JP5099534B2 - Kank3遺伝子の癌治療及び癌検出並びに創薬への利用 - Google Patents

Kank3遺伝子の癌治療及び癌検出並びに創薬への利用 Download PDF

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Description

本発明は、癌細胞運動(移動)抑制機能を有するKank3遺伝子の疾病治療及び診断並びに創薬への利用を提供する。
ヒトにおいて、染色体9p24にマップされるアンキリンリピートを含み、癌抑制遺伝子であると推測されるKank遺伝子が報告されている(特許文献1および非特許文献1を参照)。該Kank遺伝子は、特に腎癌組織において転写が減少しており、腎臓癌との関係が推測されている。
一方、Kankファミリーの一員であるKank遺伝子のcDNAはcDNAクローニングによりクローン化され、そのほぼ全長のcDNA塩基配列について報告されている(特許文献1および非特許文献2を参照)分子量約140kDaのタンパク質をコードしている遺伝子である。Kank遺伝子は、染色体9p24にマップされるBACクローンRPCI-11-130C19上に位置づけられる。また該cDNA塩基配列は、GenBankに登録番号D79994(登録名:Human mRNA for KIAA0172 gene, partial cds)としてcDNA配列の一部が報告されている。
WO03/082342号国際公開パンフレット 特開2004-173506号公報 Sarker Sら、J. Biol. Chem.、277(39)、2002 Sep 27、p.36585-91 Nagase et al., DNA Res. 3 (1), 17-24 (1996)
本発明は、Kankファミリーの一員であるKank3遺伝子の疾病治療及び診断並びに創薬への利用を提供することを目的とする。
本発明者らは、アクチン重合の制御は細胞の運動や移動にとって必須であり、Kank遺伝子を発現していない細胞や発現量の低い細胞についても同様のメカニズムによる制御機構が存在すると考え、Kankタンパク質の機能領域(コイルドコイルモチーフとアンキリンリピート配列)を有する遺伝子(Kankファミリー遺伝子と総称する)の探索を行い、Kankファミリーの新たな一員であるKankファミリーの新たな一員であるKank3遺伝子を見出した。該Kank3遺伝子の発現について検討を行った結果、Kank3遺伝子は、従来知られていたKank遺伝子と発現様式や発現部位が異なり、従来知られていたKank遺伝子とは異なる有用性を有することを見出した。さらに、Kank3遺伝子が細胞増殖(特にアクチンの重合反応)に関係する機能を有することから癌細胞の運動や移動を制御することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 以下の(a)または(b)のタンパク質、
(a) 配列番号2で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2で表わされるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質
(2) 以下の(a)または(b)のタンパク質をコードする遺伝子、
(a) 配列番号2で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2で表わされるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質
(3) 以下の(c)又は(d)のDNAを含む遺伝子、
(c) 配列番号1で表される塩基配列からなるDNA
(d) 上記(c)のDNAと相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA
(4) (2)または(3)の遺伝子を含有する組換えベクター、
(5) (4)の組換えベクターを含む形質転換体、
(6) (1)のタンパク質またはその一部断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質を有効成分とする癌治療薬、
(7) (2)または(3)のDNAもしくはそれに対応するRNAまたはそれらの一部断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAまたはRNAを有効成分とする癌治療薬、
(8) (1)のタンパク質またはその一部断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質を含む癌検出薬、
(9) (2)または(3)のDNAもしくはそれに対応するRNAまたはそれらの一部断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAまたはRNAを含む癌検出薬、
(10) (1)のタンパク質に対する抗体を含む癌検出薬、
(11) (2)または(3)の遺伝子を含有する癌治療用ベクター、
(12) (2)または(3)の遺伝子を含有する癌検出用ベクター、
(13) (1)のタンパク質またはその一部断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質を被検体と接触させる工程を含む癌検出法、
(14) (2)または(3)のDNAもしくはそれに対応するRNAまたはそれらの一部断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAまたはRNAを被検体と接触させる工程を含む癌検出法、
(15) (1)のタンパク質に対する抗体を被検体と接触させる工程を含む癌検出法、
(16) Kank3遺伝子が導入された、Kank3遺伝子トランスジェニック動物、および
(17) Kank3遺伝子が破壊された、Kank3遺伝子ノックアウトマウス。
本発明の治療薬により癌の治療が可能になり、また本発明の検出薬により癌を検出することが可能になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.Kank3遺伝子の取得
cDNAライブラリーの作製、遺伝子のクローニング及びスクリーニング、塩基配列の決定等の技術はJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (1989): Molecular Cloning, a laboratory manual, second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press及び Ed Harlow and David Lanc (1988): Antibodies, a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press等の当業者に良く知られた文献に記載された方法に従って行えばよい。
本発明の遺伝子は、mRNAを抽出し、cDNAを合成して単離することができる。mRNAの供給源としては腎臓等のヒト組織を用いることができる。mRNAの調製は、グアニジンチオシアネート/塩化セシウム法などにより全RNAを抽出した後、オリゴdT−セルロースやポリU−セファロース等を用いたアフィニティーカラム法により、あるいはバッチ法によりポリ(A)+RNA(mRNA)を得ることにより行える。このようにして得られたmRNAを鋳型として、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成する。
合成した二本鎖cDNAを適当なベクターに組み込んで、該ベクターを用いて大腸菌等を形質転換してcDNAライブラリーを作製して本発明の遺伝子の一部を取得することができる。得られたcDNA断片はPCR法で増幅し、マキサム・ギルバート法(Maxam, A. M. and Gilbert, W., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 74, 560, 1977)又はジデオキシ法(Messing, J. et al., Nucl. Acids Res., 9, 309, 1981)等により塩基配列を決定することができる。
本願明細書の開示に基づけば、Kank3遺伝子の全長配列を得ることができる。配列番号1に本発明のKank3遺伝子の塩基配列を示す。配列番号2にKank3タンパク質のアミノ酸配列を示す。
2.本発明のKank3遺伝子
本願発明で利用するKank3遺伝子はその全長配列であってもよいし、コードされるタンパク質がKank3遺伝子のコードするタンパク質の有する機能と同等の機能を有するKank3遺伝子の一部配列を有する断片であってもよい。一部配列の例としては、本遺伝子の機能部位と考えられるアンキリン(ankyrin)配列を含む配列が挙げられる。また、配列番号1で表される塩基配列からなるDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、かつコードされるタンパク質がKank3遺伝子のコードするタンパク質の有する機能と同等の機能を有する変異体DNAも本発明の遺伝子に含まれる。ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、相同性が高いDNA同士、すなわち60%以上、好ましくは80%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸同士がハイブリダイズしない条件が挙げられる。より具体的には、ナトリウム濃度が150〜900mM、好ましくは600〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは65℃での条件をいう。
さらに、少なくとも配列番号1で表される塩基配列もしくはその塩基配列のうちKank3遺伝子のエキソン1の塩基配列および配列番号1で表される塩基配列のうちKank3遺伝子のエキソン2からエキソン10の塩基配列を含むDNAの塩基配列またはその一部塩基配列と相同性が70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有し、コードされるタンパク質がKank3遺伝子のコードするタンパク質の有する機能と同等の機能を有する変異体DNAも本発明の遺伝子に含まれる。
さらに、配列番号1で表される塩基配列からなるDNAの塩基配列またはその一部塩基配列の1個または複数の塩基に欠失、置換、付加等の変異が生じた塩基配列を有し、コードされるタンパク質がKank3遺伝子のコードするタンパク質の有する機能と同等の機能を有する変異体DNAも本発明の遺伝子に含まれる。ここで、全長塩基配列の場合、欠失、置換または付加している塩基の数は、1〜1080個、好ましくは1〜720個、さらに好ましくは1〜360個、さらに好ましくは1〜180個、さらに好ましくは1〜90個、さらに好ましくは1〜30個、さらに好ましくは1〜10個、1〜9個もしくは1〜5個である。
さらに、配列番号1で表される塩基配列の一部からなるポリヌクレオチドを含む、本発明の遺伝子の検出・診断に用い得るプローブまたはプライマーも本発明に含まれる。ここで、プローブまたはプライマーとして用い得るポリヌクレオチドの塩基の数は、15個以上、例えば、15〜100個、15〜50個、好ましくは50個以上、さらに好ましくは100個以上、特に好ましくは200個以上である。
ここで、Kank3遺伝子のコードするタンパク質の有する機能とは、14-3-3タンパク質と結合する機能をいう。具体的には、Kank3遺伝子のコードするタンパク質は、14-3-3タンパク質ファミリー中のgamma、epsilon、eta、thetaと結合し、その結合の強さはthetaに対して特に強い。Kankタンパク質と14-3-3タンパク質との結合は、2004年12月の第27回日本分子生物学会年会で報告されている(ポスター番号:1PB-269)。Kankタンパク質は14-3-3タンパク質ファミリーのgamma、epsilon、eta、thetaに結合するが、その中でも、gammaとthetaに強く結合する。Kankタンパク質はアクチンの重合反応を制御することにより細胞の運動や移動を制御している。同様のタンパク質がKank遺伝子を発現していないか発現量が低い細胞でも存在していると考え、異なる細胞/組織においてKankと同じ機能を担っている遺伝子の探索を行ない、Kank3を発見した(図1aにKank遺伝子との関係を示した)。Kank3は、Kankと同様のタンパク質構造(N端にコイルドコイルモチーフを持ち、C端にアンキリンリピート配列を持つ)をもつ遺伝子としてGenBank遺伝子データベースにおいて見いだされた(図1bにKank3タンパク質の構造を示した)。Kank3は、分子量110 kDのタンパク質をコードする遺伝子であり(図2)、このタンパク質が実際に細胞内に存在し機能していることは、RT-PCR実験(図3)と免疫染色(図4)から明らかである。遺伝子は染色体19p13.2に存在しており、したがって、Kank遺伝子(染色体9p24)とは異なる染色体上の位置に存在している。Kank3がKankと異なる点は、組織や細胞における発現様式(図3)と14-3-3ファミリータンパク質のサブタイプに対する結合の特異性(図5)であり、したがって、Kankとは異なるメカニズムでアクチンの制御を行っていると考えられる。また、Kank3と14-3-3タンパク質の結合には、Kank3の31番目のセリンが必要であり、31番目のセリンをアラニンに変えた変異体(Kank3 S31A)では、これらの結合は見られない(図6)。様々なタンパク質に対する14-3-3の結合様式を考えると、このセリンのリン酸化が結合に必要と考えられる。図7に示すように、Kank3を強制発現させることによりアクチン繊維が減少した(図のFLAG-Kank3の結果)ことから、Kank3はアクチンの重合を制御していると考えられる。また、14-3-3タンパク質に対して結合できない変異体を強制発現した場合にはアクチン繊維の消失が見られない(図のFLAG-Kank3S31Aの結果)ことから、Kank3のアクチン重合の制御は14-3-3との結合が必要であることが判る。このように、Kank3タンパク質は、Kankタンパク質、Kank2タンパク質およびKank4タンパク質と異なる。すなわち、14-3-3タンパク質との相互作用の様式が異なり、Kankタンパク質、Kank2タンパク質およびKank4タンパク質とは異なるメカニズムでアクチンタンパク質の重合を制御する。さらに、この機能の延長として、癌細胞に認められる高い細胞運動や移動を抑制する機能も含まれ、例えばHEK293細胞やPC12細胞等の株化細胞にKank3遺伝子を導入して、細胞の時間当たりの細胞移動能の減少及び/または細胞の接着面積の増加や神経細胞における樹状突起の形成能等の細胞の形態変化を観察することにより該機能を有しているかどうかがわかる。HEK293細胞及びPC12細胞は、ATCCから入手可能である。
遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K (TAKARA社製)やMutant-G (TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異導入が行われる。
さらに、本発明ではKank3遺伝子配列を含むDNAだけではなく、該遺伝子配列をコードするRNAも含まれ、これらDNAまたはRNAの修飾体も含まれる。ここで修飾体とはKank3遺伝子の機能を妨げない程度に塩基配列中の任意の塩基が修飾されたもの等を含む。
一旦遺伝子の塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又はクローニングされたcDNAを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることによって、本発明の遺伝子を得ることができる。
3.Kank3タンパク質の取得
得られたKank3遺伝子を入手可能な適当な発現ベクターに組み込んで、さらに適当な宿主細胞に形質転換し、適当な培地中で培養、発現させ、目的タンパク質を回収、精製することができる。この際のベクターとして、プラスミド、ファージ、ウイルス等の宿主細胞において複製可能である限りいかなるベクターも用いることができる。例えば、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pKC30、pCFM536等の大腸菌プラスミド、pUB110等の枯草菌プラスミド、pG-1、YEp13、YCp50等の酵母プラスミド、λgt110、λZAPII等のファージのDNA等が挙げられ、哺乳類細胞用のベクターとしては、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス等のウイルスDNA、SV40とその誘導体等が挙げられる。ベクターは、複製開始点、選択マーカー、プロモータを含み、必要に応じてエンハンサー、転写終結配列(ターミネーター)、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル等を含んでいてもよい。
宿主細胞としては、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌等の細菌細胞、アスペルギルス属菌株等の真菌細胞、パン酵母、メタノール資化性酵母等の酵母細胞、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9等の昆虫細胞、CHO、COS、BHK、3T3、C127等の哺乳類細胞等が挙げられる。
形質転換は、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、DEAE-デキストラン介在トランスフェクション、エレクトロポレーション等の公知の方法で行うことができる。
得られたリコンビナントタンパク質は、各種の分離精製方法により、分離・精製することができる。例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組合せて用いることができる。
配列番号2にKank3遺伝子のコードするタンパク質(Kank3タンパク質)のアミノ酸配列を例示するが、このアミノ酸配列を含むタンパク質がKank3遺伝子のコードするタンパク質の有する活性と同等の機能を有する限り、当該アミノ酸配列において複数個、好ましくは数個のアミノ酸に欠失、置換、付加等の変異が生じてもよい。欠失、置換または付加しているアミノ酸の数は、配列番号2で表されるアミノ酸配列の1〜360個、好ましくは1〜240個、さらに好ましくは1〜120個、さらに好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1個若しくは2個である。
さらに、配列番号2に示すKank3タンパク質のアミノ酸配列と、相同性が70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有し、Kank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質も本発明のタンパク質に含まれる。
本明細書に記載される相同性の数値は、特に明示した場合を除き、BLAST[J. Mol. Biol., 215, 403-410 (1990)]、FASTA[Methods. Enzymol., 183, 63-98 (1990)]等の相同性検索プログラムを用いて算出される数値であってよい。好ましくはBLASTにおいてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いて算出される数値あるいは、FASTAにおいてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いて算出される数値である。
本発明のタンパク質には、上述のタンパク質の断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質も含まれる。
本発明のタンパク質は、図1bに示すようにN端側にコイルドコイルモチーフを有しC端側にアンキリンリピート配列を有するという構造的特徴を持っている。すなわち、本発明のタンパク質はN端側にコイルドコイルモチーフを有しC端側にアンキリンリピート配列を有するという構造的特徴を有し、かつ14-3-3タンパク質ファミリー中のgamma、epsilon、eta、thetaと結合し、その結合の強さはthetaに対して特に強いという機能を有するタンパク質である。
4.Kank3タンパク質に対する抗体の取得
Kank3遺伝子のコードするタンパク質(ポリペプチド、本明細書においてタンパク質とポリペプチドは区別されない)に対する抗体は、通常の方法で動物をKank3遺伝子発現産物で免疫することにより得られる。抗体は、マウス抗体、ラット抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト型化抗体のいずれも用い得るが、ヒトの治療用に用いる場合は、ヒト抗体、キメラ抗体またはヒト型化抗体が望ましい。抗体はポリクローナル抗体もモノクローナル抗体も含むが、モノクローナル抗体が望ましい。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマによって産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものを含む。モノクローナル抗体は、公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C.、Methods Enzymol.(1981)73, 3-46)等により作製することができる。抗体作製の際、免疫原としてはKank3タンパク質全体を用いてもよいし、Kank3タンパク質の断片を用いてもよい。免疫原として用いるKank3タンパク質またはその断片は、アミノ酸配列情報に基づいて化学合成により作製することもできるし、遺伝子工学的に作製することもできる。in vitroでヒトリンパ球を免疫原に感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞と融合させることにより、ヒト抗体を得ることもできる(特公平1-59878号公報参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子座を有するトランスジェニック動物に免疫原を投与して抗体産生細胞を取得し、不死化させた細胞からヒト抗体を得ることもできる(国際公開番号WO 94/25585 号公報、WO 93/12227 号公報、WO 92/03918 号公報、WO 94/02602 号公報参照)。さらに、人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト型化(Humanized)抗体も使用することができ、これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体は、非ヒト動物由来抗体V領域をコードするDNAとヒト抗体C領域をコードするDNAとを連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。ヒト型化抗体は、非ヒト動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植することにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 125023号公報、国際公開番号WO 96/02576 号公報参照)。抗体は、完全抗体であっても、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv等の抗原結合部位を有する断片であってもよい。
5.癌の治療
本発明のKank3遺伝子配列を含むDNA若しくはRNAまたはその断片であってKank3タンパク質の有する機能と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAまたはRNAを、遺伝子治療の技術を用いて癌の治療に利用することができる。例えば、生体の癌細胞でKank3遺伝子のコードするタンパク質を発現させ、癌細胞の運動や移動を抑制することができる。遺伝子治療における目的の遺伝子の被験体への導入は公知の方法により行うことができる。遺伝子を被験体へ導入する方法として、ウイルスベクターを用いる方法および非ウイルスベクターを用いる方法があり、種々の方法が公知である(別冊実験医学、遺伝子治療の基礎技術、羊土社、1996;別冊実験医学、遺伝子導入&発現解析実験法、羊土社、1997;日本遺伝子治療学会編、遺伝子治療開発研究ハンドブック、エヌ・ティー・エス、1999)。
遺伝子導入のためのウイルスベクターとしては、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス等のウイルスベクターを用いた方法が代表的なものである。無毒化したレトロウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイルス、センダイウイルス、SV40、免疫不全症ウイルス(HIV)等のDNAウイルスまたはRNAウイルスに目的とする遺伝子を導入し、細胞に組換えウイルスを感染させることによって、細胞内に遺伝子を導入することが可能である。本発明に係る遺伝子をウイルスを用いた遺伝子治療に使用するとき、アデノウイルスベクターが好ましく用いられる。アデノウイルスベクターの特徴として、(1)多くの種類の細胞に遺伝子導入ができる、(2)増殖停止期の細胞に対しても効率よく遺伝子導入ができる、(3)遠心により濃縮が可能であり、高タイター(10〜11PFU/ml以上)のウイルスが得られる、(4)in vivoの組織細胞への直接の遺伝子導入に適している、といった点が挙げられる。遺伝子治療用のアデノウイルスとしては、E1/E3領域を欠失させた第1世代のアデノウイルスベクター(Miyake,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,93,1320,1996)から、E1/E3領域に加え、E2もしくはE4領域を欠失させた第2世代のアデノウイルスベクター(Lieber,A.,et al.,J.Virol.,70,8944,1996;Mizuguchi,H.&Kay,M.A.,Hum.Gene Ther.,10,2013,1999)、アデノウイルスゲノムをほぼ完全に欠失させた(GUTLESS)第3世代のアデノウイルスベクター(Steinwaerder,D.S.,et al.,J.Virol.,73,9303,1999)が開発されているが、本発明に係る遺伝子を導入するには特に限定されず、いずれのアデノウイルスベクターでも使用可能である。さらに、AAVの染色体に組み込み能を付与したアデノ-AAVハイブリッドベクター(Recchia,A.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,96,2615,1999)や、トランスポゾンの遺伝子を用いることにより染色体に組み込む能力を有したアデノウイルスベクターなどを利用すれば、長期的な遺伝子発現にも応用が可能である。また、アデノウイルスファイバーのH1ループに組織特異的な移行性を示すペプチド配列を挿入することにより、アデノウイルスベクターに組織特異性を付与することも可能である(Mizuguchi,H.&Hayakawa,T.,Nippon Rinsho,7,1544,2000)。
また、上記ウイルスを用いることなく、プラスミドベクター等の遺伝子発現ベクターが組み込まれた組換え発現ベクターを用いて、目的遺伝子を細胞や組織に導入することができる。例えば、リポフェクション法、リン酸-カルシウム共沈法、DEAE-デキストラン法、微小ガラス管を用いたDNAの直接注入法などにより細胞内へ遺伝子を導入することができる。また、内包型リポソーム(internal liposome)による遺伝子導入法、静電気型リポソーム(electorostatic type liposome)による遺伝子導入法、HVJ-リポソーム法、改良型HVJ-リポソーム法(HVJ-AVEリポソーム法)、HVJ-E(エンベロープ)ベクターを用いた方法、レセプター介在性遺伝子導入法、パーティクル銃で担体(金属粒子)とともにDNA分子を細胞に移入する方法、naked-DNAの直接導入法、種々のポリマーによる導入法等によっても、組換え発現ベクターを細胞内に取り込ませることが可能である。この場合に用いる発現ベクターとしては、生体内で目的遺伝子を発現させることのできるベクターであれば如何なる発現ベクターも用いることができるが、例えばpCAGGS(Gene 108, 193-200(1991))や、pBK-CMV、pcDNA3、1、pZeoSV(インビトロゲン社、ストラタジーン社)、pVAX1などの発現ベクターが挙げられる。
本発明の遺伝子を含むベクターは、適宜遺伝子を転写するためのプロモーターやエンハンサー、ポリAシグナル、遺伝子が導入された細胞の標識および/または選別のためのマーカー遺伝子等を含んでいてもよい。この際のプロモーターとしては、公知のプロモーターを用いることができる。本発明の遺伝子を含む医薬組成物を被験体へ導入するには、遺伝子治療剤を直接体内に導入するin vivo法、及び、ヒトからある種の細胞を取り出して体外で遺伝子治療剤を該細胞に導入し、その細胞を体内に戻すex vivo法等を用いればよい(日経サイエンス、1994年4月号、20-45頁;月刊薬事、36(1), 23-48 (1994); 実験医学増刊、12(15)、(1994); 日本遺伝子治療学会編、遺伝子治療開発研究ハンドブック、エヌ・ティー・エス、1999)。
本発明は、癌治療に用い得る上記の治療用ベクターも包含する。
また、本発明のKank3タンパク質に対する抗体も、免疫化学的な治療に使用することが可能である。
Kank3遺伝子のアンチセンスDNA、アンチセンスRNAも癌治療に利用し得る。
さらに、本発明の遺伝子に基づいてRNAi(RNA干渉)により癌治療を行うこともできる。RNAiは、二本鎖RNA(dsRNA)を細胞内に導入した際に、そのRNA配列に対応する細胞内のmRNAが特異的に分解され、タンパク質として発現されなくなる現象をいう。RNAiの場合、通常、二本鎖RNAが用いられるが、特に限定されず、例えば、自己相補的な一本鎖RNA中で形成される二本鎖を用いることも可能である。二本鎖を形成する領域は、全ての領域において二本鎖を形成していてもよいし、一部の領域(例えば両末端又は片方の末端など)が一本鎖等になっていてもよい。RNAiに用いられるオリゴRNAは、その長さは限定されない。本発明のオリゴRNAの長さとしては、例えば、5〜1000塩基(二本鎖の場合には、5〜1000bp)であり、好ましくは10〜100塩基(二本鎖の場合には、10〜100bp)であり、さらに好ましくは15〜25塩基(二本鎖の場合には、15〜25bp)であり、特に好ましくは19〜23塩基(二本鎖の場合には、19〜23bp)である。
Kank3遺伝子のコードするタンパク質またはその一部を癌患者に投与して、癌細胞の増殖を抑えることにより癌を治療することもできる。さらに、Kank3タンパク質に対する抗体を癌治療に利用することもできる。
Kank3遺伝子配列を含むDNA若しくはRNAまたはKank3遺伝子のコードするタンパク質を含む治療用製剤は、医薬上許容できる担体を含んでいてもよい。担体としては、懸濁剤及びシロップ剤のような経口液体調製物は、水、シュクロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p-ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤等を使用できる。粉剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤は、ラクトース、グルコース、シュクロース、マンニトール等の賦形剤、デンプン、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いることができる。また、注射剤の溶液は、蒸留水、塩溶液、グルコース溶液等からなる担体を用いて調製することができる。この際、定法に従い適当な溶解補助剤および懸濁剤を用いて、溶液、懸濁液または分散剤として調製できる。
これらの治療薬を被検体に投与することを含む、癌治療法も本発明に包含される。また、本発明のDNA、RNAもしくはその修飾物、本発明のタンパク質または本発明の抗体の癌治療薬の製造への使用も本発明に包含される。
Kank3遺伝子およびタンパク質は、腎臓などKank3遺伝子が発現している組織由来の癌の治療に用いることができる。
6.癌の検出
さらに、Kank3遺伝子配列を含むDNA、RNAヌクレオチドを利用したノーザンハイブリダイゼーション法、PCR法、定量的PCR法、RT-PCR法、in situ ハイブリダイゼーション法等により、Kank3遺伝子の各組織における存在、発現、変異を定性的にまたは定量的に検出することにより癌を検出することができる。この場合、Kank3遺伝子配列の一部をPCRのプライマーとして用いることもできるし、検出用プローブとして用いることもできる。これらの遺伝子配列はニックトランスレーション等により適宜標識して用いる。例えば、RT-PCR法によりKank3遺伝子の発現を調べ、癌の検出または癌の進行度を検出することができ、Kank3遺伝子DNAの存在をPCRや定量的PCRにより調べることができる。また、Kank3遺伝子配列の一部または総てを含むDNAまたはRNAプローブを用いたin situ ハイブリダイゼーション法により組織切片、細胞、染色体等を用いてKank3遺伝子配列を含むDNAまたはRNAを検出し、癌を検出することができる。Kank3遺伝子を含むベクターを癌の検出に用いることもできる。本発明は、癌検出に用い得る癌検出用ベクターも包含する。
Kank3遺伝子のコードするポリペプチドを認識する抗体を癌の検出に利用することもできる。例えば、Kank3遺伝子のコードするタンパク質を認識する抗体を用いてKank3遺伝子の発現産物をEIA、RIA等のイムノアッセイ技術により測定し癌を検出することができる。この際、該変異遺伝子によりコードされるアミノ酸配列が変化したタンパク質を認識するが、アミノ酸配列の変化していないタンパク質を認識しない抗体を用いて変異遺伝子の産生するタンパク質を測定して癌の検出を行うこともできる。
これらの検出はKank3遺伝子のコードするタンパク質、Kank3遺伝子を含むDNA等を癌か否かを診断しようとする対象から採取した体液、組織片、細胞、染色体等の試料と接触することにより行うことができる。また、対象中にこれらのDNA、タンパク質等を投与して検出することも可能である。
Kank3遺伝子配列またはその一部断片を含むヌクレオチド、Kank3タンパク質またはその断片、Kank3遺伝子によりコードされるタンパク質に対する抗体等を含むキットを作製することもできる。この際、定量標準物質をキット内に含むことが望ましい。
7.Kank3遺伝子トランスジェニック動物およびKank3遺伝子ノックアウトマウスの作成
本発明のKank3遺伝子を動物に組込むことにより、Kank3遺伝子発現モデル動物として利用できるトランスジェニック動物を作成することができる。導入する遺伝子は、野生型Kank3遺伝子でもよいし、変異Kank3遺伝子でもよい。正常遺伝子を導入することにより、Kank3タンパク質の発現量をコントロールすることができる。また、Cre-loxシステムを用いて組織特異的な遺伝子発現をさせることも可能である。変異遺伝子はドミナントネガティブの形で導入することにより、Kank3遺伝子の機能を阻害することができる。この際、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法により、Kank3タンパク質の機能を阻害するような変異を導入すればよい。具体的には、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K (TAKARA社製)やMutant-G (TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異導入が行われる。
トランスジェニック動物は、Kank3遺伝子を動物の全能性細胞にマイクロインジェクション法もしくはレトロウイルスベクターを用いて導入し、この細胞を個体へと発生させ、体細胞および生殖細胞染色体中に導入遺伝子が組み込まれた個体を選別することによって作成することができ、例えば、Pro.Natl.Acad.Sci.USA 77:7380-7384, 1980の方法等に従って作成可能である。トランスジェニック動物作成に用いられる動物種は限られないが、マウス、ラット、ハムスターなどのげっ歯類が好ましく、特に近交系が多数作出されており、しかも受精卵の培養、体外受精等の技術が確立しているマウスが好ましい。Kank3遺伝子を導入する全能性細胞として、受精卵、初期胚、多分化能を有するES細胞のような培養細胞を用いることが可能であるが、ES細胞が好ましい。培養細胞への遺伝子導入法としては、公知の静電パルス法、リポソーム法、リン酸カルシウム法、レトロウイルスベクターを用いた方法等が挙げられる。ES細胞を胚盤胞の中に注入すると、宿主胚の内部細胞塊と混ざりあってマウス胚と胎仔の形成に寄与してキメラマウスができる。また、胎仔本体がES細胞だけからなるマウスができることもある。キメラマウスの中でES細胞が将来卵や精子を形成する始原生殖細胞の形成に寄与した場合、生殖系列キメラができ、このキメラマウスを交配することにより、ES細胞由来のマウス個体を得ることができる。
トランスジェニック動物は、遺伝子を導入した細胞を初期胚と集合、あるいは胚盤胞腔に注入してキメラ胚を得、得られたキメラ胚を偽妊娠させた雌の子宮に移植し、個体まで発生させることによって作成することが可能である。得られた動物の中からKank3遺伝子を有しているものを選択することにより、本発明のKank3遺伝子導入トランスジェニック動物を得ることができる。トランスジェニック動物を癌化のメカニズム等の研究に用いることができる。また、モデル動物として癌治療薬、癌治療法、癌診断薬、癌診断法のスクリーニングに用いることもできる。
さらに、Kank3遺伝子を破壊したノックアウトマウスを作成することができる。ノックアウトマウスは、例えば村松正實・山元雅編、実験医学別冊 新遺伝子工学ハンドブック 改定第3版、羊土社、1999年9月10日発行、p.239-245に従って作成することができる。例えば、以下の方法でKank3遺伝子ノックアウトマウスを作成することができる。Kank3遺伝子の一部又は全部を、組換えDNA技術により、例えばネオマイシン耐性遺伝子等マーカー遺伝子で置換し、3′末端側にジフテリアトキシンAフラグメント(DT-A)遺伝子等を導入してターゲティングベクターを作製し、この作製されたターゲティングベクターを線状化し、エレクトロポレーション法によって受精卵やES細胞に導入し、培養する。培養後、G418等の抗生物質を用いて相同的組換えを起こした細胞を選択する。選択された、組換えES細胞をマイクロインジェクション法等によりマウスの胚盤胞内に導入し、仮親の子宮に戻すことによってキメラマウスを得ることができる。このキメラマウスを交配することにより、Kank3遺伝子ノックアウトマウスを得ることができる。得られたマウスにおいてKank3遺伝子がノックアウトされているかどうかは、例えば、得られたマウスの血清細胞からRNAを単離してノーザンブロット法等により調べるか、またはマウスのKank3遺伝子の発現をウエスタンブロット法等により調べることにより決定できる。
Kank3遺伝子をノックアウトすることにより癌が高頻度に発生するマウスが得られ、癌化のメカニズムの研究、癌治療薬、癌治療法、癌診断薬、癌診断法のスクリーニングに用いることもできる。Kank3遺伝子ノックアウトマウスに候補癌治療薬を投与し、既に発症している癌が退行するか否か、あるいは癌の発症が抑えられるか否かを調べることにより、抗癌剤のスクリーニングを行うことができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲がこれらの実施例により限定されるものではない。
本実施例において、Kank3のcDNAは本発明者の研究室でヒトの脳のmRNAからRT-PCR法により取得した。
実験方法
遺伝子配列検索、ドメイン分析および系統樹分析
ゲノムプロジェクトが既に完成しているヒト、マウス、ラット、ショウジョウバエおよび線虫のデータベースを用い、ヒトKankタンパク質の配列を鋳型としてBLASTP検索(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)を行った。検索で得られた配列をMEGA2ソフトウェア(Kumar et al. 2001, Bioinformatics, 17, 1244-1245)に適用し、系統樹分析を行った。さらにこれらの配列を用いて、SMART(http://smart.embl-heidelberg.de/) (Letunic et al., 2004, Nucleic Acids Res., 32 (Database issue), D142-144)およびCOILS (http://www.ch.embnet.org/software/COILS form.html)を用いてアンキリン様繰り返し配列(ankyrin-repeat)およびcoiled-coilモチーフの検定を行った。
細胞培養
HEK293T、VMRC-RCW、RRC10RGB、TUHR4TKB、TUHR10TKBおよびマウスNIH3T3細胞はダルベッコ改変イーグル培地(DMEM) (Gibco社)で培養した。OS-RC-2、TUHR14TKBおよびMCF-7細胞はRPMI-1640培地(Gibco社)で培養した。FU-RPNT-1および FU-RPNT-2細胞はDMEM/F-12 (1:1)培地で培養した。全ての培地には10%のウシ胎仔血清を添加して用い、37℃で湿度平衡した5%CO2含有インキュベーター内で培養を行った。
RT-PCR
ヒト正常組織由来全RNAはInvitrogen社より購入した。ヒト正常腎臓由来全RNA、ヒト胎児腎臓由来全RNAおよびヒト腎癌由来全RNAは和光純薬工業株式会社より購入した。各細胞系の全RNAはISOGEN(和光純薬工業株式会社)を用いて精製した。cDNAは6量体ランダムプライマーおよびSuperScript II RNase H- Reverse Transcriptase kit (Invitrogen社)を用いて合成した。PCR増幅は図2aに示したプライマーの組み合わせにより、Ex Taq DNAポリメラーゼを用いて行った。PCRは96℃5分間の変性後、96℃30秒間、60℃30秒間、72℃40秒間を35サイクルで行った。コントロールとしてハウスキーピング遺伝子であるHPRTを用い、PCRは96℃5分間の変性後、96℃30秒間、60℃30秒間、72℃30秒間を30サイクルで行った。PCR産物は臭化エチジウムを含んだ2%アガロースゲル電気泳動によって分離した。
ポリクローナル抗体
抗Kank3抗体の抗原を作成するために、Kank3の275から376番目のアミノ酸に相当するcDNA部位をPCRによって増幅し、pGEXベクター(Amersham Bioscience社)に挿入することでグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質発現プラスミドを構築した。この発現プラスミドを大腸菌に導入し、イソプロピルD-チオガラクトピラノシドによってGST融合抗原タンパク質の発現を誘導した。このGST融合抗原タンパク質をグルタチオンセファロース4B(Amersham Bioscience社)で精製し、ウサギを免疫した。免疫したウサギより抗Kank3抗体を含んだ血清を回収し、硫酸アンモニウムによって塩析した。沈殿をPBSに溶かし、GSTタンパク質をActivated CHセファロース4BにカップリングさせたカラムによってGSTに対する抗体を除去した後、GST融合Kank3抗原をカップリングさせたカラムで抗Kank3抗体を精製した。Activated CHセファロース4BはAmersham Bioscience社より購入し、GSTおよびGST融合Kank3抗原のカップリングは取扱説明書に従って作製した。
哺乳動物細胞発現プラスミドの構築
pCMV-Tag 2B/Kank3プラスミドは、正常ヒト腎臓組織の全RNA(Invitrogen社)から逆転写反応で得られたcDNA を鋳型として、5’末端に制限酵素EcoRI-NotIあるいはNotI-SalIの認識配列を含むアダプター配列を付加した形のプライマーセットを用いて、それぞれPCR 反応で増幅した2つの断片をpCMV-Tag 2B (Stratagene社)ベクターのEcoRI/SalI部位へ挿入した。プライマーセットはEcoRI-NotI断片5’-ATGGCCAAGTTTGCCCTGAATCAGAACCTG-3’ (forward)(配列番号3)および5’-CAACCGGCCCCGCAGAAGCTC-3’ (reverse)(配列番号4)、NotI-SalI断片5’-CCTGCGGCCGCCGAGCGCGAGC-3’ (forward)(配列番号5)および5’-CTGAACCTGGGGGTTCTCTCC-3’ (reverse)(配列番号6)を用いた。また、Kank3点突然変異体発現プラスミドはpCMV-Tag 2B/Kank3を鋳型としてセリンをアラニンに置換したプライマーセットを用いて、PCRで増幅することにより作製した。
pcDNA3.1ベクター(Invitrogen社)のNheI/EcoRI部位にHA タグの配列を挿入することにより、HAタグpcDNA3.1ベクターを構築した。正常ヒト腎臓組織のtotal RNA(Invitrogen社)から逆転写酵素反応で得られた cDNA を鋳型として、14-3-3 ファミリー遺伝子をPCR反応でそれぞれ増幅した。増幅した遺伝子断片をHAタグpcDNA3.1ベクターに挿入した。PCR反応で増幅したGST遺伝子をpCMV-Tag 2BベクターのEcoRI-XhoI部位に挿入して、FLAG-GST発現ベクターを構築した。
トランスフェクション、免疫沈降およびウエスタンブロッテイング
293T細胞への哺乳動物細胞発現プラスミドの導入はTransfectin Lipid Reagent (Bio-Rad社)を用いて取扱説明書に従って行った。マウスNIH3T3細胞への哺乳動物細胞発現プラスミドの導入はPolyfect Reagent (QIAGEN社)を用いて取扱説明書に従って行った。pCMV-Tag 2B/Kank3発現プラスミドのMCF7細胞への導入はGENE PULSER II (Bio-Rad社)を用いた電気穿孔法によって行った。
細胞抽出液は以下のように行った。細胞を回収しリン酸緩衝塩 (PBS)で1回洗浄後、溶解緩衝液(50mM トリス塩酸(pH8.0)、140mM塩化ナトリウム、1% Triton X-100、10%グルセロール、1mMEGTA、1.5mM塩化マグネシウム、1mMバナジウム酸ナトリウム、50mMフッ化ナトリウム、Protease Inhibitor cocktail (Sigma社))を用いて4℃1時間、回転させながら溶解した。更にその溶解液を4℃で15分間遠心分離し、上清を細胞抽出液とした。この細胞抽出液を次の実験に用いた。
免疫沈降法は以下のように行った。細胞抽出液と抗FLAG M2アガロースアフィニティーゲル(Sigma社)を混合し、4℃で1時間、回転させながら反応させた。ゲルを遠心分離で回収し、洗浄緩衝液(50mMトリス塩酸(pH8.0)、140mM塩化ナトリウム、1% Triton X-100、10%グリセロール)で洗浄した。目的のタンパク質は25μgのFLAGペプチド(Sigma社)で溶出し、これを免疫沈降物とした。
ウエスタンブロッティングは以下のように行った。細胞抽出液および免疫沈降物はSDSポリアクリルアミド電気泳動法で分離し、イモビロン-P(Millipore社)に転写した。転写したフィルターは5%スキムミルク(和光純薬工業株式会社)でブロッキングし、図に示した抗体で一晩処理後、1%Tween20/PBSで3回洗浄し、HRP結合抗マウス抗体またはHRP結合抗ウサギ抗体(Cell Signaling社)で処理した。タンパク質の検出にはECL試薬(Amersham Bioscience社)を用いた。抗HAモノクローナル抗体はロシュダイアグノスティックス社より購入した。抗FLAG M2モノクローナル抗体はSigma社より購入した。
免疫蛍光染色
カバーガラス上で培養したNIH3T3細胞に哺乳動物発現プラスミドを一過性に発現させた。プラスミド導入24時間後、細胞を3.7%ホルマリン/PBS を用いて4℃で1時間固定し、0.2% Triton X-100/PBSで10分処理した。細胞を5%ヤギ血清でブロッキング後、抗FLAG M2抗体(Sigma社)で1時間処理した。PBSで洗浄後、FLAG融合タンパク質の検出用にFITCラベルしたヤギ抗マウスIgG抗体(Molecular Probes社)およびアクチン繊維の検出用にRhodamineラベルしたファロイジン(Sigma社)で共染色した。PBSで洗浄後、90%グリセロールで封入し、蛍光顕微鏡(Axioskop、Zeiss社)で観察した。
Kank3遺伝子を導入されたMCF-7細胞はPoly-L-Lysine (Sigma社)でコーティングされたカバーガラスの上で培養した後、3.7%ホルマリン/PBS を用いて4℃で1時間固定し、0.2% Triton X-100/PBSで10分間処理した。細胞を5%ヤギ血清でブロッキング後、抗Kank3抗体で1時間処理した。PBSで洗浄後、FITCラベルしたヤギ抗ウサギIgG抗体(Molecular Probes社)で染色した。PBSで洗浄後、90%グリセロールで封入し、蛍光顕微鏡(Axioskop、Zeiss)で観察した。
結果
Kank3遺伝子およびタンパク質の系統、構造および配列
図1aにヒト、ラット、マウスのKank3遺伝子(それぞれ、Hs Kank3、Rn Kank3、及び、Mm Kank3) とKank遺伝子(それぞれ、Hs Kank、Rn Kank、及び、Mm Kank)、及び、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)と線虫(Caenorhabditis elegans) のKank相同遺伝子の関係を示す系統樹を示す。GenBankデータベースにおけるKank3遺伝子のAccession No.は、それぞれ、ヒト(Hs Kank3:NM 198471)、ラット(Rn Kank3:RGD1308853)、マウス (Mm Kank3:NM 030697)である。数字は遺伝子間の相同性の確率を示す。
図1bにKank3 タンパク質(821アミノ酸残基)の構造を示す。図中Coiled-coilドメインとアンキリン様繰り返し配列(Ankyrin-repeat)を示した。
図2aおよび図2bにKank3遺伝子cDNAの塩基配列およびアミノ酸配列を示す。Genbankデータベースにおける、ヒトのKank3遺伝子のUniGene 名はHomo sapiens ankyrin repeat domain 47 (ANKRD47)である。19番染色体(19p13.2)に位置する。翻訳開始コドンと翻訳停止コドンを下線で示した。枠線はRT-PCR (Reverse transcription-polymerase chain reaction)を行うときに用いたプライマー配列を示した。
RT-PCR法によるヒト組織および癌細胞におけるKank3遺伝子の発現の解析
図3aにヒトの脳(brain)、乳腺(breast)、子宮頚部(cervix)、結腸(colon)、心臓(heart)、腎臓(kidney)、肝臓(liver)、肺(lung)、骨格筋(skeletal muscle)、胃(stomach) における発現をRT-PCRにより解析した結果を示す。HPRTは、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(hypoxanthine phosphoribosyltransferase)を示す。
図3bに正常ヒト腎臓(normal kidney及びfetal kidney)、ヒト腎癌組織(tumor kidney)、ヒト胎性腎組織由来細胞(HEK293T)及びヒト腎癌細胞における発現をRT-PCRにより解析した結果を示す。図3aに示すように、心臓、腎臓、肺および骨格筋に比較的高い発現が観察された。正常腎臓組織(normal kidney及びfetal kidney)および腎癌細胞系(TUHR14TKB)において、比較的に高い発現が観察された。
ヒト乳癌由来細胞系MCF-7にKank3遺伝子を強制発現によるKank3タンパク質の発現の解析
MCF-7 細胞に強制発現させたKank3タンパク質を、抗Kank3抗体を用いた免疫染色法により発現を解析した。図4に示すように、Kank3抗体を用いて強制発現させたKank3タンパク質の存在を確認できた。
Kank3タンパク質と14-3-3タンパク質ファミリーとの結合
FLAG-Kank3遺伝子とHA-14-3-3beta、gamma、epsilon、zeta、eta、theta、sigma遺伝子それぞれ共発現させた293T細胞の細胞溶出液を用いて、FLAG agarose resinで免疫沈降し、その産物を抗FLAG抗体あるいは抗HA抗体を用いてウエスタンブロット法により解析した結果を示す。コントロールには、FALGタグベクターとHAタグベクターと共発現させた細胞(VFLAG/VHA)、及び、HAタグベクターとFLAG-Kank3遺伝子と共発現させた細胞(Kank3/ VHA)を用いた。IPは免疫沈降を、WBはウエスタンブロッテイングを、FLAGはFLAGタグを、HAはHAタグを示す。図5に示すように、Kank3は14-3-3ファミリー中のgamma, epsilon, eta, thetaと結合することが観察された。
Kank3タンパク質および点突然変異を含むタンパク質と14-3-3タンパク質ファミリーとの結合
FLAG-Kank3遺伝子および点突然変異を含むFLAG-Kank3遺伝子をそれぞれHA-14-3-3theta遺伝子と共発現させた293T細胞の細胞溶出液を用いて、FLAG agarose resinで免疫沈降し、その産物をFLAG抗体あるいはHA抗体でウエスタンブロッテイングした後の結果を示す。コントロールには、FALGタグベクターとHAタグベクターと共発現させた細胞(VTag2B/VHA)、及び、FALGタグベクターと14-3-3theta遺伝子と共発現させた細胞(VTag2B/ 14-3-3theta)を用いた。図6に示すように、Kank3タンパク質アミノ酸の31番目のセリン(Serine)をアラニン(Alanine)に置換することによって、Kank3 タンパク質と14-3-3タンパク質の結合が阻害された。
Kank3タンパク質および点突然変異を含むタンパク質の発現によるアクチン繊維形成への影響
コントロールベクター(FLAG-GST)、FLAG-Kank3遺伝子及び点突然変異を含むFLAG-Kank3 遺伝子をそれぞれNIH3T3 細胞にトランスフェクションした後、マウス由来の抗FLAG抗体で反応させ、FITCで標識されたヤギ由来の抗マウスIgGの2次抗体によりFLAGタグを検出した(図7)。2次抗体染色と同時にRhodaminで標識されたPhalloidin色素でアクチン繊維を染めた。矢印はコントロールベクター、Kank3遺伝子或いは点突然変異を含むKank3遺伝子を発現している細胞を示す。図7に示すように、Kank3遺伝子の強制発現により、アクチン繊維が消失したことが観察された。一方で、点突然変異を含むKank3遺伝子の強制発現により、アクチン繊維の形成に影響がなかった。
配列番号3〜6:プライマー
Kank3遺伝子の系統樹(図1a)およびKank3タンパク質の模式図(図1b)を示す図である。 Kank3遺伝子cDNAの塩基配列を示す図である。 Kank3タンパク質のアミノ酸配列を示す図である。 RT-PCR法によるヒトの組織および癌細胞におけるKank3遺伝子の発現の解析の結果を示す図である。 ヒト乳癌由来細胞系MCF-7にKank3遺伝子を強制発現したことによるKank3タンパク質の局在を示す図である。 Kank3タンパク質と14-3-3タンパク質ファミリーとの結合を示す図である。 Kank3タンパク質および点突然変異を含むタンパク質と14-3-3タンパク質ファミリーとの結合を示す図である。 Kank3タンパク質および点突然変異を含むタンパク質の発現によるアクチン繊維形成への影響を示す図である。

Claims (1)

  1. 以下の(a)または(b)のタンパク質を有効成分とするアクチン重合制御剤。
    (a) 配列番号2で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b) 配列番号2で表わされるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつアクチン繊維形成抑制作用を有するタンパク質
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