JPH07303878A - 廃液の蒸発濃縮処理装置 - Google Patents

廃液の蒸発濃縮処理装置

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JPH07303878A
JPH07303878A JP21953694A JP21953694A JPH07303878A JP H07303878 A JPH07303878 A JP H07303878A JP 21953694 A JP21953694 A JP 21953694A JP 21953694 A JP21953694 A JP 21953694A JP H07303878 A JPH07303878 A JP H07303878A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】蒸発処理によって生じる蒸気を凝結して得られ
る凝結水を冷却して回収し、凝結水による熱の影響を防
止する廃液の蒸発濃縮処理装置を提供する。 【構成】廃液の蒸発濃縮処理装置は、廃液を蒸発濃縮す
る蒸発釜2と、廃液の蒸発濃縮によって生じる蒸気を液
化して凝結水を得る液化手段と、コンプレッサー34の
駆動で熱媒体を循環させ凝結水の熱を奪い冷却し、この
熱を蒸発釜2側に与えて廃液を加熱するヒートポンプA
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、廃液を蒸発して濃縮
処理する廃液の蒸発濃縮処理装置に関するものであり、
例えば自動現像機による写真感光材料の現像処理に伴い
発生する写真処理廃液を業者の回収によらず自動現像機
内もしくはその近傍にて処理するのに適した廃液の蒸発
濃縮処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、廃液として自動現像機による写
真感光材料の現像処理に伴い発生する写真処理廃液があ
る。一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理は、
黒白感光材料の場合には、現像、定着、水洗等、カラー
感光材料の場合には発色現像、漂白定着(又は漂白、定
着)、水洗、安定化等の行程にて行なわれている。
【0003】そして、多量の感光材料を処理する写真処
理においては、処理によって消費された成分を補充し一
方、処理によって処理液中に溶出あるいは蒸発によって
濃厚化する成分(例えば現像液における臭化物イオン、
定着液における銀錯塩等)を除去して処理液成分を一定
に保つことによって処理液の性能を一定に維持する手段
が採られており、上記補充のために補充液が処理液に補
充され、上記写真処理における濃厚化成分の除去のため
に処理液の一部が廃棄されている。
【0004】近年、現像処理液は水洗水を含めて公害上
や経済的理由から補充の量を大幅に減少させたシステム
に変わりつつあるが、写真処理廃液は自動現像機の処理
槽から廃液管によって導かれ、水洗水の廃液や自動現像
機の冷却水等で稀釈されて下水道等に廃棄されている。
【0005】しかしながら、近年、公害規制の強化によ
り、水洗水や冷却水の下水道や河川への廃棄は可能であ
るが、これら以外の写真処理液[例えば、現像液、定着
液、発色現像液、漂白定着液(又は漂白液、定着液)、
安定液等]の廃棄は、実質的に不可能となっている。写
真処理廃液の公害負荷を低減させる公害処理方法として
は、例えば、活性汚泥法(特公昭51−7952号、同
51−12943号等)、蒸発法(特開昭49−894
37号、特公昭56−33996号等)、電解酸化法
(特開昭48−84462号、同49−119457
号、同49−119458号、特公昭53−43478
号等)、イオン交換法(特公昭51−37704号、同
53−43271号、特開昭53−383号等)、逆浸
透法(特開昭50−22463号等)、化学的処理法
(特開昭49−64257号、同53−12152号、
同49−58833号、同53−63763号、特公昭
57−37395号、同57−37396号等)等が知
られているが未だ十分ではない。従って、一般には廃液
回収業者によって回収され、二次および三次処理され無
害化されているが、回収費の高騰により廃液引き取り価
格は年々高くなるばかりでなく、ミニラボ等では回収効
率は悪いため、なかなか回収に来てもらうことができ
ず、廃液が店に充満する等の問題を生じている。
【0006】一方、これらの問題を解決するために写真
処理廃液の処理をミニラボ等でも容易に行えることを目
的として、写真処理廃液を加熱して水分を蒸発乾固ない
し固化することが研究されており、例えば、実開昭60
−70841号等に示されている。発明者等の研究では
写真処理廃液を蒸発処理した場合、亜硫酸ガス、硫化水
素、アンモニアガス等の有害ないし極めて悪臭性のガス
が発生する。これは写真処理液の定着液や漂白定着液と
してよく用いられるチオ硫酸アンモニウムや亜硫酸塩
(アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩)が高
温のため分解することによって発生することがわかっ
た。更に蒸発処理時には写真処理廃液中の水分等が蒸気
となって気体化することにより体積が膨張し、蒸発釜中
の圧力が増大する。このためこの圧力によって蒸発処理
装置から前記有害ないし悪臭性のガスが装置外部へもれ
出してしまい、作業環境上極めて好ましくないことが起
る。
【0007】そこで、これらを解決するために実開昭6
0−70841号には蒸発処理装置の排気管部に活性炭
等の排ガス処理部を設ける方法が開示されている。しか
し、この方法は写真処理廃液中の多量の水分による水蒸
気で排ガス処理部で結露又は凝結し、ガス吸収処理剤を
水分が覆い、ガス吸収能力を瞬時に失わせてしまう重大
な欠点を有しており、未だ実用には供し得ないものであ
った。
【0008】これらの問題点を解決するために、本出願
人等は写真処理廃液を蒸発処理するに際し、蒸発によっ
て生じる蒸気を凝結させる熱交換手段を設け、さらに凝
結によって生じる凝結水を処理するとともに非凝結成分
についても処理して外部へ放出する写真処理廃液の処理
装置について先に提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案によれば、次のような問題点があることを見い出し
た。すなわち、蒸発処理によって生じる蒸気は熱交換手
段で凝結されるが、この凝結水は高温であり、例えば自
動現像機内もしくはその近傍にて処理する蒸発濃縮処理
装置にあっては、凝結水による熱の影響を防止するため
に冷却して回収することが好ましい。
【0010】ところで、写真処理廃液を蒸発濃縮する加
熱手段の他に、この蒸発処理によって生じる蒸気を凝結
させて得られる凝結水を冷却する冷却手段を備えること
は、装置が複雑となり、その分コストが嵩む。
【0011】また、蒸発処理によって生じる蒸気は熱交
換手段で凝結されるが、蒸発処理時には蒸発釜中の圧力
が増大するため、蒸気が熱交換手段へ効率良く導かれな
いまま装置外部へ漏れ出してしまい、この中には硫化水
素等の特に悪臭で有害なガスも含まれているので社会環
境上、労働環境上好ましくない。
【0012】また、熱交換手段を通過した非凝結成分に
ついては活性炭等により処理した後外部へ放出するわけ
であるが、中でも悪臭性のガスなど充分除去することが
困難であり、又活性炭も直ちに能力を失ってしまうため
そのまま外部へ放出されてしまう危険性が高い。さら
に、写真処理廃液を加熱して蒸発濃縮して処理する場合
には、チオ硫酸塩やチオ硫酸アンモニウムが含有される
写真処理廃液の蒸発によって、アンモニアガス、亜硫酸
ガス等が発生すると、例えば自動現像機を事務所等の室
内に配置される場合には写真処理廃液を処理し発生する
臭気ガスが問題となる。このため、写真処理廃液を業者
の回収によらず自動現像機内もしくはその近傍にて臭気
ガスを発生することなく処理するものが要望されてい
る。
【0013】この発明は上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、この発明の第1の目的は、蒸発処理によ
って生じる蒸気を凝結して得られる凝結水を冷却して回
収し、凝結水による熱の影響を防止する廃液の蒸発濃縮
処理装置を提供することである。この発明の第2の目的
は、蒸発処理によって生じる蒸気を凝結させて得られる
凝結水の熱を奪い冷却し、この熱で廃液を加熱すること
で装置が簡単で、かつ低コストである廃液の蒸発濃縮処
理装置を提供することである。この発明の第3の目的は
廃液の蒸発処理によって発生する有害ないし悪臭成分を
減少させることができる廃液の蒸発濃縮処理装置を提供
することである。また、この発明の第4の目的は熱効率
が良好で、蒸発効率が良く、エネルギーコストが軽減さ
れる廃液の蒸発濃縮処理装置を提供することである。ま
た、この発明の第5の目的は蒸発によって濃縮乾固する
残渣の濃縮度が著しく大きく、廃棄物(スラッヂ)の水
分が少く取扱い容易な廃液の蒸発濃縮処理装置を提供す
ることである。また、この発明の第6の目的は、廃液の
蒸発濃縮によって生じる蒸気の液化により生じる凝結水
を回収し回収が容易である廃液の蒸発濃縮処理装置を提
供することである。また、この発明の第7の目的は、微
量の有毒ガスが凝結水より発生しても外部へもれること
を防止する廃液の蒸発濃縮処理装置を提供することであ
る。この発明の第8の目的は、廃液の蒸発濃縮処理を安
定かつ連続して行うことができる廃液の蒸発濃縮処理装
置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理装置
は、廃液を蒸発濃縮する蒸発釜と、前記廃液の蒸発濃縮
によって生じる蒸気を液化して凝結水を得る液化手段
と、コンプレッサーの駆動で熱媒体を循環させ前記凝結
水の熱を奪い冷却し、この熱を前記蒸発釜側に与えて前
記廃液を加熱するヒートポンプとを備えたことを特徴と
している。
【0015】請求項2記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理
装置は、前記蒸発釜を1mmHg〜610mmHgの範
囲に減圧する減圧手段を備えることを特徴としている。
【0016】請求項3記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理
装置は、前記ヒートポンプにより冷却された凝結水を回
収する回収手段を備えることを特徴としている。
【0017】請求項4記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理
装置は、前記蒸発釜の廃液の蒸発量を検出してこの蒸発
量に応じて前記廃液を前記蒸発釜に供給する供給手段を
備えることを特徴としている。
【0018】請求項5記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理
装置は、前記凝結水をガス処理カラムを介して外気と連
通させる浄化手段を備えることを特徴としている。
【0019】請求項6記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理
装置は、前記廃液が、写真処理廃液であることを特徴と
している。
【0020】この発明の効果は、コンプレッサーの駆動
で熱媒体を循環させ凝結水の熱を奪い冷却し、この熱を
蒸発釜側に与えて廃液を加熱することで、蒸発処理によ
って生じる蒸気を凝結して得られる凝結水を冷却して回
収し、凝結水による熱の影響を防止することができる。
また、蒸発処理によって生じる蒸気を凝結させて得られ
る凝結水の熱を奪い冷却し、この熱で廃液を加熱するこ
とで装置が簡単で、かつ低コストである。
【0021】この発明の効果は、写真処理廃液中に存在
するチオ硫酸アンモニウム及び亜硫酸アンモニウムある
いはそれぞれのナトリウム塩、カリウム塩を加熱、蒸発
することに起因して生じるアンモニアガス、亜硫酸ガ
ス、硫化水素等を防止しながら濃縮し、これら化合物を
濃縮液、スラッシュないしは沈殿することを可能ならし
める蒸発処理によって得られるものである。
【0022】即ち、この発明は写真処理廃液を加熱した
場合に蒸発する吸蒸気と共に蒸発するアンモニアガス、
亜硫酸ガスの発生量が、減圧条件下で行なうと、大幅に
低下し濃縮過程で発生が始まる硫化水素ガスの発生時期
を遅らせるという非常に好ましい発見に基づくものであ
る。故に、この発明は写真処理液廃液がアンモニアガ
ス、亜硫酸ガス及び酸化水素の発生源となるチオ硫酸塩
を含有する場合にその効果が大きく、特にチオ硫酸アン
モニウムを含有する場合には極めて優れた効果を発揮す
る。
【0023】この発明は減圧手段を有することで、蒸発
釜中の写真処理廃液の温度は100℃以下に低下する。
このため、加熱エネルギーが低くて済むばかりでなく、
従来の蒸発方式に比較して蒸発濃縮物中に発生するター
ルが少なく、蒸発釜の壁への付着物も低減する。この発
明の効果を得るための減圧は好ましくは610mmHg
以下にすることであり、さらに好ましくは520mmH
g以下にすることであり、特に好ましくは230mmH
g以下にすることである。また、減圧の下限は特にない
が、減圧状態を作るときの装置のコストより1mmHg
以上が好ましく、10mmHg以上であることが簡易な
装置で済み好ましい。
【0024】写真処理廃液の温度は廃液の種類、減圧状
態等によって異なり、いちがいには決められないが、一
般的には30℃〜100℃がよく、エネルギーコスト、
廃液の処理スピード等を考慮すると40℃〜80℃が好
ましく、より好ましくは50℃〜70℃である。
【0025】さらに、この発明において用いられる減圧
手段は、真空ポンプ、エジェクター等が使用される。エ
ジェクターを使用する場合にはエジェクター中に送り込
まれる水は、水道の蛇口から直接導いても良いが、溜め
水をポンプによって循環させることが配管が省略でき好
ましい。さらに、好ましい実施態様としては蒸結水をポ
ンプによって循環させ、エジェクター中に送り込む方式
がある。
【0026】また、減圧手段と蒸発釜とを直結させるこ
とにより、直接蒸発釜中を減圧させてもよいが、蒸発に
よって生じる蒸気を導くための蒸気排出管に設けられる
ことが好ましい。さらに、蒸発によって生じる蒸気を蒸
気排出管によって凝結させる熱交換手段に導き、凝結に
よって生じる凝結水を凝結水排出管によって凝結水貯槽
に導くような構成とし、減圧手段を凝結水排出管ないし
は凝結水貯槽に設けることによって減圧させても良い。
さらに1つの好ましい実施態様として、凝結水をポンプ
によって循環させ、エジェクター中に送り込む方式の場
合、蒸気排出管とエジェクターを直結し、凝結水中に蒸
気を導くことにより蒸気を冷却する方式が挙げられる。
この場合、凝結水の貯溜や、凝結水を循環させる循環パ
イプに放熱板を設けることにより凝結水を冷却したり、
冷却水を使用したり、冷凍機を使用して、直接ないしは
冷却水を介して凝結水を冷却したり、シャワー状に凝結
水を落下させることにより放熱させる等、凝結水を冷却
させるための種々の手段を取り得ることができる。
【0027】凝結水をポンプによって循環させエジェク
ターに送り込む別の好ましい実施態様としては、蒸気を
凝縮機によって凝縮した後、凝結水排出管を介して凝結
水及び蒸気の一部をエジェクターに導く方式がある。
【0028】また、減圧手段として、蒸気以外の真空ポ
ンプ等としては86/87科学機器総覧(編集兼発行
所、東京科学機器協会)第537頁〜第610頁記載の
ものを使用することもできる。
【0029】この発明に係る処理装置は蒸発濃縮によっ
て生じる蒸発を液化する液化手段を有し、かつこの液化
した凝結水を回収する回収手段を有することであり、さ
らに好ましくは蒸発及び/又は蒸気を液化する凝結水を
冷却する手段を有することである。また、蒸発濃縮によ
って得られる濃縮物を回収する手段を有することも好ま
しい。
【0030】この発明においては、蒸発量に応じて写真
処理廃液が供給されることが望ましく、具体的には蒸発
凝結水の量を検出したり、蒸発釜中の液量の変動を検知
すればよい。この液量を検知するための手段としては、
液の重量、液面レベル等を検知する手段があるが、液面
レベルを検知する手段中でも蒸発釜中の液面レベルを検
知する手段が特に好ましい。
【0031】この発明の加熱手段としては、コンプレッ
サーの駆動で熱媒体を循環させ凝結水の熱を奪い冷却
し、この熱を蒸発釜側に与えて廃液を加熱するヒートポ
ンプで構成される。ヒートポンプの加熱部は写真処理廃
液を溜める蒸発釜の外部に配置される又は、蒸発釜中の
溜められた写真処理廃液中に浸漬される。特に、蒸発効
率の点からは蒸発釜内部で、かつ廃液中を直接加熱する
直接加熱方式が好ましく、この場合のヒートポンプの加
熱部は、写真処理廃液によって表面が侵されない材質
(例えば、SUS316、ステンスレ鋼、チタン鋼、ハ
ステロイC、石英管、ガラス等)によってカバーするこ
とが好ましい。ヒートポンプは、過熱防止温度コントロ
ーラーによってからだき防止の手段が施されていること
が好ましい。
【0032】この発明においては、好ましい実施態様と
して蒸発釜内にバックを設け、濃縮液スラッジないしは
沈殿をバックと共に取り出し廃棄したり、蒸発室下部に
バッグやネジ込み式やワンタッチ装着のポリエチレン瓶
を配し、濃縮液、スラッジないしは沈殿を取り出し、廃
棄することができる。これらのバッグや瓶は20℃〜9
0℃程度の温度にも耐える有機性樹脂が好ましく、6−
5ナイロン系、6,6−ナイロン系、ポリアミド系、塩
化ビニール系、ポリエチレン系が用いられる。
【0033】この発明は、凝結水をガス処理カラムに通
し、外気と連通させ、これにより例え微量の有毒ガスが
凝結水より発生しても外部へもれることが防止できる。
これはガス処理カラムにより、外部から外気を導入され
ることによって可能ならしめられ、このガス処理カラム
内には例えば活性炭、ゼオライト等の吸着剤又は脱臭剤
を用いてもよい。
【0034】また、この発明は加熱エネルギーコストを
低下させるため、図4に示すように蒸発釜を多数使用
し、凝結水を別の釜の熱源として使用することが好まし
い。この手段は加熱エネルギーの大部分を占める蒸発潜
熱を利用するもので、加熱エネルギーコストを大幅に低
減でき非常に好ましい。さらに、この発明は加熱エネル
ギーコストを低下させるため、図3に示すように、熱媒
体としてフレオンガス等を使用してクーラー、冷蔵庫と
同様の原理で凝結水の熱を奪い冷却し、その熱を蒸発釜
に与える方式を行なうことが好ましい。この場合、この
発明の処理装置からの発熱が非常に少なくなり、従来で
は発熱のため設置できなかった設置場所が密閉されてい
るような部屋でも設置可能となる。
【0035】ところで、写真処理廃液を蒸発処理する際
に発生するわずかの有害ガスが凝結水中に溶解すること
もあり、場合によっては公害負荷の大きい成分が混入す
る場合もある。例えば前記したように亜硫酸ガス、アン
モニアや硫化水素ガスや、さらには水との共沸でガス化
したエチレングリコール、酢酸、ジエチレングリコー
ル、ベンジルアルコール等の有機溶媒や有機酸等が凝結
水中に流出してくる場合がある。
【0036】このため、凝結水はBOD及びCOD等の
公害負荷値が大きくこのまま外部の下水道や河川に放流
することが不可能のケースが起こることも考えられる。
このため本発明においては凝結水中に酸化剤やpH調整
剤の投入、あるいは必要に応じて、蒸発した蒸気の凝縮
部の後段に配置したろ過手段(とりわけ活性炭入りのろ
過手段)が用いられる。
【0037】この発明においては、例えば有害ガスを分
解する目的でオゾンをろ過手段内、又はその前段に供給
することができる。また別の手段として白金やパラジウ
ム合金による触媒焼却も用いられ、特にアンモニアガス
に有効である。また、例えば図3に示すように、空気送
りポンプとガスパージャーを用いることにより、凝結水
をエアレーションする蒸留水の還元成分を酸化すること
ができる。
【0038】この発明の処理装置において、写真処理廃
液が写真処理廃液であり、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、アン
モニウム塩を多量に含有する場合に有効であり、特には
有機酸第2鉄錯塩及びチオ硫酸塩を含有する場合極めて
有効である。
【0039】この発明の好ましい適用例としては自動現
像機による写真感光材料の現像処理に伴い発生する写真
処理廃液を自動現像機内もしくはその近傍にて処理を行
うのに適している。ここで自動現像機、蒸発濃縮処理装
置及び写真処理廃液について説明する。
【0040】自動現像機及び蒸発濃縮処理装置 図1において自動現像機は符号100で示され、蒸発濃
縮処理装置は符号1で示される。図示の自動現像機10
0はロール状の写真感光材料Fを、発色現像槽CD、漂
白定着槽BF、安定化処理槽SDに連続的に案内して写
真処理し、乾燥D後、巻き取る方式のものである。10
1は補充液タンクであり、センサー102により写真感
光材料Fの写真処理量を検知し、その検出情報に従い制
御装置103により各処理槽に補充液の補充が行われ
る。
【0041】各写真処理槽に対し補充液の補充が行われ
るとオーバーフロー廃液として処理槽から排出され、ス
トックタンク104に集められる。オーバーフローした
写真処理廃液をストックタンク104に移す手段として
は、案内管を通して自然落下させるのが簡易の方法であ
る。ポンプ等より強制移送する場合もあり得る。
【0042】蒸発濃縮処理装置1は写真処理廃液を溜め
る蒸発釜2、加熱手段3、写真処理廃液の蒸発濃縮が進
むにつれて発生する沈殿4を排出する排出手段5、蒸気
の冷却手段6及び減圧手段7等から構成されている。こ
の排出手段5から排出される沈殿4は沈殿貯溜容器8に
溜められ、また減圧手段7で減圧された凝結水は凝結水
貯槽9に溜められる。この凝結水貯槽9には例えばフィ
ルター、吸着剤等によるガス吸着手段10を付加するこ
とができる。
【0043】加熱手段3としては電気、ガス、太陽熱等
の実効性のある熱源を1つ或いは2以上を組み合わせて
利用して写真処理廃液を加熱し、写真処理廃液を蒸発さ
せて濃縮させるものを包含し、加熱方法は蒸発釜2に写
真処理廃液を溜めて全体を加熱するものから、この出願
人が昭和61年11月18日出願した特許願に添付され
た明細書に記載されるものが用いられる。また加熱手段
3の位置は溜められた写真処理廃液の上方、内部或いは
蒸発釜2の外部等任意である。
【0044】排出手段5としては回転スクリューポンプ
を利用した公知の排出装置や蒸発釜2の底部からバルブ
を介して写真処理廃液の濃縮液を吸液性樹脂、固化剤の
1又は2以上を有する容器中に自然落下させ、固形化さ
せるもの等様々に設計することができる。
【0045】ストックタンク104内の写真処理廃液の
量並びに温度はセンサー105により検出され、その情
報は制御装置103に記憶され、ストックタンク104
内の写真処理廃液が満杯状態にあることが検出される
と、新たに写真処理廃液が排出されないように補充液の
補充が禁止されるか、或いはポンプ106を駆動してス
トックタンク104から写真処理廃液を蒸発釜2に供給
する。誤動作を防止するにはストックタンク104の容
量に余裕を持たせたり、或いは複数のストックタンクな
いし予備タンクを配備しておくのが好ましい。また、写
真処理液を一括処理せず、写真処理廃液の種別に従って
別々に処理する方式のものにおいてはストックタンク1
04毎に液量温度等の検出が行なわれる。
【0046】なお、ストックタンク104内の写真処理
廃液の温度検出は、後記する蒸発濃縮処理装置1の作動
制御、特に加熱温度の制御のための写真処理廃液の情報
として重要である。
【0047】ストックタンク104から蒸発濃縮処理装
置1への写真処理廃液の供給は、定量ずつ1度に供給す
る方式と、定量ずつないし可変量を連続的に供給する方
式とがある。前者の場合、センサー105によりストッ
クタンク104内の写真処理廃液の減少量及び又はセン
サー11による蒸発釜2内の写真処理廃液の検出情報に
従ってストックタンク104から蒸発濃縮処理装置1へ
の供給を制御する。なお、この場合ストックタンク10
4から蒸発濃縮処理装置1への廃液供給管に設けられた
流量計による検出情報に従って制御するようにしてもよ
い。
【0048】定量ずつないし可変量を連続的に供給する
方式の場合、供給する写真処理廃液の温度、蒸発濃縮処
理装置1の加熱手段3ないし蒸発釜2の温度に従い供給
する写真処理廃液の量を調整する。また供給する写真処
理廃液量を常に一定とし、蒸発濃縮処理装置1内の写真
処理廃液量をセンサー11によって検出し、その量によ
り加熱手段3、例えばヒーターによる加熱温度を上昇な
いし下降すべく制御するか、又は加熱時間を増減制御す
るようにしてもよい。
【0049】蒸発濃縮処理装置1の制御は供給する写真
処理廃液の量と処理された写真処理廃液の量の差、或い
は残留している写真処理廃液の量ないし処理され濃縮さ
れた写真処理廃液の量に従って行なわれる。
【0050】なお、写真処理廃液を一定量ずつ1度に蒸
発濃縮処理装置1に供給する方式のものにおいては、供
給される写真処理廃液の温度と加熱手段3ないし蒸発釜
2の温度とが検出されていれば処理時間を制御すること
により蒸発濃縮処理装置1の作動を制御することができ
る。
【0051】また、以上のごとく多様な事項によって写
真処理廃液の供給、処理(蒸発、濃縮)、排出が制御さ
れるが、これに対応して時間、粘度、圧力、液面レベ
ル、濃度、電気抵抗、重量等を検出様々なセンサー11
等が用いられ、かつセンサー11等の取付け位置も多様
である。
【0052】写真処理廃液 この発明により処理を行うことができる写真処理廃液
は、その代表例として、写真材料がカラー用である場合
の写真処理液を用いてハロゲン化銀カラー写真材料を処
理する際に出る廃液があげられるが、本発明により処理
を行うことができる写真処理廃液はこれに限定されるも
のではなく、他の写真処理廃液を用いてハロゲン化銀カ
ラー写真材料を処理する際に出る廃液が包含される。
【0053】
【実施例】図2はこの発明をさらに具体的に示す実施例
の概略図である。図2において、蒸発濃縮処理装置の蒸
発釜2の内部には加熱手段3が設けられ、この加熱手段
3の上方には上限液面レベルセンサ12と下限液面レベ
ルセンサ13が設けられ、蒸発釜2のからたきを防止し
ている。また蒸発釜2の上部には電磁弁14を有する廃
液供給管15が設けられ、電磁弁14の作動によって廃
液貯槽16から写真処理廃液が蒸発釜2に供給される。
この廃液貯槽16には写真処理廃液の残量を検出する液
面レベルセンサ17が設けられ、液量情報を制御装置1
03に入力する。
【0054】また、蒸発釜2の上部には減圧解除のため
の電磁弁18が設けられ、さらに蒸発釜2の上部には蒸
気排出管19が接続され、この蒸気排出管19に凝縮機
20が設けられ、冷凍機21によって冷却された水が循
環するようになっている。凝縮機20からは凝結水導入
管22によって、凝結水が蒸気の一部と共にエジェクタ
ー23に導入され、その後凝結水補助貯槽24に貯溜さ
れる。この凝結水補助貯槽24の凝結水はポンプ25の
作動で循環パイプ26を介して循環する。この凝結水補
助貯槽24からオーバフローする凝結水は凝結水貯槽2
7に貯溜される。また、前記蒸発釜2の下部には電磁弁
28を有する排出管29が接続され、この電磁弁28の
作動で写真処理廃液の濃縮による沈殿4を沈殿受け槽3
0に排出するようになっている。
【0055】この装置を用いて加熱・蒸発処理するプロ
セスの概略を説明すると、廃液貯槽16に溜められた写
真処理廃液は廃液供給管15を介して蒸発釜2に上限液
面レベルセンサ12で検出されるまで供給される。蒸発
釜2中の写真処理廃液は加熱手段3によって加熱され蒸
発するが、下限液面レベルセンサ13で検出されるまで
液面が低下したところで、再び上限液面レベルセンサ1
2の位置まで廃液が供給される。蒸発した蒸気は蒸気排
出管19を介して凝縮器20に送られて冷却され、その
後凝結水と蒸気とが凝結水導入管22からエジェクター
23に導入され、凝結水補助貯槽24に一旦貯溜され
る。この貯溜された凝結水はさらにポンプ25の駆動に
よって循環パイプ26を介してエジェクター23に送ら
れ、これにより蒸発釜2中を減圧状態にする。
【0056】そして、廃液貯槽16中の液面レベルセン
サ17によって廃液がなくなったことが検知され、警告
ブザーや警告ランプ等の手段によって報知されると同時
に加熱手段3が切れる。また、同時に電磁弁28が開
き、これにより沈殿4が沈殿受け槽30に落下する。
【0057】図3から図6はこの発明の蒸発濃縮処理装
置の他の実施例を示す図である。図3は蒸発釜2をエジ
ェクター23で減圧した後、凝結水補助貯槽24に導入
するものであり、さらに空気送りポンプ31とガスパー
ジャー32とを備え、凝結水をエアレーションすること
で凝結水の還元成分を酸化する。また、凝結水補助貯槽
24には安全性の観点から臭気ガスの排出を防止するガ
ス吸着剤33が備えられている。さらに、コンプレッサ
ー34の駆動で、フレオンガス等を熱媒体として循環さ
せ、凝結水の熱を奪い冷却し、その熱を蒸発釜2側に与
えるヒートポンプが備えられている。また、蒸発釜2内
の写真処理廃液には薬液供給容器35から薬液が供給さ
れる。
【0058】このように、コンプレッサー34の駆動で
熱媒体を循環させ凝結水の熱を奪い冷却し、この熱を蒸
発釜2側に与えて廃液を加熱することで、蒸発処理によ
って生じる蒸気を凝結して得られる凝結水を冷却して回
収し、凝結水による熱の影響を防止することができる。
また、蒸発処理によって生じる蒸気を凝結させて得られ
る凝結水の熱を奪い冷却し、この熱で廃液を加熱するこ
とで装置が簡単で、かつ低コストである。
【0059】図4は蒸発釜2を多数用意し、この図にお
いて左側の蒸発釜2の底部をヒータ等の加熱手段3で加
熱し、この蒸発釜2の凝結水は次段に配置された蒸発釜
2の底部にエジェクター23を介して導かれて熱源とな
っている。このように、蒸発潜熱を利用することで、加
熱エネルギーコストを大幅に低減することができる。
【0060】図5は蒸発釜2内に取り付けたバック36
に写真処理廃液がダイヤフラムポンプ37の作動で供給
され、この蒸発釜2内は凝結水貯槽27に設けた真空ポ
ンプ38の作動で減圧される。蒸発釜2から凝結水貯槽
27に導かれる凝結水は蒸気排出管19の冷却部に配置
された冷却ファン39で冷却される。
【0061】図6は凝結水補助貯槽25と凝結水貯槽2
7とをポンプ40を介して連結したもので、ポンプ40
の駆動で凝結水補助貯槽25の凝結水を微小量高圧で凝
結水貯槽27に送る。 [実験例]市販のカラー写真用ペーパーを絵焼き後、次
の処理行程と処理液を使用して連続処理を行った。基準
処理工程 (1)発色現像 38℃ 3分 (2)漂白定着 38℃ 1分30秒 (3)安定化処理 25℃〜35℃ 3分 (4)乾燥 75℃〜100 ℃ 約2分 処理液組成 [発色現像タンク液] ベンジルアルコール 15m エチレングリコール 15m 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 1.3g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 24.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル )アニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4’−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g 1−ヒドロキシエチリンデン−1,1−二ホスホン酸 0.4g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.7g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−二ナトリウム塩 0.2g 水を加えて1 とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.20とする。 [発色現像補充液] ベンジルアルコール 20m エチレングリコール 20m 亜硫酸カリウム 3.0g 炭酸カリウム 24.0g ヒドロキシアミン硫酸塩 4.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホナミドエチル) アニリン硫酸塩 6.0g 蛍光増白剤(4,4’−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.5g 1−ヒドロキシエチリンデン−1,1−二ホスホン酸 0.5g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.8g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−二ナトリウム塩 0.3g 水を加えて1 とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.70とする。 [漂白定着タンク液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100.m 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5m 水を加えて全量を1とし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整する。 [漂白定着補充液A] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 260.0g 炭酸カリウム 42.0g 水を加えて全量1 とする。 この溶液のpHは酢酸又はアンモニア水を用いて6.7±0.1とする。 [漂白定着補充液B] チオ硫酸アンモニウム 500.0m (70%溶液)亜硫酸アンモニウム 250.0m (40%溶液)エチレンジアミンテトラ酢酸 17.0g 氷酢酸 85.0m 水を加えて全量1 とする。 この溶液はpHは酢酸又はアンモニア水を用いて5.3±0.1である。 [水洗代替安定タンク液及び補充液] エチレングリコール 1.0g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.20g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸(60%水溶液)1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.0g 水で1とし、50%硫酸でpH7.0とする。
【0062】自動現像機に上記の発色現像タンク液、漂
白定着タンク液及び安定タンク液を満たし、前記市販の
カラー写真ペーパー試料を処理しながら3分間隔毎に上
記した発色現像補充液と漂白定着補充液A、Bと安定補
充液をベローズポンプを通じて補充しながらランニング
テストを行った。補充量はカラーペーパー1m2当りそ
れぞれ発色現像タンクへの補充量として190ml、漂
白定着タンクへの補充量として漂白定着補充液A,B各
々50ml、安定化槽への補充量として水洗代替安定補
充液を250ml補充した。なお、自動現像機の安定化
槽は試料の流れの方向に第1槽〜第3槽となる安定槽と
し、最終槽から補充を行い、最終槽からのオーバーフロ
ー液をその前段の槽へ流入させ、さらにこのオーバーフ
ロー液をまたその前段の槽に流入させる多槽向流方式と
した。
【0063】水洗代替安定液の総補充量が安定タンク容
量の3倍となるまで連続処理を行った。
【0064】上記処理によって得られた3種のオーバー
フロー液を混合した写真処理廃液20を第2図に示す装
置を用いて処理を行った。
【0065】エジェクター23のポンプ25の電圧を変
え、減圧状態を表1に示すように変化させた場合につい
て、それぞれ蒸発濃縮処理を行なった。蒸発釜2中の写
真処理廃液の温度を表1に示し、写真処理廃液が1/2
に凝縮された時点のアンモニアガス濃度を測定し、凝結
水を30℃に保った場合の臭気をかぎ、その結果を表1
に示した。さらに、それぞれについて続けて蒸発濃縮を
行ない、蒸発釜2中の濃縮液中のチオ硫酸塩が分解して
硫化が起こり、凝結水中に硫化水素が出始め時の濃縮率
を求めた。
【0066】
【表1】 臭気テスト(5人) ○:ほとんど臭わない。(5人中4人) △:少し臭う。(5人中3人) ×:臭気がひどい。(5人中5人) 表1から明らかなように、減圧するとアンモノアガスの
発生が減少し、しかもほとんど臭わなくなる結果が得ら
れ、写真処理廃液の蒸発濃縮処理において減圧すること
が好ましく、その結果臭気の発生が抑制される。
【0067】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明
は、廃液を蒸発濃縮する蒸発釜と、廃液の蒸発濃縮によ
って生じる蒸気を液化して凝結水を得る液化手段と、コ
ンプレッサーの駆動で熱媒体を循環させ前記凝結水の熱
を奪い冷却し、この熱を前記蒸発釜側に与えて廃液を加
熱するヒートポンプとを備えたから、蒸発処理によって
生じる蒸気を凝結して得られる凝結水を冷却して回収
し、凝結水による熱の影響を防止することができ、また
蒸発処理によって生じる蒸気を凝結させて得られる凝結
水の熱を奪い冷却し、この熱で廃液を加熱することで装
置が簡単で、かつ低コストである。
【0068】請求項2記載の発明は、蒸発釜を1mmH
g〜610mmHgの範囲に減圧する減圧手段を備える
から、廃液の蒸発処理によって発生する有害ないし悪臭
成分を減少させることができ、しかも熱効率が良好で、
蒸発効率が良く、エネルギーコストが軽減され、また蒸
発によって濃縮乾固する残渣の濃縮度が著しく大きく、
廃棄物(スラッヂ)の水分が少く取扱い容易なる。
【0069】請求項3記載の発明は、ヒートポンプによ
り冷却された凝結水を回収する回収手段を備えるから、
廃液の蒸発濃縮によって生じる蒸気の液化により生じる
凝結水を回収し回収が容易である。
【0070】請求項4記載の発明は、蒸発釜の廃液の蒸
発量を検出してこの蒸発量に応じて廃液を蒸発釜に供給
する供給手段を備えるから、廃液の蒸発濃縮処理を安定
かつ連続して行うことができる。
【0071】請求項5記載の発明の廃液の蒸発濃縮処理
装置は、前記凝結水をガス処理カラムを介して外気と連
通させる浄化手段を備えるから、微量の有毒ガスが凝結
水より発生しても外部へもれることを防止することがで
きる。
【0072】請求項6記載の発明は、廃液が、写真処理
廃液であり、例えば自動現像機による写真感光材料の現
像処理に伴い発生する写真処理廃液を業者の回収によら
ず自動現像機内もしくはその近傍にて処理する廃液の蒸
発濃縮処理装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像機にこの発明の蒸発濃縮処理装置を備
えた状態を示す概略図である。
【図2】この発明のさらに具体的な実施施例を示す蒸発
濃縮処理装置の概略図である。
【図3】この発明のさらに具体的な他の実施例を示す蒸
発濃縮処理装置の概略図である。
【図4】この発明のさらに具体的な他の実施例を示す蒸
発濃縮処理装置の概略図である。
【図5】この発明のさらに具体的な他の実施例を示す蒸
発濃縮処理装置の概略図である。
【図6】この発明のさらに具体的な他の実施例を示す蒸
発濃縮処理装置の概略図である。
【符号の説明】
2 蒸発釜 34 コンプレッサー A ヒートポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五嶋 伸隆 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 高林 直樹 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃液を蒸発濃縮する蒸発釜と、前記廃液の
    蒸発濃縮によって生じる蒸気を液化して凝結水を得る液
    化手段と、コンプレッサーの駆動で熱媒体を循環させ前
    記凝結水の熱を奪い冷却し、この熱を前記蒸発釜側に与
    えて前記廃液を加熱するヒートポンプとを備えたことを
    特徴とする廃液の蒸発濃縮処理装置。
  2. 【請求項2】前記蒸発釜を1mmHg〜610mmHg
    の範囲に減圧する減圧手段を備えることを特徴とする請
    求項1記載の廃液の蒸発濃縮処理装置。
  3. 【請求項3】前記ヒートポンプにより冷却された凝結水
    を回収する回収手段を備えることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の廃液の蒸発濃縮処理装置。
  4. 【請求項4】前記蒸発釜の廃液の蒸発量を検出してこの
    蒸発量に応じて前記廃液を前記蒸発釜に供給する供給手
    段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の廃液の蒸発濃縮処理装置。
  5. 【請求項5】前記凝結水をガス処理カラムを介して外気
    と連通させる浄化手段を備えることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載の廃液の蒸発濃縮処理
    装置。
  6. 【請求項6】前記廃液は、写真処理廃液であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の廃液
    の蒸発濃縮処理装置。
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