JPH0782025A - 透光性イットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体およびその製造方法 - Google Patents

透光性イットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体およびその製造方法

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JPH0782025A
JPH0782025A JP6061032A JP6103294A JPH0782025A JP H0782025 A JPH0782025 A JP H0782025A JP 6061032 A JP6061032 A JP 6061032A JP 6103294 A JP6103294 A JP 6103294A JP H0782025 A JPH0782025 A JP H0782025A
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yag
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aluminum
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JP6061032A
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Toshikazu Kishino
敏和 岸野
Shunichi Murakawa
俊一 村川
Kunihide Yomo
邦英 四方
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】YAG多結晶体からなり、粒径が20μm以下
のYAG結晶粒子を全量中60%以上含有するととも
に、厚み1mmの可視光の直線透過率が70%以上の透
光性を有する焼結体であり、純度がそれぞれ99.8%
以上のAl2 3 粉末とY2 3 粉末の混合粉末を仮焼
し、これを粉砕して原料粉末とし、この原料粉末を所定
形状に成形した後、成形体をYAG焼結体もしくはY2
3 からなる匣鉢内に収容したり、成形体をYAG粉末
中やY2 3 粉末中に埋設し、真空もしくは還元性雰囲
気において、1600〜1900℃の温度で焼成する。 【効果】焼結体の黒ずみ等を防止できるとともに、機械
的強度や硬度を向上することができ、良好な透光性焼結
体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透光性に優れた透光性
イットリウム−アルミニウム−ガーネット(以下、YA
Gという)焼結体およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、YAG(Y3 Al5 12) は結晶型
が立方晶であるため、粒界散乱が起こりにくく透明体と
して良好であるため、各種の製法により透光性焼結体を
得る試みがなされている。
【0003】このようなYAGは、単結晶により作成す
る方法、Al2 3 粉末とY2 3粉末をHIP処理や
ホットプレス焼成する方法、イットリウムイオンとアル
ミニウムイオンの尿素沈澱法等により製造されている
(例えば、特公昭54−8369号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、単結
晶合成では高価であり、任意の形状に製作することが困
難であるという問題があった。また、HIP処理による
場合には装置が大きくなり、生産性が良くないという問
題があった。
【0005】さらに、焼成はカーボン炉,モリブデン
炉,タングステン炉等を使用し、それぞれカーボン製匣
鉢,モリブデン製匣鉢,タングステン製匣鉢内に成形体
を収容して行われるが、カーボン,モリブデン,タング
ステンの影響でYAG焼結体が黒ずんでしまうという問
題があった。また、これらの影響で異常粒成長が生じ、
これにより硬度が低下するという問題があった。
【0006】また、尿素沈澱法では、アンモニア蒸気の
処理が必要であり、環境に悪影響を与える虞があった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、このよ
うな問題点に対して充分に検討を行った結果、Al2
3 粉末とY2 3 粉末の仮焼粉末を成形し、この成形体
をYAG製やY2 3 製の匣鉢内に収容するか、YAG
粉末やY2 3 粉末中に埋設して焼成することにより、
YAG焼結体の黒ずみを防止できるとともに、機械的強
度や硬度を向上することができ、良好な透光性焼結体を
容易に得ることができることを見出し、本発明に至っ
た。
【0008】また、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の仮
焼粉末からなる原料粉末の平均粒径およびBET比表面
積を所定の範囲とすることにより、仮焼原料粉末の活性
度を向上することができ、ボイドの排出を促進し、透光
性を向上することができることを見出し、本発明に至っ
た。
【0009】即ち、本発明の透光性YAG焼結体は、Y
AG多結晶体からなり、粒径が20μm以下のYAG結
晶粒子を全量中60%以上含有するとともに、厚み1m
mの可視光の直線透過率が70%以上の透光性を有する
ものである。
【0010】また、本発明の透光性YAG焼結体の製造
方法は、Al2 3 粉末とY2 3粉末の混合粉末を仮
焼し、これを粉砕して原料粉末とし、この原料粉末を所
定形状に成形した後、この成形体をYAG焼結体もしく
はY2 3 からなる匣鉢内に収容して、真空もしくは還
元性雰囲気において焼成する方法である。また、Al2
3 粉末とY2 3 粉末の混合粉末を仮焼し、これを粉
砕して原料粉末とし、この原料粉末を所定形状に成形し
た後、この成形体をYAG粉末中あるいはY23 粉末
中に埋設し、真空もしくは還元性雰囲気で焼成する方法
である。
【0011】さらに、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の
混合粉末を仮焼し、これを粉砕して原料粉末とし、この
原料粉末を所定形状に成形した後、焼成する透光性イッ
トリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体の製造方法
であって、前記原料粉末の平均粒径を1.5μm以下と
するとともに、BET比表面積を2.0m2 /g以上と
する方法である。
【0012】本発明の焼結体において、粒径が20μm
以下のYAG結晶粒子を全量中60%以上含有させたの
は、粒径が20μm以下という小さなYAG結晶粒子を
多量に含有させることにより、機械的強度および硬度を
向上するためである。即ち、従来、透光性セラミックス
はその粒径が大きいほど透光性が向上することが知られ
ていたが、粒径が大きくなればなるほどその機械的強度
や硬度は低下し、製品として適用した場合に不適となる
場合があった。従って、粒径が20μm以下のYAG結
晶粒子が全量中60%よりも少ないと、焼結体の強度や
硬度が低くなり、例えば、本発明を時計用窓材,ランプ
用透明体や他の装飾品等に用いた場合破損し易くなるか
らである。特に、粒径が20μm以下のYAG結晶粒子
を全量中80%以上含有させることが好ましく、10μ
m以下のYAG結晶粒子を全量中10%以上含有させる
ことが最適である。
【0013】また、本発明の製造方法によれば、純度が
それぞれ99.8%以上のAl2 3 粉末とY2 3
末を使用することが望ましいが、これは純度が99.8
%よりも低いと焼結体中に不純物が存在し、その透光性
が低下するからである。
【0014】また、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の混
合粉体は1000〜1600℃で仮焼することが望まし
いが、これは仮焼によりある程度(10〜50%程度)
のYAG化を生じさせ、YAGの異常粒成長を抑制し、
活性化を保持するためである。よって、仮焼温度が10
00℃よりも低いとYAG化が生じ難く、1600℃よ
りも高いと活性化が低下し、緻密な焼結体を作成するこ
とができず、或いは、粉砕に長時間を要するようになる
からである。そして、仮焼により、Al2 3粉末とY
2 3 粉末の混合粉末からYAMへ、YAMからYAG
へ結晶が変化するが、仮焼することにより、YAMから
YAGへ変化する際の体積膨張を生じさせ、成形後の焼
成では体積膨張を生じさせずに焼結させ、これにより、
焼結体中のボイドや欠陥の発生を抑制し、均一な焼結体
を作成するためである。
【0015】また、成形体をYAG焼結体もしくはY2
3 からなる匣鉢内に収容して焼成したり、成形体をY
AG粉末中あるいはY2 3 粉末中に埋設して焼成した
のは、従来の焼成炉の材料であるカーボン,モリブデ
ン,タングステンの影響をなくすとともに、成形体の粒
成長を均一に生じさせ、粒径が小さく、かつ、粒径が均
一な焼結体を得るためである。尚、YAG粉末中あるい
はY2 3 粉末中に埋設して焼成する場合には、カーボ
ン,モリブデン,タングステンからなる匣鉢内に収容し
て焼成しても良い。このように成形体をYAG焼結体ま
たはY2 3 からなる匣鉢内に収容して焼成したり、Y
AG粉末中あるいはY2 3 粉末中に埋設して焼成する
ことにより、粒径が20μm以下のYAG結晶粒子を6
0%以上存在させることが可能となる。
【0016】さらに、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の
混合粉末を仮焼し、これを粉砕した原料粉末の平均粒径
を1.5μm以下とするとともに、BET比表面積を
2.0m2 /g以上としたのは、平均粒径(D50)が
1.5μmよりも大きい場合や、BET比表面積が2.
0m2 /gよりも小さい場合には、仮焼原料粉末の活性
度を向上することができず、焼結体内にボイドが残留し
易く、透光性が低下するからである。仮焼原料粉末の平
均粒径は0.7〜1.3μmが望ましく、BET比表面
積は2.3m2 /g以上が望ましい。
【0017】また、1600〜1900℃の温度で焼成
することが望ましいが、これは1600℃よりも低い温
度で焼成すると、焼結が不十分であり緻密化せず透光性
が低下するからであり、1900℃よりも高い温度で焼
成すると、異常粒成長が生じ、ボイドを粒内に取り込ん
でしまい透光性が低下するからである、また、YAGの
蒸発が生じ均質な焼結体を作成することができなくなる
からである。
【0018】さらに、還元性雰囲気中で焼成するのは、
大気中に比べH2 やN2 は拡散が速いため、焼結体の緻
密化を容易に達成することができるからである。真空焼
成も同様な理由で良好である。
【0019】本発明のYAG焼結体は、例えば、それぞ
れ純度が99.8%以上、BET比表面積5m2 /g以
上のAl2 3 粉末とY2 3 粉末を、Al2 3 :Y
2 3 が重量比で0.43:0.57となるように調製
し、混合した後、1000〜1600℃で0.5時間以
上、好ましくは2時間程度仮焼する。仮焼は、完全にY
AG化する前の段階、即ち、YAMやYAGが混在した
状態まで反応させる。前記のAl2 3 粉末,Y2 3
粉末の粒径は、YAGの異常粒成長を防止するためそれ
ぞれ2μm以下であることが好ましい。
【0020】そして、これを粉砕して原料粉末とし、こ
の原料粉末に所定の溶媒を添加し、これをポットミル,
回転ミル等で混合粉砕する。仮焼粉末の粒子は平均粒径
が1.5μm以下、BET比表面積が2.0m2 /g以
上であることが望ましい。この後、これを乾燥した後、
80メッシュパスで整粒する。これを所望の成形手段、
例えば、金型プレス,冷間静水圧プレス,押出し成形等
により任意の形状に成形する。例えば、金型プレスによ
る場合には、1.5ton/cm3 以上で行い、生成形
体の密度をできるだけ上げる。成形体の生密度は、焼結
体中のボイドを最小限に抑制するため2.1g/cm3
以上となることが好ましい。
【0021】そして、焼成を真空度が1×10-2torr以
上である真空雰囲気において、1600〜1900℃で
2〜10時間行う。真空度は1×10-3torr以上が好ま
しい。昇温速度は、ある一定温度、例えば1650℃ま
では1時間当たり50〜300℃が好ましく、特に1時
間当たり200〜300℃が好ましい。この後、粒径を
均一化するため2〜20時間保持する。そして、最高温
度までは1時間当たり100℃以下、好ましくは1時間
当たり20℃で昇温し、最高温度で2〜20時間保持す
る。このようにしてYAG焼結体を得る。
【0022】尚、真空雰囲気で焼成する代わりに、水素
雰囲気或いは窒素雰囲気等の還元性雰囲気で焼成しても
良い。
【0023】
【作用】Al2 3 粉末とY2 3 粉末の混合粉末をそ
のまま1600℃以上の温度で焼成すると、混合粉末か
らYAMが生成し、YAMからYAGへ結晶が変化し、
YAMからYAGへ変化する際に体積膨張が生じ、これ
により焼結体中にボイドや欠陥を生じ、均一な焼結体を
作成することが困難となるが、本発明の透光性YAG焼
結体の製造方法では、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の
混合粉末を1000〜1600℃で仮焼した後、160
0〜1900℃で焼成したので、1000〜1600℃
の仮焼によりYAMからYAGへ変化する際の体積膨張
を生じさせることができるため、成形後の焼成では体積
膨張が生じることがなく、これにより、焼結体中のボイ
ドや欠陥の発生を抑制し、均一な焼結体を作成すること
ができる。これにより可視光領域の直線透過率を70%
以上とすることができる。
【0024】また、本発明によれば、従来のように、単
結晶合成,HIP処理,ホットプレス,イットリウムイ
オンとアルミニウムイオンの尿素沈澱法等を用いず、一
般的な常圧焼成により製造するため、安価にかつ容易に
透光性YAG焼結体を得ることができる。さらに、多結
晶YAG焼結体を使用して透明体を製造するため、低価
格となり、強度が安定し、任意の形状を容易に製造で
き、研磨等の加工を容易に行うことができる。
【0025】そして、本発明では、粒径が20μm以下
の小さなYAG結晶粒子を多量に含有させることによ
り、機械的強度や硬度を向上することが可能となる。
【0026】また、成形体をYAG焼結体もしくはY2
3 からなる匣鉢内に収容して焼成したり、成形体をY
AG粉末中あるいはY2 3 粉末中に埋設して焼成する
ことにより、従来の焼成炉の材料であるカーボン,モリ
ブデン,タングステンの影響をなくすことができ、焼結
体の黒ずみを確実に防止できる。また、同材質を用いて
焼成することにより、成形体の粒成長を均一に生じさ
せ、粒径が小さく、かつ、粒径が均一な焼結体を得るこ
とができ、機械的強度や硬度を向上できるとともに、透
光性の優れた焼結体を得ることができる。
【0027】さらに、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の
混合粉末を仮焼し、これを粉砕した原料粉末の平均粒径
を1.5μm以下とするとともに、BET比表面積を
2.0m2 /g以上とすることにより、仮焼原料粉末の
活性度を向上することができ、焼成時におけるYAGの
粒成長を促進させ、ボイドの排出を促進してくもりの少
ない焼結体を得ることができるとともに、焼成温度を低
下することができる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)先ず、出発原料として、それぞれ純度が9
9.8%、BET比表面積5m2 /g、平均結晶粒径が
1.0μmであるAl2 3 粉末129gとY2 3
末171gを用意し、これと、高純度アルミナボール6
00gとバインダーとしてのイソプロピルアルコール
(IPA)300gをポリポットに投入し、回転ミルで
24時間混合粉砕した。混合したものを乾燥させた後、
均一な粉末を得た。
【0029】この粉末を電気炉により1350℃で仮焼
した後、再度高純度アルミナボール600gと溶媒とし
てのイソプロピルアルコール(IPA)300gをポリ
ポットに投入し、回転ミルで24時間混合粉砕した。粉
砕した粉末を乾燥させた後、均一な粉末を得た。この粉
末を金型プレスおよび冷間静水圧プレスを用い2.5g
/cm3 以上の生密度の成形体を作成した。この成形体
をタングステンヒータ炉で表1に示す焼成温度、焼成時
間、昇温速度、焼成方法で真空焼成した。得られた焼結
体をX線回折装置により測定したところ、YAGの生成
を確認した。
【0030】そして、得られた焼結体を厚さ1mmに研
磨した後、1μmのダイヤモンドペーストで鏡面仕上げ
を行った。この焼結体の波長600nmの可視光の直線
透過率を、赤外分光計により測定した。尚、可視光領域
とは、波長が300〜800nmである。また、20μ
m以下の粒子の割合を、試料の一断面における全粒子数
に対する20μm以下の粒子数で求めた。さらに、荷重
20kgでビッカース硬度を測定した。この実験結果を
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この実験結果より、本発明のYAG焼結体
は可視光領域の直線透過率が70%以上であり、ビッカ
ース硬度も1300kg/mm2 以上と優れた特性を有
することが判る。また、試料No.8,9,10は、タン
グステンの匣鉢に収容して焼成した場合であるが、この
場合には焼結体は黒ずんでおり、透光性が低い。この焼
結体を波長分散型X線マイクロアナライザー(WDS)
により分析したところ、タングステンを検出した。
【0033】尚、カーボンヒータ炉を用いて上記と同様
の成形体をタングステン製の匣鉢内に収容して真空焼成
したところ、得られた焼結体は白っぽく透光性が低いこ
とを確認した。この焼結体をWDSにより分析したとこ
ろ、カーボンの影響で、カーボンとAl2 3 が反応し
てAl2 3 が蒸発し、YAGの組成が変化しているこ
とを確認した。
【0034】(実施例2)出発原料として、それぞれ純
度が99.8%、BET比表面積5m2 /g、平均結晶
粒径が0.7μmであるAl2 3 粉末129gとY2
3 粉末171gを用意し、これと、高純度アルミナボ
ールとバインダーとしてのイソプロピルアルコール(I
PA)をポリポットに投入し、回転ミルで24時間混合
粉砕した。混合したスラリーをメッシュに通し乾燥させ
均一な粉末を得た。
【0035】この粉末を電気炉により1350℃で仮焼
した後、再度、高純度アルミナボールと溶媒としてのイ
ソプロピルアルコール(IPA)をポリポットに投入
し、回転ミルで平均粒径(D50)およびBET比表面
積が表2に示すようになるように混合粉砕した。尚、平
均粒径(D50)はレーザー回折散乱法により日機装
(株)製マイクロトラックSPA型を用いて測定し、B
ET比表面積はBET1点法によりマイクロメリティク
ス製フローソーブ2300型を用いて測定した。
【0036】
【表2】
【0037】粉砕したスラリーを乾燥させ、この粉末を
金型プレスおよび冷間静水圧プレスを用い2.5g/c
3 以上の生密度の成形体を作成した。この成形体をタ
ングステンヒータ炉で表2に示す焼成温度、焼成時間、
昇温速度で真空焼成した。得られた焼結体をX線回折装
置により測定したところ、YAGの生成を確認した。ま
た、得られた焼結体を、上記実施例1と同様にして、2
0μm以下の粒子の割合、直線透過率、ビッカース硬度
を測定し、この結果を表2に記す。
【0038】この表2より、本発明のYAG焼結体は可
視光領域の直線透過率が70%以上であり、ビッカース
硬度も1300kg/mm2 以上と優れた特性を有する
ことが判る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の透光性YA
G焼結体では、粒径が20μm以下のYAG結晶粒子を
全量中60%以上含有させることにより、小さなYAG
結晶粒子を多量に含有させることができ、透光性を向上
することができるとともに、機械的強度や硬度を向上す
ることができる。
【0040】また、成形体をYAG焼結体もしくはY2
3 からなる匣鉢内に収容して焼成したり、成形体をY
AG粉末中あるいはY2 3 粉末中に埋設して焼成し、
成形体と同材質の焼成用治具を用いたり、同材質の粉末
中に埋設して焼成することにより、従来の焼成炉の材料
であるカーボン,モリブデン,タングステンの影響をな
くすことができ、焼結体の黒ずみ等を確実に防止でき
る。また、同材質を用いて焼成することにより、成形体
の粒成長を均一に生じさせ、粒径が小さく、かつ、粒径
が均一な焼結体を得ることができ、機械的強度や硬度を
向上できるとともに、透光性の優れた焼結体を得ること
ができる。これにより、時計用窓材,ランプ管,装飾品
等に最適な材料を提供することができる。
【0041】さらに、Al2 3 粉末とY2 3 粉末の
混合粉末を仮焼し、これを粉砕した原料粉末の平均粒径
を1.5μm以下とするとともに、BET比表面積を
2.0m2 /g以上とすることにより、仮焼原料粉末の
活性度を向上することができ、焼成時におけるYAGの
粒成長を促進させ、ボイドの排出を促進してくもりの少
ない焼結体を得ることができる。また、製造工程におい
ては、焼成温度を低下させ、焼成炉の寿命を延長でき、
ランニングコストの低減を図ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イットリウム−アルミニウム−ガーネット
    多結晶体からなり、粒径が20μm以下のイットリウム
    −アルミニウム−ガーネット結晶粒子を全量中60%以
    上含有するとともに、厚み1mmの可視光の直線透過率
    が70%以上の透光性を有することを特徴とする透光性
    イットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体。
  2. 【請求項2】Al2 3 粉末とY2 3 粉末の混合粉末
    を仮焼し、これを粉砕して原料粉末とし、この原料粉末
    を所定形状に成形した後、この成形体をイットリウム−
    アルミニウム−ガーネット焼結体もしくはイットリアか
    らなる匣鉢内に収容して、或いは前記成形体をイットリ
    ウム−アルミニウム−ガーネット粉末中もしくはイット
    リア粉末中に埋設して、真空もしくは還元性雰囲気にお
    いて焼成することを特徴とする透光性イットリウム−ア
    ルミニウム−ガーネット焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】Al2 3 粉末とY2 3 粉末の混合粉末
    を仮焼し、これを粉砕して原料粉末とし、この原料粉末
    を所定形状に成形した後、焼成する透光性イットリウム
    −アルミニウム−ガーネット焼結体の製造方法であっ
    て、前記原料粉末の平均粒径を1.5μm以下とすると
    ともに、BET比表面積を2.0m2 /g以上とするこ
    とを特徴とする透光性イットリウム−アルミニウム−ガ
    ーネット焼結体の製造方法。
JP6061032A 1993-07-13 1994-03-30 透光性イットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体およびその製造方法 Pending JPH0782025A (ja)

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