JPWO2016021346A1 - 透明セラミックスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

1種又は複数種類の金属酸化物粉末から形成される多数の顆粒体からなる焼結用原料の製造ロット品ごとに数個の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした顆粒体それぞれの圧壊強度を測定し、該測定した顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下である製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を型に充填して加圧成形し、焼結して透明性に優れた透明セラミックスを製造する。

Description

本発明は、可視域及び/又は赤外域において透光性を有し、固体レーザ用媒質、X線乃至はガンマ線シンチレータ材、磁気光学デバイス用材料、発光管、蛍光媒質、高屈折率光学部材等の光学用途に利用される透明セラミックスの製造方法に関するものである。
近年、融点が高く、育成が比較的困難な酸化物単結晶材料の幾つかが、セラミックスという多結晶体の形態でも透明体が得られることが確認され、様々な組成の透明セラミックスが様々な用途に供されるに至った。但し、非常に透明性の高い透明セラミックスを作製するためには、多結晶体を構成する個々の粒子に複屈折性があってはならない。そのため、実用レベルの透明セラミックスが得られる結晶系としては、事実上立方晶に限られている。立方晶を有する代表的な酸化物としては、ガーネット型酸化物、ビックスバイト型酸化物、パイロクロア型酸化物などが挙げられる。
ガーネット型酸化物の代表的な透明セラミックスとしてはYAGレーザ、TGGファラデーローテータがあり、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の例としては、例えば特開平10−67555号公報(特許文献1)に、Al23及びY23を主成分としてガーネット結晶構造を有する透光性セラミックスであって、この透光性セラミックスは少なくとも1種以上の金属酸化物を含み、この金属酸化物の標準生成ギブスエネルギー(ΔGf°)はAl23の標準生成ギブスエネルギーよりも大きな負の値で、かつ金属酸化物の含有割合は5ppm以上20000ppm以下であることを特徴とする透光性セラミックスが開示されており、平均粒径25μm以下でかつ平均粒径の2倍以上の異常粒子を含まない、均質な構造で機械的強度に優れ、透明性にも優れた透光性セラミックスが得られるとしている。
あるいは、特許第3463941号公報(特許文献2)に、SiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaOの中の一種又は二種以上と、発光元素としてのランタニド元素、Cr元素、Ti元素の中の一種又は二種以上とを含有する気孔率が1%以下のガーネット構造を有する焼結体であって、焼結体を構成する粒子の平均粒子径が5〜1000μmで、構成粒子中に含まれる発光元素に関して、粒子全体の80%以上が±15%以内の濃度差の範囲であり、かつ直線透過光の内部損失が30%/cm以下であるレーザ用多結晶透明セラミックスが開示されており、発光元素(特にNd)の高濃度化ができ、発光元素が均一で、大型化が図れ、コスト、量産性に優れた、レーザ発振が可能な透明セラミックスが作製できるとしている。
また、TGG(テルビウム・ガリウム・ガーネット)を含んだ透光性希土類ガリウムガーネット焼結体の例としては、特開2009−143751号公報(特許文献3)に、一般式R3Ga512(RはYを含むSm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群の少なくとも1種類の希土類元素)で表される透光性希土類ガリウムガーネット焼結体であって、前記焼結体は、金属換算で、SiとGeを焼結助剤として合計量で10wtppm〜1000wtppm含有すると共に、SiとGeを各々5wtppm以上含有し、かつ前記焼結体は、波長600nm〜1500nmにおける、特異吸収波長以外での、直線透過率が1mm厚の焼結体で77%以上、平均粒子径が0.4μm〜3μm、であることを特徴とする、透光性希土類ガリウムガーネット焼結体が開示されており、粒成長を制御した、光透過率の向上した、良好な透光性希土類ガリウムガーネット焼結体を得られるとしている。
ビックスバイト型酸化物の代表的な透明セラミックスとしては、レーザホスト材用Y23透明セラミックス、TYOファラデーローテータがあり、Y23の例としては、例えば特開平5−330912号公報(特許文献4)には、焼結体の気孔率が1%以下で平均粒径が5〜3000μmの範囲にあり、かつランタニド元素を一種以上含有したレーザ用多結晶透明Y23セラミックスが開示されており、発光元素(特にNd)の高濃度化と焼結体内均一化が可能なレーザ用多結晶透明Y23セラミックスができるとしている。
あるいは、特許第4033451号公報(特許文献5)には、一般式がR23(RはY、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群の少なくとも1員の元素)で表され、波長500nm〜6μmにおける特異吸収波長以外での、直線光透過率が焼結体1mm厚で80%以上で、Al含有量が金属換算で5〜100質量ppm、Si含有量が金属換算で10質量ppm以下、焼結体の平均粒径が2〜20μmの透光性希土類酸化物焼結体が開示されており、これにより焼結助剤が異相として析出しない透光性R23焼結体が得られるとしている。
TYOファラデーローテータの例としては、例えば特許第5393271号公報(特許文献6)に、波長1.06μmでのベルデ定数が0.18min/(Oe・cm)以上であり、かつ、波長1.06μm、光路長3mmでの透過率が70%以上であり、下記式(I)で表される酸化物を主成分として含有し、アルカリ土類金属の酸化物、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び、酸化ハフニウムよりなる群から選択される金属酸化物を0.00001重量%以上0.1重量%以下含有することを特徴とする酸化物、
(Tbx1-x23・・・(I)
(式(I)中、xは、0.4≦x≦0.8であり、Rは、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ユウロピウム、ガドリニウム、イッテルビウム、ホルミウム、及び、ルテチウムよりなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む。)が開示されており、これにより波長1.06μm域でベルデ定数が大きく、かつ高い透明性を有した酸化物を提供でき、小型化したファラデーローテータを提供できるとしている。
パイロクロア型酸化物の代表的な透明セラミックスとしては、高屈折率透明光学部材用パイロクロアセラミックスがあり、高屈折率透明光学部材用パイロクロアセラミックスの例としては、例えば特許第5390454号公報(特許文献7)に、個々の結晶の少なくとも95重量%が立方晶黄緑石又は蛍石構造を有し、化学量論の化合物A2+xyz7(ここで、−1.15≦x<0及び0≦y≦3及び0≦z≦1.6並びに3x+4y+5z=8、かつAは希土類金属酸化物の群から選ばれる少なくとも1つの3価カチオンであり、Bは少なくとも1つの4価カチオンであり、Dは少なくとも1つの5価カチオンであり、及びEは少なくとも1つの2価アニオンである)を含む多結晶、透明光学セラミックスが開示されており、これにより屈折率1.98以上の高屈折率透明セラミックスが得られるとしている。
ところで上記各特許文献を仔細に確認してみると、いずれの文献でも組成の規定や平均粒径の範囲指定はあるが、それぞれの組成において、きちんと透明セラミックスに仕上げるために必要な原料の調整条件について規定されたものはない。例えば、それぞれの特許文献で示されている実施例中の原料の混合条件を抽出してみると、特許文献1ではナイロンポット及びボールを用いてエタノール中12時間ボールミル混合する条件が示されており、特許文献2と特許文献4では鉄球芯入りプラスチックボール又はアルミナボールをポットに入れエタノール中24時間混合する条件が示されており、特許文献3と特許文献5ではナイロンポットとナイロンボールを用いて100時間混合する条件が示されており、特許文献7ではジルコニアボールを用いてエタノール中で12〜16時間混合する条件が示されており、特許文献6ではナイロンボールミルを用いるとだけ記載があって混合時間の記載はない。いずれにせよ、ボール材質、混合時間共に条件はまちまちで、ある決まった原料準備のための目標条件が存在している訳ではない。
そのため、従来は混合条件を様々に振って、得られた粉末を後工程に回し、成形や脱脂、焼結、研磨処理といったすべてのプロセスを経てやっと得られる最終セラミックス焼結体の外観を検査し、これにより透光性の良好な混合条件を見つけるという、手間と時間のかかる作業を行う必要があった。また、場合によっては焼結工程を経た後にHIP処理が必要な場合もあり、そうなるとコストの面でも大変な作業となってしまう。
特開平10−67555号公報 特許第3463941号公報 特開2009−143751号公報 特開平5−330912号公報 特許第4033451号公報 特許第5393271号公報 特許第5390454号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、わざわざ後工程に流し焼結体を作製して確認することなく、焼結用原料の段階で所定の焼結用原料の製造ロット品を選定して透明性に優れた透明セラミックスを製造可能にする透明セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記の透明セラミックスの製造方法を提供する。
〔1〕 1種又は複数種類の金属酸化物粉末から形成される多数の顆粒体からなる焼結用原料の製造ロット品ごとに数個の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした顆粒体それぞれの圧壊強度を測定し、該測定した顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下である製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を型に充填して加圧成形し、焼結して透明セラミックスを製造することを特徴とする透明セラミックスの製造方法。
〔2〕 上記1種又は複数種類の金属酸化物粉末は、焼結により立方晶の金属酸化物となることを特徴とする〔1〕記載の透明セラミックスの製造方法。
〔3〕 上記焼結用原料は、更に焼結助剤を含むことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の透明セラミックスの製造方法。
〔4〕 上記顆粒体は、1種又は複数種類の金属酸化物粉末を混合処理及び/又は粉砕処理を1回以上施し、焼結温度より低い温度で1回以上仮焼して得たものであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の透明セラミックスの製造方法。
〔5〕 上記選定した製造ロット品の焼結用原料を等方圧加圧して成形し、焼結して透明セラミックスを製造する〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の透明セラミックスの製造方法。
〔6〕 上記選定した製造ロット品の焼結用原料をブロック状、バルク状、ロッド状又はペレット状の形状に成形することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の透明セラミックスの製造方法。
〔7〕 上記透明セラミックスは、光路長10mm当たりの波長1064nmの光の直線透過率が60%以上である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の透明セラミックスの製造方法。
本発明によれば、立方晶を呈する様々な組成の金属酸化物の透明セラミックスを製造するに際して、1種又は複数種類の金属酸化物粉末から形成される多数の顆粒体からなる焼結用原料の製造ロット品ごとにサンプリングした数個の顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値が所定の範囲内となる製造ロット品を選定して製造することにより、わざわざ後工程に流して焼結体を作製して透明性を確認することなく、短時間で低コストに透明性の良好な透明セラミックスを製造することができる。
顆粒体の圧壊強度を測定する微小粒子圧壊力測定装置の構成を示す概略図である。 実施例、比較例における焼結用原料からサンプリングされた顆粒体の圧壊強度の幾何平均値と焼結体の直線透過率の関係を示す図である。
以下に、本発明に係る透明セラミックスの製造方法について説明する。
本発明に係る透明セラミックスの製造方法は、1種又は複数種類の金属酸化物粉末から形成される多数の顆粒体からなる焼結用原料の製造ロット品ごとに数個の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした顆粒体それぞれの圧壊強度を測定し、該測定した顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下である製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を型に充填して加圧成形し、焼結して透明セラミックスを製造することを特徴とするものである。
ここで、本発明で用いる焼結用原料は、1種又は複数種類の金属酸化物粉末から形成される多数の顆粒体からなるものであって、これを型に充填して加圧成形し、焼結することによって透明セラミックスを得るものである。また、顆粒体を構成する1種又は複数種類の金属酸化物粉末は、焼結により立方晶の金属酸化物(立方晶組成酸化物)となるものが好ましい。出発原料として用いられる金属酸化物粉末としては、例えば1種又は複数種類の希土類酸化物を含むもの、希土類酸化物とその他の金属酸化物とを含むものなどが例示される。
従って、製造される透明セラミックスは、立方晶構造を取るあらゆる金属酸化物を主成分として含有する。即ち、透明セラミックスは、立方晶構造を取るあらゆる金属酸化物を主成分として含有していればよく、その他の成分を副成分として含有していてもよい。
立方晶構造を取り透明性を示す代表的な金属酸化物としては、ガーネット型酸化物、ビックスバイト型酸化物、パイロクロア型酸化物などが挙げられる。
ガーネット型酸化物は、A3512(Aは、Y、Tb、Lu、Gd、La、Ce、Yb、Tm、Eu、Pr、Dy、Ho及びNdからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Bは、Al、Ga及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である)で表わされる複合酸化物であって、例えばY3Al512(YAG)が挙げられる。
ビックスバイト型酸化物は、Y、Tb、Lu、Yb、Tm、Ho、Dy、Ce、Gd、Eu、Pr及びNdからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる酸化物であって、例えばY23が挙げられる。
パイロクロア型酸化物は、A'2B'27-z(A'は、Y、Tb、Lu、Gd、La、Ce、Yb、Tm、Eu、Pr、Dy、Ho及びNdからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、B'は、Zr、Hf、Ti、Sn、Ge及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Zは0以上1以下の数である)で表わされる複合酸化物であって、例えばLa2Zr27が挙げられる。
また、主成分として含有するとは、立方晶構造を取る金属酸化物を50質量%以上含有することを意味する。含有量は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが特に好ましく、99質量%以上であることが更に好ましい。
また、一般的に例示される、その他の副成分としては、セラミックス製造の際に添加される焼結助剤があり、マグネシウム、チタン、ケイ素、カルシウム、アルミニウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ボロンの酸化物や、リチウムのふっ化物などが例示できる。
本発明者が焼結用原料の製造ロット品ごとにサンプリングした顆粒体の圧壊強度とそれを原料として作製した焼結体の透明性との関係を調査したところ、以下のことが分かった。
即ち、サンプリングした顆粒体の圧壊強度が0.3MPa未満の場合、顆粒体を構成する一次粒子同士が非常にふんわりと緩くつながっただけの状態であるため、顆粒体の内部に無数の空隙が残存しており、これをそのまま焼結用原料として金型によって一軸方向に加圧するプレス成形やCIP(Cold Isostatic Pressing:冷間等方圧加圧)成形、HP(Hot Pressing)等によるダイレクト焼結の際の加圧成形を試みた場合、顆粒体の潰れ性が極めて不完全となり、焼結によっては除去不能の多数の気泡が焼結体内部に取り込まれ透明性を阻害してしまった。そのため、焼結前の好ましい顆粒体としては、ある程度しっかりと固まった状態である必要がある。ところで、ある程度しっかりと固まった状態の顆粒体を作製してみると(つまり混合処理及び/又は粉砕処理の処理時間(混合粉砕処理時間)を長くしたり、仮焼温度を高くしたりすると)、その固まり状態に略比例するように圧壊強度も上昇していく。焼結工程を経た場合に十分透明性が得られる顆粒体の圧壊強度の下限を調べた結果、それは0.3MPaであった。
他方、顆粒体からなる焼結用原料をどんどん固めていくと、顆粒体の圧壊強度、焼結前のパッキング(成形)密度も略比例して上昇していく。但し、圧壊強度がパッキング(成形)圧力値を超えてしまうと、言うまでもなくパッキング(成形)で顆粒体が潰せなくなってしまう。顆粒体をしっかりと潰せない状態では、それらの内部に無数の空隙が残っている。これを焼結しても、除去不能の多数の気泡が焼結体内部に取り残されて良好な透明性は得られない。一般的なパッキング(成形)圧力としては、例えば市販のCIP装置で出せる190〜200MPa、高額な高圧CIP装置で出せる300MPaが目安となる。CIP圧力300MPaで潰せる顆粒体の圧壊強度の上限を調べた結果、それは6MPaであった。またCIP圧力190〜200MPaで潰せる顆粒体の圧壊強度の上限は5MPaであった。このことから、焼結前の顆粒体を固めていった場合の圧壊強度の上限の目安は6MPaであり、特に好ましくは5MPaということになる。
また、焼結用原料の個々の顆粒体の圧壊強度が上記下限値と上限値の間に収まると、顆粒体に含まれる出発原料が焼結により立方晶の金属酸化物となる1種又は複数種類の金属酸化物粉末であれば最終的に得られる金属酸化物の種類に関係なく、即ちガーネット型酸化物、ビックスバイト型酸化物、パイロクロア型酸化物のいずれの立方晶原料を焼結した場合でも、すべて透明体が得られることが確認された。
即ち、本発明は、焼結用原料の製造ロット品ごとに数個の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした圧壊強度を測定し、該測定した顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下、好ましくは最小値が0.7MPa以上、かつ最大値が5MPa以下、より好ましくは最小値が1MPa以上、かつ最大値が5MPa以下である製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を成形し、焼結してセラミックスを製造するものであり、これにより透明性に優れた透明セラミックスを得ることができる。
また、上記のような数個の顆粒体の圧壊強度はある一定の範囲でばらつきが生じるが、本発明者が調査したところ、測定した顆粒体の圧壊強度の幾何平均値とその製造ロット品の焼結用原料を用いて作製した焼結体の透明性との間に強い相関があることも見出した。
即ち、本発明は、焼結用原料の製造ロット品ごとに数個の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした圧壊強度を測定し、該測定した顆粒体の圧壊強度の幾何平均値が0.45MPa以上2.8MPa以下、好ましくは1.2〜2.7MPa、より好ましくは1.5〜2.6MPaである製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を成形し、焼結してセラミックスを製造するものであり、これによっても透明性に優れた透明セラミックスを得ることができる。なお、顆粒体のサンプリングに際しては、焼結用原料の製造ロット品において極端に小さな顆粒体や極端に大きな顆粒体をサンプリングするのではなく、ある程度の平均的な大きさの顆粒体、即ち粒子径10〜55μmの顆粒体をサンプリングする。
ここで、顆粒体の圧壊強度は、図1に示すような微小粒子圧壊力測定装置を用いて粒子径10〜55μmの顆粒サイズの顆粒体について、JIS Z8841に準拠した測定方法で測定する。詳しくは以下のようにして測定する。
まず、測定対象の顆粒体Pを実体顕微鏡で撮像し、撮像した顆粒体Pの外接円が最大となる円の直径(即ち、顆粒体Pの長径)を画素数から換算して粒子径Dとして求めた後、この顆粒体Pをばね11で支持されたサンプル台12上に載置し、次いで、微小力検出ロードセル13が接続した圧子14を顆粒体Pに接触させた後に一定速度(2μm/秒)で該顆粒体Pを押圧する方向に移動させて顆粒体Pを圧壊させる。このとき、顆粒体Pが潰れた瞬間の最大荷重(圧壊力F)を読み取り、下記式(1)で圧壊強度Sを算出する。このとき、焼結用原料の製造ロット品ごとに数個、好ましくは5個以上の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした顆粒体それぞれの圧壊強度Sを測定することが好ましい。
S=2.8F/(π・D2) (1)
(圧壊強度S[Pa]、圧壊力F[N]、粒子径D[m])
なお、顆粒体の圧壊強度の幾何平均値(相乗平均値)は、焼結用原料の製造ロット品ごとに少なくとも5個の顆粒体をサンプリングし、上記のように測定した圧壊強度から求めた値である。
また、製造ロット品とは、焼結用原料の製造履歴上同一のロットとみなせる原料群であり、例えば同一ロットの粉末原料等を用いて、混合処理及び/又は粉砕処理と、仮焼とを同一条件で同じ製造タイミングで多数の顆粒体を形成して製造したものである。
顆粒体は、1種又は複数種類の金属酸化物粉末等(出発原料)について混合処理及び/又は粉砕処理を1回以上施し、焼結温度より低い温度、例えば焼結温度より100〜900℃低い温度で1回以上仮焼して得たものであることが好ましい。
これらの処理は、従来より行われている処理でよく、例えば混合処理は、湿式ボールミルや湿式ビーズミルのような湿式と、乾式ボールミルのような乾式があるが、特に制限はなく、いずれの方式の混合処理でもよい。混合処理及び/又は粉砕処理、仮焼をそれぞれ複数回実施する場合は、混合処理及び/又は粉砕処理と、仮焼とを交互に行うとよい。また、粉砕処理は、混合処理と同時に行うのが経済的で効率的なので好ましいが、混合処理終了後に別途乾式ジェットミルやハンマーミルのような粉砕処理を施してもよい。また、仮焼処理は、処理対象が酸化物であるため、大気中又は酸素雰囲気等の酸素を含んだ雰囲気中で行うとよい。
上記出発原料について混合処理及び/又は粉砕処理、仮焼処理を施し、最後に粉砕処理した後にスプレードライ処理を行って所定の大きさの顆粒体を作製する。スプレードライ処理は従来公知の方法でよく、例えば上記混合処理及び/又は粉砕処理、仮焼処理、粉砕処理後の原料粉末に水及びバインダー、乃至は有機溶剤(典型的にはエタノール)及びバインダーを添加してスラリーにしたものをスプレードライヤにより溶媒(水乃至は有機溶剤)の沸点以上に加熱させながら一定の処理速度(造粒できる程度に速く(遅すぎず)、顆粒が団子化しない程度に遅い(速すぎない)処理速度)で噴霧乾燥して顆粒体を得るものである。
この混合及び/又は粉砕処理工程と焼結温度より低い温度で焼成する仮焼工程の諸条件(顆粒体調製条件)を調整することによって製造される顆粒体の圧壊強度を制御することが可能である。即ち、混合及び/又は粉砕処理工程では、原料粒子の平均粒径が細かくなることにより凝集エネルギーがアップし、圧壊強度が向上する。あるいは非常に細かな破片粒子が生成され、これが一次粒子同士の接触点に集まって剛直凝集を起こし、これにより圧壊強度が向上する。また、仮焼工程では出発原料等の一次粒子のネッキングや凝集を促進し、その圧壊強度が向上する。
なお、その後行われるスプレードライ処理により製造される焼結用原料は、顆粒状となる。ここで製造される顆粒体は、造粒体や凝集体ともいわれるものすべてを含む。
ところで、上記のように顆粒体調製条件と顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値との間には相関関係があるが、出発原料の素姓が異なる場合には顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値をある特定の範囲に収めるための顆粒体調製条件は異なってくる。即ち、それまでとは素姓の異なる出発原料を用いる場合、それまでと同じ顆粒体調製条件で調製しても光学特性の良好な焼結体が得られないことがある。本発明では、その素姓の異なる出発原料を用いる場合であっても、それから調製した焼結用原料についてその顆粒体の圧壊強度を測定し、圧壊強度の最小値、最大値が所定の範囲に入る製造ロット品を選定し、これを用いるようにして確実に光学特性の良好な焼結体を得るようにするものである。
なお、素姓が異なる出発原料とは、例えば共沈法、粉砕法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法、アルコキシド加水分解法、その他の合成方法などの出発原料の調製方法が異なるものであったり、あるいは出発原料の調製方法が同じであったとしてもその調製条件が異なるものであったり、更には出発原料の供給元(製造メーカー)が異なるものである。
本発明では、サンプリングした数個の顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値が上記範囲内に入る製造ロット品を選定し、この製造ロット品の焼結用原料を型に充填して加圧成形し、好ましくは等方圧加圧して成形し、焼結して透明セラミックスを製造するものであり、パッキング(成形)処理をしない製造プロセスには向かない。より具体的には、ブロック状、バルク状、ロッド状又はペレット状に成形してから焼結処理することが好ましく、シート状や薄膜状のようにパッキング処理が困難な形状では透明セラミックスを得ることが難しい。
以下、本発明の透明セラミックス製造方法について更に詳述する。
[原料]
本発明で用いる1種又は複数種類の金属酸化物粉末(出発原料)の純度は99.9質量%以上が好ましい。また、出発原料の形状については特に限定されず、例えば角状、球状、板状の粉末が好適に利用できる。また、二次凝集している粉末であっても好適に利用できるし、スプレードライ処理等の造粒処理によって造粒された顆粒状粉末であっても好適に利用できる。更に、これらの出発原料の調製工程については特に限定されない。共沈法、粉砕法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法、アルコキシド加水分解法、その他あらゆる合成方法で作製された出発原料が好適に利用できる。また、得られた出発原料を適宜湿式ボールミル、ビーズミル、ジェットミルや乾式ジェットミル、ハンマーミル等によって処理してもよい。なお、本発明においてサンプリングした数個の顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値が上記範囲を外れた製造ロット品を出発原料として再利用してもよい。
本発明で用いる焼結用原料には、適宜焼結抑制助剤(焼結助剤)を添加してもよい。好ましくは、上記出発原料と共に焼結助剤も含めて顆粒体を形成するとよい。特に高い透明性を得るためには、選択する組成に見合った焼結助剤を適宜選定して添加することが好ましい。但し、その純度は99.9質量%以上が好ましい。なお、焼結助剤を添加しない場合には、使用する出発原料についてその一次粒子の粒径がナノサイズであって焼結活性が極めて高いものを選定するとよい。こうした選択は適宜なされてよい。
更に製造工程での品質安定性や歩留り向上の目的で、各種の有機添加剤が添加される場合がある。こうした有機添加剤としては分散剤、結合剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤などが例示できる。本発明においては、これらについても特に限定されない。即ち、各種の分散剤、結合剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤等が好適に利用できる。
[製造工程]
本発明では、上記焼結用原料のうち、サンプリングした数個の顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下、好ましくは最小値が0.7MPa以上、かつ最大値が5MPa以下、より好ましくは最小値が1MPa以上、かつ最大値が5MPa以下である製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を用いて、型に充填して所定形状にプレス成形した後に脱脂を行い、次いで焼結して、相対密度が最低でも91%以上に緻密化した焼結体を作製する。その後工程として熱間等方圧プレス(HIP)処理を行うことが好ましい。
(プレス成形)
本発明の製造方法においては、通常のプレス成形工程を好適に利用できる。即ち、ごく一般的な、焼結用原料を型に充填して一定方向から加圧するプレス工程や変形可能な防水容器に密閉収納して静水圧で加圧するCIP(Cold Isostatic Pressing)工程が利用できる。なお、印加圧力は得られる成形体の相対密度を確認しながら適宜調整すればよく、特に制限されないが、例えば市販のCIP装置で対応可能な300MPa以下の圧力範囲で管理すると製造コストが抑えられてよい。あるいはまた、成形時に成形工程のみでなく一気に焼結まで実施してしまうホットプレス工程や放電プラズマ焼結工程、マイクロ波加熱工程なども好適に利用できる。なお、通常のCIP装置では190〜200MPa程度の圧力範囲で加圧成形するが、仮にその圧力範囲がそれよりも小さくなる場合には、焼結用原料の製造ロット品を選定する上での圧壊強度の最大値の規定値を適宜小さく補正することが好ましい。
(脱脂)
本発明の製造方法においては、通常の脱脂工程を好適に利用できる。即ち、加熱炉による昇温脱脂工程を経ることが可能である。また、この時の雰囲気ガスの種類も特に制限はなく、空気、酸素、水素等が好適に利用できる。脱脂温度も特に制限はないが、もしも有機添加剤が混合されている原料を用いる場合には、その有機成分が分解消去できる温度まで昇温することが好ましい。
(焼結)
本発明の製造方法においては、一般的な焼結工程を好適に利用できる。即ち、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等の加熱焼結工程を好適に利用できる。この時の雰囲気は特に制限されないが、不活性ガス、酸素、水素、真空等が好適に利用できる。
本発明の焼結工程における焼結温度は、選択される出発原料により適宜調整される。一般的には選択された出発原料を用いて、製造しようとする立方晶組成酸化物焼結体の融点よりも数10℃から100℃乃至は200℃程度低温側の温度が好適に選定される。また、選定される温度の近傍に立方晶以外の相に相変化する温度帯が存在する酸化物焼結体を製造しようとする際には、厳密にその温度以下となるように管理して焼結すると、立方晶から非立方晶への相転移が事実上発生しないため材料中に光学歪やクラックなどが発生し難いメリットがある。
本発明の焼結工程における焼結保持時間は、選択される出発原料により適宜調整される。一般的には数時間程度で十分な場合が多い。但し、焼結工程後の立方晶組成酸化物焼結体の相対密度は最低でも91%以上に緻密化されていなければならない。
(熱間等方圧プレス(HIP))
本発明の製造方法においては、焼結工程を経た後に更に追加で熱間等方圧プレス(HIP(Hot Isostatic Pressing))処理を行う工程を設けることができる。
なお、このときの加圧ガス媒体種類は、アルゴン、窒素等の不活性ガス、又はAr−O2、Ar−SO2が好適に利用できる。加圧ガス媒体により加圧する圧力は、50〜300MPaが好ましく、100〜300MPaがより好ましい。圧力50MPa未満では透明性改善効果が得られない場合があり、300MPa超では圧力を増加させてもそれ以上の透明性改善が得られず、装置への負荷が過多となり装置を損傷するおそれがある。印加圧力は市販のHIP装置で処理できる196MPa以下であると簡便で好ましい。
また、その際の処理温度(所定保持温度)は材料の種類及び/又は焼結状態により適宜設定すればよく、例えば1000〜2000℃、好ましくは1100〜1800℃の範囲で設定される。このとき、焼結工程の場合と同様に焼結体を構成する立方晶組成酸化物の融点以下及び/又は相転移点以下とすることが必須であり、熱処理温度が2000℃超ではHIP炉材の耐熱温度を超えてしまい、適正なHIP処理を行うことが困難となる。また、熱処理温度が1000℃未満では焼結体の透明性改善効果が得られない。なお、熱処理温度の保持時間については特に制限されないが、焼結体を構成する立方晶組成酸化物の特性を見極めながら適宜調整するとよい。
なお、HIP処理するヒーター材、断熱材、処理容器は特に制限されないが、グラファイト、乃至はモリブデン(Mo)、タングステン(W)が好適に利用できる。
(光学研磨)
本発明の製造方法においては、上記一連の製造工程を経た透明立方晶組成酸化物焼結体(透明セラミックス)について、その光学的に利用する軸上にある両端面を光学研磨することが好ましい。このときの光学面精度はλ/8以下が好ましく、λ/10以下が特に好ましい(λ=633nmである)。なお、光学研磨された面に適宜反射防止膜を成膜することで光学損失を更に低減させることも可能である。
以上のようにして得られた透明セラミックスは、光路長10mm当たりの波長1064nmの光の直線透過率が好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上となる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[試験例1]
ガーネット型酸化物の透明セラミックスの試験例として、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット:Y3Al512)、TGG(テルビウム・ガリウム・ガーネット:Tb3Ga512)を取り上げる。
信越化学工業(株)製の酸化イットリウム粉末、酸化テルビウム粉末、並びに(株)高純度化学製のα−アルミナ粉末、酸化ガリウム粉末を用意した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。更に焼結助剤として、日本アエロジル(株)製ヒュームドシリカ粉末を入手した。こちらも純度は99.9質量%以上であった。
上記出発原料等を用いて、希土類イオンと3価イオンとが化学量論組成となるように秤量し、酸化イットリウムとα−アルミナの混合原料、並びに酸化テルビウムと酸化ガリウムの混合原料を用意した。これらに更に0.1質量%のヒュームドシリカを混ぜ、エタノールとアルミナボールで満たしたポリ容器中に溶かしてボールミル処理を実施し、その後仮焼を行った。この際、混合時間(ボールミル処理時間)と仮焼温度を種々変えて、様々な混合状態の原料を準備した。
その後、スプレードライ処理を行って平均粒径が20μmの顆粒体を多数作製した。スプレードライ処理は、上記ボールミル処理、仮焼処理、粉砕処理後の原料粉末にエタノール及びバインダー(ポリビニールアルコール2.0質量%)を添加してスラリーにしたものをスプレードライヤ(大川原化工機(株)製、型番L−8i)により噴霧乾燥して行なった。得られたそれぞれの顆粒体調製条件の焼結用原料につき、それぞれの条件ごとに粒子径10〜55μmの範囲内の5個の顆粒体をサンプリングし、微小粒子圧壊力測定装置((株)ナノシーズ製、製品名NS−A100)を用いて図1に示す要領でサンプリングした顆粒体の圧壊強度を測定し、その最大値、最小値、並びに幾何平均値を求めた。
次に、得られた焼結用原料を上記顆粒体調製条件ごとに直径10mmの金型に充填し、一軸プレス成形機で厚さ15mmのロッド状に仮成形した後、198MPaの圧力で、静水圧プレスしてCIP成形体を得た。続いて得られたCIP成形体をマッフル炉に入れ、大気中800℃で3時間熱処理して脱脂した。
次いで、得られた脱脂済み成形体を真空加熱炉に仕込み、100℃/hの昇温レートで1300〜1500℃まで昇温し、3時間保持してから600℃/hの降温レートで冷却して焼結体を得た。この際、サンプルの焼結相対密度が92%以上となるよう焼結温度や保持時間を調整した。
更に、上記焼結体について、加圧媒体としてArガスを用いて、HIP熱処理温度1500℃、圧力190MPaで保持時間2時間のHIP処理を行った。
こうして得られた各セラミックス焼結体を、長さ10mmになるように研削及び研磨処理し、次いでそれぞれのサンプルの光学両端面を光学面精度λ/8(λ=633nmである)で最終光学研磨し、更に中心波長が1064nmとなるように設計された反射防止膜をコートした。ここで得られたサンプルの光学外観をチェックした。
また、得られた各セラミックスサンプルについて直線透過率を測定した。
(直線透過率の測定方法)
直線透過率は、分光分析装置「スペクトロフォトメータ、商品名V670」(日本分光(株)製)を用い、波長1064nmの光をビーム径を1〜3mmφでの大きさで透過させたときの光の強度により測定され、以下の式に基づき、JIS K7361及びJIS K7136に準拠して求めた。
直線透過率(%/cm)=I/Io×100
(式中、Iは透過光強度(長さ10mmの試料を直線透過した光の強度)、Ioは入射光強度を示す。)
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2016021346
上記結果より、実施例1と比較例1との比較から、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa未満になると焼結体が散乱失透することがわかる。逆に、実施例8及び16と比較例2及び3との比較から、顆粒体の圧壊強度の最大値が6MPa超になるとプレス工程で潰せない顆粒体成分が焼結体中で斑に残存した状態の斑状失透が起こることがわかる。また、イットリウム系ガーネット(通称YAG)、テルビニウム系ガーネット(通称TGG)の種類を問わず、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下の範囲にある場合には、透明セラミックスが作製可能であることが確認され、特にその範囲として最小値が1MPa以上、最大値が5MPa以下の範囲にある場合には、非常に透明性の高い透明セラミックスが得られることが確認された。
[試験例2]
ビックスバイト型酸化物の透明セラミックスの試験例としてY23、TYO(テルビウム・イットリウム複合酸化物:(Tb0.60.423)を取り上げる。
信越化学工業(株)製の酸化イットリウム粉末、酸化テルビウム粉末、並びに第一稀元素化学工業(株)製酸化ジルコニウム粉末を用意した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。
上記出発原料等を用いて、酸化イットリウム単体に焼結助剤として酸化ジルコニウムを1.5質量%添加した系、並びに酸化イットリウムと酸化テルビウムとの希土類イオンのモル比が4:6の割合となるように秤量した原料に焼結助剤として酸化ジルコニウムを1.5質量%添加した系を用意した。これらの混合原料をエタノールとアルミナボールで満たしたポリ容器中に溶かしてボールミル処理を実施し、その後仮焼を行った。この際、混合時間(ボールミル処理時間)と仮焼温度を種々変えて、様々な混合状態の原料を準備した。
その後、試験例1と同様にしてスプレードライ処理を行って平均粒径が20μmの顆粒体を多数作製した。得られたそれぞれの顆粒体調製条件の焼結用原料につき、試験例1と同様にして微小粒子圧壊力測定装置((株)ナノシーズ製、製品名NS−A100)を用いて顆粒体の圧壊強度の最大値、最小値、並びに幾何平均値を求めた。
次に、得られた焼結用原料を顆粒体調製条件ごとに直径10mmの金型に充填し、一軸プレス成形機で厚さ15mmのロッド状に仮成形した後、198MPaの圧力で、静水圧プレスしてCIP成形体を得た。続いて得られたCIP成形体をマッフル炉に入れ、大気中800℃で3時間熱処理して脱脂した。
次いで、得られた脱脂済み成形体を真空加熱炉に仕込み、100℃/hの昇温レートで1400〜1600℃まで昇温し、3時間保持してから600℃/hの降温レートで冷却して焼結体を得た。この際、サンプルの焼結相対密度が92%以上となるよう焼結温度や保持時間を調整した。
更に、上記焼結体について、加圧媒体としてArガスを用いて、HIP熱処理温度1700℃、圧力190MPaで保持時間2時間のHIP処理を行った。
こうして得られた各セラミックス焼結体を、長さ10mmになるように研削及び研磨処理し、次いでそれぞれのサンプルの光学両端面を光学面精度λ/8(λ=633nmである)で最終光学研磨し、更に中心波長が1064nmとなるように設計された反射防止膜をコートした。ここで得られたサンプルの光学外観もチェックした。
また、試験例1と同様にして直線透過率を測定した。
以上の結果を表2にまとめて示す。
Figure 2016021346
上記結果より、実施例17と比較例4との比較から、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa未満になると焼結体が散乱失透することがわかる。逆に、実施例24及び32と比較例5及び6との比較から、顆粒体の圧壊強度の最大値が6MPa超になるとプレス工程で潰せない顆粒体成分が焼結体中で斑に残存した状態の斑状失透が起こることがわかる。また、酸化イットリウム、テルビウム・イットリウム複合酸化物(通称TYO)の種類を問わず、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下の範囲にある場合には、透明セラミックスが作製可能であることが確認され、特にその範囲として最小値が1MPa以上、最大値が5MPa以下の範囲にある場合には、非常に透明性の高い透明セラミックスが得られることが確認された。
[試験例3]
パイロクロア型酸化物の透明セラミックスの試験例としてLa2Zr27、La2Hf27を取り上げる。
信越化学工業(株)製の酸化ランタン粉末、並びに第一稀元素化学工業(株)製酸化ジルコニウム粉末、及びアメリカンエレメンツ社製酸化ハフニウム粉末を用意した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。
上記出発原料等を用いて、酸化ランタンと酸化ジルコニウムのモル比が等量になるように秤量した系、及び酸化ランタンと酸化ハフニウムのモル比が等量になるように秤量した系を用意した。これらの混合原料をエタノールとアルミナボールで満たしたポリ容器中に溶かしてボールミル処理を実施し、その後仮焼を行った。この際、混合時間(ボールミル処理時間)と仮焼温度を種々変えて、様々な混合状態の原料を準備した。
その後、試験例1と同様にしてスプレードライ処理を行って平均粒径が20μmの顆粒体を多数作製した。得られたそれぞれの顆粒体調製条件の焼結用原料につき、試験例1と同様にして微小粒子圧壊力測定装置((株)ナノシーズ製、製品名NS−A100)を用いて顆粒体の圧壊強度の最大値、最小値、並びに幾何平均値を求めた。
次に、得られた焼結用原料を顆粒体調製条件ごとに直径10mmの金型に充填し、一軸プレス成形機で厚さ15mmのロッド状に仮成形した後、198MPaの圧力で、静水圧プレスしてCIP成形体を得た。続いて得られたCIP成形体をマッフル炉に入れ、大気中800℃で3時間熱処理して脱脂した。
次いで、得られた脱脂済み成形体を真空加熱炉に仕込み、100℃/hの昇温レートで1600〜1650℃まで昇温し、3時間保持してから600℃/hの降温レートで冷却して焼結体を得た。この際、サンプルの焼結相対密度が92%以上となるよう焼結温度や保持時間を調整した。
更に、上記焼結体について、加圧媒体としてArガスを用いて、HIP熱処理温度1750℃、圧力190MPaで保持時間2時間のHIP処理を行った。
こうして得られた各セラミックス焼結体を、長さ10mmになるように研削及び研磨処理し、次いでそれぞれのサンプルの光学両端面を光学面精度λ/8(λ=633nmである)で最終光学研磨し、更に中心波長が1064nmとなるように設計された反射防止膜をコートした。ここで得られたサンプルの光学外観もチェックした。
また、試験例1と同様にして直線透過率を測定した。
以上の結果を表3にまとめて示す。
Figure 2016021346
上記結果より、実施例33と比較例7との比較から、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa未満になると焼結体が散乱失透することがわかる。逆に、実施例40及び48と比較例8及び9との比較から、顆粒体の圧壊強度の最大値が6MPa超になるとプレス工程で潰せない顆粒体成分が焼結体中で斑に残存した状態の斑状失透が起こることがわかる。また、ランタンジルコネート、ランタンハフネートの種類を問わず、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下の範囲にある場合には、透明セラミックスが作製可能であることが確認され、特にその範囲として最小値が1MPa以上、最大値が5MPa以下の範囲にある場合には、非常に透明性の高い透明セラミックスが得られることが確認された。
図2に、試験例1〜3の実施例及び比較例の焼結用原料の顆粒体の圧壊強度の幾何平均値(平均圧壊強度)と焼結体の直線透過率の関係を示す。
図2から顆粒体の圧壊強度の幾何平均値が0.45MPa以上2.8MPa以下の場合に、焼結体の直線透過率が60%以上のものが得られることが分かる。
[試験例4]
TYO(テルビウム・イットリウム複合酸化物:(Tb0.60.423)及びLa2Hf27について、上記試験例とは素姓の異なる他の原料を用いて作製した例を取り上げる。
TYO(テルビウム・イットリウム複合酸化物)用として、信越化学工業(株)製の酸化イットリウムと酸化テルビウムとの共沈希土類粉末(この共沈粉末における酸化イットリウムと酸化テルビウムとの希土類イオンのモル比は4:6である)、並びに第一稀元素化学工業(株)製酸化ジルコニウム粉末を用意した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。
上記出発原料を用いて、共沈希土類粉末と酸化ジルコニウム粉末の重量比が100:0.5の割合となるように秤量した原料を用意した。この混合原料をエタノールとジルコニアボールで満たしたポリ容器中に溶かしてボールミル処理を実施し、その後仮焼を行った。この際、混合時間(ボールミル処理時間)と仮焼温度を種々変えて、様々な混合状態の原料を準備した。
また、La2Hf27用として、信越化学工業(株)製の酸化ランタン粉末、並びに商社を介して入手した中国製の酸化ハフニウム粉末を用意した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。
上記についてもこれらを出発原料として、酸化ランタンと酸化ハフニウムのモル比が等量となるように秤量した原料を用意した。この混合原料をエタノールとジルコニアボールで満たしたポリ容器中に溶かしてボールミル処理を実施し、その後仮焼を行った。この際、混合時間(ボールミル処理時間)と仮焼温度を種々変えて、様々な混合状態の原料を準備した。
その後、試験例1〜3と同様にしてスプレードライ処理を行って平均粒径が20μmの顆粒体を多数作製した。得られたそれぞれの顆粒体調製条件の焼結用原料につき、試験例1〜3と同様にして微小粒子圧壊力測定装置((株)ナノシーズ製、製品名NS−A100)を用いて顆粒体の圧壊強度の最大値、最小値、並びに幾何平均値を求めた。
次に、得られた焼結用原料を顆粒体調製条件ごとに直径10mmの金型に充填し、一軸プレス成形機で厚さ15mmのロッド状に仮成形した後、198MPaの圧力で、静水圧プレスしてCIP成形体を得た。続いて得られたCIP成形体をマッフル炉に入れ、大気中800℃で3時間熱処理して脱脂した。
次いで、得られた脱脂済み成形体を真空加熱炉に仕込み、100℃/hの昇温レートで1450℃〜1650℃まで昇温し、3時間保持してから300℃/hの降温レートで冷却して焼結体を得た。この際、サンプルの焼結相対密度が97%以上となるよう焼結温度や保持時間を調整した。
更に、上記焼結体について、加圧媒体としてArガスを用いて、HIP熱処理温度1600℃、圧力190MPaで保持時間2時間のHIP処理を行った。
こうして得られた各セラミック焼結体を、長さ10mmになるように研削及び研磨処理し、次いでそれぞれのサンプルの光学両端面を光学面精度λ/8(λ=633nmである)で最終光学研磨し、更に中心波長が1064nmとなるように設計された反射防止膜をコートした。ここで得られたサンプルの光学外観もチェックした。
また、試験例1〜3と同様にして直線透過率を測定した。
以上の結果を表4にまとめて示す。
Figure 2016021346
上記結果より、試験例2、3とは出発原料の素性が異なっても、比較例10と実施例49との比較から、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa未満になると焼結体が散乱失透し、実施例56と比較例11との比較及び実施例64と比較例12との比較から、顆粒体の圧壊強度の最大値が6MPa超になるとプレス工程で潰せない顆粒体成分が焼結体中で斑に残存した状態の斑状失透が起こることが再現され、顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下で良好な光学特性が得られることが再現された。即ち、本試験例における顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値と焼結体の光学特性との関係は試験例2、3と同様であった。
一方、試験例2における実施例25〜32及び比較例6と、実施例49〜56及び比較例10、11とは最終組成が同一であるが、顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値がそれぞれ0.3MPa以上、6MPa以下となる顆粒体調製条件の範囲がずれている。即ち、例えば顆粒体の圧壊強度の最小値が0.4MPaとなる顆粒体調製条件は、試験例2では実施例25の条件(混合時間10時間、仮焼温度1100℃)であるのに対して、本試験例では実施例50の条件(混合時間12時間、仮焼温度900℃)となる。また、顆粒体の圧壊強度の最大値が4.6MPaとなる顆粒体調製条件は、試験例2では実施例32の条件(混合時間48時間、仮焼温度1200℃)であるのに対して、本試験例では実施例56の条件(混合時間48時間、仮焼温度1000℃)となる。上記顆粒体の最小値、最大値が上記所定の範囲となる顆粒体調製条件として、本試験例の方が試験例2よりも仮焼温度が低くなる傾向がある。
同様に、試験例3における実施例41〜48及び比較例9と、実施例57〜64及び比較例12とは最終組成が同一であるが、顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値がそれぞれ0.3MPa以上、6MPa以下となる顆粒体調製条件の範囲がずれている。即ち、例えば顆粒体の圧壊強度の最小値が0.5MPaとなる顆粒体調製条件は、試験例3では実施例42の条件(混合時間12時間、仮焼温度1200℃)であるのに対して、本試験例では実施例57の条件(混合時間6時間、仮焼温度1350℃)となる。また、顆粒体の圧壊強度の最大値が4.9MPaとなる顆粒体調製条件は、試験例3では実施例48の条件(混合時間48時間、仮焼温度1300℃)であるのに対して、本試験例では実施例64の条件(混合時間48時間、仮焼温度1450℃)となる。上記顆粒体の最小値、最大値が上記所定の範囲となる顆粒体調製条件として、本試験例の方が試験例2よりも仮焼温度が高くなる傾向がある。
これは出発原料の素姓が異なっていることによるものと推察される。
以上のことから、それまでとは素姓の異なる出発原料を用いる場合、それまでの顆粒体調製条件では光学特性の良好な焼結体が得られないことがあるところ、その素姓の異なる出発原料から調製した焼結用原料の顆粒体の圧壊強度の最小値、最大値が所定の範囲に入る製造ロット品を用いるようにすると確実に光学特性の良好な焼結体が得られることが分かった。
なお、これまで本発明を実施形態をもって説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
11 ばね
12 サンプル台
13 微小力検出ロードセル
14 圧子
P 顆粒体

Claims (7)

  1. 1種又は複数種類の金属酸化物粉末から形成される多数の顆粒体からなる焼結用原料の製造ロット品ごとに数個の顆粒体をサンプリングして該サンプリングした顆粒体それぞれの圧壊強度を測定し、該測定した顆粒体の圧壊強度の最小値が0.3MPa以上、かつ最大値が6MPa以下である製造ロット品を選定し、この選定した製造ロット品の焼結用原料を型に充填して加圧成形し、焼結して透明セラミックスを製造することを特徴とする透明セラミックスの製造方法。
  2. 上記1種又は複数種類の金属酸化物粉末は、焼結により立方晶の金属酸化物となることを特徴とする請求項1記載の透明セラミックスの製造方法。
  3. 上記焼結用原料は、更に焼結助剤を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の透明セラミックスの製造方法。
  4. 上記顆粒体は、1種又は複数種類の金属酸化物粉末を混合処理及び/又は粉砕処理を1回以上施し、焼結温度より低い温度で1回以上仮焼して得たものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の透明セラミックスの製造方法。
  5. 上記選定した製造ロット品の焼結用原料を等方圧加圧して成形し、焼結して透明セラミックスを製造する請求項1〜4のいずれか1項記載の透明セラミックスの製造方法。
  6. 上記選定した製造ロット品の焼結用原料をブロック状、バルク状、ロッド状又はペレット状の形状に成形することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の透明セラミックスの製造方法。
  7. 上記透明セラミックスは、光路長10mm当たりの波長1064nmの光の直線透過率が60%以上である請求項1〜6のいずれか1項記載の透明セラミックスの製造方法。
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