JPH07305252A - ジェットルームにおける緯入れミス糸の処理方法及び処理装置 - Google Patents

ジェットルームにおける緯入れミス糸の処理方法及び処理装置

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JPH07305252A
JPH07305252A JP11352494A JP11352494A JPH07305252A JP H07305252 A JPH07305252 A JP H07305252A JP 11352494 A JP11352494 A JP 11352494A JP 11352494 A JP11352494 A JP 11352494A JP H07305252 A JPH07305252 A JP H07305252A
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weft
yarn
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nozzle
miss
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JP11352494A
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English (en)
Inventor
Masami Niihara
正己 新原
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジェットルームを高速化しても、ミス糸を給
糸カッタにより比較的簡単な動作で確実に切断する。 【構成】 緯入れ用メインノズル2の噴射口2aの揺動
軌跡ほぼ全域に沿って延設されたガイド部材30は、給
糸カッタ26側で噴射口2aから離間するように比較的
大きく屈曲された傾斜部を形成して給糸カッタ26に接
続されている。緯入れミス発生時に緯入れ阻止されてそ
の一部を緯糸導入ダクト14、エアダクト15及び吸引
パイプ16を通ってブローノズル17からの噴射エアに
晒されて緯入れ用メインノズル2からガイド部材30を
介して導入口14aに連なる緯糸Y1 は、スレイ1の揺
動に伴いガイド部材30に沿って給糸カッタ26に向か
って摺動案内される。緯糸Y1 が傾斜部を摺動案内され
るときにブローノズル17が停止されて緯糸Y1 にかか
る張力が弛められ、傾斜部を通過後に再びブローノズル
17が作動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は織布に織り込まれた緯入
れミスの緯糸を除去処理するジェットルームにおける緯
入れミス糸の処理方法及び処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ジェットルームでは緯入れミスが発生す
ると、緯糸検出器からの緯入れミス検出信号に基づいて
機台が停止される。高速駆動するジェットルームでは、
制動時にその駆動系を構成する各部がその際の衝撃力に
より破損することを防止するため、機台は緯入れミスが
検知された時から一回転以上の惰性動作を伴って停止さ
れる。そのため、機台が停止されるまでに緯入れミスし
た緯糸(以下、単にミス糸という)が筬打ちされて織布
に織り込まれるとともに、メインノズルから後続の緯糸
が射出される。
【0003】後続緯糸はその射出時に緯入れ方向と直交
する方向から噴射されたブローノズルからの噴射エアに
よりその進路が変更されるとともに、ブローノズルの噴
射口に対向配置された吸引ダクト内に吸引されてその緯
入れが阻止される。その後、ミス糸の口出しが行われ、
メインノズルから吸引ダクトに連なる後続緯糸がメイン
ノズルから切断分離されて吸引ダクト内に吸引除去され
ることにより、後続緯糸に繋がるミス糸が経糸開口内か
ら除去される(例えば特開昭62−53444号公報
等)。
【0004】後続緯糸をメインノズルから切断分離する
方法には、後続緯糸をメインノズルの先端近傍にて切断
可能にメインノズルの先端部やスレイ上に設置された専
用カッタによる方法と、織布の織前と対応する位置に設
置された緯入れ糸切断用の給糸カッタを利用する方法と
がある。
【0005】専用カッタには固定刃式と可動刃式とがあ
るが、固定刃式のものは切断能力が低くデニム糸やガラ
ス繊維糸の切断に充分対応できず、可動式のものはスレ
イと一体に高速揺動される際の激しい衝撃により故障し
易いという難点がある。そのため、切断能力及びジェッ
トルームの高速化を考慮すると、可動刃式の給糸カッタ
により緯入れミス糸の切断処理を行うことが望ましい。
【0006】特開昭62−53444号公報及び特開昭
62−156340号公報には、メインノズルの揺動軌
跡全域に沿ってガイド部材を延設し、このガイド部材に
後続緯糸を給糸カッタの作用域まで摺動案内させて給糸
カッタにて切断させるミス糸の切断処理装置が開示され
ている。
【0007】特開昭62−53444号公報によると、
図10に示すようにメインノズル41の揺動軌跡全域に
沿ってガイド部材42が延設され、ブロー管43からの
噴射エアによりメインノズル41からの後続緯糸はガイ
ド部材42を介して吸引パイプ44に連なる状態とされ
る。そして、メインノズル41及び吸引パイプ44の移
動に伴い後続緯糸がガイド部材42上を給糸カッタ45
まで摺動案内されて後続緯糸を給糸カッタ45により切
断するようにしている。ガイド部材42は固定ブラケッ
ト46側からその中間部付近までスレイの揺動方向に平
行となるように、かつ中間部から給糸カッタ45の先端
まではメインノズル41の噴射口から緯入れ方向に徐々
に離間するようにその中間部にて若干屈曲されている。
メインノズル41からの緯糸射出はガイド部材42の中
間部より固定ブラケット46側で行われ、ブロー管43
からの噴射エアがガイド部材42に妨げられずそのブロ
ー可能領域が確保されるようにガイド部材42をその中
間部付近から屈曲させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、後続緯糸の
緯入れを確実に阻止するためには、ブロー管43からの
噴射エアを後続緯糸の射出完了まで供給することが好ま
しい。ジェットルームの高速化を図る場合、メインノズ
ルの緯糸射出開始から射出完了までの移動距離がスレイ
の高速化に伴い長くなるため、ブロー可能領域を確保す
るためには機台高速化に伴ってガイド部材42をより給
糸カッタ45側の位置から屈曲させる必要がある。この
屈曲部の位置を給糸カッタ45側に変位させるに連れて
給糸カッタ45方向へのガイド部材42の屈曲角度が大
きくなるため、吸引パイプ44に吸引されて張力が付与
された状態でガイド部材42上を摺動する後続緯糸が比
較的大きな屈曲角で給糸カッタ45方向へ屈曲して延び
る傾斜部を越えられなくなる虞れがある。後続緯糸がそ
の傾斜部を越えられず引っ掛かった状態となった場合に
は後続緯糸の切断が行われず次の緯入れができないとい
う問題がある。
【0009】また、ガイド部材に依らず後続緯糸を給糸
カッタによりメインノズルから切断分離する方法が特開
平4−370247号公報に開示されている。図11に
示すように、この方法によるとミス糸の口出し後にメイ
ンノズルから経糸開口内に新たに緯糸を供給し、その経
糸開口内にできた緯糸のループを筬打ちしてメインノズ
ルからの緯糸を給糸カッタまで運ぶようにしている。し
かし、この方法によると図11に示すように、口出し後
に緯糸の解舒、切断動作及び再度の口出しを行う必要が
あり、ミス糸の処理時間が長くなるうえ制御が複雑にな
るという問題がある。また、切断時に図11の実線のよ
うに機台を正転させる場合には、緯糸が経糸開口内にル
ープ状に供給された状態で2回筬打ちされるため、ミス
糸処理を行った部位に杼間等の欠点が発生し易いという
問題がある。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的はジェットルームを高速化
しても、ミス糸を給糸カッタにより比較的簡単な動作で
確実に切断することができるジェットルームにおける緯
入れミス糸の処理方法及び処理装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、メインノズルの噴射口か
ら射出される緯糸に対して交差する方向から噴射流体を
噴射する流体噴射手段と、該流体噴射手段の噴射口と対
向する位置に導入口を備えた緯糸吸引手段とをスレイ上
に装着し、緯入れミス発生時に前記流体噴射手段からの
噴射流体により緯入れ阻止されてメインノズルから導入
口に連なるミス糸を、緯入れされた緯糸を緯入れ毎にメ
インノズルから切断分離する給糸カッタに案内するガイ
ド部材をメインノズルの噴射口の揺動域ほぼ全域に沿っ
て延設するとともに、上下方向においてメインノズルの
噴射口に対して前記導入口側に位置し、且つ緯入れ方向
においてメインノズルの噴射口の揺動軌跡の緯入れ範囲
側で前記流体噴射手段の噴射口よりメインノズル側に位
置してスレイの揺動方向とほぼ平行に延びるとともに、
前記給糸カッタ側でメインノズルの噴射口の揺動軌跡に
対して給糸カッタ側ほど離間する傾斜部を形成して前記
給糸カッタに至るように位置設定し、緯入れミス発生時
に前記流体噴射手段からの噴射流体により緯入れ阻止さ
れたミス糸をメインノズルの噴射口から前記ガイド部材
を介して導入口に連なる状態とし、該ミス糸をスレイの
揺動に伴いガイド部材に沿って給糸カッタの切断作用域
まで案内して給糸カッタにより切断するジェットルーム
における緯入れミス糸の処理方法において、前記ミス糸
が前記給糸カッタの切断作用域に向かって前記ガイド部
材に摺動案内される過程で、少なくとも前記傾斜部に摺
動案内されるときに当該ミス糸の張力を弛めるととも
に、前記給糸カッタによる切断時までに再び張力を付与
して当該ミス糸を緊張状態で切断するようにした。
【0012】請求項2に記載の発明では、メインノズル
の噴射口から射出される緯糸に対して交差する方向から
噴射流体を噴射する流体噴射手段と、該流体噴射手段の
噴射口と対向配置された導入口を備えた緯糸吸引手段と
をスレイ上に装着し、緯入れされた緯糸を緯入れ毎にメ
インノズルから切断分離する給糸カッタの切断作用域へ
メインノズルから導入口に連なる緯糸を案内するガイド
部材をメインノズルの噴射口の揺動域ほぼ全域に沿って
延設するとともに、上下方向においてメインノズルの噴
射口に対して前記導入口側に位置し、且つ緯入れ方向に
おいてメインノズルの噴射口の揺動軌跡の緯入れ範囲側
で前記流体噴射手段の噴射口よりメインノズル側に位置
してスレイの揺動方向とほぼ平行に延びるとともに、前
記給糸カッタ側でメインノズルの噴射口の揺動軌跡に対
して給糸カッタ側ほど離間する傾斜部を形成して前記給
糸カッタに至るように位置設定し、前記流体噴射手段か
らの噴射流体により緯入れ阻止されてメインノズルから
前記導入口に連なる状態で前記ガイド部材により前記給
糸カッタに向かって摺動案内されるミス糸が、少なくと
も前記傾斜部を摺動案内されるときに当該ミス糸にかか
る張力を弛める糸張力解放手段を設けた。
【0013】請求項3に記載の発明では、前記糸張力解
放手段は前記緯糸吸引手段と、前記ガイド部材に摺動案
内された前記メインノズルから前記導入口に連なる前記
ミス糸が少なくとも前記傾斜部を摺動案内されるときに
前記緯糸吸引手段による吸引力を停止させる制御手段と
から構成した。
【0014】
【作用】上記構成により請求項1に記載の発明によれ
ば、緯入れミス発生時にメインノズルの噴射口から緯入
れミスの緯糸に後続して射出されたミス糸は、流体噴射
手段の噴射口からの噴射流体により緯入れ方向と交差す
る方向へ進路変更されてその緯入れが阻止される。緯入
れ阻止された緯糸は緯糸吸引手段の導入口内に吸引され
た状態で捕捉され、メインノズルの噴射口からガイド部
材を介して導入口に連なる状態となる。メインノズルか
らガイド部材を介して導入口に連なるミス糸は、スレイ
の揺動に伴い給糸カッタに向かってガイド部材に摺動案
内される。その際、ミス糸が少なくとも傾斜部を摺動案
内されるときに糸張力解放手段によりミス糸の張力が弛
められるので、ガイド部材上を摺動案内されるミス糸と
傾斜部との摺動摩擦は大きくならない。従って、ガイド
部材に摺動案内されるミス糸は傾斜部に引っ掛かること
なく給糸カッタの切断作用域まで搬送される。そして、
給糸カッタによる切断時までにミス糸に再び張力が付与
されるので、ミス糸は緊張状態で切断され、通常の緯入
れ糸切断時と同じ位置でメインノズルから切断分離され
る。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、流体噴射
手段からの噴射流体により緯入れ阻止されてメインノズ
ルからガイド部材を介して導入口に連なるミス糸は、ス
レイの揺動に伴い給糸カッタに向かってガイド部材に摺
動案内される。その際、ミス糸が少なくとも傾斜部に摺
動案内されるときに、糸張力解放手段によりミス糸の張
力が弛められるので、ガイド部材に摺動案内されるミス
糸と傾斜部との摺動摩擦が大きくならない。従って、ガ
イド部材に摺動案内されるミス糸は傾斜部に引っ掛かる
ことなく給糸カッタの切断作用域まで搬送されて給糸カ
ッタにより切断される。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、メインノ
ズルからガイド部材を介して導入口に連なるミス糸が少
なくとも傾斜部に摺動案内されるときに、制御手段によ
り緯糸吸引手段による吸引力が停止されてミス糸の張力
が弛められるので、傾斜部に摺動案内されるミス糸と傾
斜部との摺動摩擦が大きくならない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図7に従って説明する。図1に示すように、緯糸Yを緯
入れする緯入れ用メインノズル2はスレイ1の一端側に
装着されている。緯入れ用メインノズル2には緯糸チー
ズ(図示せず)の前方に設置された巻付方式の緯糸測長
貯留装置3に測長貯留された緯糸Yが供給されるように
なっている。スレイ1上には緯入れ後の緯糸Yを案内す
る変形筬4が立設され、その緯糸案内通路4aに緯入れ
用メインノズル2から緯入れタイミングに同期して緯糸
Yが射出されるようになっている。緯糸測長貯留装置3
を構成する糸巻付管3a(図2に示す)の回転に伴い糸
巻付管3aから繰り出されてドラム5の糸巻付面5aに
巻き付けられた緯糸Yは、電磁ソレノイド6により駆動
される係止ピン6aの出没によって引き出し制御される
ようになっている。係止ピン6aの近傍には糸巻付面5
aから引き出された緯糸Yの巻数を検知する巻径センサ
7が配設されている。
【0018】ドラム5と緯入れ用メインノズル2の間に
は、一対の糸案内リング8,9間を通る緯糸Yと交差す
る方向に揺動するフォーク10を備えた糸制動装置11
が配設されている。フォーク10は緯糸Yから離間した
状態に付勢され、電磁ソレノイド12の励磁により緯糸
Yと係合可能な位置まで回動されて緯入れ時の最終段階
の緯糸Yに制動が加えられるようになっている。
【0019】図1に示すように、緯入れ用メインノズル
2の噴射領域の上下には流体噴射手段を構成する緯入れ
阻止ノズル13及び緯糸吸引手段を構成する緯糸導入ダ
クト14が対向配置されている。緯糸導入ダクト14の
排出口14b後方にはエアガイド15が設置されてい
る。エアガイド15の後方には吸引パイプ16が設置さ
れており、その湾曲部には糸張力除去手段及び緯糸吸引
手段を構成するブローノズル17がダストボックス(図
示せず)を指向するように接続されている。
【0020】緯入れ用メインノズル2、緯入れ阻止ノズ
ル13、緯糸導入ダクト14、エアガイド15及び吸引
パイプ16はいずれもスレイ1上に装着されており、ス
レイ1の揺動に伴って一体的に揺動する。これら各部材
2,13〜16の揺動領域の後方には緯糸引き取りモー
タ18及びエアシリンダ19が機台上に設置されてい
る。緯糸引き取りモータ18の駆動軸18aには一対の
プーリ20,21及びタイミングベルト22を介して駆
動ローラ23が回動可能に作動連結されており、エアシ
リンダ19のピストロッド19a(図2に図示)には被
動ローラ24が駆動ローラ23と接合可能に取り付けら
れている。エアシリンダ19の側面には検出アーム25
aを揺動可能に備えた糸検出装置25が装着されてい
る。
【0021】駆動ローラ23と被動ローラ24は、スレ
イ1が最後退位置に配置された状態において緯糸導入ダ
クト14とエアガイド15との間を挟んで対向配置され
るように設定されている。検出アーム25aの先端部は
スレイ1が最後退位置に配置される際にエアガイド15
と吸引パイプ16との間を掃過可能に設定されている。
【0022】図1に示すように、織布Wの織前W1 側方
には緯入れ毎に作動される給糸カッタ26が配設されて
おり、緯糸案内通路4a内へ緯入れされた緯糸Yが織前
1に筬打ちされるとほぼ同時に緯糸Yが給糸カッタ2
6により緯入れ用メインノズル2から切断分離されるよ
うになっている。給糸カッタ26は固定刃27及び可動
刃28を備え、引張バネ(図示せず)により固定刃27
に対して開放状態に付勢された可動刃28が電磁ソレノ
イド29(図2に示す)の励磁により固定刃27側に回
動されることにより切断動作するようになっている。
【0023】図3に示すように、ガイド部材30は緯入
れ用メインノズル2の噴射口2aの揺動軌跡全域に沿っ
て配設されており、その第1端部が固定刃27に締付固
定されるとともに、第2端部側が変形筬4の緯入れ側端
部に開口された挿通窓4bを通り、固定ブラケット31
に締付固定されている。
【0024】図1及び図3に示すように、ガイド部材3
0は固定ブラケット31側からその中間部よりも給糸カ
ッタ26寄りの屈曲部30aまでスレイ1の揺動方向に
平行となっている。ガイド部材30は屈曲部30aから
給糸カッタ26の先端側に向かって屈曲して緯入れ方向
において緯入れ用メインノズル2の噴射口2aから給糸
カッタ26側ほど離間する傾斜部30bを形成し、給糸
カッタ26の先端付近でスレイ1の揺動方向にほぼ平行
となり固定刃28に接続されている。この屈曲部30a
から固定ブラケット31側において緯入れ用メインノズ
ル2からの緯糸射出が行われるとともに、緯入れ阻止ノ
ズル13からのエア噴射が行われる。本実施例では機台
の高速化に対応し、緯入れ用メインノズル2から射出中
の緯糸Yに緯入れ阻止ノズル13からの圧縮エアがその
射出完了時まで当たるように図3に示す「ブロー可能領
域」を広く確保するため、屈曲部30aをガイド部材3
0の中間部より給糸カッタ26寄りに位置設定してあ
る。そのため、スレイ1の揺動方向に対する傾斜部30
bの傾斜角度θ(図4に示す)が比較的大きくなってい
る。
【0025】図1及び図5に示すように、ガイド部材3
0の下縁は固定刃27との接続部位から挿通窓4bを通
って固定ブラケット31至る範囲で曲面に形成された糸
案内面30cとなっており、糸案内面30cは給糸カッ
タ26との接続部位で固定刃27の刃部とはほぼ同じ高
さに位置している。糸案内面30cは鉛直方向(図5の
上下方向)において緯入れ用メインノズル2の噴射口2
aの揺動軌跡と吸引導入ダクト14の導入口14aの揺
動軌跡との間に設定されている。また、図3及び図5に
示すように糸案内面30cは「ブロー可能領域」では緯
入れ方向(図3の上下方向)において緯入れ用メインノ
ズル2の噴射口2aの揺動軌跡と緯入れ阻止ノズル13
の噴射口13aの揺動軌跡との間に設定されている。
【0026】図2に示すように、緯入れ末端側には緯糸
検出器32が設置され、緯入れが正常に行われた際の緯
糸Yの先端が緯糸検出器32により検知されるようにな
っている。緯入れ用メインノズル2、緯入れ阻止ノズル
13及びブローノズル17への圧力エア供給は二方弁型
の電磁バルブV1 ,V2 ,V3 を介して行われ、エアシ
リンダ19への圧力エア供給は三方弁型の電磁バルブV
4 を介して行われる。電磁バルブV1 〜V4 は圧縮空気
供給源(図示せず)に接続されている。また、織機制御
コンピュータCには機台駆動用の機台モータM及び機台
回転角度検出用のロータリエンコーダEが接続されてい
る。織機制御コンピュータCは巻径センサ7,糸検出装
置25、緯糸検出器32、ロータリエンコーダEからの
検出信号に応答して電磁バルブV1 〜V4 ,モータ1
8,M及び電磁ソレノイド6,12,29の励消磁制御
を行うようになっている。
【0027】次に、上記のように構成された装置の作用
を説明する。緯入用メインノズル2から射出された緯糸
Yが正常に緯入れされた場合には、その緯糸Yが変形筬
4により筬打ちされて織布Wの織前W1 に織り込まれ
る。そして、筬打ちされた緯糸Yが緯入用メインノズル
2の先端近傍にて給糸カッタ26により切断分離され、
以後の織成動作が継続される。
【0028】緯糸Yが反メインノズル側の所定位置まで
到達しないといった緯入れミスが発生した場合には、そ
の緯入れミスは緯糸検出器32により検出され、緯糸検
出器32からの緯入れミス検出信号に基づいて機台モー
タMの駆動が停止される。機台は緯入れミス検出信号が
発せられた後、惰性回転してそのミス糸Ym を織布Wに
筬打ちし、さらにスレイ1がほぼ1往復動して織前W1
直前で停止する。すなわち、図6に示すようにスレイ1
が最後退位置(クランク角180°)から前進する際に
射出された緯入れミスの緯糸Ym は、クランク角290
°付近で緯糸検出器32により検出され、機台は緯入れ
ミス検出信号が発せられた後、ほぼ1回ほど惰性回転し
て次の1回転域の筬打ち直前のクランク角300°近く
で停止する。この機台停止までの間に緯入れ用メインノ
ズル2から後続して射出された後続緯糸Y1 の経糸開口
内への緯入れが阻止される。
【0029】すなわち、図7に示すように、クランク角
290°付近で緯入れミス検出信号により電磁ソレノイ
ド29は消磁状態のままとされ、ミス糸Ym がクランク
角0°で筬打ちされても給糸カッタ26が作動されない
ので、ミス糸Ym は切断分離されず緯入れ用メインノズ
ル2に繋がったままの状態となる。そして、次の1回転
域でスレイ1が最後退位置(クランク角180°)に到
達するまでに電磁バルブV2 ,V3 が消磁状態から励磁
状態とされ、緯入れ阻止ノズル13と緯糸導入ダクト1
4との間には緯入れ経路を横切る強力な空気流が発生す
るとともに、吸引パイプ16の入口側に吸引空気流が発
生する。スレイ1が最後退位置からの前進する過程で緯
入れ用メインノズル2から射出された後続緯糸Y1 は、
緯入れ阻止ノズル13からの噴射空気流により強制的に
緯糸導入ダクト14の導入口14aに導入されて経糸開
口内へのその緯入れが阻止される。
【0030】導入ダクト14aの導入口14aから導入
された後続緯糸Y1 は、導入ダクト14aの排出口14
bからエアガイド15内を通って吸引パイプ16内に導
入され、吸引パイプ16内でブローノズル17からの圧
力エアによりダストボックスへ向かって吹きさらされた
状態とされる。ここで、緯入れ阻止ノズル13からの空
気噴射は、スレイ1が停止時の1回転域の最後退位置
(クランク角180°)に位置するときから緯入れ用メ
インノズル2の噴射口2aがガイド部材30の屈曲部3
0aと対応する位置に到達する図3に示す「ブロー可能
領域」にて行われる。この「ブロー可能領域」で緯入れ
用メインノズル2から射出された後続緯糸Y1 は、噴射
口2aからガイド部材30の下方を通過した後に強制的
に緯糸導入ダクト14の導入口14a側へ進路変更さ
れ、ガイド部材30の織布W側を経由して導入口14a
から緯糸導入ダクト14内に導入される。また、緯入れ
阻止ノズル13からの空気噴射はガイド部材30に衝突
することがないので、吸引パイプ16内への緯糸Y1
導入は支障なく円滑に行われる。そして、機台がクラン
ク角300°近くで停止された状態では、後続緯糸Y1
は緯入れ用メインノズル2の噴射口2aからガイド部材
30の糸案内面30cを介して緊張状態で緯糸導入ダク
ト14の導入口14aに連なった状態となる。
【0031】こうして機台が停止されると、次に図6及
び図7に示すように機台モータMがが機台停止時のクラ
ンク角300°から緯入れミスの1回転域のクランク角
180°まで、すなわちスレイ1がその停止位置から逆
方向にほぼ1往復半揺動して緯入れミスの1回転域の最
後退位置に到達するまで低速度で逆転駆動される。その
際、緯糸導入ダクト14の導入口14aに吸引されてガ
イド部材30の糸案内面30cに緊張状態に密接する後
続緯糸Y1 は、糸案内面30c上を摺動案内され、その
途中で給糸カッタ26の作用域まで案内される。
【0032】スレイ1が停止時の1回転域を最後退位置
から最前進位置まで戻る過程では、緯入れ用メインノズ
ル2は図3に実線で示す位置から同図右方向へ移動す
る。その際、ガイド部材30の糸案内面30cに摺動案
内される緯糸Y1 は緯入れ方向において噴射口2aの揺
動軌跡に対して徐々に離間する比較的大きな傾斜角θと
なる傾斜部30bにて摺動案内される。図7に示すよう
にメインノズル2の噴射口2aが屈曲部30aと対応す
る位置より少し手前の例えばクランク角90°の位置に
到達すると、電磁バルブV3 が励磁状態から消磁状態と
されてブローノズル17からのエア噴射が停止される。
その結果、緯入れ用メインノズル2から糸案内面30c
を介して緯糸導入ダクト14に連なる緯糸Y1 の緊張状
態が解消されて弛緩した状態となる。
【0033】図4に示すように、緯糸Y1 が傾斜部30
bを摺動案内される過程では、緯入れ用メインノズル2
の噴射口2aからガイド部材30までの距離が徐々に長
くなっている。そのため、噴射口2aから糸案内面30
aを介して導入口14aに至る部位にて必要となる緯糸
1 の長さが傾斜部30bを摺動するに伴い徐々に長く
なるので、緯糸Y1 は糸案内面30c上を摺動するに連
れて導入口14aから徐々に引き出される方向に引っ張
られる。しかし、緯糸Y1 はブローノズル17からのエ
ア噴射が停止されて導入口14a側で何ら外力を受けな
い自由状態にあり糸案内面30c側への引っ張りに応じ
た必要な量だけ導入口14aから引き出されるので、傾
斜部30bでも糸案内面30cとの間に大きな摺動摩擦
が起こらない。そのため、緯糸Y1 は糸案内面30cと
の摺動抵抗が小さな状態で傾斜部30bにて引っ掛かる
ことなく、糸案内面30cに軽く接触して滑るような状
態で傾斜部30bを摺動案内される。
【0034】図4及び図7に示すように、緯糸Y1 が傾
斜部30bを摺動案内されて通り過ぎた例えばクランク
角50°付近で電磁バルブV3 が消磁状態から励磁状態
とされ、ブローノズル17から吸引パイプ16内の緯糸
1 に再び圧力エアが噴射される。その結果、緯入れ用
メインノズル2の噴射口2aから緯糸導入ダクト14の
導入口14aに連なった緯糸Y1 が緊張して再び緯糸Y
1 に張力が付与される。そして、緯糸Y1 は張力がかか
って緊張した状態で給糸カッタ26の作用域内に運ばれ
る。
【0035】そして、緯入れ用メインノズル2の噴射口
2aが織前W1 と対応する位置(クランク角40°付
近)まで到達すると、電磁ソレノイド29が励磁されて
給糸カッタ26の可動刃28が駆動されて緯糸Y1 が緯
入れ用メインノズル2の先端近傍にて切断分離される。
その際、可動刃28の移動方向にほぼ直交する緯糸Y1
が緊張する状態でその切断が行われるので、緯糸Y1
緯入れ用メインノズル2から切断ミスなく確実に切断分
離される。また、緊張した状態で切断分離された緯糸Y
1 の切断位置は、通常の緯入れ時の切断位置とほぼ同じ
になるので、その後の機台再起動時に緯入れ用メインノ
ズル2の噴射口2aからの糸長が正常時よりも長い場合
に生じ易い緯入れミスが防止される。
【0036】その後、スレイ1が最前進位置(クランク
角0°)に到達すると、ミス糸Ymが口出しされ、さら
にスレイ1はミス糸Ym が口出しされた状態でその最前
進位置で折り返し、緯入れミスの1回転域の最後退位置
(クランク角180°)まで後退して機台モータMが駆
動停止される。その後退途中で糸検出装置25が作動さ
れ、スレイ1が最後退位置に到達する際に、検出アーム
25aがエアガイド15と吸引パイプ16との間に連な
る緯糸Y1 に押圧されて傾動し、糸検出装置25から織
機制御コンピュータCに糸検出信号が出力される。この
糸検出信号に基づき織機制御コンピュータCにより電磁
バルブV4 の励消磁制御が行われ、エアシリンダ19が
伸長駆動されて被動ローラ24が下降される。そして、
緯糸導入ダクト14の排出口14bとエアガイド15と
の間に連なった緯糸Y1 が被動ローラ24と駆動ローラ
23との間に把持されると、緯糸引き取りモータ18が
駆動される。各ローラ23,24の回転による引っ張り
力により緯糸Y1 とともに口出しされた経糸開口内から
ミス糸Ym が引き剥がされて緯糸導入ダクト14内に除
去される。
【0037】緯糸Y1 及びミス糸Ym が各ローラ23,
24間を通過し終わると、検出アーム25aの傾動が解
除されて糸検出信号の出力が停止され、この糸検出信号
の出力停止に基づき緯糸引き取りモータ18が駆動停止
されるとともにエアシリンダ19が収縮駆動される。そ
して、緯糸Y1 及びミス糸Ym がブローノズル17から
のエア噴射流によりダストボックス内に全て回収された
所定時間経過後、電磁バルブV3 が励磁状態から消磁状
態とされてブローノズル17からのエア噴射が停止され
る。
【0038】糸検出装置25からの糸検出信号の出力停
止に基づき織機制御コンピュータCにより機台モータM
が緯入れミスの1回転域のクランク角180°からその
前の1回転域のクランク角300°近くの所定位置まで
再び低速で逆転駆動される。スレイ1がクランク角30
0°の位置で停止すると、機台モータMが通常運転時の
条件で駆動されて機台が再起動される。機台の再起動時
には緯入れミスの1回転域の前の1回転のクランク角3
00°近くから行われるので、緯入れミスの経糸開口内
に新たに緯入れされた緯糸Yの筬打ち時に機台駆動速度
が充分な速度に達し、その緯糸Yは充分な強さで筬打ち
される。
【0039】以上詳述したように本実施例の装置によれ
ば、緯糸Y1 が傾斜部30bを摺動案内される際に、ブ
ローノズル17からのエア噴射を停止させて導入口14
a側での緯糸Y1 の規制を解除したので、傾斜角θが比
較的大きくても緯糸Y1 と傾斜部30bでの糸案内面3
0cとの摩擦抵抗を比較的小さく維持することができ
る。その結果、緯糸Y1 は傾斜部30bでの糸案内面3
0cに軽く接触して滑るように摺動して給糸カッタ26
の作用域まで案内されるので、緯糸Y1 が傾斜部30b
に引っ掛かって発生する緯糸Y1 の切断ミスをほぼ確実
に防止することができる。
【0040】また、傾斜部30bの傾斜角θを比較的大
きく設定しても緯糸Y1 が傾斜部30bに引っ掛かるこ
とが防止されることから、ガイド部材30の屈曲位置を
給糸カッタ26寄りに設定することにより後続緯糸Y1
の緯入れ阻止に必要となる「ブロー可能領域」を広く確
保することができる。従って、機台高速下での後続緯糸
1 の緯入れ阻止に必要となる緯入れ阻止ノズル13の
ブロー時間が確保されるので、機台の高速化に対応する
ことができる。よって、ガイド部材30を配設する織機
において機台の高速化を図ることができる。
【0041】また、本実施例によれば特開平4−370
247号公報に開示の緯糸切断方法と異なり、ミス糸Y
m の口出し後に緯糸Yの解舒、切断動作及び口出し動作
などの余分な動作を行う必要がなく、ミス糸Ym の口出
し動作の途中でブローノズル17のエア噴射を停止させ
るだけの比較的簡単な処理動作で済む。さらに、この従
来装置で図11に実線で示す口出し後の切断動作時に機
台を正転させた場合のように、経糸開口内に解舒された
ループ状態の緯糸が2度にわたって筬打ちされることな
く、ミス糸Ym の最低限の筬打ちで済ませることができ
る。その結果、杼間等の織布の欠点の発生を防止するこ
とができ、良質な織布の織成が可能となる。
【0042】また、緯入れミスの緯糸Ym を緯入れ毎に
切断する給糸カッタ26により切断する構成なので、ミ
ス糸切断用の専用カッタを設置する必要がない。また、
給糸カッタ26は機台に固定され、スレイ1や緯入れ用
メインノズル2に設置した可動刃式の専用カッタのよう
に激しい振動を受けることがないので、振動に起因する
切断能力の低下等の不具合の発生を防止することができ
る。
【0043】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに構成することもできる。 (1)図8に示すように緯糸Y1 の張力除去を、ブロー
ノズル17を作動させた状態で電磁ソレノイド6及び電
磁バルブV1 を共に励磁させて緯入れ用メインノズル2
から例えば1巻分か2巻分かの所定量の緯糸Yを解舒さ
せることにより行ってもよい。この場合、解舒された緯
糸Yにより傾斜部30bでの摺動摩擦が所定以上に大き
くならない。また、ブローノズル17からのエア噴射を
低減又は停止した状態で緯入れ用メインノズル2から緯
糸Yを解舒してもよい。
【0044】(2)緯糸引き取りモータ18、エアシリ
ンダ19、駆動ローラ23及び被動ローラ24等からな
る緯糸引き取り装置をスレイ1上に設置するとともに緯
糸引き取りモータ18を正逆転可能に構成する。そし
て、図9に示すように緯糸Y1が傾斜部30bを摺動案
内される際に、エアシリンダ19の駆動により駆動ロー
ラ23と被動ローラ24との間に把持した緯糸Y1 を緯
糸引き取りモータ18を逆転駆動させて導入口14a側
に送り出すことにより緯糸Y1 の張力除去を行ってもよ
い。
【0045】(3)前記実施例で、スレイ1の揺動位置
に関係なく緯糸導入ダクト14とエアガイド15との間
に連なる緯糸Y1 を把持可能に駆動ローラ23及び被動
ローラ24を軸方向に長く延出させ、図9に示す駆動制
御を行ってもよい。この構成によれば、緯糸Y1 が傾斜
部30bを摺動案内される手前で、スレイ1と共に移動
する排出口14bとエアガイド15間に連なる緯糸Y1
を駆動ローラ23と被動ローラ24とにより把持可能と
なり、導入口14a側への緯糸Y1 の送出が可能とな
る。このとき、スレイ1と共に移動する緯糸Y1 を把持
すると、把持した緯糸Y1 がスレイ1の移動により引っ
張られて緯入れ用メインノズル2との間で切断される虞
れがあるが、予め駆動ローラ23を逆方向に回転させた
状態で被動ローラ24を下降させて緯糸Y1 を把持すれ
ば、把持と同時に緯糸Y1 は導入口14a側に送出され
るので、このような緯糸Y1 の切断は回避できる。ま
た、緯糸導入ダクト14とエアガイド15との間に連な
る緯糸Y1 をスレイ1の揺動位置に関係なく駆動ローラ
23と被動ローラ24とにより把持可能な位置に案内す
るガイドを設けてもよい。機台停止後にスレイ1が最初
に最後退位置に配置されたときに排出口14bとエアガ
イド15間に連なる緯糸Y1 をガイドに引っ掛け、緯入
れ用メインノズル2からの緯糸Y1 が傾斜部30bを摺
動案内されるときにガイドに案内された緯糸Y1 を両ロ
ーラ23,24に把持して導入口14a側に送出すれば
よい。
【0046】(4)前記実施例のようにブローノズル1
7を停止する代わりに減圧弁等を用いてその吸引力を低
下させるだけの構成としてもよい。 (5)ガイド部材30に摺動案内される緯糸Y1 を傾斜
部30bの前後で検知する一対の糸検知器を設置し、糸
検知器からの検出信号に基づき緯糸Y1 の張力除去を行
ってもよい。この構成によれば、機台のクランク角に依
らず実際の緯糸Y1 の位置を糸検知器により検知したう
えで、緯糸Y1 の張力除去が行われるので、張力除去を
適切なタイミングで実施できる。前記実施例に応用した
場合、傾斜部30bの手前に検知域を有する糸検知器か
らの検知信号に基づきブローノズル17を停止させ、傾
斜部30bから給糸カッタ26側の位置に検知域を有す
る糸検知器からの検知信号によりブローノズル17を再
び作動させればよい。
【0047】(6)緯入れ阻止用ノズル13と緯糸導入
ダクト14との位置関係は、前記実施例に限定されな
い。例えば、特開昭62−53444号公報のように前
記実施例に対してその位置関係が上下逆に配置し、緯入
れ用メインノズル2からの緯糸Y1 がガイド部材30の
上縁に摺動案内される構成としてもよい。また、緯入れ
阻止用ノズル13と緯糸導入ダクト14とを上下方向に
対して傾斜する状態に対向配置してもよい。
【0048】(7)緯入れミス検知に基づく機台停止時
に、緯入れ阻止用ノズル13の噴射口13aがガイド部
材30に対して織布W側、すなわち「ブロー可能領域」
内に配置されるようにガイド部材30を屈曲形成しても
よい。この構成によれば、機台停止後にも緯入れ阻止用
ノズル13のブローが可能となり、緯入れ阻止用ノズル
13のブロー時間が機台運転速度に制限されなくなる。
よって、機台運転速度がどこまで高速化しても緯糸Y1
の緯入れ阻止を確実に行うことができる。 (8)給糸カッタ26の作動タイミングは停止時の1回
転域のクランク角40°付近に限定されず、緯糸Y1
給糸カッタ26の作用域内に存在するクランク角に適宜
設定することができる。例えば、給糸カッタ26の作動
タイミングを緯入れミスの1回転域のクランク角320
°付近に設定してもよい。この構成によれば、停止時の
1回転域のクランク角40度付近で緯糸Y1 が給糸カッ
タ26の作用域に仮りに無かったとしても、スレイ1が
一度最前進位置まで移動して緯糸Y1 を充分に給糸カッ
タ26の作用域側に引き込んだ後に緯糸Y1 が切断され
るので、一層緯糸Y1 の切断ミスを回避することができ
る。また、給糸カッタ26をクランク角40°付近とク
ランク角320°付近での2回作動させてもよい。
【0049】(9)特開昭62−53444号公報のよ
うに、給糸カッタ26を緯入れミス糸Ym の切断を阻止
可能にカム・リンク機構などを介して機械的に動作させ
てもよい。
【0050】(10)機台再起動は緯入れミス前の1回
転域のクランク角300°付近に限定されず、再起動後
のファーストピック時に充分強く筬打ちされるクランク
角であればよい。例えば緯入れミスの1回転域内から再
起動させてもよい。
【0051】(11)ガイド部材30は適宜な形状に変
更できる。円柱状でもよい。また、傾斜部30bは直線
状でなく湾曲状であってもよい。前記実施例から把握さ
れ、特許請求の範囲に記載されていない技術的思想を、
その効果とともに以下に記載する。
【0052】(1)請求項1において、前記糸張力解放
手段を前記メインノズルを備えた緯糸解舒手段により構
成し、前記ガイド部材に案内されるメインノズルから前
記導入口に連なるミス糸が少なくとも前記傾斜部を摺動
案内されるときに前記緯糸解舒手段により前記メインノ
ズルから所定量の緯糸を解舒させる。この構成によって
も請求項1〜請求項3に記載の発明と同様の効果が得ら
れる。
【0053】(2)請求項1において、前記糸張力解放
手段を、前記緯糸吸引手段に吸引されてメインノズルに
繋がるミス糸を前記緯糸吸引手段の導入口から前記ガイ
ド部材側へ所定量送り出す緯糸送出手段により構成し
た。この構成によっても請求項1〜請求項3に記載の発
明と同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項3
に記載の発明によれば、メインノズルから緯糸吸引手段
の導入口に連なるミス糸がガイド部材に沿って傾斜部を
摺動案内される際にそのミス糸の張力を弛めたので、傾
斜部の傾斜角を比較的大きく設定してジェットルームの
高速化を図っても、ミス糸を給糸カッタにより比較的簡
単な動作で確実に切断することができるという優れた効
果を奏する。
【0055】さらに請求項3に記載の発明によれば、傾
斜部を摺動案内されるミス糸の張力除去を、緯糸吸引手
段による吸引力の停止により行ったので、新たな装置を
設置することなく既存の装置で実施できるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の緯糸処理装置を
示す概略斜視図である。
【図2】緯糸処理装置の模式図である。
【図3】ガイド部材の概略平面図である。
【図4】ガイド部材の部分概略平面図である。
【図5】緯糸処理装置を示す一部破断部分側面図であ
る。
【図6】緯糸処理装置の処理動作を示すタイムチャート
である。
【図7】緯糸処理装置の処理動作を示すタイムチャート
である。
【図8】別例の緯糸処理装置の処理動作を示すタイムチ
ャートである。
【図9】図8と異なる別例の緯糸処理装置の処理動作を
示すタイムチャートである。
【図10】従来装置を示す部分平面図である。
【図11】従来装置の処理動作を示すタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
1…スレイ、2…緯入れ用メインノズル、2a…噴射
口、13…流体噴射手段を構成する緯入れ阻止ノズル、
13a…噴射口、14…糸張力解放手段及び緯糸吸引手
段を構成する緯糸導入ダクト、14a…導入口、15…
糸張力解放手段及び緯糸吸引手段を構成するエアガイ
ド、16…糸張力解放手段及び緯糸吸引手段を構成する
吸引パイプ、17…糸張力解放手段及び緯糸吸引手段を
構成するブローノズル、26…給糸カッタ、30…ガイ
ド部材、30b…傾斜部、V3 …糸張力解放手段及び緯
糸吸引手段を構成する電磁バルブ、C…糸張力解放手段
及び制御手段を構成する織機制御コンピュータ、E…糸
張力解放手段を構成するロータリエンコーダ、Y1 …ミ
ス糸としての後続緯糸。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインノズルの噴射口から射出される緯
    糸に対して交差する方向から噴射流体を噴射する流体噴
    射手段と、該流体噴射手段の噴射口と対向する位置に導
    入口を備えた緯糸吸引手段とをスレイ上に装着し、緯入
    れミス発生時に前記流体噴射手段からの噴射流体により
    緯入れ阻止されてメインノズルから導入口に連なるミス
    糸を、緯入れされた緯糸を緯入れ毎にメインノズルから
    切断分離する給糸カッタに案内するガイド部材をメイン
    ノズルの噴射口の揺動域ほぼ全域に沿って延設するとと
    もに、上下方向においてメインノズルの噴射口に対して
    前記導入口側に位置し、且つ緯入れ方向においてメイン
    ノズルの噴射口の揺動軌跡の緯入れ範囲側で前記流体噴
    射手段の噴射口よりメインノズル側に位置してスレイの
    揺動方向とほぼ平行に延びるとともに、前記給糸カッタ
    側でメインノズルの噴射口の揺動軌跡に対して給糸カッ
    タ側ほど離間する傾斜部を形成して前記給糸カッタに至
    るように位置設定し、緯入れミス発生時に前記流体噴射
    手段からの噴射流体により緯入れ阻止されたミス糸をメ
    インノズルの噴射口から前記ガイド部材を介して導入口
    に連なる状態とし、該ミス糸をスレイの揺動に伴いガイ
    ド部材に沿って給糸カッタの切断作用域まで案内して給
    糸カッタにより切断するジェットルームにおける緯入れ
    ミス糸の処理方法において、 前記ミス糸が前記給糸カッタの切断作用域に向かって前
    記ガイド部材に摺動案内される過程で、少なくとも前記
    傾斜部に摺動案内されるときに当該ミス糸の張力を弛め
    るとともに、前記給糸カッタによる切断時までに再び張
    力を付与して当該ミス糸を緊張状態で切断するジェット
    ルームにおける緯入れミス糸の処理方法。
  2. 【請求項2】 メインノズルの噴射口から射出される緯
    糸に対して交差する方向から噴射流体を噴射する流体噴
    射手段と、該流体噴射手段の噴射口と対向配置された導
    入口を備えた緯糸吸引手段とをスレイ上に装着し、緯入
    れされた緯糸を緯入れ毎にメインノズルから切断分離す
    る給糸カッタの切断作用域へメインノズルから導入口に
    連なる緯糸を案内するガイド部材をメインノズルの噴射
    口の揺動域ほぼ全域に沿って延設するとともに、上下方
    向においてメインノズルの噴射口に対して前記導入口側
    に位置し、且つ緯入れ方向においてメインノズルの噴射
    口の揺動軌跡の緯入れ範囲側で前記流体噴射手段の噴射
    口よりメインノズル側に位置してスレイの揺動方向とほ
    ぼ平行に延びるとともに、前記給糸カッタ側でメインノ
    ズルの噴射口の揺動軌跡に対して給糸カッタ側ほど離間
    する傾斜部を形成して前記給糸カッタに至るように位置
    設定し、前記流体噴射手段からの噴射流体により緯入れ
    阻止されてメインノズルから前記導入口に連なる状態で
    前記ガイド部材により前記給糸カッタに向かって摺動案
    内されるミス糸が、少なくとも前記傾斜部を摺動案内さ
    れるときに当該ミス糸にかかる張力を弛める糸張力解放
    手段を設けたジェットルームにおける緯入れミス糸の処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記糸張力解放手段は前記緯糸吸引手段
    と、前記ガイド部材に摺動案内された前記メインノズル
    から前記導入口に連なる前記ミス糸が少なくとも前記傾
    斜部を摺動案内されるときに前記緯糸吸引手段による吸
    引力を停止させる制御手段とからなる請求項2に記載の
    ジェットルームにおける緯入れミス糸の処理装置。
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