JP2739977B2 - ガン遺伝子産物に対するモノクローナル抗体 - Google Patents
ガン遺伝子産物に対するモノクローナル抗体Info
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Description
ローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞、およびそ
のモノクローナル抗体を用いる免疫定量法に関する。
量を測定することによる癌の診断法が知られている。造
血系細胞の癌化の診断方法としては、細胞性癌遺伝子c
−mybに対応する蛋白質(以下、c−myb蛋白質と称する
ことがある)の、細胞溶解質中の濃度を測定する方法が
従来から知られている。
b蛋白質で免疫した動物から得られた抗血清に含まれて
いるポリクローナル抗体が用いられていたので、特異性
が低く再現性に欠けるという欠点があった。本発明の目
的は、c−myb蛋白質に特異的なモノクローナル抗体を
提供し、更に特異性が高く、しかも再現性のあるc−my
b蛋白質の免疫測定法を提供することにある。
トンの蛋白質全体(以下、全c−myb蛋白質と略称する
ことがある)と反応し、しかも前記の約85キロダルトン
の蛋白質全体(すなわち全c−myb蛋白質)からC末端
側ペプチド約35キロダルトンが脱落した蛋白質(以下、
c−myb蛋白質50と略称することがある)とも反応する
モノクローナル抗体、および (2)全c−myb蛋白質とは反応するが、c−myb蛋白質
50とは反応しないモノクローナル抗体によって達成する
ことができる。
マウスのミエローマ細胞との融合によって形成され、そ
して (b)c−myb蛋白質と反応し、しかもc−myb蛋白質50
とも反応するモノクローナル抗体を分泌する、 ことを特徴とするハイブリドーマ細胞に関する。
マウスのミエローマ細胞との融合によって形成され、そ
して (b)全c−myb蛋白質とは反応するが、c−myb蛋白質
50とは反応しないモノクローナル抗体を分泌する、 ことを特徴とするハイブリドーマ細胞に関する。
白質に対応するモノクローナル抗体1種以上を用いるこ
とを特徴とする、水性液体中の細胞性癌遺伝子c−myb
に対応する蛋白質の免疫定量方法にも関する。
するモノクローナル抗体である本発明による抗c−myb
蛋白質モノクローナル抗体は、新規なマウス・ハイブリ
ドーマ細胞をイン・ビトロ(例えば培地中)またはイン
・ビボ(例えばマウスの腹腔内)で培養することによっ
て製造することができる。
にはc−myb蛋白質で免疫したマウスの脾臓細胞とマウ
スのミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを、Kohlerおよび
Milsteinの方法〔Nature,第256巻495頁(1975年)参
照〕により細胞融合して製造することが可能である。
ては、ハイブリドーマ細胞の培養に適した任意の培地を
用いることができ、好適にはダルベッコ氏変法イーグル
氏培地(Dulbecco′s modified Eeagle′s medium;以下
DMEと記す)にウシ胎児血清、L−グルタミン、L−ピ
ルビン酸および抗生物質(ペニシリンGとストレプトマ
イシン)を含む培地が用いられる。
場合には例えば培地中で5%CO2濃度および37℃で約3
日間、またイン・ビボ例えばマウスの腹腔内で培養する
場合には約14日間実施する。
からモノクローナル抗体を分離、精製する場合には、蛋
白質の単離、精製に一般的に用いられる方法を用いるこ
とが可能である。そのような方法としては、硫安塩析、
イオン交換クロマトグラフィー、分子篩ゲルを用いる分
子篩カラムクロマトグラフィー、プロテインA結合多糖
類を用いる親和性カラムクロマトグラフィー、透析、凍
結嵌装の方法等がある。
ナル抗体は、他の癌遺伝子産物とは反応しないで、c−
myb蛋白質とだけ特異的に結合する能力を有し、c−myb
蛋白質の免疫定量用の試薬として有用である。
えば後述の実施例で得られたMYB−1,MYB−2,NYB−3お
よびMYB−4)は各種の免疫定量法における試薬として
使用することができる。
いは2種以上の抗c−myb蛋白質モノクローナル抗体を
用いて行なう。まず、被検体(例えば細胞溶解質)を、
SDS−ポリアクリドアミドを用いた電気泳動で処理し、
つづいてこのゲル中の細胞溶解質をニトロセルロース膜
あるいは他の膜に転写し、転写後の膜を抗c−myb蛋白
質モノクローナル抗体1種あるいは2種以上(例えば本
発明によるモノクローナル抗体MYB−1および/またはM
YB−3)を含む溶液に1時間程度浸した後に洗浄し、酸
素標識した抗マウスγ−グロブリン抗体を加えて1時間
程度静置する。洗浄後、酵素基質液を加えて30分間程度
酵素反応を行なう。反応終了後、デンシトメーターを用
いた比色法によって酵素反応の生成物等を測定すること
により、被検体中のc−myb蛋白質を定量する。
−myb蛋白質との結合部位が異なる抗体)を、一方は不
溶性化した(例えば、マイクロタイタープレートのウエ
ルに付着させた)形、そして他方は標識(例えば、放射
性同位体、酵素、発光体)付けした形の試薬とし、これ
らの試薬と水性液体試料(例えば細胞溶解質)中のc−
myb蛋白質とを結合させることに基づく免疫定量法に用
いることができる。例えば、酵素免疫定量法は、一般的
には、c−myb蛋白質の互いに異なる抗原決定基を認識
する2種類の抗c−myb蛋白質モノクローナル抗体を用
いて行なう。まず、マイクロタイタープレートのウエル
(穴)あるいはプラスチックチューブを、1種類の抗体
(例えば本発明によるモノクローナル抗体MYB−1)で
感作させる。次に、このウエルあるいはプラスチックチ
ューブに、c−myb蛋白質を含む被検体(例えば細胞溶
解質)および酵素標識した別種の抗体(例えば本発明に
よるモノクローナル抗体MYB−3)の溶液を入れ、約30
分間静置後に洗浄し、酵素基質溶液を加えて30分間程度
酵素反応を行なう。反応終了後、比色法等により、被検
体中のc−myb蛋白質を定量する。
蛋白質の互いに異なった抗原決定基を認識する2種類の
抗c−myb蛋白質モノクローナル抗体を用いて行なう。
まず、マイクロタイタープレートのウエルあるいはプラ
スチックチューブを1種類の抗体(例えば本発明のモノ
クローナル抗体MYB−1)で感作させる。次に、このウ
エルあるいはプラスチックチューブにc−myb蛋白質を
含む被検体(例えば細胞溶解質)および化学発光化合物
で標識した別種の抗体(例えば本発明によるモノクロー
ナル抗体MYB−3)の溶液を入れ、約30分間静置後洗浄
し、過酸化水素を加えて化学発光を起こさせ、これをル
ミノメーターを用いて被検体中のc−myb蛋白質を定量
する。
が、この発明は以下の実施例によって限定されるもので
はない。
記載の方法に従って実施した。すなわち、マウス癌遺伝
子c−mybのcDNAを含む発現ベクターpAR2156を大腸菌
(Esherichia coli)BL21株にトランスフォーメーショ
ンして得た大腸菌BL21〔pAR2156〕株(理化学研究所バ
ーンバンク細胞銀行)を培地中で十分に増殖させた。次
に、ラクトースオペロンの非代謝性誘導物質であるイソ
プロピル−β,D−チオガラクトシド(IPTG)を培養液に
添加した。1時間培養した後、大腸菌BL21〔pAR2156〕
株を集菌し、その菌溶解質をSDS−ポリアクリルアミド
で電気泳動し、分子量(85キロダルトン)で同定したc
−myb蛋白質を含むゲルを切り出した。このゲルから、
c−myb蛋白質を電気泳動的に抽出した。こうして得た
c−myb蛋白質(A280nm=0.2,10ml)を免疫原として、
また抗c−myb蛋白質モノクローナル抗体産生性ハイブ
リドーマを選別するためのELISA用抗原として使用し
た。
量のフロインド氏完全アジュバントと乳化するまで混合
し、その混合液200μをマウス腹腔内に投与すること
により免疫を行なった(第1回免疫)。30日経過後、該
マウスに上記と同様の混合液20μをマウス腹腔内に投
与した(第2回免疫)。第2回免疫から21日経過後、c
−myb蛋白質免疫原溶液(A280nm=0.1)を等量の生理食
塩水で希釈し、その希釈液200μを、該マウスの静脈
内に投写した(最終免疫)。最終免疫から3日経過後、
脾臓を無菌的にマウスから取り出し、次の細胞融合工程
に使用した。
含むDME培地5mlを入れたシャーレに入れた。次に、脾臓
を15%ウシ胎児血清を含むDME培地約15mlで還流して脾
臓細胞を流出させた後、この脾臓細胞懸濁液をナイロン
メッシュに通した。この脾臓細胞を50ml遠心チューブに
集め、500×gで10分間遠心した。こうして得たペレッ
トにヘモライジング溶液(155mM NH4Cl,10mMKHCO3,1mM
Na2EDTA pH7.0)5mlを加え、懸濁させた。0℃で5分間
放置して懸濁液中の赤血球を破壊させた。15%ウシ胎児
血清10〜20mlを含むDME培地を加えてから遠心分離し
た。こうして得た細胞ペレットをDME培地で遠心法によ
って洗浄し、生きている脾臓細胞数を測定した。
髄腫細胞)SP2/O−Ag14(理化学研究所ジーンバンク細
胞銀行)約2×107個に上記脾臓細胞1×108個を加え、
DME培地中でよく混合し、遠心分離を行なった(500×g,
10分間)。その上清を吸引し、ペレットをよく解きほぐ
し、40%ポリエチレングリコール4000溶液(38℃に保
温)0.5mlを滴下し、遠心チューブを手で1分間穏やか
に回転することによってポリエチレングリコール溶液と
細胞ペレットを混合させた。次に、38℃に保温しておい
たDME培地を30秒毎に1ml加えて、チューブを穏やかに回
転させた。この操作を10回繰返した後、15%ウシ胎児血
清20〜30mlを含むDME培地を加えて、遠心分離(500×g,
10分間)を行なった。上清を除去した後、細胞ペレット
を15%ウシ胎児血清を含むHT培地(DME培地にアミノプ
テリン4×10-7M、チミジン1.6×10-5M、ヒポキサンチ
ン1×10-4Mになるように添加したもの)で、遠心法に
よって2回洗浄後、40mlの上記HT培地に懸濁した。この
細胞懸濁液を96ウエル細胞培養プレートの各ウエルに20
0μずつ分注し、37℃,5%炭酸ガスを含む炭酸ガス培
養器で培養を開始した。培養中、2〜3日間隔で各ウエ
ルの培地を約100μ除き、新たに上記のHT培地100μ
を加えることによりHT培地中で増殖するハイブリドーマ
を選択した。8日目から15%ウシ胎児血清を含むHT培地
(DME培地にチミジン1.6×10-5M、ヒポキサンチン1×1
0-4Mになるように添加したもの)に交換し、ハイブリド
ーマの増殖を観察するとともに、10日目に、下述のELIS
A法により、抗c−myb蛋白質抗体産生ハイブリドーマを
スクリーニングした。
法により測定した。96ウエルELISA用プレート(Immulon
II、日本ダイナテック株式会社)の各ウエルに、前述
の精製c−myb蛋白質溶液(A280nm=0.05、生理食塩水
で希釈した)50μずつを分注し、25℃で2時間放置し
た。次に、0.05%Tween20−生理食塩水で3回洗浄した
後、各ウエルに培養上清50μを加え、25℃で1時間反
応させた。
シターゼ結合抗マウス抗体(ダコ社、デンマーク)50μ
を各ウエルに加えた。反応終了後、0.05%Tween20−
生理食塩水で各ウエルを3回洗浄し、0.5mMアミノアン
チピリン、10mMフェノールおよび0.005%過酸化水素水
を含む溶液250μを各ウエルに加え、25℃で30分間反
応させ、各ウエルの490nmにおける吸光度を測定した。
その結果、192ウエル中4ウエルに抗体産生が認められ
た。その4ウエル中の各ハイブリドーマを24ウエルプレ
ートに写し、15%ウシ胎児血清を含むHT培地で4〜5日
間培養した。その後、再度ELISA法によって抗c−myb蛋
白質抗体の産生の有無を確認してから限界希釈法により
クローニングした。限界希釈法は、HT培地でハイブリド
ーマが5個/mlとなるように希釈した細胞浮遊液を、予
め正常BALB/C系マウスの腹腔細胞がウエルあたり2×10
4個分注してある96ウエルプレートの各ウエルに100μ
ずつ分注した。10日後、ELISA法によって抗c−myb蛋白
質特異的抗体を産生するハイブリドーマのクローンをス
クリーニングした。その結果、各ハイブリドーマにつ
き、20〜40個の抗体産生クローンが得られた。これらの
クローンの中から、増殖のよい、抗体分泌能の高い、し
かも安定なクローンを選び、前述と同様の方法で再クロ
ーン化を行い、抗c−myb蛋白質特異的抗体産生ハイブ
リドーマMYB−1,MYB−2,MYB−3およびMYB−4を樹立し
た。
YB−4を、それぞれ15%ウシ胎児血清を含むDME培地中
で37℃,5%二酸化炭素雰囲気中において72〜96時間培養
した。培養部を遠心分離(10000×g,10分)後、上清に
固形の硫酸アンモニウムを50%最終濃度となるように徐
々に加えた。混合物を氷冷下で30分間撹拌した後、60分
間放置し、遠心分離(10000×g,10分)後、得られた沈
渣を少量の10mMリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、1000
倍量の10mMリン酸緩衝液に対して透析した。これを、10
mMリン酸緩衝液ですでに平衡化したDEAE−セルロースの
カラムに充填した。モノクローナル抗体の溶出は10mMリ
ン酸緩衝液(pH8.0)と0.2M NaClを含む10mMリン酸緩衝
液(pH8.0)の間で濃度勾配法により行なった。溶出さ
れたモノクローナル抗体を限外濾過法で濃縮し、0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)に対して透析した。ウシ血清IgGを
除くために、透析物をやぎ抗ウシ血清IgG−セファロー
ス4Bのカラムに通した。次に通過液を0.1Mリン酸緩衝液
(pH8.0)で平衡化したプロテインA−セファロース4B
のカラムに充填した。カラムをpH3.5の緩衝液で溶出し
て、精製した抗c−myb蛋白質特異抗体MYB−1(同様に
してMYB−2,MYB−3およびMYB−4)の溶液を得た。
ン)0.5mlを10〜12週齢のBALB/C系マウスの腹腔内に投
与後14〜20日目のマウス腹腔内にインビトロで増殖させ
たハイブリドーマMYB−1,MYB−2,MYB−3またはMYB−4
をマウス一匹あたり2×106細胞となるように接種し
た。
の腹水が得られた。その抗体濃度は、2〜10mg/mlであ
った。腹水中のモノクローナル抗体の精製は、上記のイ
ンビトロ精製法と同様の方法(但し、ヤギ抗ウシ血清Ig
G−セファロース4Bのカラムを通す操作を除く)で行な
った。
よび特異性の同定 抗c−myb蛋白質特異モノクローナル抗体MYB−1,MYB
−2,MYB−3およびMYB−4の免疫グロブリン・クラスお
よび特異性の同定はそれぞれオクテロニー免疫拡散法お
よびエンザイムイムノアッセイ法により行った。結果は
表1に示す通りである。
せ、その各細胞の細胞溶解質のc−myb蛋白質の量をイ
ムノブロット法で定量した。使用した細胞は以下のとお
りである。SUPT−1(T−NHL)〔理化学研究所ジーン
バンク細胞銀行〕、RPM−1(T−ALL)〔理化学研究所
ジーンバンク細胞銀行〕、MOLT−4(T−ALL)〔理化
学研究所ジーンバンク細胞銀行〕、KE−37〔理化学研究
所ジーンバンク細胞銀行〕、T−1〔理化学研究所ジー
ンバンク細胞銀行〕、RB22Pre T/B v−abl形質転換セル
ライン(全c−myb蛋白質が発現している)〔理化学研
究所ジーンバンク細胞銀行〕、T59c−myb形質転換セル
ライン(c−myb蛋白質50が発現している)〔理化学研
究所ジーンバンク細胞銀行〕、3T3線繊芽細胞セルライ
ン(c−myb蛋白質が発現していない)〔理化学研究所
ジーンバンク細胞銀行〕。各細胞(5×106cells/me)
を、50mM NaCl,0.5%デオキシコール酸(deoxy cholat
e),0.5%NP−40および0.1%SDSを含む10mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.5)に懸濁して、細胞を溶解させた(4
℃)。各細胞溶解液を遠心分離(10,000×g,15分間4
℃)し、上清を集めた。各上清20μをSDS−ポリアク
リルアミド電気泳動した後、ゲル中の蛋白質をニトロセ
ルロースフィルターに移動させた。このフィルターを、
3%スキムミルクおよび0.15M NaClを含む10mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.5)で25℃で1時間処理した後、一次
抗体として抗c−myb蛋白質モノクローナル抗体(MYB−
1,MYB−2,MYB−3,MYB−4およびブランクとしてSP2/0細
胞をマウス腹腔に投与して採取した腹水)を25℃で1時
間反応させた。10mMトリス−生理食塩水(pH7.5)でフ
ィルターを5回洗浄後、二次抗体アルカリホスファター
ゼ標識抗マウスIgGを25℃で1時間反応させ、前記と同
様に洗浄した。1.5mM塩化マグネシウムを含む50mM炭酸
緩衝液(pH9.8)に、終濃度0.33mg/mlのニトロブル−テ
トラゾリム及び0.17mg/mlの5−プロモ−4−クロロ−
3−インドイルホスフェト−p−トルイジンを加えた溶
液を発色液として用いた。この発色液を25℃で5〜10分
間反応させた。反応停止は、フィルターを水で洗浄する
ことにより行なった。出現したバンドの強さをデンシト
メーターで定量した。結果(ウエスタンブロッティング
法)を第1図に示す。第1図において、AレーンはRB22
Pre T/Bv−abl形質転換セルライン(全c−myb蛋白質
が発現)、BレーンはT59CTmyb形質転換セルライン(c
−myb蛋白質50が発現)およびCレーンは3T3線維芽細胞
セルライン(c−myb蛋白質な発現していない)であ
る。
−1およびMYB−2は85キロダルトンのc−myb蛋白質と
反応するが、c−myb蛋白質50とは反応しない。一方、
モノクローナル抗体MYB−3およびMYB−4は85キロダル
トンのc−myb蛋白質とc−myb蛋白質50の両方に反応す
る。したがって、モノクローナル抗体MYB−1およびMYB
−2はc−myb蛋白質のN−末側の領域を、モノクロー
ナル抗体MYB−3およびMYB−4はC−末側の領域を認識
する。
細胞中のc−myb蛋白質発現量を示している。前述のセ
ルラインを実施例4と同様に処理し、イムノブロット法
を行い、c−myb蛋白質のバンドの強さをデンシトメー
タで測定し、グラフ化したものである。
ミストリー・アンド・サイトケミストリー(Journal of
Histochemistry and Cytochemistry)第22巻第1084〜1
091頁(1974年)〕の方法に準じて、西洋ワサビ・ペル
オキシダーゼを抗c−myb蛋白質モノクローナル抗体MYB
−1に結合させた。この酵素ラベル抗体を用いてc−my
b蛋白質のワン・ステップ・サンドイッチ酵素免疫定量
を次のようにして行なった。
する20mM炭酸緩衝液100μを96ウエル平底型ポリスチ
レン製マイクロタイター・プレートに入れて25℃で30分
間静置した。そのプレートを0.05%Tween−20を含む生
理食塩水で3回洗浄した。このようにして抗体を感作し
たプレートのウエルに被検体(8Mウレア、1%SDSを含
む0.1Mトリス緩衝液(pH7.5)で処理した細胞の溶解
液)50μ、および上記で調製したペルオキシターゼ標
識抗体と0.15M NaClと2%ウシアルブミンとを包む20mM
リン酸緩衝液(pH8.0)100μを加えた。25℃で30分間
静置後、プレートを0.05%Tween−20を含む生理食塩水
で3回洗浄した。次いで、酵素基質液(10mMフェノー
ル、20mM4−アミノアンチピリンおよび0.005%過酸化水
素を含む液)200μずつをプレートのそれぞれのウエ
ルに添加した。25℃で30分間反応後、各ウエルの液の49
0nmにおける吸光度をMP−590型マイクロ・エライザ・ミ
ニリーダー(ダイナテック社製)で測定した。被検体中
のc−myb蛋白質の量は、同時に測定した検量用c−myb
蛋白質の490nmにおける吸光度から描いた検量線から求
めた結果、10pg/ml〜100ng/mlの範囲で良好なデータを
得ることができた。
としては、一般的にはスクシンイミド基が導入された化
学発光物質と抗体とを混合し、非結合の化学発光物質の
除去はPD−10カラム(ファルマシア)を用いて実施す
る。本例では、抗体としてモノクローナル抗体MYB−1
を、そして化学発光物質としてAcridinium−I(ドージ
ン)を使用した。モノクローナル抗体MYB−2を10μg/
の濃度で含有する20mM炭酸緩衝液100μをプラスチ
ックチューブに入れて25℃で1時間静置した。そのチュ
ーブを、0.05%Tween−20を含む生理食塩水で3回洗浄
した。こうして抗体を感作させたチューブに、被検体
(8ウレア、1%SDSを含む0.1Mトリス緩衝液で処理し
た細胞の溶解液)50μ、および上記で調製したAcridi
nium−I標識モノクローナル抗体MYB−1と0.15M NaCl
と2%ウシアルブミンとを含む20mMリン酸緩衝液(pH8.
0)100μを加えた。25度で1時間静置後、0.05%Twee
n−20を含む生理食塩水でチューブを3回洗浄した。次
いで、10mM H2O2液を200μ加え、発光量をTD−4000LU
MIPHOMETER(UABO sctence)で測定した結果、1pg/ml〜
10ng/mlの範囲で良好なデータを得ることができた。
白質の有効な免疫定量法を提供することができる。
−myb蛋白質に対する反応特異性をウエスタンブロッテ
ィング法によって確認した結果を示す説明図、第2図は
本発明によるモノクローナル抗体による、種々の細胞中
のc−myb蛋白質発現量を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】細胞性癌遺伝子c−mybに対応する約85キ
ロダルトンの蛋白質全体と反応し、しかも前記の約85キ
ロダルトンの蛋白質全体からC末端側ペプチド約35キロ
ダルトンが脱落した蛋白質とも反応するモノクローナル
抗体。 - 【請求項2】細胞性癌遺伝子c−mybに対応する約85キ
ロダルトンの蛋白質全体とは反応するが、前記の約85キ
ロダルトンの蛋白質全体からC末端側ペプチド約35キロ
ダルトンが脱落した蛋白質とは反応しないモノクローナ
ル抗体。 - 【請求項3】(a)細胞性癌遺伝子c−mybに対応する
蛋白質で免疫したマウスの脾臓細胞とマウスのミエロー
マ細胞との融合によって形成され、そして (b)細胞性癌遺伝子c−mybに対応する約85キロダル
トンの蛋白質全体と反応し、しかも前記の約85キロダル
トンの蛋白質全体からC末端側ペプチド約35キロダルト
ンが脱落した蛋白質とも反応するモノクローナル抗体を
分泌する、ことを特徴とするハイブリドーマ細胞。 - 【請求項4】(a)細胞性癌遺伝子c−mybに対応する
蛋白質で免疫したマウスの脾臓細胞とマウスのミエロー
マ細胞との融合によって形成され、そして (b)細胞性癌遺伝子c−mybに対応する約85キロダル
トンの蛋白質全体とは反応するが、前記の約85キロダル
トンの蛋白質全体からC末端側ペプチド約35キロダルト
ンが脱落した蛋白質とは反応しないモノクローナル抗体
を分泌する、ことを特徴とするハイブリドーマ細胞。 - 【請求項5】請求項1又は2に記載のモノクローナル抗
体1種以上を用いることを特徴とする、水性液体中の細
胞性癌遺伝子c−mybに対応する蛋白質の免疫定量方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP63317637A JP2739977B2 (ja) | 1988-12-17 | 1988-12-17 | ガン遺伝子産物に対するモノクローナル抗体 |
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JPH02203794A JPH02203794A (ja) | 1990-08-13 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2739977B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02427A (ja) * | 1987-07-07 | 1990-01-05 | Max Planck Ges Foerderung Wissenschaft Ev | c−mybタンパク質のエピトープを認識するモノクローナル抗体、および該抗体を産生するハイブリドーマセルライン |
-
1988
- 1988-12-17 JP JP63317637A patent/JP2739977B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Oncogene,1[4](1987)p.395−401 |
Oncogene,3[3](1988,9月)p.257−265 |
The EMBO Journal,5[8](1986)p.1903−1911 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02203794A (ja) | 1990-08-13 |
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