JP2009085685A - インスリン受容体αサブユニットの測定試薬 - Google Patents

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洋介 蛯名
Toshiyuki Obata
利之 小畑
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誠一 橋田
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Abstract

【課題】本発明は、抗原捕捉用のDNP化及びビオチン化した第一の抗IRαS抗体、抗原検出用の標識を有する第二の抗IRαS抗体、抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体、及びストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体を含む、IRαS測定試薬およびIRαS測定キットを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために、抗体の固相への捕捉効率を高めるために抗DNP基抗体またはストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを固相に共有結合させて、従来のICT-EIA測定法の感度をさらに増加させ、尿中の遊離IRαSのICT-EIA測定法のためのIRαS測定試薬に応用した。その結果、本発明者らは初めて尿中、唾液、涙中また乾燥ろ紙血中のIRαSの測定を可能とし、2型糖尿病尿中にはIRαSが対照被験者より有意に高値に存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗原捕捉用のDNP化及びビオチン化した第一の抗インスリン受容体αサブユニット抗体、抗原検出用の標識を有する第二の抗インスリン受容体αサブユニット抗体、抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体、及びストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体を含むインスリン受容体αサブユニット測定試薬に関する。また本発明は、インスリン受容体αサブユニット測定試薬を含む、インスリン受容体αサブユニット測定キットに関する。
日本国における糖尿病患者は前病者も含め1,620万人と推定され、その数は増加の一途をたどると予想されている。従って前糖尿病者の発症を防ぎ、糖尿病予備軍を増加させないことが急務である。そのためには、前糖尿病者を抽出し、現状を認識させ生活を変容させることが必須である。しかし、これらの抽出や認識・変容は、前病者が検診に参加することにより初めて可能となる。一般に糖尿病患者は身体的症状が出るまで診療を受けない傾向にある。そこで、本発明者らは、非観血的検査法による前病者の積極的な参加を促す糖尿病予防の新戦略を提唱している。つまり、家庭で自ら採取し提供できる尿や乾燥ろ紙血を試料として、糖尿病リスクのプロファイリングを行い、現状を認識させ、さらに、その後の生活指導による糖尿病リスク軽減の評価を行うということである。本発明者らは、このために独自の超高感度測定法も開発しており、すでに数種の糖尿病リスクマーカーの尿や乾燥ろ紙血での検出を可能としている。
インスリン受容体は、インスリン結合部位であるαサブユニットとチロシンキナーゼドメインを持つβサブユニットからなり、S-S 結合でα2β2 となり、1つのレセプターを形成している。Pezzinoらにより、遊離のインスリン受容体が健常者の血清中に存在することが報告された(非特許文献1)。また、その後の報告などで、血中にインスリン受容体が存在することが認められる様になって来たが、詳しい臨床的検討は行われなかった(非特許文献2、3)。Kanezakiらは、精製したインスリン受容体αサブユニット(以下、IRαSとも記載する)投与により、マウスの血糖値が上昇すること報告した(非特許文献4)。さらに、Schaeferらは、血中にIRαSを遊離させるトランスジェニックマウスは、慢性的な高血糖になることを報告した(非特許文献5)。これらの報告より、血中遊離IRαSと糖尿病との関連が示唆される様になって来た。そこで、蛯名らは、血清中遊離IRαSを定量するELISA 系をMBL 社と共同で確立し(特許文献1)、ヒト血清中における遊離IRαSの存在とその病態との関連に関して検討した。その結果、遊離IRαSのヒト血中での存在を明らかにするとともに、1型、2型糖尿病血中には対照被験者より有意に高値に存在することを見つけた。また、血糖値とも良く相関していた(非特許文献6)。そして、これらの結果の背景の上に“ヒト血清中には微量の遊離IRαSが存在し、その量が糖尿病発症と関連する可能性がある。”と仮説をたてた。
1959年ラジオイムノアッセイ(RIA)が開発されて以来、ホルモンの測定は主として競合法RIAにより行われてきた。しかし、競合法RIAの感度はfemtomole (fmol: 1x10-15 mol)レベルであり、全てのホルモンの濃度が測定できたわけではなかった。その大きな原因は、1)測定システムに競合法を用いていた事、2)標識に検出感度の低いラジオアイソトープ(RI)(10 amol前後の検出感度)を用いていた事であった。そこで、本発明者らは、80年代の初めから、非競合法(サンドイッチ)エンザイムイムノアッセイ (EIA)の高感度化に取り組み、その後、多くの高分子抗原のattomole (amol: 1x10-18 mol)レベルの測定を可能とした(非特許文献7、8)。これは、1)測定システムに非競合法を用いた事、2)標識に検出感度の高い酵素(0.002-0.5 amolの検出感度)を用い、蛍光法により測定した事、3)抗体Fab’のヒンジ部のチオール基を選択的に用いる新しい酵素標識法を開発した事によるものであった。
このように非競合法EIAにより、多くの高分子生理活性物質のamol レベルの測定が可能となったが、尿中に微量に排出される高分子生理活性物質を検出するためには更なる高感度測定法の開発が必要であった。一般に高感度化するためには、大きく分けると2つの方法がとられる。1つは特異シグナルを増やすことであり、もう一つは非特異吸着(バックグランド)を下げることである。前者のために、1)標識抗体の濃度を高くする、2)シグナルを増幅するなどの方法が行われて来たが、特異シグナルの増加とともに非特異シグナルも多くなるため、感度の上昇はほとんど見られなかった。そこで、本発明者らは、この高感度化の妨げとなっていた酵素標識抗体の固相への非特異吸着を、新しく開発した方法(免疫複合体転移酵素免疫測定法:ICT-EIA;特許文献2)により格段に低下させ、超高感度測定を可能とした(非特許文献9)。その結果、多くの高分子生理活性物質のamol レベル以下(zmol)の測定が可能となった(非特許文献10)。
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
WO 2004/097414 特許登録第2606722号 Pezzino V, et al., J Clin Endocrinol Metab 74:1116-1121, 1992. Papa V, et al., Endocrinology 133:1369-1376, 1993 Berhanu P and Olefsky JM, Diabetes 31:410-417, 1982 Kanezaki Y, et al., Biochem Biophys Res Commun 309:572?577, 2003 Schaefer EM, et al., Diabetes 43:143-153, 1994 Obata T, et al., Diabetes 56:2028-2035, 2007 Ishikawa E, et al., J Immunoassay 4 : 209-327,1983 石川 栄治 著:超高感度酵素免疫測定法、学会出版センター、東京、1993. Hashida S and Ishikawa E, J Biochem 108 : 960-964, 1990 Hashida S, et al., Biotechnology Annual Review Volume 1,(1995) pp403-451, Elsevier Science Publishers B.V., Amsterdam
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、抗原捕捉用のDNP化及びビオチン化した第一の抗IRαS抗体、抗原検出用の標識を有する第二の抗IRαS抗体、抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体、及びストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体を含む、IRαS測定試薬を提供することにある。
さらに、IRαS測定試薬を含む、IRαS測定キットの提供についても課題とする。
抗原の高感度測定のためには、1)非競合法を用いること、2)検出感度の高い標識体を用いること、3)親和性の高い抗体や純度の高い抗体を用いることが重要である。本発明者らは30年に渡り、2点結合免疫測定法が、競合法RIA より遥かに高感度である事を多くの抗原で立証して来た。その結果、多くの抗原の測定法に2点結合免疫測定法が用いられるようになり、amolレベルの測定が可能となった。しかし、さらに高感度化を試みる場合、一般的には標識抗体の濃度を増やし、シグナルを高くするが、同時に測定系のバックグラウンドも高くなるため、S/N比はかわらず、高感度化には至らない。そこで、標識抗体の非特異結合を少なくするため、免疫複合体転移法(ICT-EIA)が開発された(特許登録第2606722号)。この測定法は、バックグラウンドとなり高感度化の妨げとなっていた非特異結合標識抗体を第1の固相に残したまま、特異的な免疫複合体だけを第2の固相に転移することにより、バックグラウンドを格段に低下させ、高感度測定を可能とする。その結果、高分子抗原では超高感度測定が可能となり、zmol (1x10-21 mol; 600 分子)の検出を可能とした。
一方、早朝第一尿は夜間に生体内で起こっている生理的現象を推察するには良い材料である。特に、食事や運動に左右されないため、インスリン抵抗性リスクの診断には有効である。しかし、尿中には高分子物質はほとんど排泄されず、わずかに漏れ出ているだけである。そのため、従来のELISAでは検出感度が足りず、ほとんどの高分子抗原の尿中測定は不可能であった。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、遊離IRαSのICT-EIA測定法のためのIRαS測定試薬を開発した。
まず、抗体の固相への捕捉効率を高めるために抗DNP基抗体またはストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを固相に共有結合させて、従来のICT-EIA測定法の感度をさらに増加させ、尿中ヒト遊離インスリン受容体α-サブユニット(以下、hIRαSとも記載する)の測定に応用した。また、hIRαSの存在を高感度で検出するために、S/N比が高い検出用抗体及び捕捉用抗体の組み合わせについて、選別を行った。
その結果、尿中hIRαの存在が初めて明らかになったばかりか、抽出や濃縮の操作なしに直接測定が可能となった。さらに、尿中だけでなく唾液、涙中また乾燥ろ紙血中にもhIRαSが存在することが明らかとなった。
また、ゲル濾過カラムでは、尿中に漏れ出てくるhIRαSは標準や血中のhIRαSと同じ分子量の位置に溶出され、尿中hIRαSが血中と同じ分子で漏れ出ることが推察された。さらに、尿中hIRαSは血中hIRαSと相関(r=0.47, p<0.05)するため、尿中hIRαSを測定すれば血中hIRαS濃度の変化を推察できる可能性が示された。そして実際に、尿中には、血中のおおよそ1/600程度のhIRαSが漏れ出ており、糖尿病患者の尿中hIRαS濃度は、非糖尿病者に比べ有意に高値であることを示した。この結果、尿中のhIRαSを測定することにより、インスリン抵抗性や糖尿病リスクが推察できる可能性が示された。
即ち、本発明者らは初めて尿中、唾液、涙中また乾燥ろ紙血中のIRαSの測定を可能とし、さらに血中と同様に2型糖尿病尿中にはIRαSが対照被験者より有意に高値に存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、より具体的には以下の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕次の(a)〜(d)を含むインスリン受容体αサブユニット測定試薬:
(a)抗原捕捉用の、DNP化及びビオチン化した第一の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
(b)抗原検出用の標識を有する第二の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
(c)抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体;及び
(d)ストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体。
〔2〕抗原捕捉用の抗IRαS抗体がクローン83−7、及び抗原検出用の抗インスリン受容体αサブユニット抗体がクローン5D9である〔1〕記載のインスリン受容体αサブユニット測定試薬。
〔3〕上記の不溶化固相担体が合成化合物ビーズである〔1〕又は〔2〕記載のインスリン受容体αサブユニット測定試薬。
〔4〕次の(a)〜(e)を含むインスリン受容体αサブユニット測定キット:
(a)抗原捕捉用の、DNP化及びビオチン化した第一の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
(b)抗原検出用の標識を有する第二の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
(c)抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体;
(d)ストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体;及び
(e)検体を採取し輸送するための用具。
〔5〕検体が尿または血液であり、かつ上記用具がろ紙である〔4〕記載のインスリン受容体αサブユニット測定キット。
〔6〕検体が尿または血液であり、かつ上記用具がBSAとNaN3とを保有する容器である〔4〕記載のインスリン受容体αサブユニット測定キット。
あるいは、本発明は、被験者における糖尿病を診断するための、インスリン受容体αサブユニット測定試薬の使用に関する。また本発明は、被験者における癌を診断するための、インスリン受容体αサブユニット測定試薬の使用に関する。
本発明の試薬により、尿中、唾液中、涙中また乾燥ろ紙血中のIRαSを測定することが可能となった。これらの検体は苦痛を伴わず簡便に採取可能であるため、対象者の積極的な検診への参加が期待できる。そのため、本発明の試薬を用いたhIRαS超高感度ICT-EIA法は、糖尿病またはがんの診断のみならず、発病前の糖尿病リスクの判定や生活指導後の糖尿病リスクの軽減を評価する上で有用である。
本発明者らは、抗体の固相への捕捉効率を高めるために抗DNP基抗体またはストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを固相に共有結合させること、高いS/N比が得られる検出用抗体及び捕捉用抗体の組み合わせを選別することにより、従来の方法より感度を増大させたICT-EIA測定法を、IRαSの測定に応用し、尿、唾液、および涙中のIRαSを検出することに初めて成功した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明は、IRαS測定試薬に関する。
本発明において、「遊離」とは、当該分子が尿、唾液、涙等の体液中に分散して存在していることを言う。通常インスリンレセプターは、細胞膜表面に局在するタンパク質である。更に、インスリンレセプターは、骨格筋、脂肪組織、肝臓、脳などに多く発現していることが明らかにされている。一方、リンパ球などの血液細胞では、インスリンレセプターの顕著な発現は見られない。しかしながら、本発明者らは、血中に存在するIRαSは、IRαSを認識する抗体との結合を利用して測定する方法を明らかにした(WO 2004/097414)。
一方、尿中には高分子物質はほとんど排泄されず、わずかに漏出しているだけである。そのため、従来のELISAでは検出感度が足りず、IRαSを含むほとんどの高分子抗原の尿中測定は不可能であった。また、IRαSが微量に存在すると考えられる唾液、涙中や乾燥ろ紙血中などからも従来のELISAではIRαSを検出することは困難であった。
本発明において、検体中に存在するIRαSは、本発明の試薬を用いることによって測定することができる。本発明において、IRαSの量は、試料中の濃度として測定することができる。試料の単位体積あたりの量が濃度であることはいうまでも無い。
本発明の試薬は、次の(a)〜(d)を含む。
(a)抗原捕捉用の、DNP化及びビオチン化した第一の抗IRαS抗体;
(b)抗原検出用の標識を有する第二の抗IRαS抗体;
(c)抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体;及び
(d)ストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体。
本発明に用いるIRαSを認識する抗体は、公知の方法によって得ることができる。たとえばインスリンレセプターの組み換え体を免疫原として、本発明に必要な抗体を得ることができる。本発明者らは、IRαSアミノ酸配列をコードするcDNAの利用により、IRαSを細胞外に分泌させることができることを明らかにしている(WO 2004/097414)。このようにして得ることができる分泌型のポリペプチド、あるいはその断片等も本発明の抗体を得るための免疫原に利用することができる。
こうして得られた免疫原を、適当なアジュバントと混合して免疫動物に免疫する。アジュバントには、フロイントコンプリートアジュバント(FCA)、あるいはインコンプリートアジュバント等が公知である。免疫操作は、抗体価の上昇が確認されるまで適当な間隔で繰り返される。本発明における免疫動物は特に限定されない。具体的には、マウス、ラット、あるいはウサギなどの一般的な免疫動物を利用することができる。
抗体をモノクローナル抗体として得る場合には、その産生に有利なものを利用すれば良い。たとえばマウスでは、細胞融合用の骨髄腫細胞株が多く知られているうえに高い確率でハイブリドーマを樹立可能な技術が既に確立されている。したがってマウスは、望ましい免疫動物のひとつである。
更に、免疫処理はin vivoに限定されない。培養した免疫担当細胞をインビトロで免疫感作する方法を採用することもできる。これらの方法によって得られた抗体産生細胞を、形質転換させクローニングを行う。モノクローナル抗体を得るために抗体産生細胞を形質転換する方法は、細胞融合に限定されない。たとえば、ウイルスの感染によってクローニング可能な形質転換体を得る方法が知られている。
本発明に用いるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、各種の抗原に対する反応性に基づいてスクリーニングすることができる。具体的には、まず、免疫原として用いたIRαSやそのドメインペプチドに対する結合活性を指標に抗体産生細胞を選ぶ。スクリーニングで選び出されたポジティブクローンは、必要に応じてサブクローニングされる。
樹立したハイブリドーマを適当な条件の下で培養し、産生される抗体を回収すれば本発明に用いるモノクローナル抗体を得ることができる。ハイブリドーマは、ホモハイブリドーマの場合には同系の動物の腹腔に接種して生体内培養が可能である。この場合、モノクローナル抗体は腹水として回収される。ヘテロハイブリドーマの場合にはヌードマウスを宿主として生体内培養が可能である。
生体内培養のみならず、適当な培養環境を与えて生体外で培養することも一般に行われている。たとえばRPMI1640やDMEM等の基礎培地がハイブリドーマの培地として一般に利用されている。これらの培地には、抗体産生能を高く維持するために動物血清等の添加剤を加えることができる。生体外でハイブリドーマを培養する場合には、モノクローナル抗体は培養上清として回収することができる。培養上清は、培養終了時に細胞から分離することにより回収することもできるし、あるいはホローファイバーを応用した培養装置においては、培養を継続しながら連続的に回収することも可能である。
腹水や培養上清として回収したモノクローナル抗体は、飽和硫安塩析によりそのイムノグロブリン分画を分取し、更にゲルろ過やイオン交換クロマトグラフィー等の精製工程を経て本発明に用いるモノクローナル抗体とする。この他にモノクローナル抗体がIgGであれば、プロテインAカラムやプロテインGカラムによるアフィニティクロマトグラフィーに基づく精製方法が有効である。
一方、本発明に用いる抗体をポリクローナル抗体として得るには、免疫後に抗体価の上昇した個体から採血し、その血清を分離することにより抗血清を得ることができる。抗血清から公知の方法でイムノグロブリンを精製し、本発明に用いる抗体とすることができる。イムノグロブリンの精製において、IRαSをリガンドとするイムノアフィニティクロマトグラフィーを組み合わせれば、IRαS特異抗体とすることができる。
また、以下に示す市販の抗体を組み合わせて本発明の測定に用いることができる。例えば、モノクローナル抗体としては、抗ヒトインスリンレセプターアルファサブユニット(Neomarker MS632)(LabVision社)、抗ヒトインスリンレセプターアルファサブユニット(IM0365)(イムノテック社)、MAB1138(ケミコン社)などが挙げられる。ポリクローナル抗体としては、抗ヒトインスリンレセプターアルファサブユニット(ウサギ)H-78(サンタクルーズ社)、抗ヒトインスリンレセプターアルファサブユニット Ab-2(クローン83-7)(LAB VISION Corp.(CA、 USA))、抗ヒトインスリンレセプターアルファサブユニット(クローン5D9)(DAVID 0. MORGAN et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 83, pp. 328-332, 1986、MBL社)などを用いることができる。
本発明の試薬には、抗原捕捉用の標識を有する第一の抗IRαS抗体、および抗原検出用の標識を有する第二の抗IRαS抗体とが含まれるが、第一の抗IRαS抗体及び第二の抗IRαS抗体の組み合わせは特に限定されない。第一の抗IRαS抗体と第二の抗IRαS抗体とは同じ抗原決定基(エピトープ)を認識する抗体であってもよいし、別々のエピトープを認識する抗体であってもよい。本発明の抗体の組み合わせとして好ましくは、抗体検出のS/N比(Signal to Noise ratio)が、5〜100、好ましくは5〜50、最も好ましくは8〜50であることが好ましい。
このような抗体の組み合わせとしては、クローン83−7とクローン5D9が挙げられ、好ましくは抗原捕捉用の抗体としてクローン83−7、抗原検出用の抗体としてクローン5D9となる組み合わせを挙げることができる。
IRαSに対する抗体が、IRαSと接触すると、抗体は、抗原抗体反応によって当該抗体が認識するエピトープに結合する。抗原に対する抗体の結合は、各種のイムノアッセイの原理によって検出することができる。本発明のIRαSの測定試薬を用いたIRαSの測定方法について、以下具体的に述べる。
まず、本発明の測定試薬を用いるIRαSの測定方法の第一の工程として、検体中のIRαSと、抗体捕捉用の標識を有する第一の抗IRαS抗体との複合体を形成させた後、この複合体を不溶化固相担体に結合させる工程が挙げられる。ここで、(1)抗体捕捉用の標識を有する第一の抗IRαS抗体には2種以上の抗体捕捉用標識が結合しており、該抗体はIRαSと結合することができ、(2)不溶化固相担体には抗体捕捉用標識と結合できる結合パートナーが結合しており、この結合パートナーは該抗体に結合した抗体捕捉用標識と結合することで前記複合体を不溶化固相に捕捉することができる。
本発明のIRαSの測定試薬を用いるIRαSの測定方法の第二の工程として、複合体が結合した担体を洗浄した後、不溶化固相担体から前記複合体を解離させる工程が挙げられる。
さらに、第三の工程として、この複合体を他の不溶化固相担体に結合させた後、この担体を洗浄する工程が挙げられる。ここで、該担体は該複合体に結合することができる結合パートナーを有する。
第四の工程として、前記第三の工程で不溶化固相担体に結合した複合体を測定する工程が挙げられる。
抗体の固相への結合方法としては、抗体捕捉用の結合性リガンドで標識された第一の抗IRαS抗体を、当該リガンドの結合パートナーで捕捉することによって固相に結合することにより行なう。該抗体には2種以上の抗体捕捉用標識が結合している。結合性リガンドとその結合パートナーの組み合わせとしては、ジニトロフェニル基(DNP)、トリニトロフェニル(TNP)基等のハプテンとこれらに対する抗体、アビジンとビオチン、−S−S−結合を介した抗原、または抗体と、対応する抗体または抗原などを示すことができる。本発明の抗体捕捉用の標識を有する抗体として最も好ましくは、DNP及びビオチンにより標識された抗体が挙げられる。
固相としては、ビーズ、容器内壁、微粒子、多孔質担体、あるいは磁性粒子などが用いられる。これらの固相は、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルトルエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリメタクリレート、ラテックス、ゼラチン、アガロース、ガラス、金属、あるいはセラミック等の素材を利用して成型されたものを利用できる。本発明で用いる固相として、好ましくは、合成化合物ビーズ、最も好ましくはポリスチレンビーズを挙げることができる。これらの固相素材の表面に、抗体等を化学的に結合するための官能基を導入した固相素材も知られている。
本発明における、抗体捕捉用標識に対する結合パートナーと固相との結合として、好ましくは該結合パートナーと固相との間に共有結合をさせる方法が挙げられる。このような不溶化固相担体としては、ポリスチレンビーズと抗DNP IgG、またはポリスチレンビーズとビオチン化-BSAを不溶化させた固相が挙げられる。該不溶化固相担体は、ポリスチレンビーズをグルタルアルデヒドで処理し、上述の抗DNP IgGまたはビオチン化-BSAをそれぞれ結合させることにより調製することができる。難容性や不溶性の試料を用いる場合には、試料を可溶化するために界面活性剤を用いることが多く、捕捉用ビーズには共有結合を用いることが好ましい。
上記第一の工程において、(i)検体中のIRαSと、抗体捕捉用の標識を有する第一の抗IRαS抗体との複合体を形成させる工程と、(ii)複合体と不溶化固相担体とを結合させる工程の順序は特に限定されない。上記(i)の工程は、上記(ii)の工程と同時に行なってもよいし、(i)の工程の後に(ii)の工程を行なってもよい。
上記第二の工程において、洗浄は担体を用いる免疫学的測定に通常用いられる条件が採用される。また、複合体の解離は、複合体を分解させずに行う事が好ましい。複合体と担体との結合が抗原抗体反応による時、該抗原抗体反応の結合定数を複合体形成の結合定数より小さくする事により、酸、アルカリ、高濃度無機塩等で複合体を解離する事が出来る。
複合体を分解させずに担体より解離するより好ましい方法は、複合体と担体との結合に関与する抗体捕捉用標識と同一反応部位を有する物質を加える事である。例えば、抗体捕捉用標識がDNPの時には、DNPアミノ酸(例:DNPリジン)、官能基がビオチンの時はビオチン、−S−S−を介して結合した抗原、抗体、ハプテン又はビオチン等の時は−S−S−を切断する試薬が用いられる。
また、第三の工程においては、第一の工程で用いた不溶化固相担体とは別の不溶化固相担体を用いて、IRαS−抗体捕捉用抗IRαS抗体複合体を捕捉する。該複合体と不溶化固相担体との結合、洗浄の条件は第一および第二の工程と同様に行なうことができる。
第四の工程においては、抗原検出用の標識を有する第二の抗IRαS抗体が用いられる。該第二の抗体は、上記第一の工程において、抗体捕捉用の第一の抗IRαS抗体と同時、またはIRαS−抗体捕捉用抗IRαS抗体複合体を不溶化固相担体に結合させた後に添加し、IRαSとの複合体を形成させることができる。
このようなイムノアッセイは、測定対象抗原を抗体で挟むことからサンドイッチ法と呼ばれている。サンドイッチ法は、測定感度や再現性に優れるため、本発明における好ましい測定原理の1つである。
標識成分としては放射性同位元素、蛍光物質、発光物質、酵素活性物質、肉眼的に観察可能な物質、あるいは磁気的に観察可能な物質などが用いられる。これらの標識物質の具体例を以下に示す。
酵素活性物質としては、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素酵素、あるいはアミラーゼ等が挙げられる。
蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシアネート、あるいはフルオレセインジクロロトリアジン等が挙げられる。
放射性同位元素:トリチウム、125I、あるいは181I等が挙げられる。
中でも酵素のような非放射標識は、安全性、操作性、感度等の点で有利な標識のひとつである。酵素標識と抗体、あるいはIRαSとは、過ヨウ素酸法やマレイミド法等の公知の方法により結合することができる。
また、競合型測定を応用する場合は、抗体捕捉用の標識として抗原と抗体を用いる。すなわち、抗体に対する既知濃度のIRαSの結合を、試料中のIRαSが競合的に阻害する現象に基づくイムノアッセイである。既知濃度のIRαSを検出用の標識を結合させておき、抗体に抗体捕捉用の標識を結合させ、複合体を形成後、第一の工程で抗体捕捉用標識との標識結合パートナーにより担体に結合し、第三の工程で抗体に対する抗抗体を結合した担体を用いることにより、標識を結合した抗原の担体への非特異結合を少なくし、第四の工程で担体上の複合体中の標識を測定する。抗体に反応した(またはしなかった)IRαSを測定すれば試料中のIRαS濃度を決定することができる。
既知濃度の抗原と試料中の抗原とを同時に抗体に反応させれば競合的な反応系が成立する。また試料中の抗原と抗体の反応後に既知濃度の抗原とを反応させれば、阻害的な反応系による分析が可能である。いずれの反応系においても、抗体、あるいは試薬成分として用いる既知濃度の抗原のいずれか一方を標識成分とし、他方を固相化試薬としておくことにより操作性に優れる反応系を構成することができる。
本発明のIRαSの測定試薬は、検体中のIRαSの測定に用いられる。本発明の検体は、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ウシ、イヌなどの哺乳動物等から採取することができる。本発明で用いられる検体としては、血液、尿、唾液、涙、脳脊髄液、リンパ液、精液、膣液、細胞(組織)培養液、培養(組織)細胞などを挙げることができるが、好ましくは尿、唾液、涙、乾燥ろ紙血、最も好ましくは尿を挙げることができる。
尿中にIRαSが遊離の状態で存在していることは、本発明者らによって明らかにされた新規な知見である。さらに、本発明者らは尿中には、血中の約600分の1のIRαSが漏出しており、糖尿病患者の尿中IRαS濃度は、非糖尿病患者と比較して有意に高値であることを明らかにした。したがって、尿中のIRαSは、糖尿病のリスクファクター、あるいは糖尿病の増悪因子として重要である。そして、生体における尿中の遊離のIRαSの測定は、被検者の糖尿病のリスクを評価するために有用な情報であると言える。
本発明に用いる尿試料としては、朝目覚めた直後の早朝第一尿であることが好ましい。早朝第一尿は、食事や運動に左右されないため、インスリン抵抗性リスクの診断には有効である。早朝第一尿は、当業者に公知の方法で被験者から採取することができる。
検体となる尿中には、BSAとNaN3を保存剤として添加することができる。上記保存剤として使用されるBSAは、検体中の最終濃度が0.05w/w〜0.5w/w、NaN3は検体中の最終濃度が0.05%〜0.5%となるように添加されることが好ましい。また、検体となる尿は、必要に応じて透析して用いることもできる。尿の透析は当業者に公知の方法により行なうことができる。
さらに、本発明の試薬により、検体中の微量のIRαSの測定が可能となった。本発明の試薬により生体中の0.04amol〜400amolの濃度のIRαSを測定できる。従って、本発明の試薬により、尿のみでなく、IRαSが微量にしか存在しない、唾液、涙等の検体中のIRαSを抽出や濃縮の操作なしに直接測定することが可能である。
また、さらに本発明の試薬は、乾燥ろ紙により採取した試料など、微量な試料中のIRαSの測定に用いることもできる。本発明で用いられる乾燥ろ紙は、市販の乾燥ろ紙を用いることができる。このような乾燥ろ紙を用いて血液を採取する場合、一般的に2μl〜5μlの血液試料が採取されるが、血液中のIRαSをELISA等従来の方法により検出する場合には、0.5 ml〜1.0 mlの血液試料が必要であることから、本発明により、より簡便に血液中のIRαSを測定することが可能となった。
本発明のIRαS測定試薬は、検体を採取し輸送するための用具、濃度を検定したIRαS標準、希釈や洗浄に用いられる緩衝液等と組み合わせたキットとすることができる。
検体を採取し輸送する用具としては、上記乾燥ろ紙の他、検体を保存するための容器を挙げることができる。
検体が尿である場合には、上記容器はBSAとNaN3を保存剤として保有することができる。上記保存剤として使用されるBSAは検体中の最終濃度が0.05w/w〜0.5w/w、NaN3は検体中の最終濃度が0.05%〜0.5%となるように保存容器中に添加されていることが好ましい。
本発明は、被験者における糖尿病を診断するための、IRαS測定試薬またはキットの使用に関する。また本発明は、被験者における癌を診断するための、IRαS測定試薬またはキットの使用に関する。
本発明は、糖尿病、あるいはがん患者のIRαS量が健常者と比較して有意に高いことに基づいている。インスリンレセプターは、インスリンに特異的に結合する糖タンパクで、分子量は約35〜40万と大きく、α2β2というサブユニット構造をとっている(α:分子量12〜13万,β:9万)。インスリンレセプターは、インスリン結合活性のみならずチロシン特異的プロテイン・キナーゼ活性を有しており、インスリンとの結合により活性化し、細胞内にシグナルを伝える。このためインスリンレセプターは、通常、筋肉などインスリンの標的組織の細胞膜上に局在する。骨格筋、脂肪組織、肝臓、脳などにインスリンレセプターが多く発現しているしていることが明らかになっている。しかしながら、尿、唾液、涙中には遊離のIRαSが存在するか否か不明であった。
本発明のIRαS測定試薬またはキットによる測定の結果は、対照と比較される。本発明において対照とは、たとえば健常者の生体試料の測定によって得られた遊離のインスリンレセプターの量を示すことができる。健常者とは、糖尿病あるいはがんでないことが明らかなヒトが含まれる。望ましくは、健常者とは、疾患を有していないことが明らかなヒトである。
また、本発明のIRαS測定試薬またはキットを用いて、 (1)成体から採取された検体中の遊離IRαSの濃度を測定し、(2)対照と比較することにより、糖尿病あるいはがんを検査することができる。対照との比較の結果、有意に測定値が高い場合に、被検者は、糖尿病あるいはがんを有する可能性が高いことが明らかにされる。
たとえば両者の比較の結果、健常者よりも遊離IRαSの量が高い場合には、被検者が糖尿病あるいはがんであると判定される。遊離IRαSの量の比較のためには、通常、たとえば健常者における前記遊離IRαSの量に基づいて、標準値が設定される。この標準値をもとに、一定の範囲が許容範囲とされる。一般に、標準値の±2S.D.〜±3S.D.が許容範囲とされる。本発明においては、対照と比較して測定値が高いことが指標となる。したがって、許容範囲として設定された値の最大値が、判定基準として利用されることになる。この判定基準として利用することができる値は、カットオフ値と呼ばれる。
一般に、マーカーとなる物質の測定値に基づいて、統計学的に標準値や許容範囲を設定する手法は公知である。被検者における遊離IRαSの量が許容範囲(カットオフ値)よりも高い値を示せば、その被検者は糖尿病あるいはがんであると予想される。また許容範囲内、あるいは許容範囲に満たない場合には、糖尿病あるいはがんの可能性は低いと予想される。
あるいは本発明に基づいて、被検者が糖尿病のリスクファクターを有するかどうかを予測することができる。実施例において示したように、検体中の遊離のIRαSの存在は、糖尿病のリスクファクターである。したがって、たとえ被検者が糖尿病を有していない場合であっても、対照と比較して検体中の遊離のIRαSの測定値が高い場合には、被検者は糖尿病のリスクファクターを有すると予測することができる。リスクファクターの予測は、本発明における糖尿病の診断に含まれる。
本発明のIRαS測定試薬またはキットを用いた診断方法においては、被験者の遊離IRαSの量が健常者よりも高い場合には、被検者はがんであると判定される。本発明において診断の対象となるがんの種類は限定されない。本発明の診断方法によってがんを有する可能性があると判定されたときには、臓器を問わず、なんらかのがんを有している可能性があることを示す。本発明におけるがんは、原発巣か転移巣かを問わない。また本発明におけるがんは、固形がんにも限定されない。しかし、好ましいがんとしては、固形がんを示すことができる。たとえば、肺、食道、すい臓、大腸、結腸、乳、肝、直腸、あるいは皮膚に生じるがんを、本発明によって診断することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
試薬と方法
[抗原]
標準hIRαはMBL社(名古屋)より供与された。リコンビナント・ヒト・インスリン受容体(α+β)はR&D Systems Inc.(MN, USA)より購入した。
[抗体]
モノクローナル抗hIRα抗体(Ab-1;Clone 5D9)はMBL社より、供与された。また、モノクローナル抗hIRα抗体(Ab-2;Clone 83-7)は LAB VISION Corp.(CA、 USA)より購入した。ウサギ抗2,4-ジニトロフェニル基(DNP)-牛血清アルブミン(BSA) 血清はシバヤギ社(群馬)より購入した。
[標識抗体の調製]
モノクローナル抗hIRαF(ab')2(Ab-1およびAb-2)を還元し得られたヒンジ部のSH基とマレイミド基を導入したβ-D-ガラクトシダーゼと反応させそれぞれ2種類の酵素標識抗体(検出用)コンジュゲートを調製した(Ishikawa E, et al., J Immunoassay 4 : 209-327,1983; 石川 栄治 著:超高感度酵素免疫測定法、学会出版センター、東京、1993.)。
また、モノクローナル抗hIRα F(ab')2(Ab-1およびAb-2)を還元し、マレイミド基を導入した2,4-DNP化-ビオチン化-BSAと反応させそれぞれ2種類の捕捉用標識抗体コンジュゲートを調製した(Ishikawa E, et al., J Immunoassay 4 : 209-327,1983; 石川 栄治 著:超高感度酵素免疫測定法、学会出版センター、東京、1993; Hashida S, et al., Clin Biochem 37: 14-21, 2004)。
[緩衝液]
0.1 M NaCl, 0.1% BSA, 1 mM MgCl2, 0.1% NaN3を含む0.01 M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を緩衝液Aとした。
[固相の調製]
アフィニティー精製した抗DNP-IgGまたはビオチン化-BSAは直径6.4mmのポリスチレンビーズ(イムノケミカル、岡山)と一夜室温で浸漬後、緩衝液Aで洗浄、4℃で保存する。ビオチン化-BSAを不溶化した固相はさらにストレプトアビジン溶液に一夜室温で浸漬後、緩衝液Aで洗浄、4℃で保存した(Hashida S, et al., Clin Biochem 37: 14-21, 2004)。
より具体的には、ポリスチレンビーズ(6.4 mm diameter, Immuno Beads, C-15(M))を1%グルタルアルデヒドPBS溶液に室温で2時間浸漬後、脱イオン水で洗浄、素早く抗DNP IgG(10μg/ml PBS溶液)に浸漬、室温、一昼夜静置後、緩衝液A(0.1%BSA、0.1M NaCl、および1%NaN3を含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0)でよく洗浄後、緩衝液A中にて4℃保存した。
アビジンビーズの調製については、ポリスチレンビーズの活性化は上記と同様、抗DNP IgGの代わりに、ビオチン化-BSA(30μg/ml PBS溶液)に浸漬、室温、一昼夜静置後、PBSでよく洗浄した。ビーズ上の水分をキムワイプで軽く取り除き、ストレプトアビジン(和光純薬、30μg/ml PBS溶液)に浸漬、室温、一昼夜静置後、緩衝液Aでよく洗浄後、緩衝液A中にて4℃保存した。
[ICT-EIA]
標準hIRαまたは希釈血清または透析尿 100μLに、酵素標識抗体及び捕捉用標識抗体を加え16時間4℃でインキュベーションした後、アフィニティー精製した抗DNP-IgGを不溶化したポリスチレンビーズ1個を加え0.5時間反応させた。ビーズを洗浄後、2mM DNP -L-リジンと0.5時間反応させビーズから免疫複合体を溶出後、ビーズを除去した。溶出液にストレプトアビジンを不溶化したポリスチレンビーズを加え0.5時間反応させた。 ビーズとの反応は全て室温で180回/分の振とう下に行った。再びビーズを洗浄後、ビーズ上に転移されたβ-D-ガラクトシダーゼ活性は蛍光基質(4MUG)を用いて測定した(Hashida S and Ishikawa E J Biochem 108 : 960-964, 1990; 石川 栄治 著:超高感度酵素免疫測定法、学会出版センター、東京、1993; Hashida S, et al., Clin Biochem 37: 14-21, 2004)。
[生体サンプル]
血液サンプルの採取:ヒト血液サンプルは、12時間絶食後採取、室温30分静置後、3,000rpm、10分遠心し血清を得た。血清は-30℃に保存した。
尿サンプルの採取と透析:12時間絶食後の早朝第一尿尿(10 mL)に1/50容量の5 % BSAおよび5 % NaN3を加え、透析まで4℃で保存した。6時間以内に尿は、0.1 M NaClを含む0.01 M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)に透析後、容量を測定し、希釈率を算出した。透析尿100μLは以降のICT-EIAによる測定に用いた。尚、尿中クレアチニン濃度は市販キット(クレアチニン-テストワコー、和光純薬、大阪)により測定した。
[カラム]
ヒト血清、尿はそれぞれ0.5 mL,また、希釈した標準hIRαおよびヒト・インスリン受容体はそれぞれ0.5 mLを、緩衝液Aで平衡化したSuperdex 200 (1.5x60cm)に添加し、溶出液は1.0 mLフラクションに分画した。それぞれ280nmの吸収を測定後、100μL をhIRαの測定に用いた。
ヒト尿中遊離インスリン受容体α-サブユニット(hIRα)の2点結合免疫複合体転移酵素免疫測定法 (Hetero 2-Site Immune Complex Transfer Enzyme Immunoassay; ICT-EIA、図1)
一般的なICT-EIA法は、文献を参考にした(Hashida S and Ishikawa E J Biochem 108 : 960-964, 1990; Hashida S, et al., Biotechnology Annual Review Volume 1,(1995) pp403-451, Elsevier Science Publishers B.V., Amsterdam)。
2種類のIRαを認識するモノクローナル抗体(Ab-1;Clone 5D9、MBL社、Ab-2;Clone 83-7, LAB VISION Corp., CA)を入手し、それぞれ捕捉用と検出用に標識し、hIRαの超高感度ICT-EIAを開発した。それぞれ組み合わせを検討した結果、Ab-1を検出用、Ab-2を捕捉用とした。
ヒト尿中遊離hIRαのICT-EIA:DNP化、ビオチン化BSA標識モノクローナル抗 hIRα Fab'(Ab-2)を捕捉用抗体に、ガラクトシダーゼ標識モノクローナル抗 hIRα Fab'(Ab-1)を検出用抗体として用いた。その結果、hIRα ICT-EIA法の測定感度は共に5 fg (0.04 amol)であった(図2)。100μLの尿を使用した場合、測定範囲は0.05〜500 pg/mLであった。この方法により、抽出・濃縮の操作なしに直接pg/mL濃度の尿中hIRα測定が可能となった。
さらに、このICT-EIA法により尿中だけでなく、唾液、涙中のIRαの測定が可能となったばかりか、乾燥ろ紙血中のhIRαも可能となった。その結果、糖尿病患者中の尿中hIRαは、非糖尿病対象者にくらべ、有意(p<0.001)に高値を示した。
[抗体の選択]
2種類の抗体からそれぞれ捕捉用、検出用コンジュゲートを調製し、それぞれ組み合わせを検討した結果、DNP化、ビオチン化BSA標識モノクローナル抗 IRα Fab'(Ab-2)を捕捉用抗体に、ガラクトシダーゼ標識モノクローナル抗 IRα Fab'(Ab-1)を検出用抗体として用いた(表1)。
Figure 2009085685
[測定感度]
hIRαICT-EIA法の測定感度は共に5 fg (0.04 amol)であった(図2)。100μLの透析尿を使用した場合、 測定範囲は0.05〜500 pg/mLであった。この方法により、抽出・濃縮の操作なしに直接pg/mL濃度の尿中IRα測定が可能となった。また、同じ抗体を用いたELISA比べ、測定感度は数百倍高感度であった(図3)。
[特異性]
hIRαICT-EIA はhIRαとヒト・インスリン受容体(α+β)と良く反応した。しかし、ヒト・インスリン受容体βとはほとんど反応しなかった(0.01%以下)(図4)。また、hIRαを還元し、チオール基をブロックするとほぼ30%に反応性が低下した(図4)。以上の結果から、hIRαのICT-EIAは2量体のインスリン受容体αを認識していることが示された。
[再現性]
ヒト透析尿(14.4〜200 pg/ml)を用い、添加回収試験、日差および同時再現性を検討した。100 μLを用いた場合の添加回収率は、92〜108 %と良好であった。日差、同時再現性は、それぞれヒトでは6.5〜9.5 % (n=10)、 2.8〜7.5% (n=10)と良好な結果を示した。
[尿中存在様式]
尿をSuperdex 200カラムに添加し、各分画の280nmの吸光度とhIRα濃度を測定した(図5)。その結果、尿中hIRαは標準や血中hIRαと同じ位置に溶出され、血中と同じ分子形態で尿中に排泄されていることが示された。
[尿中hIRαの安定性]
尿中hIRαの安定性を検討した(表2)。
Figure 2009085685
尿は添加剤を加えない場合でも、室温(25℃)で12時間までほとんど変化は認められなかった。さらに添加剤を加えると24時間まで変化は無かった。また、添加剤を加え透析すると、5回の凍結融解でも全く変化がみられなかった(表3)。
Figure 2009085685
これらの結果より、尿は採取後できるだけ速やかに添加剤(BSAとNaN3)を加え、4℃保存し、透析を行うこととした。
[尿中hIRα濃度]
血中と尿中hIRα濃度を比較した結果、両者の間には有意な相関が見られた(p<0.05、図6)。非糖尿病者(63名;20-27歳)の12時間絶食後の血清中および早朝第一尿中hIRα濃度は、0.0015±0.0013 (SD) pg/mg creatinine (範囲;0.0002〜0.0083 pg/ pg/mg creatinine)であった(図7)。また、糖尿病患者(17名;50-81歳)の尿中濃度は、0.011±0.012 (SD) pg/mg creatinine (範囲;0.0009〜0.051 pg/mg creatinine)であった(図7)。その結果、糖尿病患者の血清中及び尿中hIRα濃度は共に、非糖尿病者のそれより有意に(p<0.001)高値を示した(図7)。
[生体試料中濃度]
hIRαICT-EIA により尿以外にも、涙や唾液中にもhIRαを検出することが可能となった(表4)。その結果、尿中には血中のおおよそ1/600量が、涙や唾液はそれぞれ1/50、1/250量が分泌されていることが分かった。
Figure 2009085685
2点結合免疫複合体転移測定法(ICT-EIA)の概念図である。 hIRαのICT-EIA法による標準カーブを示すグラフである。 ICT-EIA法とIEMA法およびELISA法との測定感度の比較を示すグラフである。 hIRαICT-EIA法の特異性を示すグラフである。 血清中hIRαのSuperdex 200カラム(1.5×60cm)による溶出プロファイルを示すグラフである。緩衝液A中の血清、尿中および標準hIRαを測定した。 血清中hIRαと尿中hIRαの相関を示すグラフである。 糖尿病患者および非糖尿病対象者の尿中hIRα濃度の比較を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 次の(a)〜(d)を含むインスリン受容体αサブユニット測定試薬:
    (a)抗原捕捉用の、DNP化及びビオチン化した第一の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
    (b)抗原検出用の標識を有する第二の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
    (c)抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体;及び
    (d)ストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体。
  2. 抗原捕捉用の抗インスリン受容体α−サブユニット抗体がクローン83−7、及び抗原検出用の抗IRαS抗体がクローン5D9である請求項1記載のインスリン受容体αサブユニット測定試薬。
  3. 上記の不溶化固相担体が合成化合物ビーズである請求項1又は2記載のインスリン受容体αサブユニット測定試薬。
  4. 次の(a)〜(e)を含むインスリン受容体αサブユニット測定キット:
    (a)抗原捕捉用の、DNP化及びビオチン化した第一の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
    (b)抗原検出用の標識を有する第二の抗インスリン受容体αサブユニット抗体;
    (c)抗DNP基抗体を共有結合させた不溶化固相担体;
    (d)ストレプトアビジン結合ビオチン化BSAを共有結合させた不溶化固相担体;及び
    (e)検体を採取し輸送するための用具。
  5. 検体が尿または血液であり、かつ上記用具がろ紙である請求項4記載のインスリン受容体αサブユニット測定キット。
  6. 検体が尿または血液であり、かつ上記用具がBSAとNaN3とを保有する容器である請求項4記載のインスリン受容体αサブユニット測定キット。
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