JPH0956380A - アシアロ糖蛋白質受容体誘導体及びその使用 - Google Patents

アシアロ糖蛋白質受容体誘導体及びその使用

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JPH0956380A
JPH0956380A JP7212118A JP21211895A JPH0956380A JP H0956380 A JPH0956380 A JP H0956380A JP 7212118 A JP7212118 A JP 7212118A JP 21211895 A JP21211895 A JP 21211895A JP H0956380 A JPH0956380 A JP H0956380A
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agpr
derivative
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protein
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Emiko Tanida
恵美子 谷田
Chiharu Oue
千春 大植
Shintaro Yagi
慎太郎 八木
Akira Hasegawa
明 長谷川
Kendou Kiyozawa
研道 清澤
Akihiko Yano
明彦 矢野
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International Reagents Corp
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗−アシアロ糖蛋白質受容体(AGPR)抗
体の新規な測定方法及びそのための試薬、並びに該試薬
のためのAGPR誘導体の提供。 【解決手段】 AGPR H1及びL−H2の細胞質膜
外領域から成る誘導体、並びにAGPR H1及びL−
H2の細胞質膜内領域及び細胞質膜外領域から成る誘導
体;これらの誘導体、並びにAGPR H1及びAGP
R L−H2の製造方法;並びにこれらを用いる抗AG
PR抗体測定方法、そのための試薬及びキット。 【効果】 本発明によれば、品質の安定した試薬が容易
に得られ、正確な測定を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシアロ糖蛋白質
受容体H1及びL−H2(AGPR H1及びAGPR
L−H2)の誘導体、並びにこれらのAGPR誘導体
又はAGPRの製造方法、及びそれらの使用に関する。
本発明のAGPR誘導体は、抗AGPR抗体の検出、特
に臨床検査のために有用である。
【0002】
【従来の技術】自己免疫性肝炎(AIH)は活動性の慢
性肝炎であり、しばしば肝硬変に移行し、適切な処置
(免疫抑制剤等)を施さないかぎり死に至る難治性肝炎
である。現在、診断は厚生省の定める規準(高ガンマグ
ロブリン血漿、抗核抗体など)に照らし合わせて行なっ
ているが、他の臓器特異的な自己免疫性疾患のような確
定診断に用いることの出来るマーカーは存在しない。ま
たAIHの診断規準を満たさない患者でも、AIHと判
断される患者が多く存在していることから、現在の診断
規準では十分でないことは明らかであり、より確実で適
切な処置を行なうためにも、自己免疫性肝炎の確定診断
用のマーカーの確立が望まれていた。
【0003】自己免疫性肝炎の診断の困難さを示す例は
多数報告されている。例えば今日C型肝炎患者の診断が
行われるようになったことから、それ以前では自己免疫
性肝炎と診断されていた患者の多くはC型肝炎と分類さ
れうる事が以下に示す文献に報告されている(Lenzi et
al., Lancet 335: 258-259, 1990; Lunel et al.,He
patology 16: 630-636, 1992;Cassani, et al. Gut 3
3: 1260-1263, 1992;Pawlotsky et al. Gut:S66-S6
8, 1993)。C型肝炎に於てはそれが活動性のもの(C型
肝炎ウィルスの増殖が起こっているのか、過去にHCV
が感染し現在は治癒しているのか)であるのか否かの判
定方法として簡便な方法が未だ無く、また上記のように
自己免疫性肝炎の的確な診断方法が確立されていないた
め、これらの疾患を的確に診断することは困難である。
【0004】しかし両者を区別することは臨床上重要な
意義を持つ。即ちAIHでは免疫抑制剤(ステロイド剤
等)が効果を示すことが分かっているが、もしAIH様
の病態を示す患者がC型肝炎ウィルス感染者であった場
合には、免疫抑制剤の投与はC型肝炎ウィルスの増殖を
促進する事になり、治療には逆効果である。一方HCV
治療で用いられるインターフェロンは逆に免疫応答力を
増強させてしまうため、もしAIH患者がHCV抗体陽
性だからといってインターフェロンを投与されてしまう
と、逆にAIH症状を悪化させてしまい治療には逆効果
である。このことから両者を判別することは今日の臨床
上の重要な課題である。
【0005】自己免疫性疾患は本来ならば自己として認
識されるべき抗原が非自己として認識される事により、
異物を攻撃すべき免疫系により自己が攻撃されてしまう
ことにより起こる症状である。自己免疫性疾患の場合、
この非自己として認識されるようになってしまった抗原
に対する抗体を検出することが有効な診断基準の一つと
なる。
【0006】AIHの場合にはルポイド肝炎の様な1型
に分類されるものでは抗核抗体、抗平滑筋抗体が検出さ
れるが、2型の場合には抗腎ミクロソーム抗体、抗可溶
性肝臓抗原抗体等が検出され、これらの検出が診断の一
つの基準となっている。しかしこれらの抗体の検出は他
の自己免疫性疾患でも観察され、臓器特異性が見られな
い。そのため、これらの抗体の検出のみでは自己免疫性
肝炎であるという確定診断をすることは出来ず、他の症
状であるとか、肝臓の生検(肝臓にリンパロ胞様の浸潤
が見られる等)と合わせ総合的に診断が行われている。
例えば今日肝臓の生検技術は進歩しているが患者への負
担は大きく、血清検査のような簡便な方法を取ることが
出来ることが好ましい。このような状況の下、AIH特
異的な自己抗体検出系の確立が望まれていた。
【0007】アシアロ糖蛋白質受容体(以下AGPRと
略す)は肝実質細胞特異的に発現する膜蛋白質であり、
血清中のアシアロ糖蛋白質を、肝臓に於て分解するため
に取り込む機能を持つ。AGPRは肝硬変、肝癌や再生
肝などの肝臓病態に応じその発現が減少することが報告
されている(Stadalnik et al., J.Nucl.Med. 26:1233
-1242, 1985)。また一部血清中にAGPRそれ自体が存
在していることも報告されており(勝木等、アルコール
代謝と肝:第12巻p65〜p68,1992)血清中
のAGPRを測定する意義の検討が進められている。更
にAGPRに結合する標識化合物を用いて肝臓の機能を
示す良い指標となり得ることも報告されている(工藤
等、日本消化器病学会雑誌:第89巻p1349〜p1
359,1992)。
【0008】McFarlane等は、活発性のAIH患者の中
に高頻度に、ウサギの肝臓から精製したAGPRに反応
する抗体が検出されることを報告し、AGPRがAIH
の標的である可能性を示唆した(McFarlane et al., J.
Hepatol. 3:196-205, 1986)。この結果はTreichel等に
よって確認された。すなわちヒトの肝臓から精製したA
GPRに反応する抗体が、AIH患者及び原発性胆汁性
肝硬変患者に高頻度に見いだされることから、AGPR
に対する自己抗体の出現はAIHの一つの指標となり得
ることにより裏づけられた(Treichel et al. Hepatol
11:606-612, 1990)。さらに本発明者らも参加したマル
チセンターで行われた検討でも裏付けられた (Treichel
et al., Gastroenterology 107 : 799-804, 1994)。さ
らに,この抗体産生はT細胞依存的であることも示され
た(Loehr et al. Hepatol. 12:1314-1320, 1990)。
【0009】Treichel等は前記の論文の中でウサギやラ
ットから精製したAGPRと、ヒトの肝臓から精製した
AGPRとの、AIH患者血清との反応性を比較検討し
ているが、ヒトのものと他の動物種から精製したもので
は反応性に違いがあることを報告している。つまりAG
PRに対する抗体を測定するためにはヒトのAGPRを
用いる必要がある。
【0010】前述のようにAGPRは肝硬変、肝癌や再
生肝などの肝臓病態に応じその発現が減少するため(St
adalnik et al., J.Nucl.Med. 26:1233-1242, 1985)、
AGPRを得るためには正常な肝臓を用いなければなら
ない。しかしヒトの正常な肝臓は入手困難であることか
ら、大量にかつ簡便にAGPRを調整する方法の確立が
望まれていた。また肝臓から精製した場合には他の肝臓
由来の抗原による汚染の危険性があり、肝臓から精製し
たものを抗原として、抗原抗体反応を利用し抗AGPR
抗体を検出する場合には、AGPRに対する以外の抗体
をも検出してしまう危険性がある。
【0011】肝実質細胞由来の樹立された細胞株のう
ち、HepG2細胞株やHuH7細胞株においてAGP
Rが発現していることが報告されているから、これを材
料にAGPRを調整することも考えられるが、HepG
2株と正常な肝臓で主要に発現しているAGPRとは種
類が異なっており(Paietta et al. Hepatol. 15:359-
402, 1992)、樹立細胞株から調整したものでは正常な肝
臓から調整したものにおきかわる事が出来ないことが予
想される。また前述のように他の動物種のものでは完全
にヒトのものに置き換えることは出来ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明に於ては
人の正常な肝臓で発現している型のAGPR及びAGP
Rポリペプチドの誘導体を大量に生産する方法を提供す
る。またこれを用いた、特異的な抗原抗体反応を利用し
た抗AGPR自己抗体の検出方法、及び自己抗体の検出
によるAIHの診断のための試薬及びキットを提供す
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】従って本発明は、アシア
ロ糖蛋白質受容体(AGPR)の誘導体(AGPR誘導
体)、すなわちアシアロ糖蛋白質受容体H1(AGPR
H1)の細胞質外領域から成るAGPR H1誘導
体、アシアロ糖蛋白質L−H2(AGPR L−H2)
の細胞質膜外領域から成るAGPR L−H2誘導体、
AGPR H1の細胞質膜内領域及び細胞質膜外領域
(細胞膜貫通領域が除去されている)から成るAGPR
H1誘導体、並びにAGPR L−H2の細胞質膜内
領域及び細胞質膜外領域(細胞膜貫通領域が除去されて
いる)から成るAGPR L−H2誘導体を提供する。
なお、本明細書において、上記誘導体を、「誘導体」な
る語を省略して単にAGPR,AGPR H1,AGP
R L−H2等と記載する場合がある。
【0014】本発明はさらに、上記AGPR誘導体の製
造方法において、該誘導体のポリペプチドをコードする
DNAを含んで成る発現ベクターにより形質転換された
宿主細胞を培養し、該培養物を採取するか、又は該培養
物からさらに前記AGPR誘導体を採取する、ことを特
徴とする方法を提供する。本発明はさらに、AGPR
H1又はAGPR L−H2の製造方法において、当該
AGPRのポリペプチドのアミノ酸配列をコードするD
NAを含んで成る発現ベクターにより形質転換された宿
主細胞を培養し、そして該培養物を採取するか、又は該
培養物から前記AGPRを採取することを特徴とする方
法を提供する。
【0015】本発明はさらに、AGPR H1及びAG
PR L−H2の同時製造方法において、当該AGPR
のポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNA及び
当該AGPR L−H2のポリペプチドのアミノ酸配列
をコードするDNAを含んで成る発現ベクターにより形
質転換された宿主を培養し、そして該培養物を採取する
か、又は該培養物からAGPR H1及びAGPR L
−H2を採取することを特徴とする方法を提供する。
【0016】本発明はまた、AGPRに対する抗体(抗
AGPR抗体)の検出又は測定方法において、抗AGP
R抗体の存否又はその量を測定すべき被験試料と、前記
AGPR誘導体又は前記の方法により製造されたAGP
Rの少なくとも1種とを接触せしめ、そして抗原−抗体
反応が生じたか否かを検出し、又はその量を測定するこ
とを特徴とする方法を提供する。本発明はさらに、前記
AGPR誘導体又は前記の方法により製造されたAGP
Rの少なくとも1種を含んで成る、抗AGPR抗体測定
用試薬を提供する。本発明はさらに、前記AGPR誘導
体又は前記の方法により製造されたAGPRの少なくと
も1種、及び標準としての抗AGPR抗体を含んで成
る、抗AGPR抗体測定用キットを提供する。
【0017】
【具体的な説明】正常な肝臓で発現しているAGPRは
H1とH2及びL−H2である。一方HepG2細胞で
はH1と、L−H2と同じ遺伝子からAlternative spli
cingによって出来ると考えられるH2とH2′が発現し
ている(Paietta et al. Hepatol. 15:359-402, 199
2)。すなわち、本発明で製造しようとするものは正常な
肝臓で発現しているAGPRを反映するものであるか
ら、目的とするものはH1及びL−H2の誘導体であ
る。
【0018】AGPR H1及びAGPR L−H2の
一次構造を図1に示す。本発明のAGPR誘導体の1つ
はAGPR H1のおよそ細胞質膜外領域から成るもの
である。その具体的な1例として配列番号:19に示す
アミノ酸配列の60位のアミノ酸Glyから291位の
アミノ酸Leuまでのアミノ酸配列を有する誘導体が挙
げられる。また、本発明の誘導体の他の1つにAGPR
H1のおよそ細胞質膜内領域と細胞質膜外領域とから
成るものである。その具体的な1例として配列番号:1
9に示すアミノ酸配列の1位のアミノ酸Metから42
位のアミノ酸Leuまでのアミノ酸配列を有する細胞質
膜内領域と、60位のアミノ酸Glyから291位のア
ミノ酸Leuまでのアミノ酸配列から成る細胞質膜外領
域から成るものが挙げられる。
【0019】本発明のAGPR誘導体の他の1つは、A
GPR L−H2のおよそ細胞質外領域から成るもので
ある。その具体的な1例として、配列番号:20の59
位のアミノ酸Glyから287位のアミノ酸Alaまで
のアミノ酸配列を有するものが挙げられる。また、本発
明のAGPR誘導体の更に他の1つは、AGPR L−
H2のおよそ細胞質膜内領域と細胞質膜外領域とから成
るものである。具体的な1例として、配列番号:20の
1位のアミノ酸Metから41位のアミノ酸Serまで
のアミノ酸配列を有する細胞質膜領域と59位のアミノ
酸Glyから287位のアミノ酸Alaまでのアミノ酸
配列を有する細胞質膜外領域とから成る誘導体が挙げら
れる。
【0020】しかしながら、本発明のAGPR誘導体
は、上記のアミノ酸配列を有するものに限定されない。
本発明のAGPR誘導体は、AGPRの抗原決定基が破
壊されない限り、上記のアミノ酸配列において1〜複数
個のアミノ酸、例えば各領域において20%以下、例え
ば10%以下のアミノ酸、例えば細胞質膜内領域におい
て6個以下、例えば3個以下のアミノ酸、細胞質膜外領
域において40個以下、例えば20個以下、例えば10
個以下のアミノ酸の、置換、欠失及び/又は付加によっ
て修飾されているAGPR誘導体も本発明に含まれる。
【0021】本発明のAGPR誘導体は膜貫通領域を含
有しないため可溶性であり、容易に回収、精製すること
ができ、且つAGPRの抗原決定基を維持しているので
抗AGPR抗体測定用試薬として極めて有用である。本
発明のAGPR誘導体は、糖鎖を有しないポリペプチド
の形でもよく、また糖鎖を有するポリペプチド又は糖蛋
白質の形でもよい。前者は細菌等の原核生物を用いる遺
伝子組換え製造により又は化学合成により得ることがで
き、後者は、動物細胞等の真核細胞を用いる遺伝子組換
え製造により製造することができる。
【0022】本発明のAGPR誘導体は、ポリペプチド
を製造するための常法に従って製造することができ、例
えば化学合成又は遺伝子組換法により製造することがで
きる。しかしながら、その分子量の大きさからして、遺
伝子組換法により製造するのが好ましい。特に、配列番
号:19又は20に示すアミノ酸配列の1部分から成る
AGPR誘導体は、ヒト由来のcDNAを用いて製造す
るのが好ましい。また、配列番号:19又は20に示す
アミノ酸配列に対して、1又は複数のアミノ酸配列の置
換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列
を有するAGPR誘導体は、常用の部位特定変異誘発
(site-specific mutagenesis)により製造することがで
きる。
【0023】AGPRをコードするcDNA断片はヒト
肝臓のPolyA RNAを鋳型に合成されたcDNAから
単離することが出来る。単離する方法としては、報告さ
れているアミノ酸配列から予想される塩基配列(文献:
Spiess et al. J.Biol.Chem.260 ; 1979-1982, 1985,
Spiess et al. Proc.Natl.Acad.Sci. 82 ; 6465-6469,
1985)を、または報告されている塩基配列の一部をプロ
ーブに用い、ヒト肝臓PolyA RNAを鋳型に合成され
たcDNAライブラリーを慣用の方法(Current protoc
ols in Molecular Biology: edited by Ausubel et a
l., Wiley science; Molecular Cloning:Sambrook et
al., Cold Spring Harbor)に従いスクリーニングする
ことによって得ることが可能である。
【0024】本発明に於てはH1の場合にはSpiess等に
よって報告されている(Spiess etal., J.Biol.Chem.,
260:1979-1982, 1985)塩基配列の一部を持つプライマ
ーを用い、ヒト肝臓PolyA RNAを鋳型に合成された
cDNAをポリメラーゼチェインリアクション(PC
R)により増幅させることにより目的とするcDNAを
得た。これらのcDNAをもとにAGPRポリペプチド
を遺伝子工学的手法により作成するための発現ベクター
を作成した。
【0025】ここで遺伝子工学的な手法とは、配列番号
1〜4に示されるアミノ酸配列またはその部分配列を有
するペプチドをコードするDNA断片を、化学的に合成
する過程、及びこれらの技術を組み合わせて得る工程を
含む。また上記ペプチドをコードするDNA断片を含む
複製可能な発現ベクターを構築する過程、前記発現ベク
ターを宿主細胞に導入し、ペプチドを発現する形質転換
体を得る過程、さらに前記形質転換体を培養し発現産物
を発現させる工程、及び発現したペプチドを回収する工
程を含む。
【0026】遺伝子工学的な手法に於て発現に用いる発
現ベクターとしては、実施例に示したもの以外にも、大
腸菌を宿主としては、大腸菌トリプトファンオペロン以
外にもTacプロモーター、Trcプロモーター、la
cプロモーター、PhoAプロモーター、λプロモータ
ー等を利用したベクターを用いることが可能である。ま
た大腸菌以外にも酵母を宿主とし、解糖系遺伝子、たと
えばグリセロアルデヒド−3−燐酸デヒドロゲナーゼ、
アルコールデヒドロゲナーゼI,II、ピルビン酸キナー
ゼ、ホスホグリセリンキナーゼ、トリオースりん酸イソ
メラーゼ等の酵母で慣用に用いられているプロモーター
を利用した発現ベクターを用いて発現させることも可能
である。
【0027】さらに動物細胞、例えば哺乳類細胞例えば
CHO細胞や、COS−1細胞、HeLa細胞等を宿主
とし、慣用に用いられる組み込み型発現ベクターやワク
チニアウィルスをベクターとした発現系、アデノウィル
スや慣用に用いられるウィルスをベクターとした発現系
を利用しても発現可能である。さらに遺伝子工学的手法
を用いる場合には、AGPRペプチドを他のペプチドと
の融合蛋白質として発現させることも慣用に用いられる
手段である。本発明においては、H1、L−H2ポリペ
プチドは大腸菌TrpE遺伝子産物の一部との融合蛋白
質として発現された。また発現、精製を効率よく行うた
めに、AGPRのH1およびL−H2それぞれの細胞ド
メインの配列からなるH1EMおよびL−H2EM、並
びにそれぞれの膜貫通領域を除き、細胞内ドメインと細
胞外ドメインを融合させたH1TM(−)およびL−H
2TM(−)ポリペプチドとして発現させた。
【0028】またヒト肝臓で発現されているAGPRと
同様の修飾を受けたものを発現させるために、哺乳類細
胞を宿主として発現系によりH1およびL−H2を同時
発現している組換えCHO細胞株、9801株を作成し
た。この株ではH1およびL−H2が糖鎖修飾を受けた
形で発現しており、N−ガラクトースアミンに結合する
ことから、糖のレセプター活性を保持したものとして発
現されていることが確認された。
【0029】本発明によって作成可能となった組換えA
GPR誘導体ペプチドまたは組換えAGPR誘導体を発
現している細胞を用いることにより、抗AGPR抗体を
検出できることは実施例によって明らかである。さらに
この抗体は自己免疫性肝炎患者にのみ高い抗体価で見い
だされることから、抗AGPR抗体を検出することによ
り自己免疫性肝炎を診断する方法は有効であることは明
らかである。一方これらの患者血清を用い、Treichel等
の報告にしたがったヒト肝臓より調整したAGPRを用
いた抗AGPR抗体測定法により検討した。その結果は
本発明で得た判別結果と一致し、本発明で作成したペプ
チドを用いた系によりAIH患者血清が判別できている
ことが裏付けられた。
【0030】また本発明により、患者血清中の抗AGP
R抗体はH1およびL−H2誘導体ポリペプチドの何れ
とも反応し、それがおもに細胞外ドメインに存在するエ
ピトープによるものであることが判明した。この結果は
患者血清中の抗AGPR抗体の検出には、おもに細胞外
ドメインを主たる成分とすることによって達成できるこ
とを意味している。
【0031】従って本発明は、さらに、前記のAGPR
誘導体の少なくとも1種を用いることを特徴とする抗A
GPR抗体の検出方法を提供する。この方法は、抗AG
PR抗体の存否又は存在量を知ろうとする被験試料、例
えばヒト等の血清、血漿等と、本発明のAGPR誘導体
の少なくとも1種とを接触せしめ、そして被験試料の抗
AGPR抗体と抗原としてのAGPR誘導体との抗原−
抗体反応が生じたか否か、又は抗原−抗体反応の量を測
定することを含んで成る。この抗原−抗体反応を用いる
測定方式は特に限定されず、任意の常用の免疫測定法を
用いることができる。
【0032】エンザイム・リンクド・イムノソルベント
・アッセイ(ELISA)、ウエスタンブロット法、間
接蛍光抗体法、ラジオイムノアッセイ(RIA)法等が
使用される。またこれらの測定法における標識として、
酵素、例えばパーオキシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、ジゴキシゲナーゼ、β−ガラクトシダーゼ等、放
射性同位元素、例えば 125I,35S, 3H,14C等;、
蛍光物質、例えばFITC、ローダミン、テキサスレッ
ド等が使用される。
【0033】本発明はまた、前記の抗AGPR抗体測定
法に用いるための試薬であって、前記のAGPR誘導体
並びにAGPR H1及びAGPR L−H2の少なく
とも1種を含んで成る試薬を提供する。この試薬におけ
るAGPR誘導体及びAGPRは、精製もしくは部分精
製されたものでもよく、又はこれらのポリペプチドもし
くは蛋白質を発現し担持している宿主細胞自体であって
もよい。この様な試薬の形態としてはAGPR誘導体又
はAGPRを緩衝液、例えばリン酸緩衝液、炭酸緩衝
液、トリス−塩酸緩衝液、HEPES緩衝液等に溶解し
たもの、これらの溶液をさらに凍結乾燥等によって乾燥
したもの、これらのポリペプチド又は蛋白質を、固体担
体、例えば、フィルター、ガラススライド、ビーズ等に
固定したもの、さらには、前記のごときポリペプチド又
は蛋白質を発現し、担持する細胞自体を、例えばフィル
ター、ガラススライド等の表面に固定したもの等が使用
される。
【0034】本発明はまた、少なくとも、上記のごとく
AGPR誘導体又はAGPRを含んで成る試薬及び標準
用抗AGPR抗体を含んで成る抗AGPR抗体測定用キ
ットに関する。この抗AGPR抗体はポリクローナル抗
体又はモノクローナル抗体のいずれであってもよい。こ
のキットはさらに、例えばELISA用キットにおいて
は、ヒト免疫グロブリンに対する非−ヒト由来の抗体で
あって、標識されているものを含む場合がある。
【0035】上記の測定方法、測定試薬又は測定キット
において、抗原としては本発明のAGPR誘導体及び組
換製造されたAGPRの少なくとも1種を用いればよい
が、測定方法によってはそれらの2種又はそれ以上、特
にAGPR H1又はその誘導体とAGPR L−H2
又はその誘導体との組合わせを用いるのが好ましい場合
がある。この様な場合にはAGPR H1又はその誘導
体とAGPR L−H2又はその誘導体とを共発現させ
た細胞を用いるのが好ましい。
【0036】さらに本発明によって製造可能となったA
GPR又はその誘導体を用いることにより、血液中のア
シアロ糖蛋白質の定量および定性分析が可能となる。さ
らにアシアロ糖蛋白質およびアシアロ化糖の精製が可能
となる。また本発明のペプチドを用いることにより、A
GPRを受容体とするアシアロ糖蛋白質の取り込みの阻
害剤の開発が可能となる。またAGPRを受容体とする
ウィルス、ウィルスと他のペプチドとの複合体の肝細胞
への侵入の阻害剤の開発が可能となる。以下実施例によ
り本発明をさらに詳細に説明する。
【0037】実施例1AGPR H1のcDNAのク
ローニング AGPRのI型(H1)の組み換え体を作成するために
必要な遺伝子は、ヒト肝臓の一本鎖cDNAよりPCR
にてクローニングした。ヒト肝臓の一本鎖cDNAは、
ヒト肝臓Poly(A)−RNA(CLONTECH)0.
5μgより、FIRST STRAND SYNTHESIS KIT (STRATAGEN
E) を用いて作成した。方法は以下の通りである。ヒト
肝臓Poly(A)−RNA 0.5μgを32μlのDE
PC水に溶解し、0.3μg分3μlのオリゴdTプラ
イマーを加えた。これを65℃で5分間加熱した後、室
温になるまで放置した。
【0038】これに5μlの10×緩衝液、5μlの
0.1M DTT、1μlのRNase Block
I、2μlの25mM dNTPsおよび1μlのMML
VRT(20U/μl)を加え、37℃で1時間インキ
ュベートした後、65℃で15分間加熱することによ
り、酵素を失活させてDNA合成反応を停止した。PC
R反応には、NickカラムによってオリゴdTプライ
マーを除去して使用した。PCRに用いたプライマーに
は、M.Spiessらによって決定されたAGPR H1の塩
基配列(Spiess, M. et al., J.Biol.Chem., 260:1979
-1982, 1985)に基づき合成した、以下に示す配列を持つ
ものを用いた。
【0039】プライマーF1:5′−CACTGAAGAACCTGGG
AATCAGAC−3′(配列番号:19の107−130塩基
に相当)(配列番号:1) プライマーF1.5:5′−AGCCCTATCATGACCAAGGAG −
3′(配列番号:19の164−184塩基に相当)
(配列番号:2) プライマーB2.5:5′−CAGGTCGAGGCATTGAAGA −
3′(配列番号:19の1073−1055塩基に相
当)(配列番号:3) プライマーB9:5′−TTTCAAGCTCCTCACCTTCGG −3′
(配列番号:19の1198−1178塩基に相当)
(配列番号:4)
【0040】ヒト肝臓一本鎖cDNA中の目的遺伝子の
存在量が少なかったため、PCR反応を2回行うことに
よってAGPR H1遺伝子をクローニングした。1回
目のPCR反応は以下の組成で行った。 10×緩衝液(Ampli Taq PCR kit) 10μl 2.5mM dATP 2μl 2.5mM dCTP 2μl 2.5mM dGTP 2μl 2.5mM dTTP 2μl 10pmol/μlプライマーF1 10μl 10pmol/μlプライマーB9 10μl ヒト肝臓一本鎖cDNA 5μl 滅菌水 56μl 10U/μl Taqポリメラーゼ 1μl
【0041】反応は、94℃30秒間、50℃1分間お
よび72℃2分間のサイクルを35回行った後、72℃
7分間さらにインキュベートし、次の操作までは4℃で
保存した。1回目のPCR反応液50μlを、1×TA
E緩衝液中にて1.2%アガロースゲル電気泳動し、約
1.1kbase の大きさのバンドを切り出した。これより
DNAをGENE CLEAN(BIO 101)にて
回収し、回収液10μlのうち1μlを使用して2回目
のPCR反応を行った。2回目のPCR反応は以下の組
成で行った。
【0042】 10×緩衝液 10μl 2.5mM dATP 2μl 2.5mM dCTP 2μl 2.5mM dGTP 2μl 2.5mM dTTP 2μl 10pmol/μlプライマーF1 10μl 10pmol/μlプライマーB9 10μl 1回目のPCRで得られた1.1kbのDNA断片 1μl 滅菌水 60μl 10U/μl Taqポリメラーゼ 1μl
【0043】反応は、1回目と同様に行った。反応液4
μlを2%アガロースゲル中で電気泳動を行うことによ
って分離し、約1.1kbase の位置にあるもっとも濃い
バンドを切り出し、GENE CLEANで回収した。
回収液10μl中3.5μlとpGEM−Tベクター
(Promega)1μlを、Ligation kit(宝酒造)のA液6
0μlとB液7.5μlを用いてライゲーションし、P
CRによって得られたDNA断片をpGEM−Tのマル
チクローニングサイトへクローニングした。ライゲーシ
ョン反応液4μlを大腸菌DH5αコンピテントセル1
00μlと混合し、42℃30秒間加温した後急速に氷
冷することによってDH5αを形質転換した。形質転換
したDH5αは100μg/mlのアンピシリンを含む
1.5%寒天LBプレートにまき、37℃で一晩培養し
た。
【0044】アンピシリンを含むLBプレートにコロニ
ーを形成したアンピシリン耐性の形質転換体を楊枝で拾
い、2×YT培地3mlにうえ、37℃で一晩振とう培養
し、形質転換体を回収してアルカリ法によりプラスミド
DNAを回収した。得られたプラスミドDNAを制限酵
素によって切断し、アガロースゲル電気泳動にて分離し
て、長さを確認することで、pGEM−Tに目的のAG
PR H1遺伝子がクローニングされたクローンを選択
した。
【0045】このクローンを持つ形質転換体をさらに1
00mlの2×YTにうえ、37℃で一晩培養し、形質転
換体を回収してアルカリ法によって多量のプラスミドD
NAを調製した。インサート部分は、蛍光シークエンサ
ー(ABI社)によって塩基配列を確認した。こうして
得られたクローンは、クローニングベクターpGEM−
Tのマルチクローニングサイトに、報告されているAG
PR H1のcDNAの107塩基から1198塩基に
相当する配列を持つものであり、pGEM−T−H1と
した。
【0046】また、一回目のPCR反応液1/100μ
lを使用して、上記とは別に2回目のPCR反応を行っ
た。反応液の組成は以下の通りである。 10×緩衝液 10μl 2.5mM dATP 2μl 2.5mM dCTP 2μl 2.5mM dGTP 2μl 2.5mM dTTP 2μl 10pmol/μlプライマーF1.5 10μl 10pmol/μlプライマーB2.5 10μl 1回目のPCR反応液の1/100希釈液 1μl 滅菌水 60μl 10U/μl Taqポリメラーゼ 1μl
【0047】反応は94℃30秒間、60℃1分間、7
2℃2分間のサイクルを20回繰り返した後、72℃7
分間反応した。反応液40μlを2%アガロースゲル電
気泳動にて分離し、約900塩基の大きさのバンドを切
り出した。ゲル切片よりGENE CLEANによって
DNAを回収し、回収したDNA溶液10μlのうち
3.5μlとpGEM−T 0.5μlを宝酒造のライ
ゲーションキットA液60μlおよびB液7.5μl中
でライゲーションした。上記の様にしてpGEM−Tへ
クローニングした報告されているAGPR H1のcD
NAの164塩基から1073塩基を持つ目的のものを
選択した。
【0048】得られたpGEM−T−H1(164−1
073)はインサートのPmaCI制限酵素認識部位と
インサートの3′末側のpGEM−Tのマルチクローニ
ングサイトにあるSalI認識部位を、pGEM−T−
H1のPmaCI/SalIと組み換えることによっ
て、報告されているAGPR H1のcDNAの164
塩基から1198塩基までの配列を持つクローンpGE
M−T−H1−2を作成した。
【0049】実施例2AGPR L−H2のcDNA
のクローニング AGPRのII型(L−H2)の組み換え体を作成するた
めに必要な遺伝子は、実施例1のH1と同様に、ヒト肝
臓の一本鎖cDNAよりPCRにてクローニングした。
PCRに用いたプライマーには、M.Spiessらによって決
定されたAGPR L−H2の塩基配列 (Spiess et a
l. Proc.Natl.Acad.Sci. 82;6465-6469, 1985,Paiett
a, E., et al. Hepatology 15:395-402, 1992)に基づ
き合成した。以下の配列のものを用いた。
【0050】プライマー1:5′−ATCATGGCCAAGGACTTT
CAA −3′(配列番号:20の188−208塩基に相
当)(配列番号:5) プライマー2:5′−ATGGGTTAGCCAGAGGTGTGCT−3′
(配列番号:20の1080−1059塩基に相当)
(配列番号:6) プライマー3:5′−ATGGTCTGCTTCAGTCTGCTTGCC−3′
(配列番号:20の299−322塩基に相当)(配列
番号:7) プライマー4:5′−CTGTCTCAGTGTTTCTTCCTTTCC−3′
(配列番号:20の1148−1125塩基に相当)
(配列番号:8) プライマー7:5′−CCCCAGTTCTCCTGGCTTTAAC−3′
(配列番号:20の34−55塩基に相当)(配列番
号:9) プライマー8:5′−GGCATCGTGATCTGCTTTCAGG−3′
(配列番号:20の553−532塩基に相当)(配列
番号:10)
【0051】ヒト肝臓一本鎖cDNA中の目的遺伝子の
存在量が少なかったため、PCR反応を2回行うことに
よってAGPR L−H2遺伝子をクローニングした。
PCR反応の条件、クローニングについては実施例1と
同様の方法で行った。プライマー1とプライマー2をP
CR反応に用いた際にクローニングした増幅された配列
はL−H2 cDNAの188−1080塩基に相当す
る。プライマー3とプライマー4をPCR反応に用いた
際にクローニングした増幅された配列はL−H2 cD
NAの299−1148塩基に相当する。プライマー7
とプライマー8をPCR反応に用いた際にクローニング
した増幅された配列はL−H2 cDNAの34−55
3塩基に相当する。いずれもpGEM−Tへ同方向にク
ローニングした。pGEM−Tへクローニングしたクロ
ーンはそれぞれ、pGEM−T−LH2−12,pGE
M−T−LH2−34およびpGEM−T−LH2−
5′とした。
【0052】pGEM−T−LH2−12(188−1
080)のXho I/Sph I(3′側マルチクロ
ーニングサイト)にpGEM−T−LH2−34(29
9−1148)のXho I/Sph I領域を組換え
て、pGEM−T−L−H2(188−1148)を作
製した。また、pGEM−T−L−H2のSpe I
(5′側マルチクローニングサイト)/EcoRVにp
GEM−T−LH2−5′(34−553)のSph
I/EcoRV領域を組換えて、pGEM−T−L−H
2Fを作製した。このクローンは報告されているL−H
2のcDNAの34塩基から1148塩基までを含む。
【0053】実施例3AGPR H1遺伝子組み換え
大腸菌によるAGPR H1蛋白質細胞膜外領域の発現 大腸菌でAGPR H1蛋白質の細胞膜外領域を発現さ
せるために、AGPRH1遺伝子の細胞膜外領域をクロ
ーニングし、発現ベクターpAT−TrpEに挿入し
た。AGPR H1遺伝子の細胞膜外領域のクローニン
グは、pGEM−T−H1を鋳型としたPCR反応を行
い、増幅されたDNAをpGEM−Tへクローニングす
る事によって行った。PCRのプライマーには以下のも
のを使用した。
【0054】プライマーAG1EcoF:5′−GAATTC
GGATCCCAAAACTCCCAG−3′(配列番号:19の350−
367)(配列番号:11) プライマーAG1SalR:5′−GTCGACTTAAAGGAGAGG
TGGCTC−3′(配列番号:19の1048−1031)
(配列番号:12) プライマーAG1EcoFおよびAG1SalRはそれ
ぞれEcoRI制限酵素認識部位およびSalI認識部
位を持ち、この2つのプライマーによって増幅されたH
1細胞膜外領域の遺伝子は5′末端にEcoRI認識部
位を、3′末端にSalI認識部位を持つ。PCR反応
は以下の組成で行った。
【0055】 10×緩衝液 10μl 2.5mM dATP 2μl 2.5mM dCTP 2μl 2.5mM dGTP 2μl 2.5mM dTTP 2μl 10pmol/μlプライマーAG1EcoF 10μl 10pmol/μlプライマーAG1SalR 10μl pGEM−T−H1 0.5μl 滅菌水 60.5μl 10U/μl Taqポリメラーゼ 1μl
【0056】反応は、94℃30秒間、45℃1分間お
よび72℃2分間を25サイクル行った後、72℃で7
分間さらに反応を行った。この反応によって得られた約
700bのバンドを切り出し、ライゲーション緩衝液
(宝酒造)によってライゲーション反応を行い、pGE
M−Tへクローニングした。このとき得られたプラスミ
ドをpGEM−T−H1EMとした。制限酵素とシーク
エンスを行うことによって塩基配列を確認した後、PC
Rプライマーによって作製したEcoRI/SalI制
限酵素認識部位で切断し、pAT−TrpEのEcoR
I/SalI部位へライゲーション反応を行うことによ
って挿入した。この発現ベクターをpAT−TrpE−
H1EMとし、制限酵素によって配列を確認した後、X
L−1 Blueコンピテントセルに導入して形質転換
体を得た。
【0057】AGPR H1蛋白質の細胞膜外領域はT
rpEのN末17アミノ酸のポリペプチドとの融合蛋白
質として発現させた。目的蛋白質の発現は次のように確
認した。100μg/mlのアンピシリンを添加したM9
−CA培地に、2%濃度でpAT−TrpE−H1EM
/XL−1 blueを植菌し、一晩37℃で震盪培養
した。一晩培養液より大腸菌を回収後、常法に従って、
SDS−PAGEを行い蛋白質を分離した後クマシー液
によって染色を行い、蛋白質を検出した。
【0058】その結果、XL−1 blueでは検出さ
れない蛋白質のバンドがpAT−TrpE−H1EM/
XL−1 blueでは検出されており、そのバンドの
濃さより、検出した大腸菌内の他の蛋白質と比較して多
量に発現している物であることが判った。この蛋白質の
SDS−PAGEでの分子量は約30Kであり、これは
計算上のTrpE−H1EM蛋白質の分子量28Kとお
およそ一致していた。そこで、SDS−PAGEによっ
て検出された主たるバンドはTrpE−AGPR H1
細胞膜外領域融合蛋白質であり目的の蛋白質であると判
断した。この蛋白質をH1EMとした。
【0059】H1EM蛋白質を多量に得るために、1L
スケールで培養を行った。pAT−TrpE−H1EM
/XL−1 blueのコロニーを2ml 2×YT/1
00μg/mlアンピシリンに植菌し、8時間37℃で震
盪培養した。これを30mlの2×YT/100μg/ml
アンピシリンに1/50の割合で植菌し、37℃で一晩
震盪培養を行った。 翌日、1LのM9−CA/100
μg/mlアンピシリンに1/50の割合で培養したpA
T−TrpE−H1EM/XL−1 blueを植菌
し、37℃で一晩震盪培養を行った。H1EM蛋白質の
発現を確認後、遠沈によって集菌し、得られた沈殿(大
腸菌)を−20℃で凍結保存した。
【0060】H1EM蛋白質を以降の実験に用いるため
に精製した。凍結保存状態の大腸菌1gにつき5mlの溶
解緩衝液(50mM Tris−HCl pH8.0/30
mMNaCl/5mM EDTA)に懸濁し、ライソザイム
1mgを加えて37℃で1時間震盪した。これを150
W、90秒の条件で2回ソニケーションして細胞を破砕
した。細胞の破砕は顕微鏡にて確認した。これを15
K、30分間4℃で遠心分離して得られた沈殿に緩衝液
A(50mM Tris−HCl pH8.0)を加えて懸
濁後、1500rpm 、5strokes の条件でホモジナイズ
した。
【0061】これを15K、15分間4℃で遠心分離し
て得られた沈殿を緩衝液Aで洗浄、再び遠心分離を行っ
た。得られた沈殿に2M尿素を含んだ緩衝液Aを加えて
懸濁し、15K、15分間4℃で遠心分離して上清と沈
殿を得た。沈殿に対して同様の操作を4M,6M尿素に
ついても行った。尿素抽出後、それぞれの操作で得られ
た抽出物についてSDS−PAGE電気泳動を行い、C
BB染色を行うことによって蛋白質を検出し、TrpE
−H1EM融合蛋白質の所在を明らかにした。目的の蛋
白質は夾雑物とともに4−6M尿素抽出液中に存在し
た。
【0062】4−6M尿素抽出液をQ Sepharose(Phar
macia)(16/10)にかけ、0.4ml/分の流速で1
5分間、0−0.3M NaClで溶出した。O.D.
280nmの吸収ピークを示した溶出画分をSephacryl S
−300(Pharmacia)(26/95)にかけ、2ml/分
の流速で緩衝液B(20mM Tris−HCl pH8.
0/6M尿素/0.1M NaCl/5mM DTT)で
溶出した。溶出画分を再びSephacryl S−300(Phar
macia)(26/95)にかけ、120−160分にO.
D.280nmの吸収を示す溶出画分が得られた。
【0063】SDS−PAGEで蛋白質を分離、確認し
たところ、多少の夾雑物は存在するがほぼ1バンドの蛋
白質が得られていた。目的蛋白質の存在する溶出画分
は、マニュアルに従って Sephadex G25 fine によっ
て緩衝液よりDTTを除去後、マニュアルに従って Cen
tricon−10(Amicon) によって濃縮し、マニュアルに
従ってPD−10カラム(Pharmacia) で緩衝液をPBS
(−)に置換した。このようにし精製H1EMペプチド
を得た。
【0064】実施例4AGPR H1遺伝子組み換え
大腸菌によるAGPR H1蛋白質細胞膜内及び細胞膜
外領域融合蛋白質の発現 大腸菌でAGPR H1蛋白質の細胞内及び細胞膜外領
域の融合蛋白質を発現させるために、AGPR H1遺
伝子の細胞膜内領域と細胞膜外領域をクローニングし、
これらを結合する形で発現ベクターpTac−TrpE
に挿入した。AGPR H1遺伝子の細胞膜外領域は、
実施例3でクローニングしたものを使用した。AGPR
H1遺伝子の細胞膜内領域のクローニングは、pGE
M−T−H1を鋳型としたPCR反応を行い、増幅され
たDNAをpGEM−Tへクローニングする事によって
行った。PCRのプライマーには以下のものを使用し
た。
【0065】プライマーH1XhoF:5′−CTCGAGAT
GACCAAGGAGTATCAAG −3′(配列番号:19の173−
191)(配列番号:13) プライマーH1EcoR:5′−GAATTCGAGGAGGCGAGGTC
CGGA−3′(配列番号:19の298−281)(配列
番号:14) プライマーH1XhoFおよびH1EcoRはそれぞれ
Xho I制限酵素認識部位およびEcoRI認識部位
を持ち、この2つのプライマーによって増幅されたH1
細胞膜外領域の遺伝子は5′末端にXho I認識部位
を、そして3′末端にEcoRI認識部位を持つ。PC
R反応は以下の組成で行った。
【0066】 10×緩衝液 10μl 2.5mM dATP 2μl 2.5mM dCTP 2μl 2.5mM dGTP 2μl 2.5mM dTTP 2μl 10pmol/μlプライマーH1XhoF 10μl 10pmol/μlプライマーH1EcoR 10μl pGEM−T−H1 0.5μl 滅菌水 60.5μl 10U/μl Taqポリメラーゼ 1μl
【0067】反応は、94℃30秒間、45℃1分間お
よび72℃1分間を10サイクル行った後、72℃で7
分間さらに反応を行った。この反応によって得られた約
127bのバンドを切り出し、ライゲーション緩衝液
(宝酒造)によってライゲーション反応を行い、pGE
M−Tへクローニングした。この際に得られたプラスミ
ドをpGEM−T−H1IMとした。制限酵素切断部位
の確認とシークエンスを行うことによって塩基配列を確
認した後、PCRプライマーによって作製したXho
I/EcoRI制限酵素認識部位で切断した。
【0068】このpGEM−T−H1IMのXho I
/EcoRI切断断片と、実施例3で得られたpGEM
−T−H1EMのEcoRI/Spe I切断断片を、
Tacプロモーターをもつ大腸菌発現ベクターpTac
−TrpEのXho I/Spe I部位へライゲーシ
ョン反応を行うことによって挿入した。この発現ベクタ
ーをpTac−H1TM(−)とし、制限酵素によって
配列を確認した後、XL−1 blueコンピテントセ
ルに導入して形質転換体を得た。
【0069】H1の細胞膜内および細胞膜外領域の融合
蛋白質はTrpEのN末17アミノ酸のポリペプチドと
の融合蛋白質として発現させた。目的蛋白質の発現は次
のように確認した。100μg/mlのアンピシリンを添
加したLB培地に、2%濃度でpTac−H1TM
(−)/XL−1 blueを植菌し、濁度計で40の
値が得られるまで37℃で震盪培養した。最終濃度0.
4mMのIPTGを培養液に添加後、さらに6時間培養を
行い、大腸菌を回収した。大腸菌を回収後、常法に従っ
て、SDS−PAGEを行い蛋白質を分離した後クマシ
ー液によって染色を行い、蛋白質を検出した。
【0070】その結果、XL−1 blueでは検出さ
れない蛋白質のバンドがpTac−H1TM(−)/X
L−1 blueでは検出されており、そのバンドの濃
さより、検出した大腸菌内の他の蛋白質と比較して多量
に発現している物であることが判った。この蛋白質のS
DS−PAGEでの分子量は約35Kであり、これは計
算上のTrpE−H1TM(−)の蛋白質の分子量34
Kとおおよそ一致していた。そこで、SDS−PAGE
によって検出された主たるバンドはTrpE−H1細胞
膜内及び細胞膜外領域融合蛋白質であり目的の蛋白質で
あると判断した。この蛋白質をH1TM(−)とした。
【0071】H1TM(−)蛋白質を多量に得るため
に、2Lスケールで培養を行った。pTac−H1TM
(−)/XL−1 blueのコロニーを30mlのLB
/100μg/mlアンピシリンに植菌し、37℃で一晩
震盪培養を行った。翌日、2LのLB/100μg/ml
アンピシリンに1/100の割合で培養したpTac−
H1TM(−)/XL−1 blueを植菌し、37℃
で2時間震盪培養した後、最終濃度0.4mMのIPTG
を加えてさらに一晩培養を行った。H1TM(−)蛋白
質の発現を確認後、遠沈によって集菌し、得られた沈殿
(大腸菌)を−20℃で凍結保存した。
【0072】H1TM(−)蛋白質を以降の実験に用い
るために精製した。尿素抽出は実施例3と同様に行っ
た。緩衝液Aには1gの大腸菌につき5mlの1% NP
−40を加えた。目的の蛋白質は夾雑物とともに6M尿
素抽出液中に存在した。6M尿素抽出液に最終濃度50
mMのDTTを加え、4℃で1時間以上放置した。これ
を、平衡化したQ− Sepharose(Pharmacia)(16/1
0)にかけ、2ml/分の流速で緩衝液C(50mM Bi
s−Tris/6M尿素/5mM DTT/pH7.0with
HCl)で0−0.3M NaClで溶出した。
【0073】0.15−0.2M NaClの溶出画分
がO.D.280nmの吸収ピークを示した。SDS−P
AGEで蛋白質を分離、確認したところ、多少の夾雑物
は存在するがほぼ1バンドの蛋白質が検出された。目的
蛋白質の存在する溶出画分は、マニュアルに従って Ami
con YM10で濃縮し、DTTを除いた緩衝液CでDT
Tを低濃度化した。このようにしH1TM(−)ペプチ
ドを得た。
【0074】実施例5AGPR L−H2遺伝子組み
換え大腸菌によるAGPR L−H2蛋白質細胞膜外領
域の発現 L−H2についても同様に、大腸菌でL−H2蛋白質の
細胞膜外領域を発現させるために、AGPR L−H2
遺伝子の細胞膜外領域をクローニングし、発現ベクター
pAT−TrpEに挿入した。AGPR L−H2遺伝
子の細胞膜外領域のクローニングは、pGEM−T−L
−H2を鋳型としたPCR反応を行い、H1細胞膜外領
域のクローニングと同様に行った。PCRのプライマー
には以下のものを使用した。
【0075】プライマーAGEcoF:5′−GAATTCGG
GTCCCAAAGTGCACAG−3′(配列番号:20の365−3
82)(配列番号:15) プライマーAGEcoR:5′−GGATCCTTATCAGGCCACCT
CGCCGGT −3′(配列番号:20の1054−103
7)(配列番号:16) プライマーAGEcoFおよびAGEcoRはそれぞれ
EcoRI制限酵素認識部位およびBamHI認識部位
を持ち、この2つのプライマーによって増幅されたL−
H2細胞膜外領域の遺伝子は5′末端にEcoRI認識
部位を、そして3′末端にBamHI認識部位を持つ。
PCR反応はH1と同様に行った。
【0076】PCR反応後の操作もH1と同様に行い、
pGEM−TベクターにPCR産物を挿入したプラスミ
ドをpGEM−T−L−H2EMとした。pAT−Tr
pEのEcoRI/BamHIにL−H2の細胞膜外領
域の遺伝子を挿入して、発現ベクターpAT−TrpE
−L−H2EMとした。XL−1 blueコンピテン
トセルに導入して形質転換した。TrpEのN末17ア
ミノ酸のポリペプチドとL−H2の細胞膜外領域の融合
蛋白質の発現はTrpE−H1EM融合蛋白質の発現の
際と同様に確認した。
【0077】その結果、XL−1 blueでは検出さ
れない蛋白質のバンドがpAT−TrpE−L−H2E
M/XL−1 blueでは検出されており、そのバン
ドの濃さより、検出した大腸菌内の他の蛋白質と比較し
て多量に発現している物であることが判った。この蛋白
質のSDS−PAGEでの分子量は約30Kであり、こ
れは計算上のTrpE−L−H2EM蛋白質の分子量2
8Kとおおよそ一致していた。そこで、SDS−PAG
Eによって検出された主たるバンドはTrpE−L−H
2細胞膜外領域融合蛋白質であり目的の蛋白質であると
判断した。この蛋白質をL−H2EMとした。
【0078】L−H2EM蛋白質を多量に得るために、
1Lスケールで培養を行った。pAT−TrpE−L−
H2EM/XL−1 blueのコロニーを2ml 2×
YT/100μg/mlアンピシリンに植菌し、8時間3
7℃で震盪培養した。これを30mlの2×YT/100
μg/mlアンピシリンに1/50の割合で植菌し、37
℃で一晩震盪培養を行った。 翌日、1LのM9−CA
/100μg/mlアンピシリンに1/50の割合で培養
したpAT−TrpE−L−H2EM/XL−1 bl
ueを植菌し、37℃で一晩震盪培養を行った。L−H
2EM蛋白質の発現を確認後、遠沈によって集菌し、そ
して得られた沈殿(大腸菌)を−20℃で凍結保存し
た。
【0079】L−H2EM蛋白質を以降の実験に用いる
ために精製した。尿素抽出は実施例3と同様に行った。
目的の蛋白質は夾雑物とともに4−6M尿素抽出液中に
存在した。4−6M尿素抽出液をQ Sepharose(Pharma
cia)(16/10)にかけ、0.4ml/分の流速で15
分間、0−0.3M NaClで溶出した。O.D.2
80nmの吸収ピークを示した溶出画分をSephacryl S−
300(Pharmacia)(26/95)にかけ、2ml/分の
流速で緩衝液Bで溶出した。溶出画分を Superdex 75
pg(26/60)にかけ、2ml/分の流速で緩衝液D
(20mM Tris−HCl pH8.0/6M Ure
a/0.1M NaCl/5mM DTT)で溶出した。
【0080】目的の蛋白質は、55−65分の画分に溶
出された。得られた溶出画分についてSDS−PAGE
で蛋白質を分離、確認したところ、多少の夾雑物は存在
するがほぼ1バンドの蛋白質が得られていた。目的蛋白
質の存在する溶出画分は、 Sephadex G25 fine によ
って緩衝液よりDTTを除去後、 Centricon−10(Am
icon) によって濃縮し、マニュアルに従ってPD−10
カラム(Pharmacia) で緩衝液をPBS(−)に置換し
た。このようにしL−H2EMペプチドを得た。
【0081】実施例6AGPR L−H2遺伝子組み
換え大腸菌によるAGPR L−H2蛋白質細胞膜内及
び細胞膜外領域融合蛋白質の発現 L−H2についても同様に、大腸菌でL−H2蛋白質の
細胞膜内及び細胞膜外領域を結合させた蛋白質を発現さ
せるために、AGPR L−H2遺伝子の細胞膜内及び
細胞膜外領域をクローニングし、発現ベクターpTac
−TrpEに挿入した。
【0082】AGPR L−H2遺伝子の細胞膜内領域
のクローニングは、pGEM−T−L−H2を鋳型とし
たPCR反応を行い、H1細胞膜内領域のクローニング
と同様に行った。PCRのプライマーには以下のものを
使用した。 プライマーL−H2XhoF:5′−CTCGAGATGGCCAAGG
ACTTTCAA−3′(配列番号:20の191−208)
(配列番号:17) プライマーL−H2EcoR:5′−GAATTCACTGAAGCAG
ACCATGGAG −3′(配列番号:20の313−295)
(配列番号:18)
【0083】プライマーL−H2XhoFおよびL−H
2EcoRはそれぞれXho I制限酵素認識部位およ
びEcoRI認識部位を持ち、この2つをプライマーに
よって増幅されたL−H2細胞膜外領域の遺伝子は5′
末端にXho I認識部位を、そして3′末端にEco
RI認識部位を持つ。PCR反応はH1と同様に行っ
た。
【0084】PCR反応後の操作もH1と同様に行い、
pGEM−TベクターにPCRで得られた断片を挿入し
たプラスミドをpGEM−T−L−H2TM(−)とし
た。pGEM−T−L−H2TM(−)よりXho I
/EcoRI制限酵素によって切断された断片と、pG
EM−T−L−H2EMによりEcoRI/BamHI
制限酵素によって切断された断片とpTac−TrpE
のXho I/BamHI部位に挿入して、大腸菌発現
ベクターpTac−L−H2TM(−)とした。これを
XL−1 blueコンピテントセルに導入して形質転
換体を得た。TrpEのN末17アミノ酸のポリペプチ
ドとL−H2の細胞膜内と細胞膜外領域の融合蛋白質の
発現はTrpE−LH1TM(−)融合蛋白質の発現の
際と同様に確認した。
【0085】その結果、XL−1 blueでは検出さ
れない蛋白質のバンドがpTac−L−H2TM(−)
/XL−1 blueでは検出されており、そのバンド
の濃さより、検出した大腸菌内の他の蛋白質と比較して
多量に発現している物であることが判った。この蛋白質
のSDS−PAGEでの分子量は約35Kであり、これ
は計算上のTrpE−L−H2TM(−)蛋白質の分子
量33Kとおおよそ一致していた。そこで、SDS−P
AGEによって検出された主たるバンドはTrpE−L
−H2細胞膜内及び細胞膜外領域融合蛋白質であり目的
の蛋白質であると判断した。この蛋白質をL−H2TM
(−)とした。
【0086】L−H2TM(−)蛋白質を多量に得るた
めに、2Lスケールで培養を行った。pTac−L−H
2TM(−)/XL−1 blueのコロニーを30ml
の2×YT/100μg/mlアンピシリンに植菌し、3
7℃で一晩震盪培養を行った。翌日、2LのLB/10
0μg/mlアンピシリンに1/100の割合で培養した
pTac−L−H2TM(−)/XL−1 blueを
植菌し、37℃で2時間震盪培養した後、最終濃度0.
4mMのIPTGを加えてさらに6時間培養を行った。L
−H2TM(−)蛋白質の発現を確認後、遠沈によって
集菌し、得られた沈殿(大腸菌)を−20℃で凍結保存
した。
【0087】L−H2TM(−)蛋白質を以降の実験に
用いるために精製した。尿素抽出は実施例3と同様に行
った。緩衝液Aには1gの大腸菌につき5mlの1% N
P−40を加えた。目的の蛋白質は夾雑物とともに4−
6M尿素抽出液中に存在した。6M尿素抽出液に最終濃
度50mMのDTTを加え、4℃で1時間以上放置した。
これを、平衡化したMonoQ(Pharmacia)(5/5)にか
け、1ml/分の流速で緩衝液E(50mM Tris−H
Cl pH8.0/6M尿素/5mM DTT)で0−0.
3M NaClで溶出した。
【0088】約0.1M NaClの溶出画分がO.
D.280nmの吸収ピークを示した。SDS−PAGE
で蛋白質を分離、確認したところ、多少の夾雑物は存在
するがほぼ1バンドの蛋白質が得られていた。目的蛋白
質の存在する溶出画分は、緩衝液F(50mM Tris
pH8.0/6M尿素/0.15M NaCl)中で透
析を行い、DTTを除去した。このようにしL−H2T
M(−)ペプチドを得た。
【0089】実施例7抗AGPR H1抗体及び抗A
GPR L−H2抗体の作製 上記実施例3及び5において作製した組換えAGPR蛋
白質H1EM及びL−H2EMの精製品を用いて、抗A
GPR H1抗体及び抗AGPR L−H2抗体を作製
した。免疫にはウサギ(ニュージーランドホワイト種)
およびマウスを用い、アジュバントにFreuntの完全アジ
ュバント(FCA)を用いて、常法に従って免疫を行っ
た。抗体価の測定はELISAで、反応の特異性の確認
はウエスタンブロット法で行った。
【0090】ELISAは以下のような方法で行った。
H1EM精製蛋白質またはL−H2EM精製蛋白質を1
μg/mlで室温で2時間、プレート(Nunc)にコー
トした。血清を適当に希釈後、室温で1時間インキュベ
ートした。2次抗体にパーオキシダーゼ結合抗−ラビッ
トIgGを1000倍希釈で用い、室温で1時間インキ
ュベートした。発色は、OPD1錠(和光純薬)を35
mlのリン酸クエン酸緩衝液に溶解、6μlの過酸化水素
水と混合したもので室温で15分間インキュベートした
ことで行い、10%硫酸を等量加えることによって反応
を停止した。検出は、マイクロプレートリーダー(東
リ)でOD492nmを測定することで行った。
【0091】ウエスタンブロット法は以下のような方法
で行った。H1EMまたはL−H2EMを発現している
XL−1 blue、または野生株のXL−1 blu
eをサンプルとして常法に従ってSDS−PAGEを行
った。これを、常法に従ってPVDF膜(ミリポア)に
転写した。1次抗体にそれぞれの抗血清を10,000
倍希釈して、2次抗体にアルカリホスファターゼ結合抗
−ラビットIgGを1,000倍希釈して用い、常法に
従ってウエスタンブロットを行った。
【0092】その結果、ELISA及びウエスタンブロ
ット法でAGPR蛋白質を検出できる抗血清を得ること
ができた。ELISAでは抗H1抗血清はH1EM抗原
に対し105 の抗体価を示した。また、抗L−H2抗血
清はL−H2EM抗原に対して105 の抗体価を示し
た。ウエスタンブロットでは抗H1抗血清はAGPRH
1蛋白質に強い反応を示し、抗L−H2抗血清はAGP
R L−H2蛋白質に強い反応を示しており、反応が交
差しているものの、それぞれに特異的な抗血清が得られ
ていることがわかった。
【0093】実施例8〜12により得られた動物培養細
胞で発現したAGPR蛋白質と実施例7で得られたウサ
ギ抗血清との反応についても検討を行った。その結果、
動物培養細胞で発現したAGPR蛋白質のウエスタンブ
ロットについては1,000倍で、間接蛍光抗体法につ
いては50倍で用いても、それぞれのサブタイプに対す
る抗体は、異なるサブタイプの抗原に対して反応が交差
しないことが示された。
【0094】実施例8樹立された哺乳動物細胞である
COS−1細胞でのAGPR H1蛋白質の発現 樹立された哺乳動物細胞であるCOS−1細胞に、AG
PR H1遺伝子を挿入した発現ベクターをトランスフ
ェクションする事によって、COS−1細胞でAGPR
H1蛋白質を発現した。以下にCOS−1細胞でのA
GPR H1蛋白質の発現法について示す。
【0095】COS−1細胞での発現のためのベクター
にはPaSRプラスミドを用いた。5μgのPaSR
DNAをXhoI 25UおよびBamHI 25Uで
切断し、常法に従って、Klenow断片5Uで処理
し、末端を平滑化した。さらに、常法に従って、BAP
10Uで処理し、末端を脱リン酸化した。発現ベクタ
ーに挿入するためのAGPR H1遺伝子は、pGEM
−T−H1よりSacI/SacIIで切り出したH1
(107−1198塩基)及び、pGEM−T−H1−
2よりSacI/SacIIで切り出したH1−2(16
4−1198塩基)の2つを用いた。いずれも、プラス
ミド10μgをSacI 50UおよびSacII 50
Uで切断することによって発現単位を切り出し、ブラン
チングキット(宝酒造)を使用して添付のプロトコール
に従って、末端を平滑化した。
【0096】上記で用意したベクター並びにH1および
H1−2断片を、ライゲーションキット(宝酒造)を使
用して添付のプロトコールに従ってライゲーションし
た。反応液を、常法に従ってコンピテントセルに導入し
て形質転換し、いくつかのアンピシリン耐性コロニーを
得た。これより、常法に従ってプラスミドを抽出し、制
限酵素で切断して確認することによって、目的の発現ベ
クターPaSR−H1及びPaSR−H1−2を得た。
【0097】COS−1細胞への発現ベクターの導入
は、エレクトロポレーションによるトランスフェクショ
ンで行った。一晩培養した増殖期のCOS−1細胞をP
BS(−)に懸濁して、2.5×106 cells /mlの濃
度とした。細胞懸濁液0.6mlをエレクトロポレーショ
ン用キュベット(Bio-Rad) にいれ、発現ベクター15μ
gと混合し、氷中で30分間放置した。その後、125
μF、125Vでエレクトロポレーションを行なった。
細胞は氷中に10分間放置した後、DMEM 10%
FBSの入った100mmφ組織培養用シャーレにまい
た。24時間培養後に培地を交換し、エレクトロポレー
ション後48時間で細胞を回収した。
【0098】発現した蛋白質は、ウエスタンブロット法
を用いて検出した。回収した細胞を常法に従ってSDS
−サンプルバッファーにて懸濁し、1レーンあたり1×
10 5 細胞の量をSDS−PAGEにて分離した。常法
に従って、PVDF膜に蛋白質を転写後、実施例6にて
得られた抗H1血清を1,000倍希釈で用いて、常法
に従ってウエスタンブロットを行った。検出はECLウ
エスタンブロッティングビオチンシステム(Amersham)
を用いて行った。
【0099】その結果、分子量46K弱の位置に、CO
S−1細胞では検出されないが、トランスフェクション
を行なったCOS−1細胞では検出される蛋白質のバン
ドがみられた。また、AGPR H1蛋白質の計算上の
分子量は38Kであるが、糖鎖が結合した際のSDS−
PAGEでの分子量は約46Kであることが報告されて
いる。そこで、このウエスタンで検出されたバンドを、
糖鎖修飾されたAGPR H1蛋白質であると判断し
た。以上のような方法で、AGPR H1蛋白質をCO
S−1細胞で発現し、COS−1細胞で発現したAGP
R H1蛋白質を得た。
【0100】実施例9樹立された哺乳動物細胞である
COS−1細胞でのAGPR L−H2蛋白質の発現 樹立された哺乳動物細胞であるCOS−1細胞に、AG
PR L−H2遺伝子を挿入した発現ベクターをトラン
スフェクションする事によって、COS−1細胞でAG
PR L−H2蛋白質を発現した。COS−1細胞での
AGPR L−H2蛋白質の発現は、実施例8と同様の
方法で行った。
【0101】発現ベクターに挿入するためのAGPR
L−H2遺伝子は、pGEM−T−L−H2よりSpe
I/Sph Iで切り出したL−H2(188−11
48塩基)及び、pGEM−T−L−H2FよりSpe
I/Sfi Iで切り出したL−H2F(34−11
48塩基)の2つを用いた。いずれも、プラスミド10
μgをSpeI 50U、SphI 50UまたはSf
iI 50Uで切断することによって発現単位を切り出
し、ブランチングキット(宝酒造)を使用して添付のプ
ロトコールに従って、末端を平滑化した。
【0102】これらの断片を、実施例8と同様の方法と
同様にライゲーション、大腸菌に形質転換し、いくつか
のアンピシリン耐性コロニーを得た。これより、常法に
従ってプラスミドを抽出し、制限酵素で切断して確認す
ることによって、目的の発現ベクターPaSR−L−H
2及び、PaSR−L−H2Fを得た。COS−1細胞
への発現ベクターの導入は、リポフェクチン(GIBC
O BRL)によるトランスフェクションで行った。5
×105 細胞のCOS−1細胞を100mmφの組織培養
ディッシュにまき、一晩培養した。これに、DNA 2
μgをリポフェクチンのマニュアルに従って調製したも
のをマニュアルに従って混合し、さらに一晩培養した。
その後、培地に10%FBSを加えて48時間後に細胞
を回収した。
【0103】発現した蛋白質は、実施例8のCOS−1
発現H1蛋白質と同様に、ウエスタンブロット法を用い
て検出した。1次抗体には抗L−H2抗血清を1,00
0倍希釈して用いた。その結果、PaSR−L−H2,
PaSR−L−H2FとともにPaSR−H1をトラン
スフェクションしたものについて、分子量46K弱の位
置に、COS−1細胞では検出されないが、トランスフ
ェクションを行なったCOS−1細胞では検出される蛋
白質のバンドがみられた。また、AGPR L−H2蛋
白質の計算上の分子量は38Kであるが、糖鎖が結合し
た際のSDS−PAGEでの分子量は約46Kであるこ
とが報告されている。そこで、このウエスタンで検出さ
れたバンドを、糖鎖修飾されたAGPR L−H2蛋白
質であると判断した。以上のような方法で、AGPR
L−H2蛋白質をCOS−1細胞で発現し、COS−1
細胞で発現したAGPR L−H2蛋白質を得た。
【0104】実施例10樹立された細胞株であるCH
O−K1細胞でのAGPR H1蛋白質の発現 樹立された動物培養細胞株であるCHO−K1細胞にA
GPR H1遺伝子を導入することによってAGPR
H1蛋白質を発現した。以下に、CHO−K1細胞でA
GPR H1蛋白質を発現させた方法について記す。
【0105】CHO−K1細胞にAGPR H1遺伝子
を導入するための発現ベクターは、マルコス法(斉藤ら
実験医学vol.7 p.183−)によって構築した。
実施例8で得た発現ベクターPaSR−H1 30μg
を制限酵素SfiI 200Uで切断し、得られたDN
A断片をDNA CELL(第一化学)で回収した。ア
ンピシリン耐性、ハイグロマイシンB耐性遺伝子を持つ
ベクターであるpCHD2Lについても1.5μgをS
fiI 20Uで切断し、フェノール/クロロホルム抽
出し、エタノール沈殿後、TE(pH7.5)に溶解し
た。
【0106】Sfi I制限酵素消化したpCHD2L
50ngとPaSR−H1 SfiI断片1μgを6μ
lの100mM Tris−HCl pH7.6/5mM M
gCl2 /300mM NaClに溶解し、等量のライゲ
ーション溶液B(宝酒造)と混合し、15℃で一晩ライ
ゲーションを行った。この方法によって約48Kのマル
コスDNAが得られた。pCHD2Lに存在するKpn
Iによる制限酵素消化、Sfi Iによる制限酵素消
化とPaSR−H1のSfi I断片にあるSpe I
による制限酵素消化によって、得られたマルコスDNA
は、1つのpCHD2Lベクターに対し、PaSR−H
1のSfi I断片が同一方向に複数個(約20個)挿
入されたものであることを確認した。
【0107】得られたマルコスDNAクローンのうち、
最も分子量の大きいものを選択し、Quagen tip−500
(Quagen)にて調製したプラスミド30μgをMammalia
n Transfection kit (STRATEGENE) を用いたリン酸カル
シウム法によって5×105細胞のCHO−K1細胞に
導入した。トランスフェクション後48時間目に5×1
5 細胞/100mmφ組織培養用ディッシュにまきなお
し、ハイグロマイシンBを600または800μg/ml
添加することによって、外来遺伝子をゲノムに取り込み
ハイグロマイシンB耐性を示すようになったCHO−K
1株の選択を始めた。この選択はその後約2週間行っ
た。ハイグロマイシンB耐性を示すCHO−K1細胞の
コロニーをいくつかクローニングし、実施例8で示した
ウエスタンブロット法によってAGPR H1蛋白質の
発現を確認した。
【0108】AGPR H1蛋白質の発現が確認された
クローンについては間接蛍光抗体法による確認も行っ
た。間接蛍光抗体法は、以下のように行った。1×10
4 個の細胞をチャンバースライド上で3日間培養し、P
BS(−)で洗浄後、アセトン:メタノール=1:1で
固定後、風乾した。PBS(−)で100倍希釈した抗
H1血清と固定した細胞を30分間37℃でインキュベ
ートし、PBS(−)で洗浄後、抗ウサギIgs−フル
オレッセインと30分間37℃でインキュベートし、P
BS(−)で再び洗浄した。蛍光は蛍光顕微鏡で観察し
た。
【0109】その結果、AGPR H1蛋白質の発現が
ウエスタンブロットで確認され、全細胞をほぼ100%
でのAGPR H1蛋白質の発現が間接蛍光抗体法によ
って確認されたクローンを得ることができた。AGPR
H1蛋白質は細胞表面及び細胞質内に検出された。
【0110】実施例11樹立された細胞株であるCH
O−K1細胞でのAGPR L−H2蛋白質の発現 樹立された動物培養細胞株であるCHO−K1細胞にA
GPR L−H2遺伝子を導入することによってAGP
R L−H2蛋白質を発現した。以下に、CHO−K1
細胞でAGPR L−H2蛋白質を発現させた方法につ
いて記す。CHO−K1細胞にAGPR L−H2遺伝
子を導入するための発現ベクターは、実施例10に記し
たAGPR H1と同様にマルコス法によって構築し
た。
【0111】発現単位となるL−H2遺伝子は実施例9
で得た発現ベクターPaSR−L−H2 30μgを制
限酵素SfiI 200Uで切断し、得られたDNA断
片をDNA CELL(第一化学)で回収して使用し
た。実施例10と同様に、この方法によって約48Kの
マルコスDNAが得られた。得られたマルコスDNAに
対してpCHD2Lに存在し発現単位には存在しないK
pn I、発現単位の両端に位置するSfi I、及び
発現単位にあるSac Iで消化し、制限酵素による確
認を行った。得られたマルコスDNAは、1つのpCH
D2Lベクターに対し、PaSR−L−H2のSfi
I断片が同一方向に複数個(約20個)挿入されたもの
であることを確認した。
【0112】CHO−K1細胞へのマルコスDNAのト
ランスフェクション、DNAが導入された細胞の選択、
クローニング、AGPR L−H2蛋白質の発現の確認
についても実施例10と同様に行った。その結果、AG
PR L−H2蛋白質の発現がウエスタンブロットで確
認され、全細胞のほぼ100%でのAGPR L−H2
蛋白質の発現が間接蛍光抗体法によって確認されたクロ
ーンを得ることができた。AGPR L−H2蛋白質は
細胞表面及び細胞質内に検出された。
【0113】実施例12樹立された細胞株であるCH
O−K1細胞でのAGPR H1蛋白質とAGPR L
−H2蛋白質の共発現 樹立された動物培養細胞株であるCHO−K1細胞にA
GPR H1遺伝子及びAGPR L−H2遺伝子を導
入することによってAGPR H1蛋白質とAGPR
L−H2蛋白質を共発現した。以下に、CHO−K1細
胞でAGPRH1蛋白質とAGPR L−H2蛋白質を
共発現させた方法について記す。
【0114】CHO−K1細胞にAGPR H1遺伝子
及びAGPR L−H2遺伝子を導入するための発現ベ
クターは、実施例10に記したAGPR H1と同様に
マルコス法によって構築した。発現単位となるH1遺伝
子及びL−H2遺伝子には実施例10および実施例11
と同様に、PaSR−H1及びPaSR−L−H2をS
fi Iで消化して得られたDNA断片をDNA CE
LL(第一化学)で回収して使用した。ライゲーション
にはH1およびL−H2のSfi I断片を等量用い
た。この方法によって約48KのマルコスDNAが得ら
れた。
【0115】制限酵素による確認も実施例10および実
施例11と同様に行い、Sfi IでPaSR−H1及
びPaSR−L−H2のSfi Iに相当する分子量の
断片が検出され、H1及びL−H2の遺伝子に特異的な
制限酵素切断部位でそれぞれDNA断片が得られた。ま
た、得られたマルコスDNAを鋳型とし、AGPRH1
遺伝子に特異的なプライマーF1/B9及びAGPR
L−H2遺伝子に特異的なプライマー7/4を用いて9
4℃1分間、55℃1分間、72℃1分間、25サイク
ルの条件でPCRを行ったところ、それぞれより、H1
またはL−H2遺伝子の目的領域に相当する約1.1K
の増幅断片が検出された。
【0116】得られたマルコスDNAは、1つのpCH
D2Lベクターに対し、発現単位であるPaSR−H1
のSfi I断片とPaSR−L−H2のSfi I断
片が複数個(約20個)挿入されたものであることが確
認された。CHO−K1細胞へのマルコスDNAのトラ
ンスフェクション、DNAが導入された細胞の選択、ク
ローニング、AGPR H1及びAGPR L−H2蛋
白質の発現の確認についても実施例10と同様に行っ
た。
【0117】その結果、AGPR H1及びAGPR
L−H2蛋白質の共発現がウエスタンブロットで確認さ
れ、全細胞のほぼ100%でのAGPR H1及びAG
PRL−H2蛋白質の共発現が間接蛍光抗体法によって
確認されたクローンを得ることができた。AGPR H
1及びAGPR L−H2蛋白質は共に細胞表面及び細
胞質内に検出された。
【0118】実施例13自己免疫性肝炎(AIH)患
者血清中の抗AGPR抗体の検出 実施例10,11および12で得られたAGPR蛋白質
を発現するCHO−K1細胞を用いて、間接蛍光抗体法
によって、自己免疫性肝炎患者血清中の抗AGPR抗体
の検出を行った。方法は以下の通りである。
【0119】間接蛍光抗体法は、以下のように行った。
1×104 個の細胞を8ウェルのガラスチャンバースラ
イド上で3日間培養し、PBS(−)で洗浄後、アセト
ン:メタノール=1:1で固定後、風乾した。1次抗体
として、AIH患者血清及びコントロール血清をPBS
(−)で100倍希釈して用い、37℃で30分間イン
キュベートした。PBS(−)で洗浄後、2次抗体に抗
ヒトIgG−フルオレッセインを用い、37℃で30分
間インキュベートした。PBS(−)で洗浄後、風乾
し、グリセロール封入して蛍光顕微鏡で細胞を観察し
た。
【0120】1次抗体として用いたAIH患者血清4検
体中、1検体で、AGPR H1及びAGPR L−H
2蛋白質を共発現しているCHO−K1細胞の細胞質に
強い蛍光が認められた。AGPR H1単独またはAG
PR L−H2蛋白質単独を発現しているCHO−K1
細胞の細胞質ではわずかに蛍光が認められた。野生株で
あるCHO−K1細胞の細胞質ではこの蛍光は認められ
なかった。AIH患者血清4検体いずれも、どの細胞と
も核に蛍光が認められた。しかし、3検体については細
胞質での蛍光はどの細胞でも認められなかった。コント
ロール血清4検体ではいずれの細胞でも、細胞質、核共
に蛍光は認められなかった。
【0121】実施例14ELISAによる各患者血清
中の抗AGPR抗体の測定 ヒト血清検体の内訳は、自己免疫性肝炎(AIH):3
8例、原発性胆汁性肝硬変(PBC):30例、副腎白
質ジストロフィー(ALD):10例、全身性エリテマ
トーデス(SLE):2例、慢性B型肝炎(CH−
B):16例、健常人:19例である。これらの血清中
の抗AGPR抗体の測定をELISAにより行った。方
法は以下の通りである。
【0122】組換えAGPR蛋白質であるH1TM
(−)、及びL−H2TM(−)をPBS(−)で希釈
して1μg/100μl/wellとなるように分注し、室
温で2時間放置することによって、ELISA用イムノ
モジュールプレート(Nunc, Maxisorp) にコートした。
抗原を洗浄除去後、ブロッキング緩衝液として0.5%
カゼイン/PBS(−)を300μl/wellずつ分注
し、4℃で一晩放置した。ブロッキング緩衝液除去後、
ヒト血清検体の希釈サンプルを100μl/wellで加え
37℃で2時間インキュベーションを行なった。希釈に
は0.05%カゼイン/1%BSA/0.05% Tw
een20/PBS(−)を用い、希釈倍率は1000
倍で行なった。
【0123】血清を洗浄除去後、ペルオキシダーゼ標識
抗ヒトIgGポリクローナル抗体(Bio Rad) をH1TM
(−)を抗原とした方は10000倍、L−H2TM
(−)を抗原とした方は5000倍に0.05%カゼイ
ン/1%BSA/0.05%Tween20/PBS
(−)で希釈して100μl/wellずつ分注し、37℃
で2時間インキュベートした。二次抗体の洗浄除去後、
2mg/ml OPD(o−フェニレンジアミン)/0.0
59Mクエン酸−0.039Mリン酸緩衝液(pH3.
4)/6mM H2 2 を100μl/wellずつ分注して
室温で15分間インキュベートすることによって発色
し、10%硫酸を100μl/wellずつ分注して加えた
後、マイクロプレートリーダー(CORONA)でO.
D.492nmの吸光度を測定した。なお、それぞれの反
応過程における洗浄除去作業では、0.05% Twe
en20/PBS(−)で4回の洗浄を行なっている。
【0124】それぞれの抗原について症例別に値を図示
すると、AIH,PBC群はALD,SLE,CH−
B、健常人群と比較して高い値の分布を示した。(図
2、図3)この抗AGPR抗体検出系により自己免疫性
肝疾患であるAIH,PBC群は、健常人群、他の自己
免疫性疾患であるALD,SLE群、及び慢性B型肝炎
群と区別される。
【0125】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CACTGAAGAA CCTGGGAATC AGAC 24
【0126】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGCCCTATCA TGACCAAGGA G 21
【0127】配列番号:3 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CAGGTCGAGG CATTGAAGA 19
【0128】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTTCAAGCTC CTCACCTTCG G 21
【0129】配列番号:5 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATCATGGCCA AGGACTTTCA A 21
【0130】配列番号:6 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATGGGTTAGC CAGAGGTGTG CT 22
【0131】配列番号:7 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATGGTCTGCT TCAGTCTGCT TGCC 24
【0132】配列番号:8 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTGTCTCAGT GTTTCTTCCT TTCC 24
【0133】配列番号:9 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CCCCAGTTCT CCTGGCTTTA AC 22
【0134】配列番号:10 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGCATCGTGA TCTGCTTTCA GG 22
【0135】配列番号:11 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAATTCGGAT CCCAAAACTC CCAG 24
【0136】配列番号:12 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTCGACTTAA AGGAGAGGTG GCTC 24
【0137】配列番号:13 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTCGAGATGA CCAAGGAGTA TCAAG 25
【0138】配列番号:14 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAATTCGAGG AGGCGAGGTC CGGA 24
【0139】配列番号:15 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAATTCGGGT CCCAAAGTGC ACAG 24
【0140】配列番号:16 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGATCCTTAT CAGGCCACCT CGCCGGT 27
【0141】配列番号:17 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTCGAGATGG CCAAGGACTT TCAA 24
【0142】配列番号:18 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAATTCACTG AAGCAGACCA TGGAG 25
【0143】配列番号:19 配列の長さ:1277 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 AGGGCCCTCC TATGGACCCT GCCCGCTCCC CTCCCATTGT CCACGGCTGT CCGCCCACCC 60 CCATTCTCCA AGCTTCAGCC CCCTCCTTAG TTCGGCATCT GCACAGCACT GAAGAACCTG 120 GGAATCAGAC CCTGAGACCC TGAGCAATCC CAGGTCCAGC GCCAGCCCTA TC ATG ACC 178 Met Thr AAG GAG TAT CAA GAC CTT CAG CAT CTG GAC AAT GAG GAG AGT GAC CAC 226 Lys Glu Tyr Gln Asp Leu Gln His Leu Asp Asn Glu Glu Ser Asp His 5 10 15 CAT CAG CTC AGA AAA GGG CCA CCT CCT CCC CAG CCC CTC CTG CAG CGT 274 His Gln Leu Arg Lys Gly Pro Pro Pro Pro Gln Pro Leu Leu Gln Arg 20 25 30 CTC TGC TCC GGA CCT CGC CTC CTC CTG CTC TCC CTG GGC CTC AGC CTC 322 Leu Cys Ser Gly Pro Arg Leu Leu Leu Leu Ser Leu Gly Leu Ser Leu 35 40 45 50 CTG CTG CTT GTG GTT GTC TGT GTG ATC GGA TCC CAA AAC TCC CAG CTG 370 Leu Leu Leu Val Val Val Cys Val Ile Gly Ser Gln Asn Ser Gln Leu 55 60 65 CAG GAG GAG CTG CGG GGC CTG AGA GAG ACG TTC AGC AAC TTC ACA GCG 418 Gln Glu Glu Leu Arg Gly Leu Arg Glu Thr Phe Ser Asn Phe Thr Ala 70 75 80 AGC ACG GAG GCC CAG GTC AAG GGC TTG AGC ACC CAG GGA GGC AAT GTG 466 Ser Thr Glu Ala Gln Val Lys Gly Leu Ser Thr Gln Gly Gly Asn Val 85 90 95 GGA AGA AAG ATG AAG TCG CTA GAG TCC CAG CTG GAG AAA CAG CAG AAG 514 Gly Arg Lys Met Lys Ser Leu Glu Ser Gln Leu Glu Lys Gln Gln Lys 100 105 110 GAC CTG AGT GAA GAT CAC TCC AGC CTG CTG CTC CAC GTG AAG CAG TTC 562 Asp Leu Ser Glu Asp His Ser Ser Leu Leu Leu His Val Lys Gln Phe 115 120 125 130 GTG TCT GAC CTG CGG AGC CTG AGC TGT CAG ATG GCG GCG CTC CAG GGC 610 Val Ser Asp Leu Arg Ser Leu Ser Cys Gln Met Ala Ala Leu Gln Gly 135 140 145 AAT GGC TCA GAA AGG ACC TGC TGC CCG GTC AAC TGG GTG GAG CAC GAG 658 Asn Gly Ser Glu Arg Thr Cys Cys Pro Val Asn Trp Val Glu His Glu 150 155 160 CGC AGC TGC TAC TGG TTC TCT CGC TCC GGG AAG GCC TGG GCT GAC GCC 706 Arg Ser Cys Tyr Trp Phe Ser Arg Ser Gly Lys Ala Trp Ala Asp Ala 165 170 175 GAC AAC TAC TGC CGG CTG GAG GAC GCG CAC CTG GTG GTG GTC ACG TCC 754 Asp Asn Tyr Cys Arg Leu Glu Asp Ala His Leu Val Val Val Thr Ser 180 185 190 TGG GAG GAG CAG AAA TTT GTC CAG CAC CAC ATA GGC CCT GTG AAC ACC 802 Trp Glu Glu Gln Lys Phe Val Gln His His Ile Gly Pro Val Asn Thr 195 200 205 210 TGG ATG GGC CTC CAC GAC CAA AAC GGG CCC TGG AAG TGG GTG GAC GGG 850 Trp Met Gly Leu His Asp Gln Asn Gly Pro Trp Lys Trp Val Asp Gly 215 220 225 ACG GAC TAC GAG ACG GGC TTC AAG AAC TGG AGG CCG GAG CAG CCG GAC 898 Thr Asp Tyr Glu Thr Gly Phe Lys Asn Trp Arg Pro Glu Gln Pro Asp 230 235 240 GAC TGG TAC GGC CAC GGG CTC GGA GGA GGC GAG GAC TGT GCC CAC TTC 946 Asp Trp Tyr Gly His Gly Leu Gly Gly Gly Glu Asp Cys Ala His Phe 245 250 255 ACC GAC GAC GGC CGC TGG AAC GAC GAC GTC TGC CAG AGG CCC TAC CGC 994 Thr Asp Asp Gly Arg Trp Asn Asp Asp Val Cys Gln Arg Pro Tyr Arg 260 265 270 TGG GTC TGC GAG ACA GAG CTG GAC AAG GCC AGC CAG GAG CCA CCT CTC 1042 Trp Val Cys Glu Thr Glu Leu Asp Lys Ala Ser Gln Glu Pro Pro Leu 275 280 285 290 CTT TAATTTATTT CTTCAATGCC TCGACCTGCC GCAGGGGTCC GGGATTGGGA 1095 Leu ATCCGCCCAT CTGGGGCCTC TTCTGCTTTC TCGGGAATTT TCATCTAGGA TTTTAAGGGA 1155 AGGGGAAGGA TAGGGTGATG TTCCGAAGGT GAGGAGCTTG AAACCCGTGG CGCTTTCTGC 1215 AGTTCACAAT GATAACCTGC AAACTGCAGA AAGCGCCACG GGTTTCAAGC TCCTCACCTT 1275 CG 1277
【0144】配列番号:20 配列の長さ:1300 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 CTGCACTCTC CTCTCCCCTG TGAGCTCCAC CTGCCCCAGT TCTCCTGGCT TTAACCCCTC 60 CTTGGCCAAG GCCAGGGTTG CCTGCGGGAG CCAGGCGTCC GCTCTCCACA CCTTTCACAG 120 CCCCAGCCCT CAGAGCAACC TCAGCCCAGC CCAGCCCAGC TCCAGCTCCA GCTCCAGCCC 180 GGGCCCCATC ATG GCC AAG GAC TTT CAA GAT ATC CAG CAG CTG AGC TCG 229 Met Ala Lys Asp Phe Gln Asp Ile Gln Gln Leu Ser Ser 5 10 GAG GAA AAT GAC CAT CCT TTC CAT CAA GGG CCA CCT CCT GCC CAG CCC 277 Glu Glu Asn Asp His Pro Phe His Gln Gly Pro Pro Pro Ala Gln Pro 15 20 25 CTG GCA CAG CGT CTC TGC TCC ATG GTC TGC TTC AGT CTG CTT GCC CTG 325 Leu Ala Gln Arg Leu Cys Ser Met Val Cys Phe Ser Leu Leu Ala Leu 30 35 40 45 AGC TTC AAC ATC CTG CTG CTG GTG GTC ATC TGT GTG ACT GGG TCC CAA 373 Ser Phe Asn Ile Leu Leu Leu Val Val Ile Cys Val Thr Gly Ser Gln 50 55 60 AGT GCA CAG CTG CAA GCC GAG CTG CGG AGC CTG AAG GAA GCT TTC AGC 421 Ser Ala Gln Leu Gln Ala Glu Leu Arg Ser Leu Lys Glu Ala Phe Ser 65 70 75 AAC TTC TCC TCG AGC ACC CTG ACG GAG GTC CAG GCA ATC AGC ACC CAC 469 Asn Phe Ser Ser Ser Thr Leu Thr Glu Val Gln Ala Ile Ser Thr His 80 85 90 GGA GGC AGC GTG GGT GAC AAG ATC ACA TCC CTA GGA GCC AAG CTG GAG 517 Gly Gly Ser Val Gly Asp Lys Ile Thr Ser Leu Gly Ala Lys Leu Glu 95 100 105 AAA CAG CAG CAG GAC CTG AAA GCA GAT CAC GAT GCC CTG CTC TTC CAT 565 Lys Gln Gln Gln Asp Leu Lys Ala Asp His Asp Ala Leu Leu Phe His 110 115 120 125 CTG AAG CAC TTC CCC GTG GAC CTG CGC TTC GTG GCC TGC CAG ATG GAG 613 Leu Lys His Phe Pro Val Asp Leu Arg Phe Val Ala Cys Gln Met Glu 130 135 140 CTC CTC CAC AGC AAC GGC TCC CAA AGG ACC TGC TGC CCC GTC AAC TGG 661 Leu Leu His Ser Asn Gly Ser Gln Arg Thr Cys Cys Pro Val Asn Trp 145 150 155 GTG GAG CAC CAA GGC AGC TGC TAC TGG TTC TCT CAC TCC GGG AAG GCC 709 Val Glu His Gln Gly Ser Cys Tyr Trp Phe Ser His Ser Gly Lys Ala 160 165 170 TGG GCT GAG GCG GAG AAG TAC TGC CAG CTG GAG AAC GCA CAC CTG GTG 757 Trp Ala Glu Ala Glu Lys Tyr Cys Gln Leu Glu Asn Ala His Leu Val 175 180 185 GTC ATC AAC TCC TGG GAG GAG CAG AAA TTC ATT GTA CAA CAC ACG AAC 805 Val Ile Asn Ser Trp Glu Glu Gln Lys Phe Ile Val Gln His Thr Asn 190 195 200 205 CCC TTC AAT ACC TGG ATA GGT CTC ACG GAC AGT GAT GGC TCT TGG AAA 853 Pro Phe Asn Thr Trp Ile Gly Leu Thr Asp Ser Asp Gly Ser Trp Lys 210 215 220 TGG GTG GAT GGC ACA GAC TAT AGG CAC AAC TAC AAG AAC TGG GCT GTC 901 Trp Val Asp Gly Thr Asp Tyr Arg His Asn Tyr Lys Asn Trp Ala Val 225 230 235 ACT CAG CCA GAT AAT TGG CAC GGG CAC GAG CTG GGT GGA AGT GAA GAC 949 Thr Gln Pro Asp Asn Trp His Gly His Glu Leu Gly Gly Ser Glu Asp 240 245 250 TGT GTT GAA GTC CAG CCG GAT GGC CGC TGG AAC GAT GAC TTC TGC CTG 997 Cys Val Glu Val Gln Pro Asp Gly Arg Trp Asn Asp Asp Phe Cys Leu 255 260 265 CAG GTG TAC CGC TGG GTG TGT GAG AAA AGG CGG AAT GCC ACC GGC GAG 1045 Gln Val Tyr Arg Trp Val Cys Glu Lys Arg Arg Asn Ala Thr Gly Glu 270 275 280 285 GTG GCC TGACCCCAGC ACACCTCTGG CTAACCCATA CCCCACACCT GCCCAGCTCT 1101 Val Ala GGCTTCTCTG TTGAGGATTT TGAGGAAAGG AAGAAACACT GAGACAGGGG TATGGGGAAG 1161 AGCTGAGCAA AGAGAGAAAG GAGGTAGTTT AAGAGTCCCT GACCCTGGAG GACTGAGATC 1221 CCACCTCCTT CTGTAATTCA TTGTAATTAT TATAATCGTC AGCCTCTTCA ATGGCGTAGG 1281 AAAGAAGAAA CAAATGCTT 1300
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、AGPR H1(A)及びAGPR
L−H2(B)の一次構造の模式図である。
【図2】図2は、膜貫通領域を除去した本発明のAGP
RH1誘導体を抗原として、種々の検体をELISAに
より測定した場合の結果を示すグラフである。
【図3】図3は、膜貫通領域を除去した本発明のAGP
R L−H2誘導体を抗原として、種々の検体をELI
SAにより測定した場合の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/566 33/566 33/576 Z 33/576 C12N 5/00 B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 大植 千春 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 八木 慎太郎 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 長谷川 明 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 清澤 研道 長野県松本市惣社270−10 (72)発明者 矢野 明彦 長崎県長崎市阪本町12−4 長崎大学内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アシアロ糖蛋白質受容体H1(AGPR
    H1)の細胞質膜外領域から成るAGPR H1誘導
    体。
  2. 【請求項2】 アシアロ糖蛋白質受容体L−H2(AG
    PR L−H2)の細胞質膜外領域から成るAGPR
    L−H2誘導体。
  3. 【請求項3】 AGPR H1の細胞質膜内領域と細胞
    質膜外領域とから成るAGPR H1誘導体。
  4. 【請求項4】 AGPR L−H2の細胞質膜内領域と
    細胞質膜外領域とから成るAGPR L−H2誘導体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のA
    GPR誘導体の製造方法において、当該誘導体のポリペ
    プチドのアミノ酸配列をコードするDNAを含んで成る
    発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を培養し、
    そして該培養物を採取するか又は該培養物からさらに前
    記AGPR誘導体を採取する、ことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 AGPR H1又はAGPR L−H2
    の製造方法において、当該AGPRのポリペプチドのア
    ミノ酸配列をコードするDNAを含んで成る発現ベクタ
    ーにより形質転換された宿主細胞を培養し、そして該培
    養物を採取するか、又は該培養物から前記AGPRを採
    取することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 AGPR H1及びAGPR L−H2
    の同時製造方法において、当該AGPRのポリペプチド
    のアミノ酸配列をコードするDNA及び当該AGPR
    L−H2のポリペプチドのアミノ酸配列をコードするD
    NAを含んで成る発現ベクターにより形質転換された宿
    主を培養し、そして該培養物を採取するか、又は該培養
    物からAGPR H1及びAGPR L−H2を採取す
    ることを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 前記宿主細胞が細菌細胞又は動物細胞で
    ある、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記細菌細胞が大腸菌細胞である請求項
    8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記動物細胞が哺乳類細胞である、請
    求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 AGPRに対する抗体(抗AGPR抗
    体)の検出又は測定方法において、抗AGPR抗体の存
    否又はその量を測定すべき被験試料と、請求項1〜4に
    記載のAGPR誘導体又は請求項6もしくは7に記載の
    方法により製造されたAGPRの少なくとも1種とを接
    触せしめ、そして抗原−抗体反応が生じたか否かを検出
    し又はその量を測定することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 前記測定法が、エンザイム・リンクド
    ・イムノソルベント・アッセイ(ELISA)、ウエス
    タンブロット法、間接蛍光抗体法、免疫沈降法、ラジオ
    イムノアッセイ(RIA)、免疫拡散法又は免疫電気泳
    動法である、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜4に記載のAGPR誘導体
    又は請求項6もしくは7に記載の方法により得られたA
    GPRの少なくとも1種を含んで成る、抗AGPR抗体
    測定用試薬。
  14. 【請求項14】 抗AGPR抗体測定用キットであっ
    て、請求項1〜4に記載のAGPR誘導体又は請求項6
    もしくは7に記載の方法により得られたAGPRの少な
    くとも1種、及び標準抗AGPR抗体を含んで成るキッ
    ト。
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