JPH06172024A - 透光性スピネル焼結体の製造方法 - Google Patents
透光性スピネル焼結体の製造方法Info
- Publication number
- JPH06172024A JPH06172024A JP4352372A JP35237292A JPH06172024A JP H06172024 A JPH06172024 A JP H06172024A JP 4352372 A JP4352372 A JP 4352372A JP 35237292 A JP35237292 A JP 35237292A JP H06172024 A JPH06172024 A JP H06172024A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spinel
- molding
- firing
- density
- sintered body
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 常圧焼成とHIP処理とを併用し、焼成助剤
無添加で効率よく安定的に高透光性スピネル焼結体を製
造する方法の提供。 【構成】 純度99%以上、比表面積(BET値)20
m2 /g以上のスピネル粉末を、成形密度0.8g/c
m3 以上、2.0g/cm3 未満の成形体に成形する成
形工程、該成形体を温度1500〜1800℃で焼成し
て相対密度95%以上の焼成体とする焼成工程、及び、
該焼成体をHIP処理して透光性スピネル焼結体とする
HIP処理工程からなることを特徴とする透光性スピネ
ル焼結体の製造方法。
無添加で効率よく安定的に高透光性スピネル焼結体を製
造する方法の提供。 【構成】 純度99%以上、比表面積(BET値)20
m2 /g以上のスピネル粉末を、成形密度0.8g/c
m3 以上、2.0g/cm3 未満の成形体に成形する成
形工程、該成形体を温度1500〜1800℃で焼成し
て相対密度95%以上の焼成体とする焼成工程、及び、
該焼成体をHIP処理して透光性スピネル焼結体とする
HIP処理工程からなることを特徴とする透光性スピネ
ル焼結体の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光線から赤外線ま
での範囲にある光線透過率に優れる透光性スピネル焼結
体の製造方法に関する。
での範囲にある光線透過率に優れる透光性スピネル焼結
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スピネル(アルミン酸マグネシウムMg
Al2 O4 )粉末を用いて得られるスピネル焼結体は透
光性を有し、各種透光性部材として用いられている。従
来、透光性スピネル焼結体を得る方法としては、主に
(1)常圧焼結法、(2)真空ホットプレス法、(3)
真空ホットプレス後,更にホットアイソスタチクプレス
(HIP)する方法、(4)常圧焼結後、更にHIPす
る方法が挙げられる。上記(1)及び(4)の方法の常
圧焼結では、空孔やクラックを防止するため、通常、各
種の焼結助剤が添加されている(特開昭59−1211
58号公報)が、得られる焼結体の組織が均質でなくな
り、光が散乱され透光性が悪化する等の不都合がある。
そのため、上記(4)の方法において、焼結助剤を添加
することなく、原料スピネル粉末、成形法、成形体性状
等、特に、比表面積を10m2/g以上の原料スピネル
粉末を用い、成形比重(密度)を2.0以上に成形する
ことにより、透光性のよいスピネル焼結体とする製造方
法も提案されている(特開平1−230464号公報及
び同1−230465号公報)。
Al2 O4 )粉末を用いて得られるスピネル焼結体は透
光性を有し、各種透光性部材として用いられている。従
来、透光性スピネル焼結体を得る方法としては、主に
(1)常圧焼結法、(2)真空ホットプレス法、(3)
真空ホットプレス後,更にホットアイソスタチクプレス
(HIP)する方法、(4)常圧焼結後、更にHIPす
る方法が挙げられる。上記(1)及び(4)の方法の常
圧焼結では、空孔やクラックを防止するため、通常、各
種の焼結助剤が添加されている(特開昭59−1211
58号公報)が、得られる焼結体の組織が均質でなくな
り、光が散乱され透光性が悪化する等の不都合がある。
そのため、上記(4)の方法において、焼結助剤を添加
することなく、原料スピネル粉末、成形法、成形体性状
等、特に、比表面積を10m2/g以上の原料スピネル
粉末を用い、成形比重(密度)を2.0以上に成形する
ことにより、透光性のよいスピネル焼結体とする製造方
法も提案されている(特開平1−230464号公報及
び同1−230465号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記焼結助剤
無添加で常圧焼結とHIP処理を併用する方法で提案さ
れる10m2 /g以上の比表面積の大きなスピネル粉
末、即ち、サブミクロンオーダーの超微細スピネル粉末
では、粒子径が微細になればなるほど焼結性がよくなる
が、成形における成形密度は、ある範囲内では原料粉末
の比表面積の増大に伴い上昇するものの、その高密度化
には限界がある。その限界を超えて成形密度を高めるた
めに、例えば、20m2 /g以上の比表面積を有するス
ピネル粉末を用い、成形圧を高めて成形密度を2.0g
/cm3 以上の高密度に形成しても、焼成して得られる
焼結体内にはラミネーションやクラックが発生し、かえ
って透光性を低下させることになる。本発明は、上記問
題点を知見した結果、焼結助剤無添加で常圧焼結とHI
P処理を併用する方法において、高透光性スピネル焼結
体を、確実に、且つ、再現性よく、効率的に得ることが
できる実用性に富む透光性スピネル焼結体の製造方法を
提供することを目的とする。
無添加で常圧焼結とHIP処理を併用する方法で提案さ
れる10m2 /g以上の比表面積の大きなスピネル粉
末、即ち、サブミクロンオーダーの超微細スピネル粉末
では、粒子径が微細になればなるほど焼結性がよくなる
が、成形における成形密度は、ある範囲内では原料粉末
の比表面積の増大に伴い上昇するものの、その高密度化
には限界がある。その限界を超えて成形密度を高めるた
めに、例えば、20m2 /g以上の比表面積を有するス
ピネル粉末を用い、成形圧を高めて成形密度を2.0g
/cm3 以上の高密度に形成しても、焼成して得られる
焼結体内にはラミネーションやクラックが発生し、かえ
って透光性を低下させることになる。本発明は、上記問
題点を知見した結果、焼結助剤無添加で常圧焼結とHI
P処理を併用する方法において、高透光性スピネル焼結
体を、確実に、且つ、再現性よく、効率的に得ることが
できる実用性に富む透光性スピネル焼結体の製造方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、純度9
9%以上、比表面積(BET値)20m2 /g以上のス
ピネル粉末を、成形密度0.8g/cm3 以上、2.0
g/cm3 未満の成形体に成形する成形工程、該成形体
を温度1500〜1800℃で焼成して相対密度95%
以上の焼成体とする焼成工程、及び、該焼成体をHIP
処理して透光性スピネル焼結体とするHIP処理工程か
らなることを特徴とする透光性スピネル焼結体の製造方
法が提供される。
9%以上、比表面積(BET値)20m2 /g以上のス
ピネル粉末を、成形密度0.8g/cm3 以上、2.0
g/cm3 未満の成形体に成形する成形工程、該成形体
を温度1500〜1800℃で焼成して相対密度95%
以上の焼成体とする焼成工程、及び、該焼成体をHIP
処理して透光性スピネル焼結体とするHIP処理工程か
らなることを特徴とする透光性スピネル焼結体の製造方
法が提供される。
【0005】
【作用】本発明は上記のように構成され、比表面積(B
ET値)20m2 /g以上の超微細の原料スピネル粉末
を用いて、成形密度を0.8g/cm3 以上、2.0g
/cm3 未満に制御して成形することにより、得られる
スピネル焼結体は、空孔やクラックを有することなく、
極めて透光性に優れるものとなる。また、20m2 /g
以上の比表面積を有するスピネル粉末は、高活性であ
り、高焼結性が得られるため、常圧の焼成工程における
雰囲気は、特に制限をされることがなく、大気、酸素ガ
ス等の酸素含有ガス雰囲気やアルゴン等の不活性ガス雰
囲気で焼成することができる。そのため、水素ガスや真
空等の雰囲気焼成とは異なり、特に、複雑な焼成炉を用
いる必要がない。
ET値)20m2 /g以上の超微細の原料スピネル粉末
を用いて、成形密度を0.8g/cm3 以上、2.0g
/cm3 未満に制御して成形することにより、得られる
スピネル焼結体は、空孔やクラックを有することなく、
極めて透光性に優れるものとなる。また、20m2 /g
以上の比表面積を有するスピネル粉末は、高活性であ
り、高焼結性が得られるため、常圧の焼成工程における
雰囲気は、特に制限をされることがなく、大気、酸素ガ
ス等の酸素含有ガス雰囲気やアルゴン等の不活性ガス雰
囲気で焼成することができる。そのため、水素ガスや真
空等の雰囲気焼成とは異なり、特に、複雑な焼成炉を用
いる必要がない。
【0006】本発明の原料スピネル粉末としては、純度
99%以上、好ましくは99.5%以上であって、BE
T値で比表面積が20m2 /g以上、通常、20〜30
m2/gの微細粉末を用いる。純度は、高ければ高いほ
どよい。純度が99%より低い場合は、不純物が多く焼
結体の透光性が低下するためである。特に、マグネシウ
ムミョウバン等の硫酸化合物を熱分解して製造したスピ
ネル粉末の場合は、粉末中の硫黄分を100ppm以下
にして、透光性を更に高めることができる。原料スピネ
ル粉末の比表面積が20m2 /g未満であると、本発明
の成形密度0.8g/cm3 以上、2.0g/cm3 未
満の範囲に成形しても、目的の高透光性焼結体を得るこ
とができない。また、残留硫黄酸化物除去のための加熱
処理時に成長したスピネル粒子は、粉砕により平均粒径
を1μm未満のサブミクロンとすることができる。
99%以上、好ましくは99.5%以上であって、BE
T値で比表面積が20m2 /g以上、通常、20〜30
m2/gの微細粉末を用いる。純度は、高ければ高いほ
どよい。純度が99%より低い場合は、不純物が多く焼
結体の透光性が低下するためである。特に、マグネシウ
ムミョウバン等の硫酸化合物を熱分解して製造したスピ
ネル粉末の場合は、粉末中の硫黄分を100ppm以下
にして、透光性を更に高めることができる。原料スピネ
ル粉末の比表面積が20m2 /g未満であると、本発明
の成形密度0.8g/cm3 以上、2.0g/cm3 未
満の範囲に成形しても、目的の高透光性焼結体を得るこ
とができない。また、残留硫黄酸化物除去のための加熱
処理時に成長したスピネル粒子は、粉砕により平均粒径
を1μm未満のサブミクロンとすることができる。
【0007】本発明の成形工程において、上記原料スピ
ネル粉末を、成形密度0.8g/cm3 以上、2.0g
/cm3 未満に成形する。成形方法は、静水圧成形、金
型成形等の加圧成形法、スリップキャスト法等の公知の
成形方法を適宜選択して用いることができ、通常、金型
加圧成形が用いられる。成形密度が0.8g/cm3 未
満であると、焼成工程での焼成体の相対密度が95%よ
り低く、HIP処理して得られる焼結体の透光性が低下
する。また、焼成工程で収縮率が大きくなり、焼成体に
亀裂が発生する等の不都合が生じるため好ましくない。
一方、本発明の20m2 /g以上の比表面積を有するス
ピネル粉末を、成形密度2.0g/cm3 以上に成形す
ることは極めて困難であり、強いて2.0g/cm3 以
上の成形密度に成形した場合は、成形体内に粉末ブリッ
ジや、成形圧に対するスプリングバックによるラミネー
ションやクラックが発生し、焼成して得られる焼成体の
微細構造が不均一となり均質でなくなる。そのため、H
IP処理して得られる焼結体の透光性が悪化し、好まし
くない。
ネル粉末を、成形密度0.8g/cm3 以上、2.0g
/cm3 未満に成形する。成形方法は、静水圧成形、金
型成形等の加圧成形法、スリップキャスト法等の公知の
成形方法を適宜選択して用いることができ、通常、金型
加圧成形が用いられる。成形密度が0.8g/cm3 未
満であると、焼成工程での焼成体の相対密度が95%よ
り低く、HIP処理して得られる焼結体の透光性が低下
する。また、焼成工程で収縮率が大きくなり、焼成体に
亀裂が発生する等の不都合が生じるため好ましくない。
一方、本発明の20m2 /g以上の比表面積を有するス
ピネル粉末を、成形密度2.0g/cm3 以上に成形す
ることは極めて困難であり、強いて2.0g/cm3 以
上の成形密度に成形した場合は、成形体内に粉末ブリッ
ジや、成形圧に対するスプリングバックによるラミネー
ションやクラックが発生し、焼成して得られる焼成体の
微細構造が不均一となり均質でなくなる。そのため、H
IP処理して得られる焼結体の透光性が悪化し、好まし
くない。
【0008】本発明の焼成工程においては、上記成形工
程で得られた成形密度0.8g/cm3 以上、2.0g
/cm3 未満の成形体を、1500〜1800℃で、得
られる焼成体の相対密度が95%以上になるまで、通
常、1〜24時間、常圧で焼成する。相対密度が95%
未満であると、焼成体に開気孔が形成存在し、後のHI
P処理工程での高密度化が達成されず、高透光性が得ら
れない。焼成雰囲気は、特に制限されるものでなく、大
気、酸素ガス等酸素含有ガス、水素ガス等の還元ガス、
アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスまたは真空中のいず
れでも行うことができる。特に、本発明においては、従
来の常圧焼成では、緻密化阻害のため回避されていた大
気等の酸素含有ガス雰囲気中での焼成ができる。従来法
の殆どの常圧焼成で採用されている真空や還元ガス雰囲
気下で焼成する場合は、焼成炉を密閉式構造としなけれ
ばならないため設備費が嵩むことや、また、バッチ式焼
成を余儀無くされた等の問題もあったが、本発明では条
件に応じ焼成雰囲気を適宜選択し、連続的操作もするこ
とができ、工業上有益である。
程で得られた成形密度0.8g/cm3 以上、2.0g
/cm3 未満の成形体を、1500〜1800℃で、得
られる焼成体の相対密度が95%以上になるまで、通
常、1〜24時間、常圧で焼成する。相対密度が95%
未満であると、焼成体に開気孔が形成存在し、後のHI
P処理工程での高密度化が達成されず、高透光性が得ら
れない。焼成雰囲気は、特に制限されるものでなく、大
気、酸素ガス等酸素含有ガス、水素ガス等の還元ガス、
アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスまたは真空中のいず
れでも行うことができる。特に、本発明においては、従
来の常圧焼成では、緻密化阻害のため回避されていた大
気等の酸素含有ガス雰囲気中での焼成ができる。従来法
の殆どの常圧焼成で採用されている真空や還元ガス雰囲
気下で焼成する場合は、焼成炉を密閉式構造としなけれ
ばならないため設備費が嵩むことや、また、バッチ式焼
成を余儀無くされた等の問題もあったが、本発明では条
件に応じ焼成雰囲気を適宜選択し、連続的操作もするこ
とができ、工業上有益である。
【0009】本発明のHIP処理工程は、公知のHIP
処理を適宜適用することができる。例えば、アルゴン、
ヘリウム、窒素ガス等の不活性ガスを用い、焼成工程か
らの焼成体を、例えば、200〜500kg/cm2 の
圧力、1300〜1800℃で、0.5〜10時間処理
して、透光性スピネル焼結体を得ることができる。
処理を適宜適用することができる。例えば、アルゴン、
ヘリウム、窒素ガス等の不活性ガスを用い、焼成工程か
らの焼成体を、例えば、200〜500kg/cm2 の
圧力、1300〜1800℃で、0.5〜10時間処理
して、透光性スピネル焼結体を得ることができる。
【0010】本発明は、純度99%以上、比表面積(B
ET値)20m2 /g以上の原料スピネル粉末を、上記
成形工程、焼成工程、HIP処理工程からなる一連の工
程で処理することにより、光直線透過率が約80%以上
の高透光性のスピネル焼結体を得ることができる。
ET値)20m2 /g以上の原料スピネル粉末を、上記
成形工程、焼成工程、HIP処理工程からなる一連の工
程で処理することにより、光直線透過率が約80%以上
の高透光性のスピネル焼結体を得ることができる。
【0011】
【実施例】本発明について実施例に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 比表面積(BET値)29m2 /gの微細スピネル粉末
を、平板形状の金型を用い100kg/cm2 で金型成
形した後、更に冷間静圧(CIP)処理して、成形密度
1.5g/cm3 の厚さ3mmの平板成形体を得た。次
いで、得られた成形体を、スピネル粉末を充填したスピ
ネル詰粉内に埋め込み、大気中、1650℃で6時間焼
成した。得られた焼成体の密度は、3.47g/cm3
であって、相対密度97%であった。上記の焼成体を、
アルゴンガスの1t/cm2 圧で、3時間HIP処理
し、透光性スピネル焼結体を得た。得られた焼結体の光
直線透過率を、通常の方法で測定したところ、透過率8
0%であった。上記の結果を表1に示した。
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 比表面積(BET値)29m2 /gの微細スピネル粉末
を、平板形状の金型を用い100kg/cm2 で金型成
形した後、更に冷間静圧(CIP)処理して、成形密度
1.5g/cm3 の厚さ3mmの平板成形体を得た。次
いで、得られた成形体を、スピネル粉末を充填したスピ
ネル詰粉内に埋め込み、大気中、1650℃で6時間焼
成した。得られた焼成体の密度は、3.47g/cm3
であって、相対密度97%であった。上記の焼成体を、
アルゴンガスの1t/cm2 圧で、3時間HIP処理
し、透光性スピネル焼結体を得た。得られた焼結体の光
直線透過率を、通常の方法で測定したところ、透過率8
0%であった。上記の結果を表1に示した。
【0012】実施例2〜6 金型成形とCIP処理の圧力を変化させて、表1に示し
たような成形密度の成形体を得て、表1に示した焼成雰
囲気とした以外は、実施例1と同様にして透光性スピネ
ル焼結体を得た。得られた各焼結体の光直線透過率を、
実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。
たような成形密度の成形体を得て、表1に示した焼成雰
囲気とした以外は、実施例1と同様にして透光性スピネ
ル焼結体を得た。得られた各焼結体の光直線透過率を、
実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示した。
【0013】
【表1】
【0014】比較例1〜4 金型成形とCIP処理の圧力を変化させて、表2に示し
たような成形密度の成形体を得て、表2に示した焼成雰
囲気とした以外は、実施例1と同様にして透光性スピネ
ル焼結体を得た。得られた各焼結体の光直線透過率を、
実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示した。
たような成形密度の成形体を得て、表2に示した焼成雰
囲気とした以外は、実施例1と同様にして透光性スピネ
ル焼結体を得た。得られた各焼結体の光直線透過率を、
実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示した。
【0015】
【表2】
【0016】比較例5 比表面積(BET値)17m2 /gの微細スピネル粉末
を、実施例1と同様に金型成形した後、更にCIP処理
して、成形密度1.8g/cm3 の厚さ3mmの平板成
形体を得た。得られた成形体を、実施例1と同様にして
密度3.47g/cm3 、相対密度97%の焼成体を得
た。得られた焼成体を、実施例1と同様に処理して透光
性スピネル焼結体を得た。得られた焼結体の光直線透過
率は、透過率40%であった。上記の結果を表2に示し
た。
を、実施例1と同様に金型成形した後、更にCIP処理
して、成形密度1.8g/cm3 の厚さ3mmの平板成
形体を得た。得られた成形体を、実施例1と同様にして
密度3.47g/cm3 、相対密度97%の焼成体を得
た。得られた焼成体を、実施例1と同様に処理して透光
性スピネル焼結体を得た。得られた焼結体の光直線透過
率は、透過率40%であった。上記の結果を表2に示し
た。
【0017】実施例6〜8 金型成形とCIP処理の圧力を変化させて、表2に示し
たような成形密度の成形体を得て、表2に示した焼成雰
囲気とした以外は、比較例5と同様にして透光性スピネ
ル焼結体を得た。得られた各焼結体の光直線透過率を、
実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示した。
たような成形密度の成形体を得て、表2に示した焼成雰
囲気とした以外は、比較例5と同様にして透光性スピネ
ル焼結体を得た。得られた各焼結体の光直線透過率を、
実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示した。
【0018】上記の実施例及び比較例より明らかなよう
に、成形密度が0.8g/cm2 未満の成形体では、焼
成して得られる焼成体の相対密度が95%に至らず、一
部に亀裂が発生し、HIP処理することができない。一
方、成形密度が2.0g/cm2 以上の成形体では、焼
成して得られる焼成体の相対密度は95%以上となる
が、HIP処理して得られた焼結体の光直線透過率が低
くなることが分かる。また、これらの透過率の低い焼結
体の微細組織構造を、光学顕微鏡により観察した結果、
成形時に発生したラミネーションやクラックが焼結体中
に残存していることが、透光性悪化の原因であることが
分かった。また、比表面積が20m2 /gより小さい粗
いスピネル粉末を使用した場合は、成形密度を2.0g
/cm2 より小さく成形しても焼成体中に白濁を生じ透
光性が悪化する。
に、成形密度が0.8g/cm2 未満の成形体では、焼
成して得られる焼成体の相対密度が95%に至らず、一
部に亀裂が発生し、HIP処理することができない。一
方、成形密度が2.0g/cm2 以上の成形体では、焼
成して得られる焼成体の相対密度は95%以上となる
が、HIP処理して得られた焼結体の光直線透過率が低
くなることが分かる。また、これらの透過率の低い焼結
体の微細組織構造を、光学顕微鏡により観察した結果、
成形時に発生したラミネーションやクラックが焼結体中
に残存していることが、透光性悪化の原因であることが
分かった。また、比表面積が20m2 /gより小さい粗
いスピネル粉末を使用した場合は、成形密度を2.0g
/cm2 より小さく成形しても焼成体中に白濁を生じ透
光性が悪化する。
【0019】
【発明の効果】本発明は、高純度、高比表面積のスピネ
ル微細粉末を用い、成形密度を2.0g/cm2 未満と
することにより、成形時に生じ易い欠陥を発生させるこ
となく、透過率の高い高透光性のスピネル焼結体を得る
ことができる。また、成形体の焼成処理の雰囲気が特に
制限されず、大気中でも焼成体に欠陥を導入することが
なく、簡便な焼成炉で焼成が可能であるため、連続的操
作もできる。
ル微細粉末を用い、成形密度を2.0g/cm2 未満と
することにより、成形時に生じ易い欠陥を発生させるこ
となく、透過率の高い高透光性のスピネル焼結体を得る
ことができる。また、成形体の焼成処理の雰囲気が特に
制限されず、大気中でも焼成体に欠陥を導入することが
なく、簡便な焼成炉で焼成が可能であるため、連続的操
作もできる。
Claims (1)
- 【請求項1】 純度99%以上、比表面積(BET値)
20m2 /g以上のスピネル粉末を、成形密度0.8g
/cm3 以上、2.0g/cm3 未満の成形体に成形す
る成形工程、該成形体を温度1500〜1800℃で焼
成して相対密度95%以上の焼成体とする焼成工程、及
び、該焼成体をHIP処理して透光性スピネル焼結体と
するHIP処理工程からなることを特徴とする透光性ス
ピネル焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4352372A JPH06172024A (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 透光性スピネル焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4352372A JPH06172024A (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 透光性スピネル焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172024A true JPH06172024A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18423619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4352372A Pending JPH06172024A (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 透光性スピネル焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172024A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008081377A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 透光性セラミックス |
EP2112127A1 (en) * | 2007-01-23 | 2009-10-28 | World Lab. Co., Ltd. | Transparent spinal ceramics, method for production thereof, and optical material using the transparent spinal ceramics |
JP2017526609A (ja) * | 2014-07-01 | 2017-09-14 | コーニング インコーポレイテッド | 透明スピネル物品及びそれを作製するためのテープ成形方法 |
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1992
- 1992-12-11 JP JP4352372A patent/JPH06172024A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008081377A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 透光性セラミックス |
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EP2112127A4 (en) * | 2007-01-23 | 2011-03-09 | World Lab Co Ltd | TRANSPARENT SPINELL CERAMICS, MANUFACTURING METHOD AND OPTICAL MATERIAL USING THE TRANSPARENT SPINELL CERAMICS |
JP2017526609A (ja) * | 2014-07-01 | 2017-09-14 | コーニング インコーポレイテッド | 透明スピネル物品及びそれを作製するためのテープ成形方法 |
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