JPH0712811A - ビタミンb12を決定するためのイムノアッセイ、ならびにそのための試薬およびキット - Google Patents

ビタミンb12を決定するためのイムノアッセイ、ならびにそのための試薬およびキット

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JPH0712811A
JPH0712811A JP13823094A JP13823094A JPH0712811A JP H0712811 A JPH0712811 A JP H0712811A JP 13823094 A JP13823094 A JP 13823094A JP 13823094 A JP13823094 A JP 13823094A JP H0712811 A JPH0712811 A JP H0712811A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗内因子抗体(特にモノクローナル抗体)を使
用したビタミンB12検出のための迅速で高感度のイムノ
アッセイの提供。 【構成】ビタミンB12の不在下でのみ内因子に特異的に
結合し得、そしてビタミンB12の存在下、およびビタミ
ンB12の内因子への結合の際に結合が解除される抗体
(例,ハイブリドーマATCC−HB10711により
産生されるアロステリック競合的モノクローナル抗体)
を含む、試料中のビタミンB12の存在を決定するための
組成物、内因子と標識された前記抗体とからなるビタミ
ンB12決定用キット、前記抗体を用いるビタミンB12
診断アッセイ法、およびモノクローナルである前記抗体
の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料中のビタミンB12
ベルを決定するためのイムノアッセイに関し、そして特
に抗内因子抗体を利用するイムノアッセイに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ヒトにおけるビタミンB12レベルを決定
するためのアッセイは悪性貧血のような疾病の診断およ
び治療の際の重要な手段であると長い間みなされてき
た。ビタミンB12は恒常性の維持に必要とされる。ビタ
ミンB12は1948年に初めて精製された。その全体の
分子構造は続いて解明された。それは安定化された中心
コバルトイオンを有する有機金属コリン核を持つ。その
ようなコリン化合物の生物学的活性は側鎖の組成により
決定され、それらの中でコバルト残基を安定化する
「A」環複合ヌクレオチドα−リバゾール側鎖を有する
分子だけが活性である。
【0003】内因子は1929年に最初に記載された。
内因子の欠如は悪性貧血の発症をもたらすことが見出さ
れた。ポリペプチドは胃分泌液中に存在し、そしてビタ
ミンB12の生理学的な取込みを促進する。内因子は単一
のビタミンB12結合部位に配置される単一の連続ペプチ
ド鎖からなる分子量が55−60kのものである。該物
質はB12の生物学的活性体のみに対する高い特異性の故
に識別される。B12を結合すると、内因子は内因子受容
体への結合に適合するコンホメーションの変化を起こ
す。このコンホメーションの変化は内因子受容体への親
和性の増加と関連がある。
【0004】胃分泌液中に見出された第2のB12結合タ
ンパク質はRタンパク質である。Rタンパク質は内因子
の厳密な特異性を欠いている。特に、Rタンパク質はコ
バミド、コビナミドおよびコブリナミドを包含する全て
のコリン環構造体を結合する。Rタンパク質は内因子調
製物の混入物として同定され、そしてそのようなものと
して該調製物の明瞭な特異性に悪影響を及ぼし得る。
【0005】ビタミンB12アッセイは最初は微生物学的
であった。その後で、内因子の特異性、親和性および安
定性が認識された後に、内因子への結合に対する放射標
識ビタミンB12と試料中のビタミンB12との間の競合反
応からなるラジオアッセイが開発された。
【0006】ある種の患者の自己抗体が内因子へのビタ
ミンB12の結合を直接阻害することを研究は示した。自
己抗体の画分は同定されている。I型自己抗体はビタミ
ンB12の結合を阻害し、それにより内因子の機能を妨害
する。従って、そのような自己免疫抗体が内因子調製物
中のビタミンB12活性の特異性を確認するために使用さ
れることが示唆された。 P. A. Villanova, National C
ommittee For Laboratory Standards, "Guidelines For
Evaluating a B12 (Cobalamin) Assay" (1980) 。
【0007】モノクローナル抗体は内因子に対する特異
性に関して最近記載されているが、診断目的ではない。
Smolka および Donaldson, Gastroenterology 98: 60
7-614 (1990)。ヒト内因子を用いて Smolka および Don
aldsonは、固定化内因子に対するドットブロット分析に
より同定されるマウスハイブリドーマを生起させ、その
後、内因子−ビタミンB12複合体の免疫沈降を促進する
能力の再選択が行われた。彼らは次に陽性クローンを再
びクローン化した。陽性クローンのいくつかは内因子−
12複合体に結合する抗体を分泌した。
【0008】Poufarzaneh 等(WO91/00519)
は内因子:ビタミンB12複合体に特異的であり、そして
内因子上のビタミンB12結合部位に特異的であるといわ
れるモノクローナル抗体を包含するビタミンB12のイム
ノアッセイを記載している。内因子のB12結合部位に特
異的な抗体を用いるイムノアッセイ、例えば彼らの出願
に記載されたアッセイは、十分な感度のアッセイを得る
ために、B12結合部位に対する抗体の親和性および動力
学がB12自身の結合の親和性および動力学と精密に均整
のとれたものであることが要求される。B12と内因子と
の相互作用の動力学は、B12がその内因子分子に結合し
得る前に、特定の抗体−内因子複合体を分離する必要性
により減速され、そしてこの種の競合アッセイは緩慢で
あり、かつ感度が低下する。
【0009】Poufarzaneh 等はまた、内因子とビタミン
12との複合体に特異的である抗体を記載している。そ
のような抗体はB12結合の際に内因子に生じるコンホメ
ーションの変化により利用可能とされるエピトープにお
そらく特異的である。 Pfund等, Molec. Immunol., 27:
495-502 (1990)に例示されるようなその他の研究者はタ
ンパク質におけるコンホメーションの変化を検出するた
めにコンホメーション感受性抗体を使用すること、およ
びコンホメーション感受性抗体を検出することを記載し
ている。しかしながら、抗体を分析物に結合させるイム
ノアッセイおよび決定された分析物における後のコンホ
メーションの変化により引続き放出される程度は記載さ
れていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ビタミンB12に対する
鋭敏で迅速なアッセイが望ましい。現在用いられている
イムノアッセイのほとんどは放射性同位体の使用が必要
であり、そしてR因子のない内因子の使用またはR因子
に結合してアッセイの感度および特異性を高めるビタミ
ンB12類似体の使用が必要である。そのようなラジオア
ッセイは米国特許第4188189号および同第442
6455号の実施例として記載されている。本発明は、
これまで報告されたことのない、ビタミンB12のイムノ
アッセイならびにそれに用いる試薬およびキットの提供
を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はビタミンB12
検出のための迅速で感度のよいイムノアッセイにおける
抗内因子抗体の適用を包含する。明らかに、コバラミン
の活性体に対するアッセイの特異性は内因子に完全に限
定されたままである。従って、本発明において使用され
る試薬は試料中のビタミンB12レベルを決定するための
極めて順応性があり、かつ特異的な手段を提供する。
【0012】内因子に対する抗体の2つのクラスが記載
される。1つのクラスの抗体はビタミンB12と競合的に
内因子に結合する。本明細書で使用されているように、
「競合的に,競合的,および競合する」という用語は、
このクラスの抗体および/またはビタミンB12が内因子
への別の物質の結合を妨げる能力を意味する。第2のク
ラスの抗体は内因子とビタミンB12との複合体にのみ結
合する。各々のクラスは、B12がないか、またはB12
複合したいずれかの内因子の1つのコンホメーションに
特有のエピトープを認識する。
【0013】本発明の一態様において、ビタミンB12
対するアッセイはビタミンB12の内因子および既知量の
競合的クラスの抗内因子抗体の相対的結合を測定する段
階を包含し得る。そのような抗体はビタミンB12と直接
競合的であるものおよび下記のようにビタミンB12と間
接競合的であるものを包含する。「直接競合的」と本明
細書に記載される上記抗体は内因子のビタミンB12結合
部位に対して特異的であり、それ故に該部位に結合する
12と直接競合する。液体試料中で、内因子に結合した
ビタミンB12と抗体の量は、それぞれの濃度および内因
子に対する各々の親和性に大きく依存して結果的に平衡
に達するであろう。
【0014】その他の、そして特に好ましい競合的抗体
は「アロステリック」という意味で、「その他の部位」
でビタミンB12と競合的であると見なされ得るものを包
含する。これらの抗体はまた、「間接」競合的であると
見なされ得、抗体およびB12は同じ部位に結合しないけ
れども、同時に内因子に強固に結合され得ない。「アロ
ステリック競合的」または「アロステリック競合」は、
ビタミンB12が内因子に結合される同じ時に内因子に強
固に結合され得ず、ビタミンB12結合部位に結合しない
競合的抗内因子抗体を表すために本明細書において使用
されるであろう。
【0015】これらの好ましいアロステリック競合的抗
体はビタミンB12の不在下でのみ内因子に結合するが、
ビタミンB12結合部位とは異なる部位に結合するであろ
う。そのような抗体は試料中のビタミンB12を検出する
アッセイに使用され得る。アロステリック競合的抗体は
ビタミンB12の不在下で内因子に結合し得る。試料を添
加した際に、その中に含まれていたビタミンB12はその
12結合部位で内因子に自由に結合するであろう。ビタ
ミンB12の結合は、ビタミンB12の結合の際に起こる内
因子におけるコンホメーションの変化におそらく起因し
て、既に結合していた抗体の即時の解放を導くであろ
う。また、アロステリック競合的抗体と試料は予備保温
せずに内因子に添加されてもよい。抗体から内因子を予
め分離することは不要であるので、試料中に含まれてい
たビタミンB12は、直接競合的抗体の場合に比べ、より
容易に抗体を置換し得るであろう。
【0016】予め結合されたアロステリック競合的抗体
がビタミンB12の存在下で内因子から解放される動力
学、例えば量および速度は、試料中のビタミンB12の量
を決定するために、様々な方法のいずれかで順に決定お
よび使用され得る。いくつかの方法は酵素イムノアッセ
イ、ラジオイムノアッセイまたは化学発光アッセイを包
含する。
【0017】ビタミンB12と内因子の結合に対するそれ
らの適用に加えて、本発明において記載された種類のア
ロステリック競合的抗体は、第1の結合相手が第2の結
合相手に結合して結合対を形成し、一方、1つの結合相
手がその結合相手に結合した時、コンホメーション変化
を起こすことを包含するあらゆるイムノアッセイに特有
の解決法を提供すると考えられる。そのようなアロステ
リック競合的抗体は、第1の結合相手のコンホメーショ
ン決定基をその非結合体で認識し、その場合に結合アロ
ステリック競合的抗体の解放を引き起こすように前記コ
ンホメーション決定基が第2の結合相手の結合に際して
変更される抗体が調製され得るあらゆる状態で使用され
得る。
【0018】本発明のもう一つの態様において、アッセ
イは、ビタミンB12/内因子複合体形成を化学量論的に
測定するために行われ得る。本明細書に記載される特有
のハイブリドーマ選択方法は内因子分子中の構造、機能
およびコンホメーションのエピトープを認識するモノク
ローナル抗体の同定および識別を可能にする。
【0019】基本的に、本発明の方法は、ビタミンB12
を含むことが予測される試料が内因子およびビタミンB
12と競合的に内因子に特異的に結合するか(その場合に
は抗体は予め決められた量で存在する)、またはビタミ
ンB12/内因子複合体に特異的に結合する抗体と複合さ
れ、内因子または内因子に対する抗体の一方が標識さ
れ、そして他方が固体支持体に固定化されている、ビタ
ミンB12のアッセイに関する。イムノアッセイの一般的
段階はこの分野では十分に公知であり、そして本発明に
適用可能である。
【0020】本発明はまた、予め決められた量の内因子
と、試料中のビタミンB12の存在または量に直接関連す
る量で内因子に特異的に結合する予め決められた量の抗
体とからなり、内因子または抗体のいずれかが信号生成
化合物で直接または間接に標識されている、試料中のビ
タミンB12をアッセイするための診断キットに関する。
該キットはまた、好ましくは、内因子または抗体が直接
または間接にそれに結合された固体支持体を包含する。
【0021】本発明はまた、本発明のアッセイ方法に有
用なモノクローナル抗体を得る方法およびモノクローナ
ル抗体試薬に関する。
【0022】本発明のより詳細な説明 本発明はビタミンB12のイムノアッセイ、そして特に、
内因子および/または内因子/ビタミンB12複合体に対
するモノクローナル抗体を利用するイムノアッセイを提
供する。
【0023】内因子に対する単一特異的抗体もまた、本
発明のアッセイにおいて使用され得る。そのような抗体
は慣用技術を用いて実験動物、例えばマウスまたはウサ
ギに精製内因子(例えばブタ由来)を接種することによ
り生成され得る。全体の内因子に対する明らかな抗体を
有する動物は採血され、そして血清免疫グロブリンがそ
れから精製される。抗体は固定化内因子に対する1次イ
ムノアフィニティクロマトグラフィーに供される。内因
子に特異的な結合した抗体は適当なカオトロープを用い
てカラムから溶出され、そして該カオトロープを除去す
るための適当な緩衝液に対して透析される。抗体は次に
ビタミンB12飽和内因子カラムに注入される。カラムか
ら溶出する抗体は固相への複合体または付着体の調製に
使用するために集められる。
【0024】本発明のアッセイに有用なモノクローナル
抗体はそれを分泌するハイブリドーマを調製することに
より得られる。ハイブリドーマは、参照により本明細書
に編入される技術である、Nature, 256: 495-497 (917
5) にMilsteinおよびKohlerにより記載された十分に公
知の方法に一般的に従って調製される。
【0025】内因子のビタミンB12結合部位に結合する
(または引き続く内因子−ビタミンB12複合化を妨げる
ように内因子に結合されるようになる)モノクローナル
抗体は以下の方法を用いて得られ、そして同定される。
マウスは精製内因子で免疫感作され、そして殺傷される
2ないし5日前に、内因子の一回の静脈内ブースター注
射が行われる。殺傷の後、脾臓を無菌的に取り出し、そ
して慣用技術を用いて脾臓細胞を無菌的に集める。形質
細胞腫細胞系との細胞融合は次いで十分に公知な方法を
用いて行われる。適当な細胞系はこの分野で公知であ
る。望ましくは、本発明の方法で使用される細胞系は断
片よりむしろ完全な抗体を分泌するであろう。
【0026】平板培養および数日間の培養体中での増殖
に続き、細胞上清は無B12内因子で感作された適当なア
ッセイ容器(例えば96ウエルプレート)を用いてスク
リーニングされる。容器の半分が10μg/mlB12
液で処理され、そして洗浄される。培養上清の試料を二
重に準備し、B12の無い容器とB12飽和容器とに注入す
る。B12の不在下で結合し、かつB12の存在下で結合し
ない抗体を示すウエルは、内因子上の結合部位に対して
試料中のビタミンB12と競合する競合アッセイに使用す
るために保存される。
【0027】好ましい態様において、そして特にアロス
テリック競合的抗体の同定のために、抗体を含む細胞上
清がスクリーニングされる前に、遊離ビタミンB12は、
遊離ビタミンB12および試料からのモノクローナル抗体
以外のその他の小分子量化合物を抽出するであろう物質
と各上清を接触させることにより、該上清から抽出され
る。遊離ビタミンB12を除去する重要性は当業者には明
らかであろう。ビタミンB12の存在下で内因子を結合し
得ないか、または結合から解放されるであろう定義によ
る抗体は、ビタミンB12の痕跡量でさえも存在すれば検
出が特に困難であろう。デキストランを被覆した木炭が
この方法において特に好ましい。
【0028】内因子/B12複合体を認識するモノクロー
ナル抗体は変形スクリーニング法と同様の免疫感作技術
を用いて得られてもよい。細胞は無ビタミンB12内因子
で感作された適当なアッセイ容器を用いて再びスクリー
ニングされる。容器の半分がB12で飽和され、そして洗
浄される。培養上清の試料を二重に準備し、B12の無い
容器とB12飽和容器とに注入してもよい。B12の存在下
で高められた抗体結合性を示し、かつB12の不在下でよ
り低い結合性を示すウエルは内因子/ビタミンB12複合
体に直接結合する本発明のアッセイにおける使用のため
の候補として保存されるべきである。
【0029】特に好ましいアロステリック競合的モノク
ローナル抗体は本発明の方法を用いて得られる。対象ハ
イブリドーマの試料は米国メリーランド州,ロックビ
レ,パークロウン・ドライブ12301のアメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に19
91年3月29日寄託され、そしてATCC番号ATC
C−HB10711が付与された。このハイブリドーマ
により産生される抗体は本明細書で585.3A3A8
と記載される。
【0030】本発明に関して有用な内因子は、あらゆる
供給源から得られる内因子が使用され得るけれども、十
分に公知の方法により得られるブタ内因子であることが
好ましい。
【0031】本発明の一態様において、直接アッセイ法
が使用されてもよい。そのようなアッセイにおいて、内
因子は固相支持体に共有結合で、または非共有結合で結
合されてもよい。次いで、内因子が結合されている固体
支持体は、ビタミンB12を含有する試料と十分な時間保
温され、試料中に存在するビタミンB12を内因子に結合
させ、次に洗浄される。内因子/ビタミンB12複合体に
特異的に結合し、そして公知技術を用いて検出可能な標
識で標識された既知(過剰)量の単一特異的抗体または
好ましくはモノクローナル抗体が固体支持体と十分な時
間保温され、標識抗体を結合された内因子/B12複合体
に結合させる。固体支持体は次に洗浄され、そして複合
体に結合されている標識抗体の量が決定される。結合さ
れた抗体の量は試料中のビタミンB12の量に正比例す
る。
【0032】本発明の好ましい態様において、ビタミン
12結合部位で内因子に特異的に結合する(または引き
続く内因子−ビタミンB12複合化を妨げるように内因子
に結合されるようになる)単一特異的またはモノクロー
ナル抗体は固相支持体に共有結合または非共有結合で結
合される。次いで、ビタミンB12を含有する試料は既知
量の標識された内因子と一緒にされ、そして十分な期
間、固体支持体と保温され、ビタミンB12と複合されて
いないあらゆる内因子の固定化抗体に結合させる。結合
または遊離標識内因子の量は次いで慣用手段を用いて決
定される。また、内因子は固体支持体に結合されてもよ
く、そして単一特異的またはモノクローナル抗体が標識
され、そして試料と混合されてもよい。このアッセイに
おいて、抗体とビタミンB12は内因子結合部位に対して
競合する。競合反応を用いる免疫分析のための公知プロ
トコルが使用される。
【0033】本発明のもう一つの好ましい態様におい
て、アロステリック競合的抗体の使用を包含し、ビタミ
ンB12の不在下で内因子に特異的に結合し、かつビタミ
ンB12の導入および結合に際して結合から解放される単
一特異的またはモノクローナル抗体が使用される。解放
される抗体の量は、当業者には適当ないずれかの方法
で、測定され、そして試料中に存在するビタミンB12
量と関係づけられる。
【0034】本発明の方法を用いて得られるモノクロー
ナル抗体は広範囲のイムノアッセイ形態、例えばサンド
イッチアッセイ形態で内因子と関連させて使用され得、
そして本発明は何らかの特定の形態またはプロトコルに
限定されない。
【0035】本明細書内で使用されるような「固相支持
体」はアッセイの1成分が結合され得る不溶性材料を意
味する。このタイプの公知材料は炭化水素ポリマー、例
えばポリスチレンおよびポリプロピレン、ガラス、金属
およびゲルを包含する。そのような支持体はビーズ、チ
ューブ、棒、円板等の形態であってよい。磁気粒子が本
発明のアッセイでの使用のために特に好ましい。
【0036】「標識された」、「標識複合された」等は
内因子、抗体またはその他の結合試薬と化学標識例えば
酵素、蛍光化合物、放射性同位体、発色団、またはあら
ゆるその他の検出可能な化学種との複合体であって、結
合相手に特異的に結合する能力を保持する複合体を意味
する。「検出剤」、「標識検出剤」、「検出系」等は以
下に例示されるように、特異的酵素またはその他の標識
と接触した時に知覚可能な色変化、蛍光、化学発光等を
導く、知覚可能な信号、通常は電磁波またはその吸収を
提示する化学系を意味する。酵素標識が使用される場
合、検出系は好ましくは基質と色素原を用いる。種々の
慣用の公知色素原は、その特異的酵素と基質に添加され
た時に目に見える色を発生するものが利用され得る。例
えば、p−ニトロフェノールホスフェートがアルカリホ
スファターゼを検出するために使用されている。
【0037】
【実施例】本発明は以下の非限定的な実施例を参照する
ことにより、より良く理解され得るものである。 実施例1:抗体の調製 8週齢のメスのBALB/cマウスを2週間毎に不完全
フロイントアジュバント中のブタ内因子10μg/投与
で腹腔内経路により免疫感作した。マウスを断頭により
殺し、そして脾臓を外科的に切除した。この脾臓をゲン
タマイシン100μg/ml含有のダルベッコ変形培地
(DME)5mlを含むペトリ皿に移した。組織を梳い
て分離することにより脾臓細胞を解放する。脾臓細胞を
DMEで1回洗浄し、そして市販のものが入手され得る
形質腫細胞系からの洗浄したSP2/O細胞と5:1の
比率で混ぜた。
【0038】細胞をペレット状にし、過剰の上清を除去
し、そして細胞を緩衝化50%ポリエチレングリコール
溶液(ベーリンガー・マンハイム)1ml中に再び懸濁
させた。細胞を室温で120秒間保温した後、約400
×gで6分間遠心分離を行った。融合細胞を次に遠心分
離し、DMEで穏やかにすすぎ、SP2/0調整培地を
有するイスコーブ変形DME中に再び懸濁させ、そして
75cm2 フラスコに穏やかに移した。
【0039】CO2 中37℃で一晩保温した後、細胞を
調整培地中に2×106 細胞/mlまで希釈し、そして
96ウエルプレート中に播種した(250μl/ウエ
ル)。7−10日後、上清に対し以下のようにスクリー
ニングを行った。96ウエル平底ポリスチレンプレート
(ダイナテックからのイムロンI)はブタ内因子〔バイ
オスパシフィック・インコーポレーテッドから入手,5
0mMリン酸緩衝液(PBS),pH7.2中で1μg
/ml〕100μl/ウエルで一晩予備感作された。プ
レートを洗浄し、次に50mMリン酸緩衝液(pH7.
2)中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)でブロック
を行った。過剰のBSAを除去するために洗浄後、ウエ
ルの半分の内因子を100μg/mlB12溶液10μl
との予備保温により複合させた。
【0040】各培養上清200μlを微量滴定プレート
に移した。各ウエルを次にデキストラン被覆木炭スラリ
ー(150mM PBS100ml中のデキストラン1
50mgとノリットA1.5g)50μlとpH7.4
で混合し、そして4℃で一晩攪拌した。5分間の保温に
続き、遠心分離により木炭を沈殿させた。
【0041】次いで、内因子および内因子−B12複合体
を含むウエルに平行に培養上清を移した。ポリクローナ
ルマウス抗内因子および正常マウス血清はそれぞれ陽性
および陰性対照として利用された。30分間の保温の
後、プレートを洗浄し、そしてパーオキシダーゼ標識ヤ
ギ抗マウス抗体(カルビオケム・インコーポレーテッド
から市販されているものが利用可能)がプレートの全て
のウエルに添加された。プレートを十分にすすぎ、そし
てABTS基質(カーケガード・アンド・ペリー・ラボ
ラトリーズ・インコーポレーテッドからのパーオキシダ
ーゼ・サブストレート)が添加された。ウエル中の細胞
の反応性は410nmと450nmでの吸光度の比とし
て分光光度法で測定された。いくつかのウエルはB12
不在下で反応性を有し、B12との反応性を検出し得ない
細胞であると上記の木炭スクリーニング法を用いて同定
された。これらの細胞はこれらの細胞はその他の実験の
ために継代培養された(例えば0.02/0.2の+B
12/−B12吸光度比)。その他のウエルにおいて、B12
の存在下で結合の増加を示すハイブリドーマ細胞が同定
された(例えば0.7/0.15の+B12/−B12吸光
度比)。
【0042】実施例2:酵素標識抗体の調製 0.2Mイミダゾール(pH9.0)中の30倍モル過
剰のスルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートとの反応に
よりマレイミド基がアルカリホスファターゼ(ALP)
上に導入され、過剰な試薬がPBS中のセファデックス
G−50の1×28cmカラムでのゲル濾過により除去
された。0.1M炭酸水素ナトリウム、0.15M N
aCl、1mM EDTA(pH8.0)中の40mM
N−アセチルホモシステインチオラクトンでチオール
が抗体(実施例1に記載の方法により得られる)に導入
され、過剰の試薬がPBS+1mM EDTA中の第2
のゲル濾過カラムで除去された。複合は変性酵素と変性
抗体とを、ALP:抗体=2:1のモル比で、室温で2
時間保温することにより行われた。複合体はトリス緩衝
液(pH8.0)中のセファクリルS−300(1.5
×120cm)上でのサイズ排除クロマトグラフィーに
より精製された。
【0043】実施例3:酵素標識内因子の調製 マレイミド基が上記のようにアルカリホスファターゼ上
に導入された。精製内因子(スクリップス・ラボラトリ
ーズ・インコーポレーテッドから入手)を0.08M炭
酸水素ナトリウム、0.12M NaCl、8mM E
DTA(pH8.0)中の40mM N−アセチルホモ
システインチオラクトンと反応させ、過剰の試薬が上記
のようにPBS+1mM EDTA中の第2のゲル濾過
カラムで除去された。複合は変性内因子を2ないし3倍
モル過剰の変性酵素と室温で2時間保温することにより
行われた。これらの条件下で、内因子中に導入されたよ
うなチオールは変性酵素上にあるような、マレイミドと
化学量論的に反応し、化学的に安定な結合を形成するこ
とが知られている。複合体はトリス緩衝液(pH8.
0)中のセファクリルS−300(1.5×120c
m)上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより精製さ
れた。
【0044】実施例4:ビタミンB12複合体の調製 シアノコバラミン−d−カルボン酸をイソブチルクロロ
ホルメートとの混合無水物を介してアルカリホスファタ
ーゼに結合させた。コバラミン誘導体1mgをジメチル
ホルムアミド250μl中に溶解させ、そしてトリエチ
ルアミン2μlおよびイソブチルクロロホルメート1μ
lと氷上で30分間保温した。この反応混合物100μ
lを0.05M炭酸水素塩、0.15M NaCl、1
mM MgCl2 (pH9.0)900μl中のアルカ
リホスファターゼ2mgに添加し、室温で2時間保温し
た。過剰な試薬は50mMトリス、0.15M NaC
l、1mM MgCl2 、0.1mM ZnCl2 (p
H7.4)中に懸濁した木炭に対する透析および同様の
緩衝液中でのセファデックスG−50(1.5×28c
m)のカラム上でのゲル濾過により除去された。生成す
る複合体は酵素1モルあたりコバラミン7.3モルを含
んでいた。
【0045】実施例5:固相の調製 精製モノクローナルアロステリック競合抗体585.3
A3A8はヤギ抗マウス抗体(市販の供給源から入手)
感作磁気粒子(アドバンスト・マグネティクス・インコ
ーポレーテッド,カタログ番号4340D)に10μg
/100μl(1mg/ml粒子懸濁貯蔵液)のレベル
で結合された。抗体は懸濁液中で1時間吸収された。そ
の後、粒子は磁界中で沈殿され、10mMトリス含有5
μM KCN(pH8.0)で2回洗浄され、そして1
0mMトリス含有5μM KCN(pH8.0)中に再
び懸濁された。
【0046】実施例6:ビタミンB12に対する競合アッ
セイ アッセイの開始の際に、10mMトリス含有5μM K
CN(pH8.0)中のB12含有試料または標準200
μlを10×60mmのボロシリケートガラス試験管に
移した。各々の反応管に1:1モル比の内因子−アルカ
リホスファターゼ複合体100μl(0.1μg)を添
加した。反応体を約60rpmで揺動する震盪水浴中3
7℃で15分間保温した。粒子50μl(実施例5に記
載したように調製した結合されたアロステリック競合抗
体を有する)を反応混合物に添加し、そしてさらに30
分間震盪しながら37℃で保温した。磁界中での2分間
の沈殿により反応を停止させた。管を50mMトリス、
0.15M NaCl、0.1%トリトンX−100
(pH7.4)1mlで2回すすいだ。ルミフォーゼ5
30(米国ミシガン州デトロイトにあるルミゲン・イン
コーポレーテッドの登録商標)200μlを各管に添加
し、そして37℃で5分間の静止保温により反応を開始
させた。次いで管を2分間室温まで冷却し、そして5分
以内にチバ−コーニング・バーソルド・ルミノメーター
で分析した。得られる信号の阻害は図1に示されるよう
にB12濃度の算術関数としてプロットされた。
【0047】未知量のビタミンB12を含有する血清また
は血漿が例えばKCNの存在下高pHで保温してビタミ
ンを安定化することにより予備処理されて、内因性B12
結合タンパク質からB12を解放する。これらの予備処理
試料からの上澄み液は上記の標準的なものと同様のプロ
トコルによりアッセイされ、そして図1のような標準曲
線とルミノメーター信号を比較することによりビタミン
12の濃度が決定される。
【0048】試料中のビタミンB12レベルの増加につれ
て、相対的ルミネッセンス単位(RLU)が低下するこ
とが図1に見出され得る。この事実は、試料中のビタミ
ンB12が内因子へのアロステリック競合抗体の結合を阻
むという結論を支持する。
【0049】実施例7:ビタミンB12に対する直接アッ
セイ 試料中のビタミンB12は内因子:B12複合体に結合する
抗体、例えば587.5A3と表されるモノクローナル
抗体を用いる直接アッセイにおいて決定され得る。実施
例5の方法に従ってこの抗体で感作された粒子は、より
高レベルの内因子−アルカリホスファターゼ複合体が使
用される(例えば10μg)ことを除いて585.3A
3A8に対して記載されたようなB12−内因子反応混合
物に添加されてもよい。引き続く反応段階は実施例6に
記載されるように行われる。得られる信号の増加がB12
レベルの関数としてプロットされる。
【0050】実施例8:B12による抗体から内因子の分
離 本発明のアロステリック競合抗体から内因子の分離はバ
イオセンサー装置(「バイアコア」,ファルマシア)を
用いる表面プラズモン共鳴により調べられた。表面プラ
ズモン共鳴はイムノアッセイ結合反応の結果として試験
基質の表面に起こる質量の変化を測定するのに有用であ
る。質量のそのような変化はバイオセンサーを用いて検
知され、そして電子的に読み取られ得る光学的特性の変
化と相関関係にある。
【0051】特に、内因子、ビタミンB12および抗内因
子モノクローナル抗体585.3A3A8の相互作用の
分析はバイアコア装置(スウェーデン国ウプサラのファ
ルマシア・バイオセンサーAB)上で行われた。この装
置を用いてナノグラム量のタンパク質間の相互作用は、
該相互作用が表面プラズモン共鳴(SPR)として知ら
れる上記の現象において引き起こす変化により測定され
得る。SPR信号における変化は同時にモニターされ
得、そしてその同時データに基づいた計算により、相互
作用する分子に関連した動力学および親和性パラメータ
ーの決定がなされる。
【0052】SPRにおいて、タンパク質相互作用は、
水性緩衝液中、スライドガラスの表面の金箔に付着され
ている層厚100nmの線状デキストランとで起こる。
近赤外線は金−ガラス境界面に対して小さい角度でスラ
イドガラスの長さ未満に焦点が集められる。光は金−ガ
ラス界面に当り、そして反射される。金属内の自由電子
(プラズモン)の集団の存在のために、光が反射される
際に、そのエネルギーのいくらかは界面を通過し、そし
て吸収される。吸収されたエネルギーの量および最大吸
収が起こる正確な角度は界面の他方の(水性の)側にあ
る材料の屈折率に依存する。その屈折率はまた、界面の
その側の最初の数百ナノメーターにある物質の質量に依
存する。蓄積された質量が変化するにつれ(例えば表面
へのタンパク質の結合を介して)、SPR信号は変化
し、そして装置は信号を蓄積された質量に定量的に比例
するデータに変換する。データは任意の(しかし固定さ
れた、前に規定した)「共鳴単位」または「RU」に定
量化される。
【0053】MAB585.3A3A8と内因子との間
の相互作用の研究のために、マウスIgGに対するウサ
ギ抗体がデキストラン表面に共有結合(固定化)され
た。モノクローナル抗体はウサギ抗体により表面に捕獲
され、次に内因子(スクリップス11024)は抗体に
より捕獲された。B12(シグマ・ケミカル・カンパニー
・カタログ番号V2876)の存在下および不在下で表
面からの内因子の分離速度が決定された。特に以下の方
法が使用され、そして全ての方法は25℃で行われた。
【0054】A.バイオセンサー表面の取付け システム緩衝液であるHEPES緩衝液(「HBS」)
を10mM「HEPES」(N−〔2−ヒドロキシエチ
ル〕ピペラジン−N’−〔2−エタンスルホン酸〕,シ
グマカタログ番号H3375,150mM NaCl,
3.4mM EDTAおよび0.05%界面活性剤
(「P20」,ファルマシア・バイオセンサー・カタロ
グ番号BR−1000−54)として調製し、そして5
M NaOHでpH7.4とし、濾過し、そして脱気し
た。バイオセンサーチップ「CM5」(ファルマシア・
バイオセンサー・カタログ番号BR−1000−12,
デキストラン/金/ガラス表面)が装置内に取付けら
れ、そしてシステムにHBSを流した。新たに取りつけ
られたチップに対する信号は装置操作マニュアルに記載
されるように40%グリセロールで標準化された。4つ
のフローセルの各々における共鳴の低下はピクセル (pi
xel)13と14の間の8000RU近傍で底をついた。
【0055】B.ウサギ抗マウスIgGの固定化 アミンカップリングキット(ファルマシア・バイオセン
サー・カタログ番号BR−1000−50)中の試薬を
製造業者の指示に従って調製し、そして使用時まで冷凍
保存した。チップCM5のデキストラン表面のカルボン
酸基は「EDC」および「NHS」の溶液で活性化され
た。活性化の直後、ウサギ−抗マウスIgG1(「Rx
M」,ファルマシア・バイオセンサー・カタログ番号B
R−1000−55)の溶液を10mM酢酸ナトリウム
(pH5.0)中で100マイクログラム/mlで6分
間注入した。タンパク質と反応しない活性化された基は
エタノーマアミンの注入でキャップされた。新たに固定
化されたRxM表面はHBS中50マイクログラム/m
lのマウスIgG1(シグマ・ケミカル・カンパニー・
カタログ番号M7894)の6分間注入を3回繰り返す
ことにより調整され、次に1.0Mギ酸の2分間注入で
表面が再生された。RxM固定化は約10000RUま
でベースライン信号を高め、そしてこの量のRxMは調
整サイクルの条件下での約3000RUのマウスIgG
1を捕獲した。
【0056】C.RxM表面での実験 RxM表面での実験のために、HBS中で希釈されたモ
ノクローナル抗体が注入され、RxMにより捕獲され
た。ほとんどの実験に対して約1500RUの抗体が捕
獲された。HBS中で希釈された内因子は次に注入さ
れ、モノクローナル抗体により捕獲された。通常約60
0RUの内因子が捕獲された。内因子信号の減衰が次い
で追跡され、そして一次指数減衰のモデルに基づいて速
度定数が計算された。オフ速度(分離速度,off rate)
が緩衝液HBS、5マイクロモルのKCNを含有するH
BS(「HBS/KCN」)、および5、10、20お
よび50マイクロモルのB12を含有するHBS/KCN
中で観察された。各サイクルの終了時に、表面は1.0
Mギ酸で再生された。
【0057】図2は抗体からの内因子(IF)の分離の
同時プロットを示す。最初の100秒を示すプロットの
部分は緩衝液中でのIFの自然分離を表す。約100秒
で現れているプロット中の山形に折れた部分は対照およ
びB12含有KCN緩衝液の添加により生じた分離条件の
開始と関係する。二重の試料に関連するプロットの線は
対で現れる。上から下へ向けて、各対はそれぞれ緩衝液
中0、5、10、20および50マイクロモルのB12
添加を表す。
【0058】図2に示された結果は、抗体−内因子複合
体の一次分離速度を示す。該速度はB12の濃度に直接依
存した度合いでビタミンB12の添加により上昇した。分
離速度におけるこの上昇は、抗体自身が内因子のB12
合部位に結合するのであれば、抗体−内因子複合体がB
12結合に先立ちその自然分離速度で最初に分離しなけれ
ばならないであろうから、不可能であろう。B12が予め
結合した抗体−内因子の分離に影響を及ぼし得るという
事実は、B12が抗体に複合される内因子に結合し得るこ
とを意味するとむしろ理解される。抗体およびB12はそ
れ故に同一部位に結合せず、B12の添加は前に結合した
抗体の分離を引き起こす。
【0059】本発明の好ましい態様がこれまで記載され
てきたが、種々の変更、付加および変形が本発明の精神
および特許請求の範囲の範囲を逸脱せずにその中でなさ
れ得ると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に有用な、ルミノメーター信号の
阻害に対する既知B12濃度のグラフ、いわゆるB12イム
ノアッセイ標準曲線である。内因子−アルカリホスファ
ターゼ複合体と結合したクローン585.3A3A8の
分離と添加ビタミンB12濃度との関係を示す。
【図2】表面プラズモン共鳴により調べられるような予
め複合された抗体と内因子へのビタミンB12の影響を示
す置換曲線を表すグラフであり、相対的な応答と時間と
の関係で示す。
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】図2に示された結果は、抗体−内因子複合
体の一次分離速度を示す。該速度はB12の濃度に直接
依存した度合いでビタミンB12の添加により上昇し
た。分離速度におけるこの上昇は、抗体自身が内因子の
12結合部位に結合するのであれば、抗体−内因子複
合体がB12結合に先立ちその自然分離速度で最初に分
離しなければならないであろうから、不可能であろう。
12が予め結合した抗体−内因子の分離に影響を及ぼ
し得るという事実は、B12が抗体に複合される内因子
に結合し得ることを意味するとむしろ理解される。抗体
およびB12はそれ故に同一部位に結合せず、B12
添加は前に結合した抗体の分離を引き起こす。上記のよ
うに、図2はIF−アロステリック抗体複合体の分離速
度を示す。図2のデータは、IF−アロステリック競合
的抗体複合体が最初に形成され、そしてビタミンB12
が異なる濃度で添加された場合の結果を示す。ビタミン
12が実際に前もって存在している抗体−IF複合体
に結合し得ることがわかる。一時的な抗体−IF−ビタ
ミンB12三重複合体がほぼ形成され、次いで一次的動
力学で分離し、遊離抗体とIF−ビタミンB12複合体
が得られる。ビタミンB12−IF−抗体複合体が安定
ではなく、例えばイムノアッセイにより直接検出され得
ないから、抗体とビタミンB12のIFへの結合は競合
的であると考えられるのみである。それ故に、図2に示
されたデータは、ビタミンB12の濃度がIFとアロス
テリック競合的抗体との予め形成された複合体の分離速
度に影響を及ぼし得ることを示す。これに対し、もし直
接競合的抗体とビタミンB12がIFの同一部位に結合
するのであれば、ビタミンB12の増加する濃度は予め
結合した抗体の分離速度にほとんど、または全く影響を
与えないだろう。IFの抗体結合部位は、直接競合的抗
体−IF複合体が分離した後にだけ、ビタミンB12
合のために利用可能になるであろう。そして、分離速度
はビタミンB12の濃度により大きくは影響されないで
あろう。上記のバイオコアによる方法論のより十分な説
明により、図2に示されたデータはさらに理解され得
る。明細書に記載されたバイオコア実験は、バイオセン
ーチップの表面に結合したタンパク質の光学的影響を
計測する。FW1355を有するビタミンB12はそれ
自身あまりにも小さく、バイオコア実験で生成されるS
PR信号に影響を与えない。信号は結合したタンパク質
の質量に比例するので、ビタミンB12はその信号に直
接影響を及ぼさず、抗体とIFだけが検出に十分な大き
さで残っている。従って、各測定は異なる濃度のビタミ
ンB12で行われたけれども、ビタミンB12の濃度は
いずれの特定の計測の間には変化しなかった。このよう
に、図2は異なるビタミンB12濃度でのIF−抗体複
合体に生じた一連の一次分離を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 ジェーン シュミット アメリカ合衆国 ミネソタ 55105 セン トポールサラトガ ストリート サウス 430 (72)発明者 ポール ウェグファールト アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19935 ダウニングトン トーマス ロード 93

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビタミンB12の不在下でのみ内因子に特
    異的に結合し得、そしてビタミンB12の存在下、および
    ビタミンB12の内因子への結合の際に結合が解除される
    抗体を含む、試料中のビタミンB12の存在を決定するの
    に有用である組成物。
  2. 【請求項2】 内因子と、試料中に存在するビタミンB
    12の量に関連した量で前記内因子に特異的に結合する標
    識された抗体とからなり、該抗体はビタミンB12の不在
    下でのみ内因子に結合し得、そしてビタミンB12の存在
    下、およびビタミンB12の内因子への結合の際に結合が
    解除される、試料中のビタミンB12の存在を決定するた
    めのキット。
  3. 【請求項3】 ビタミンB12の存在または不在にかかわ
    らず内因子に特異的に結合する第2の抗体をさらに含む
    請求項2記載のキット。
  4. 【請求項4】 第2の抗体が固相支持体に結合されてい
    る請求項3記載のキット。
  5. 【請求項5】 (a)ビタミンB12の不在下でのみ内因
    子に特異的に結合し得、そしてビタミンB12の存在下、
    およびビタミンB12の内因子への結合の際に結合が解除
    される予め決められた量の抗体が結合されている固相支
    持体、および(b)予め決められた量の標識された内因
    子、からなる試料中のビタミンB12に対してアッセイを
    行うためのキット。
  6. 【請求項6】 標識がアルカリホスファターゼであり、
    そして該標識の存在または量を検出するための基質をさ
    らに含む請求項5記載のキット。
  7. 【請求項7】 以下の段階: a)実質的に精製された内因子で動物を免疫感作し、 b)免疫感作された動物から脾臓リンパ球を単離し、 c)単離された脾臓リンパ球を形質細胞腫細胞系と融合
    させて、抗体を分泌する多数のハイブリドーマクローン
    を得、 d)各々のハイブリドーマクローンからの抗体を含む予
    め決められた量の培養上清から遊離ビタミンB12を抽出
    し、 e)各々の抽出された抗体含有上清の第1の試料をビタ
    ミンB12の存在下で内因子と接触させ、 f)各々の抽出された抗体含有上清の第2の試料をビタ
    ミンB12の不在下で内因子と接触させ、 g)免疫グロブリンに特異的に結合する酵素標識抗体を
    第1および第2の試料の各々と接触させ、 h)第1および第2の試料の各々に存在する標識抗体の
    存在を検出し、そして i)ビタミンB12の不在下でのみ内因子に結合した抗体
    を分泌するハイブリドーマを単離するからなるビタミン
    12の不在下でのみ内因子に結合し得、そしてビタミン
    12の存在下、およびビタミンB12の内因子への結合の
    際に結合が解除されるモノクローナル抗体を得る方法。
  8. 【請求項8】 抽出段階(d)がデキストランを被覆し
    た木炭を用いて行われる請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】(a)既知量の標識内因子および試料中の
    ビタミンB12の存在または量に関連した量で内因子に特
    異的に結合する固相に結合した既知量の抗体に試料を接
    触させ、前記抗体はビタミンB12が結合する内因子の部
    位とは異なる内因子の部位に結合し得、ビタミンB12
    不在下でのみ内因子に特異的に結合し、そしてビタミン
    12の存在下で結合が解除され、前記内因子は試料中の
    ビタミンB12に特異的に結合してビタミンB12−内因子
    複合体を形成し、(b)ビタミンB12−内因子複合体を
    分離し、そして(c)ビタミンB12−内因子複合体と結
    合した標識の量または固相上の抗体に結合した標識量を
    測定することにより、ビタミンB12の量を決定すること
    からなる液体試料中のビタミンB12に対する診断アッセ
    イ方法。
  10. 【請求項10】 抗体がモノクローナル抗体である請求
    項9記載の方法。
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