JPH07287014A - アシアログリコプロテインレセプターの測定法及びこれに用いる測定試薬 - Google Patents

アシアログリコプロテインレセプターの測定法及びこれに用いる測定試薬

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JPH07287014A
JPH07287014A JP6081268A JP8126894A JPH07287014A JP H07287014 A JPH07287014 A JP H07287014A JP 6081268 A JP6081268 A JP 6081268A JP 8126894 A JP8126894 A JP 8126894A JP H07287014 A JPH07287014 A JP H07287014A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アシアログリコプロテイン(AGPR)を認
識するモノクローナル抗体を被検体と接触させる免疫測
定法によりAGPRを測定する方法において、検体希釈
液のpHを5.0〜7とするか又は酵素標識抗体溶液にフ
ェノールを含有せしめるAGPRの測定法及びこれに用
いる測定用試薬。 【効果】 感度及び精度に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝細胞機能の判定に有
効なアシアログリコプロテインレセプター(以下「AG
PR」という)濃度を感度及び精度良く測定する方法、
この方法を用いた治療薬のスクリーニング方法及びこの
方法に用いる測定試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】肝臓は人体の中で最大の実質臓器であ
り、物質代謝の中心的役割を演じているが、その主たる
機能は、(1)栄養素に関する中間代謝、すなわち腸管
から吸収したあるいは末梢組織から動員した糖・脂肪酸
・アミノ酸の酸化や糖新生、脂質や蛋白の合成、貯蔵な
らびに他臓器や末梢組織への供給、(2)栄養素以外の
各種の蛋白及びその前駆物質の代謝、すなわち体組織構
成蛋白、血清蛋白、肝での代謝に関わる各種の酵素の合
成など、(3)外因性の薬物、内因性のホルモンやアン
モニアなどの代謝産物の解毒、抱合、破壊、不活化、
(4)網内系機能としての異物の摂取、排出、(5)胆
汁生成に伴う排出、消化作用、(6)水、電解質、ビタ
ミン代謝による内部環境の維持など、多岐にわたってい
る。そのために、肝の病変は全身的な物質代謝の異常を
引き起こし、二次的に他臓器の障害を誘発して全身的に
大きな影響を及ぼす。このため、肝疾患における肝機能
を把握することは重要なことである。また、最近の医療
用器具の発達、肝臓切除術の進歩、肝臓の保存液の開発
及び免疫抑制剤の開発に伴い、肝癌における肝臓切除や
肝硬変における肝臓移植が積極的に行われるようになっ
てきている。従って、術後においても、肝機能を把握す
ることは重要である。
【0003】従来、肝機能検査法としての生化学検査項
目は、「肝機能検査の選択と組み合せの基準」として日
本消化器病学会 肝機能研究班によって提示され(日消
会誌,85巻,1210−1214ページ,1988
年)内科、外科において広く用いられている。
【0004】外科領域において、小沢らは、肝機能検査
法として、肝ミトコンドリアの機能を無侵襲的にかつよ
り直接的に評価する方法、つまり動脈血中のケトン体比
(AKBR)により評価する方法が優れていることを明
らかしている(Gastroenterology,7
6巻,691−696ページ,1979年)。しかしな
がら、従来の生化学検査項目は、肝特異性が低く肝外因
子に影響されることが少なくない、またAKBRによる
方法は、採血、検体の扱い、測定、データの解釈に各々
注意すべき事項があり、好適な方法とは言い難い。この
ように、外科領域において、術後の肝障害はかなりの高
い頻度で発生することから、術後の予後の評価を行うこ
とは重要であるが、これに適した検査方法はいまだ見出
されていない。
【0005】また、内科領域において新津らは、肝疾患
の診断法として、肝に特異性の高いAGPRを測定する
方法が適している事を報告している(特開平4−356
198号公報)。AGPRはガラクトース、N−アセチ
ルガラクトサミン残基を認識するレクチン(Morel
lら,J.Biol.Chem.,246巻,1461
−1467ページ,1971年)であり、肝実質細胞膜
表面に存在する肝臓に特異性の高い膜糖蛋白質である
(松浦ら,J.Cell Biol.,95巻,864
−875ページ,1982年)。また、AGPRのリガ
ンドである125I−labeled asialoor
osomucoidを用いて、肝実質細胞膜表面上のA
GPR量が、肝臓障害の程度とともに減少することが明
らかにされている(沢村ら,Gastroentero
logy,87巻,1217−1221ページ,198
4年)。
【0006】しかしながら、従来のAGPRの測定法
は、検体中のAGPRを定量測定するのに十分な性能を
有するものとは言えず、肝疾患を適切に診断することは
困難であった。
【0007】一方、従来、安全で有効な治療薬をスクリ
ーニングする方法としては、ターゲットとなる培養細胞
又は培養肝細胞への治療薬の影響を各細胞の機能異常、
機能回復等から判断する方法が用いられている。しかし
ながら、培養肝細胞における治療薬の影響の判断は、肝
細胞の物質産生能、代謝、解毒作用等から行われている
もののこれらの機能だけでは肝細胞の機能を十分に把握
しているとは言えず、新たな治療薬の開発においてはこ
れらとは異なった肝細胞の機能である細胞膜、エンドサ
イトーシス等の変化を把握する簡便な方法が望まれてい
た。
【0008】このように、肝細胞機能を判定するために
AGPRの測定法を確立することが求められており、本
出願人はモノクローナル抗体を用いたAGPRの測定法
を見出し、先に特許出願した(特開平4−356198
号公報)。しかしながら、より高感度で精度の高いAG
PRの測定法が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、肝細胞機能、特に肝再生能の把握、アルコール性肝
障害の検出及び治療薬の効果あるいは肝細胞への影響の
判定に有効なAGPRをより高感度でかつ精度良く測定
するための方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、AGPRを認識するモノ
クローナル抗体を被検体と接触させて免疫測定を行う
際、検体希釈液のpHを5.0〜7にするか、又は酵素標
識抗体溶液にフェノールを含有せしめれば、AGPRを
高感度かつ高精度で測定できることを見出し、本発明を
完成した。更に、この方法を用い、培養肝細胞から放出
される培養上清中のAGPRを測定すれば、容易に治療
薬のスクリーニングを行うことができることを見出し、
本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、AGPRを認識する
モノクローナル抗体を被検体と接触させる免疫測定法に
よりAGPRを測定する方法において、検体希釈液のpH
を5.0〜7にすることを特徴とするAGPRの測定法
の第一の発明、AGPRを認識するモノクローナル抗体
を被検体と接触させる免疫測定法によりAGPRを測定
する方法において、酵素標識抗体溶液にフェノールを含
有せしめることを特徴とするAGPRの測定法の第二の
発明、これらのいずれか又は双方の測定法により培養肝
細胞から放出される培養上清中のAGPRを測定するこ
とを特徴とする治療薬のスクリーニング方法の第三の発
明、並びにAGPRを認識するモノクローナル抗体及び
フェノールを含有するAGPRの測定試薬の第四の発明
を提供するものである。
【0012】本発明に用いられるAGPRを認識するモ
ノクローナル抗体(以下、「抗AGPRモノクローナル
抗体」という)は、例えば次のようにして製造すること
ができる。
【0013】免疫原としてのAGPRは、公知の方法、
例えばBaenzingerら(Journal of
Bio.Chem.,255巻,4607−4613
ページ,1980年)の方法に従って、ヒト剖検肝によ
り調製することができる。すなわち、インフォームド・
コンセントを得たヒト剖検肝をホモジナイズし、遠心分
離にて肝細胞膜画分を集め、この画分1容に対し、コー
ルドアセトン9容程度を加えた後、不溶物をアセトンパ
ウダーとして濾過回収する。このアセトンパウダーから
界面活性剤を含む緩衝液によりAGPRを抽出し、この
抽出液に塩化カルシウムを加え、次いでD−ガラクトー
ス−アガロースゲルを用いたアフィニティクロマトグラ
フィーに付せば、精製されたAGPRを得ることができ
る。
【0014】抗AGPRモノクローナル抗体は、上記A
GPRを免疫原として使用し、既知の細胞融合手段によ
って調製することができる。すなわち、AGPRをフロ
インドの完全アジュバント、あるいは結核菌の精製アジ
ュバントであるトレハロースジミコール酸及び低毒性リ
ピッドAを最適濃度に調製したアジュバント(リビ−ア
ジュバントシステム)等の適当なアジュバントに乳濁
し、これを数週間おきにマウスの腹腔、皮下又は静脈に
数回繰り返し免疫する。一定期間後、マウスの脾臓細胞
をとり出し、これと、ヒポキサンチン−グアニン−ホス
ホリボシルトランスフェラーゼ欠損(HGPRT-)あ
るいはチミジンキナーゼ欠損(TK-)の様な適切なマ
ーカーを持つマウス骨髄腫細胞とをポリエチレングリコ
ール処理することによって多様なハイブリドーマ細胞を
得る。このハイブリドーマ細胞の培養上清中に産出され
た抗体のAGPRに対する反応性に基づいて、抗AGP
Rモノクローナル抗体を作るハイブリドーマをスクリー
ニングすることができる。目的のハイブリドーマを単ク
ローンとするため、96穴のマイクロウエルにフィーダ
ーレイヤーとして正常な脾臓細胞又は胸腺細胞を106
個/ウエル蒔いた上にハイブリドーマを1穴に1〜10
個となるように蒔き、生育してくるクローンについて再
びスクリーニングを行う。このサブクローニングを繰り
返すことにより、単一性のハイブリドーマを得ることが
できる。
【0015】ハイブリドーマを培養する培地としては、
ハイブリドーマの培養に適した培地であれば良く、好適
には、RPMI 1640に牛胎児血清、L−グルタミ
ン、L−ピルビン酸及び抗生物質(ペニシリンGとスト
レプトマイシン)を含む培地が用いられる。また、培養
は、例えば5重量%(以下単に「%」という)CO2
度、37℃の条件下で3日間行うのが好ましい。
【0016】モノクローナル抗体は、こうして選抜され
たハイブリドーマより動物細胞培養の技術、又はマウス
腹腔内での培養技術で得た培養液上清又はマウス腹水を
硫安塩析、イオン交換樹脂及び分子篩ゲルを用いたカラ
ムクロマトグラフィー、プロテインA及びプロテインG
を用いるアフィニティクロマトグラフィー等により精製
することができる。得られたモノクローナル抗体の特異
性は、例えばウエスタンブロッティング法により確認す
ることができる。
【0017】ヒト検体中のAGPRを定量するために
は、このようにして得られるモノクローナル抗体の1種
又は2種以上を用いて免疫学的測定法を実施すれば良
い。免疫学的測定法としてはオクタロニー法、一次元免
疫拡散法、免疫比濁法、酵素免疫測定法、ラテックス免
疫測定法、ラジオイムノアッセイ、フロロイムノアッセ
イなどを利用することができる。例えば酵素免疫測定法
を使用する場合には、抗AGPRモノクローナル抗体の
いずれかを適当な緩衝液中で不溶性担体に固定化して不
溶化抗体とし、別の抗AGPRモノクローナル抗体を酵
素で標識し、これらを被検体と反応させ、第二の抗体に
結合させた酵素の活性を測ることにより、ヒトAGPR
を測定することができる。
【0018】ここで使用する不溶性担体としては、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種合
成高分子、ガラス、シリコン、不溶性多糖(架橋デキス
トラン、ポリサッカライド)などが好ましく、これらの
担体は球状、棒状、微粒子等の形状で、あるいは試験
管、マイクロプレートなどの形態で用いることができ
る。なお、不溶化抗体作成の条件としては、球状、棒
状、試験管、マイクロプレートの形態の場合又は微粒子
の形態の場合、抗体濃度は各々1〜10μg /ml又は1
〜10mg/ml、緩衝溶液はリン酸緩衝液、グリシン緩衝
液、炭酸緩衝液、トリス緩衝液などの弱酸性からアルカ
リ性のものを用い、反応時間は室温又は4℃で、1時間
〜72時間で調製することが好ましい。この後の洗浄に
用いる洗浄液の組成は、5〜100mM濃度のリン酸緩衝
液、トリス緩衝液等のpH6〜8の弱酸〜弱アルカリを用
いることが好ましい。更に、非特異反応を回避するた
め、50〜200mM濃度の塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム及び0.01〜0.1%のTween 80、Twe
en 20、NP−40などを添加することが好まし
い。また、酵素反応の阻害剤を除くため、0.1〜5mM
濃度のキレート剤(EDTA等)を加えてもよい。
【0019】本発明で使用する酵素標識抗体は公知の方
法によって作成することができ、例えば中根らの方法
(Nakane P.K et al,J Histo
chem Cytochem,22,1084−108
9,1974)あるいは石川らの方法(マレイミド法:
「酵素免疫測定法 第3版」医学書院)に従い、断片化
していない免疫グロブリン分子をそのままか、あるいは
必要に応じて抗体を適当なプロテアーゼで限定分解して
F(ab’)2 、又はFab’とした後、酵素で標識す
ることができる。標識に使用する酵素としては、ペルオ
キシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラク
トシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられ
る。酵素標識抗体溶液の組成は、固相化抗体に結合した
抗原と酵素標識抗体の種類により、それぞれ反応に適し
た条件(pH、緩衝液、蛋白質、塩、界面活性剤など)を
適宜設定すればよい。例えば、緩衝液濃度、組成及びpH
としては、10〜500mM(特に10〜50mM)濃度の
リン酸緩衝液、Tris緩衝液、MES・BisTri
s・ACES・BES・HEPES等のGood’s緩
衝液などのpH6〜8の弱酸〜弱アルカリ(特にpH6.5
〜7.5のBES)性のものが挙げられる。
【0020】本発明において酵素標識抗体溶液には、全
組成中に0.001〜0.2%、特に0.01〜0.1
%のフェノールを添加すると、反応が促進されると共に
酵素標識抗体の安定化を図ることができ好ましい。
【0021】また、酵素標識抗体溶液には、更に非特異
反応の回避及び安定化の目的のため、0.1〜10%、
特に0.1〜0.5%のBSA、低脂肪ミルク、ゼラチ
ン等の蛋白質、20〜1000mM、特に50〜200mM
の塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質、0.01
〜0.1%のTween 80、Tween 20、N
P−40等の界面活性剤等を添加することが好ましい。
【0022】標識物質が酵素である場合には、その活性
を測定するために基質、必要により発色剤が用いられ
る。酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合には、基
質として過酸化水素を用い、発色剤としてo−フェニレ
ンジアミン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンチ
ジン、2,2′−アジノジ−(3−エチルベンズチアゾ
リンスルホン酸)アンモニウム塩等、酵素にアルカリフ
ォスファターゼを用いる場合は基質として、p−ニトロ
フェニルフォスフェート、3−(4−メトキシスピロ
{1,2−ジオキセタン−2′,3−トリシクロ−
〔3.3.1.13.7〕デカン}−4−イル)フェニル
フォスフェート:AMPPD等、酵素にβ−D−ガラク
トシダーゼを用いる場合は基質として、β−D−ガラク
トピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−
ガラクトピラノシド等、酵素にグルコースオキシダーゼ
を用いる場合はペルオキシダーゼの共存下で基質とし
て、β−D−グルコース、発色剤としてペルオキシダー
ゼを用いることができる。
【0023】本発明測定法に用いる検体希釈液は、その
pHが5.0〜7、好ましくは5.5〜6.5の範囲であ
ることが必要である。このpH値が5.0未満又は7を超
えると測定感度が下がり好ましくない。被検体希釈液の
組成は上記pH範囲内で固相化抗体と抗原の種類により、
各種緩衝液等を用いて適宜決定すればよい。ここで用い
られる緩衝液としては、例えば20〜500mM(好まし
くは50〜200mM)濃度のクエン酸緩衝液、マレイン
酸緩衝液、リン酸緩衝液、MES・BisTris・A
CES・BES等のGood’s緩衝液が挙げられる。
更に、非特異反応の回避及び安定化の目的のため、0.
1〜10%(好ましくは1〜5%)BSA、低脂肪ミル
ク、ゼラチンなどの蛋白質;20〜1000mM(好まし
くは50〜200mM)塩化ナトリウム、塩化カリウムな
どの電解質;0.01〜0.1%のTween 80、
Tween 20、NP−40などの界面活性剤等を添
加することが好ましい。
【0024】免疫反応は、先ず第一反応で、不溶化抗体
に被検体を接触させ、抗原を結合させて不溶化抗体−抗
原複合体とし、第二反応で、これに酵素標識抗体を結合
させて不溶化抗体−抗原−酵素標識抗体複合体とするこ
とによって行われる。そして得られた複合体の酵素活性
を測定することによって、被検体中の抗原(ヒトAGP
R)の量を測定することができる。
【0025】本発明においては、酵素標識抗体溶液にフ
ェノールを含有せしめ、かつ検体希釈液のpHを5.0〜
7にして測定すると、より高感度で精度良くAGPRの
濃度を測定することができる。
【0026】上記のAGPRの測定法を用いた治療薬の
スクリーニングは、例えば肝細胞として初代培養肝細
胞、肝細胞株及び薬物等でダメージを与えた肝細胞等を
用い、各薬物の添加及び無添加の状態で肝細胞から培養
上清中に放出されるあるいは肝細胞中の物質を比較する
ことにより行うことができる。例えば培養上清中(血清
を含む含まない両方の培地が利用できる)のAGPR量
を測定することにより、肝細胞が活動している状態での
膜の流動性、細胞膜物質のターンオーバー及びエンドサ
イトーシスに関連する細胞内機構の働きなどを把握でき
る。
【0027】
【発明の効果】本発明のAGPRの測定法によれば、A
GPRを高感度で精度良く測定することができる。
【0028】従って、本発明の測定法は肝細胞の状態の
把握に有用であり、特に、肝切除術に関連して肝再生の
状態の把握、アルコール性の肝障害検出、インビトロに
おいて薬物刺激による肝細胞膜の流動性、肝細胞膜成分
のターンオーバーの変化から肝細胞の機能変化の把握な
どを容易に行うことができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0030】参考例1 AGPRの精製:インフォームド・コンセントを得たヒ
ト剖検肝(胃癌で亡くなった患者)180gを細かく切
り、5mM EDTA、1mM フェニルメチルスルホニル
フルオライドを含む50mM トリス塩酸緩衝液(以下
「Tris−HCl」という)(pH7.8,洗浄液1)
で洗浄した後、洗浄液1の900mlを用いてポリトロン
ブレンダーにてホモジナイズした。懸濁液を800×
g、10分間遠心し、上清を100,000×g、90
分間遠心した。得られたペレットを精製水にて再懸濁
後、9倍量のコールドアセトンを加え、濾過にてアセト
ンパウダーを回収した。回収したアセトンパウダー20
gを、0.2M NaClを含む20mM Tris−H
Cl(pH7.8)で洗浄後、0.4M KCl、1%
Triton X−100を含む20mM Tris−H
Cl(pH7.8)300mlで抽出した。抽出液を1,2
00×g、15分間遠心し、上清を回収し、終濃度25
mMになるようにCaCl2 を添加した後、D−ガラクト
ース−アガロースゲルに吸着させた。AGPRは1.2
5M NaClを含む20mM 酢酸アンモニウム(pH
5.1)にて溶出し、精製を行った。精製AGPRの純
度は約90%であり、ローリー法の変法による蛋白定量
により、濃度は130μg /mlであった。
【0031】参考例2 モノクローナル抗体の調製:(1)免疫 参考例1で精製したAGPRの20μg を1回の免疫に
使用した。初回免疫はフロインドの完全アジュバントを
用い、追加免疫ではフロインドの完全アジュバント及び
不完全アジュバントの1:1の混合液を使用した。AG
PR100μlとフロインドのアジュバント100μl
を混合し、得られたエマルジョン200μl を1回の免
疫につき1匹のBALB/c雄性マウスの腹腔に注射
し、4回免疫を2週間間隔で繰り返した。また、フロイ
ンドのアジュバントの他、フナコシより市販されている
リビ−アジュバントシステムの変法により免疫を行っ
た。本免疫エマルジョンの作成は次の操作により行っ
た。すなわち、ポッターホモジナイザーを使用し、グラ
インダーチューブに精製AGPR20μg を加え、窒素
を吹き付けて乾固させ、更に、クロロホルム:メタノー
ル=4:1の混合液に溶解しているトレハロースジミコ
ール酸(TDM)及びモノリン酸リピッドA(MPL)
を加え、窒素を吹き付け乾固させた。本チューブにスク
アレン4μl を加え、スリーワンモーターにセットした
テフロン棒にて抗原、アジュバント及びスクアレンを
1,200rpm で3分間混合した。その後、0.2%
Tween 80、0.72% NaClを含む13mM
リン酸緩衝液(pH7.2)200μl を加え、1,2
00rpm で4分間混合し、免疫エマルジョンを作成し
た。得られたエマルジョン200μl を1回の免疫につ
き1匹のBALB/c雄性マウス腹腔に注射し、4回免
疫を2週間間隔で繰り返した。なお、初回免疫ではTD
M50μg 、MPL50μg を、追加免疫ではTDM5
0μg 、MPL5μg を使用した。この2方法により免
疫したマウスの眼底静脈から採血し、抗体価をELIS
A法で測定して、抗体価の高いマウスを選んで細胞融合
に使用した。
【0032】(2)細胞融合 4回目の免疫から1ケ月後、生理食塩水200μl に希
釈した精製AGPR20μg をマウス腹腔に注射し、そ
の3日後にマウスから脾臓を摘出した。摘出した脾臓を
RPMI 1640培地中、ピンセット及びスライドグ
ラスの磨りの部分でよくほぐし、脾細胞を回収した。こ
れを1,500rpm で5分間遠心して脾細胞を集め、更
に同培地で洗浄、遠心した。最終的に15%牛胎児血清
(FCS)を含む同培地2mlを加え、脾細胞懸濁液を調
製した。生きた脾細胞数は、アクリジンオレンジ/臭化
エチジュウム溶液(各0.1mgをPBS1mlに溶解)と
懸濁液を1:1で混ぜ、蛍光顕微鏡下で数えた。生きた
脾細胞108 個と、予め培養しておいた対数増殖期のマ
ウス骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)SP2/O−Ag1
4の107 個を混合した後、1,500rpm で5分間遠
心した。上清を除去後、細胞をよく解きほぐした後、G
KN溶液(NaCl:8g,KCl:0.4g,グルコ
ース:2g,Na2HPO4:1.41g,NaH2PO4
・2H2O:0.78gを精製水1lに溶解したもの)
にて懸濁し、1,500rpm で5分間遠心を行い、細胞
の洗浄を行った。同洗浄を繰り返した後、50%(w/
v)のポリエチレングリコール1540を含むGKN溶
液0.5mlを徐々に加え、静かに1分間攪拌した。これ
にGKN溶液10mlを徐々に静かに加えて反応を停止さ
せ、1,500rpm で5分間遠心した。得られた細胞を
15% FCSを含むRPMI 1640の30mlに浮
遊し、HAT培地(10-4Mヒポキサンチン、4×10
-7Mアミノプテリン、1.5×10-5Mチミジン及び1
5% FCS含有RPMI 1640培地)及びフィダ
ー細胞が含まれる(1ウエル当り200μl )96穴マ
イクロカルチャープレート3枚に、1ウエル当り0.1
mlづつ分注し、37℃、5% 炭酸ガス培養器中で培養
した。10日後に全てのウエルで融合細胞の増殖を確認
した。
【0033】(3)抗AGPR抗体産生ハイブリドーマ
の選択とクローン化 培養上清中の抗AGPR抗体の存在の有無をELISA
法で測定した。すなわち、精製AGPRを固相化した9
6穴マイクロプレートを用いてスクリーニングを行っ
た。詳細には、AGPRを、0.72% NaClを含
む13mM リン酸緩衝液(pH7.2;PBS)で希釈し
て0.2μg /mlに調製し、50μl /ウエルの割合で
96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一夜放置し
た。これを1% ウシ血清アルブミン、0.05% T
ween 20を含むPBS(pH7.2;BSA−PB
S)で3回洗浄した。各プレートの各ウエルに培養上清
50μl を加え、37℃で1時間保温した。次いで、P
BSで3回洗浄後、BSA−PBSで1,000倍に希
釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(Fc
部位に特異的,ヤギ由来)を50μl 加え、37℃で1
時間保温した。これをPBSで5回洗浄後、11mM オ
ルトフェニレンジアミン、0.02% 過酸化水素水を
含むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μl /
ウエル加えて室温で30分間反応させた後、4.5M
硫酸を50μl /ウエル加えて反応を停止させた。この
反応において、550nmでの吸光度が高い結果を示した
上清を得たウエルを選択した。
【0034】ELISAで陽性のウエルについては、ウ
エスタンブロットにおいて他の動物由来のAGPRとの
反応性を確認し、交差反応を示すモノクローナル抗体の
選択を行った。すなわち、上記AGPRの精製に従い、
ウサギ、ラット(SD)、マウス(BALB/c)の肝
臓よりアセトンパウダーを調製し、その抽出液を4−2
0% SDS−PAGEにおいて、1ウエル当り10μ
l アプライした。これらサンプルを電気泳動後、陽極液
1:0.3M Tris、20% メタノール;陽極液
2;25mM Tris、20% メタノール;陰極液:
25mM Tris、40mM ε−アミノ−n−カプロン
酸、20% メタノールの緩衝液を用いたセミドライブ
ロティングにて80mA、1時間でポリビニリデンジフル
オライド(PVDF)膜に転写した。PVDF膜は、1
0% スキムミルクを含むPBSにて4℃、一晩ブロッ
キングした後、今回得た各モノクローナル抗体を反応さ
せた。転写膜を短冊状に切り、短冊当り各ハイブリドー
マの培養上清500μl を室温で1時間反応させた後、
0.05% Tween 20を含むPBS(PBS
T)で3回洗浄し、1% ウマ血清を含むPBSで20
0倍に希釈したビオチン標識抗マウスIgGウマ抗体5
00μl を室温で1時間反応させた。更に、PBSTで
3回洗浄後、PBSで50倍に希釈したペルオキシダー
ゼ標識アビジンDH−ビオチン500μl を室温で30
分間反応させた。PBSTで3回洗浄後、50mM Tr
is−HCl(pH7.6)100mlにジアミノベンチジ
ン25mg、過酸化水素20μl を含む基質液を加え酵素
反応を行った。バンドが確認でき次第、水洗にて反応停
止を行った。その結果は表1に示すとおりであり、得ら
れたモノクローナル抗体がヒトAGPRと反応すること
を確認するとともに、他の動物由来のAGPRとも交差
反応を示すことを確認した。
【0035】
【表1】
【0036】次に、単クローン化は限界希釈法で行っ
た。すなわち、フィーダー細胞としてBALB/cマウ
スの胸腺細胞を、1ウエル当り106個/0.2mlづつ
分注した96穴マイクロカルチャープレートに、特異抗
体陽性ウエル中のハイブリドーマを10個/mlとなるよ
うに希釈したものを0.1mlずつ分注した。培地は初回
はHAT培地を、2回目はHT培地を、3回目以降は1
5% FCSを含むRPMI 1640を用い、37
℃、5% 炭酸ガス培養器中で10日間培養した。EL
ISA法による特異抗体陽性ウエルの選択及び限界希釈
法による単クローン化操作を各3回繰り返した。その結
果、抗AGPR−モノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマ24株を確立した。
【0037】参考例3 モノクローナル抗体の分離及び精製:参考例2の方法に
よって得た抗AGPR−モノクローナル抗体産生ハイブ
リドーマをマウス腹腔内で培養してモノクローナル抗体
を得た。前処理として、8週齢のBALB/cマウスの
腹腔内に0.5mlのブリスタン(2,6,10,14−
テトラメチルペンタデカン)を投与した。8日後、0.
5mlのRPMI 1640培地に浮遊したハイブリドー
マ4〜15(×105個)を、このマウスの腹腔内に投
与した。投与後9日目から腹水を繰り返し採取してプー
ルした。集めた腹水は3,000rpm で10分間遠心分
離を行い、細胞等の不溶物を除去した。上清部分に等容
の飽和硫酸アンモニウム溶液を攪拌しながら加え、一
夜、4℃に放置して得られた沈澱を遠心分離によって回
収した。沈澱を20mM Tris−HCl緩衝液(pH
8.0)に溶解、透析した。同緩衝液で平衡化したDE
AE−Sephacelカラムに透析内容物を吸着させ
た後、同緩衝液中、0−0.3MのNaCl直線濃度勾
配で溶出させ精製抗体を得た。
【0038】参考例4 モノクローナル抗体組み合せの選定:参考例3で得られ
た精製モノクローナル抗体の内、参考例2(3)のスク
リーニングで発色値の低かった抗体、ウエスタンブロッ
ティングで反応性が類似していた抗体及びサブクラスが
γ2bであった抗体を除き、固相化抗体として3020
1、30202、30203、30204、3020
8、30214、30215、30216、3021
8、30219、30220、30221、3022
2、30225を、酵素標識抗体として30201、3
0202、30203、30208、30210、30
214、30216、30218、30219、302
20、30221、30222、30225を選択して
ELISAを行い、AGPR測定に適した組み合せの選
定を行った。抗体の酵素標識は参考例6に従い、精製I
gGを用いて行った。
【0039】固相化用の抗体をPBSで希釈して2μg
/mlに調製し、50μl /ウエルの割合で96穴マイク
ロプレートに分注し、4℃で一夜放置した。これを1%
ウシ血清アルブミン、0.05% Tween 20
を含むPBS pH7.2(BSA−PBS)で3回洗浄
した。各プレートの各ウエルに、4倍希釈したヒト血清
あるいは10倍希釈したヒト肝癌細胞株の細胞溶解液5
0μl を加え、4℃で一晩反応させた。次いで、PBS
で3回洗浄後、BSA−PBSで100倍に希釈した各
酵素標識モノクローナル抗体を50μl 加え、4℃で一
晩反応させた。これをPBSで5回洗浄後、11mM オ
ルトフェニレンジアミン、0.02%過酸化水素水を含
むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μl /ウ
エル加え、室温で30分間反応させた後、4.5M 硫
酸を50μl /ウエル加えて反応を停止させ、492nm
の吸光度を測定した。その結果を表2及び3に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】参考例5 固相化プレートの作成:参考例3の方法によって精製し
た抗AGPR−モノクローナル抗体(30220)をN
UNC社のマイクロプレートに固相化した。すなわち、
150mM NaClを含む50mMの炭酸緩衝液(pH9.
6)に、30220が2μg /mlとなるように希釈し、
1ウエル当り100μl を加え、4℃で3時間インキュ
ベイションした。溶液を吸引除去後、1% BSA及び
5% シュクロースを含むリン酸緩衝液(pH7.2)を
1ウエル当り300μl 加え、室温で1時間インキュベ
イションした後、溶液を吸引除去し、オートドライデシ
ケーターにて室温で一晩乾燥させ、抗体固相化プレート
を作成した。
【0043】参考例6 酵素標識抗体の作成:抗体を標識する酵素として西洋ワ
サビペルオキシダーゼ(HRP)を用い、中根らの方法
(Nakane et al.J.Histoche
m.22:1084,1974年)に従って標識した。
すなわち、F(ab’)2に断片化した30201モノ
クローナル抗体の280nmにおける吸光度で5OD相当を
0.2M炭酸緩衝液(pH9.5)で透析し、コロジオン
バックで約1mlにまで濃縮した。HRP5mgを1mlの精
製水に溶かし、0.1M NaIO4 75μl を加
え、室温で20分間攪拌し、これを1mM 酢酸緩衝液
(pH4.0)に対して透析し、pHを4程度に下げた。
0.2M 炭酸緩衝液(pH9.5)を100μl 加えて
pHを9付近にし、前記のモノクローナル抗体溶液と混合
して室温で2時間攪拌し、F(ab’)2とHRPの標
識を行った。4mg/ml NaBH4 100μl を加え
ることにより反応を停止させた後、FPLCを用いたゲ
ル濾過法によりF(ab’)2−HRPの精製を行っ
た。
【0044】実施例1 各処方での反応性比較:検体希釈液及び酵素標識抗体溶
液として次の(1)〜(4)のものを用いた場合につい
て、反応性を比較した。 (1)検体希釈液及び酵素標識抗体溶液が処方1(1%
BSA,123Mm NaCl,0.05% Twee
n 20を含む13mMリン酸緩衝液;pH7.2)の場
合、(2)検体希釈液が処方2(2% BSA,150
mM NaCl,0.05%Tween 20を含む10
0mM リン酸緩衝液;pH6.2)であり、酵素標識抗体
溶液がフェノールを含まない処方3(0.1% BS
A,150mM NaCl,0.05% Tween 2
0を含む20mM BES緩衝液;pH7.0)の場合、
(3)検体希釈液が処方1であり、酵素標識抗体溶液が
フェノールを含む処方1(0.1% BSA,123mM
NaCl,0.05% Tween 20,0.1%
フェノールを含む13mM リン酸緩衝液;pH7.2)
の場合、(4)検体希釈液が処方2であり、酵素標識抗
体溶液が0.1%フェノールを含む処方3の場合。すな
わち、精製AGPRが25、12.5、5、2.5ng/
mlとなるように各緩衝液で希釈し、参考例5で作成した
固相化プレートに1ウエル当り200μlを加え、室温
で一晩反応させた。PBSTで3回洗浄後、280nmに
おける吸光度が1mOD となるように各緩衝液で希釈した
酵素標識抗体を1ウエル当り100μl 添加し、室温で
1時間反応させた。PBSTで5回洗浄後、基質溶液
(11mM オルトフェニレンジアミン、0.02% 過
酸化水素を含むクエン酸緩衝液;pH5.0)を1ウエル
当り100μl 加え、室温で10分間反応させた後、
1.5N 硫酸を1ウエル当り100μl 加え、492
nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定
した。その結果を図1に示す。
【0045】図1の結果から明らかなように、検体希釈
液をpH6.2にした場合及び/又は酵素標識抗体溶液に
フェノールを含有せしめた場合には、より高感度にAG
PR濃度を測定することができる。
【0046】実施例2 同時再現性及び日差再現性:参考例5にて調製した固相
化プレート、検体希釈液(2% BSA、150mMNa
Cl、0.05% Tween 20を含む100mM
リン酸緩衝液;pH6.2)及び280nmにおける吸光度
が1mOD の酵素標識抗体を含む溶液(0.1% BS
A、150mM NaCl、0.05% Tween 2
0、0.1%フェノールを含む20mM BES緩衝液;
pH7.0)を用い、各濃度の血清を4倍希釈して測定し
た時の本測定系の同時再現性及び日差再現性を測定し
た。すなわち、4倍希釈した各濃度の血清を1ウエル当
り200μl 加え、室温で一晩反応させた。以下の操作
は、実施例1と同様に行った。同時再現性及び日差再現
性の結果を表4に示した。そのバラツキはAGPR濃度
により異なり、それぞれ4〜14%、7〜14%であっ
た。
【0047】
【表4】
【0048】実施例3 添加回収試験:実施例2と同様にして、各濃度の精度A
GPRを添加した血清を4倍希釈して測定した時の本測
定系の回収試験を行った。その結果を表5に示した。回
収率は、93〜99%であった。
【0049】
【表5】
【0050】実施例4 フェノール添加試験:実施例1で用いた検体希釈液(処
方2)で12.5ng/mlとなるように希釈したAGPR
溶液を参考例5にて調製した固相化プレートに1ウエル
当り200μl 加え室温で一晩反応させた。PBSTで
3回洗浄後、各濃度(0%,0.001%,0.01
%,0.05%,0.1%)のフェノール及び280nm
における吸光度が1mOD の酵素標識抗体を含む酵素標識
抗体溶液を1ウエル当り100μl 加え室温で1時間反
応させた。以下の操作は実施例1に従って行った。結果
を表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】実施例5 肝臓切除術後のAGPR測定:参考例5に順じ、ラット
及びヒトのAGPRと反応する30208−モノクロー
ナル抗体を固相化したプレート、検体希釈液(2% B
SA、150mM NaCl、0.05% Tween
20を含む100mM リン酸緩衝液;pH6.2)及び2
80nmにおける吸光度が1mOD の酵素標識抗体を含む溶
液(0.1%BSA、150mM NaCl、0.05%
Tween 20、0.1% フェノールを含む20
mM BES緩衝液pH7.0)を用い、ラット肝臓の70
%を切除した後の血清を4倍希釈して測定を行った。ラ
ットは術後、順調に生育した。詳細については、実施例
2に準じて測定を行った。その結果を図2に示した。良
好な経過を取ったラットでは術後にAGPR値の上昇が
認められ(図2中、3)、肝再生の状態を把握している
と考えられた。
【0053】実施例6 肝疾患検体のAGPR測定:健常者238例、アルコー
ル性肝硬変9例、ウイルス性肝硬変19例、ウイルス性
慢性活動性肝炎23例の血清を用い、AGPR量を測定
した。測定法は実施例2に従って行い、その結果を表7
に示した。
【0054】
【表7】
【0055】表7の結果より、アルコール性肝硬変の血
清は、AGPR濃度が高いことが認められた。
【0056】実施例7 肝細胞培養上清中のAGPR測定:ヒト肝癌細胞株(H
epG2)を、10% FCSを含むMEM培地を用い
てシャーレで培養後、コンフルエントになった時に培養
上清を除き、細胞を同培地で洗浄後、エタノール100
mMを添加又は無添加で、37℃で培養した。0.5、
1、2、3、4、5時間後に培養上清中(200μl を
用いて)のAGPR量を測定した。抗原の反応後の測定
方法については実施例2と同様に行った。結果を図3に
示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】pHの相違及びフェノールの有無による反応性を
比較した図である。
【図2】肝臓切除後のAGPRの変化を示す図である。
【図3】肝細胞培養上清中のAGPRの変化を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢後 弘和 東京都墨田区業平5丁目5番12号 第一化 学薬品株式会社東京研究所内 (72)発明者 花田 尚 東京都墨田区業平5丁目5番12号 第一化 学薬品株式会社東京研究所内 (72)発明者 牛澤 幸司 東京都墨田区業平5丁目5番12号 第一化 学薬品株式会社東京研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アシアログリコプロテインレセプターを
    認識するモノクローナル抗体を被検体と接触させ、免疫
    測定法によりアシアログリコプロテインレセプターを測
    定する方法において、検体希釈液のpHを5.0〜7にす
    ることを特徴とするアシアログリコプロテインレセプタ
    ーの測定法。
  2. 【請求項2】 アシアログリコプロテインレセプターを
    認識するモノクローナル抗体を被検体と接触させ、免疫
    測定法によりアシアログリコプロテインレセプターを測
    定する方法において、酵素標識抗体溶液にフェノールを
    含有せしめることを特徴とするアシアログリコプロテイ
    ンレセプターの測定法。
  3. 【請求項3】 アシアログリコプロテインレセプターを
    認識するモノクローナル抗体を被検体と接触させ、免疫
    測定法によりアシアログリコプロテインレセプターを測
    定する方法において、酵素標識抗体溶液にフェノールを
    含有せしめ、かつ検体希釈液のpHを5.0〜7にするこ
    とを特徴とするアシアログリコプロテインレセプターの
    測定法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のアシ
    アログリコプロテインレセプターの測定法により肝細胞
    から放出される培養上清中のアシアログリコプロテイン
    レセプターを測定することを特徴とする治療薬のスクリ
    ーニング方法。
  5. 【請求項5】 アシアログリコプロテインレセプターを
    認識するモノクローナル抗体及びフェノールを含有する
    アシアログリコプロテインレセプターの測定試薬。
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