JP2011137747A - 試料中のc型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びc型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キット - Google Patents

試料中のc型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びc型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キット Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、粒子を用いた免疫複合体転移測定法によるHCVコア蛋白の検出において粒子の凝集生じることなく、より正確に試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びC型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キットを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、粒子を用いた免疫複合体転移測定法によるHCVコア蛋白の検出において、C型肝炎ウイルスを含む疑いのある試料を、アルカリ性物質を含有する試薬で処理し、さらに酸性物質を含有する試薬で中和処理する際に、いずれかの試薬が還元剤を含有する、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びC型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キットを提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びC型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キットに関する。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)により引き起こされる伝染性の疾病である。HCVは、直径約60nmのRNAウイルスで、エンベロープをもつ。HCV RNAは一本鎖プラス鎖で、約9500塩基配列よりなっている。遺伝子構造はフラビウィルスに類似しており、5’末端と3’末端に非翻訳領域(UTR)があり、この間に約3000アミノ酸をコードする翻訳領域が存在する。翻訳領域は、5’側より、構造タンパクをコードするコア領域、エンベロープ領域1、エンベロープ領域2があり、これに続いて非構造領域が存在する。
HCVを検出するための方法として、コア領域がコードするHCVコア蛋白を抗原とし、免疫学的手法を用いて検出する方法が知られている。ここで、HCVコア蛋白は、エンベロープを持つHCVの内部に存在する。従って、HCVコア蛋白を抗原として検出するには、HCVコア蛋白をHCVから遊離させる必要がある。HCVコア蛋白をHCVから遊離させる前処理方法としては、HCVをアルカリ性溶液で処理した後、酸性溶液で中和する前処理方法が知られている。例えば、特許文献1には、C型肝炎ウイルスを含む疑いのある試料を、非イオン性界面活性剤、蛋白変性剤及びアルカリ性物質を含有する試薬で処理する第1処理工程、及び第1処理工程で得られた試料を、酸性物質を含有する試薬で処理する第2処理工程により、HCVコア蛋白を遊離させる前処理方法が開示されている。
HCV感染の有無を確認する場合、被験者から採取した生体試料に含まれる微量のHCVを検出する必要がある。そのため、HCVの検出には、感度が求められる。ここで、抗原を高感度に検出するための方法として、免疫複合体転移測定法が知られている(特許文献2、特許文献3)。この免疫複合体転移測定法は、測定対象物質を含む免疫複合体を、2種類以上の固相間で移動させたのち、固相上の免疫複合体を測定することを特徴とする方法である。測定対象物質を含む免疫複合体を、2種類以上の固相間で移動させることで、夾雑物質が除かれ、検出系における非特異的信号を減少させることができる。その結果、免疫複合体転移測定法を用いることで、測定対象物質を高感度に検出することができる。
特開2001−004621号公報 特開平1−254868 特開平2−28558
特許文献1のような、HCVをアルカリ性溶液で処理した後、酸性溶液で中和する方法を用いれば、簡便に短時間でHCVコア蛋白を検出するための試料を調製することができる。しかしながら、当該方法で調整した試料を使用し、免疫複合体転移測定法でHCVコア蛋白を検出すると、十分にHCVコア蛋白を検出できない場合があった。さらなる検討の結果、固相として粒子を用いた免疫複合体転移測定法では、特許文献1に記載の方法で調整した試料に含まれるHCVコア蛋白を検出する場合、B/F分離を行った後、粒子を液相に分散させると粒子の凝集が生じる場合があることを見出した。この粒子の凝集が原因となり、粒子を用いた免疫複合体転移測定法における検出感度の低下という問題が生じることが考えられる。
従って、本発明は、上述の粒子を用いた免疫複合体転移測定法における粒子の凝集を生じることなく、より正確に試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びC型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、HCVコア蛋白をHCVから遊離させるのに用いられるアルカリ性物質を含有する試薬、並びに酸性物質を含有する試薬の少なくとも一方に還元剤を添付することにより、粒子を用いた免疫複合体転移測定法における粒子の凝集を生じることなく、より正確に試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)C型肝炎ウイルスを含む疑いのある試料を、アルカリ性物質を含有する試薬で処理する第1処理工程と、第1処理工程で得られた試料を、酸性物質を含有する試薬で処理する第2処理工程と、HCVコア蛋白に結合する標識抗体及び第2処理工程で得られた試料に含まれるHCVコア蛋白を含む複合体を、粒子上に形成する工程と、形成工程後に、試料中の粒子を、試料中に含まれる他の成分から分離する工程と、分離工程で得られた粒子上に形成された複合体を、前記粒子とは異なる固相に転移する工程と、転移工程で得られた前記粒子とは異なる固相に転移された複合体の標識を測定する工程と、測定工程の結果に基づいて、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する工程とを含み、第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、還元剤を含有する、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法;
(2)還元剤が、メルカプトエチルアミン、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、システイン、ジチオエリトリトール、水素化ホウ素ナトリウム及びホスフィンから選択される少なくとも1つである(1)に記載の方法;
(3)第1処理工程で用いられる試薬が、非イオン性界面活性剤を含有する、(1)または(2)に記載の方法;
(4)非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤から選択される(3)に記載の方法;
(5)第1処理工程で用いられる試薬が、カオトロピック剤を含有する、(1)〜(4)いずれかに記載の方法;
(6)カオトロピック剤が、尿素、グアニジン塩酸塩、サリチル酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素ナトリウム、アセトアミド及びホルムアミドから選択される少なくとも1つである(5)に記載の方法;
(7)アルカリ性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つである(1)〜(6)いずれかに記載の方法;
(8)酸性物質が、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、リン酸、ギ酸、フマル酸、酒石酸、塩酸及び硫酸から選択される少なくとも1つである(1)〜(7)いずれかに記載の方法;
(9)粒子が、磁性粒子である(1)〜(8)いずれかに記載の方法;
(10)第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、無機塩類を含有する、(1)〜(9)いずれかに記載の方法;
(11)無機塩類が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム及び硫酸ナトリウムから選択される少なくとも1つである(10)に記載の方法;
(12)形成工程が、標識抗体、HCVコア蛋白、HCVコア蛋白に結合する第1抗体、及び第1抗体と結合する第2抗体を固定した粒子を接触させることで、標識抗体、HCVコア蛋白、第1抗体及び第2抗体からなる複合体を、粒子上に形成する、(1)〜(11)いずれかに記載の方法;
(13)固相が、第1抗体と結合する物質が固定化された固相であり、測定工程が、粒子上に形成された複合体における、第1抗体及び第2抗体の結合を解離することで、遊離した標識抗体、HCVコア蛋白及び第1抗体からなる複合体を、粒子から固相に転移し、固相に転移された複合体の標識を測定する(12)に記載の方法;
(14)アルカリ性物質を含む第1試薬と、酸性物質を含む第2試薬と、HCVコア蛋白に結合する標識抗体を含む第3試薬と、粒子を含む第4試薬と、HCVコア蛋白に結合する第1抗体を含む第5試薬と、第1抗体及び粒子と結合する第2抗体を含む第6試薬と、第1抗体と結合する物質が固定化された固相と、第1試薬及び第2試薬の少なくとも一つが、還元剤を含有する、C型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キット;
(15)第1試薬及び第2試薬の少なくとも一つが、無機塩類を含有する、(16)に記載の試薬キット;
(16)第1試薬が、非イオン性界面活性剤を含有する、(14)または(15)に記載の試薬キット;
(17)第1試薬が、カオトロピック剤を含有する、(14)〜(16)に記載の試薬キット;
(18)粒子結合抗体と結合する物質が固定化された固相をさらに含む、(14)〜(17)いずれかに記載の試薬キット;
を提供する。
本発明によれば、粒子を用いた免疫複合体転移測定法によるHCVコア蛋白の検出において粒子の凝集生じることなく、より正確に試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法、及びC型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キットを提供できる。
本実施形態における転移工程までの様態を示す図である。
本実施形態における試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法は、C型肝炎ウイルスを含む疑いのある試料を、アルカリ性物質を含有する試薬で処理する第1処理工程と、第1処理工程で得られた試料を、酸性物質を含有する試薬で処理する第2処理工程と、HCVコア蛋白に結合する標識抗体及び第2処理工程で得られた試料に含まれるHCVコア蛋白を含む複合体を、粒子上に形成する工程と、形成工程後に、試料中の粒子を、試料中に含まれる他の成分から分離する工程と、分離工程で得られた粒子上に形成された複合体を、前記粒子とは異なる固相に転移する工程と、転移工程で得られた前記粒子とは異なる固相に転移された複合体の標識を測定する工程と、測定工程の結果に基づいて、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する工程とを含み、第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、還元剤を含有する。
本実施形態において、第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つは、還元剤を含む。第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが還元剤を含有することにより、後述する分離工程において、粒子の凝集を抑制することができる。ここで、「還元剤」は、後述する形成工程に影響を及ぼさない還元剤であれば、特に限定されない。本実施形態における還元剤としては、特に、蛋白質のジスルフィド結合を解離させるものが好ましい。より具体的な還元剤としては、例えば、メルカプトエチルアミン、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、システイン、ジチオエリトリトール、水素化ホウ素ナトリウムまたはホスフィンなどが挙げられる。本実施形態における還元剤としては、特にメルカプトエチルアミン、ジチオトレイトールおよびシステイン塩酸塩が好ましい。
第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つに含有される還元剤の濃度は、使用する還元剤の種類により適宜調整すれば良く、限定されるものではない。例えば、還元剤としてメルカプトエチルアミンを用いる場合、第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つに含有されるメルカプトエチルアミンの濃度は、10〜60mMが好ましい。
本実施形態において、第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つは、さらに無機塩類を含有することが好ましい。第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、さらに無機塩類を含有することにより、後述する分離工程において、粒子の凝集をさらに抑制することができる。ここで、「無機塩類」は、後述する形成工程に影響を及ぼさない塩類であれば、特に限定されない。本実施形態における塩類としては、特に、無機塩が好ましい。より具体的な無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムまたは硫酸ナトリウムなどが挙げられる。本実施形態における塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび硫酸ナトリウムが好ましい。
第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つに含有される無機塩類の濃度は、使用する無機塩類の種類により適宜調整すれば良く、限定されるものではない。例えば、無機塩類として塩化ナトリウムを用いる場合、第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つに含有される塩化ナトリウムの濃度は、0.1〜1.0Mが好ましい。
ここで、「HCVを含む疑いのある試料」は、生体試料又は生体試料から調製された試料が好ましい。生体試料及び生体試料から調製された試料としては、例えば、尿、糞便、全血、血漿、血清、胆汁、胃腸分泌物、リンパ液、精液、骨髄液、唾液、母乳、組織抽出液、組織ホモジネート、細胞抽出液、細胞ホモジネートなどが挙げられる。
本実施形態において、第1処理工程で用いられる試薬は、さらに非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。ここで、「非イオン性界面活性剤」は、上述のHCVコア蛋白をHCVから遊離させる方法で用いることができる非イオン性界面活性剤であれば、特に限定されない。本実施形態における非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤が好ましい。具体的なポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(Triton X-100、Triton X-114及びNP-40等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween-20及びTween-80等)、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij35及びBrij45等)などが挙げられる。本実施形態におけるポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
第1処理工程における、非イオン性界面活性剤の濃度は、使用する非イオン性界面活性剤の種類により適宜調整すれば良く、限定されるものではない。例えば、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いる場合、第1処理工程における、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの濃度は2〜4%が好ましい。
また、本実施形態において、第1処理工程で用いられる試薬は、さらにカオトロピック剤を含有することが好ましい。ここで、「カオトロピック剤」は、蛋白質の分子構造を不安定化する性質を持つ物質であり、例えば尿素、グアニジン塩酸塩、サルチル酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素ナトリウム、アセトアミド及びホルムアルデヒドなどが挙げられる。本実施形態におけるカオトロピック剤としては、尿素が好ましい。
第1処理工程における、カオトロピック剤の濃度は、使用するカオトロピック剤の種類により適宜調整すれば良く、限定されるものではない。例えば、カオトロピック剤として尿素を用いる場合、第1処理工程における、尿素の濃度は2〜4Mが好ましい。
「アルカリ性物質」は、上述のHCVコア蛋白をHCVから遊離させる方法で用いることができるアルカリ性物質であれば、特に限定されない。ここで、アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化マグネシウムなどが挙げられる。本実施形態におけるアルカリ物質としては、水酸化ナトリウム
が好ましい。
第1処理工程における、アルカリ性物質の濃度は、使用するアルカリ性物質の種類により適宜調整すれば良く、限定されるものではない。例えば、アルカリ性物質として、水酸化ナトリウムを用いる場合、第1処理工程における水酸化ナトリウムの濃度は、0.15〜0.5Nが好ましい。
「第1処理工程」は、HCVを含む疑いのある試料と、アルカリ性物質を含有する試薬を混合する処理であれば、特に限定されない。第1処理工程を行うことにより、HCVからHCVコア蛋白を遊離することができる。ここで、第1処理工程における、処理時間や処理温度は、試料と試薬の混合条件に応じて、適宜設定すればよく、特に制限されるものではない。具体的な第1処理工程における処理時間や処理温度としては、例えば、第1処理工程において、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤の濃度が2〜4%で、尿素の濃度が2〜4Mで、水酸化ナトリウムの濃度が0.1〜0.4Nの試薬を用いる場合、20〜30℃の処理温度で6〜10分の処理時間で第1処理工程を行うことができる。
なお、本実施形態における、アルカリ性物質を含有する試薬は、非イオン性界面活性剤とカオトロピック剤とを含有する試薬、及びそれぞれの成分を二つ以上の試薬に分けて含有する試薬キットが含まれる。ここで、試薬キットとしては、例えば、非イオン性界面活性剤及びカオトロピック剤を含有する第1試薬と、アルカリ性物質を含有する第2試薬とを備えた試薬キットなどが挙げられる。
「第2処理工程」では、第1処理工程で得られた試料と、酸性物質を含有する試薬とを混合し、第1処理工程で得られた試料のアルカリを中和する。第2処理工程で得られる試料のpHは、後述する形成工程に影響を及ぼさないpHであることが好ましい。より具体的な第2処理工程で得られる試料のpHとしては、pH6.5〜8が好ましい。ここで、具体的な第2処理工程における処理時間や処理温度としては、試料と試薬の混合条件に応じて、適宜設定すればよく、特に制限されるものではない。具体的な第1処理工程における処理時間や処理温度としては、20〜30℃の処理温度で3〜15分である。
「酸性物質」は、特に限定されないが、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、リン酸、ギ酸、フマル酸、酒石酸、塩酸、硫酸などが挙げられる。本実施形態における酸性物質としてはクエン酸が好ましい。ここで、第2処理工程で用いられる酸性物質を含有する試薬における、酸性物質の濃度は、使用する酸性物質や上述の第1工程で使用されたアルカリ性物質などに応じて、適宜調整すればよく、特に制限されない。酸性物質を含有する試薬における、酸性物質の濃度としては、例えば、酸性物質がクエン酸の場合、試薬中のクエン酸の濃度は、0.1〜0.3Mが好ましい。
HCVを含む疑いのある試料は、上述の第1処理工程及び第2処理工程により希釈される。ここで、第1処理工程及び第2処理工程後における、HCVを含む疑いのある試料の希釈は、HCVを含む疑いのある試料の種類に応じて、適宜調整すれば良い。例えば、HCVを含む疑いのある試料が血清の場合、免疫測定に対する血清成分等の影響を抑制し、且つ、HCVコア蛋白を検出可能な濃度にする観点から、第1処理工程及び第2処理工程後における、血清の希釈は、3〜5倍が好ましい。
本実施形態における試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法は、第2処理工程後、HCVコア蛋白に結合する標識抗体及び第2処理工程で得られた試料に含まれるHCVコア蛋白を含む複合体を、粒子上に形成する(以下、形成工程という場合がある)。
ここで、「標識抗体」は、免疫測定法で一般的に用いられる公知の標識物質により標識された抗体であれば、特に限定されない。また、本実施形態における標識抗体は、HCVコア蛋白と抗原抗体反応により結合する。ここで、標識物質としては、例えば、酵素、蛍光物質、放射性同位元素などが挙げられる。酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼなどが挙げられる。蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェリンなどが挙げられる。放射性同位元素としては、125I、14C、32Pなどが挙げられる。本実施形態における標識物質としては、酵素が好ましい。
標識物質が酵素である場合、該酵素に対する基質は、標識物質として用いる酵素に応じて、適宜公知の基質を選択すればよい。例えば、酵素としてアルカリホスファターゼを用いる場合の基質としてはCDP−Star(商標登録)、(4−クロロ−3−(メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)トリクシロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)、CSPD(商標登録)(3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)などの化学発光基質;p−ニトロフェニルホスフェート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)、4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT)、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)などの発光基質;4−メチルウムベリフェニル・ホスフェート(4MUP)などの蛍光基質;5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)、5−ブロモ−6−クロロ−インドリルリン酸2ナトリウム、p−ニトロフェニルリンなどの発色基質が挙げられる。
なお、標識抗体は、当該分野において公知の方法で作成することができる。例えば、抗体のチオール(−SH)を用いて上記の標識物質を抗体と結合させる方法が知られている。より具体的には、チオール基と反応できる官能基、例えばマレイミド基を導入した上記の標識物質を、抗体と反応させることにより、抗体を標識物質で標識できる。
「粒子」は、免疫測定法で用いられる公知の粒子であれば、特に制限されない。具体的な粒子としては、例えば、磁性粒子、ラテックス粒子、赤血球、ゼラチン粒子などが挙げられる。本実施形態における粒子としては、磁性粒子が好ましい。ここで、磁性粒子としては、磁性を有する材料を基材として含み、通常の免疫測定に用いられる粒子であれば、特に限定されない。このような磁性粒子は当該技術において公知であり、基材としてFeおよび/またはFe、コバルト、ニッケル、フィライト、マグネタイトなどを用いたものが知られている。
本実施形態における形成工程では、標識抗体と、粒子と、第2処理工程で得られた試料に含まれるHCVコア蛋白とを接触させることで、標識抗体とHCVコア蛋白とを含む複合体を、粒子上に形成させる。ここで、標識抗体とHCVコア蛋白は、抗原抗体反応により結合し、標識抗体−HCVコア蛋白複合体を形成する。さらに、標識抗体−HCVコア蛋白複合体は、HCVコア蛋白複合体と粒子に結合可能な物質を介して、粒子に結合させることができる。これにより、標識抗体とHCVコア蛋白とを含む複合体を、粒子上に形成することができる。ここで、HCVコア蛋白複合体と粒子に結合可能な物質としては、例えば、HCVコア蛋白と粒子に結合する粒子結合抗体が挙げられる。HCVコア蛋白と粒子に結合する粒子結合抗体を用いた場合、粒子上には標識抗体−HCVコア蛋白−粒子結合抗体複合体が形成される。
ここで、「HCVコア蛋白と粒子に結合する粒子結合抗体」は、上述の標識抗体とは異なるHCVコア蛋白のエピトープと抗原抗体反応により結合し、且つ粒子に結合可能な抗体であれば特に制限されない。なお、粒子に結合可能な抗体は、当該技術において公知の方法を用いて作成することができる。例えば、抗体に粒子結合部位を結合させ、粒子に粒子結合部位に結合可能な結合物質を固定化することで、粒子に結合可能な抗体を作成することができる。すなわち、粒子結合部位と結合物質との結合能を利用して、抗体を粒子に結合可能にすることができる。
上記の粒子結合部位と結合物質は、形成工程において、特異的に結合できる物質の組み合わせであれば特に限定されない。これらの組み合わせとして、例えばビオチンとアビジン類、ハプテンと抗ハプテン抗体、ニッケルとヒスタチジンタグ、グルタチオンとグルタチオン−S−トランスフェラーゼなどが挙げられる。粒子結合部位と結合物質の組み合わせとしては、ビオチンとアビジン類との組み合わせが好ましい。粒子結合部位と結合物質との組み合わせに用いられる各々の物質は、どちらを粒子結合部位または結合物質を使用してもよい。より好ましい組み合わせとしては、粒子結合部位がビオチンを含み、結合物質がアビジン類を含む組み合わせが挙げられる。なお、「アビジン類」とは、アビジン及びスプレプトアビジンを含むことを意味する。
なお、粒子結合部位を抗体に結合させる方法は、当該技術において公知である。例えば、粒子結合部位がビオチンを含む場合、抗体中のアミノ基やチオール基などと反応性を有する基を介してビオチンを抗体に結合させることができる。アミノ基と反応性を有する基としてはN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)基が挙げられ、チオール基と反応性を有する基としてはマレイミド基などが挙げられる。
また、結合物質を粒子に固定化する方法も、当該技術において公知である。該固定化は、例えば物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法、これらの組み合わせなどにより行うことができる。例えば、結合物質がアビジン類である場合、物理的吸着によりアビジンを粒子に直接固定化することができる。また、アビジン類と結合可能な物質、例えばビオチンが結合した粒子にアビジン類を結合させることで、アビジン類を粒子に固定化することもできる。また、特開2006−226689号公報に記載の方法により、アビジン類を粒子に固定化することも可能である。なお、市販のアビジン類を結合させた粒子を用いることもできる。 例えば、JSR株式会社やダイナルバイオテック社などから、アビジン類を結合させた粒子を購入することもできる。
本実施形態における試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法は、形成工程後に、試料中の粒子を、試料中に含まれる他の成分から分離する(以下、分離工程という場合がある)。この分離工程で分離される試料中の粒子には、上述の標識抗体とHCVコア蛋白とを含む複合体が形成された粒子が含まれている。この分離工程を行うことにより、試料中の粒子から、非イオン性界面活性剤、カオトロピック剤、及び複合体の形成に使用されなかった標識抗体など、後述する測定工程において不要又は悪影響を及ぼす成分を除去することができる。この分離工程における試料中の粒子を他の成分から分離する方法は、粒子を用いた免疫測定法において公知であり、使用する粒子に応じて適宜設定することができる。例えば、粒子として磁性粒子を用いた場合、磁気分離により、試料中の粒子を、試料中に含まれるその他の成分から分離することができる。より具体的には、第2処理工程で得られた試料が入った容器の壁面に磁石を近づける。これにより、磁石を用いて試料中の粒子を容器の壁面に固定する。そして、粒子を容器の壁面に固定した状態で液相を吸引除去することで、分離工程を行うことができる。また、粒子としてゼラチン粒子またはラテックス粒子を用いた場合、遠心分離により、試料中の粒子を、試料中に含まれるその他の成分から分離することができる。より具体的には、第2処理工程で得られた試料を遠心分離することで、遠心力により粒子を沈殿させる。そして、上清を吸引除去することで、分離工程を行うことができる。
なお、分離工程は、洗浄工程を含むこともできる。ここで、洗浄工程としては、上述の分離工程で分離された粒子に、洗浄液を添加して粒子を懸濁し、さらに粒子を洗浄液から分離する工程が挙げられる。この洗浄工程を行うことで、測定工程において不要又は悪影響を及ぼす成分を、さらに除去することができる。洗浄工程も、分離工程と同様に、粒子を用いた免疫測定法における公知であり、使用する粒子に応じて適宜設定すればよい。例えば、粒子として磁性粒子を用いた場合、洗浄液中に懸濁した粒子を、磁気分離を用いて洗浄液から分離することができる。同様に、粒子としてゼラチン粒子またはラテックス粒子を用いた場合、洗浄液中に懸濁した粒子を、遠心分離を用いて洗浄液から分離することができる。ここで、洗浄液としては、粒子上に形成された複合体に影響を及ぼさない緩衝液が好ましい。また、洗浄液は、界面活性剤を含有する緩衝液が特に好ましい。より具体的な洗浄液としては、たとえば、TBS−T(0.05% Tween20)及びPBS−T(0.05% Tween20)などが挙げられる。なお、HISCL洗浄液(シスメックス社製)などの、市販の洗浄液を用いることもできる。
本実施形態において、分離工程で得られた粒子上に形成された複合体を、前記粒子とは異なる固相に転移する(以下、転移工程という場合がある)。ここで、粒子上に形成された複合体を、前記粒子とは異なる固相に転移することは、公知の方法に基づいて行うことができる。例えば、形成工程において、粒子と、標識抗体及びHCVコア蛋白を含む複合体とを、遊離剤により分離可能な結合により結合させる。そして、遊離剤を用いて、分離工程で分離された粒子から、標識抗体とHCVコア蛋白を含む複合体を遊離させる。そして、遊離した複合体と、遊離した複合体が結合可能な固相とを接触させることで、標識抗体とHCVコア蛋白を含む複合体を、粒子とは異なる固相上に転移することができる。
「粒子とは異なる固相」は、形成工程で用いた粒子とは異なる固相であればよく、特に制限されない。固相の材料としては、例えば、ラテックス、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、スチレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)、シリコーンなどのポリマー材料;アガロース;ゼラチン;赤血球;シリカゲル、ガラス、不活性アルミナ、磁性体などの無機材料などが挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせてもよい。また、固相の形状も、免疫測定に用いられる通常の固相の形状であれば特に限定されない。例えば、マイクロタイタープレート、試験管、ビーズ、粒子、ナノ粒子などが挙げられる。
「遊離剤」は、粒子と、標識抗体及びHCVコア蛋白を含む複合体との結合の種類により適宜選択すればよく、特に制限されない。例えば、粒子と複合体が、物理的吸着により結合している場合、界面活性剤を遊離剤として用いることができる。また、粒子と複合体が、ハプテン−抗ハプテン抗体により結合している場合は、ハプテンあるいはハプテン誘導体を遊離剤として用いることができる。また、粒子と複合体が、イオン結合により結合している場合は、遊離剤としてイオンを含む溶液を用いることができる。また、粒子と複合体が、分離可能結合としてリガンド−レセプターにより結合している場合は、遊離剤としてリガンドまたはリガンド類似体を用いることができる。また、粒子と複合体が、分離可能結合としてレクチン−糖鎖により結合している場合は、遊離剤として糖質を用いることができる。また、粒子と複合体が、ビオチン−アビジンにより結合している場合は、遊離剤としてビオチンを用いることができる。なお、粒子と複合体が、DNAハイブリットにより結合している場合には、温度を上昇させることで、粒子から複合体を遊離させることができる。
本実施形態における、より具体的な、粒子と複合体との結合としては、デスチオビオチン−抗ビオチン抗体による結合、及びDNP−抗DNP抗体による結合が挙げられる。ここで、粒子と複合体との結合が、デスチオビオチン−抗ビオチン抗体による結合の場合、遊離剤としてビオチンを用いることができる。粒子と複合体との結合が、DNP−抗DNP抗体による結合の場合、遊離剤としてDNP−Lysを用いることができる。本実施形態における、粒子と複合体との結合としては、DNP−抗DNP抗体による結合が好ましい。
本実施形態における、粒子とは異なる固相に転移された複合体の標識の、より具体的な測定工程までの態様を図1に模式的に示す。まず、形成工程において、標識抗体、HCVコア蛋白、HCVコア蛋白に結合する第1抗体、及び第1抗体と結合する第2抗体を固定した粒子を接触させることで、標識抗体、HCVコア蛋白、第1抗体及び第2抗体からなる複合体(標識抗体−HCVコア蛋白−第1抗体−第2抗体複合体)を、粒子上に形成する。次に、粒子上に形成された複合体における、第1抗体及び第2抗体の結合を遊離することで、遊離した標識抗体、HCVコア蛋白及び第1抗体からなる複合体(標識抗体−HCVコア蛋白−第1抗体複合体)を、粒子から第1抗体と結合する物質が固定化された固相に転移する。そして、固相に転移された複合体に含まれる標識抗体の標識を測定する。より具体的には、第1抗体は、第2抗体が認識する抗原(第2抗原結合抗原)と、固相に固定化された物質と結合可能な物質(固相結合物質)により修飾されている。そして、第1抗体及び第2抗体の結合の遊離は、標識抗体−HCVコア蛋白−第1抗体−第2抗体複合体を形成した粒子に、遊離剤として第2抗体が認識する抗原を作用させることで行うことができる。すなわち、第1抗体と第2抗体の結合と、遊離剤である抗原と第2抗体の結合との競合により、標識抗体−HCVコア蛋白−第1抗体複合体を粒子から遊離することができる。さらに、第1抗体は、固相に固定化された物質(固相固定物質)と結合可能な物質により修飾されている。そのため、標識抗体−HCVコア蛋白−第1抗体複合体と、固相を接触させることで、標識抗体−HCVコア蛋白−第1抗体複合体を固相に転移することができる。なお、第1抗体と固相の結合は、上述したHCVコア蛋白と粒子に結合する粒子結合抗体における、粒子結合部位と結合物質と同様の結合能を利用しておこなうことができる。すなわち、例えばビオチンとアビジン類、ハプテンと抗ハプテン抗体、ニッケルとヒスタチジンタグ、グルタチオンとグルタチオン−S−トランスフェラーゼなどの組合せによる結合能を利用することができる。
ここで、固相に固定化された物質と、当該物質と結合可能な物質による結合としては、前記標識抗体−HCVコア蛋白複合体と粒子との結合に用いられた結合と異なる結合であれば、特に制限されない。具体的には、例えば、ハプテン−抗ハプテン抗体結合、DNAハイブリット結合、イオン結合、ビオチン−アビジン結合などが挙げられる。本実施形態における、固相に固定化された物質と、当該物質と結合可能な物質による結合としては、ビオチン−アビジン結合が好ましい。
本実施形態において、転移工程で得られた前記粒子とは異なる固相に転移された複合体の標識を測定する(以下、測定工程という場合がある)。ここで、測定工程は、上述の標識抗体に用いた標識物質の種類に応じて、適宜適切な測定方法で行えばよく、特に限定されない。例えば、該標識物質が酵素である場合、該酵素に対する基質を反応させることにより発生する光、色などを適切な装置を用いて測定することにより行うことができる。該装置としては、分光光度計、ルミノメータなどが挙げられる。また、標識物質が放射性同位体である場合、シンチレーションカウンターなどの従来公知の装置を用いて測定することにより行うことができる。
本実施形態における試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法は、前記測定工程の結果に基づいて行う(以下、判定工程という場合がある)。具体的には、判定工程は、測定工程において標識抗体及びHCVコア蛋白を含む複合体に由来する標識が測定された場合、試料中にHCVが有ると判定する。逆に、測定工程において標識抗体及びHCVコア蛋白を含む複合体に由来する標識が測定されなかった場合、試料中にHCVが無いと判定する。例えば、測定工程で得られた測定値と予め設定した閾値を比較する。そして、測定値が閾値以上の場合に、試料中にHCVが有ると判定することができる。また逆に、測定値が閾値未満の場合に、試料中にHCVが無いと判定することができる。ここで閾値は、公知の方法で適宜設定すれば良い。閾値の設定の方法としては、例えば、本実施形態における測定工程までの手順に従い、複数の予めHCVが含まれていることが分かっている試料と、複数の予めHCVが含まれていないことが分かっている試料とについて、それぞれの測定値を取得する。そして、HCVが含まれている試料の集団と、HCVが含まれていない試料の集団とを、二等分できる中央値を閾値として設定することができる。
<還元剤による磁性粒子の凝集抑制の確認>
本例で使用する試薬は以下に示す。
第1処理試薬:
カオトロピック剤として尿素を6M、界面活性剤としてBrij35(シグマ社製)を4%、及びアルカリ性物質として水酸化ナトリウムを0.45N含む水溶液を、第1処理試薬とした。
第2処理試薬:
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2処理試薬A〜Cの水溶液を調製した。
(第2処理試薬A)
クエン酸 0.15M
(第2処理試薬B)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 30mM
(第2処理試薬C)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 30mM
NaCl 0.6mM

ここで、第2処理試薬Bには、還元剤としてメルカプトエチルアミンが含まれている。また、第2処理試薬Cには、還元剤としてメルカプトエチルアミン、及び無機塩類としてNaClが含まれている。
標識抗体試薬:
標識抗体として、ALPで標識された抗HCV抗体(ALP標識HCF3−807)を用いた。ここで、HCF3−807としては、NITE AP−842で受領されているハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−842で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。具体的な標識抗体試薬の作製は、ペプシン消化、及び還元することでFab’に転換した該抗体と、架橋剤としてEMCS〔N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido〕(同仁化学)を用いてマレイミド化したALPを混合して、反応させることで標識抗体を調製する。この方法で調製したALP標識抗体20μlを、980μlの希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.15M、BSA 0.25%、NaN 0.02%、MgCl 1mM、ZnCl 0.1mM)で50倍に希釈し、標識抗体試薬とした。
第1抗体試薬:
第1抗体として、ビオチン及びDNPで修飾された抗体(Biotin/DNP標識HCF4−104)を用いた。ここで、HCF4−104としては、NITE AP−841で受領されているハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−841で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。具体的な第1抗体試薬の作製は、ビオチン化試薬(EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin Reagents:ピアス社)をBSAに添加して、次いでDNP標識試薬(DNP-X acid SE:ABD Bioquest社)を添加することでBiotin/DNP標識したBSAを調製する。次に、ペプシン消化、及び還元することでFab’に転換した該抗体と、架橋剤としてEMCS〔N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido〕(同仁化学)を用いてマレイミド化したBiotin/DNP標識したBSAを混合して、反応させることで第1抗体を調製する。この方法で調製した5 μlの第1抗体を、495 μlの希釈液で100倍に希釈し、第1抗体試薬とした。
磁性粒子試薬:
第2抗体として抗DNP抗体(DNP−1753)を固定化した磁性粒子(Dynabeads M−270;インビトロジェン社製)を用いた。ここで、DNP−1753としては、NITE AP−845で受領されているハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−845で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。100μlの該磁性粒子を、900μlの希釈液で10倍に希釈し、磁性粒子試薬とした。
還元剤による、磁性粒子の凝集の抑制効果を、以下の通り確認した。
<第1処理工程>
40μlのHCV陰性血清と、60μlの第1処理試薬とを混合し、室温にて8分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。
<第2処理工程>
第1処理工程で得られた試料に、60μlの第2処理試薬A〜Cをそれぞれ添加し、室温にて5分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。なお、第2処理工程後の試料はpH7〜7.5であることをpH試験紙(Whatman社製)により確認した。
<形成工程>
第2処理工程で得られた160μlの試料と、75μlの標識抗体試薬とを、反応キュベット(HISCL用反応キュベット;シスメックス社製)で混合し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの第1抗体試薬を添加し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、80μlの磁性粒子試薬を添加し、室温で10分間インキュベートすることで、形成工程を実施した。
<分離工程>
形成工程で得られた試料を含む反応キュベットを、集磁装置(MINITUBE MAG SEPARATOR:SPHERO TECH社製)を用いて磁気分離を行った。
分離工程において磁気分離した磁性粒子に、HISCL洗浄液(シスメックス社製)を300μl添加し、ボルテックスミキサーを用いて分散させ、反応キュベットを静置した後、粒子の凝集を評価した。
ここで、粒子の凝集の評価は、目視により観察し、凝集の程度を次の3段階に分けて評価した。
++:凝集が認められる。
+:やや凝集が認められる。
−:凝集が認められない。
第2処理工程において、第2処理試薬A〜Cを用いた試料における、反応キュベット内の凝集の評価を表1に示す。
Figure 2011137747
表1から明らかなように、第2処理工程において、メルカプトエチルアミンを含まない、第2処理試薬Aを用いて処理した試料では、磁性粒子の凝集が認められた。一方、メルカプトエチルアミンを含む、第2処理試薬B又は第2処理試薬Cを用いて処理した試料では、磁性粒子の凝集が確認が認められなかった。このことから、第2処理試薬に還元剤を添加することで、分離工程後の磁性粒子の凝集を抑制できることが示された。
<還元剤の種類及びHCVの存在による磁性粒子の凝集抑制の確認>
還元剤を含有する第2処理試薬による凝集抑制が、還元剤の種類に依存するものであるかを調べるため、以下の第2処理試薬D〜Fを調製した。また、試料として使用する血清中のHCVの存在の有無が凝集に影響するかを調べるため、本例では、HCV陰性血清に代えて、HCV陽性血清を用いた。
第2処理試薬:
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2試薬D〜Fの水溶液を調製した。
(第2処理試薬D)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 45mM
(第2処理試薬E)
クエン酸 0.15M
ジチオトレイトール 45mM
(第2処理試薬F)
クエン酸 0.15M
システイン塩酸塩 90mM

ここで、第2処理試薬Dには、還元剤としてメルカプトエチルアミンが含まれている。また、第2処理試薬Eには、還元剤としてジチオトレイトールが含まれている。また、第2処理試薬Dには、還元剤としてシステイン塩酸塩が含まれている。
上述した第2処理試薬D〜F、及びHCV陽性血清を用いること以外は、実施例1と同様に、磁性粒子の凝集の抑制効果を確認した。なお、コントロールとして、第2処理液Aによる、磁性粒子の凝集の抑制効果も確認した。凝集の評価結果を表2に示す。
Figure 2011137747
表2から明らかなように、第2処理工程において、メルカプトエチルアミンを含まない、第2処理試薬Aを用いて処理した試料では、HCV陽性血清を用いた場合でも、磁性粒子の凝集が認められた。一方、メルカプトエチルアミンを含む第2処理試薬Dでは、HCV陽性血清を用いた場合でも、実施例1と同様に磁性粒子の凝集が認められなかった。また、ジチオトレイトールを含む第2処理試薬E、およびシステイン塩酸塩を含む第2処理試薬Fを用いて処理した試料でも、第2処理試薬Dと同様に、磁性粒子の凝集が認められなかった。このことから、還元剤の種類を問わず、第2処理試薬に還元剤を添加することで、分離工程後の磁性粒子の凝集を抑制できることが示された。また、血清中のHCVの存在の有無にかかわらず、第2処理試薬に還元剤を添加することで、分離工程後の磁性粒子の凝集を抑制できることが示された。
<無機塩類による磁性粒子の凝集抑制の確認>
還元剤及び無機塩類を含有する第2処理試薬による凝集抑制が、無機塩類に依存するものであるかを調べるため、以下の第2処理試薬G〜Iを調製した。
第2処理試薬:
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2試薬D〜Fの水溶液を調製した。
(第2処理試薬G)
クエン酸 0.15M
塩化ナトリウム 0.6M
(第2処理試薬H)
クエン酸 0.15M
塩化カリウム 0.6M
(第2処理試薬I)
クエン酸 0.15M
硫酸ナトリウム 0.6M

ここで、第2処理試薬Gには、無機塩類として塩化ナトリウムが含まれている。また、第2処理試薬Hには、無機塩類として塩化カリウムが含まれている。さらにまた、第2処理試薬Iには、無機塩類として硫酸ナトリウムが含まれている。
上述した第2処理試薬G〜Iを用いること以外は、実施例2と同様に、磁性粒子の凝集の抑制効果を確認した。なお、コントロールとして、第2処理液Aによる、磁性粒子の凝集の抑制効果も確認した。凝集の評価結果を表3に示す。
Figure 2011137747
表3から明らかなように、第2処理工程において、無機塩類を含まない、第2処理試薬Aを用いて処理した試料では、磁性粒子の凝集が認められた。一方、塩化ナトリウムを含む第2処理試薬G、塩化カリウムを含む第2処理試薬H、及び硫酸ナトリウムを含む第2処理試薬Iでは、磁性粒子の凝集がやや認められたものの、第2処理試薬Aに比べ、磁性粒子の凝集の抑制効果が認められた。このことから、還元剤の磁性粒子の凝集の抑制効果より低いが、無機塩類にも磁性粒子の凝集の抑制効果があることが示された。従って、還元剤及び無機塩類の添加により、より効果的に磁性粒子の凝集が抑制できることが示唆された。
<還元剤を含む前処理液を用いた免疫複合体転移測定法によるHCVの有無の判定>
HCV陽性患者から得られた、HCV陽性血清1〜42を用いて、以下の実験を行った。
本例で使用する試薬は以下に示す。
第1処理試薬:
実施例1と同様の試薬を使用した。
第2処理試薬:
実施例1の第2処理試薬Cと同様の試薬を使用した。
標識抗体試薬:
実施例1と同様の操作により調製したALP標識HCF3−807 10μlを、590μlの標識抗体用希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.15M、BSA 0.25%、NaN 0.02%、MgCl 1mM、ZnCl 0.1mM)で60倍に希釈し、標識抗体試薬とした。
第1抗体試薬:
実施例1と同様の操作により調製した5μlのBiotin/DNP標識HCF4−104を、495 μlの希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.15M、BSA 0.25%、NaN 0.02%)で100倍に希釈し、第1抗体試薬とした。
磁性粒子試薬:
実施例1と同様の操作により調製した抗DNP抗体(DNP−1753)を固定化した磁性粒子を使用した。
固相:
固相としては、ストレプトアビジンを固定化したプレート(ストレプトアビジンプレート)を用いた。ストレプトアビジンプレートは、C8 WHITE MAXISORPプレート(Nunc社製)に対して、ストレプトアビジン(和光純薬)10μg/mlの溶液100μlを室温で感作させ作製した。
遊離剤:
第1抗体及び第2抗体の結合を解離する物質として、DNP−Lysを用いた。DNP−Lysine(東京化成社製)が0.2mMとなるように、希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.6M、BSA 0.25%、NaN 0.02%)で希釈し、遊離剤とした。
HCV陽性血清1〜42に含まれる、HCVコア蛋白の有無の判定を以下のように実施した。
<第1処理工程>
40μlのHCV陽性血清と、60μlの第1処理試薬とを混合し、室温にて8分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。
<第2処理工程>
第1処理工程で得られた試料に、60μlの第2処理試薬を添加し、室温にて5分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。なお、第2処理工程後の試料はpH7〜7.5であることをpH試験紙(Whatman社製)により確認した。
<形成工程>
第2処理工程で得られた160μlの試料と、75μlの標識抗体試薬とを、反応キュベット(HISCL用反応キュベット;シスメックス社製)で混合し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの第1抗体試薬を添加し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、80μlの磁性粒子試薬を添加し、室温で10分間インキュベートすることで、形成工程を実施した。
<分離工程>
形成工程で得られた試料を含む反応キュベットを、集磁装置(MINITUBE MAG SEPARATOR:SPHERO TECH社製)を用いて磁気分離を行い、上清を除去し、反応キュベットに380μlのwashing buffer(HISCL wash buffer;シスメックス社製)を添加し、再び磁気分離を行う洗浄を行った。上記洗浄を2回繰り返した後、さらに190μlのwashing bufferによる洗浄を1回行うことで、分離工程を実施した。
<転移工程>
分離工程で得られた試料を含む反応キュベットに、40μlの遊離剤を添加し、室温で4分間インキュベートした。次に、磁気分離を行い、上清を固相に移し、室温で20分間インキュベートした。次に、上清を除去し、300μlのwashing bufferを添加し、再び上清を除去する洗浄を行った。上記の洗浄は5回繰り返し行うことで、転移工程を実施した。
<測定工程>
転移工程で得られた試料を含む固相に、20μlのHISCL R4試薬(シスメックス社製)と20μlのHISCL R5試薬を添加し、42℃で4分間インキュベートした。次に、FLUOstar OPTIMA(BMG LABTECH社製)を用いて測光(3sec at gain 4095)を行い、発光強度(Counts)を測定することで測定工程を実施した。
<判定工程>
測定工程で得られた発光強度の値(測定値)に基づき、試料中に含まれるHCVコア蛋白の有無を判定した。具体的には、各試料の測定値が閾値以上の場合は、試料中にHCVが有ると判定し、測定値が閾値未満の場合は、試料中にHCVが無いと判定した。なお、103のHCV陰性血清に対し、上述の第1処理工程から測定工程までの操作を行って得られた測定値の平均値を算出し、平均値の標準偏差に15を掛けた値を平均値に加算した数値を閾値とした。ここで、測定値の平均値は2054.6、標準偏差は125.3、及び閾値は3934.4であった。
[比較例1]
<従来技術によるHCVの有無の判定>
従来技術としてルミスポット栄研HCV抗原(栄研化学製・登録商標)を用いたHCVの有無の判定を行った。上記のHCV陽性血清1〜42を、ルミスポット栄研HCVコア抗原の添付文書に記載されたプロトコールに従って処理し、全自動化学発光酵素免疫測定装置LS−2000(栄研化学製・登録商標)を用いて、各HCV陽性血清中のHCV抗原を検出し、HCVの有無を判定した。なお、ルミスポット栄研HCV抗原によるHCV抗原の検出限界、すなわちHCVの有無の判定の閾値は0.4pg/mlである。
HCV陽性血清1〜42を用いた、比較例1及び実施例4による測定結果及び判定結果を表4に示す。
なお、表4で用いられている記号は、以下の内容を表す。
○:試料中にHCVは有ると判定
×:試料中にHCVは無いと判定
−:検出限界未満
Figure 2011137747
表4から明らかなように、比較例1では、HCV陽性血清のうち11試料(HCV陽性血清2、3、7、8、及び10〜16)について、HCVが有ると判定できなかった。それに対し、実施例4では、そのうち5試料(HCV陽性血清2,3,8,10及び15)で、試料中にHCVが有ると判定できた。また、実施例4では、比較例1でHCVが有ると判定できた31試料の全てについて、HCVが有ると判定することができた。従って、実施例4は、比較例1よりも、より正確にHCVの有無を判定できることが示された。このことから、還元剤を含む前処理液を用いた免疫複合体転移測定法により、より正確に試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定することが示唆された。

Claims (17)

  1. C型肝炎ウイルスを含む疑いのある試料を、アルカリ性物質を含有する試薬で処理する第1処理工程と、
    第1処理工程で得られた試料を、酸性物質を含有する試薬で処理する第2処理工程と、
    HCVコア蛋白に結合する標識抗体及び第2処理工程で得られた試料に含まれるHCVコア蛋白を含む複合体を、粒子上に形成する工程と、
    形成工程後に、試料中の粒子を、試料中に含まれる他の成分から分離する工程と、
    分離工程で得られた粒子上に形成された複合体を、前記粒子とは異なる固相に転移する工程と、
    転移工程で得られた前記粒子とは異なる固相に転移された複合体の標識を測定する工程と、
    測定工程の結果に基づいて、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する工程と、を含み
    第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、還元剤を含有する、試料中のC型肝炎ウイルスの有無を判定する方法。
  2. 還元剤が、メルカプトエチルアミン、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、システイン、ジチオエリトリトール、水素化ホウ素ナトリウム及びホスフィンから選択される少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
  3. 第1処理工程で用いられる試薬が、非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤から選択される請求項3に記載の方法。
  5. 第1処理工程で用いられる試薬が、カオトロピック剤を含有する、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. カオトロピック剤が、尿素、グアニジン塩酸塩、サリチル酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素ナトリウム、アセトアミド及びホルムアミドから選択される少なくとも1つである請求項5に記載の方法。
  7. アルカリ性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つである請求項1〜6いずれかに記載の方法。
  8. 酸性物質が、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、リン酸、ギ酸、フマル酸、酒石酸、塩酸及び硫酸から選択される少なくとも1つである請求項1〜7いずれかに記載の方法。
  9. 粒子が、磁性粒子である請求項1〜8いずれかに記載の方法。
  10. 第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、無機塩類を含有する、請求項1〜9いずれかに記載の方法。
  11. 無機塩類が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム及び硫酸ナトリウムから選択される少なくとも1つである請求項10に記載の方法。
  12. 形成工程が、標識抗体、HCVコア蛋白、HCVコア蛋白に結合する第1抗体、及び第1抗体と結合する第2抗体を固定した粒子を接触させることで、標識抗体、HCVコア蛋白、第1抗体及び第2抗体からなる複合体を、粒子上に形成する、請求項1〜11いずれかに記載の方法。
  13. 固相が、第1抗体と結合する物質が固定化された固相であり、
    測定工程が、粒子上に形成された複合体における、第1抗体及び第2抗体の結合を解離することで、遊離した標識抗体、HCVコア蛋白及び第1抗体からなる複合体を、粒子から固相に転移し、固相に転移された複合体の標識を測定する、請求項12に記載の方法。
  14. アルカリ性物質を含む第1試薬と、
    酸性物質を含む第2試薬と、
    HCVコア蛋白に結合する標識抗体を含む第3試薬と、
    粒子を含む第4試薬と、
    HCVコア蛋白に結合する第1抗体を含む第5試薬と、
    第1抗体及び粒子と結合する第2抗体を含む第6試薬と、
    第1抗体と結合する物質が固定化された固相と、
    第1試薬及び第2試薬の少なくとも一つが、還元剤を含有する、C型肝炎ウイルスの有無を判定するための試薬キット。
  15. 第1試薬及び第2試薬の少なくとも一つが、無機塩類を含有する、請求項14に記載の試薬キット。
  16. 第1試薬が、非イオン性界面活性剤を含有する、請求項14または15に記載の試薬キット。
  17. 第1試薬が、カオトロピック剤を含有する、請求項14〜16に記載の試薬キット。
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