JPH07309667A - 透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体の製造方法 - Google Patents

透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体の製造方法

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JPH07309667A
JPH07309667A JP6102850A JP10285094A JPH07309667A JP H07309667 A JPH07309667 A JP H07309667A JP 6102850 A JP6102850 A JP 6102850A JP 10285094 A JP10285094 A JP 10285094A JP H07309667 A JPH07309667 A JP H07309667A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透光性に優れ、かつ高強度な透光性酸窒化ア
ルミニウムマグネシウム焼結体を低コストで製造可能な
透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体の製造法
の提供。 【構成】 AlNを全体の15〜40mol%含むAl
2 3 とAlNとの混合粉末に、MgOを全体の1〜2
8mol%となるように添加して得られたAlN,Al
2 3 及びMgOからなる原料混合粉末を調製し、上記
原料混合粉末を所定の形状の成形体に成形し、上記成形
体を1700℃以下の温度で熱処理してその相がMg−
Al−O−N単一相である第一次焼結体とし、上記第一
次焼結体を1700℃以上のできるだけ低い温度で熱処
理して開気孔がなくなるまで緻密化させて第二次焼結体
とし、さらに上記第二次焼結体を温度1400〜190
0℃、圧力10MPa以上の窒素ガス又はアルゴンなど
の不活性ガス中で加圧下において、加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧ナトリウムランプ
発光管、高温炉の窓、赤外線検出用窓材、耐熱性レンズ
等のように、高温下(特に、1000℃以上)での耐久
性と、紫外・可視・赤外領域波長の光に対する高い透光
性とを必要とする部品の材料として好適な、透光性酸窒
化アルミニウムマグネシウム焼結体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
可視および赤外領域波長の光の透光性に優れ、かつ耐熱
性や耐摩耗性にも優れた透光性材料に対する要求が高ま
っている。かかる材料の一つとして、透光性酸化アルミ
ニウム(以下、「アルミナ」という)焼結体が高圧ナト
リウム発光管に広く実用化されている。しかし、上記ア
ルミナ焼結体の各結晶粒子は異方性を有する六方晶構造
からなり、結晶粒界における複屈折による光散乱を避け
ることができない。そこで、現在、工業化されている透
光性アルミナ焼結体では、結晶粒子を大きくして粒界密
度を減らすことで、結晶粒界における上記光散乱を減ら
し透過率が高められている。しかし、結晶粒子径を大き
くすると、焼結体の機械的強度が低下するため、さらに
高強度の透光性材料の開発が望まれている。
【0003】一方、アルミナに窒化アルミニウムを全体
の10〜40mol%になるように添加し、高温で焼結
すると単一相の酸窒化アルミニウムが得られることが知
られている(特開平1−183472号公報)。この酸
窒化アルミニウムの結晶構造は、等方性の立方晶構造か
らなるものであり、この酸窒化アルミニウムを用いる
と、結晶粒界における複屈折による光散乱がなく、透光
性の非常に高い酸窒化アルミニウム焼結体が得られる可
能性がある。
【0004】これまで、上記酸窒化アルミニウムの均一
な焼結体の製造方法として、一旦、酸窒化アルミニウム
組成とした原料粉末を製造し、これを窒素中や真空中
で、焼結またはホットプレスすることによって、透光性
酸窒化アルミニウム焼結体を製造する方法(以下「方法
」とする)が提案されている(特開平2−23355
2号、特開平3−23269号、特開平3−12667
4号、特開平4−29627号公報)。
【0005】しかし、この方法は、焼成した原料粉末の
粉砕工程と、さらにこの粉末の成形、焼結等を行う工程
を必要とするため、製造工程が複雑になるのに加え、粉
砕時に不純物が混入するおそれがある。したがって、不
純物の混入により目的とする透光性酸窒化アルミニウム
焼結体の透光性を低下させる問題がある。
【0006】工業的観点からは、安定供給可能なアルミ
ナ粉末および窒化アルミニウム粉末からなる混合粉末を
成形した成形体を焼結することで、透光性焼結体が得ら
れれば、不純物混入のおそれがないほか、製造工程も簡
素化されるため、有利である(以下「方法」とす
る)。
【0007】ところで、上記方法において、アルミナ
粉末および窒化アルミニウム粉末の混合粉末から成形し
た成形体を焼結することによって、均一な透光性の酸窒
化アルミニウム焼結体を作製するためには、少なくとも
2000℃前後の高温が必要である。そこで、酸窒化ア
ルミニウムの焼結を促進するために、酸化イットリウム
や酸化マグネシウムなどを焼結助剤として添加すること
が以前から行われている。
【0008】上記の焼結助剤としての酸化マグネシウム
は、酸窒化アルミニウムの焼結を促進し、また、酸窒化
アルミニウムに対してかなり広い固溶範囲(0〜30m
ol%)を有するため、この酸化マグネシウムを使用す
ることによって、より低温で透光性の酸窒化アルミニウ
ムマグネシウム焼結体を製造する方法が提案されている
(特開平3−215365号、特開平4−265276
号公報)。
【0009】上記特開平3−215365号公報に記載
の方法では、上記方法において、酸窒化アルミニウム
粉末の焼結の際に酸化マグネシウムを添加する手法が採
られており、一方、上記特開平4−265276号公報
に記載の方法では、上記方法において、アルミナ及
び、窒化アルミニウムに酸化マグネシウムを添加した混
合物が原料に用いられているが、高い透光性の焼結体を
得るために、1950℃以上の高温で焼結を行ってい
る。一般に、セラミックスの焼結において、焼結温度が
高くなり焼結時間が長くなるにつれて、焼結体の結晶粒
子径が大きくなり、その結果、焼結体強度が低下するこ
とが知られている。特開平4−265276号公報で
は、得られた焼結体の強度については言及されていない
が、おそらく、この場合も高温での焼結による結晶粒子
の粗大化のために、焼結体強度は低いものと推定され
る。
【0010】本発明の目的は、透光性に優れ、かつ高強
度な透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体を低
コストで製造可能な透光性酸窒化アルミニウムマグネシ
ウム焼結体の製造法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、AlNを全体
の15〜40mol%含むAl2 3 とAlNとの混合
粉末に、MgOを全体の1〜28mol%となるように
添加して得られたAlN,Al2 3 及びMgOからな
る原料混合粉末を調製し、上記原料混合粉末を所定の形
状の成形体に成形し、上記成形体を1700℃以下の温
度で熱処理してその相がMg−Al−O−N単一相であ
る第一次焼結体とし、上記第一次焼結体を1700℃以
上のできるだけ低い温度で熱処理して開気孔がなくなる
まで緻密化させて第二次焼結体とし、さらに上記第二次
焼結体を温度1400〜1900℃、圧力10MPa以
上の窒素ガス又はアルゴンなどの不活性ガス中で加圧下
において、加熱処理することを特徴とする透光性酸窒化
アルミニウムマグネシウム焼結体の製造方法を提供する
ことにより上記目的を達成したものである。
【0012】以下本発明に係る透光性酸窒化アルミニウ
ムマグネシウム焼結体の製造方法について、さらに詳細
に説明する。
【0013】まず、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉
末および酸化マグネシウム粉末を所定の配合比で混合し
て原料混合粉末を調製する。
【0014】ここで、上記各粉末は、できるだけ高純度
で微粉末のものが好ましく、アルミナ粉末は平均粒子径
0.3ミクロン以下のもの、窒化アルミニウム粉末は同
0.8ミクロン以下のもの、酸化マグネシウム粉末は同
0.5ミクロン以下のものがより好ましい。
【0015】アルミナ粉末と窒化アルミニウム粉末の混
合比は、混合粉末全体に占める窒化アルミニウムの割合
が15〜40mol%の範囲が好ましく、より好ましく
は30mol%である。15mol%より少ないと酸窒
化アルミニウム相以外にアルミナ相が存在し透光性を下
げるからであり、40mol%より多くなると酸窒化ア
ルミニウム相以外に窒化アルミニウム相が存在し透光性
を下げるからである。
【0016】また、原料混合粉末全体に占める酸化マグ
ネシウムの割合は1〜28mol%の範囲が好ましく、
より好ましくは5〜15mol%である。1mol%よ
り少なくても、28mol%より多くても透光性焼結体
が得られないからである。
【0017】上記各粉末の混合には、各粉末が相互に良
く混合される方法であれば何れの粉末混合方法を使用す
ることも可能であるが、エタノール等の溶媒中でボール
ミル混合し、得られたスラリーをスプレードライなどの
方法によって乾燥して調製すると混合状態の良い原料混
合粉末が得られる。
【0018】次に、上記原料混合粉末を所定の方法で所
定形状に成形し成形体(被焼結体)を得る。ここで、上
記原料混合粉末の成形には、金型を用いた一軸加圧成形
あるいはゴム型を用いた冷間等方加圧(CIP)成形を
適用することが可能である。また、上記のようにボール
ミル混合した場合には、そのスラリーを直接、石膏など
の多孔質の型に流し込み、原料混合粉末を型に着肉した
後、離型および乾燥することによって、成形体を得るこ
とも可能である。
【0019】そして、上記成形体(被焼結体)を大気圧
あるいは減圧下で、ゆっくりと所定の反応温度まで昇温
させるとともに、同反応温度に所定時間保持し、アルミ
ナ粉末、窒化アルミニウム粉末および酸化マグネシウム
粉末を相互に反応させ、酸窒化アルミニウムマグネシウ
ム(Mg−Al−O−N)単一相からなる第一次焼結体
とする。
【0020】ここで、上記反応温度に至るまでの昇温速
度は、成形体内に閉気孔(外部に通じていない気孔)を
残さないように、焼結が始まる温度以上へ、できるだけ
ゆっくりとした速さで昇温させるのが好ましく、たとえ
ば、反応温度を1500〜1700℃の温度範囲に設定
する場合には、1300℃から反応温度に至るまでは、
1〜2℃/minとすると好適である。
【0021】また、上記反応温度は、各粉末の配合比等
によって異なるが、1700℃以下の温度で、各粉末
が、酸窒化アルミニウムマグネシウム(Mg−Al−O
−N)単一相に変化(反応)し得る、できるだけ低い温
度に設定することが好ましく、1500〜1700℃の
温度範囲が好適である。上記反応温度が1700℃を超
えると、以降の処理で除去できない閉気孔が焼結体中に
残留しやすく、最終製品の透光性を下げることになるか
らである。
【0022】さらに、上記反応温度での保持時間は、成
形体の形状、反応温度にもよるが、成形体を構成する上
記各粉末が反応して酸窒化アルミニウムマグネシウム
(Mg−Al−O−N)単一相に変化するに足りる時間
であれば十分であり、通常1〜3時間程度である。
【0023】上記昇温中および反応温度保持中の雰囲気
ガスには、窒素ガス、水素ガス、又はアルゴンなどの不
活性ガスを用いることができる。また、焼結中の成形体
の還元を防ぐために、上記窒素ガス等や不活性ガス中に
0.1〜5%程度の酸素ガスを混合したガスを用いても
よい。
【0024】そして、成形体の相(組織)が酸窒化アル
ミニウムマグネシウム(Mg−Al−O−N)単一相に
変化して第一次焼結体が得られたならば、引き続いて、
温度を1700℃以上に上昇させて、結晶粒子の粗大化
が起こらないように、出来るだけ低い温度で、上記一次
焼結体内の開気孔(外部に通じている気孔)が消滅する
まで保持し第二次焼結体とする。ここで、開気孔が消滅
するまで保持するのは、開気孔を含む成形体に後述のH
IP(熱間等方加圧)処理を施すと、開気孔内に高圧ガ
スが進入しHIP処理の効果が得られなくなるためであ
り、HIP処理に先だち開気孔を完全に除去しておくこ
とが好ましいからである。なお、この熱処理における雰
囲気ガスの条件は、上記の単一相化反応中と同様とする
ことができる。
【0025】そして最後に、上記第二次焼結体を所定温
度、所定のガス雰囲気下でHIP処理(熱間等方加圧処
理)することによって、上記第二次焼結体内に残留して
いる残留気孔をさらに除去し、透光性酸窒化アルミニウ
ムマグネシウム焼結体を得る。ここで、保持温度は十分
なHIP効果が得られ、かつ結晶粒子の粗大化が起こら
ないように1400〜1900℃、であることが好まし
く、より好ましくは1600〜1800℃である。ま
た、雰囲気ガスとしては、窒素ガス、又は、アルゴン等
の不活性ガスが,好適である。さらに、保持圧力は圧力
10MPa以上であることが好ましく、HIP処理の効
果をより大きく得るためには100MPa以上であるこ
とが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る透光性酸窒化アルミニウ
ムマグネシウム焼結体の製造方法について、以下に示す
各実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。
【0027】なお、各実施例及び比較例において使用し
た、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、及び酸化マ
グネシウム粉末は、平均粒径がそれぞれ、0.22μ
m、0.6μm、及び0.4μmのものである。
【0028】得られた焼結体の透光性は、表面を3μm
のダイヤモンド砥粒で仕上げ、厚さ2mmの試料とする
とともに、分光光度計を用いて、波長3μmの赤外線及
び波長0.5μmの可視光線の厚さ方向の光透過率を測
定して評価した。また、得られた焼結体の機械的強度
は、室温での4点曲げ強度を測定(JIS1601に準
拠)して評価した。
【0029】実施例1 アルミナ粉末143g、窒化アルミニウム粉末24.6
g及び酸化マグネシウム粉末5.0gをエタノール中で
直径10mmのアルミナボールとポリエチレン製容器を
用いて、24時間ボールミル混合した。そして、得られ
たスラリーを乾燥し、解砕後、目開きが300μmの篩
に通過させることによって、混合粉末の顆粒を調製し
た。そして、この混合粉末の顆粒を断面が45×50m
mの金型に充填し15MPaの圧力で一軸加圧成形した
後、さらに、圧力196MPaでCIP成形することに
よって成形体を作製した。
【0030】次に、上記成形体をBN製るつぼ中に設置
し、1300℃まで10℃/min、1300〜170
0℃を2℃/minで昇温し、1700℃で1時間保持
し、酸窒化アルミニウムマグネシウム(Mg−Al−O
−N)単一相からなる第一次焼結体とした後、さらに、
1750℃まで10℃/minで昇温し、1750℃で
3時間保持して緻密な第二次焼結体とした。ここで、昇
温および温度保持中の雰囲気は、900℃以下では1P
aの減圧、900℃以上では大気圧の窒素雰囲気とし
た。得られた第二次焼結体は、炉内で自然冷却した後、
次のHIP処理を施した。
【0031】HIP処理は、窒素ガスを加圧媒体とし
て、圧力784MPa、温度1800℃に2時間保持す
ることによって行った。HIP装置には神戸製鋼(株)
製超高圧HIP装置(グラファイト製ヒーター)を用い
た。また、上記第二次焼結体は表面にBNを塗布したカ
ーボンるつぼ内に設置し、昇温昇圧は同時に行った。
【0032】得られた透光性酸窒化アルミニウムマグネ
シウム焼結体の透光性は、波長3μmの赤外線透過率が
52%、波長0.5μmの可視光線透過率は20%であ
った。また、得られた透光性酸窒化アルミニウムマグネ
シウム焼結体の4点曲げ強度は400MPaであった。
【0033】実施例2 酸化マグネシウム粉末の添加量を10.0g、HIP処
理温度を1750℃とした以外は、実施例1と同様に行
った。得られた透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム
焼結体の波長3μmの赤外線透過率は71%、波長0.
5μmの可視光線透過率は22%で、その4点曲げ強度
は380MPaであった。この結果、HIP処理温度を
1750℃としても上記実施例1とほぼ同等の優れた透
光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体が得られる
ことが確認された。
【0034】実施例3 アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末及び酸化マグネシ
ウム粉末をそれぞれ1430g、246g及び50gを
用意し、これらの粉末をエタノール中で直径10mmの
アルミナボールとポリエチレン製容器を用いて、24時
間ボールミル混合した。スラリーをスプレードライ法に
よって乾燥し、原料混合粉末を調製した。この原料混合
粉末を用いて、実施例1と同様に成形、焼結およびHI
P処理を行い、透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム
焼結体を作製した。
【0035】得られた試料の波長3μmの赤外線透過率
は55%、波長0.5μmの可視光線透過率は20%で
あった。また、4点曲げ強度は390MPaであった。
従って、上記のように原料混合粉末の調製方法を変えて
も実施例1同様の優れた透光性酸窒化アルミニウムマグ
ネシウム焼結体が得られることが確認された。
【0036】比較例1 アルミナ粉末143gおよび窒化アルミニウム粉末2
4.6gを、エタノール中で直径10mmのアルミナボ
ールとポリエチレン製容器を用いて、24時間ボールミ
ル混合した。以下は実施例2と同様に、原料混合粉末の
調製、成形、焼結およびHIP処理を行い、酸窒化アル
ミニウム焼結体を作製した。
【0037】得られた焼結体の波長3μmの赤外線透過
率及び波長0.5μmの可視光線透過率はともに0%で
あった。この結果、混合粉末に酸化マグネシウムを添加
しないで、これを原料混合粉末とした場合には、得られ
た焼結体に、上記各実施例で得られた透光性酸窒化アル
ミニウムマグネシウムのような優れた透光性は付与され
ないことが確認された。
【0038】比較例2 酸化マグネシウム粉末の添加量を34.5g(30mo
l%に相当)とした以外は実施例2と同様に、原料混合
粉末の調製、成形、焼結およびHIP処理を行った。得
られた焼結体の波長3μmの赤外線透過率及び波長0.
5μmの可視光線透過率はともに0%であった。この結
果、酸化マグネシウム粉末の添加量が許容量(28mo
l%)を超えた場合にも、得られた焼結体に透光性が付
与されないことが確認された。
【0039】比較例3 焼結時の昇温速度を、室温から1750℃まで一定(1
0℃/min)とした以外は、実施例2と同様に、原料
混合粉末の調製、成形、焼結およびHIP処理を行っ
た。得られた焼結体の波長3μmの赤外線透過率は40
%、波長0.5μmの可視光線透過率は10%であっ
た。この結果、焼結時の昇温速度が速い場合には焼結体
中の閉気孔がより多く残存することとなり、赤外および
可視領域の光透過性が低くなることが確認された。
【0040】比較例4 実施例1と同様に成形した成形体を昇温速度10℃/m
inで2050℃まで昇温し、2050℃に3時間保持
することによって焼結体を作製した(雰囲気の条件は実
施例1と同じ、HIP処理なし)。得られた焼結体の波
長3μmの赤外線透過率は50%、波長0.5μmの可
視光線透過率は20%であった。また、焼結体の4点曲
げ強度は173MPaであった。この結果、HIP処理
を行わずとも焼結温度を2050℃に上げることで透光
性焼結体が得られるが、この場合には焼結体強度が低い
ことが確認された。
【0041】上述した各実施例及び比較例における焼結
体の作製方法を表1に、同焼結体の透光性及び機械的強
度を表2に、それぞれまとめて示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】このように、上記各実施例に係る透光性酸
窒化アルミニウムマグネシウム焼結体の製造方法によれ
ば、優れた透光性および機械的強度を有する透光性酸窒
化アルミニウムマグネシウム焼結体を簡易な工程で製造
することができる。また、上記各実施例では、HIPを
用いガス圧によって等方的に、あらゆる方向から加圧す
るため、モールドを用いて一方向加圧により焼結するタ
イプのホットプレスを用いた方法に比べ、複雑形状で、
しかも均質な焼結体の製造が可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る透光性酸窒化アルミニウム
マグネシウム焼結体の製造方法によれば、安定供給可能
なアルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末および酸化マグ
ネシウム粉末から直接、成形体を成形し、これを焼結す
るので、従来法で必要であった粉末の仮焼および粉砕工
程を省略でき、製造工程を簡素化することができるほ
か、不純物混入が防止でき、製造コストを低く抑えて、
高純度の焼結体を得ることができる。また、焼結過程に
おいて開気孔を十分に除去したあと更に、所定のガス雰
囲気中で加圧、加熱処理を行うので、機械的強度、透光
性ともに優れた透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム
焼結体を作製することができる。さらに、ガス圧によっ
て等方的に、あらゆる方向から加圧するため、複雑形状
で、しかも均質な焼結体の製造が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 雅司 山口県山口市大字下小鯖1321−76 (72)発明者 三國 彰 山口県山口市吉田3045−19 (72)発明者 中川 浜三 山口県宇部市神原町2丁目7−52 (72)発明者 山本 雅章 山口県宇部市野中5丁目2番50−4号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlNを全体の15〜40mol%含む
    Al2 3 とAlNとの混合粉末に、MgOを全体の1
    〜28mol%となるように添加して得られたAlN,
    Al2 3 及びMgOからなる原料混合粉末を調製し、 上記原料混合粉末を所定の形状の成形体に成形し、 上記成形体を1700℃以下の温度で熱処理してその相
    がMg−Al−O−N単一相である第一次焼結体とし、 上記第一次焼結体を1700℃以上のできるだけ低い温
    度で熱処理して開気孔がなくなるまで緻密化させて第二
    次焼結体とし、 さらに上記第二次焼結体を温度1400〜1900℃、
    圧力10MPa以上の窒素ガス又はアルゴンなどの不活
    性ガス中で加圧下において、加熱処理することを特徴と
    する透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体の製
    造方法。
JP6102850A 1994-05-17 1994-05-17 透光性酸窒化アルミニウムマグネシウム焼結体の製造方法 Expired - Lifetime JP2566737B2 (ja)

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