JPH07117534B2 - ヒトプロテインsに対するモノクローナル抗体を用いた免疫学的測定試薬及びキット - Google Patents

ヒトプロテインsに対するモノクローナル抗体を用いた免疫学的測定試薬及びキット

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JPH07117534B2
JPH07117534B2 JP61298881A JP29888186A JPH07117534B2 JP H07117534 B2 JPH07117534 B2 JP H07117534B2 JP 61298881 A JP61298881 A JP 61298881A JP 29888186 A JP29888186 A JP 29888186A JP H07117534 B2 JPH07117534 B2 JP H07117534B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、溶液状態にあるヒトプロテインS,並びにヒト
C4b結合タンパク(以下“C4bp"と略称することがある)
とプロテインSとの複合体(以下“C4bp−プロテインS
複合体”と略称することがある)を免疫学的に測定する
試薬及びキットに関する。
更に詳しくは、フリーのヒトプロテインSを特異的に認
識し結合するモノクローナル抗体を用いるサンドイッチ
法によるヒトプロテインSの免疫学的測定試薬及びその
キット,並びにヒトC4bp−プロテインS複合体を選択的
に特異的に認識し結合するモノクローナル抗体とC4bpを
認識し結合する抗体を用いるサンドイッチ法によるヒト
C4bp−プロテインS複合体の免疫学的測定試薬及びその
キットに関する。
b.従来技術 プロテインSはプロテインCと同様にビタミンK依存性
タンパクで、1977年DiScipioらによりウシとヒトから分
離された[DiScipio,R.G.,Hermodson,M.A.,Yates,S.G.a
nd David,E.W.:Biochemistry.,16;698〜706,(1977)参
照)]。
プロテインSはヒト血漿中には10mg/含まれ、分子量6
9,000(ヒト)の一本鎖の糖タンパクである。また、他
のビタミンK依存性因子とその構造はよく似ており、NH
2末端に約10個のγ−カルボキシグルタミン酸(Gla)を
有している。プロテインSは血中では2つの形で存在
し、1つはフリーノプロテインSであり、このフリーの
ものが、活性化プロテインCの補助因子として働く。も
う1つは、補体系の制御因子である高分子C4bpと非共有
結合して存在する。このフリーと結合しているプロテイ
ンSの比率はほぼ1:1とされている。
C4bp−プロテインS複合体におけるプロテインSの機能
の重要性はリン脂質の陰性荷電表面と非常に親和力が強
いことにある[Nelsestuen,G.L.,Kisiel,W.and DiScipi
o,R.G.:Biochemistry,17/2134〜2138,(1978)]。細胞
が傷害されたり活性化を受けると、Ca2+の存在下でプロ
テインSのGla−domainはリン脂質に結合し、更にこの
プロテインSにC4bpが複合体を形成して結合してその機
能を発揮するものと考えられている[Dahlback,B.:Semi
n.Thromb.Haemostas.,10;139〜148(1984)]。
プロテインS,プロテインCの凝固,線溶系に関する機能
については、最近の研究からその制御機構に関して極め
て重要な働きをしていることが解明され、その生理的意
義についても血栓症との関わりで注目されている。プロ
テインSの先天性欠乏は血栓症の原因となり得ることが
報告されている[Comp,P.C.,Nixon,R.R.,Cooper,M.R.an
d Esmon,C.T.:J.Clin.Invest.,74;2082〜2088,(198
4)]。
したがって、プロテインSの作用機構を明らかにするこ
と、また、プロテインSの血中における抗原量,活性量
を測定し、その動向を把握することができれば、それは
基礎医学,臨床医学の領域において非常に重要な意味を
持つと考えられる。
一方モノクローナル抗体は単一の抗原決定基にたいして
特異的であり、かつ同一の特異性を有する抗体を安定的
に産生できるという利点から抗原タンパク質の機能及び
構造の解析、あるいは免疫測定(EIA,RIA)に近年、一
般的に広く利用されるようになってきた。特に抗原タン
パク質の機能解析,分子解析には抗原タンパク質の機能
に関与する部位、又は特殊な構造部位を認識する抗体を
見出すことが有力な手段となり得る。
従来知られたプロテインSの測定方法として、プロテイ
ンSに対する抗血清を用いるローレル法,ポリクローナ
ル抗体を用いるIRMA(immunoradiometricassay)及びEI
A(enzyme immunoassay)をあげることができるが、こ
れらの方法によって得られた測定値は、フリーのプロテ
インSとそれとC4bpとの複合体を形成しているプロテイ
ンSの両者を含めて測定していることになる。また、前
者の方法は、動物抗血清を用いるために一定の活性を有
する抗血清を安定して多量に得ることが極めて困難であ
り、標準物質によって活性を補正して使用しなければな
らないという頻雑さがあった。また免疫拡散に長時間を
要するという欠点があった。後者の方法は、抗血清から
抗体を精製しなければならず、しかも、定常的に安定な
抗体を得るのが難しいという欠点があった。
C.発明の構成 そこで本発明者らは、ヒトプロテインSに対するモノク
ローナル抗体について研究を重ねたところ、フリーのプ
ロテインSに対して特異的に認識し結合するモノクロー
ナル抗体、並びにC4bp−プロテインS複合体に対して選
択的に認識し結合するモノクローナル抗体を見出し、ま
たこれらのモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ細胞を創作し得、既に提案した。
本発明者らは、かかる新しく見出した前記モノクローナ
ル抗体の特異的な作用を利用すれば、溶液状態にある、
フリーのプロテインSとC4bp−プロテインS複合体とを
選択的に且つ正確に測り分けることを見出し、本発明に
到達した。
すなわち、本発明は下記発明を包含している。
(1)サンドイッチ法による免疫学的測定試薬におい
て、不溶性担体に結合した抗体と標識抗体とのいずれか
一方が、ヒトプロテインSを特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体であり、他の一方がヒト補体系制御因子のC4
bpに対する抗体であることを特徴とするヒトプロテイン
Sに対するモノクローナル抗体を用いたヒト補体系制御
因子のC4bpとプロテインSとの複合体の免疫学的測定試
薬。
(2)サンドイッチ法による免疫学的測定試薬におい
て、不溶性担体に結合した抗体と標識抗体とはヒトプロ
テインSのそれぞれ異なる抗原決定部位を特異的に認識
するものであり、且つそのいずれか一方の抗体は、ヒト
補体系制御因子のC4bとプロテインSとの複合体は認識
せず、フリーのプロテインSを特異的,選択的に認識し
て結合し得るモノクローナル抗体であることを特徴とす
るヒトプロテインSに対するモノクローナル抗体を用い
たヒトプロテインSの免疫学的測定試薬。
(3)不溶性担体に結合した抗体と標識抗体を含み、こ
れらの抗体のいずれか一方はヒトプロテインSを特異的
に認識するモノクローナル抗体であり、他の一方はヒト
補体系制御因子のC4bpに対する抗体であり、これに
(a)溶解剤,(b)洗浄剤及び酵素で標識化した抗体
を用いる場合には、(c)酵素活性を測定するための基
質及びその反応停止剤を組合せてなる免疫学的測定のた
めのキット。
(4)不溶性担体に結合した抗体と標識抗体を含み、こ
れらの抗体はヒトプロテインSのそれぞれ異なる抗原決
定部位を特異的に認識するものであり、且つそのいずれ
か一方の抗体は、ヒト補体系制御因子のC4bpとプロテイ
ンSとの複合体は認識せず、フリーのプロテインSを特
異的,選択的に認識して結合し得るモノクローナル抗体
であり、これに(a)溶解剤,(b)洗浄剤及び酵素で
標識化した抗体を用いる場合には、(c)酵素活性を測
定するための基質及びその反応停止剤を組合せてなる免
疫学的測定のためのキット。
以下本発明について更に詳細に説明する。
一般に抗原の2つの異なった位置に結合した抗体を作っ
て抗原の有無又はその量を測定する方法は、サンドイッ
チ法と呼ばれ、例えばワイド(Wide)の「放射線免疫検
定法(Radioimunoassay Methods)」199〜206(1970)
に記載されている。
かかる本発明のヒトプロテインSの免疫学的測定試薬
は、使用する2種類のモノクローナル抗体として、ヒト
プロテインSのそれぞれ異なる抗原決定部位を認識する
ものを使用し、特にその1種は、フリーのヒトプロテイ
ンSを特異的に認識し得るモノクローナル抗体を使用す
る。また、本発明のヒトC4bp−プロテインS複合体の免
疫学的測定試薬は、使用する2種類の抗体としては、ヒ
トプロテインSを認識し結合するモノクローナル抗体及
び、C4bpを認識し、結合する抗C4bp抗血清の抗体成分を
使用する。
かくして本発明によれば、試薬の品質差がなく、恒常的
に精度よく溶液状態の(例えば血漿中の)ヒトプロテイ
ンS、あるいはC4bp−プロテインS複合体を測定するこ
とが可能である。また直接ヒトプロテインS、あるいは
C4bp−プロテインS複合体を測定するので他の挾雑物の
影響は全く受けず正確に且つ短時間に測定することがで
きる。従って、本発明によれば、従来には存在しなかっ
たヒトプロテインS及びC4bp−プロテインS複合体を正
確且つ迅速に測定し得る試薬及びそのキットが提供され
る。
次に本発明による測定試薬及びヒトプロテインS並びに
ヒトC4bp−プロテインS複合体の含有量の測定方法を具
体的に説明する。
ヒトプロテインSの含有量の測定方法; ヒトプロテインSに対するモノクローナル抗体(第1抗
体)を適当な不溶性担体(例えばプラスチック容器)に
固定化する(以下これを“固定化抗体”という)。つい
で不溶性担体と測定しようとする試薬又は検体試料との
非特異的結合を避けるために適当な物質(例えば牛血清
アルブミン)で不溶性担体の表面を被覆する。
このようにして得られた第1抗体が固定化された不溶性
担体を検体試料と一定時間及び温度で接触させ反応させ
る。この間に固定化抗体(第1抗体)と検体試料中のヒ
トプロテインSが結合する。ついで適当な洗浄液で洗っ
た後、適当な標識物質で標識したヒトプロテインSに対
する抗体(第2抗体)の溶液(例えば水溶液)を、不溶
性担体における固定化抗体に結合したヒトプロテインS
と一定時間及び温度で接触させ第2抗体と反応させる。
これを適当な洗浄液で洗い、次いで不溶性担体上に存在
する第2抗体に標識された標識物質の量を測定する。
かくしてその値から検体試料中のフリーのヒトプロテイ
ンSの量を算出することができる。
C4bp−プロテインS複合体(C4bp−proteinS complex)
の含有量の測定方法; ヒトプロテインSに対するモノクローナル抗体(第1抗
体)を適当な不溶性担体(例えばプラスチック容器)に
固定化する(以下これを“固定化抗体”という)。つい
で不溶性担体と測定しようとする試薬又は検体試料との
非特異的結合を避けるために適当な物質(例えば牛血清
アルブミン)で不溶性担体の表面を被覆する。
このようにして得られた第1抗体が固定化された不溶性
担体を検体試料と一定時間及び温度で接触させ反応させ
る。この間に固定化抗体(第1抗体)と検体試料中のヒ
トC4bp−プロテインS複合体が結合する。次いで適当な
洗浄液で洗った後、適当な標識物質で標識したC4bpに対
する抗体(第2抗体)の溶液(例えば水溶液)を、不活
性担体における固定化抗体に結合したヒトC4bp−プロテ
インS複合体と一定時間及び温度で接触させ第2抗体と
反応させる。これを適当な洗浄液で洗い、次いで不溶性
担体上に存在する第2抗体に標識された標識物質の量を
測定する。
かくして、その値から検体試料中のヒトC4bp−プロテイ
ンS複合体の量を算出することができる。
測定試薬の構成; かくして本発明の測定試薬は、第1抗体が不溶性担体に
結合した固定化担体と標識化された第2抗体とより主と
して構成される。この試薬を能率よく且つ簡便に利用す
るために、これら抗体以外に種々の補助剤を含めてキッ
トを形成することができる。かかる補助剤としては、例
えば固体状の試薬を溶解させるための溶解剤,不溶化担
体を洗浄するために使用される洗浄剤,抗体の標識物質
として酵素を使用した場合、酵素活性を測定するための
基質、その反応停止剤などの免疫学的測定試薬のキット
として通常使用されるものが挙げられる。
本発明の測定試薬に使用される不溶性担体としては、例
えばポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポ
リエステル,ポリアクリルニトリル,弗素樹脂,架橋デ
キストラン,ポリサツカライドなどの高分子、その他
紙,ガラス,金属,アカロース及びこれらの組合せなど
を例示することができる。
また不溶性担体の形状としては、例えばトレイ状,球
状,繊維状,棒状,盤状,容器状,セル,試験管などの
種々の形状であることができる。
また標識物質としては放射性物質,酵素又は螢光物質を
使用するのが有利である。放射性物質としては125I,131
I,14C,3Hなどを、酵素としてはアルカリ性フォスファタ
ーゼ,パーオキシターゼ,β−D−ガラクトシターゼな
ど、また螢光物質としてはフルオレッセインイソチオシ
アネート,テトラメチルローダミンイソチオシアネート
などを使用することができるが、これらは例示したもの
に限らず、免疫学的測定方法に使用されているものであ
れば、他のものでも使用できる。
前述したように、本発明の測定試薬及びキットに使用さ
れる抗体、すなわち“フリーのプロテインSを特異的に
認識するモノクローナル抗体”及び“C4bp−プロテイン
S複合体を特異的に認識するモノクローナル抗体”は、
本発明者らによって初めて見出され、既に特許出願され
た(昭和61年12月15日出願:発明の名称“モノクローナ
ル抗体,ハイブリドーマ,モノクローナル抗体の製造方
法及びヒトプロテインSの分離方法”)。
本発明の前記モノクローナル抗体及びその製造方法につ
いては、前記特許出願明細書に詳細に説明されている
が、以下にその内容を簡単に説明する。
《モノクローナル抗体及びその製造方法》 A.抗原の単離・精製; 抗原に用いるヒトプロテインSはBajajらの方法[Bajaj
SP,Rapaport SI,Maki SL,Brown SF:Prep.Biochem.13,1
91,(1983)]によりヒト・血漿から単離・精製され
る。
B.ヒトプロテインCによるマウスの免疫; 雌Balb/Cマウスを用いることができるが他の系(Strai
n)のマウスを使用してもよい。その際、免疫計画、及
びヒトプロテインSの濃度は十分な量の抗原刺激を受け
た、リンパ球が形成されるよう選ばれるべきである。例
えばマウスに50μgのヒトプロテインSを2週間問題で
腹腔に3回免疫の後、さらに30μgを静脈に投与する。
最終免疫の数日後に融合の為に脾臓細胞をとり出す。
C.細胞融合: 上記の如く免疫したマウスの脾臓を無菌的に取り出し、
そこから単細胞懸濁液を精製する。それらの脾臓細胞を
適当なラインからのマウス骨髄腫細胞と適当な融合促進
剤の使用により、細胞融合される。脾臓細胞対、骨髄腫
細胞の好ましい比率は約20:1〜約2:1の範囲である。約1
08個の脾臓細胞に付いて0.5〜1.5mlの融合媒体の使用が
適当である。
細胞融合に用いるマウス骨髄腫細胞は、よく知られてい
るが、本発明では、P3−X63−Ag8−U1細胞(P3−U1)
[Yelton,D.E.et al,Current.Topics in Microbiologuy
and Immunology,81 1(1978)参照]を用いた。
好ましい融合促進剤としては、例えば、平均分子量1000
〜4000のポリエチレングリコールを有利に使用できる
が、この分野で知られている他の融合促進剤を使用する
こともできる。本発明においては、平均分子量1540のポ
リエチレングリコールを用いた。
D.融合した細胞の選択; 別の容器内(例えばマイクロタイタープレート)で未融
合の脾臓細胞、未融合のマウス骨髄腫細胞及び融合した
ハイブリドーマ細胞の混合物を未融合のマウス骨髄腫細
胞を支持しない選択培地で希釈し、未融合の細胞を死滅
させるのに充分な時間(薬1週間)培養する。培地は、
薬物抵抗性(例えば8−アザグアニン抵抗性)で未融合
のマウス骨髄腫細胞を支持しないもの、(例えばHAT培
地)が使用される。この選択培地中では、未融合の骨髄
腫細胞は死滅する。この未融合の脾臓細胞は非腫瘍性細
胞なので、ある一定期間後(1週間後)死滅する。これ
らに対して融合した細胞は、骨髄腫の親細胞の腫瘍性
と、親脾臓細胞の性質を合わせ持つため、選択培地中で
生存できる。
E.各容器中のヒトプロテインSに対する抗体の確認; かくして、ハイブリドーマ細胞が検出された後、その培
養上清を採取し、ヒトプロテインSに対する抗体につい
て酵素免疫定量法(Enzyme Linked Immunosorbent)に
よりスクリーニングする。
F.目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞のクローン
化; 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を適当な方法
(例えば限界希釈法)でクローン化すると、抗体は2つ
の異なった方法で産生される。その第1の方法によれ
ば、ハイブリドーマ細胞を一定時間、適当な培地で培養
することにより、その培養上清からそのハイブリドーマ
細胞の産生するモノクローナル抗体を得ることができ
る。第2の方法によれば、ハイブリドーマ細胞は同質遺
伝子、又は半同質遺伝子を持つマウスの腹腔に注射する
ことができる。一定時間後の宿主動物の血液中及び腹水
より、そのハイブリドーマ細胞の産生するモノクローナ
ル抗体を得ることができる。
G.モノクローナル抗体のフリープロテインSに対する結
合性; かくして得られたモノクローナル抗体は、適当な濃度に
なるように希釈し、マイクロタイタープレートに固定化
されたフリーのプロテインSと反応させ、酵素標識化
(例えば、アルカリ性フォスファターゼ)した抗マウス
抗体で検出し、各種モノクローナル抗体のフリープロテ
インSに対する結合性を調べる。
H.モノクローナル抗体のC4bp−プロテインS複合体に対
する結合性; マイクロタイタープレートに固定化されたモノクローナ
ル抗体と健常人血漿中のC4bp−プロテインS複合体とを
反応させ、酵素標識化(例えば、アルカリ性フォスファ
ターゼ)した抗C4bp抗体で検出し、各種モノクローナル
抗体のC4bp−プロテインS複合体に対する結合性を調べ
る。
上記の如くして得られた抗体は、フリーのヒトプロテイ
ンSを特異的に認識するモノクローナル抗体と、C4bp−
プロテインS複合体を特異的に認識するモノクローナル
抗体である。
本発明の測定試薬においては、かかるモノクローナル抗
体を第1抗体あるいは第2抗体のいずれかに使用する。
すなわち、前記モノクローナル抗体は、不溶性担体に結
合させて固定化抗体として使用することもできるし、ま
た標識物質を付けて標識抗体としても使用することがで
きる。
以上、本発明によれば、ヒトプロテインSを含む検体
(例えばヒト血漿)中のフリープロテインSとC4bp−プ
ロテインS複合体と選択的に測り分け、それぞれの量を
正確に且つ、容易に測定することが可能である。
以下実施例を掲げて本発明を詳述する。
実施例1(ヒトプロテインSの測定) ヒトプロテインSに対するモノクローナル抗体(2B9F1
2)を15μg/mlの濃度でマイクロタイタープレートにコ
ーティングした。1%牛血清アルブミン(BSA)を含む
リン酸緩衝液(PBS)でブロッキング後、洗浄液(0.05
%Tween20を含む,0.5%BSA−PBS)で3回、洗浄した。
次に精製プロテインS及びヒト患者検体血漿を適当な濃
度になるようにPBSで希釈し、プレート固相に吸着した
モノクローナル抗体と37℃で2時間,反応させた。洗浄
液で3回,洗浄後、パーオキシダーゼ酵素標識化した、
ヒトプロテインSに対するモノクローナル抗体(2B9C1
0)溶液を加え、37℃で2時間反応させ、洗浄液で3回
洗浄後、基質(ABTS)溶液を加え、ELISA ANALYZER(東
洋測器(株),ETY−96)で1分間あたりの吸光度変化
(△A415nm/min)を測定した。精製プロテインSの濃度
と吸光度変化の値をプロットし検量線を作製した。その
結果を添付図1に示した。プロテインS濃度と吸光度変
化値とは、50ng/ml程度まで直線関係にあり、この検量
線を用いれば高感度でヒトプロテインSの量を正確に計
算できる。
ヒト患者検体血漿中のプロテインS量をこの検量線を用
いて算出し、図3に示した。同図3においては健常人血
漿中のプロテインS量を100%として、%表示してい
る。) 実施例2(ヒトC4bp−プロテインS複合体の測定) ヒトC4bp−プロテインS複合体に特異的に結合するヒト
プロテインSに対するモノクローナル抗体(2E12C7)を
20μg/mlの濃度でマイクロタイタープレートにコーティ
ングした。1%牛血清アルブミン(BSA)を含むリン酸
緩衝液(PBS)でブロッキング後、洗浄液(0.05%Tween
20を含む,0.5%BSA−PBS)で3回,洗浄した。
次に健常人血漿及び患者検体血漿を適当な濃度になるよ
うにPBSで希釈し、プレート固相に吸着したモノクロー
ナル抗体と37℃で、2時間反応させた。洗浄後で3回洗
浄後、アルカリ性フォスファターゼ標識化した、ヒトC4
b結合タンパク(C4bp)に対するポリクローナル抗体溶
液を加え、37℃で2時間反応させた。洗浄液で3回洗浄
後、基質溶液(1mg/ml)を加え、ELISA ANALYZER(東洋
測器(株),ETY−96)で1分間あたりの吸光度変化(△
A405nm/min)を測定した。健常人血漿を希釈し、血漿中
のヒトC4bp−プロテインS複合体量と吸光度変化の値を
プロットし、検量線を作成した。この結果を添付図2に
示した。健常人血漿中のヒトC4bp−プロテインS複合体
濃度と吸光度変化値とは直線関係にあり、この検量線を
用いれば、高感度でヒトC4bp−プロテインS複合体の量
を正確に計算できることがわかる。
ヒト患者検体血漿中のヒトC4bp−プロテインS複合体量
はこの検量線を用いて算出し、添付図3に示した。図3
中健常人血漿中のヒトC4bp−プロテインS複合体量を10
0%として、%表示してある。
このように、ヒト血漿中のフリーのプロテインSとC4bp
−プロテインS複合体との量を、ヒトプロテインSに対
するモノクローナル抗体を用いて測り分けることによっ
て、いろいろな病状の診断が可能になる。
【図面の簡単な説明】
添付図1は、本発明の実施例に於けるヒトプロテインS
の濃度の吸光度変化との関係を示すものであり、図2は
ヒトC4bp−プロテインS複合体量と吸光度変化との関係
を示したものであり、図3はヒト患者検体血漿中のヒト
プロテインS又はヒトC4bp−プロテインS複合体の実際
の測定値を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B (72)発明者 市川 弥太郎 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−163565(JP,A) BLOOD,Vol.67,No.6, (1986),P.1583−1590

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンドイッチ法による免疫学的測定試薬に
    おいて、不溶性担体に結合した抗体と標識抗体とのいず
    れか一方が、ヒトプロテインSを特異的に認識するモノ
    クローナル抗体であり、他の一方がヒト補体系制御因子
    のC4bpに対する抗体であることを特徴とするヒトプロテ
    インSに対するモノクローナル抗体を用いたヒト補体系
    制御因子のC4bpとプロテインSとの複合体の免疫学的測
    定試薬。
  2. 【請求項2】前記第(1)項記載のモノクローナル抗体
    が、フリーのプロテインSは認識せず、ヒト補体系制御
    因子のC4bpとプロテインSとの複合体を高度に特異的に
    認識する性質を有することを特徴とするヒトプロテイン
    Sに対するモノクローナル抗体を用いた前記第(1)項
    の複合体の免疫学的測定試薬。
  3. 【請求項3】不溶性担体に結合した抗体と標識抗体を含
    み、これらの抗体のいずれか一方はヒトプロテインSを
    特異的に認識するモノクローナル抗体であり、他の一方
    はヒト補体系制御因子のC4bpに対する抗体であり、これ
    に(a)溶解剤,(b)洗浄剤及び酵素で標識化した抗
    体を用いる場合には、(c)酵素活性を測定するための
    基質及びその反応停止剤を組合せてなるヒト補体系制御
    因子のC4bpとプロテインSの複合体の免疫学的測定のた
    めのキット。
JP61298881A 1986-12-15 1986-12-17 ヒトプロテインsに対するモノクローナル抗体を用いた免疫学的測定試薬及びキット Expired - Lifetime JPH07117534B2 (ja)

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