JP2000239065A - 透光性を有する耐蝕性材料及びその製造方法 - Google Patents

透光性を有する耐蝕性材料及びその製造方法

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JP2000239065A
JP2000239065A JP3820499A JP3820499A JP2000239065A JP 2000239065 A JP2000239065 A JP 2000239065A JP 3820499 A JP3820499 A JP 3820499A JP 3820499 A JP3820499 A JP 3820499A JP 2000239065 A JP2000239065 A JP 2000239065A
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light
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plasma
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Yukio Kishi
幸男 岸
Hiromichi Otaki
浩通 大滝
Atsushi Suzuki
敦 鈴木
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Taiheiyo Cement Corp
NTK Ceratec Co Ltd
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Nihon Ceratec Co Ltd
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石英ガラスやサファイアより耐蝕性に優れた
透光性を有する材料を提供すること。 【解決手段】 98.5%以上の相対密度を有する多結
晶希土類元素酸化物から成る焼結体であり、その焼結体
の透光性が、可視〜赤外線領域の光線が厚さ5mmの材
料を透過する直線透過率で90%以上でかつその透過率
の低下が3%以下であり、その焼結体の耐蝕性が、プラ
ズマ照射による腐蝕速度で2.0nm/min以下とし
た透光性を有する耐蝕材料。その材料の製造方法におい
て、99%以上の純度を有し、かつ5μm以下の平均粒
径を有する希土類元素酸化物粉末を成形し、その成形体
を1400〜1800℃の温度で焼成した後、それをさ
らにホウ素化合物の存在下で1400〜2000℃の温
度で熱処理することとした製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性を有する耐
蝕性材料及びその製造方法に関し、特に耐プラズマ性に
優れた透光性を有する耐蝕性材料及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置においてフッ素系また
は塩素系のプラズマ雰囲気下で用いられる窓材として
は、透光性を有する石英ガラス、サファイアまたは石英
ガラス表面にサファイアコートしたものが用いられてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
材料には以下に示すような問題があった。それは、石英
ガラスでは、高純度な材料が得られること、構成元素の
金属がSiであるためプラズマに曝されるチャンバー内
がSi以外の金属に汚染されないことなどから多用され
ているが、プラズマによる腐蝕が著しいため、部材の消
失の恐れがあること、表面粗さが次第に著しく粗くなり
失透が進むことなどの問題があった。
【0004】また、サファイアでは、プラズマによる耐
蝕性に優れてものの、単結晶であるため、窓材の形状に
制約が大きくかつ高価であり、限定された用途にしか用
いられないという問題があった。また、プラズマによる
耐蝕性に優れているというものの、未だ充分でないた
め、長時間プラズマの照射を受けると、これも腐蝕が進
んで表面粗さが次第に粗くなり失透が進むという問題も
あった。
【0005】さらに、石英ガラス表面にサファイアコー
トしたものでは、下地が石英ガラスであるため、複雑形
状品が容易に作製でき、しかも低廉ではあるものの、表
面がサファイアであるため、長時間プラズマの照射を受
けると、前記と同様腐蝕が進んで表面粗さが次第に粗く
なり失透が進むという問題があった。そのため、石英ガ
ラスやサファイアより耐蝕性に優れた透光性を有する材
料が強く望まれていた。
【0006】本発明は、上述した透光性を有する材料が
有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、
石英ガラスやサファイアより耐蝕性に優れた透光性を有
する耐蝕性材料を提供し、その製造方法をも提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、希土類元素酸化物粉
末を焼結した焼結体を耐蝕性材料とすれば、石英ガラス
やサファイアより耐蝕性に優れた透光性を有する耐蝕性
材料になるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、(1)透光性を有する耐蝕
性材料において、該材料が、98.5%以上の相対密度
を有する多結晶希土類元素酸化物から成る焼結体であ
り、その焼結体の透光性が、可視〜赤外線領域の光線が
厚さ5mmの材料を透過する直線透過率で90%以上で
かつその透過率のプラズマ照射による低下が3%以下で
あり、その焼結体の耐蝕性が、プラズマ照射による腐蝕
速度で2.0nm/min以下であることを特徴とする
透光性を有する耐蝕性材料(請求項1)とし、また、
(2)前記焼結体を半導体装置におけるプラズマに曝さ
れる窓材に用いることを特徴とする請求項1記載の透光
性を有する耐蝕性材料(請求項2)とし、さらに、
(3)99%以上の純度を有し、かつ5μm以下の平均
粒径を有する希土類元素酸化物粉末を成形し、その成形
体を1400〜1800℃の温度で焼成した後、それを
さらにホウ素化合物の存在下で1400〜2000℃の
温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載の透光
性を有する耐蝕性材料の製造方法(請求項3)とするこ
とを要旨とする。以下さらに詳細に説明する。
【0009】上記で述べたように、透光性を有する耐蝕
性材料としては、98.5%以上の相対密度を有する多
結晶希土類元素酸化物から成る焼結体とし、その焼結体
の透光性を、可視〜赤外線領域の光線が厚さ5mmの材
料を透過する直線透過率で90%以上でかつその透過率
のプラズマ照射による低下が3%以下とし、その焼結体
の耐蝕性を、プラズマ照射による腐蝕速度で2.0nm
/min以下とする材料とした(請求項1)。
【0010】透光性を有する耐蝕性材料として、98.
5%以上の相対密度を有する多結晶希土類元素酸化物か
ら成る焼結体としたのは、この材料が石英ガラスやサフ
ァイアより透光性、耐蝕性とも極めてよいことによる。
そして、その透光性としては、可視〜赤外線領域の光線
が厚さ5mmの材料を透過する直線透過率で90%以上
が好ましく、90%より低いと石英ガラスと同等である
ものの、サファイアより大きく劣ることになる。また、
その透過率の低下としては、3%以下が好ましく、3%
より大きくなると失透が進み短時間で使えなくなる。さ
らに、その耐蝕性としては、プラズマによる腐蝕速度で
2.0nm/min以下が好ましく、2.0nm/mi
nより大きいと石英ガラスやサファイアと同じように長
時間プラズマの照射を受けると腐蝕が進んで表面粗さが
次第に粗くなり、透過率の低下が3%より大きくなって
失透が進む。
【0011】この材料の用途としては、半導体装置にお
けるプラズマに曝される窓材に用いる材料とした(請求
項2)。この材料は、透光性はサファイアと同等である
が、耐蝕性は石英ガラスやサファイアに比べて極めて優
れているので、その特性を生かした用途が考えられる
が、特に耐プラズマ性に優れているため、半導体装置に
おけるプラズマに曝される窓材に用いるのが最適であ
る。
【0012】その材料の製造方法としては、99%以上
の純度を有し、かつ5μm以下の平均粒径を有する希土
類元素酸化物粉末を成形し、その成形体を1400〜1
800℃の温度で焼成した後、それをさらにホウ素化合
物の存在下で1400〜2000℃の温度で熱処理する
方法とした(請求項2)。
【0013】原料である希土類元素酸化物粉末の純度と
しては、99%以上が好ましく、99%より低いと不純
物のため透光性が低下し、その粉末の細かさとしては、
平均粒径で5μm以下が好ましく、5μmより粗いと緻
密化し難く、相対密度が98.5%以上にし難い。ま
た、その粉末で成形した成形体の焼成温度としては、1
400〜1800℃が好ましく、1400℃より低いと
次工程の熱処理の効果が乏しく緻密化が不十分となり、
98.5%以上の相対密度を有する焼結体が得られず、
1800℃より高くても過焼成となって焼成体中の粒子
表面の活性が低下し、これも次工程の熱処理の効果が乏
しく緻密化が不十分となり、次工程で98.5%以上の
相対密度を有する焼結体が得られない。
【0014】さらに、その焼成した焼成物の熱処理とし
ては、先ずホウ素化合物の存在下で熱処理する必要があ
り、ホウ素化合物が存在しないと98.5%以上の相対
密度を有する焼結体が得られず、透光性が向上しない。
その加熱処理温度としては、1400〜2000℃が好
ましく、1400℃より低いと98.5%以上の相対密
度を有する焼結体が得られず、逆に2000℃より高い
と焼成物中の粒子の粒成長が著しくなり、98.5%以
上の相対密度を有する焼結体が得られない上に強度が大
きく低下する。
【0015】ホウ素化合物が存在すると密度が向上する
のは、恐らくB23が焼成物内部に拡散して焼結を促進
するものと思われる。なお、ホウ素化合物が非酸化物で
あっても加熱により酸素を含む雰囲気であれば酸化され
るし、酸素を含まない雰囲気であっても焼成物表面に存
在する酸素と結合してB23を生成する。ホウ素化合物
を炉内に導入する方法としては、ホウ素化合物をフレー
ク状または板状にして熱処理炉の炉内に収納する、ある
いは粉末を溶媒に懸濁し、それを炉内面に塗布する、も
しくは他で作られたホウ素化合物で満たされたガスを炉
内に導入する等その手段は問わない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法をさらに詳しく
述べると、先ず純度が99%以上で平均粒径が5μm以
下の酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物粉末を用
意する。これを冷間静水圧プレス(CIP)などの方法
で成形する。得られた成形体を1400〜1800℃の
温度で焼成する。雰囲気は大気中、真空中、不活性ガス
中、水素雰囲気中のいずれの雰囲気下でもよい。
【0017】得られた焼成物を一旦冷却し、これをさら
にホウ素化合物の存在下で1400〜2000℃の温度
で熱処理する。用いるホウ素化合物としては、ホウ素を
含んだ化合物であれば何でも構わず、例えばBN、Zr
2、B4C、B23、H3BO3、CaB6、NbB2、C
rB2、TaB2等種類は問わない。
【0018】以上述べた方法で透光性を有する耐蝕性材
料を作製すれば、石英ガラスやサファイアより耐蝕性に
優れた透光性を有する耐蝕性材料とすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0020】(実施例1〜30) (1)耐蝕性材料の作製 純度が99.9%以上で平均粒径が1.4μmの表1に
示す希土類元素酸化物粉末を用意し、これをCIP法で
成形した。得られた成形体を電気炉に収納し、大気中で
表1に示す温度で4時間焼成した。これを冷却して熱処
理炉に収納し、同時にホウ素化合物も収納して表1に示
す熱処理法で表1に示す温度で2時間熱処理してφ13
×4mmの焼結体(耐蝕性材料)を作製した。
【0021】(2)評価 得られた焼結体の嵩密度をアルキメデス法で求め、相対
密度を求めた。また、得られた焼結体の両面を3μmの
ダイアモンド砥粒で鏡面研磨し、それをRIE(リアク
ティブイオンエッチング)方式の平行平板型プラズマエ
ッチング装置でCF4とBCl3ガスのプラズマ照射(イ
オンエネルギー:300eV、照射時間:60min)
による腐蝕試験を行った。この腐蝕試験において、研磨
面の一部をポリイミドテープでマスクし、マスクしてな
い部分の材料の消失高さを測定し、その消失高さをプラ
ズマ照射時間で除することにより腐蝕速度を求め、さら
に腐蝕試験前後の表面粗さを表面粗さ測定装置で平均表
面粗さ(Ra)で測定した。そして、そのマスクしてな
い部分のプラズマ照射部と、マスクしてある部分のプラ
ズマ照射されていない部分の直線透過率を赤外分光分析
装置で測定した。これらの結果を表1に示す。
【0022】(比較例1〜24) (1)耐蝕性材料の作製 前記したと同様純度が99.9%以上で平均粒径が1.
4μmの希土類元素酸化物粉末を用意し、これをCIP
法で成形した。得られた成形体を電気炉に収納し、大気
中で表2に示す温度で4時間焼成した。これを冷却して
比較例1〜4、13〜16ではホウ素化合物が収納して
ある熱処理炉に収納し、そのほかはホウ素化合物を収納
していない熱処理炉に収納して表2に示す熱処理法で表
2に示す温度で2時間熱処理してφ13×4mmの焼結
体(耐蝕性材料)を作製した。
【0023】(2)評価 実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0024】(比較例25〜28)比較する材料を石英
ガラスとサファイアとし、それを実施例1と同様に評価
した。その結果も表2に示す。
【0025】表1から明らかなように、実施例全てが相
対密度が98.5%を超えており、しかもプラズマを照
射した後でも直線透過率が90%を超え、しかも透過率
の低下が3%以下にあった。さらにプラズマ照射による
腐蝕速度も極めて低い2.0nm/min以下にあり、
それがために表面粗さの低下も少なく、表2の材料より
はるかに優れた透光性と耐蝕性を有する材料となってい
る。なお、実施例では全てArガス雰囲気中にホウ素化
合物を収納したが、N2ガス雰囲気中または大気中にホ
ウ素化合物を収納した場合でも同等の結果が得られる。
【0026】これに対して、比較例1〜4、13〜16
では、ホウ素化合物の存在はあるものの、焼成温度、ま
たは熱処理温度が本発明の範囲内にないので、相対密度
が低く、透光性、腐蝕性とも大きく低下している。ま
た、比較例5〜12、17〜24では、ホウ素化合物の
存在がないので、いずれも透光性、耐蝕性とも大きく低
下している。
【0027】一方、石英ガラスである比較例25、26
では、透光性、耐蝕性とも極めて悪く、また、サファイ
アである比較例27、28では、透光性は極めて優れて
いるものの、プラズマ照射により透過率が大きく低下し
ている。また、耐蝕性についても透光性と同様大きく低
下している。このように、石英ガラスは勿論のこと、サ
ファイアに比べても本発明の材料が透光性、耐腐蝕性と
も極めて優れていると言える。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明にかかる透光性を有
する耐蝕性材料であれば、石英ガラスやサファイアに比
べ透光性、耐蝕性とも極めて優れた材料とすることがで
きるようになった。このことにより、特に耐プラズマ性
に優れているので、半導体製造装置の窓材等に好適に用
いることができる。 整理番号 TKS259 化学式等を記載した書面
【表1】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 敦 宮城県仙台市泉区明通三丁目5番 株式会 社日本セラテック本社工場内 Fターム(参考) 4G075 AA22 CA02 EA06 EB01 FB01 FB20 FC04 FC09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する耐触性材料において、該
    材料が、98.5%以上の相対密度を有する多結晶希土
    類元素酸化物から成る焼結体であり、その焼結体の透光
    性が、可視〜赤外線領域の光線が厚さ5mmの材料を透
    過する直線透過率で90%以上でかつその透過率のプラ
    ズマ照射による低下が3%以下であり、その焼結体の耐
    蝕性が、プラズマ照射による腐蝕速度で2.0nm/m
    in以下であることを特徴とする透光性を有する耐蝕性
    材料。
  2. 【請求項2】 前記焼結体を半導体装置におけるプラズ
    マに曝される窓材に用いることを特徴とする請求項1記
    載の透光性を有する耐蝕性材料。
  3. 【請求項3】 99%以上の純度を有し、かつ5μm以
    下の平均粒径を有する希土類元素酸化物粉末を成形し、
    その成形体を1400〜1800℃の温度で焼成した
    後、それをさらにホウ素化合物の存在下で1400〜2
    000℃の温度で熱処理することを特徴とする請求項1
    記載の透光性を有する耐蝕性材料の製造方法。
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