshington DC:American Society for Mirobiology Press,105−107頁,1986参照)のよ うな適当な酵素基質と共にプレートを37℃で0.5−1時間インキュベートす ることによって、ウェルに結合した酵素活性を測定する。抗原−結合酵素及びそ の基質の反応によってウェル中で生じた反応生成物の量を、TMBについての4 50nmのように、特別の酵素−基質反応生成物に適した吸収波長でEIAリー ダーで全プレートをスキャンすることによって定量する。 g. 個々のウェル中の酵素色変化の存在及び強度は、そのウェル中の体液の 試料に元来存在するヒトNRIgの量に直接比例する。 かくして、要約すれば、該EIAアッセイは、工程: (A)NRIgに特異的な第1の抗体が不活性基質に結合して固定化第1抗体 を形成するのを可能とする条件下で、体液中に不溶な該基質に該第1の抗体を接 触させ, (B)体液試料を固定化第1抗体と接触させて、第1抗体及び試料に存在する いずれかのNRIgの不溶化複 合体を形成させ; (C)不溶化免疫複合体を、第1抗体によって結合されるものとは異なる抗原 部位においてNRIgに結合する第2の抗体に接触させ(この第2の抗体は標識 されているか又は未標識であってよい)、 (1)該第2の抗体が標識されている場合は、該不溶化複合体に結合した標 識抗体の量又は未反応標識抗体の量を測定し; (2)該第2の抗体が未標識である場合、(a)該第2の抗体に特異的にか つそれだけに結合する標識された第3の抗体に該第2の抗体を接触させ、該第2 の抗体に結合した標識抗体の量又は未反応標識抗体の量を測定し、次いで、 (D)テスト試料からの不溶化複合体に結合した標識抗体の量を、工程(A) −(C)に従って調製した陽性又は陰性対象試料からの不溶化複合体に結合した 標識抗体の量に関連付けて体液中のテスト試料中におけるNRIgの存在又は濃 度を決定する; ことを含む体液のテスト試料中のNRIgの存在の判定方法である。 加えて、標的ヒトNRIg蛋白質は、放射免疫拡散(RID)アッセイによっ て検出することができる。このアッセイは、体液の同一試料中のミクロアルブミ ン血症及びNRIg双方の同時検出及び定量のために設定される。このアッセイ の調製における第1の工程として、適 当に希釈された抗体又はNRIgに対する抗体の組合せを、アッセイ容器の一部 中のアガロースゲルに懸濁させ、適当に希釈された抗体又はアルブミンに対する 抗体の組合せを別々にアッセイ系のもう1つの一部中のアガロースゲルに懸濁さ せる。テストすべき体液のアリコットを、異なるアガロースタイプの各々に個々 に切断された小壁に適用する。希釈された体液試料がアガロースに拡散するにつ れ、体液中の抗原の濃度に比例するウェルの中央からの距離に、沈殿のリングが 形成される。先に測定された標準曲線によって、免疫拡散リングの直径を、テス トすべき体液中のNRIgの又はアルブミンの濃度に定量的に関連付けることが できる。(W Paul,Fundamental Immunology,第 2版,New York:Raven Press,第338頁,1989に議 論されているように)寒天中で抗原を沈殿させるそれらの増強された能力のため 、ポリクローナル抗体が好ましい。 また、本発明の範囲内に含まれるものでは、体液のテスト試料中のNRIgの 存在又は濃度の検出のための阻害アッセイを使用することができる。かかるアッ セイにおいて、既知量のNRIg及びモノクローナル抗体をNRIgを含有する ことが疑われる試料と接触させる。既知抗体及び既知NRIgの間の免疫複合体 の形成が阻害される程度は、アッセイすべきテスト試料に存在するNRIg抗原 と競合する量に直接比例する。阻害アッセイ の好ましい実施形態において、抗−NRIg抗体は溶液状であり、NRIg抗原 は、例えば、赤血球細胞又は目に見える凝集を形成するのを可能とするサイズの ラテックス粒子等の不溶性粒子に結合させる。いずれもの競合NRIg抗原の不 存在において、溶液に存在する抗−NRIg抗体はNRIg−被覆粒子が凝集し 、目に見えるクランプ(本発明では、以後、凝集体という)を形成するようにす る。NRIg抗原を含有することが疑われる体液のテスト試料を抗−NRIg抗 体及び結合したNRIg抗原と混合し、凝集体形成の阻害が、抗体と凝集体を形 成できない可溶性NRIg抗原との間の複合体化のために起こる。凝集体の減少 は、比濁法等の濁度測定技術を用いて測定できる。 本発明のアッセイのいずれにおいても、全てのアッセイはNRIgの存在又は 濃度を検出するのに用いることができ、すなわち、それらはNRIgを各々定性 的に又は定量的に検出し又は測定するのに用いることができることが理解される べきである。かくして、前記及び後記でで用いる「測定」又は「測定する」、及 び「検出」及び「検出する」なる用語はアッセイの定性的及び定量的態様を共に カバーすることを意味する。 発明の詳細な説明 ネフロパシー−関連免疫グロブリン蛋白質(NRI) NRIgは、当該蛋白質を生じるネフロパシー−関連障害に罹った宿主生物の 体液中で上昇したレベルで見出される。それは正常で健康な個人では上昇したレ ベルでは見出されない。 以下の議論は糖尿病を持つ患者での研究に焦点を当てる(これは本発明のネフ ロパシー−関連蛋白質が発見された病気だったからである)が、本発明を糖尿病 のみに限定する意図ではない。本発明の範囲内には、この蛋白質が形成されるい ずれの病気も含まれる。 この新規なNRIg蛋白質が出現する病気の中には血管硬化症に関連するもの がある。これらの病気は糖尿病、高血圧、及びとりわけアミロイドーシスのよう なリウマチ病のいくつかである。「血管硬化症」とは、生物学的病巣の部位で起 こる生物学的修復過程の間にコラーゲン及び繊維芽細胞を身体が析出する場合に 起こる微小血管形成のいずれの生理学的瘢痕及び妨害も意味する。NRIgの特徴 罹患率 本発明のNRIg蛋白質は末期病の糸球体硬化症を持つ全ての糖尿病患者の尿 中で高濃度で起こることが判明している。また、ミクロアルブミン血症及びほぼ 15年以上の病気継続を持つ糖尿病患者、慢性高血圧を持つ患者及び金療法を受 けている慢性関節リウマチを持つ患者のような腎臓病を発症する高い危険性があ る患者において高頻度であることも判明している。 また、予測されないことには、NRIgは、腎臓病又はミクロアルブミン血症 の臨床的実験室的証拠のない糖尿病のほぼ20%の尿で見出されている(範囲、 I型糖尿病の21%及び11型糖尿病の19%);これらの患者におけるNRI gの出現は、臨床的に検出できない初期ネフロパシーが存在するいい指標となろ う。これは、患者の尿中のアルブミンのレベルが正常な低レベルからマクロレベ ルまで増大するにつれ、それらの尿中にNRIgを持つ患者のパーセンテージも 、末期腎臓病の危険の増大と正確に平行して、劇的に増大することを示すデータ によって支持される。従って、NRIgは明白な腎臓病の切迫した発症の価値あ るプリディクターであるようである。異なるレベルのアルブミン血症の、I型及 びII型糖尿病患者及び高血圧を持つ患者におけるNRIgの分布頻度を表1に まとめ、そこでは、正常レベルから「マクロ」レベルまでのアルブミン血症の増 加は末期腎臓病を発症する大いに増大した危険性に直接対応する。*この実験における全ての高血圧患者は最低8年続いた慢性高血圧を有していた 。全てのものは正規の臨床訪問にて無作為に選択した。 最も重要なことには、腎臓移植を受けた糖尿病患者の尿中のNRIgの上昇し たレベルは、同種移植における低下した腎臓機能の初期徴候に正確に相関し、そ れにより、切迫する腎臓不全及び/又は拒絶のプリディクターとして有用である 。 アルブミン及び全免疫グロブリン(Ig)を尿中に出現させる濾過機構からは 独立した選択的濾過機構によってNRIgは尿中に出現する;すなわち、腎臓の 損傷又は病気は尿を隠さないで侵入させるという単純な理由で 、濾過糸球体に存在するのとは反対に、NRIgは、NRIg蛋白質に対する特 異的受容体を介して血液から腎臓の濾過糸球体に能動的に輸送される。従って、 選択的濾過のため、NRIgの尿中濃度は同一ドナーからの血清に見出されるN RIgのレベルと相関せず、また尿中の全(受動的に分泌された)Igの濃度に も相関しない。 NRIgは、血清ならびに尿中の免疫複合体で検出されている。しかしながら 、NRIgの検出可能な血清レベルは丁度前記したごとく腎臓病の存在を予測す るのに有用ではなく、他方、尿中のNRIgの検出可能なレベルは腎臓病を予測 するものであった。 物理的特徴 NRIgは分子量ほぼ150kDaのユニークなヒト球状蛋白質であって、免 疫グロブリンG(IgG)として知られている球状糖蛋白質のクラスにある。い くつかのヒトIgGサブタイプの各々にはIgG1、IgG2、IgG3及びI gG4が含まれることが見出されている。 (他の免疫グロブリンを含めた)他の球状蛋白質上では発現されない抗原決定 基(エピトープ)をユニークに発現する。従って、NRIgは、ATCCハイブ リドーマ細胞系受託番号HB−10490によって産生されるモノクローナル抗 体、ATCCハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10491によって産生され るモノクロー ナル抗体、及びウマ由来免疫複合体結合RhC蛋白質とのその反応性によって区 別される。後記にて示すごとく、NRIgは前記した試薬のいずれか1つに結合 するか、あるいは前記した試薬の2又は3に同時に結合する。NRIgの化学的 還元は、NRIg分子の折り畳み解除を引き起こし、その結果、ATCCハブノ ドーマ細胞系HB−10492からのモノクローナルIgG抗体との結合の喪失 となり;これは、これらのモノクローナル抗体が、NRIg分子の折り畳み形状 によって決定されるエピトープに結合していることを示す。ATCCハブノドー マ細胞系HB−10490からのモノクローナルIgM抗体の結合はNRIgの かかる化学的還元によって変化されない。 NRIgは安定であって、−20℃で少なくとも24ヶ月貯蔵凍結された尿試 料で測定することができる。 NRIgの同定 ATCCハブノドーマ細胞系番号HB−10490によって産生されたモノク ローナル抗体でプロブーブした、腎臓病を持つ患者からの尿のウェスタンブロッ トは、市販の抗ヒトIgG抗体(Fc及びH及びL鎖特異的)でも同定された1 50kDaバンドを示し、これは、NRIgの免疫グロブリン性質を確認する。 さらに、プロテイン−Gアフィニティーカラムは、ATCCハブノドーマ細胞系 番号HB−10490及びHB−10491からのモノクローナル抗体によって 認識されるネフロパ シー−関連NRIg蛋白質に結合した(すなわち、それを捕獲した)。プロテイ ン−Gカラムに結合した蛋白質が選択的に溶出されると、前記モノクローナル抗 体を用いるウェステンブロットによって検出されるごとく、これらのカラムから の溶出物は150kDa蛋白質を含有した。 本発明で有用なハブノドーマ−由来モノクローナル抗体はユニークであって、 開発するのに3年を要した。これらの抗体を産生するネズミハイブリドーマ細胞 系は、G Kohler及びC Milsteinによって議論され、Natu re256:495−474、1975で報告されているプロセスによって得る ことができた。 ハイブリドーマ細胞系 本発明のプロセスにおいて、動物(好ましくはマウス又はラット)をNRIg 抗原を含有する調製物で免疫化する;これは、血清からの循環免疫複合体を含有 する調製物、又は高濃度のNRIgを分泌する患者の尿から単離した精製NRI gの調製物であり得る。NRIg免疫原の最初のイン・ビトロ投与から5週間以 上後に、免疫原の第2投与量を与える。もし抗原の第2投与量をほぼ3週間より 早く投与すると、免疫化反応は当該動物で消失するであろう。 ハイブリドーマ産生モノクローナル抗体は、2つの細胞タイプ:1)免疫化動 物から得られ、それ自体は組織 のそれのような人工的環境では非常に短時間しか生きられない(プラズマ細胞と 呼ばれる)抗体産生リンパ球;及び2)抗体を作成しないが非常によく増殖する 能力を有し、「限定されない」期間組織培養基中にある骨髄腫細胞と呼ばれるリ ンパ系腫瘍細胞の体細胞融合によって生じる。融合プロセスで使用される骨髄腫 細胞は、失われた酵素を供する正常な抗体産生プラズマ細胞と融合した骨髄腫細 胞のみが細胞培養の選択的条件下で生き残るように、(プリン−合成酵素欠乏等 )薬物−感受性マーカーにつき選択された細胞系変異体である。首尾よく融合し た細胞ハイブリッドの選択用の通常細胞培養基は、化学物質ヒポキサンチン、ア ミノプテリン及びチミジンを含有する培地である(普通、「HAT」培地と呼ば れる)。この選択培地では、未融合骨髄腫親細胞は死滅し、未融合プラズマ親細 胞はそれらの短時間寿命のため結局は死滅し、融合したハイブリッド細胞は無限 に増殖する。細胞融合で利用される骨髄腫細胞系は、G Kohlr及びC M ilstein(Eur.J.Immunol.,6:511−519,197 6)によって記載されているごとくBALB/cマウスMOPC−21骨髄腫に 由来する。骨髄脛細胞系はP3−NS1/1−Ag4−1として同定される。融 合は、抗体産生プラズマ細胞ないしは骨髄腫細胞を含有する単核細胞の懸濁液を 培養基中で混合し、細胞懸濁液を遠心して細胞ペレットを形成することによって 行われる。次いで、ペレット 中の細胞をポリエトレングリコールであり得る融合剤を含有する増殖培地中でイ ンキュベートする。融合を行うための適した技術はE Harlow及びD L aneによる「Antibodies:A Labortory Manual ,New York:Cold Spring harbor Laborat ory,139−243頁,1988」と題された教科書に記載されている。 次いで、NRIg上の抗原決定基のみに向けられた抗体を合成し分泌するハイ ブリドーマを培養して、比較的安定した遺伝構成を持つ連続的増殖細胞系を確立 する。得られた種々の細胞系をクローン化して、培養からの細胞が単一の細胞の みに由来したことを確認する。細胞系又はクローンを、細胞培養容器中で、又は 同遺伝子型もしくは免疫欠陥宿主中でイン・ビボにて無限で増殖させ、NRIg 抗原に対するモノクローナル抗体を分泌させる。次いで、通常の沈殿、イオン交 換又はアフィニティークロマトグラフィーを含み得る手法によって、抗体を培養 細胞の上清流体から、又は組織適合宿主動物の腹水流体から回収する。 本発明によって得られたハイブリドーマはIgM抗体又はIgG抗体いずれか を産生でき、後者は多価である。「TMDNM3」としてOmahaのUnuv ersity of Nebraska Medical Centerで同定 された細胞系培養はアメリカン・タイ プ・カルチャー・コレクションに寄託され、ATCC受託番号HB−10490 が与えられている。この細胞系はIgMイソタイプのモノクローナル抗体を産生 し、この抗体はNRIg蛋白質上の決定基と高い親和性をもって反応する。加え て、「TMDNG2」としてUnuversity of Nebraska Medical Centerで同定された細胞系培養はメリーランド州ロック ビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託され、ATCC受 託番号HB−10491が与えられている。この細胞系はIgG1イソタイプの モノクローナル抗体を産生し、このIgG抗体はNRIg蛋白質上の決定基と高 い親和性をもって反応する。 本発明により、ハイブリドーマ細胞系ATCC番号HB−10490及び番号 HB−10491、ならびにメリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・ カルチャー・コレクションに寄託されたこれらのハイブリドーマ細胞系から直接 的に(例えば、反復された娘細胞由来培養)又は間接的に(例えば、後記にて定 義するいずれかの「第2世代」由来培養)を問わずそれらの子孫が提供される。 また、本発明により、前記ハイブリドーマ細胞及びそれらの子孫に由来するいず れかのmRNA及びいずれかのDNA分子、ならびにこれらのmRNA及び/又 はDNA分子の使用に由来し得るいずれかの遺伝子工学産物が提供される。かか る産物は、限定されるもの ではないが、いずれのモノクローナル抗体及びそれらの抗原産生断片も含み、ま た原核細胞及び/又は真核細胞宿主生物、又はかかる宿主生物のいずれかの組合 せを用いて前記ポリクローナル、モノクローナル、又はキメラ抗体又はその抗体 断片を生じさせることを含むプロセス特に含めたいずれかの遺伝子工学プロセス においてこれらのmRNA及び/又はDNA分子を使用することによって生成し 得るいずれのキメラ抗体又はその抗体断片も含む。遺伝子工学作成の抗原−結合 抗体断片の生産方法の例はHuseら、Science246:1275−12 81,1989に開示されたものである。 「キメラ抗体」なる用語は、抗体分子の異なる部分が、少なくとも2つの遺伝 的に異なる宿主生物から得られた遺伝情報によってコードされる遺伝的工学作成 抗体分子を意味する。例えば、キメラ抗体は、抗体分子の抗原結合部位を除く全 ての構造をコードするヒト遺伝子配列を採取し、それらを、抗体分子の高度に特 異的な抗原結合部位につきコードするマウス遺伝子配列と組み合わせることによ って構築することができる。組み合わせたヒト/マウス遺伝情報は、適当な生き た宿主生物に導入されると、遺伝子工学作成のキメラ抗体を作成するようにその 生きた生物に指示する。 子孫の「間接的」誘導とは、種々の通常の抗原結合アフィニティー手法のいず れかによって、a)NRIgに特異的なポリクローナル抗体、及び/又はb)N RIg 上の抗原決定基に特異的な新しいモノクローナル抗体を産生するのに使用できる 新しい(又は「第2世代」)ハイブリドーマの開発で有用な免疫リンパ球いずれ を生成するために動物における免疫原として新たに単離されたNRIgを用い、 患者由来の尿のようなNRIg含有体液の新しい試料からのNRIg蛋白質を単 離するためにモノクローナル抗体(例えば、ATCCハイブリドーマ細胞系HB −10490及び/又はHB−10491によって産生されたもの)を使用する いずれのプロセスも意味する。 ATCC細胞系から直接得られた子孫を培養しサブクローンすることによって 、あるいは前記したごとく「第2世代」ハイブリドーマを調製することによって 、あるいは前記したような遺伝子工学手法によって開発されたかを問わず、AT CCハイブリドーマ細胞系番号HB−10490又はATCCハイブリドーマ細 胞系番号HB−10491から得られた全てのハイブリドーマ抗体産生細胞系を 網羅するのが本出願人の意図するところである。 モノクローナル抗体 本発明の免疫原性NRIg糖蛋白質はポリクローナル及びモノクローナル抗体 の生産を誘導するのに有用なユニークな免疫原性決定基を発現する。従って、か かる抗体はそれらの抗原決定基に特異的に結合させるのに有用である。 本発明の1つの実施形態において、本発明のヒト・ネフロパシー−関連球状蛋 白質(NRIg)上の抗原決定基のみに向けられる結合の特異性を呈する異なる イソタイプの2つの抗体を含むモノクローナル抗体の組が提供される。該組の1 つの抗体は免疫グロブリンM(IgM)イソタイプのマクログロブリン抗体であ る。この抗体は、分子当たり5対の抗−NRIg結合部位(合計して10の抗原 結合部位)を有する5量体であり、ATCCハイブリドーマ細胞系受託番号HB −10490によって産生される。該組のもう1つの抗体は、分子当たり1対の 抗−NRIg結合部位(合計した2つの抗原結合部位)を有する免疫グロブリン G(IgG)イソタイプの抗体である。このIgGモノクローナル抗体はATC Cハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10491によって産生される。 前記モノクローナル抗体は非常に高い親和性をもって、すなわち、少なくとも 109リットル/モルの結合親和性定数でもってNRIgに結合する。「高い親 和性」及び「少なくとも109リットル/モルの結合親和性定数」なる用語は相 互に交換して使用できる。この免疫反応性結合についての親和性定数は未だ直接 的には測定されていないが、非常に高いことが知られている。というのは、NR Ig蛋白質の及びいずれかの前記モノクローナル抗体の結合によって形成された いずれの免疫複合体も、モノクローナル抗体及びNRIgが実質的に分離さ れるためにはほとんど変性条件に暴露しなければならないからである。 本発明の高−アフィニティー抗体産生貯蔵細胞系の利用性を仮定すれば、本発 明の該蛋白質に対する新しい及び同等の抗体は、「第2世代」抗体の調製として も知られている「抗体ゼロックシング」と呼ばれるプロセスを含む手法によって 調製できることは当業者に明らかであろう(Muranoら、Cancer R esearch 48:4588−4596、1988)。従って、ATCCハ イブリドーマ細胞系番号HB−10490から、又はATCCハイブリドーマ細 胞系番号HB−10491から直接的に又は間接的に由来する全てのポリクロー ナル及びモノクローナル抗体を網羅するのが本出願人の意図するところである。 NRIgに対する「第2世代」抗体の単離は以下のものと実質的に同等の免疫 学的手法を含む。 1. 前記ATCC培養の1つから直接的に又は間接的に得られた抗体を不活 性基材に結合させ、それにより、該抗体をその基材に固定化し、アフィニティー マトリックスを作成し、これを用いて、ネフロパシーを持つ患者からの尿のよう な、NRIgを含有することが疑われる生物学的溶液からNRIgを捕獲し単離 すること; 2. NRIg−含有生物学的流体を抗体被覆基材とをインキュベーションし 、このインキュベーションの間、NRIgを、アフィニティーマトリックスに特 異的に吸 着させ、固定化抗体に堅固に結合したままにする。任意および全ての非結合蛋白 質は、抗体被覆基材から簡単に洗い流され、アフィニティーマトリックスに結合 したNRIg蛋白質のみが残り; 3. アフィニティーマトリックスからのNRIgを溶出し、その後標準の実 験室手順によって濃縮し、動物の免疫化に使用される標準手順によって別の宿主 (マウスまたはラットのような)に注射し; 4. このような免疫化動物宿主(マウスまたはラットのような)の脾臓から 得た抗体産生血漿細胞を単離し、ハイブリドーマの生成のための標準融合手順を 使用することによってこれらの血漿細胞と「不変」骨髄腫細胞とを融合し; 5. 検出、およびNRIg上で抗原原生決定基に指向されたモノクローナル 抗体を生成するハイブリドーマ細胞培養をクローニングする。これらの新たに誘 導されたハイブリドーマクローンは、「第二世代」モノクローナル抗体と示され るモノクローナル抗体を分泌し、これらの抗体は、NRIg上で抗原を結合する 特異性について、ATCCハイブリドーマ・セルラインHB−10490および HB−10491によって産生される抗体に実質的に等しい。NRIgのアッセイ 以下の実施例によって示される通り、NRIgは、二重抗体サンドイッチEI Aアッセイ、NRIgを捕捉す るのにモノクローナル抗体の代わりにRhCを使用したEIA、およびラジカル 免疫拡散(RID)アッセイを含めた多数の様々なアッセイで体液のサンプルで 検出される。これらの実施例で、溶液中の百分率として試薬の内容物は、特に記 載しない限り、溶液の液量当たりの重量を意味する(例えば、1%溶液は、10 0mlの溶媒当たり1グラムの試薬に等しい)。 実施例1 体液から得たNRIg肝障害関連蛋白質の単離およびNRIgへのモノクローナ ル抗体の産生 以下の実施例は、本発明の新規NRIg蛋白質がどのように確認されるか、腎 臓疾患を有する個人の血清のような選択された体液から続いて単離されるかを例 示する。それは、どのように本発明の特別なモノクローナル抗体が発生されるか をも例示する。 NRIgは、それ自身免疫原生分子であるので、最終段階の腎臓疾患に罹った 患者の血清で見られる循環免疫複合体(CIC)の構成成分として最初に単離さ れた。血清は、腎臓透析中の6名の患者の各々から得られた。10名のタイプI および6名のタイプIIの糖尿病患者が、区別なくこの研究に含まれた。全ては 、わずかに2年間の腎臓透析下にあり、それらの血清中の免疫複合体のレベルを 上昇した(5倍の正常値の低さから20倍の正常値までの範囲内)。CICを、 RhCの固相法によ って単離し、既定の患者から得た全ての単離複合体は、1つの容器に貯蔵され、 冷凍された。同様に、糖尿病に完全に関連しない疾患に罹っているか、または正 常で健全な個人である16名の「対照」個人の血清から得たCICは、固相Rh C法によって単離され、上述の通り個々に貯蔵され、冷凍された。 これらの複合体を単離する上で記述された固相RhC法は、基本的に以下の通 りに行われた。RhC免疫複合体を捕捉する蛋白質は、TRIS緩衝液、pH8 に可溶化され、その各ウエルはおよそ直径35mm、深さ12mm(Falco n Plastics 第3046号、 Lincoln Park、NJのB ecton Dickinson Labwareから入手)である、6穴培養 プレートの穴の各々の平面のプラスチック製表面に固定化した。各個別の患者( 糖尿病または「対照」のいずれか)から得た5mlの血清を、トリス/ツイーン 緩衝液、pH8(すなわち、5ml血清+20ml緩衝液)で1:5に希釈し、 各希釈血清サンプルの1mlを、個々の提供者当たり総数25ウエルを利用して (患者当たり5プレート)別々のRhC被覆ウエルに載せた。37℃で1時間湿 潤チャンバーでインキュベートした後、希釈血清を各ウエルから分液し、そのウ エルをトリス/ツイーン緩衝液で繰返し洗浄して、あらゆる未結合蛋白質を除去 し、プレート上にRhCに結合したCICのみを残した。 樹脂上にRhCによって捕捉された、血清由来のCICを、水中の0.1%酢 酸0.5mlで、37℃で15分間溶出させた。代わりに、0.1%ドデシル硫 酸ナトリウム(SDS)を含有する4M尿素を、同じ時間と温度で、結合CIC を溶出するのに使用した。既定提供者から得た25穴の各々から溶出したCIC を、その後貯蔵し、2000分子量遮断を示すAmiconの濾材(Bever ly、MA 01915)のAmicon Corporationで透析によ って濃縮した。その後、各提供者から得た貯蔵し濃縮したCICを、使用するま で冷凍した。 CICの混合液から抗原を特異的に同定し、単離するために、強力な腎臓障害 関連蛋白質のためのアフィニティー試薬として使用できる抗体を製造することが 決められた。糖尿病患者から得られた複合体中の抗原に特異性のある抗体を製造 するために、最初に、対照の非糖尿病提供者から単離された免疫複合体で動物宿 主を寛容化し、それによって全免疫複合体で生じる共通の構成成分でマウスを寛 容化させることが計画された。これを行うために、16名の対照の非糖尿病の提 供者から得たアリコート量のCICを、別々に解凍し、その後懸濁液に貯蔵し、 この貯蔵の対照CICから得た100ugの蛋白質を抽出物を、0日目で5つの BALB/cマウスの腹膜腔(腹部領域)に注射した。24時間後(1日目)、 免疫化した動物に、対照CICに曝すことによって活性化 した全ての免疫リンパ球に結合し、殺す化合物であるシクロホスファミドを注射 させた。 シクロホスファミド(体重の50ug/kgで)を、対照CICに曝すことによ って活性化された全てのリンパ球が宿主動物から排除されることを確実にするた めに、3日目、再度5日目に与えた。 3週間動物を休ませた後、これらの寛容化動物を、糖尿病の個人から得たCI Cで免疫化した。この材料中の「正常」と定義されるものと「正常でない」もの を「前選択」することによる結果に偏りをもたせないことが重要であるので、糖 尿病のCIC貯蔵からいわゆる「正常」蛋白質を除くための吸収は、動物の免疫 化でそれらの複合体を使用する前には行われない。全ての16名の糖尿病患者か らアリコート量のCICを貯蔵させ、正確に200ugのこの貯蔵CIC混合液 を、各動物の首の後ろで皮下に完全フロイントアジュバントと一緒に注射し2週 間後、これらの動物を、不完全フロイントアジュバント中の正確に100ugの 糖尿病CICで追加刺激した。7日後、その動物を虚血させ、それらの脾臓を、 G Kohler およびC Milsteinの標準ハイブリドーマ融合法に 使用した(Nature 256:495−497、1975)。 融合の結果として生成されたハイブリドーマのスクリーニングは、それらが、 「アルブスチックス(Albustix)」のディップスチックアッセイ(すな わち、 それらの尿中300ug/mlから1mg/mlの蛋白質の範囲で)1+から2 +までの範囲にある安定した巨大タンパク尿症を示すことによって測定されると きに、臨床的に腎臓障害が確認されている6名の糖尿病患者から得た尿の蛋白質 で被覆されたEIAプレート上でのそれらの反応性によって陽性ハイブリドーマ を同定するために設定された。EIAプレートは、pH9.6重炭酸塩緩衝液中 で1ウエル当たり最終濃度1ugの尿蛋白質を用いて、標準融合物で被覆された 。その腎臓障害が、糖尿病に関連しない7名の対照患者(4名の患者は、胸部癌 腫のシスプラチン治療のために、化学的に誘導された腎臓障害を示し、3名は、 狼瘡のために、糸球体腎炎を示した)から得た尿を使用した同様の方法で被覆さ れたEIAプレートを使用したネガティブスクリーニングが設定された。 5回の別々の融合実験後発生された8000以上の別々のハイブリドーマ生成 ウエルをスクリーニングした後、糖尿病CIC被覆EIAウエルと反応性を示す が、対照CIC被覆EIAウエルとは反応性を示さない総量12個の混合ハイブ リッド培養物を、さらなる研究およびクローニングを見越して、選択し、冷凍し た。対照CICより糖尿病について最も高い程度の特異性を示したこれらの培養 物の4つを、限定希釈分析の標準法によって続いてクローン化させた。4つの混 合ハイブリドーマ培養物から得られたクローン化ハイブリッドについて40 00以上の別々のスクリーニング試験を行い、その試験から、糖尿病由来のCI Cと高いアフィニティー結合を示すが、対照CICとは結合しないモノクローナ ル抗体を産生する2つのハイブリドーマ・セルラインを選択した。これらのハイ ブリドーマの一方は、IgM抗体を産生し、他方は、IgG1抗体を産生した。 これらのモノクローナル抗体が指向された、貯蔵糖尿病由来のCICの分子構造 中の特定の標的抗体は、まだ知られていなかった。 肝臓疾患を有する糖尿病患者から得た多数の尿中の蛋白質は、ポリアクリルア ミドゲルでの電気泳動によって物理的に分離され、その後ウエスタン・ブロッテ ィングと呼ばれる方法で、両方の抗体を用いて調べた。抗体は、市販の抗ヒトI gG抗体(FcおよびH、およびL鎖特異性)で特異的に同定されもしたおよそ 150,000ダルトンの分子量を示すゲル上のバンドを同定した。さらに、唯 一免疫グロブリンG分子のみが接着するプロテイン−Gアフィニティーカラムが 、糖尿病の尿から、両方のモノクローナル抗体によって認識される蛋白質を捕捉 した。最後に、これらのプロテイン−Gカラムから溶出物は、ウエスタン・ブロ ット上でモノクローナル抗体で検出される150kDa蛋白質を含有した。 実施例2本発明のNRIg腎臓障害関連蛋白質に対するポリクロ ーナル抗体の製造 免疫物質を生きた宿主に導入したとき、宿主の免疫系は、その物質上で認識可 能な部位の全てに対する抗体を産生することによって応答する。宿主体中の多く の異なる部位から得た多くの様々な抗体産生細胞は、それによりそれらが活性化 された免疫原生物質の一部に対する抗体を生成するものであり、各抗体産生クロ ーンは、外来物質上で唯一1つの抗原原生エピトープに対する抗体の1つのタイ プのみを生成する。免疫原生物質についての異なるアフィニティーおよび特異性 の抗体の広範な範囲の生成で生じる免疫化宿主によるこの非常に広範な応答は、 ポリクローナル抗体応答と呼ばれる。 NRIgについてのイムノメトリックアッセイが、標的抗原の免疫沈降が必要 とされる放射状免疫拡散(RID)アッセイでのように、ハイブリドーマ産生モ ノクローナル抗体でよりもポリクローナル抗体でより効果的に行われうる状況が ある。以下の予測例は、どのようにポリクローナル抗体が、本発明のNRIg腎 臓障害関連蛋白質に対して、ウサギまたはニワトリのいずれかで育成されるかを 例示する。 宿主としてのウサギ。実施例1で概説された方法を使用して得られた精製NR Igは、0.8mlのリン酸緩衝生理食塩水、pH7.2中に400ug蛋白質 を含む溶液として製造され、同量の完全フロイント・アジュバント(Detro it、MIのDifco)で十分に 混合され、均質な乳様の白色懸濁液が得られるまで超音波処理される。23ゲー ジの針を具備した1mlシリンジを使用して、同量の0.2mlを、大形のニュ ージーランド白色ウサギの各足の頂部にある筋肉塊に注射する。この手順を3回 繰り返す。一回目の注射は、2週間後、2回目と3回目のブースター接種は、1 回目のブースター接種でのNRIgと同じ量、および2回目と3回目のブースタ ー接種での抗原の半分の量を使用して、4週間の間隔で行われた。これらのブー スター接種の各々は、使用されたアジュバントに対する過敏ショック反応を誘発 するのを避け、筋肉内注射の部位に肉芽腫が形成するのを避けるために、不完全 フロイント・アジュバントで製造される。 免疫化手段の進行を監視するために、血液サンプルは、免疫化(これから、対 照、バックグランドの血清サンプルが得られる)の始まる直前、その後、この日 程で各々が免疫化される直前に宿主ウサギから取出される。 3番目のブースター注射(免疫化ブロトコールの10週の初めに投与された) 後、動物を、その間に、宿主ウサギの抗体応答が、主としてIgG抗体を産生す るものに成熟するものである、さらに4から8週間休ませる。さらに、産生され るべきIgG抗体のアフィニティーは、ブースター注射継続の数、当初の免疫化 照射が増加した後の時間で明らかに増加する。免疫化日程の第14週で、その後 、免疫ウサギは、試験用の血清サンプルを得 るために混合され、その後、不完全フロイント・アジュバント中のNRIg(4 つの注射部位の間で平等に分配された100ug抗原)のブースター接種を与え た。1週間後、50mlの血液が、その動物の耳の縁の血管から取出されて、こ の発明のNRIg蛋白質に対して指向された、高濃度の高アフィニティーIgG 抗体を含むおよそ25mlの免疫血清の量を供する。注意して、この多量の血液 は、必要である限り長く同じ提供動物から1月ごとに取出すことができる。 この方法で調製されたウサギのポリクローナル抗体は、本発明のヒトNRIg 蛋白質上の抗原部位について高い結合アフィニティーを示すのみでなく、そのポ リクローナル由来のため、ヒトの組織および体液で見られる全てのヒトIgG抗 体分子に共通する多くの抗原性部位についての高い結合アフィニティーを示す。 NRIg蛋白質に特有の抗原に特異性があるポリクローナル・ウサギ抗血清を製 造するために、できるだけ多くの共通の抗原に対する抗体を取除く必要がある。 これを行うために、ウサギのポリクローナル抗血清を、ヒト・ポリクローナル免 疫グロブリン(St.Louis、MOのSigma Chemical Co mpanyのヒト・コーンフラクションIIのような)であるアフィニティーカ ラムを通したカラムクロマトグラフィーによって濾過した。ヒト免疫グロブリン 分子で見られる共通抗原に対するウサギ抗体は、カラムに結合を残し、一方、N RI g上の抗原原生エピトープに対する抗体が、カラムを通過し、溶出物に収集され 、それは、その後、2000の分子量を遮断するアミコンの超濾過材で透析する ことによって濃縮される。このアフィニティー・クロマトグラフィー法は、ウサ ギのポリクローナル抗血清が、もはや正常なヒトIgG標品(コーンフラクショ ンIIのような)と反応しないが、EIAアッセイでNRIgと反応を続けるま で繰返された。この点で、ポリクローナル抗血清を、再度アミコン超濾過によっ て濃縮し、その後、残る抗NRIg抗体の濃度およびアフィニティーを測定する ために試験する。 宿主としてのニワトリ。哺乳類蛋白質に対するポリクローナル抗体の代替源と してニワトリを使用することは、記載されている(Polsonら、Immun ological Communications 9:495−514、19 90;Grassmanら、FASEB Journal 4:2528−25 32、1990)。免疫化後、ポリクローナル抗体は、トリ宿主の卵黄に高濃度 で見られる。Gassmanらによると、特異的抗体の源としてニワトリを使用 することの利点は、1月にニワトリで産生される抗体の量が、ウサギで産生され るものより約18倍であるということである。 20から30ugの哺乳類蛋白質は、ニワトリに優れた免疫応答を誘導するの に十分である。NRIg抗原は、0.1M NaClを含有する0.01Mリン 酸カリ ウム緩衝液(pH7.2)で、750ulの最終量まで希釈され、同量の完全フ ロイント・アジュバント(Detroit、MI)の Difco)で超音波処 理することによって乳化される。十分に混合された懸濁液(1.5ml)を、ブ ラウン・ワーレンまたはホワイト・レグホーン卵抱雌鳥の胸部筋肉に、2つの部 位で注射する。完全フロイント・アジュバントで上に記載される通り乳化された 、NRIg蛋白質の追加の注射を、最初の注射後、12日目および20日目に投 与した。免疫した宿主の卵を、毎日収集し、印をつけ、使用するまで40℃で保 存した。 特異的抗−NRIg抗体は免疫化後ほぼ20日で卵黄に出現し、30日後にプ ラトーに達し、少なくとも81日まで高いままでいるはずである。免疫グロブリ ン数グラムを、1の免疫化雌ニワトリからの60個の多さの卵から抽出すること ができる。卵黄免疫グロブリンから特異的抗−NRIg抗体を単離するには、製 造業者の指示(Pharmacia,Piscataway,NJ)に従ってC NBr−活性化セファロース4Bに精製蛋白質を結合させる(カラム当たり0. 2mg蛋白質)。該カラム(0.5ml)に10mgの精製ニワトリ卵黄免疫グ ロブリン(正確にGassmanらによって報告されているように単離)を負荷 し、製造業者の指示に従って溶出させる。ほぼ100ないし130mgの特異的 抗体がニワトリ卵黄免疫グロブリン数グラムから得ること ができる。 実施例3 酵素結合イムノソルベント検定法(EIA)においてNRIgを捕獲し同定す るモノクローナル抗体の能力 以下の実施例は、ATCCハイブリドーマ細胞系番号HB−10490によっ て産生され、固体マトリックスに結合したモノクローナル抗体が小容量の尿から NRIgを捕獲できたこと、及びATCCハイブリドーマ細胞系番号HB−10 491によって産生され、酵素マーカーで標識されたモノクローナル抗体が、第 1の抗体に結合したNRIgを、サンドイッチタイプのEIAアッセイで特異性 をもって同定できたことを示す。 EIAアッセイプレート このEIAで使用する好ましいアッセイプレートは、Dynatech(Dy natech Laboratories,Inc.,Chantil1y,V irginia)によって製造された平坦底部を持つ96−ウェルの「Immu lon−2」ミクロテストプレートであった。 モノクローナル抗体 精製NRIg蛋白質上で発現されたユニークな抗原決定基に対して、ネズミ宿 主において、2つのモノクローナル抗体を生起させた。1つのモノクローナル抗 体はマクログロブリンIgMイソタイプのものであり、ATC C受託番号10490を有するハイブリドーマ細胞系によって産生され;第2の モノクローナル抗体はガンマグロブリンIgGイソタイプのものであり、ATC C受託番号10491を有するハイブリドーマ細胞系によって産生された。両抗 体は非常に高い親和性をもってNRIg標的分子に結合し(すなわち、>109 リットル/モル)、同一分子上の異なるエピトープを明らかに認識する。 炭酸塩/炭酸水素塩コーティング緩衝液 最終濃度0.015Mまでの炭酸水素ナトリウム及び最終濃度0.035Mま での炭酸一ナトリウムを含有するこの緩衝液は以下のごとくに調製した;0.7 8グラムの炭酸水素ナトリウム及び1.45グラムの炭酸一ナトリウムを脱イオ ン水500mlに添加した。最終溶液のpHは9.6である。 PBS/Tween−20緩衝液 温和な洗剤を含有する緩衝液をEIAアッセイの洗浄工程で使用する場合、蛋 白質間の非特異的相互作用が示される。この緩衝液は以下の最終濃度:0.00 2Mリン酸一ナトリウム、0.008Mリン酸二ナトリウム(無水物)、0.1 5M塩化ナトリウム、及び0.05%Tween−20洗剤の試薬を含有する。 この緩衝液は、0.28gのリン酸一ナトリウム、1.13gのリン酸二ナトリ ウム(無水物)、8.77gの塩化ナトリウム、及び0.5mlのTween− 20を1リットルの 脱イオン水中で混合することによって調製した。徹底的に混合して全ての塩を溶 解させた後、pHを中性に調整した(pH7.0−7.2)。 ジエタノールアミン緩衝液 97mlのジエタノールアミン及び100mgの塩化マグネシウムを800m lの脱イオン水に添加した。これに、pHが9.8になるまで1M塩酸数滴を添 加し、しかる後、脱イオン水を最終容量1リットルまで添加した。この光感受性 緩衝液を使用するまで4℃で暗所で保存した。 アッセイ用のホスファターゼ基質 リン酸パセニトロフェニルニナトリウム塩はSigma Chemical Corporation,St.Louise,MOから5mg錠剤として入手 した(Sigma 104 Phosphatase Substrate T ablets)。使用するこの基質を調製するには、1つのホスファターゼ基質 錠剤を、暗所で、時々温和に混合しつつ、5mlの冷ジエタノールアミン緩衝液 に徹底的に溶解させた。錠剤が十分に溶解した後、使用直前に溶液を室温まで加 温した。 アルカリ性ホスファターゼ結合抗体 マウスIgGのFc断片に対して特異的に向けられた結合を持つアルカリ性ホ スファターゼ結合ヤギIgG抗体はJackson ImmunoResear ch Laboratories,Inc.,West Gr ove,Pennsylvaniaから購入した。 EIAアッセイ手法 バックグラウンドABxバッチ抽出ブロトコル(JT BakerのProd rugs for Chromatographyカタログ,1988−89の 121−123頁;JT Baker Company,Phillipsbu rg,New Jersey)を用いることによって、ATCC細胞系HB−10 490からのモノクローナル抗体をハイブリドーマ組織培養流体から精製した。 該ABxマトリックスは40ミクロンのサイズであった(40μm「Preps cale」ABxと命名)。モノクローナル抗体を炭酸塩/炭酸水素塩緩衝液に 10μg/mlに希釈した。また、HB−10490からのIgM抗体は、40 %硫酸アンモニウム溶液中での沈殿、続いてのリン酸緩衝化セーライン(PBS )に対する透析によって腹水流体から精製した。次いで、透析した溶液をプロテ イン−Gカラム(Genex Incorporated,Gaithersb urg,MD)に通して、腹水流体に含有されたいずれの汚染ネズミIgG分子 も除去した。次いで、カラム溶出物を収集し、炭酸塩/炭酸水素塩コーティング 緩衝液中に1μg/mlまで希釈した。 HB−10490からの希釈抗体100μlをEIAプレートの各ウェルに添 加し、該プレートを被覆し、37℃でインキュベートした。2時間後、該プレー トをイ ンキュベーターから取り出し、直ちに使用するか、あるいは使用2日前まで室温 で保存した。該プレートのウェルを各々PBS/Tween緩衝液で5分間にて 2回洗浄した。 EIAプレートの各ウェルに、100μlのPBS/Tween緩衝液を添加 し、続いて、別の適当なウェルに25μlの尿検体を添加した。各検体を三連で テストした。ウェル中の溶液を、プレートを数回穏やかにたたくことによって混 合し、プレートを被覆し、37℃でインキュベートした。37℃での1.5時間 後、プレートをPBS/Tween−20緩衝液で2回洗浄した(洗浄当たり5 分間)。 ハイブリドーマ細胞系ATCC番号HB−10491からのモノクローナル抗 体は、Bakerbond ABxバッチ抽出ブロトコル(JT Baker Company)によって精製し、(N Rose, H Friedman及 びJ Fahey, Manual of Clinical Laborat ory Immunology,第3版,Washington DC:Ame rican Society of Microbiology Press, 17−19頁,1986に概説されているように)標準的な放射免疫拡散分によ って測定されるごとく、PBS/Tween緩衝液中に2.5−3.0μg/m lまで希釈した。このIgG抗体100μlをEIAプレートの各ウェルに添加 し、プ レートを被覆し、次いで、37℃で1時間インキュベートした。洗浄溶液として PBS/Tween緩衝液を用い、プレートを各々5分間で2回再度洗浄した。 酵素結合ヤギ抗−マウス抗体をPBS/Tween緩衝液に1:5000まで 希釈し、100μlをEIAプレートの各ウェルに添加し、その後、プレートを 被覆し、37℃で1時間インキュベートした。プレートをPBS/Tween緩 衝液で各々1分間にて2回再度洗浄した。次いで、各ウェルに100μlの新た に調製した基質(3,3’−ジアミノベンジジン)を添加し、続いて37℃で正 確に1時間インキュベートした。 各ウェル中の第2抗体に結合した酵素結合ヤギ抗マウス抗体の量に比例する、 各ウェル中での発色の量は、405nmの吸収波長に設定した「EIAプレート リーダー」と呼ばれる自動分光計(Dynatech Laboratorie s,Chantilly,Virginia)でプレートをスキャンすることに よって定量した。各個々のウェルについてプリントアウトした光学密度(O.D .)読みは、そのウェル中の試料溶液によって吸収された光の量に直接比例する 数であった;すなわち、O.D.が高くなるにつれ、分析すべきウェル中の流体 によって吸収される光の量は大きくなった。さらに、ウェル中で吸収された光の 量はそのウェル中で元来結合したNRIgの量に直接比例した。従って、ウェル についてのOD読みが高くなるにつれ、体液のその試料中 のNRIgの量は高くなった。 表2に示すごとく、患者からの、及び健康な個体からの尿中でのEIA O. D.測定の範囲は劇的であった。例えば、正常で健康な個体の尿は0.200の 低い読みを超えないO.D.範囲を有した一方で、進行した全き腎臓病に罹った 患者からの尿は2.500ないし3.000の範囲の高いO.D.範囲を有した 。その間において、(それらの尿中での臨床的に検出可能な蛋白質の存在によっ て定義される)種々の段階のネフロパシーを持つ患者は0.220ないし2.7 50の範囲のEIA O.D.読みを有した。従って、NRIgについてのEI Aにおける陽性読みは0.2を超えるいずれかのO.D.測定であると判断され た。 NRIg陽性EIAはO.D.>0.200と定義される。 aO.D.=三連で検定した検体からの任意単位での平均値 NRIgについての陽性アッセイを構成するものが何かを決定したが、臨床的 に確認されたネフロパシーを有する個体の尿でこのNRIgが生じた頻度を決定 するのが重要であった。表3に示すごとく、確立されたネフロパシー又は末期腎 臓病(ESRD)を持つ33の糖尿病患者につき、NRIgは尿の100%中の 上昇したレベルで検出可能であった。 本発明のネフロパシー−関連NRIg蛋白質はIgGイソタイプの免疫グロブ リンであるので、共通するIgG血清蛋白質が尿検体で見出される頻度を測定し 、一旦それがなされたら、ネフロパシー−関連NRIg蛋白質の存在が臨床的に 確認されたネフロパシーを持つ患者からの尿中におけるこの広い範疇のIgGの 存在にとにかく相関したかを決定するのが重要であった。 a長年の糖尿病、マクロ蛋白質血症、上昇した血清クレアチニン、上昇した血中 尿素窒素(BUN) 表4中のデータによると、免疫グロブリンは、テストした192のI型糖尿病 患者のうち79の尿(=41%)、及びテストした164のII型糖尿病患者の うち50の尿(=30%)に存在した。(腎臓病のレベルの直接的インジケータ ーであるべき)尿に存在する」アルブミンの量のような単一のネフロパシー−関 連危険因子がやはり尿試料の評価に因子化されると、表4のデータは、(尿中の アルブミンのより高いレベルによって示されごとく)ネフロパシーがより進行す るにつれ、それらの尿試料でIgGが同時に見出されるのがより普通となること を示す。しかしながら、極端な蛋白質血症の場合においてさえ(尿1ml当たり アルブミン>200μg)、患者の66%のみがそれらの尿においてIgGの上 昇したレベルを有していた(すなわち、4μg/mlを超える)ことに注意すべ きである。従って、それ自体、尿におけるIgGの存在はネフロパシーの存在又 は程度の有用なインジケーターではない。 aIgG濃度が4μg/mlより大きい場合に、尿はIgGにつき陽性である とみなされた。 NRIgはIgG分子のクラスにあるので、表4に表されたIgG−陽性尿の 例の多くが如何に検出可能なレベルのNRIgを同時に含有したかを測定するの が重要であった。表5のEIAデータによると、それらの尿中にIgGを持つ7 9のI型及びII型患者のほぼ半分がそれらの尿中にやはりNRIgを有した。 しかしながら、それらがやはり有するアルブミンのレベルのさらなるネフロパシ ー−関連危険因子に従ってこれらのIgG−陽性尿検体をカテゴリー化すると、 非常に劇的な観察がなされた;マクロアルブミン血症を持つ全てのI型及びII 型糖尿病の90%を超えるものがやはりそれらの尿中にNRIgを有した。 異なるレヘルのアルブミンでのIgG−陽性尿におけるNRIgの生成 予期せぬことに、腎臓病又はミクログロブリン血症の臨床的実験室的証拠なく 患者のほぼ20%の尿に上昇したレベルのNRIgも見出された(範囲、I型糖 尿病の25%及びII型糖尿病の17%);これらの患者におけるNRIgの出 現は、臨床的に検出不可能な初期ネフロパシーが存在したことを示すようであっ た。これは、患者の尿中のアルブミンのレベルが正常の低レベルからマクロレベ ルまで増大するにつれて、それらの尿中にNRIgを持つ患者のパーセンテージ は、末期腎臓病の危険性の増大と正確に平行して、やはり劇的に増大したことを 示すデータによって支持された。従って、NRIgは、明白な腎臓病の初期発生 の価値あるプリディクターであるようであった。異なるレベルのアルブミン血症 の 、I型及びII型糖尿病患者、及び高血圧を持つ患者におけるNRIgの分布頻 度は表6にまとめ、ここに、正常レベルから「マクロ」レベルへのアルブミン血 症の増加は末期腎臓病を発症する大いに増大した危険性に直接的に対応する。*この実験における全ての高血圧患者は最低8年間続く慢性高血圧を有していた 。全ては正規の臨床訪問にて無作為に選択した。 これらのデータは、尿中のNRIgの存在が、アルブミン血症の程度のような ただ1つのさらなる危険因子と同時に測定されると、NRIgはこの個体におけ るネフ ロパシーの程度の非常に有用なインジケーターとなったことを示す。 患者をネフロパシーに罹りやすくする糖尿病における非常に重要な因子は、そ の患者が糖尿病を有した時間の長さである。I型糖尿病患者におけるNRIgの 発生を病気の持続と比較し、また尿中に存在するアルブミンの量とも比較した。 これは重要である。というのは、糖尿病患者における腎臓病の臨床的証拠は、典 型的には、糖尿病の約15年持続の後に起こること、及びミクロアルブミン血症 は患者を末期腎臓病を発生する高危険群に追い込むことが知られているからであ る。表7に示すごとく、NRIg−陽性患者の頻度は蛋白質血症のレベルとは無 関係に糖尿病の持続に従って増大した。ミクロアルブミン血症を有する糖尿病患 者群において、NRIgの頻度は、5年未満の持続を有したものについての14 %から15−20年病気を有した後のものについてのほとんど60%間で増加し た。 それらの尿中にアルブミンを有しなかったNRIg−陽性糖尿病の最高のパー センテージは、6−10年の病気持続を有したに過ぎない患者で生じた。NRI gの頻度は、20年の糖尿病を有した後でさえ蛋白質血症を発症しなかった28 患者のたった7%まで低下した;この範疇の糖尿病は腎臓病の低発生率しか有し ないことが知られている。この群におけるNRIg−陽性尿の低発生率はこの後 者の点に一致する。正常な尿アルブミンを有するNRIg−陽性患者はミクロア ルブミン血症に、そして結局は末期腎臓病まで進行することを証明する不十分な データが現時点ではある。しかしながら、現在利用できるデータは、尿中のNR Igの発生は腎臓病のマーカーであって、糖尿病集団におけるその罹患率は疫学 的罹患率研究から予測されたネフロパシー−関連「マーカー蛋白質」についての 結果と一致することを示す。 これらのデータは図1のグラフにまとめる。実線は疫学的研究から予測された 糖尿病の異なる持続におけるアルブミン血症の頻度を表す。グラフは、10−1 5年持続の間に、全てのI型糖尿病のほぼ50−60%がミクロアルブミン血症 を発症するであろうことを示す。ミクロアルブミン血症を発症する患者のうち、 ほぼ70%が 、尿中に分泌されるアルブミンのかなり高いレベルによって特徴付けられるであ ろうより進行したネフロパシー(マクロアルブミン血症)に向けて進行するであ ろう。生憎と、15−20年間糖尿病を有した、及びマクロアルブミン血症を発 症した患者の90%が末期腎臓病を発症するであろう。糖尿病の異なる持続にお ける、及び蛋白質血症の異なるレベルにおける本研究でのI型糖尿病におけるN RIgの頻度はハッチを施した棒によって図1に示される。棒の頂部の数は腎臓 病が進行する場合の所与の持続におけるNRIg−陽性患者のパーセントである 。それらの糖尿病の持続と比較した、II型糖尿病患者におけるNRIgの発生 を示すデータは、I型患者につき前記で示したものと同様であり、表8に示す。 腎臓機能に関連するいくつかの因子を同時に考慮すると、尿中のNRIgの存 在とネフロパシーの存在との間の相関は極端に強くなった。例えば、血清クレア チニンのレベルを尿中のアルブミンのパーセントに加えて考慮すると、表9のデ ータが得られた:a 5のNRIg−陰性患者、2は癌のために化学療法を受けていた 血清中のクレアチニンのレベル、尿中のアルブミンのレベル、及び患者が高血 圧を経験しつつあるか否かのような、腎臓機能に関連する3以上の因子を同時に 分析することが可能であり、また望ましくさえある。これらの 因子を患者の尿に見出されるNRIgの量についての情報と一緒に評価しそれに 関連付けることによって、表10に示すように、これらの高危険因子の間の劇的 な結合が見出された。 実施例4 固相EIAアッセイにおいてNRIgを捕獲し同定する最初の工程としての新 規RhC免疫複合体−捕獲蛋白質の使用 以下の実施例では、前記実施例3で概説したEIAアッセイの工程aで使用し たIgMモノクローナル抗体の代わりに免疫複合体−結合蛋白質RhCで置き換 えた。この主要修飾及び後記するいくつかの他の修飾を除き、EIAの残りは、 デュアル・モノクローナル抗体サンド イッチアッセイを用いてNRIgの検出につき実施例3に記載したものと同様に 行った。 RhC蛋白質 「RhC」という新規免疫複合体−捕獲試薬はウマ血清から得られ、米国特許 第4,783,528号に詳細に記載されており、その全内容をここに出典明示 して本明細書の一部とみなす。50mMトリス(無塩基)、1×10−3Mエチ レンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、及び0.5M塩化ナトリウム(NaCl )よりなる最終pHが8.0−8.2の貯蔵溶液中20mg/mlにて、RhC のストック溶液を調製した。このストック溶液を0.2ミクロン限外濾過フィル ターを通す濾過によって滅菌し、次いで、4℃で保存した(凍結無し)。使用直 前に、ストックRhCをトリスコーティング緩衝液中で20μg/mlまで希釈 した。 トリスコーティング緩衝液 この特別の緩衝溶液は、Immulon−2ミクロテストプレート(Dyna tech Laboratories)の平坦なウェル底部にRhC蛋白質を満 足できるように結合させるのに必須である。緩衝液は、以下の塩、1×10−3 M EDTA及び0.15M NaClを脱イオン水に溶解させて正確に50m Mトリス緩衝液の最終濃度とする(無塩基形態)ことによって作成した。この溶 液のpHは混合後には調整せず、ぼ9.4−9.5であった。RhC溶液でのEIAプレートのコーティング 20μg RhC/mlのRhC溶液の正確に100μlをImmu1on− 2 EIAプレートの各ウェルに入れ、室温(ほぼ25℃)で18時間(一昼夜 )インキュベートした。室温でのインキュベーションは必須である。何故ならば 、4℃又は37℃いずれかにおけるこのRhC溶液でのEIAプレートのコーテ ィングは効果的ではないからである。 体液試料の希釈及び全てのプレートの洗浄のための緩衝液(=希釈/洗浄緩衝 液) 希釈/洗浄緩衝溶液は、以下の物質:20mMトリス緩衝液(トリスの無塩基 形態を含有)、0.15M NaCl及び0.05%Tween−20洗剤を脱 イオン水に示した最終濃度まで溶解させることによって調製した。この溶液のp Hは濃塩酸(HCl)で正確にpH8.0まで調整した。この緩衝液は、固相R hCによってプレート上に捕獲されたいずれのNRIgもマークするのに使用さ れる酵素結合モノクローナル抗体を希釈するのにも使用された。 抗体RhCを用いるEIA手法 a)NRIgを捕獲する目的で、EIAプレートウェルに固定化した第1抗体 の代わりにRhCで置き換え; b)全ての試料の希釈及び全てのプレートの洗浄で使用した緩衝溶液は丁度記 載した希釈/洗浄緩衝液であり;及び c)最終の酵素−基質発色反応は、前記実施例3の正規のEIAで使用した6 0分間の代わりに、正確に30分間、37℃でアッセイプレートをインキュベー トすることによって発色させた; 以外は実施例3のプロセスに従った。 **これらの試料は、以下の対照値:O.D.捕獲:0.108±0.024 (範囲0.084−0.212);RhC捕獲では:0.099±0.024( 範囲0.068−−0.133)を生じた25の正常で健康なドナーの群から得 られた尿をテストするにおいて得られた正常光学密度(O.D.)の範囲内にあ る。従って、IgM捕獲アッセイについての陰性値の上限は0.20 0のO.D.であった;RhC捕獲アッセイでは、それは0.226のO.D. であった。 これらのデータは、93糖尿病患者のこの群からの尿中の検出可能なNRIg のレベルの変動を明らかにする。表11の脚注に示したごとくこれらのアッセイ で確立された正常値を用い、IgM捕獲アッセイを用いて、67/93糖尿病が それらの尿中でNRIgの上昇したレベルを有し、他方、この数はRhC捕獲ア ッセイを用いて場合には66/93であったと判断された。この総じての一致は 優れたものであった。 しかしながら、個々の尿試料をテストする場合は、どれくらいの頻度で2つの アッセイアプローチが試料間で一致するのかを測定するのは重要であった。表1 2に示すごとく、一致は優れたものであった。 *年齢は16−60歳の範囲である;全ては臨床的に健康な個体であった。糖 尿病の尿検体はモノクローナル抗体捕獲アッセイでの結果の広い範囲(>.19 9ないし>3.0)を表すように選択し、病気の重症度及び持続に基づいては選 択しなかった。 実施例5 体液中のNRIgを同定し定量する放射免疫拡散アッセイにおける抗−NRI 抗体の使用 単一放射免疫拡散(RID)の技術は、例えば、アルブミン、免疫グロブリン 及び他の血清又は尿蛋白質を含めた種々の可溶性蛋白質の定量的測定として依然 頻繁に使用される。以下の予測実施例は、前記実施例2で概説した手法に従って 作成したポリクローナル抗−NRIg抗体が、RIDアッセイで測定して、体液 のミクロ試料に含有されたNRIgに結合しそれを特異的に同定する能力を示す 。 ここではポリクローナル抗体での使用つき記載するが、NRIgについてのR IDアッセイは、注目する抗原に対する1以上のモノクローナル抗体を含有する ゲルで容易に実施できることを当業者に明らかである。好ましい実施形態におい て、RIDアッセイプレートは、個々 のテストセクションを有するように設計し、この各々は、同一の体液に同時に含 有され得る注目する区別される蛋白質マーカー(例えば、NRIg、アルブミン 及びアデノシンデアミナーゼ結合蛋白質)の同時かつ定量的検出で有用な別のア ガロースゲル中に抗体を含有する。かかる平行アッセイは、腎臓病の非常に初期 の検出のための異なるタイプの有用性間の比較及び関連付けを可能とする。 2mM乳酸カルシウム及び0.1%(w/v)アジ化ナトリウムを含有する1 6mMバルビタールナトリウム溶液(pH8.0)100ml中で750mgの 乾燥アガロース粉末(EEO(−Mr)0.10、Fisher Scient ific Company,Fair Lawn, NJ)を混合することによ って、0.75%(重量/容量)アガロース溶液を調製する(McDonald ら、Analytical Biochemistry 186:165−16 8.1990)。このストックアガロース溶液は満足する結果でもってリン酸緩 衝化セーライン中で調製することもできる。この混合物を120℃で30分間オ ートクレーブ処理して、溶液を滅菌し、かつアガロース粉末を溶解させた。該液 状溶液を水浴に入れ、正確に52℃まで冷却し、その時点で、等容量の予め加温 した(52℃)希釈抗−NJ)抗血清と徹底的に混合する。アルブミンさのよう な注目する他の蛋白質に対する抗体を含有するさらなるアガロース 溶液を同様に調製する。アガロース/抗体混合物を注意深く予め加温したゲルフ レームに注ぎ、気泡を回避し、室温までゆっくりと冷却する。該ゲルは室温(ほ ぼ25℃)で固化し、被覆し、使用するまで冷蔵庫中で保存する。 使用直前に、標準対照試料のテストならびに体液試料のテストを可能とするセ ンター間の1.5cmの距離において、十分数の2.5mm孔を各アガロースゲ ルに明瞭に刻む。テストすべき各体液試料からの正確に5μl容量を注意深く適 当な数の別のウェルに入れる。全ての標準及び試料溶液の容量は正確に同一であ る。次いで、該プレートを、最も濃い陽性対照標準についての沈殿の可視リング が拡大して停止するまで、すなわちサイズがそのプラトーに達するまで室温の湿 潤チャンバー中で24時間及び48時間インキュベートする。この時点で、ゲル で観察される種々の対照及びテストリングの各々の直径を、マイクロメータース ケールを含む低出力接眼レンズを用い、直角方向で2回測定する;直角方向の2 回の測定はリングの生成のいずれの不規則性(非円性)をも補うものである。次 いで、各リング直径についての2回の測定を平均し、RIDアッセイでの各ウェ ルにつき記録する。 算術グラフ用紙上で、既知の陽性−対照標準の濃度をX(水平)軸にプロット し、標準の直径の二乗(D2)をY(垂直)軸にプロットする;半対数紙上で、 標準の 濃度を対数軸にプロットし、平均直径(二乗しない)を算術軸にプロットする。 スムーズな曲線が点群に適合し、標準曲線を形成し、これは(1の軸の)蛋白質 濃度を(グラフの他の軸に示した)アッセイのアガロースゲル中の沈殿リングの 直径に関係付ける。尿の各テスト試料におけるNRIgの正確な濃度を、次いで 、そのテスト試料についてのリングの直径を標準曲線上に位置させ、グラフの下 方(X)軸に読み落としてその試料の正確な蛋白質濃度を得ることによって決定 する。 RIDアッセイの異なる部分で同時に測定された種々の蛋白質の濃度を比較し 、次いで、これらの蛋白質の検出可能性及び濃度と、テストした体液のドナーに おけるネフロパシーの程度との間の関係付けを行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/577 C12N 5/00 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.天然又は精製ヒトNRIg糖蛋白質に特異的に結合し、NRIg上の抗原決 定基に特異的に結合し、該抗原決定基はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレ クション(ATCC)ハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10490又はその 子孫によって、又はATCCハイブリドーマ細胞系受託番号HB−10491又 はその子孫によって産生されたモノクローナル抗体との反応性によって定義され ることを特徴とする全抗体又はその抗体断片。 2.ヒトNRIg糖蛋白質、抗体−抗体複合体に結合した請求項1記載の抗−N RIg抗体を含有する抗体−抗体複合体を含み、該抗体は溶液中で自由であるか 、又は不活性基材に固定化されていることを特徴とする新規組成物。 3.動物から体液の試料を収集し;次いで、ATCC番号HB−10490又は ATCC番号HB−10491に特異的に結合する抗原決定基でIgG免疫グロ ブリンの存在につき検定することを含み、該抗原決定基はネフロパシーの発症の 可能性と関連付けられることを特徴とする動物におけるネフロパシーの発症の可 能性を検出する方法。 4.動物から体液の試料を収集し;ネフロパシーの発症の可能性と関連付けられ る抗原性部位を持つIgG免疫グロブリンに特異的に結合するモノクローナル抗 体に該 試料を接触させ、該抗原性部位はATCC番号HB−10490又はATCC番 号HB−10491によって産生されたモノクローナル抗体に特異的に結合する ことを特徴とし;次いで、該試料中に存在する該抗原決定基で該IgGの量を定 量することを特徴する動物においてネフロパシーの発症の可能性を検出する方法 。 5.ハイブリドーマ細胞系ATCC受託番号HB−10490。 6.ハイブリドーマ細胞系ATCC受託番号HB−10490によって産生され たモノクローナル抗体。 7.ハイブリドーマ細胞系ATCC受託番号HB−10491。 8.ハイブリドーマ細胞系ATCC受託番号HB−10491によって産生され たモノクローナル抗体。
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