JPH0644876B2 - 抗トロンビン・アンチトロンビン3複合体モノクローナル抗体、及びその製造方法、並びにそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の免疫定量法、及びそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の精製方法 - Google Patents

抗トロンビン・アンチトロンビン3複合体モノクローナル抗体、及びその製造方法、並びにそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の免疫定量法、及びそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の精製方法

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JPH0644876B2
JPH0644876B2 JP60279129A JP27912985A JPH0644876B2 JP H0644876 B2 JPH0644876 B2 JP H0644876B2 JP 60279129 A JP60279129 A JP 60279129A JP 27912985 A JP27912985 A JP 27912985A JP H0644876 B2 JPH0644876 B2 JP H0644876B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、抗トロンビン・アンチトロンビンIII複
合体モノクローナル抗体、トロンビン・アンチトロン
ビンIII複合体モノクローナル抗体の製造方法、抗ト
ロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル
抗体を用いるトロンビン・アンチトロンビンIII複合体
の免疫定量法、抗トロンビン・アンチトロンビンIII
複合体モノクローナル抗体を用いるトロンビン・アンチ
トロンビンIII複合体の精製方法、に関するものであ
る。
臨床分野において、血中のトロンビンを測定すること
は、播種性血管内凝固や血栓症等の凝固亢進状態を知る
うえで重要である。しかしながら、トロンビンそのもの
を測定することはできないので、代わりにトロンビンが
血中のアンチトロンビンIII(以下ATIIIともいう)と
速やかに結合して生ずるトロンビン・アンチトロンビン
III複合体(以下TATともいう)を測定して、その量
からトロンビンの量を推定して血液の凝固活性化の指標
としている。
「従来の技術」 従来、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TA
T)を測定するには、一般に二次元免疫電気泳動法が用
いられてきた。この方法においては、試料をゲル内電気
泳動によってTATとATIIIとに分け、次に抗ATIII
抗体を含むゲル平板に対して直角に電気泳動させ、各成
分と抗体によってできる沈降線に囲まれる面積からこれ
らを定量していた。
しかしながら、この方法は測定操作が煩雑であるばかり
ではなく、測定に長時間を要する欠点があり、しかもそ
の検出感度が低いため実用上問題があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者等は、血漿あるいは血清中に存在するTATの
同定定量に用いられていた従来の免疫電気泳動法におけ
る、測定に長時間を要し検出感度が低い、という欠点を
解消すべく種々研究を行い、ATIIIとトロンビンが複
合体を形成することによって生ずる新しい抗原決定基を
認識するモノクローナル抗体を産生、分泌するハイブリ
ドーマを得た。そして、このハイブリドーマの培養物を
分離・精製して、TATと特異的に反応し、遊離トロン
ビンおよび遊離ATIIIとは反応しない抗TATモノク
ローナル抗体を製造し、本願発明を完成させるに至っ
た。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本願発明は下記の(1)〜(6)に記載する
構成を有するものである。
(1)トロンビン・アンチトロンビンIII複合体とと特
異的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチトロビ
ンIIIとは反応しないことを特徴とする抗トロンビン・
アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体。
(2)トロンビン・アンチトロンビンIII複合体で免疫
したマウスの脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞との融合によ
って形成され、トロンビン・アンチトロンビンIII複合
体と特異的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチ
トロンビンIIIとは反応しないモノクローナル抗体を分
泌するハイブリドーマの培養物を分離・精製することを
特徴とする抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
モノクローナル抗体の製造方法。
(3)トロンビン・アンチトロンビンIII複合体と特異
的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチトロンビ
ンIIIとは反応しない抗トロンビン・アンチトロンビンI
II複合体モノクローナル抗体の1種または2種以上を使
用することを特徴とするトロンビン・アンチトロンビン
III複合体の免疫定量法。
(4)免疫定量法が酵素免疫定量法である特許請求の範
囲第3項記載のトロンビン・アンチトロンビンIII複合
体の免疫定量法。
(5)免疫定量法がラテックス凝集免疫定量法である特
許請求の範囲第3項記載のトロンビン・アンチトロンビ
ンIII複合体の免疫定量法。
(6)トロンビン・アンチトロンビンIII複合体と特異
的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチトロビン
IIIとは反応しない抗トロンビン・アンチトロンビンIII
複合体モノクローナル抗体を担体に結合させたものを免
疫吸着剤として用いることを特徴とするトロンビン・ア
ンチトロンビンIII複合体の精製法。
以下、本発明を詳細に説明する。
抗TATモノクローナル抗体は新規なマウス・ハイブリ
ドーマを、それぞれ培地またはマウスの膜腔内で培養す
ることによって製造できる。
ここで用いるマウス・ハイブリドーマは一般的にはTA
Tで免疫したマウスの脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞と
を、Khlerおよび Milstein の細胞融合の基本方
法〔Nature 第256巻 495頁(1975年)参
照〕により細胞融合して製造することが可能である。詳
細には、下記実施例に述べる如くである。
また、上記のハイブリドーマを培養する培地としては、
ハイブリドーマの培養に適した培地であればよく、好適
にはダルペッコ氏変法イーグル氏最小必須培地(Dulbecc
o′s modified Eeagle′sminimun essential medium以
下、DMEと記す)にウシ胎児血清、L-グルタミン、
L-ピルビン酸および抗生物質(ペニシリンGとストレ
プトマイシン)を含む培地が用いられる。
上記ハイブリドーマの培養は、培地中で行う場合には5
%CO濃度、37℃で約3日間、またマウスの腹腔内
で培養する場合には約14日間で行われる。
このようにして製造された培養液またはマウスの腹水か
ら、蛋白質の単離、精製に一般的に用いられる方法によ
り前述の抗TATモノクローナル抗体を分離、精製する
ことが可能である。
そのような方法としては、硫安塩析、イオン交換セルロ
ースを用いるイオン交換カラムクロマトグラフィー、分
子篩ゲルを用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プ
ロエテンA結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグ
ラフィー、透析、凍結乾燥等がある。
このようにして得られた抗TATモノクローナル抗体
は、遊離のATIII及びトロンビンとは結合しないで、
TATとだけ結合する能力を有し、TATの免疫定量用
の試薬として、及びTATの精製に用いる免疫吸着剤と
して有用である。この発明の抗TATモノクローナル抗
体(例えば後述の実施例で得られたAT−1、AT−
2、AT−3、AT−4、およびAT−5)は、酵素免
疫定量法(EIA)あるいは放射能免疫定量法(RI
A)における試薬として使用できる。酵素免疫定量法と
しては、マイクロタイターあるいはプラスチックチュー
ブを用いるワン・ステップ・サンドイッチ酵素免疫定量
法が例として挙げられる。この酵素免疫定量法の具体例
は、下記実施例7に示す通りであるが、一般的には、T
ATの互いに異なった抗原決定基を認識する2種類の抗
TATモノクローナル抗体を用いて行い、まずマイクロ
タイター・プレートの穴(ウェル)あるいはプラスチッ
クチューブを前もって1種類の抗体(例えばAT−1)
で感作させておき、次に、この穴あるいはプラスチック
チューブにTATを含む被検体および酵素標識した別種
の抗体(例えば、AT−2)の溶液を入れ、約30分間
静置後洗浄し、酵素基質溶液を加えて30分間程度酵素
反応を行う。反応終了後、比色法等により、被検体中の
TATの量を定量することにより行うことが可能であ
る。
また、本発明のモノクローナル抗体は、後述するように
ラテックス凝集免疫法にも使用できる。本発明のモノク
ローナル抗体を感作したラテックスと被検体を接触さ
せ、それに伴う凝集の有無を測定することで、被検体中
のTATを定量することができる。
また、この発明の抗TATモノクローナル抗体をTAT
の精製に使用できる。まず、抗TATモノーナル抗体
(AT−1、AT−2、AT−3、AT−4、またはA
T−5)をシアン化臭素・活性化セファロース4Bと常
法により反応させ、該AT−1、AT−2、AT−3、
AT−4、またはAT−5結合セファロース4Bを調製
し、これを用いて、カラム法またはバッチ法でTATを
常法によって精製すればよい。
「実施例」 次にこの発明の実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 TATの調製: TATの調製は次のような操作で行った。精製したトロ
ンビン5mg(0.5mg/mlのトロンビン溶液、1
0ml)と精製したATIII15mg(5mg/mlの
ATIII溶液、3ml)を混合し(モル比1:2)、3
7℃で1時間反応後、1Mのジイソプロピルフルオロリ
ン酸溶液を13ml反応液に添加することによって反応
を停止させる。この混合液を前もって0.1M NaC
lを含む20mMトリス塩酸緩衝液 pH7.4で平衡
化したヘパリン−セファロースカラム(カラム容量10
0ml)に充填する。このカラムを上記の緩衝液約40
0mlで洗浄後、0.1MNaClを含む20mM ト
リス塩酸緩衝液(pH7.4)と0.5M NaClを
含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)による直
線濃度勾配によって溶離する。溶出液は、5mlずつ集
めた。SDSディスク電気泳動法によって、複合体の含
まれている分画を測定したTATが含まれている分画番
号61−120を集め、50mM NaClを含む20
mMトリス塩酸緩衝液で透析する。次に前もって50m
M NaClを含む20mMトリス塩酸緩衝液で平衡化
してあるDEAE−セファセルカラム(カラム容量50
ml,ファルマシャ社製,スウェーデン)に充填する。
このカラムを上記の緩衝液約200mlで洗浄した後、
0.05M NaClを含むトリス塩酸緩衝液(pH
7.4)と0.5M NaClを含むトリス塩酸緩衝液
による直線濃度勾配によって溶離する。溶出後は、2m
lずつ集めた。上記の方法で測定したTATの含まれて
いる分画を集め、限外濾過法によって濃縮し、A280
nm=1.0のTAT,5mlを得た。このようにして
得たTAT溶液は、免疫原として、また抗TAT抗体産
生性ハイブリドーマを選別するためのELISA用抗原
として使用する。
実施例2 (a)免疫化した脾臓細胞の調製: 上記のTAT免疫原溶液(A280nm=0.1)を等
量のフロインド氏完全アジュバンドと乳化するまで混合
し、その混合液200μをマウス腹腔内に投与するこ
とにより免疫を行った(第1回免疫)。30日経過後、
該マウスに上記の同様の方法でマウス腹腔内に投与した
(第2回免疫)。第2回免疫から21日経過後、TAT
免疫原溶液(A280nm=0.1)を等量の生理食塩
水で希釈し、その希釈液200μを、該マウスを静脈
内に投与した(最終免疫)。最終免疫から3日経過後、
脾臓細胞をマウスから取り出し、細胞融合に使用した。
(b)細胞融合: 無菌的に摘出した上記の脾臓を、10〜15%ウシ胎児
血清を含むDME培地5mlを入れたシャーレに入れ
る。次に脾臓を10〜15%ウシ胎児血清を含むDME
培地約15mlで還流して脾細胞を流出させた後、この
脾細胞懸濁液をナイロンメッシュに通す。この脾細胞を
50ml遠心チューブに集めて500×g、10分間遠
心する。こうして得たペレットに3〜5mlのヘモライ
ジング溶液(155mM NHCl,10mM KH
CO,1mM NaEDTA,pH7.0)を加
え、懸濁させる。0℃で,5〜10分間放置すると懸濁
液中の赤血球は破壊される。10〜20mlの10〜1
5%ウシ胎児血清を含むDME培地を加えてから遠心分
離する。このようにして得た細胞ペレットをDME培地
で遠心法によって洗浄し、生きている脾細胞数を測定す
る。
一方、予め培養しておいたマウス骨髄腫細胞(ミエロー
マ細胞)SP2/O−Ag14 約2×10個に1×
10個の上記脾細胞を加え、DME培地中でよく混合
し、遠心分離を行った(500×g,10分間)。その
上清を吸引し、ペレットをよく解きほぐし、38℃に保
温しておいた40%ポリエチレングリコール4000溶
液0.5mlを滴下し、遠心チューブを、手で1分間穏
やかに回転することによってポリエチレングリコール溶
液と細胞ペレットを混合させた。次に、38℃に保温し
ておいたDME培地を、30秒ごとに1ml加えてチュ
ーブを穏やかに回転させる。この操作を10回くり返し
た後、20〜30mlの10〜15%ウシ胎児血清を含
むDME培地を加えて、遠心分離(500×g,10分
間)を行った。上清を除去した後、細胞ペレットを10
〜15%ウシ胎児血清を含むHAT培地(DME培地に
アミノプテリン4×10-7M,チミジン1.6×10-5
M,ヒポキサンチン1×10-4Mになるように添加した
もの)で、遠心法によって2回洗浄後、40mlの上記
HAT培地に懸濁する。この細胞懸濁液を96ウエル細
胞培養プレートの各ウエルに200μずつ分注し、3
7℃、5%炭酸ガスを含む炭酸ガス培養器で培養を開始
した。培養中、2〜3日間隔で各ウエルの培地を約10
0μ除き、新たに上記のHAT培地を100μ加え
ることによりHAT培地中で増殖するハイブリドーマを
選択した。8日目頃から10〜15%ウシ胎児血清を含
むHT培地(DME培地にチミジン1.6×10-5M,
ヒポキサンチン1×10-4Mになるように添加したも
の)に交換し、ハイブリドーマの増殖を観察するととも
に、約10日目に、下述のELSIA法により、抗TA
T抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングした。
(c)ハイブリドーマの樹立 ハイブリドーマ培養上清中の産生抗体の有無はELSI
A法により測定した。96ウエルELSIA用プレート
(ImmulonII,日本ダイナテック株式会社)の各
ウエルに、前述の精製TAT溶液(A280nm=0.
05,生理食塩水で稀釈したもの)を500μずつ分
注し、25℃で2時間放置した。次に、0.05%Tw
een20(ICI社の登録商標)−生理食塩水で3回
洗浄した後、各ウエルに培養上清を50μ加え、25
℃で1時間反応させた。
次に、0.05%Tween20−生理食塩水で200
培稀釈したペルオキシダーゼ結合抗マウス抗体(ダコ
社,デンマーク)50μを各ウエルに加えた。反応終
了後、0.05%Tween20−生理食塩水で各ウエ
ルを3回洗浄し、0.5mMアミノアンチピリン、10
mMフェノール、及び0.005%過酸化水素水を含む
溶液250μを各ウエルに加え、25℃で30分間反
応させ、各ウエルの490nmにおける吸光度を測定し
た。その結果、192ウエル中、23ウエルに抗体産生
が認められた。
上記のELISA法によって認められた培養上清中の抗
TAT抗体が、ATIIIおよびトロンビンと反応するか
否かを、ATIIIあるいはトロンビンの感作した96ウ
エルELISA用プレートを用いて上記と同様の方法で
測定した。その結果、TATと反応した23ウエルの培
養上清中、18ウエルの培養上清がATIIIとも反応し
た。一方、トロンビンとは全く反応しなかった。
ATIIIおよびトロンビンとは反応しないで、TATの
みに特異的に反応する5ウエル中のハイブリドーマは2
4ウエルプレートに移し、10〜15%ウシ胎児血清を
含むHT培養で4〜5日間培養した。その後、再度EL
ISA法によって“抗TAT特異的抗体”(以下単に抗
TAT抗体という)の産生の有無を確認してから限界希
釈法によりクローニングした。限界希釈法は、HT培地
でハイブリドーマが5個/mlとなるように稀釈した細
胞浮遊液を、予め正常BALB/C系マウスの腹腔細胞
がウエルあたり2×10個分注してある96ウエルプ
レートの各ウエルに100μずつ分注した。約10日
後、ELISA法によって、抗TAT抗体を産生するハ
イブリドーマのクローンをスクリーニングした。その結
果、各ハイブリドーマにつき、20〜40個の抗体産生
クローンが得られた。これらのクローンの中から、増殖
のよい、抗体分泌能の高い、しかも安定なクローンを選
び、前述と同様の方法で再クローン化を行ない、“抗T
AT特異的抗体”産生ハイブリドーマAT−1、AT−
2、AT−3、AT−4、およびAT−5を樹立した。
実施例3(モノクローナル抗体の製造) (イン・ビトロ法) マウスハイブドーマAT−1、AT−2、AT−3、A
T−4、およびAT−5を各々15%ウシ胎児血清を含
むDME培地中で37℃,5%二酸化炭素雰囲気中72
〜96時間培養した。培養物を遠心分離(10000×
g,10分)後、上清に固形の硫酸アンモニウムを50
%最終濃度となるように徐々に加えた。混合物を氷冷下
30分間撹拌した後60分間放置し、遠心分離(100
00×g,10分)後、得られた沈渣を少量の10mM
リン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、1000倍量の
10mMリン酸緩衝液に対して透析した。これを、10
mMリン酸緩衝液ですでに平衡化したDEAE−セルロ
ースのカラムに充填した。モノクローナル抗体の溶出は
10mMリン酸緩衝液(pH8.0)と0.2M Na
Clを含む10mMリン酸緩衝液(pH8.0)の間で
濃度勾配法により行なった。溶出されたモノクローナル
抗体を限外濾過法で濃縮し、0.1Mリン酸緩衝液(p
H8.0)に対して透析した。ウシ血清1gGを除くた
めに、透析物をヤギ抗ウシ血清1gG−セファロース4
Bのカラムに通した。次に通過液を0.1Mリン酸緩衝
液(pH8.0)で平衡化したプロテインA−セファロ
ース4Bのカラムに充填した。カラムをpH3.5の緩
衝液で溶出して精製した抗TAT抗体AT−1(同様に
してAT−2、AT−3、AT−4、AT−5)の溶液
を得た。
(イン・ビボ法) プリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタ
デカン)0.5mlを10〜12週齢のBALB/C系
マウスの腹腔内に投与後14〜20日目のマウス腹腔内
にインビトロで増殖させたハイブリドーマAT−1、A
T−2、AT−3、AT−4またはAT−5をマウス1
匹あたり2×10細胞となるように接種した。
各ハイブリドーマにつき1匹のマウスから約10〜15
mlの腹水が得られた。その抗体濃度は、2〜10mg
/mlであった。腹水中のモノクローナル抗体の精製
(但し、ヤギ抗ウシ血清IgG−セファロース4Bのカ
ラムを通す操作は除く。)は、上記のインビトロ精製法
と同様の方法で行なった。
実施例4(モノクローナル抗体の免疫グロブリンクラス
および特異性の同定) 抗TATモノクローナル抗体AT−1、AT−2、AT
−3、AT−4およびAT−5の免疫グロブリン・クラ
ス、及び特異性の同定は、各々オクテロニー免疫拡散
法、及びエンザイムノアッセイ法により行なった。
結果は次の第1表及び第1〜5図に示す通りである。
実施例5(アフィニティクロマトグラフィー) 精製された抗TATモノクローナル抗体AT−1(また
はAT−2、AT−3、AT−4、AT−5)4mgを
CNBr活性化セファロース4B1mlに結合させたも
のを免疫吸着剤として使用した。
「実施例1」の方法で精製したTAT、あるいはTAT
混合溶液をAT−1(またはAT−2、AT−3、AT
−4、AT−5)結合セファロース4B(1.0ml)
カラムに充填し、次に0.15M NaClを含む0.
1Mリン酸緩衝液(PH8.0)で洗浄する。ATIII
とトロンビンは、この洗浄後中に100%回収された。
一方、カラムに吸着されたTATを次の溶出溶媒で溶出
を試みた。
a)4.5M MgCl(pH7.5) b)リン酸−クエン酸,pH2.8 c)グリシン/Hcl,pH2.5 d)3Mチオシアン酸カリウム溶液 TATを有する画分を、0.15M NaClを含む
0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)に対して透析後、
各画分のTATの含量を定量した。結果を第2表に示
す。
実施例6(ラテックススライド凝集免疫定量法) 抗TATモノクローナル抗体によるラテックス(日本合
成ゴム社製、0.497μm)の感作は次のような操作
で行った。
5種類のモノクローナル抗体AT−1、AT−2、AT
−3、AT−4、AT−5、各々の濃度が0.1mg/
mlの溶液10mlに、ラテックス濃度が1%(w/
v)になるようにラテックスを加え、25℃で1時間激
しく撹拌する。次に、牛アルブミン溶液(10mg/m
l)を0.2ml添加し、25℃で30分間激しく撹拌
後、遠心分離(20000×g,30分間)を行なう。
沈渣を50mlの水に懸濁し、抗TATモノクローナル
抗体感作ラテックスとして以下のラテックススライド凝
集免疫定量に用いた。
スライド凝集板の各ウエルに感作ラテックス(0.2
%)25μを添加し、次に、生理食塩水による2倍希
釈列の被検体25μを加える。このスライド凝集板を
100回転で1分間回転させ各ウエルの凝集の有無を測
定する。被検体中のTATの量は、同時に測定した2倍
希釈列の検量用複合体によるラテックス凝集反応の有無
から求める。
実施例7(ワン・ステップ・サンドイッチ酵素免疫定量
法) 西洋ワサビ・ペルオキシダーゼを抗TATモノクローナ
ル抗体AT−1に結合させる方法は、ナカネおよびカワ
オイ(ジャーナル・オブ・ヒストメミストリー・アンド
・サイトケミストリー第22巻 第1084〜1091
頁(1974年))の方法に準じて行った。この酵素ラ
ベル抗体を用いてTATのワン・ステップ・サンドイッ
チ酵素免疫定量を次のようにして行った。
抗TATIIIモノクローナル抗体AT−2を20mM炭
酸緩衝液中に10μg/mlの濃度にした溶液を、96
ウエル平底型ポリスチレン製マイクロタイター・プレー
トに、100μ入れて25℃で30分間静置した。そ
のプレートを0.05%Tween−20を含む生理食
塩水で3回洗浄した。このようにして得た抗体を感作し
たプレートのウエルに、50μの被検体、及び上記で
調製したペルオキシダーゼ標識抗体、0.15MNaC
l、及び2%ウシアルブミンを含む20mMリン酸緩衝
液(pH8.0)100μを加えた。25℃で30分
間静置後、プレートを0.05%Tween−20を含
む生理食塩水で3回洗浄した。次いで、酵素基質液(1
0mMフェノール、20mM 4−アミノアンチピリ
ン、及び0.005% 過酸化水素を含む液)200μ
ずつをプレートのそれぞれのウエルに添加した。25
℃で30分反応後、各ウエルの液の490nmにおける
吸光度をMP−590型マイクロエライザ・ミニリーダ
ー(ダイナテック社製)で測定した被検体中のTATの
量は、同時に測定した検量用複合体の490nmにおけ
る吸光度から描いた検量線から求めた。
「発明の効果」 この発明の抗TATモノクローナル抗体を使用すれば、
上述のごとく、TATを感度よく定量することができ
る。また、この抗TATモノクローナル抗体は、TAT
吸着剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1〜第5図は、それぞれ抗TATモノクローナル抗体
(AT−1、AT−2、AT−3、AT−4、AT−
5)のトロンビン、ATIII、およびTATとの結合力
を、96ウエルマイクロタイター・プレートを用いてエ
ンザイムイムノアッセイ法で測定した結果を表すグラフ
図である。 T……トロンビン A……アンチトロビンIII B……トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 3/20 C12N 15/06 G01N 33/53 L 8310−2J (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 馬場 光広 千葉市さつきが丘2―10―2―205 (56)参考文献 特開 昭52−108018(JP,A) Nature,256,495−497(1975) Blood,65(5),1201−1207 (1985) (54)【発明の名称】 抗トロンビン・アンチトロンビン3複合体モノクローナル抗体、及びその製造方法、並びにそれ を用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の免疫定量法、及びそれを用いるトロンビン・ アンチトロンビン3複合体の精製方法

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
    と特異的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチト
    ロンビンIIIとは反応しないことを特徴とする抗トロン
    ビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗
    体。
  2. 【請求項2】トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
    で免疫したマウスの脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞との融
    合によって形成され、トロンビン・アンチトロンビンII
    I複合体と特異的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離
    アンチトロンビンIIIとは反応しないモノクローナル抗
    体を分泌するハイブリドーマの培養物を分離・精製する
    ことを特徴とする抗トロンビン・アンチトロンビンIII
    複合体モノクローナル抗体の製造方法。
  3. 【請求項3】トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
    と特異的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチト
    ロンビンIIIとは反応しない抗トロンビン・アンチトロ
    ンビンIII複合体モノクローナル抗体の1種または2種
    以上を使用することを特徴とするトロンビン・アンチト
    ロンビンIII複合体の免疫定量法。
  4. 【請求項4】免疫定量法が酵素免疫定量法である特許請
    求の範囲第3項記載のトロンビン・アンチトロンビンII
    I複合体の免疫定量法。
  5. 【請求項5】免疫定量法がラテックス凝集免疫定量法で
    ある特許請求の範囲第3項記載のトロンビン・アンチト
    ロンビンIII複合体の免疫定量法。
  6. 【請求項6】トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
    と特異的に反応し、遊離トロンビンおよび遊離アンチト
    ロビンIIIとは反応しない抗トロンビン・アンチトロン
    ビンIII複合体モノクローナル抗体を担体に結合させた
    ものを免疫吸着剤として用いることを特徴とするトロン
    ビン・アンチトロンビンIII複合体の精製法。
JP60279129A 1985-12-13 1985-12-13 抗トロンビン・アンチトロンビン3複合体モノクローナル抗体、及びその製造方法、並びにそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の免疫定量法、及びそれを用いるトロンビン・アンチトロンビン3複合体の精製方法 Expired - Lifetime JPH0644876B2 (ja)

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JP6594641B2 (ja) * 2015-03-31 2019-10-23 株式会社Lsiメディエンス トロンビン・アンチトロンビン複合体の測定試薬及び測定方法
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