JP3883106B2 - 透光性酸化スカンジウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents

透光性酸化スカンジウム焼結体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
本発明は、Sc2O3で表わされる透光性酸化スカンジウム焼結体、及びその製造方法に関する。本発明の焼結体は、例えば赤外透過窓材、偏光板、放電ランプ用エンベロープ、光学部品、レーザー発振子として好適に使用される。
【0002】
【従来技術】
Sc2O3で表わされる酸化スカンジウムは、その結晶構造が立方晶であり複屈折が無い。そのため、気孔や不純物による偏析を完全に除去する事により、透光性に優れた焼結体を得ることが可能である。酸化スカンジウムは、融点が2485℃を越えており(化学便覧、日本化学会編)、耐熱性、耐アルカリ性に優れた素材である事が知られている。更に高い熱伝導率を有するため、固体レーザー用ホスト材料として期待されている。
【0003】
しかしながら、酸化スカンジウムは高価であることから、結晶の作成方法に関してはほとんど研究がなされていない。また、その融点が極めて高いため、既存の単結晶合成技術では光学的に優れた大型結晶を合成することは困難である。
【0004】
この一方で、セラミックス(多結晶体)は、融点以下の比較的低い温度での合成が可能であるため、酸化スカンジウム同様、高融点の酸化イットリウム(イットリア)や希土類元素の酸化物に関して、従来より赤外用高温窓材、放電ランプ用エンベロープ、耐食部材等に適用すべく検討が盛んに行なわれている。酸化スカンジウムの焼結体に関する報告例(例えば、Adv Powder Metall.vol5.pp347〜356(1991)やJ.A.Ceram.Soc.60(No3〜4)pp167〜168(1977))は少ない為、比較的性質の似通っているイットリアセラミックスの作成方法により、従来技術を説明する。酸化スカンジウムに限らず、透光性焼結体の作製においては、焼成の際、粒成長による気孔の排出を上手く行なえるかどうかが最も重要であり、粒成長速度を制御すべく焼結助剤を添加する手法が一般的である。従来より多数報告されているイットリアの製造方法に関しても、その多くは焼結助剤を添加した手法である。
【0005】
焼結助剤を用いた透光性イットリア焼結体の製造方法としては、(1)ThO2を添加して水素中2100℃以上で焼成する方法(Ceramic BulletinVol.52,No5
(1973)),(2)AlF3を添加したY2O3粉末を真空ホットプレスで焼成する方法(特開昭53-120707号),(3)同様にLiF又はKFを添加してホットプレスする方法(特開平4-59658号),(4)La2O3やAl2O3を添加して低O2雰囲気中で焼結する方法(特開昭54-17911号,特開昭54-17910号)、(5)CaOやZrO2を添加して窒素ガスの分圧を制御した雰囲気で焼結する方法(特開平10-273364号)等が開示されている。
【0006】
(1)の手法に於いては、比較的透明度の高い焼結体が得られるものの、入手及び取り扱いが容易でない放射性元素であるトリアを焼結助剤として添加している。更に高温で長時間焼成を行なうため、平均粒子径は100μm以上と非常に大きく、その材料強度は極めて低い。従って民生品としての実用には不適である。(2)のホットプレス法では、比較的低温での焼成が可能であるものの、可視部での直線透過率は60%程度のものしか得られない。(3)の手法では、1500℃以上でホットプレス処理を行なうことにより、波長2μm以上の赤外領域にて、直線透過率が80%程度の焼結体が作製可能である。可視部での透過率に関しては明記されておらず不明であるが、焼結助剤として添加されている弗化物は低融点物質(LiF:842℃,KF:860℃)であり、焼成過程において蒸発し、試料の外周部と内部で粒成長速度に差が生じるため、肉厚試料の場合には均一な焼結体を作製することは困難である。また真島らによれば(日本金属学会誌第57巻10号(1993)1221-1226)、LiFを助剤としてホットプレスした場合、その添加量の最適化を行なっても試料中心部にフッ素が残留し、試料の外周部と比較してその透過率は低くなることが述べられている。従って弗化物を焼結助剤として用い、大型、肉厚焼結体を作製することは容易ではない。
【0007】
(4)のLa2O3を添加する手法では、その添加量が約6〜14モル%と多く、固溶できないLa2O3が偏析層を生成し易く(例えばJournal of Materials Science 24(1989)863-872 等による)、光学的に均一な焼結体を作製することは容易ではない。また、Al2O3を添加する手法では、その添加量を0.01wt%〜5wt%とし、Y4Al2O9とY2O3との間の共晶温度(1920℃)以上で液相焼結により緻密体を作製している。しかしながら、高温で焼成を行なっているにも関らず得られる焼結体の透過率は、理論透過率に対して最大でも80%に留まっている。同様に(5)のCaOないしZrOの添加量はそれぞれ100ppmから4%あるいは200ppmから10%と多く、得られる焼結体の透過率は、やはり理論透過率に対して最大でも80%に留まっている。
【0008】
焼結助剤を添加しないイットリアの製造方法は、例えば、(6)特許第2773193号や(7)特開平6-211573号に開示されている。(6)の手法は、BET値10m2/g以上のイットリア粉末をホットプレスして理論密度比95%以上に緻密化した後に、HIP処理を行なうものである。これにより得られる焼結体の透過率は、波長3〜6μmの赤外領域では80%程度と良好であるが、0.4〜3μmの波長域では平均で75%程度に留まっている。HIP処理を行なっているにも関らず、短波長域での透光性が不充分なのは、出発原料がハンドリングの困難な超微粉を用いているため、ホットプレスにより表面は緻密化したとしても、試料内部にはHIP処理を行なっても除去出来ない大きな空隙を含みやすいためであると推測される。また(7)の手法では、平均粒径が0.01〜1μmの易焼結性原料粉末をCIP成形した後に、1800℃以上で真空焼成若しくは1600℃以上でHIP処理を行なうことにより透明体を作製している。この手法により得られる焼結体は、可視領域における平均直線透過率が80%以上と高く、発光元素を添加することによりレーザー発振可能な焼結体が作製可能であると記されている。しかしながら、透明度の高い試料を作製するためには、真空焼成及びHIP処理の何れの場合においても2000℃前後の高温で焼成を行なう必要があり、工業的に連続生産を行なう場合、焼成炉の劣化が激しく維持が大変である。更に、波長が短くなるにつれて透過率の低下が著しく(波長1000nmから400nmでは10%以上低下)、可視部の透光性を重視する光学部材への適用は不適である。
【0009】
ところで、従来法において使用されている希土類酸化物原料粉末は、一般には蓚酸塩を母塩としたものであるが、これを仮焼して得られる原料粉末は粒度分布が不均一であり、凝集の激しい二次粒子から構成されている。そのため成形によるパッキングが充分とれず、緻密体を作製することは容易でない。近年、この点を改善すべく易焼結性原料粉末を用いた低温焼成による透明体作製法も開示されている(例えば、特開平9-315865号、同10-273364号、同11-189413号、同11-278933号)。
【0010】
上記の手法では、低温焼成のために炭酸塩を母塩に用い、これを仮焼して得られる比較的粒度分布が均一で、凝集の少ない粉末を出発原料として用いることにより、焼結体を作製している。しかしながら、これらの手法において得られる焼結体の可視部での直線透過率は、最高でも70%程度であり、理論透過率(≒82%)と比較すると単結晶に匹敵する透明体とは言い難い。
【0011】
以上に、既存の透光性イットリアの製造方法について述べたが、可視部から赤外領域に渡って単結晶と同等の優れた透光性を有する焼結体を工業的に容易に製造する手法は皆無である。
【0012】
【発明の課題】
本発明は、工業的に実用可能な手法により、可視部から赤外領域に渡って良好な透光性を示す酸化スカンジウム焼結体(請求項1,2)、及びその製造方法(請求項3,4)を提供することを目的とする。
【0013】
【発明の構成】
本発明の透光性酸化スカンジウム焼結体は、Alの含有量が5wtppm以上100wtppm以下であり、かつ波長500nmから5μmの領域に渡っての直線透過率が1mm厚みで77%以上である(請求項1)。
【0014】
好ましくは、透光性酸化スカンジウム焼結体はSi量が30wtppm以下であり、平均粒径が1μm以上30μm以下である(請求項2)。AlやSiは金属換算で含有量を表示する。
【0015】
本発明の透光性酸化スカンジウム焼結体の製造方法は、Si含有量が30wtppm以下であり純度99.9%以上の高純度酸化スカンジウム原料粉末を用いて、成形密度が理論密度比58%以上で、Alの含有量が5wtppm以上100wtppm以下の成形体を作製し、熱処理により脱バインダーした後に、非酸化性雰囲気中で、1400℃以上1800℃以下の温度で焼成することを特徴とする(請求項3)。
【0016】
好ましくは、前記の焼成の後に、1000℃から1800℃の温度及び49MPaから196MPaの圧力で、熱間静水圧加圧(HIP)処理を施す(請求項4)。
【0017】
【発明の作用と効果】
本発明者らは、前記課題を解決するため種々検討を行なった結果、特定のAl含有量において、波長500nmから5μmの領域に渡っての、直線透過率が1mm厚みで77%以上の酸化スカンジウム焼結体を作製できることを見出した(請求項1)。ここでSi含有量を30wtppm以下にすることが、粒成長を抑制して光透過率を向上させることに有効である(請求項2)。
【0018】
酸化スカンジウム焼結体の製造では、原料の純度、特にSi含有量を管理して、Al含有量と密度とを管理した成形体を作成し、熱処理により脱バインダーした後に、非酸化性雰囲気中で、例えば水素、希ガスあるいはこれらの混合雰囲気もしくは真空中で、1400℃以上1800℃以下の温度範囲で焼成すれば良い(請求項3)。この雰囲気の焼成により得られた焼結体に、1000℃から1800℃の温度で49MPaから196MPaの圧力で、熱間静水圧加圧処理を施すと、サブミクロン以下の気孔を排出でき、500nm以下での光透過率の低下を防止できる(請求項4)。
【0019】
【発明の実施の態様】
以下に本発明の実施の態様を説明する。酸化スカンジウムの焼成においては、極微量(5wtppm〜100wtppm)のAlが焼結助剤として大きな効果を発揮している。従来技術で述べた様に、焼結助剤を添加する手法は種々開示されているが、これらはほとんど全ての場合において、助剤が粒界に偏析して粒界の移動速度を減少させることにより、粒成長速度を制御し緻密化を行なっている。Alを極微量含有した場合の焼成による緻密化機構の詳細に関しては不明であるが、焼結体の平均粒径が1μm〜30μm程度の範囲においてのみ緻密化促進剤としての効果を発揮し、それ以上では偏析相を生成する。
【0020】
すなわち、焼成温度が1400℃未満の場合、Alの有無に関係なく、粒成長による緻密化が充分進行しないため、不透明若しくは半透明の焼結体しか得られない。通常この場合の平均粒径は1μm未満である。焼成温度が1400℃以上1800℃以下で、Si含有量やAl含有量及び成形体密度を適切に制御すると、使用原料の焼結性にもよるが、得られる焼結体の平均粒径は1〜30μmの範囲にあり、透光性に優れた焼結体が得られる。Al含有量が5wtppm以下の試料を同様に焼成した場合、その平均粒径はやはり1〜30μm程度であるが、得られる焼結体は半透明体若しくは不透明体である。
【0021】
Alが100wtppmを超えて含有する試料の場合には、それ以下の場合と比較して粒成長しており、その平均粒径は大きくなっている。しかしながら、得られる焼結体は Al含有量が5wtppm以下の場合と同様に、半透明体若しくは不透明体である。焼結助剤としてのAlの効果は、その量が5〜100wtppmの範囲においては緻密化促進剤として作用しており、その場合においてのみ良好な透明体が得られる。しかしながら、100wtppmを超える場合には主として粒成長促進剤として作用しており、気孔の排出が十分行なえないため、満足な透明体が得られない。
【0022】
1800℃以上の温度で焼成を行なった場合、Alの有無に関らず粒成長が著しく進行するため、気孔の排出が充分行われず、充分な透光性を有する焼結体を作製することは容易ではない。この場合の平均粒径は35μm以上である。1800℃以上の焼成温度においては、Alの含有量が100wtppm以下であっても、粒界にAlの偏析相が生じる。Alの析出は焼結体の平均粒径に依存しており、30μm以下の場合は如何なる焼成雰囲気においても析出は認められない。しかしながら、焼結体の平均粒径が30μmを超えると、粒界相にAlの偏析が生じ始め、平均粒径が40μm以上になるとその現象は顕著になる。
【0023】
従って、Alの含有量が5wtppm以上100wtppm以下の場合においてのみ、緻密化促進剤としての効果を発揮し、析出の生じない1400℃以上1800℃以下の温度範囲で、平均粒径が1μm以上30μm以下となる様に焼成された場合においてのみ、透光性に優れた焼結体を作製することが可能となる。
【0024】
但し、極微量のAlによる緻密化促進効果を充分発揮し透光性に優れた焼結体を作製するためには、原料中に含まれるSi量を厳密に管理する必要があり、その量を30wtppm以下とすると共に、更に成形体密度を58%以上とする必要がある。
【0025】
通常市販されている酸化スカンジウムとして99.9%以上の高純度酸化スカンジウム粉末中に含まれる不純物は、各元素毎に見ると数wtppm程度であり、多くても10wtppm程度に満たない。しかしながら、Siは30wtppm程度、多い場合には100wtppmに近い量含まれている場合がある。この理由は定かでないが、有機酸塩ないし無機酸塩として湿式法によりスカンジウム原料を精製した後、仮焼する際に使用する匣鉢が石英製のものであり、付着水が石英容器と僅かに反応するためと考えられる。また反応槽がガラスやグラスライニング製であったり、沈殿剤中にSiが含まれる場合があるためと考えられる。
【0026】
Siは、粒界に液相を生成し粒成長を促進するため、その量が多いと微量のAlによる緻密化促進効果を打ち消してしまう。そのため、使用する酸化スカンジウム原料粉末に含まれるSiは30wtppm以下とし、好ましくは5wtppm以下とする。高純度酸化スカンジウム原料中に含まれるSiは、その殆どが仮焼用匣鉢や反応容器から混入しており、例えばアルミナ製坩堝を使用することや、反応容器にポリテトラフルオロエチレンライニングを施すことによりSi量の低い原料を得ることは容易に可能である。
【0027】
成形体は、内部に大きな気泡や空隙を含まない均質で高密度のものにする必要がある。一般的な透光性セラミックスは、融点より100℃〜300℃程度低い温度で焼成され、その平均粒径は50μm程度若しくはそれ以上である。すなわち成形体内部の空孔を粒成長により排出するため、空孔の多い(成形体密度の低い)成形体を焼成する際には、著しく粒成長させることにより緻密体を作製している。これに対して、1800℃以下の比較的低温で焼成するとAlの析出も生じず、焼結体の平均粒径を30μm以下と比較的小さくできる。従って粒成長による気孔の排出効果を過度に期待せず、透光性に優れた焼結体を作製するためには、均質で高密度な成形体を作製し、焼成する必要がある。
【0028】
成形密度が58%未満の成形体内部には、パッキングが不充分なため大きな空孔が多数存在しており、このような成形体を1800℃以下の温度で充分緻密化させることは容易でない。この一方で、成形密度が58%以上の成形体は比較的その内部の空孔が少なく、低温でも充分緻密化させることは可能である。従って透光性に優れた焼結体を作製するためには、その成形密度を58%以上とする必要があり、好ましくは60%以上のものとする。
【0029】
適切な作製条件が選ばれれば十分な直線光透過率を有する焼結体が得られるが、希に500nm以下の光透過率が極端に低下したものとなることがある。これは、炉内の温度分布等により気孔の排出が充分に行われず、サブミクロン以下の小さな気孔が多数焼結体中に残存した為である。この様な焼結体は、熱間静水圧加圧(HIP)処理により良好な光透過スペクトルを有する焼結体とすることが出来る。加圧ガスは通常用いられるArガスで十分であり、処理温度は1000℃から1800℃が好ましい。1000℃よりも低いと処理効果がなく、1800℃よりも高いと粒成長が進行し、Alの偏析相が生じる。また処理圧力は49MPa以上、196MPa以下が好ましい。49MPa以下では処理効果がなく、196MPa以上ではいたずらに装置を大掛かりにするのみで、処理効果の向上はない。
【0030】
以下に焼結体の作製方法を説明する。焼結体の作製には、純度99.9%以上の高純度易焼結性原料粉末で、Si含有量が30wtppm以下のものを使用する。Fe等の遷移元素は焼結体の着色源となるため好ましくない。従って、出発原料は充分精製されたものを選択する必要がある。ただし、レーザー媒質やカラーフィルターなどの着色ガラス等の場合のように、意図的に添加する場合はこの限りでない。
【0031】
原料粉末の焼結性は、母塩に依存すると言われており、例えばイットリウムの場合であれば、一般的には(1)炭酸塩(2)水酸化物(3)蓚酸塩(4)アンモニウム硫酸塩(5)硫酸塩の順である(例えば、L.R.Furlong,L.P.Domingues,Bull.Am.Ceram. Soc,45,1051(1966))。しかしながら、これらの母塩の種類は特に限定されるものではなく、入手しやすいものを使用すれば良い。
【0032】
また使用する原料粉末の一次粒子径についても特に限定されるものではなく、成形、焼成プロセスに適合したものを選択すれば良い。すなわち、超微粉は焼結活性が高く比較的低温でよく緻密化するものの、ハンドリングが容易でないばかりか、凝集粒子が多く成形密度を高くすることが容易ではない。また粗粒の場合、パッキングは容易なものの焼結活性が低く、低温で緻密化させることは出来ない。従って、焼結性、パッキング性及びハンドリング性の観点から、使用原料の比表面積は3〜12m2/g程度が好ましく、4〜10m2/g程度のものがより好ましい。更には、凝集が少なく粒度分布の均一なものを使用するのが最も好ましい。
【0033】
次に前記酸化スカンジウム原料粉末を用いて、所望の形状の成形体を作製する。セラミックスの成形方法としては、押し出し成形、射出成形、プレス成形や鋳込み成形等が挙げられる。成形はいずれかの手法に限定されるものではなく、成形密度が58%以上となり不純物の混入が少ない手法により行なえば良い。またこの際、必要に応じて焼結助剤のAlを各種成形法に応じ均一に分散する様に添加する。例えば、プレス成形の場合であれば、顆粒作製用スラリー中に適量のAlを添加し、ボールミル等により充分混合した後にスプレードライヤ等により乾燥し、成形用顆粒とすれば良い。
【0034】
Alの添加時期に関しては、成形体中に均一に分散させることが可能であれば特に限定されるものではなく、例えば原料合成段階や仮焼段階で添加しても問題ない。極微量のAlでその効果を充分発揮させるには、原料中に混合させておくのが最も好ましい。
【0035】
またその添加形態については特に限定されるものではなく、例えば成形段階で混合するのであれば、アルミナゾルや水酸化アルミニウム粉末、あるいはγ-ないしα-Al2O3粉末等のアルミニウム化合物を適量添加すれば良い。また原料合成時に添加する場合には、塩化アルミニウムや水酸化アルミニウム等で添加すれば良い。添加剤の純度に関しては、その添加量が微量であるため特に限定されるものではないが、原料粉末同様、高純度なものを使用するのが好ましい。また粉末で添加する場合には、その大きさは原料粉末の一次粒子径と同程度、若しくはそれ以下のものを使用するのが好ましい。
【0036】
得られた成形体は、熱分解により脱バインダーする。この際の処理温度、時間、雰囲気は添加した成形助剤の種類により異なるが、試料の表面が閉空孔化してしまうと脱バインダーが困難となる。そのため表面の閉空孔化しない温度以下で充分時間をかけて行なう。この温度は、使用原料粉末の仮焼温度や焼結性、及び成形体のパッキングにもよるが、通常900℃〜1400℃程度であり、それ以下の温度で行なうのが好ましい。また雰囲気は酸素雰囲気が最も一般的であるが、必要に応じ加湿水素やAr、若しくは減圧下で行なっても問題ない。
【0037】
脱バインダー後に、試料を水素、希ガスあるいはこれらの混合雰囲気もしくは真空中で、1400℃以上1800℃以下の温度で焼成する。焼成雰囲気や試料の厚みにもよるが、通常1〜5mm程度の試料厚みであれば、0.5時間から10時間程度の焼成が好ましい。
【0038】
歩留り良く透光性の良好な焼結体を得るには、この雰囲気焼結の後に1000℃から1800℃の温度及び49MPaから196MPa圧力でHIP処理を行なう。この時間も、試料厚みによるが、1〜5mm程度のものであれば、一般的には0.1〜10時間とし、好ましくは0.1〜2時間とし、最も好ましくは0.5〜2時間とする。
【0039】
以上の操作により、波長500nmから5μmの領域に渡っての直線透過率が1mm厚みで77%以上と、透光性に優れた酸化スカンジウム焼結体が得られる。なお、酸化スカンジウム焼結体がカラーフィルターやレーザー媒質として利用される場合には、NdやYb等の附活剤が添加され特異吸収が生じる。この場合の直線光透過率が、特異吸収波長以外で測定されるものであることは、業界関係者には周知のことである。
【0040】
【実施例1】
純度99.9%以上Si5ppmの酸化スカンジウムを塩酸に溶解させ、濃度0.25M(mol・dm-3)の塩化スカンジウム水溶液を調製した。この溶液500mlをポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに入れ攪拌した。塩化スカンジウム水溶液に、濃度0.5M(mol・dm-3)の炭酸水素アンモニウム溶液を5ml/minの速さでpH8.0となるまで滴下し、攪拌を続けながら室温で10日間養生を行なった。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を数回繰り返した後、150℃の乾燥機に入れ2日間乾燥した。得られた前駆体粉末をアルミナ製坩堝に入れ、電気炉で仮焼(1250℃×3時間)することにより、平均一次粒子径0.35μmの酸化スカンジウム原料粉末を作製した。
【0041】
この原料粉末2gをアルミナ製乳鉢に入れ、原料に対してAl金属換算で45wtppm相当のアルミナゾル(日産化学製)を添加し、混合・粉砕した。この粉末をφ10mmの金型に挿入し、20MPaで一次成形を行なった後に、250MPaの圧力にてCIP成形を行なった。成形体中に含まれるAl量をICP発光分析法により測定した結果、48wtppmであった。またアルキメデス法により成形密度を測定した結果、61.2%であった。この成形体を、真空炉にて100℃/hrで1625℃ まで昇温し、2時間保持した後に200℃/hrで冷却した。焼結時の真空度は10-1Pa以下とした。得られた焼結体は、ダイヤモンドスラリーを用いて鏡面研磨を行ない、分光光度計にて直線透過率を測定した。その結果、波長500nm及び800nmにおける直線透過率(t=1mm)は、それぞれ77.9%,80.0%であった。実施例1の焼結体の直線透過率を図1に示す。
【0042】
この試料を大気中1500℃にて2時間サーマルエッチングを行ない、微構造を観察した結果、平均粒径は15.8μmであった。ここで平均粒径は、SEM等の高分解能画像上で任意に引いた線の長さをCとし、この線上の粒子数をN、倍率をMとして、平均粒径=1.56C/(MN) として求めた。また、アルキメデス法により焼結体密度を求めた結果、理論密度比99.97%であった。なおこの焼結体をオートクレーブにより溶解後、ICP発光分析法によりAl及びSi量を求めた結果、Al48wtppm,Si5wtppmであった。
【0043】
【実施例2−4及び比較例1−3】
実施例1と同様にして調製したSi量として10wtppmの原料粉末を用い、成形圧力を種々変更してCIP成形を行なう事により、成形密度の異なる成形体を作製した。これらの成形体を、実施例1と同様にして真空中1550℃で5時間焼成した。得られた焼結体の波長500nmでの直線透過率(t=1.0mm)を表1に示す。尚、焼結体中に含まれるAl量は全ての場合において、45〜55wtppmの範囲内にあった。
【0044】
比較例1では、緻密に焼結している部分と、焼結がほとんど進んでおらず大量に気孔が残留している部分とが任意に連なった構造となっており、平均的な組織及び光透過率の観察は不可能であった。成形密度の向上に伴い組織は次第に均一となっていき、これに伴い光透過率も向上している。表1の結果より、77%以上の透光性に優れた焼結体を得るためには、その成形密度が58%以上必要であることが判る。
【0045】
【表1】
Figure 0003883106
【0046】
【実施例5−8及び比較例4−8】
純度99.9%以上Si2wtppmで平均一次粒子径0.3μmの酸化スカンジウム原料粉末50gと、原料粉末に対してAl金属換算で35wtppm相当のアルミナ粉末(大明化学製TM-DAR 平均一次粒子径0.3μm,TM-DARは商品名)をナイロンポットに入れた。更にナイロンボールとエチルアルコール50gを添加し、50時間ボールミル混合を行なった。このスラリーを減圧下、55℃で乾燥し、得られた粉末をアルミナ製乳鉢で軽くほぐした後、実施例1と同様にしてCIP成形により成形密度62.9%の成形体を作製した。この成形体を、種々異なる焼成温度により2時間真空焼成を行なった。焼成温度、及び得られた焼結体の平均粒径と波長500nmでの直線透過率を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0003883106
【0048】
焼成温度が1300℃の場合(比較例4)、緻密な焼結体が得られず、透過率を測定することは不可能であった。この場合の焼結体密度は、理論密度比89.2%であった。1350℃から1380℃で焼成した場合(比較例5,6),焼結体密度は99%以上であり、透光感が見られるものの充分な透明体は得られなかった。走査型電子顕微鏡でその内部を観察した結果、1μm以下のポア(気孔)が多数観察された。焼成温度が1400℃以上1800℃以下の場合(実施例5-8)には、直線透過率が77%以上の透光性に優れた焼結体が得られた。なおこれらの試料の直線透過率は、波長500nmから5μmの範囲において77%以上と良好であった。またこの温度範囲においては、粒成長により緻密化が進行しているため、平均粒径と直線透過率は比例関係にあることが判る。焼成温度が1800℃を超える場合(比較例7,8)、急激に粒成長が進行し更にAlの析出が生じるため、焼成温度が高くなるにつれて直線透過率は低下する。
【0049】
【実施例9−11及び比較例9−14】
実施例1に基づき、Sc2O3原料粉末を作製した。原料粉末の仮焼には石英製匣鉢を用い、匣鉢中でのサンプリング位置を変えることにより、Si含有量の異なる原料粉末を得た。(但し、比較例9,10,14及び実施例9に使用した原料の仮焼には、高純度アルミナ製匣鉢を使用した。)得られた原料粉末を用い、実施例1と同様にして、Al含有量の異なる酸化スカンジウム焼結体を作製した。原料中に含まれるSi量、焼結体中に含まれるAl量と波長500nmでの直線透過率(試料厚み1mm)を表3に示す。尚、成形体密度は全ての場合において58%以上であった。
【0050】
【表3】
Figure 0003883106
【0051】
比較例9,10のように、焼結体中に含まれるAl量が少ない場合には、その効果が充分発揮されないため、Siの混入量が少ないにも関らず、透光性は高くない。比較例14のAl含有量が100wtppmを超える場合には、その平均粒径は53μmと実施例1の3倍以上であり、粒内ポアが多数認められた。この試料をEDX(エネルギー分散型X線分析)を装備したSEMにより観察した結果、粒界にAlの偏析相が確認された。また逆に比較例11-13より、原料中に含まれるSi量が30wtppmを超える場合には、充分な透光性が得られないことが判る。
【0052】
【実施例12−23及び比較例15,16】
実施例5と同様にして得られた焼結体(500nm及び400nmでの直線透過率77.2%,58.0%,平均粒径1.3μm)に、HIP処理を施し透過率の改善を図った。種々の温度、時間、圧力で行なった場合の、平均粒径と波長400,500nmでの直線透過率を表4に示す。HIP処理は、圧力媒体としてArガスを用いた同時昇温昇圧法により、800℃/hrで昇温し所定時間保持した後に、1000℃/hrで冷却した。
【0053】
【表4】
Figure 0003883106
【0054】
HIP処理前の焼結体は、波長500nmでの透過率は77%以上であるにも関らず、波長400nmでのそれは58%と著しく低下している。これは、サブミクロン以下の微細な気孔が焼結体内部に多数含まれているためである。実施例の結果から、HIP処理によりこの微細な気孔が押し潰され、特に400nmでの透過率が著しく改善されていることが判る。またHIP処理を行なっても処理圧力や温度が低い場合にはその効果が発揮されないことが判る。更にHIP温度が高すぎる場合には、雰囲気焼成の場合と同様、Alの析出や異常粒成長を生じるため、逆に透過率は低下してしまう。
【0055】
【実施例24−30及び比較例17,18】
実施例5と同様にして、成形密度63.3%,Si及びAlの含有量がそれぞれ5,58wtppmの酸化スカンジウム成形体を作製した。これらの成形体を、真空炉(真空度10-1Pa以下)にて所定の温度及び保持時間で焼成した。この際、昇温速度及び降温速度は、それぞれ400,600℃/hrとした。得られた焼結体の平均粒径と厚さ1mmでの直線透過率(測定波長500nm)を表5に示す。表5から明らかなように、焼成温度は1400〜1800℃が好ましく、焼成時間(最高温度での保持時間)は0.5時間以上で10時間以下が好ましい。
【0056】
【表5】
Figure 0003883106

【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例での直線透過率のスペクトルを示す特性図

Claims (4)

  1. Al含有量が5wtppm以上100wtppm以下で、波長500nmから5μmの領域に渡っての直線透過率が1mm厚みで77%以上の、酸化スカンジウム透光性焼結体。
  2. Si含有量が30wtppm以下で、平均粒径が1μm以上30μm以下である事を特徴とする、請求項1に記載の酸化スカンジウム透光性焼結体。
  3. Si含有量が30wtppm以下であり純度99.9%以上の高純度酸化スカンジウム原料粉末を用いて、成形密度が理論密度比58%以上で、Al含有量が5wtppm以上100wtppm以下の成形体を作製し、熱処理により脱バインダーした後に、非酸化性雰囲気中で、1400℃以上1800℃以下の温度で焼成することを特徴とする、透光性酸化スカンジウム焼結体の製造方法。
  4. 前記焼成後に、1000℃から1800℃の温度及び49MPaから196MPaの圧力で、熱間静水圧加圧処理を施すことを特徴とする、請求項3に記載の透光性酸化スカンジウム焼結体の製造方法。
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