JP4608570B2 - 新規なモノクローナル抗体及びニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法 - Google Patents

新規なモノクローナル抗体及びニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法 Download PDF

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本発明は、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインI(以下、ニックβ2グリコプロテインIと称することがある)に特異的に反応する各種の新規モノクローナル抗体及びその抗体フラグメント、前記モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、ニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法、並びに生体内凝固線溶異常の検出法に関する。ニックβ2グリコプロテインIは、生体内凝固線溶異常の予知マーカーとして有用である。
本明細書において、「ニックβ2グリコプロテインI」とは、プロテアーゼによりアミノ酸配列の一部に開裂を受けて2本のポリペプチド鎖からなるものの、それらがジスルフィド結合により結合しているβ2グリコプロテインIを意味する。
また、本明細書においては、プロテアーゼによる開裂を受けていないβ2グリコプロテインIを、前記の「ニックβ2グリコプロテインI」と区別する必要がある場合には、「インタクトβ2グリコプロテインI」と称することがある。従って、本明細書において、単に「β2グリコプロテインI」と称する場合には、特に断わらない限り、「インタクトβ2グリコプロテインI」を指すものとする。
β2グリコプロテインIは、5つの繰り返しドメイン構造(第Iドメイン〜第Vドメイン)を有する糖タンパク質であり、例えば、ヒトβ2グリコプロテインIは、326個のアミノ酸からなり、分子量が約50,000である。インタクトβ2グリコプロテインIは、血液中に約200μg/mlの濃度で存在し、陰性荷電リン脂質(例えば、カルジオリピン又はホスファチジルセリンなど)、ヘパリン、又はDNAなどの負電荷物質と結合することができる。インタクトβ2グリコプロテインIの生理的な機能としては、陰性荷電リン脂質への結合による内因系凝固反応の阻害作用、及び血小板膜上でのリン脂質依存性プロトロンビナーゼ活性の阻害作用を示すことから、凝固制御因子としての役割が示唆されている。
一方、β2グリコプロテインIにおける第Vドメイン内の一部に、プロテアーゼにより開裂(例えば、ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、第317番目のリジン残基と第318番目のトレオニン残基との間での開裂、あるいは、第314番目のアラニン残基と第315番目のフェニルアラニン残基との間での開裂)を受けたニックβ2グリコプロテインIは、前記の陰性荷電リン脂質との結合親和性が約1/100に低下することが報告されている[J.E.Huntら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,第90巻,第2141頁〜第2145頁,(1993年)]。また、第317番目のリジン残基と第318番目のトレオニン残基との間での開裂は、プラスミンの作用により生じることが報告されている[大蔵ら,Blood,第91巻,第4173頁〜第4179頁,(1998年)]。
このように、インタクトβ2グリコプロテインIは、生体内で凝固制御因子としての役割を担っているが、様々な病態(例えば、癌、白血病、又は炎症など)において血管内凝固系が活性化されると、それに引き続き活性化される線溶系酵素であるプラスミンにより開裂を受け、陰性荷電リン脂質との結合親和性が低下し、ニックβ2グリコプロテインIとして血中に遊離するものと考えられる。
また、全身性炎症性自己免疫疾患の一つである全身性エリテマトーデス(SLE)の患者の一部においては、陰性荷電リン脂質に結合したβ2グリコプロテインIに対して反応する抗リン脂質抗体が血中に出現する。この抗リン脂質抗体の存在により、血管内皮細胞膜上において免疫複合体が形成されることで、補体系の活性化、ひいては全身炎症反応に発展する。炎症反応に伴い、局所で活性化された顆粒球より放出されたエラスターゼにより、β2グリコプロテインIが開裂を受けることも考えられる。実際、前記のJ.E.Huntらの報告では、顆粒球エラスターゼの特異性に一致するβ2グリコプロテインIの第Vドメイン内の第314番目のアラニン残基と第315番目のフェニルアラニン残基との間での開裂が示されている。また、生体内においてはプラスミンだけでなく、顆粒球エラスターゼも線溶に関与している可能性が示唆されている[Blood Coagulation and Fibrinolysis,第6巻,259頁,(1995年)]。
これらの事実及び報告から明らかなように、生体試料中のニックβ2グリコプロテインIの存在の有無を検出するか、あるいは、その存在量を測定することができれば、生体内凝固線溶異常の有無又は程度を判断することができる。しかしながら、ニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法は、従来全く知られていなかった。
従って、本発明の課題は、生体試料中のニックβ2グリコプロテインIを、前記試料中に同時に含まれると考えられるインタクトβ2グリコプロテインIの量に影響を受けることなく、迅速かつ正確に測定することのできるニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法を提供することにある。また、本発明の課題は、前記免疫学的分析方法に用いることのできる新規モノクローナル抗体、そのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、並びに生体内凝固線溶異常の検出法を提供することにある。
本発明によれば、被検試料中のインタクトβ2グリコプロテインIの干渉を受けることなく、患者由来の被検試料中のニックβ2グリコプロテインIの量を特異的に、簡便かつ迅速に、EIA法及び凝集法により測定することができる。これは、本発明により初めて可能になったものである。従って、本発明は生体内凝固線溶異常を把握するための有効な手段を提供するものである。
前記の課題は、本発明による、β2グリコプロテインI(すなわち、インタクトβ2グリコプロテインI)と反応しないが、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインI(すなわち、ニックβ2グリコプロテインI)とは反応することを特徴とする、モノクローナル抗体(以下、「本発明による第1のモノクローナル抗体」と称することがある)又はその抗体フラグメントによって達成することができる。
また、本発明は、β2グリコプロテインI(すなわち、インタクトβ2グリコプロテインI)及びニックβ2グリコプロテインIと反応することを特徴とする、モノクローナル抗体(以下、「本発明による第2のモノクローナル抗体」と称することがある)又はその抗体フラグメントに関する。
また、本発明は、前記モノクローナル抗体(すなわち、前記の本発明による第1のモノクローナル抗体、又は前記の本発明による第2のモノクローナル抗体)を産生することを特徴とする、ハイブリドーマに関する。
また、本発明は、本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントを第1抗体として不溶性担体に固定化し、この固定化された第1抗体と被検試料とを接触させ、続いて、前記の第1抗体とは別種の本発明による第1のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体、又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体と接触させ、前記の固定化第1抗体−ニックβ2グリコプロテインI複合体と結合した前記第2抗体の前記標識からの信号、又は前記の固定化第1抗体−ニックβ2グリコプロテインI複合体と結合しなかった前記第2抗体の前記標識からの信号を検出することを特徴とする、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法に関する。
また、本発明は、不溶性担体に固定化された、本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント少なくとも1種類と、不溶性担体に固定化された、別種の本発明による第1のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント1種類と、被検試料とを接触させ、凝集反応を観察することを特徴とする、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法に関する。
更に、本発明は、ニックβ2グリコプロテインIを分析することを特徴とする、生体内凝固線溶異常の検出法に関する。
本明細書において、「ニックβ2グリコプロテインI」とは、前記のとおり、プロテアーゼによりアミノ酸配列の一部に開裂を受けて2本のポリペプチド鎖からなるものの、それらがジスルフィド結合により結合しているβ2グリコプロテインIを意味する。具体的には、前記「ニックβ2グリコプロテインI」には、(1)プラスミンにより第Vドメインに開裂(ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、第317番目のリジン残基と第318番目のトレオニン残基との間で開裂)を受けたニックβ2グリコプロテインI(以下、P−ニックβ2グリコプロテインIと称することがある)、及び(2)顆粒球エラスターゼにより第Vドメインに開裂(ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、第314番目のアラニン残基と第315番目のフェニルアラニン残基との間で開裂)を受けたニックβ2グリコプロテインI(以下、E−ニックβ2グリコプロテインIと称することがある)が含まれる。
また、本明細書において、β2グリコプロテインI(インタクトβ2グリコプロテインI及びニック2グリコプロテインIの両方を含む)における「第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域」とは、ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、326個のアミノ酸から構成されるヒトβ2グリコプロテインIにおける(アミノ末端側から数えて)第1番目のアミノ酸残基〜第241番目のアミノ酸残基からなる領域を意味する。
更に、β2グリコプロテインI(インタクトβ2グリコプロテインI及びニック2グリコプロテインIの両方を含む)における「第Vドメイン」とは、ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、326個のアミノ酸から構成されるβ2グリコプロテインIにおける(アミノ末端側から数えて)第242番目のアミノ酸残基〜第326番目のアミノ酸残基からなる領域を意味する。
なお、ニックβ2グリコプロテインIにおける「第Vドメイン」は、その一部に開裂(ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、第317番目のリジン残基と第318番目のトレオニン残基との間での開裂、あるいは、第314番目のアラニン残基と第315番目のフェニルアラニン残基との間での開裂)を受け、ジスルフィド結合により結合した2本のポリペプチド鎖からなる。
一方、インタクトβ2グリコプロテインIにおける「第Vドメイン」は、ヒトβ2グリコプロテインIにおいては、326個のアミノ酸から構成されるβ2グリコプロテインIにおける(アミノ末端側から数えて)第242番目のアミノ酸残基〜第326番目のアミノ酸残基からなる、開裂を受けていないドメインである。
本発明による第1のモノクローナル抗体は、インタクトβ2グリコプロテインI(特には、ヒトインタクトβ2グリコプロテインI)とは反応せず、プロテアーゼ(特には、プラスミン又は顆粒球エラスターゼ)により一部(特には、第Vドメイン)に開裂を受けたβ2グリコプロテインI[特には、プロテアーゼ(特には、プラスミン又は顆粒球エラスターゼ)により一部(特には、第Vドメイン)に開裂を受けたヒトβ2グリコプロテインI]とのみ反応する。
本発明による好ましい第1のモノクローナル抗体は、(1)インタクトβ2グリコプロテインIとは反応せず、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIと反応し、しかも、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIの第Vドメインに反応する(以下、「本発明によるモノクローナル抗体1A」と称することがある)か、あるいは、(2)インタクトβ2グリコプロテインIとは反応せず、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIと反応し、しかも、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIの第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に反応する(以下、「本発明によるモノクローナル抗体1B」と称することがある)。
本発明によるモノクローナル抗体1Aのエピトープは、ニックβ2グリコプロテインIの第Vドメイン[例えば、ヒトニックβ2グリコプロテインIにおける(アミノ末端側から数えて)第242番目のアミノ酸残基〜第326番目のアミノ酸残基からなる領域]に存在する。本発明によるモノクローナル抗体1Aのエピトープとしては、非還元状態のインタクトβ2グリコプロテインI及び非還元状態のインタクトβ2グリコプロテインI第Vドメインにおいて分子内に隠れているが、還元状態のインタクトβ2グリコプロテインI及び非還元状態のインタクトβ2グリコプロテインI第Vドメインにおいて露出するエピトープであることが好ましい。本発明によるモノクローナル抗体1Aとしては、後述する実施例で得られるモノクローナル抗体NGPI−59を挙げることができる。
本発明によるモノクローナル抗体1Bのエピトープは、ニックβ2グリコプロテインIの第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域[例えば、ヒトニックβ2グリコプロテインIにおける(アミノ末端側から数えて)第1番目のアミノ酸残基〜第241番目のアミノ酸残基からなる領域]に存在する。本発明によるモノクローナル抗体1Bのエピトープとしては、立体構造依存的なエピトープ、すなわち、非還元状態のニックβ2グリコプロテインIではエピトープの構造を保持し、還元状態のニックβ2グリコプロテインIではエピトープの構造を保持しないエピトープであることが好ましい。本発明によるモノクローナル抗体1Bとしては、後述する実施例で得られるモノクローナル抗体NGPI−60を挙げることができる。
本発明による第2のモノクローナル抗体は、インタクトβ2グリコプロテインI(特には、ヒトインタクトβ2グリコプロテインI)、及びプロテアーゼ(特には、プラスミン又は顆粒球エラスターゼ)により一部(特には、第Vドメイン)に開裂を受けたβ2グリコプロテインI[特には、プロテアーゼ(特には、プラスミン又は顆粒球エラスターゼ)により一部(特には、第Vドメイン)に開裂を受けたヒトβ2グリコプロテインI]と反応する。
本発明による第2のモノクローナル抗体のエピトープは、β2グリコプロテインI(インタクトβ2グリコプロテインI及びニック2グリコプロテインIの両方を含む)の第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域[例えば、ヒトニックβ2グリコプロテインIにおける(アミノ末端側から数えて)第1番目のアミノ酸残基〜第241番目のアミノ酸残基からなる領域]に存在することが好ましく、立体構造非依存的なエピトープ、すなわち、非還元状態のβ2グリコプロテインIにおいても、還元状態のβ2グリコプロテインIにおいても、エピトープとして機能するエピトープであることがより好ましい。本発明による第2のモノクローナル抗体としては、後述する実施例で得られるモノクローナル抗体NGPI−23を挙げることができる。
本発明のモノクローナル抗体は、例えば、近年各方面で行われている細胞融合法で作成されたハイブリドーマによるモノクローナル抗体産生法により得ることができる。すなわち、ニックβ2グリコプロテインI(好ましくは、ヒトニックβ2グリコプロテインI)を抗原として使用し、種々のニックβ2グリコプロテインI、インタクトβ2グリコプロテインI、及び/又はそれらのフラグメントを用いてスクリーニングを実施することによって、本発明のモノクローナル抗体を産生する本発明のハイブリドーマを調製することができ、そのハイブリドーマから本発明のモノクローナル抗体を調製することができる。本発明のハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の調製は、常法、例えば、続生化学実験講座(日本生化学会編)又は免疫生化学研究法(日本生化学会編)に記載の方法に従って行うことができる。
本発明のモノクローナル抗体は、そのモノクローナル抗体を産生することのできる本発明のハイブリドーマ(例えば、マウス・ハイブリドーマ)を、例えば、適当な培地又は哺乳動物(例えば、マウス)の腹腔内で培養することにより製造することができる。
本発明のハイブリドーマは、一般的には、例えば、ニックβ2グリコプロテインIで免疫した哺乳動物又は鳥類(例えば、マウス)の脾臓細胞と哺乳動物(例えば、マウス)のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを、Nature,第256巻,495頁(1975年)に記載の方法により細胞融合して製造することが可能である。詳細には、下記実施例に記載の方法によって製造することができる。
前記のハイブリドーマを培養することのできる培地としては、ハイブリドーマの培養に適した培地であればよく、好適にはダルベッコ氏変法イーグル氏最小必須培地(Dulbeccos modified Eeagle's minimum essential medium:以下、DMEと称する)にウシ胎児血清、L−グルタミン、L−ピルビン酸、及び抗生物質(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含む培地が用いられる。
前記のハイブリドーマの培養は、培地中で行う場合には、例えば、5%CO2濃度及び37℃の条件下で約3日間行う。あるいは、マウスの腹腔内で行う場合には、例えば、約14日間行う。
このようにして製造された培養液又は哺乳動物の腹水から、例えば、タンパク質の単離・精製に一般的に用いられている方法により、本発明のモノクローナル抗体を分離・精製することが可能である。
そのような方法としては、例えば、硫安塩析、イオン交換セルロースを用いるイオン交換カラムクロマトグラフィー、分子篩ゲルを用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プロテインA結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグラフィー、透析、又は凍結乾燥等を挙げることができる。
本発明の抗体フラグメントは、本発明のモノクローナル抗体のフラグメントであって、しかも、もとのモノクローナル抗体と同じ反応特異性を有する抗体フラグメントである。
すなわち、本発明による第1のモノクローナル抗体の抗体フラグメントは、インタクトβ2グリコプロテインIとは反応せず、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIとのみ反応する。
また、本発明によるモノクローナル抗体1Aの抗体フラグメントは、インタクトβ2グリコプロテインIとは反応せず、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIとのみ反応し、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIの第Vドメインに反応する。
また、本発明によるモノクローナル抗体1Bの抗体フラグメントは、インタクトβ2グリコプロテインIとは反応せず、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIとのみ反応し、プロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIの第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に反応する。
更に、本発明による第2のモノクローナル抗体の抗体フラグメントは、インタクトβ2グリコプロテインI、及びプロテアーゼにより一部に開裂を受けたβ2グリコプロテインIと反応する。
本発明の抗体フラグメントには、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、又はFv等が含まれる。これらのフラグメントは、例えば、本発明のモノクローナル抗体を常法によりタンパク質分解酵素によって消化し、続いて、タンパク質の分離・精製の常法に従って得ることができる。
このようにして得られた本発明による抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体及びその抗体フラグメントの内、本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントは、ニックβ2グリコプロテインIとのみ特異的に結合する能力を有するので、例えば、(1)本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント2種類以上を用いることにより、あるいは、(2)本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント1種類以上と、本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント1種類以上と組み合わせて用いることにより、本発明による抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントは、ニックβ2グリコプロテインIの各種の免疫学的分析方法の試薬として有用である。なお、本明細書において、前記「分析方法」には、分析対象物質の存在の有無を確認する検出方法と、分析対象物質の量を測定する定量方法の両方が含まれる。
例えば、本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントを第1抗体として不溶性担体に固定化し、この固定化された第1抗体と被検試料とを接触させ、続いて、第1抗体とは別種の本発明による第1のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体、又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体と接触させると、前記の固定化第1抗体−ニックβ2グリコプロテインI複合体と結合した前記第2抗体又は前記の固定化第1抗体−ニックβ2グリコプロテインI複合体と結合しなかった前記第2抗体の前記標識からの信号を検出することができるので、本発明による抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントは、ニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法(サンドイッチ法)の試薬として有用である。
また、本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント少なくとも1種類と、別種の本発明による第1のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント1種類とを不溶性担体に固定化し、これらの固定化したモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントと被検試料とを接触させると、被検試料中のインタクトβ2グリコプロテインIとは凝集反応を起こさず、ニックβ2グリコプロテインIとの間でのみ凝集反応を起こさせることができるので、本発明による抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントは、ニックβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法(凝集法)の試薬として有用である。
従って、本発明による抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントを用いて、本発明の免疫学的分析方法を実施することができる。本発明の免疫学的分析方法に用いる被検試料は、ニックβ2グリコプロテインIを含む可能性のある試料であれば特に限定されるものでないが、例えば、生体試料、特には血液、血漿、血清、又は尿、好ましくは血漿又は血清である。本発明の免疫学的分析方法においては、被検試料を前処理せずに(例えば、クロマトグラフィーの手法で、あらかじめインタクトβ2グリコプロテインIとニックβ2グリコプロテインIとを分離操作することなく)、そのまま使用しても、被検試料中に存在するインタクトβ2グリコプロテインIの妨害を避けることができる。
サンドイッチ法を利用する本発明の免疫学的分析方法では、具体的には、本発明による第1のモノクローナル抗体(例えば、本発明によるモノクローナル抗体1A又は本発明によるモノクローナル抗体1B)又はその抗体フラグメントを適当な不溶性担体に固定化する(第1抗体)。次に、不溶性担体と被検試料との非特異的結合を避けるために、適当なブロッキング剤[例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)やゼラチン等]で不溶性担体の表面を被覆する。続いて、未希釈の検体試料を加えて一定時間(たとえば、5分〜3時間)及び一定温度(例えば、4℃〜40℃、好ましくは室温付近)で接触させ反応させる(1次反応)。続いて、前記第1次抗体として用いたモノクローナル抗体とは別種の本発明による第1のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体、又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体を加えて一定時間(たとえば、5分〜3時間)及び一定温度(例えば、4℃〜40℃、好ましくは室温付近)で接触させ反応させる(2次反応)。これを適当な洗浄液(例えば、界面活性剤を含む生理食塩水)で洗浄してから、不溶性担体上に存在する標識抗体の量を定量する。その値から、被検試料中のニックβ2グリコプロテインIの量を算出することができる。また、1次反応と2次反応とを同時に行うことも可能である。
本発明のサンドイッチ法による免疫学的分析方法に使用することのできる不溶性担体は特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子、その他ニトロセルロース、紙、アガロース及びこれらの組み合わせ等を例示することができる。
標識物質としては、酵素、蛍光物質、又は発光物質を使用するのが有利である。酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等、また、蛍光物質としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート等、また、発光物質としては、例えば、アクリジニウムエステル、ルシフェリン等を使用することができる。
凝集反応を利用する本発明の免疫学的分析方法において、不溶性担体としては、一般に抗原抗体反応の凝集反応を利用する免疫学的分析方法において用いられる任意の不溶性担体を用いることができ、例えば、ラテックス粒子(特には、ポリスチレンラテックス粒子)を挙げることができる。モノクローナル抗体を不溶性担体に固定化させるには、公知の方法、例えば、化学結合法(架橋剤としてカルボジイミド、グルタルアルデヒド等を用いる)又は物理吸着法を用いることができる。こうして、モノクローナル抗体と不溶性担体との複合体(抗体/担体複合体)を形成し、これを本発明の免疫学的分析方法に用いることができる。
本発明の免疫学的測定方法(凝集法)においては、前記の不溶性担体に固定化した少なくとも2種のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント、すなわち、(1)本発明による第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント少なくとも1種類と、(2)別種の本発明による第1のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント1種類とを使用するが、使用するモノクローナル抗体の各々のエピトープが互いに離れている方が凝集反応が起きやすい点で、本発明によるモノクローナル抗体1A若しくはその抗体フラグメント、本発明によるモノクローナル抗体1B若しくはその抗体フラグメント、又は本発明による第2のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントの少なくとも2種を使用することが好ましい。
本発明の免疫学的測定方法(凝集法)においては、例えば、モノクローナル抗体を2種用いる場合には、或る1種のモノクローナル抗体を不溶性担体に固定化して調製した抗体/担体複合体を2種用いるか、あるいは、2種のモノクローナル抗体を或る1種の不溶性担体に固定化して調製した抗体/担体複合体を用いることができる。
また、モノクローナル抗体を3種用いる場合には、或る1種のモノクローナル抗体を不溶性担体に固定化して調製した抗体/担体複合体を3種用いるか、あるいは、3種のモノクローナル抗体を或る1種の不溶性担体に固定化して調製した抗体/担体複合体を用いることができる。更に、或る1種のモノクローナル抗体を不溶性担体に固定化して調製した抗体/担体複合体1種と、2種のモノクローナル抗体を或る1種の不溶性担体に固定化して調製した抗体/担体複合体1種との組み合わせを用いることもできる。
スライド板を用いる場合には目視的に、又は反応セルを用いる場合には特定の波長を用いて分光学的に凝集反応を測定し、被検試料中のニックβ2グリコプロテインI濃度を定量することができる。
ニックβ2グリコプロテインIは、生体内凝固線溶異常の予知マーカーであるので、本発明の免疫学的分析方法を用いて、被検試料中に含まれるニックβ2グリコプロテインIを検出することによって、あるいは、ニックβ2グリコプロテインIの量を測定し、その測定値と健常人の平均値とを比較することによって、生体内凝固線溶異常の有無及び/又は程度を検出することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:各種タンパク質の調製》
(a)インタクトβ2グリコプロテインIの調製
β2グリコプロテインIは、E.Polzらの方法[Int.J.Biochem,第11巻,265頁,(1980年)]に準じて行った。
すなわち、ヒト正常血漿300mlに終濃度1.3%となるように過塩素酸を添加し、4℃で15分間処理した後に、遠心分離(5,000×g,10分間)を実施した。遠心分離により得られた上清に、1/3容量の1M−Tris−HCl(pH8.0)を添加して中性に戻した後に、限外濾過により濃縮した。この濃縮液を、予め10mM−Tris−HCl(pH8.0)で平衡化したヘパリン固定化HiTrapカラム(Pharmacia Biotech,スウェーデン)に充填し、10mM−Tris−HCl(pH8.0)にてカラムを洗浄した後に、10mM−Tris−HCl(pH8.0)と1M−NaClを含む10mM−Tris−HCl(pH8.0)とを用いたグラジェント溶出法により、インタクトβ2グリコプロテインIを溶出した。このインタクトβ2グリコプロテインIは、NaCl濃度が0.20Mである画分付近に溶出された。ヒト正常血漿300mlより、精製インタクトβ2グリコプロテインI4.5mgが得られた。
得られた精製インタクトβ2グリコプロテインIを、以下に示すニックβ2グリコプロテインIの調製のための原料及び抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選別するためのELISA用抗原として、更には、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体の認識部位の同定に使用した。
(b)P−ニックβ2グリコプロテインIの調製
実施例1(a)で調製したインタクトβ2グリコプロテインI−3mgを20mM−NaCl及び0.3mM−CaCl2を含有する0.1M−Tris−HCl(pH8.0)3mlに溶解し、この溶解液にヒトプラスミン86μgを添加した。このときのインタクトβ2グリコプロテインIとプラスミンとのモル比(インタクトβ2グリコプロテインI:プラスミン)は、50:1であった。37℃で2時間インキュベートした後に、予め10mM−Tris−HCl(pH8.0)で平衡化したヘパリン固定化HiTrapカラム(Pharmacia Biotech,スウェーデン)に充填し、10mM−Tris−HCl(pH8.0)にてカラムを洗浄した後に、10mM−Tris−HCl(pH8.0)と1M−NaClを含有する10mM−Tris−HCl(pH8.0)とを用いたグラジェント溶出法により、P−ニックβ2グリコプロテインIを溶出した。P−ニックβ2グリコプロテインIは、NaCl濃度が0.15Mである画分付近に溶出され、P−ニックβ2グリコプロテインI2.0mgを得た。
得られたP−ニックβ2グリコプロテインIを、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体作製のための免疫原として、また、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選別するためのELISA用抗原として、更には、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体の認識部位の同定に使用した。
(c)リコンビナント第Vドメイン及びインタクト第Vドメインの調製
ヒトβ2グリコプロテインIをコードする全遺伝子配列を含むプラスミドpUC118−β2−GPI上の第IVドメインと第Vドメインとの間のヒンジ領域に相当する箇所に、部位特異的突然変異誘発(site−directed mutagenesis)法により制限酵素HindIIIの切断部位を導入した[松浦ら,Int.Immunol.,第3巻,第1217頁〜第1221頁,(1991年)]。得られたプラスミドを制限酵素HindIIIで切断することにより生じる、ヒトβ2グリコプロテインIの第Vドメイン(第242番目のアミノ酸残基〜第326番目のアミノ酸残基からなる領域)をコードする領域の5'側に、活性化血液凝固Xa因子による切断部位をコードするDNA断片をリンカーとして接続し、得られたDNA断片を酵母(Pichia pastoris)の発現ベクターであるpPIC9(Invitrogen社;米国)に挿入した。このようにして構築した第Vドメイン発現ベクターを、pNPD5と名付けた。この第Vドメイン発現ベクターpNPD5において、前記活性化血液凝固Xa因子による切断部位及び第Vドメインをコードする領域の5'側には、酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来の分泌シグナルが存在している[萩原ら,J.Biochem.,第121巻,第128頁〜第137頁,(1997年)]。
第Vドメイン発現ベクターpNPD5を制限酵素BglIIで切断し、直鎖状にしてからヒスチジン要求株である宿主GS115(Invitrogen社;米国)にトランスフォーメーションした。抗β2グリコプロテインI・ウサギポリクローナル抗体(Serbio社;フランス)を用いたニトロセルロース膜ハイブリダイゼーション法によるスクリーニングの結果、高効率に第Vドメインを発現する形質転換株GS115(pNPD5)を得た。
得られた形質転換株GS115(pNPD5)を、増殖培地[4%グリセロールを含むBM培地[酵母エキス(Difco社)10g/リットル,肉ペプトン(Sigma社)20g/リットル,酵母窒素ベース(yeast nitrogen base;Difco社)6.7g/リットル,D−ビオチン(ナカライテスク社)0.4mg/リットル,1Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)100ml/リットル]]2リットル中で、600nmにおける吸光度が60を示すまで増殖させた後に、誘導培地(3%メタノールを含むBM培地)0.66リットルに交換し、更に13時間培養を続けることにより、N末端側に酵母由来の分泌シグナル及び活性化血液凝固Xa因子による切断部位とが連結したβ2グリコプロテインIの第Vドメイン(以下、リコンビナント第Vドメインと称する)を培地中に発現させた。
遠心分離にて細胞画分を除去した後に、上清を、50mM−NaCl及び1mM−EDTAを含有する50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)で6倍に希釈し、予め50mM−NaCl及び1mM−EDTAを含有する50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)にて平衡化したCM−Sepharose CL−6Bカラム(Pharmacia−Biotech)に充填した。充分にカラムを洗浄した後に、50mM−NaCl及び1mM−EDTAを含有する50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)と0.8M−NaCl及び1mM−EDTAを含有する50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)とによるグラジェント溶出法により溶出した。目的の溶出フラクションを限外濾過により濃縮した後に、蒸留水に対して透析し、更には、Cosmosil 5C18−ARカラムを用いた逆相HPLCにより、リコンビナント第Vドメインを精製した。
このようにして調製したリコンビナント第VドメインのN末端には、酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来の分泌シグナルと活性化血液凝固Xa因子による切断部位とが存在する。これを除去するために、リコンビナント第Vドメインを1.3mM−CaCl2、0.1M−NaCl、及び0.1%アジ化ナトリウムを含有する60mM−HEPES(pH8.0)に溶解した後に、活性化血液凝固Xa因子を37℃で9時間作用させた。この際のリコンビナント第Vドメインに対する活性化血液凝固Xa因子の質量比は1/50であった。この分解物をCosmosil 5C18−ARカラムを用いた逆相HPLCにより分離し、精製第Vドメインを得た。培養液1リットル当たり、第Vドメイン100mgが得られた。
この精製第Vドメインを、以下に示すニック第Vドメインの調製のための原料及び抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナルの認識部位の同定に使用した。なお、ここで調製した第Vドメインを、以下のニック第Vドメインと区別するために「インタクト第Vドメイン」と称することもある。
(d)P−ニック第Vドメインの調製
実施例1(c)で調製した第Vドメイン(インタクト第Vドメイン)1mgを20mM−NaCl及び0.3mM−CaCl2を含む0.1M−Tris−HCl(pH8.0)3mlに溶解し、これにヒト・プラスミン144μgを添加した。この際の第Vドメインとプラスミンとのモル比(第Vドメイン:プラスミン)は50:1であった。37℃で2時間インキュベートした後に、Cosmosil 5C18−ARカラムを用いた逆相HPLCによりニック第Vドメインを分離、精製した。
このようにして調製したP−ニック第Vドメインを、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体の認識部位の同定に使用した。
《実施例2:ハイブリドーマの調製》
(a)免疫化した脾臓細胞の調製
前記実施例1(2)で得られたP−ニックβ2グリコプロテインI免疫原溶液(A280nm=1.0)を等量のフロインド氏完全アジュバンドと乳化するまで混和し、その混合液0.1mlをマウス腹腔内に投与することにより免疫を行った(第1回免疫)。30日経過後に、そのマウスに前記と同様の方法で腹腔内に投与した(第2回免疫)。第2回免疫から、21日経過後に、P−ニックβ2グリコプロテインI溶液(A280nm=1.0)を等量の生理的食塩水で希釈し、その希釈液0.1mlを、マウスの静脈内に投与した(最終免疫)。最終免疫から3日経過後に、マウスから脾臓を無菌的に摘出し、以下の工程に使用した。
(b)細胞融合
無菌的に摘出した前記の脾臓を、15%ウシ胎児血清を含むDME培地5mlを入れたシャーレーに入れた。次に、脾臓を15%ウシ胎児血清を含むDME培地約15mlで還流して脾細胞を流出させた後、この脾細胞懸濁液をナイロンメッシュに通した。この脾細胞を50ml遠心チューブに集めて500×gで10分間遠心した。こうして得たペレットにヘモライジング溶液(155mM−NH4Cl,10mM−KHCO3,及び1mM−Na2EDTA;pH7.0)5mlを加え、懸濁させた。0℃で5分間放置すると、懸濁液中の赤血球が破壊された。15%ウシ胎児血清を含むDME培地15mlを加えてから遠心分離した。このようにして得た細胞ペレットをDME培地で遠心法によって洗浄し、生きている脾細胞数を測定した。
一方、予め培養しておいたマウス骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)SP2/0−Ag14(約2×107個)に前記脾臓細胞(1×108個)を加え、DME培地中でよく混合し、遠心分離を行った(500×g,10分間)。その上清を吸引し、ペレットをよく解きほぐし、38℃に保温しておいた40%ポリエチレングリコール4000溶液0.5mlを滴下し、遠心チューブを手で、1分間穏やかに回転することによってポリエチレングリコール溶液と細胞ペレットとを混合させた。次に、38℃に保温しておいたDME培地を30秒毎に1mlずつ加えてチューブを穏やかに回転させた。この操作を10回繰り返した後、15%ウシ胎児血清を含むDME培地20mlを加えて、遠心分離(500×g,10分間)を行った。上清を除去した後、細胞ペレットを15%ウシ胎児血清を含むHAT培地(DME培地にアミノプテリン4×10-7M、チミジン1.6×10-5M、及びヒポキサンチン1×10-4Mになるように添加したもの)で、遠心法によって2回洗浄した後、前記HAT培地40mlに懸濁した。
この細胞懸濁液を96ウェル細胞培養プレートの各ウェルに200μlずつ分注し、5%炭酸ガスを含む37℃の炭酸ガス培養器で培養を開始した。培養中、2〜3日間隔で各ウェルの培地約100μlを除き、新たに前記のHAT培地100μlを加えることによりHAT培地中で増殖するハイブリドーマを選択した。8日頃から15%ウシ胎児血清を含むHT培地(DME培地にチミジン1.6×10-5M及びヒポキサンチン1×10-4Mになるように添加したもの)に交換し、ハイブリドーマの増殖を観察するとともに、約10日目に、後述するELISA法により、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングした。
(C)ハイブリドーマの樹立
ハイブリドーマ培養上清中の産生抗体の有無をELISA法により測定した。96ウェルELISA用プレート(Immulon II;日本ダイナテック株式会社)の各ウェルに、前述の精製P−ニックβ2グリコプロテインI溶液(A280nm=0.05;生理食塩水で希釈した)を50μlずつ分注し、25℃で2時間放置した。次に、0.05%トウィーン(Tween)20を含む生理食塩水(以下、トウィーン20−生理食塩水と称する)で3回洗浄した後、各ウェルの培養上清50μlを加え、25℃で1時間反応させた。
次に、トウィーン20−生理食塩水で洗浄した後に、トウィーン20−生理食塩水で200倍希釈したペルオキシダーゼ結合抗マウス免疫グロブリン・ウサギIgG抗体(ダコ社;デンマーク)50μlを各ウェルに加えた。反応終了後、トウィーン20−生理食塩水で各ウェルを3回洗浄し、酵素基質溶液(0.5mM−4−アミノアンチピリン、10mMフェノール、及び0.005%過酸化水素水を含む20mMトリス−塩酸緩衝液;pH7.4)200μlを各ウェルに加え、25℃で30分間反応させ、各ウェルの492nmにおける吸光度を測定した。
その結果、382ウェル中3ウェルに抗体産生が認められた。その3ウェル中の各ハイブリドーマを24ウェルプレートに移し、15%ウシ胎児血清を含むHT培地で4〜5日間培養した。その後、再度ELISA法によって抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体の産生の有無を確認してから、限界希釈法によりクローニングした。10日後に、ELISA法によって抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのクローンをスクリーニングした。その結果、各ハイブリドーマにつき、20〜40個の抗体産生クローンが得られた。これらのクローンの中から、増殖の良い、抗体分泌能の高い、しかも安定なクローンを選び、前述と同様の方法により再クローン化を行い、本発明の抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマNGPI−23、ハイブリドーマNGPI−59、及びハイブリドーマNGPI−60を樹立した。
これらのハイブリドーマ3種は、それぞれ工業技術院生命工学工業技術研究所に平成10年7月9日から寄託されている。ハイブリドーマNGPI−23の受託番号はFERM P−16891であり、ハイブリドーマNGPI−59の受託番号はFERM P−16892であり、そして、ハイブリドーマNGPI−60の受託番号はFERM P−16893である。
《実施例3:モノクローナル抗体の製造》
(a)イン・ビトロ法
マウスハイブリドーマNGPI−23を、15%ウシ胎児血清を含むDME培地で37℃にて5%二酸化炭素雰囲気中において72〜96時間培養した。培養物を遠心分離(10,000×g,10分間)した後、上清に固形の硫酸アンモニウムを50%最終濃度となるように徐々に加えた。混合物を氷冷下で30分間攪拌した後、60分間放置し、遠心分離(10,000×g,10分)した後、得られた沈渣を少量の10mMリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、1000倍量の10mMリン酸緩衝液に対して透析した。
透析物を、10mMリン酸緩衝液で予め平衡化したDEAE−セルロースのカラムに充填した。モノクローナル抗体の溶出は、10mMリン酸緩衝液(pH8.0)と0.2M−NaClを含む10mMリン酸緩衝液(pH8.0)との間でグラジェント溶出法により行った。溶出されたモノクローナル抗体を限外濾過法で濃縮し、0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)に対して透析した。ウシ血清IgGを除くために、透析物をヤギ抗ウシ血清IgG−セファロース4Bのカラムに通した。次に通過液を、0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したプロテインA−セファロース4Bのカラムに充填した。カラムをpH3.5の緩衝液で溶出して、精製した本発明の抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23を得た。なお、本明細書においては、各ハイブリドーマの名称を、そのハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体の名称としても使用する。
ハイブリドーマNGPI−59及びハイブリドーマNGPI−60についても、ハイブリドーマNGPI−23と同様の前記操作をそれぞれ実施し、本発明のモノクローナル抗体NGPI−59及びモノクローナル抗体NGPI−60を得た。
(b)イン・ビボ法
プリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)0.5mlを10〜12週齢のBALB/C系マウスの腹腔内に投与し、投与後14〜20日目のマウス腹腔内にインビトロで増殖させたハイブリドーマNGPI−23、ハイブリドーマNGPI−59、及びハイブリドーマNGPI−60をマウス一匹あたり2×106細胞となるように接種した。
各ハイブリドーマにつき、一匹のマウスから約10〜15mlの腹水が得られた。その抗体濃度は、5〜10mg/mlであった。腹水中のモノクローナル抗体の精製は、前記のイン・ビトロ法と同様の方法で行った(但し、ヤギ抗ウシ血清IgG−セファロース4Bのカラムを通す操作は、実施しなかった)。
《実施例4:モノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスの同定》
本発明の抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23、モノクローナル抗体NGPI−59、及びモノクローナル抗体NGPI−60の免疫グロブリンクラスの同定は、オクテロニー免疫拡散法により行った。結果を表1に示す。
Figure 0004608570
《実施例5:モノクローナル抗体の特異性》
(a)ELISA法
前記実施例1で調製したインタクトβ2グリコプロテインI、P−ニックβ2グリコプロテインI、インタクト第Vドメイン、及びP−ニック第Vドメインを、150mM−NaClを含む50mM−Tris−HCl(pH8.0)で5μg/mlとなるように希釈し、96ウェルELISA用プレート(Immulon II;日本ダイナテック株式会社)の各ウェルに、抗原希釈液50μlずつを分注し、25℃で2時間放置することで固定化した。次に、トウィーン20−生理食塩水でウェルを3回洗浄した後、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23、モノクローナル抗体NGPI−59、及びモノクローナル抗体NGPI−60を0.05%トウィーン(Tween)20及び150mM−NaClを含む50mM−Tris−HCl(pH8.0)で5μg/mlとなるように希釈し、各ウェルにモノクローナル抗体希釈液50μlずつを分注し、25℃で1時間反応させた。対照試験は、各抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体の代わりに、SP2/0細胞をマウス腹腔に投与して採取した腹水を使用して実施した。
ウェルを洗浄した後、トウィーン20−生理食塩水で200倍希釈したペルオキシダーゼ結合抗マウス免疫グロブリン・ウサギIgG(ダコ社;デンマーク)の希釈液を50μlずつ各ウェルに加えた。反応終了後、トウィーン20−生理食塩水で各ウェルを3回洗浄し、酵素基質溶液(0.5mM 4−アミノアンチピリン、10mMフェノール、及び0.005%過酸化水素水を含む20mMトリス−塩酸緩衝液;pH7.4)200μlを各ウェルに加え、25℃で30分間発色反応させ、各ウェルの492nmにおける吸光度を測定した。各モノクローナル抗体と各抗原との結合反応の結果を表2に示す。表2において、抗原(A)はインタクトβ2グリコプロテインIを示し、抗原(B)はP−ニックβ2グリコプロテインIを示し、抗原(C)はインタクト第Vドメイン示し、抗原(D)はP−ニック第Vドメインを示し、「+」は結合反応性を有することを示し、「−」は結合反応性がないことを示す。
Figure 0004608570
表2の結果から明らかなように、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、インタクトβ2グリコプロテインI及びP−ニックβ2グリコプロテインIに反応し、インタクト第Vドメイン及びP−ニック第Vドメインに反応しなかった。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、インタクトβ2グリコプロテインI及びP−ニックβ2グリコプロテインIにおける第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に反応することが判明した。
しかも、後述するように、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59又は抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60と組み合わせることによりサンドイッチ免疫測定法の構築が可能であることから、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59及び抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60とは異なる部位に反応する。
抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59は、インタクトβ2グリコプロテインI及びインタクト第Vドメインには反応せず、P−ニックβ2グリコプロテインI及びP−ニック第Vドメインに反応した。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59は、プロテアーゼ、特にはプラスミンにより開裂を受けたP−ニックβ2グリコプロテインIの第Vドメインに特異的に反応することが判明した。
抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60は、インタクトβ2グリコプロテインI、インタクト第Vドメイン、及びP−ニック第Vドメインには反応せず、P−ニックβ2グリコプロテインIにのみ反応した。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60は、プロテアーゼ、特にはプラスミンにより開裂を受けたP−ニックβ2グリコプロテインIの第Vドメイン以外の領域、つまり、P−ニックβ2グリコプロテインIの第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に特異的に反応することが判明した。
また、各抗原を固相に固定化する際に、ヘパリン(濃度:30μg/ml)、又は陰性荷電リン脂質であるカルジオリピン(濃度:100μM)を共存させても、インタクトβ2グリコプロテインI及びインタクト第Vドメインに対する抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59及びNGPI−60の反応性は認められなかった。このことは、ヘパリン又は陰性荷電リン脂質のカルジオリピンが、β2グリコプロテインIに結合することで誘導されるエピトープとは全く異なるエピトープを抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59及びNGPI−60が認識することを示している。
(b)イムノブロット法
前記実施例1で調製したインタクトβ2グリコプロテインI、P−ニックβ2グリコプロテインI、インタクト第Vドメイン、及びP−ニック第Vドメインを、非還元下あるいは還元下のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にて分画した後、ゲル中のタンパク質をニトロセルロースメンブレンに電気的に転写した。このメンブレンを、5%スキムミルク及び0.15M−NaClを含む10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)中に25℃で30分間浸した後、一次抗体として各抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体であるモノクローナル抗体NGPI−23、モノクローナル抗体NGPI−59、又はモノクローナル抗体NGPI−60を25℃で1時間反応させた。対照試験は、各抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体の代わりに、SP2/0細胞をマウス腹腔に投与して採取した腹水を使用して実施した。
0.05%トウィーン−20及び0.15M−NaClを含む10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)でメンブレンを3回洗浄した後、二次抗体としてアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG・ヤギIgG抗体(バイオラッド社)を25℃で1時間反応させた。前記と同様の方法でメンブレンを洗浄した後、5mM−MgCl2を含む0.1Mジエタノールアミン緩衝液(pH9.5)に、ニトロブルーテトラゾリウム(終濃度=0.33mg/ml)及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート−p−トルイジン(終濃度=0.17mg/ml)を加えた溶液を発色液として用いた。この発色液を25℃で5〜10分間反応させた。反応停止は、メンブレンを蒸留水で数回洗浄することにより行った。
非還元下のSDS−PAGEで分画した後のイムノブロットの結果を表3に示し、還元下のSDS−PAGEで分画した後のイムノブロットの結果を表4に示す。また、表3及び表4において、抗原(A)はインタクトβ2グリコプロテインIを示し、抗原(B)はP−ニックβ2グリコプロテインIを示し、抗原(C)はインタクト第Vドメインを示し、抗原(D)はP−ニック第Vドメインを示し、「+」は結合反応性を有することを示し、「−」は結合反応性がないことを示す。
Figure 0004608570
Figure 0004608570
表3の結果(すなわち、非還元下のSDS−PAGEで分画した後のイムノブロットの結果)は、実施例5(a)で示した表2の結果(すなわち、ELISAの結果)と一致する。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、インタクトβ2グリコプロテインI及びP−ニックβ2グリコプロテインIに反応し、インタクト第Vドメイン及びP−ニック第Vドメインに反応しなかった。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、インタクトβ2グリコプロテインI及びP−ニックβ2グリコプロテインIにおける第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に反応することが判明した。
抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59は、インタクトβ2グリコプロテインI及びインタクト第Vドメインには反応せず、P−ニックβ2グリコプロテインI及びP−ニック第Vドメインに反応した。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59は、プロテアーゼ、特にはプラスミンにより開裂を受けたP−ニックβ2グリコプロテインIの第Vドメインに特異的に反応することが判明した。
抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60は、インタクトβ2グリコプロテインI、インタクト第Vドメイン、及びP−ニック第Vドメインには反応せず、P−ニックβ2グリコプロテインIにのみ反応した。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60は、プロテアーゼ、特にはプラスミンにより開裂を受けたP−ニックβ2グリコプロテインIの第Vドメイン以外の領域、つまり、P−ニックβ2グリコプロテインIの第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に特異的に反応することが判明した。
表4の結果(すなわち、還元下のSDS−PAGEで分画した後のイムノブロットの結果)から明らかなように、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、インタクトβ2グリコプロテインI及びP−ニックβ2グリコプロテインIに反応し、インタクト第Vドメイン及びP−ニック第Vドメインに反応しなかった。すなわち、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23は、インタクトβ2グリコプロテインI及びP−ニックβ2グリコプロテインIにおける第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に存在する立体構造非依存的なエピトープに反応することが判明した。
抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59は、P−ニックβ2グリコプロテインI及びP−ニック第Vドメインに反応するだけでなく、更に、非還元の状態では反応しなかったインタクトβ2グリコプロテインI及びインタクト第Vドメイン(表3参照)にも反応した。この結果より、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−59は、非還元状態のインタクトβ2グリコプロテインI及びインタクト第Vドメインにおいては分子内に隠れているが、還元状態では露出するエピトープを認識していることが判明した。
抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60は、還元状態のインタクトβ2グリコプロテインI、還元状態のP−ニックβ2グリコプロテインI、還元状態のインタクト第Vドメイン、及び還元状態のP−ニック第Vドメインのいずれにも反応しなかった。すなわち、非還元状態で反応したP−ニックβ2グリコプロテインI(表3参照)にも、還元状態では反応しなかった。この結果より、抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−60は、非還元状態でのみ、P−ニックβ2グリコプロテインIにおける第Iドメイン〜第IVドメインからなる領域に構成される立体構造依存的なエピトープを認識していることが判明した。
《実施例6:酵素免疫測定法によるニックβ2グリコプロテインIの測定》
ナカネ及びカワオイ[ジャーナル・オブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリー(Journal of Histochemistry and Cytochemistry)第22巻,第1084頁〜第1091頁(1974年)]の方法に準じて、西洋ワサビ・ペルオキシダーゼを抗ニックβ2グリコプロテインIモノクローナル抗体NGPI−23及びNGPI−59に結合させた。この酵素標識抗体を用いてニックβ2グリコプロテインIのサンドイッチ酵素免疫測定を以下のようにして行った。
すなわち、モノクローナル抗体NGPI−60を20μg/mlの濃度で含有する50mM炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.5)100μlを96ウェルELISA用マイクロタイタープレート(Immulon−II;日本ダイナテック株式会社)の各ウェルに入れて、25℃で2時間放置した。そのプレートをトウィーン20−生理食塩水で3回洗浄した。このようにして抗体を感作したプレートのウェルに、正常血漿に前記実施例1(b)で調製したP−ニックβ2グリコプロテインIを、1000ng/ml、316ng/ml、100ng/ml、32ng/ml、10ng/ml、及び3.2ng/mlの濃度となるようにそれぞれ添加して調製した試料100μlを加え、25℃で1時間反応させた。次に、トウィーン20−生理食塩水で洗浄した後に、先に調製したペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体NGPI−23、0.15M−NaCl、及び2%ウシアルブミンを含む20mM−Tris−HCl緩衝液(pH7.5)100μlを加え、25℃で1時間反応させた。
続いて、トウィーン20−生理食塩水でプレートを洗浄した後、酵素基質液[1mM−2,2'−アジノ−ジ(3−エチルベンツチアゾリンスルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)及び0.0025%過酸化水素水を含む溶液;pH4.5]200μlずつを各ウェルに加え、25℃で40分間反応させた後に、各ウェルの405nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(MPR A4i型;東ソー)で測定した。得られた検量線を図1に示す。
また、固相化抗体としてモノクローナル抗体NGPI−60を用い、ペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体としてモノクローナル抗体NGPI−59を用いた場合、及び固相化抗体としてモノクローナル抗体NGPI−59を用い、ペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体としてモノクローナル抗体NGPI−23を用いた場合にも同様の検量線を得ることができた。
《実施例7:生体内凝固線溶異常をきたした患者群並びに健常人群におけるニックβ2グリコプロテインIの測定》
実施例6で示した酵素免疫測定法(すなわち、固相化抗体としてモノクローナル抗体NGPI−60を用い、ペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体としてNGPI−23を用いた酵素免疫測定法)により、生体内凝固線溶異常をきたした患者群(21例)、並びに健常人群(10例)におけるニックβ2グリコプロテインI濃度を測定した。結果を図2に示す。健常人群のニックβ2グリコプロテインI濃度は、全例において4ng/ml以下であった。それに対して、生体内凝固線溶異常をきたした患者群のそれは、全例において30ng/ml以上であった。
《実施例8:抗体と不溶性担体との複合体含有液の調製》
(a)不溶性担体上に1種類のモノクローナル抗体を担持する複合体含有液の調製
モノクローナル抗体NGPI−23(2.0mg/ml)を含有する水溶液2mlと、ラテックス溶液(2%ポリスチレンラテックス,日本合成ゴム;粒径=0.310μm)2mlとを混合し、2時間撹拌して抗体をラテックス粒子上に固定化した。遠心分離(20,000×g,20分間)した後、沈殿を0.1%ウシアルブミン溶液に懸濁し、1時間撹拌した。再び、遠心分離(20,000×g,20分間)した後、沈殿を蒸留水に懸濁し、2時間撹拌した。こうしてモノクローナル抗体NGPI−23/ラテックス複合体含有液を得た。
モノクローナル抗体NGPI−23の代わりに、モノクローナル抗体NGPI−59又はモノクローナル抗体NGPI−60を用いること以外は前記操作をそれぞれ繰り返すことにより、モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液、及びモノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を調製した。
(b)不溶性担体上に2種類のモノクローナル抗体を担持する複合体含有液の調製
モノクローナル抗体NGPI−23及びモノクローナル抗体NGPI−59をそれぞれ1.0mg/mlずつ含有する水溶液2mlと、前記実施例8(a)で用いたラテックス溶液2mlとを混合し、2時間撹拌して抗体をラテックス粒子上に固定化した。以下、前記実施例8(a)と同様の操作を行ない、モノクローナル抗体NGPI−23/モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液を調製した。
モノクローナル抗体の組み合わせを変更し、前記操作を繰り返すことにより、モノクローナル抗体NGPI−23/モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液、及びモノクローナル抗体NGPI−59/モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を調製した。
(c)不溶性担体上に3種類のモノクローナル抗体を担持する複合体含有液の調製
モノクローナル抗体NGPI−23、モノクローナル抗体NGPI−59、及びモノクローナル抗体NGPI−60をそれぞれ0.66mg/mlずつ含有する水溶液2mlと、前記実施例8(a)で用いたラテックス溶液2mlとを混合し、2時間撹拌して抗体をラテックス粒子上に固定化した。以下、前記実施例8(a)と同様の操作を行ない、モノクローナル抗体NGPI−23/モノクローナル抗体NGPI−59/モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を調製した。
《実施例9:スライド凝集反応によるP−ニックβ2グリコプロテインIの測定》
前記実施例8で調製した種々の抗体ラテックス複合体含有液又はそれらの混合液30μlと、正常血漿に実施例1(2)で調製したP−ニックβ2グリコプロテインIを種々濃度で添加して調製した試料30μlとをスライドガラス上で混合し、揺動して3分後に凝集像を目視的に判定した。
結果を表5に示す。表5において、「+」は凝集ありを、そして「−」は凝集なしを意味する。また、表5の「モノクローナル抗体/ラテックス複合体の種類」欄に示す「NGPI−23」は、モノクローナル抗体NGPI−23/ラテックス複合体含有液を意味し;以下、同様に、「NGPI−59」は、モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液を;「NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を;「NGPI−23/NGPI−59」は、モノクローナル抗体NGPI−23/モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液を;「NGPI−23/NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−23/モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を;「NGPI−59/NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−59/モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を;「NGPI−23/NGPI−59/NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−23/モノクローナル抗体NGPI−59/モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液を、それぞれ意味する。
また、同欄に示す「NGPI−23+NGPI−59」は、モノクローナル抗体NGPI−23/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液との等量混合液を意味し;以下、同様に、「NGPI−23+NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−23/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液との等量混合液を;「NGPI−59+NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液との等量混合液を;「NGPI−23+NGPI−59+NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−23/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液との等量混合液を意味する。
更に、同欄に示す「NGPI−23+NGPI−59/NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−23/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−59/NGPI−60/ラテックス複合体含有液との1:2混合液を意味し;以下、同様に、「NGPI−59+NGPI−23/NGPI−60」は、モノクローナル抗体NGPI−59/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−23/NGPI−60/ラテックス複合体含有液との1:2混合液を;「NGPI−60+NGPI−23/NGPI−59」は、モノクローナル抗体NGPI−60/ラテックス複合体含有液と、モノクローナル抗体NGPI−23/NGPI−59/ラテックス複合体含有液との1:2混合液を意味する。
Figure 0004608570
本発明によるモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ酵素免疫測定法により、P−ニックβ2グリコプロテインIの測定を行った検量線を示すグラフである。 本発明によるモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ酵素免疫測定法により、健常人(10例)と生体内凝固線溶異常をきたした患者群(21例)のニックβ2グリコプロテインI濃度を測定した結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 非還元状態のβ2グリコプロテインIの第Vドメインに反応しないが、非還元状態のプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIの第Vドメイン、還元状態のβ2グリコプロテインIの第Vドメイン、及び還元状態のプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインI第Vドメインに反応し、且つ受託番号FERM P−16892であるハイブリドーマから分泌される、モノクローナル抗体又はその抗体フラグメント。
  2. 非還元状態のβ2グリコプロテインI、還元状態のβ2グリコプロテインI、還元状態のプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインI、及びプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIの第Vドメインに反応しないが、非還元状態のプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIに反応する受託番号FERM P−16893であるハイブリドーマから分泌される、モノクローナル抗体又はその抗体フラグメント。
  3. 請求項1に記載のモノクローナル抗体を産生する受託番号FERM P−16892であるハイブリドーマ、又は請求項2に記載のモノクローナル抗体を産生する受託番号FERM P−16893であるハイブリドーマ。
  4. 請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントを第1抗体として不溶性担体に固定化し、この固定化された第1抗体と被検試料とを接触させ、続いて、前記の第1抗体とは別種の請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体、又はβ2グリコプロテインI、及びプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIと反応する、モノクローナル抗体又はその抗体フラグメントに標識を付した第2抗体と接触させ、前記の固定化第1抗体とプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIとの複合体と結合した前記第2抗体の前記標識からの信号、又は前記の固定化第1抗体とプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIとの複合体と結合しなかった前記第2抗体の前記標識からの信号を検出することを特徴とする、プラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法。
  5. 不溶性担体に固定化された請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体又はその抗体フラグメント少なくとも1種類と、不溶性担体に固定化された請求項1又は2に記載の別種のモノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント又はβ2グリコプロテインI及びプラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIと反応する、モノクローナル抗体若しくはその抗体フラグメント1種類と、被検試料とを接触させ、凝集反応を観察することを特徴とする、プラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIの免疫学的分析方法。
  6. 請求項4又は5に記載の分析方法により、プラスミンにより第Vドメインに開裂を受けたβ2グリコプロテインIを分析することを特徴とする、生体内凝固線溶異常の検出法。
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