JPH07301821A - 空間光変調素子及びその製造方法 - Google Patents

空間光変調素子及びその製造方法

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JPH07301821A
JPH07301821A JP9484494A JP9484494A JPH07301821A JP H07301821 A JPH07301821 A JP H07301821A JP 9484494 A JP9484494 A JP 9484494A JP 9484494 A JP9484494 A JP 9484494A JP H07301821 A JPH07301821 A JP H07301821A
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film
photoconductive layer
layer
divided
spatial light
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Application number
JP9484494A
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English (en)
Inventor
Toru Kawase
透 川瀬
Tadashi Kimura
忠司 木村
Akio Takimoto
昭雄 滝本
Kuni Ogawa
久仁 小川
Shinichi Mizuguchi
信一 水口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮光能力が高く、高輝度で高密度な情報を表
示する優れた空間光変調素子およびその製造方法を提供
する。 【構成】 液晶層11を配向させる配向膜12と、微小形状
に分割された複数の整流性を有する光導電層6および金
属反射膜8とを少なくとも備え、微小形状に分割された
金属反射膜8の表面積が、光導電層6の最小の断面積よ
りも大とした構成である。また、本発明の製造方法は、
光導電層に金属反射膜を成膜、微小形状に分割した後、
光導電層の一部をエッチングし、微小形状に分割された
画素を形成する工程を含み、微小形状に分割された金属
反射膜間の溝部における金属反射膜の端部から金属反射
膜に接する光導電層の端部までの距離と、溝部の深さの
比を任意に変化させうる反応性イオンエッチング工程を
有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型ディスプレイ、
ホログラフィ−テレビジョンまたは光演算装置に用いら
れる空間光変調素子及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】大画面、高密度画素からなる高品位テレ
ビが様々な方式で開発され実用化されている。中でも従
来のブラウン管方式に変わって液晶技術を使った投写型
ディスプレイの開発が盛んである。ブラウン管方式であ
ると高密度画素に対して画面の輝度が低下し暗くなる。
また、ブラウン管自身、大型化が困難である。一方、ト
ランジスタ駆動方式の液晶素子による投写型ディスプレ
イ装置は有力な方法ではあるが、開口率が大きくならな
いこと、素子が高価であることが欠点として上げられて
いる。CRTを光入力手段とする液晶ライトバルブは従
来より素子形状が簡単で且つCRTと液晶素子の利点を
組み合わせた装置として注目されている。
【0003】近年は、高感度なアモルファスシリコン受
光層と液晶を組合せ、100インチ以上の大画面で動画
像を映し出すことが可能となった。また、液晶材料も高
速応答可能な強誘電性液晶を用いて、より高速・高解像
度な液晶ライトバルブができるようになった。この液晶
ライトバルブは、強誘電性液晶の持つメモリ−性と2値
化特性を使った次世代の並列演算装置、光コンピュ−テ
ィング装置の核としても期待されている。
【0004】一方、従来の空間光変調素子において、光
書き込み後の変調された光出力を読み出すために、液晶
層と光導電層との間に金属反射膜を分離して設けられた
素子構造(特開昭62−169120号公報)や、金属
反射層の代わりに誘電体反射薄膜層が設けられた素子構
造が提案されている。
【0005】現在、誘電体反射膜を設けた場合は、最大
125(lp/mm)の解像度が確認されている(19
90年秋期応用物理学会予稿集26a−H−9)。一
方、出力画像が鮮明な画素を有する金属反射膜の場合は
100(lp/mm)以上の微細画素形成が要求され
る。現在のシリコン半導体技術における微細加工技術と
して、パターン線幅がμmオーダー以下の加工が可能な
フォトリソグラフィー技術が開発されており、この技術
を用いることにより、1画素が10μm角で且つ画素間
の幅1μm以下のパターン形成が可能である。
【0006】特に、後者の空間光変調素子は各画素形状
が鮮明であり、ハイビジョンテレビ等の大画面且つ高密
度ディスプレイに応用される光書き込み型素子として、
開口率が大きく且つ高輝度画面を表示可能な空間光変調
素子の実現が期待されている。また、強誘電性液晶の持
つ閾値特性による2値化処理能力を利用した光演算素子
は、個々の要素(画素に相当)が明瞭な閾値と画素形状
を有するため、光情報による並列演算装置の主要素子と
して提案されている(「特開平4ー338924号公報
(特願平3−1145号)」、特願平3−1146
号)。
【0007】高解像度を有する画像表示素子、または高
密度情報を有する2次元情報処理を行う光演算素子とし
て、強誘電性液晶を用いた空間光変調素子があり、その
解像度の限界を与える要因として、受光層で発生した光
キャリアの面内方向の拡散長、整流性を持つことによる
受光層内部の各接合界面における電荷のドリフト、等が
考えられる。
【0008】特に、分離された金属反射膜が設けられた
素子構造では、これらの要因で決定される解像度限界に
より、空間光変調素子の画素密度が決定される。従って
受光層内の光キャリアの面内方向の拡散を抑制と共に、
受光層内部の各接合界面における電荷のドリフトの減少
を実現することが解決すべき課題のひとつであった。
【0009】これらの課題を解決するために、光導電層
において整流性を有する光導電体を画素単位に分離して
形成し、かつ画素単位に分離された光導電体の間に絶縁
層を形成することにより、解像度劣化を防止した素子構
造が提案されている(「特開平5ー173174号公報
(特願平3−341471号)」)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、読み出し光強度を増加させると、画素間
に形成されている絶縁層の遮光度が低い場合は、光導電
層まで読み出し光が達してしまい、入力情報を正確に伝
達できなくなるという問題点があった。
【0011】また、従来光導電層に金属反射膜を成膜、
微小形状に分割した後、光導電層の一部をエッチング
し、微小形状に分割された画素を形成する工程において
は、ケミカルドライエッチングによって等方的に行って
いた。この場合、光導電層の溝形状が一定であるため、
溝構造に自由度がなく遮光構造の見直しが行えないとい
う問題点を有していた。
【0012】本発明は、前記課題を解決するため、液晶
層、光導電層、液晶を配向させる配向膜等を備えた空間
光変調素子において、前述の遮光度を向上させる画素構
造により、高輝度で、高密度な情報を表示することがで
きる空間光変調素子及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る空間光変調素子は、液晶層及び、前記
液晶層を配向させる配向膜と、微小形状に分割された複
数の整流性を有する光導電層および金属反射膜とを少な
くとも備え、微小形状に分割された前記金属反射膜の表
面積が、前記光導電層の最小の断面積よりも大であるこ
とを特徴とする。
【0014】前記構成においては、微小形状に分割され
た金属反射膜間の溝部において、前記金属反射膜の端部
から前記金属反射膜に接する光導電層の端部までの距離
と、前記溝部の深さの比が、1/√3から√3の範囲で
あるのが好ましい。
【0015】また、本発明に係る空間光変調素子の製造
方法は、光導電層に金属反射膜を成膜、微小形状に分割
した後、光導電層の一部をエッチングし、微小形状に分
割された画素を形成する工程を含み、微小形状に分割さ
れた前記金属反射膜間の溝部における前記金属反射膜の
端部から前記金属反射膜に接する前記光導電層の端部ま
での距離と、前記溝部の深さの比を任意に変化させうる
反応性イオンエッチング工程を有することを特徴とす
る。
【0016】また、前記反応性イオンエッチング工程に
よって光導電層の一部をエッチングする工程において、
微小形状に分割された金属反射膜間の溝部における前記
金属反射膜の端部から前記金属反射膜に接する前記光導
電層の端部までの距離と、前記溝部の深さの比が、1/
√3から√3の範囲であるのが好ましい。
【0017】
【作用】本発明の構成によれば、微小形状に分割された
画素において、金属反射膜の断面積が、光導電層の断面
積よりも大であるので、画素間の光導電層の間に形成さ
れた絶縁層の遮光度が低い場合でも、高輝度の読み出し
光が絶縁層を突き抜け、光導電層を誤動作させることを
防止することができる。そのため、入力情報を正確に高
輝度で伝達することができる。
【0018】また、本発明に係る空間光変調素子の製造
方法によれば、画素間における光導電層を反応性イオン
エッチングによりエッチングすることによって、反射層
の端部から光導電層の端部までの距離と光導電層の膜厚
の比を任意に変化させることができるので、遮光度を向
上させた前記構成を備えた空間光変調素子を効率よく合
理的に作製することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0020】(実施例1)図1は本発明に係る空間光変
調素子の一実施例を示す断面図である。図1(a)に示
すように、透明絶縁性基板1(例えば、ガラス)上に
は、透明導電性電極2(例えばITO(インジウム−チ
タン酸化物)、SnOx、スズ酸化物)が積層されてい
る。次に、入力光を画素毎に分離するために、入力遮光
膜24(例えばアルミニウム、クロム、チタン等の金属
薄膜)を格子状に積層している。その上には、整流性を
有する光導電層6(例えば、ダイオ−ド構造を有するア
モルファスシリコン半導体;p層3;i層4及びn層
5)とが順次積層されている。
【0021】また、n層5の上には、画素分離電極7
と、画素に相当する分離した微小形状の金属反射膜8
(例えばアルミニウム、クロム、チタン等の金属薄膜)
と、液晶層11を配向する配向膜12(例えばポリイミ
ド等の高分子薄膜)とが順に配置されている。また、こ
の画素間には、読み出し光21に対する出力遮光膜9
(例えばアルミニウム、クロム、チタン等の金属薄膜)
が設けられている。このように金属反射膜8及び出力遮
光膜9はいずれも整流性を有する光導電層6に接してい
るため、駆動時に出力遮光膜9に電荷蓄積が発生するこ
となく、その結果、光導電特性、スイッチング特性の劣
化を防止することができる。
【0022】なお、出力遮光膜9の設けられる平面は金
属反射膜8の設けられる平面の下部に位置しており、こ
れにより遮光の効果を向上させることができる。また、
金属反射膜8と出力遮光膜9とは電気的に分離され、隣
接画素間でのクロストークはない。
【0023】画素分離電極7と出力遮光膜9の周縁部と
の間には、可視光を吸収する遮光層10(例えば、カ−
ボン含有または色素含有の高分子)が配置されている。
図1(b)に示すように、微小形状に分割された画素に
おいて、金属反射膜8の表面積が、光導電層6の断面積
よりも大となるように画素間の溝部を形成している。図
1(c)は、画素間の溝部の拡大図であるが、分離した
画素における金属反射膜8の端部からその金属反射膜8
に接する光導電層6の端部まで、距離を持たせ(図中a
の長さ、以下より軒の長さと呼ぶ)、さらに画素間の溝
部の深さ(図中bの長さ)との比を適切な値に設定する
ことにより(実施例3、4で詳述)、透明絶縁性基板1
5(例えば、ガラス)に対し斜め方向から入射する高輝
度の読み出し光21が、遮光層10を突き抜けて、光導
電層6のi層4に漏れ入ることを防止することができ
る。
【0024】絶縁膜23(例えば、ポリイミド)は、遮
光層10に電荷が蓄積され、画素分離電極7上に電荷が
移動し、液晶層11の配向が入力に関係なく変動するこ
とを防ぐものである。
【0025】液晶層11は、スペ−サ−として分散され
たビ−ズ13によってそのセル厚が制御される。また、
対抗側の透明導電性電極14上にも配向層12が一様に
成膜されている。
【0026】本実施例の空間光変調素子16の駆動は、
両透明導電性電極2、14間にパルス電圧17を印加す
ることによってなされる。そして、光導電層6が成膜さ
れている透明絶縁性基板1側からの書き込み光(入力
光)18によって光導電層6に情報が書き込まれる。書
き込み光(入力光)18の強度に応じて光導電層6の電
気抵抗が減少し、各画素に相当する微小形状の金属反射
膜8と対向する透明導電性電極14とに挟まれた液晶層
11に印加される電圧が増大する。この電圧の大きさに
応じて液晶層11の配向が変化する。この液晶層11を
通過する直線偏光の読みだし光21は、各画素の金属反
射膜8で反射し再び液晶層11を通過した後、検光子2
0を通り、出力光22としてその強度変化が読みだされ
る。この場合、読みだし光21の照射によって光導電層
6がスイッチングしないように、光導電層6上に遮光膜
を設ける必要があるが、本実施例においては、金属遮光
膜8が遮光膜を兼ねている。
【0027】光導電層6に使用する材料として、例え
ば、CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,
GaAs,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の
化合物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半
導体、Si,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge
1-xx(0<x<1)等の多結晶または非晶質半導体、また、
(1)フタロシアニン顔料(Pcと略す)、例えば、無
金属Pc,XPc(X=Cu,Ni,Co,TiO,M
g,Si(OH)2など),AlClPcCl,TiO
ClPcCl,InClPcCl,InClPc,In
BrPcBrなど、(2)モノアゾ色素,ジスアゾ色素
などのアゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物およびペ
ニレン酸イミドなどのペニレン系顔料、(4)インジゴ
イド染料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラキ
ノン類、ピレンキノン類などの多環キノン類、(7)シ
アニン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/T
NFなどの電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料と
ポリカーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(1
1)アズレニウム塩化合物など有機半導体がある。
【0028】また、非晶質のSi,Ge,Si1-xx
Si1-xGex,Ge1-xx(以下、a−Si,a−G
e,a−Si1-xx,a−Si1-xGex,a−Ge1-x
xのように略す)を光導電層6に使用する場合には、
水素またはハロゲン元素を含めてもよく、誘電率を小さ
くしたり抵抗率の増加させるために酸素または窒素を含
めてもよい。抵抗率の制御にはp型不純物であるB,A
l,Gaなどの元素、またはn型不純物であるP,A
s,Sbなどの元素を添加してもよい。このように不純
物を添加した非晶質材料を積層してp/n,p/i,i
/n、p/i/nなどの接合を形成し、光導電層6内に
空乏層を形成して誘電率および暗抵抗または動作電圧極
性を制御することもできる。また、このような非晶質材
料だけでなく、上記の材料を2種類以上積層してヘテロ
接合を形成し、光導電層6内に空乏層を形成してもよ
い。なお、光導電層6の膜厚は0.1〜10μmの範囲
にあるのが好ましい。
【0029】配向膜12は、強誘電性液晶分子の配向が
層方向と平行になるように設定してある。配向膜12の
厚みは1000オングストローム以下であるのが好まし
く、さらには100オングストローム以下であるのが好
ましい。配向膜12としては、ナイロン、ポリイミド等
の高分子膜またはSiO2斜方蒸着膜等が有用である。
特に電気的特性の優れた配向膜としては、例えば、「特
開平4ー338924号公報」に記載されたものがあ
る。
【0030】次に、上記構成を有する空間光変調素子の
製造方法の一実施例について説明する。まず、55mm
×45mm×1.1mmのガラス基板1上に、スパッタ
蒸着法によってITOを0.1μmの膜厚で成膜し、透
明導電性電極2を形成する。次いで、クロムを真空蒸着
によって500オングストロームの膜厚で成膜する。こ
れを、フォトリソグラフィーによって2μm幅、28μ
mピッチの格子状にレジストパターンを形成しエッチン
グした後レジスト除去する。このようにして、入力遮光
膜24を形成する(図2[a])。
【0031】その上にプラズマCVD法によってp/i
/nダイオ−ド構成のアモルファスシリコン受光層を
1.8μmの膜厚で積層し、光導電層6を形成する。こ
こで、p層3には周期律表5族元素であるボロンが5p
pmだけドーピングされており、n層5には周期律表3
族元素であるリンが50ppmだけドーピングされてい
る。また、p層3の膜厚は500オングストローム、i
層4の膜厚は1.45μm、n層5の膜厚は3000オ
ングストロームであり、有効面積は35mm×35mm
である。次いで、この有効面積内の膜上に、真空蒸着法
によってクロム45を5000オングストロームの膜厚
で成膜する(図2[b])。
【0032】次に、フォトリソグラフィ−によって画素
分離電極7をパタ−ン形成する。即ち、各画素の大きさ
を26μm×26μm、ピッチを28μmとして、20
00×2000画素の互いに分離された画素分離電極7
を形成する(図2[c])。なお、クロム膜の膜厚は、
軒形状を維持するために少なくとも3000オングスト
ローム以上であるのが好ましい。
【0033】次いで、画素分離電極7をエッチングマス
クとし、反応性イオンエッチング法によってSF6ガス
を用いて、光導電層6の一部をエッチングし除去する。
エッチング深さおよび、画素分離電極7の下部のアンダ
ーエッチ量(軒の長さ量)は後述する実施例より決定し
ている(図2[d])。
【0034】次いで、基板全面にアルミニウムを500
オングストロームの膜厚で成膜し、画素分離電極7の上
に金属反射膜8を、画素間の窪みの低部に出力遮光膜9
をそれぞれ形成する(図2[e])。
【0035】次いで、この基板全面に、ポリイミド膜4
6をスピナーにより2000オングストロームの膜厚で
塗布する(図3[a])。同様にして、カ−ボン含有高
分子(フジハント製、CK−2000)47をスピナ−
によって2μmの膜厚で塗布する(図3[b])。
【0036】次いで、酸素を用いたリアクチブイオンエ
ッチングによって全面エッチバックを行う。たとえば、
酸素の流量100sccm、ガス圧1Torrでエッチ
ングを行う。このとき、金属反射膜上のポリイミドの絶
縁膜46も除去され、窪み部分に埋め込まれた部分だけ
が残り、絶縁膜23が形成される(図3[c])。
【0037】また、エッチングの終了はエッチングに使
用している酸素の所定波長の発光強度を測定し、その変
化点を検出することによって行うことができる。
【0038】以上により、図1に示す空間光変調素子1
6のうち光導電層6を有する一方の基板が得られる。
【0039】次いで、このようにして得られた基板と他
方のガラス基板15(透明導電性電極14は既に蒸着さ
れている)の上にポリイミド配向膜12を積層する。配
向処理(ラビング処理)はナイロン布で表面を一定方向
に擦ることによって行う。次いで、他方のガラス基板1
5上に、イソプロピ−ルアルコ−ル中に分散させた直径
1μmのビ−ズ13をスプレ−によって撒く(図3
[d])。その後、両ガラス基板1、15を合わせ、周
囲をUV硬化樹脂で封入して液晶セルを作製する。そし
て、この液晶セルに真空中で強誘電性液晶ZLI−36
54(メルク社製:△n=0.13)を注入し、その
後、均一配向を得るためにZLI−3654の相転移温
度以上の温度に加熱し、1℃/分以下の徐冷速度で室温
にもどし、再配向させる。これにより、両基板間に1μ
m厚の強誘電性液晶層11が形成される(図3
[e])。
【0040】以上により、図1の構造を有する空間光変
調素子16が得られる。 (実施例2)以上のようにして作製した空間光変調素子
を投写型ディスプレイとして用いた場合の実施例につい
て説明する。図4にこの投写型ディスプレイ装置の模式
図を示す。
【0041】空間光変調素子16に、液晶ディスプレイ
25によって光書き込みを行う。液晶ディスプレイ25
の画像はセルフォックレンズアレイ26(日本板ガラス
製、44×44個(1mm径ファイバ−)、有効面積5
0mm×50mm)によって、空間光変調素子16の画
素に書き込まれる。表示に用いた液晶ディスプレイ25
の画素数は縦480横650である(画素ピッチ縦80
μm、横60μm、開口率40%)。読み出し用の光源
27(メタルハライドランプ、効率80lm/W、25
0W)をコンデンサ−レンズ28、偏光ビ−ムスプリッ
タ29を介して空間光変調素子16に照射する。出力像
はレンズ30で拡大されスクリ−ン31に映し出され
る。ここで、スクリ−ンゲインは1とした。なお、図4
中、32は書き込み用の光源である。
【0042】液晶ディスプレイ25の一画素は平均7.
6画素の空間光変調素子16の画素で表示される。空間
光変調素子16の開口率は85%と大きいが、書き込み
の画素が粗いためにスクリ−ン31での表示は開口率4
0%となる。全面白の状態を100インチ相当の大きさ
に拡大した像はスクリ−ン31上で1000lmの光束
を持つ。よってその光効率は4lm/Wと大きな値を実
現した。光源27の効率が80lm/Wであるから、投
入光の5%を表示できる高効率システムであることが分
かる。液晶表示の画像をスクリーン31上に映し出す
と、1000lm×0.4(液晶ディスプレイ25の開
口率)=400lmであった。従って、光効率は1.6
lm/Wである。また、スクリ−ン31上での動画像の
コントラスト比は150:1、解像度は縦方向650本
TVライン数であることが確認された。スクリ−ン31
上のコントラスト比を決定するのは、使用する偏光ビ−
ムスプリッタ−29の特性である。理想的な偏光ビ−ム
スプリッタ29を用いればコントラスト比が200:1
の画像をスクリーン31上で得ることができると考えら
れる。このことは、空間光変調素子16の解像度が50
lp/mmであることを意味している。また、動画像を
出力したところ、ビデオレ−トの動きに対して残像はな
く鮮明な高輝度画像が得られた。
【0043】なお、液晶ディスプレイ25、セルフォッ
クレンズアレイ26の替わりに、それぞれハイビジョン
対応のCRT、光学レンズ等に置き換えてもよく、その
場合スクリーン上の画像の解像度は縦方向1100TV
ライン数が確認できた。
【0044】(実施例3)実施例1と同様にして、他の
空間光変調素子を製作した。光導電層6に金属反射膜8
を成膜、微小形状に分割した後、光導電層6の一部をエ
ッチングし、微小形状に分割された画素を形成する工程
を、RIE(反応性イオンエッチング)装置を用いて行
った。
【0045】画素間の溝部において、金属反射膜8の端
部から金属反射膜8に接する光導電層6の端部までの距
離(図1(c)におけるaの長さ、以下軒の長さと称す
る)と、光導電層6における溝の深さ(図1(c)にお
けるbの長さ)の比a/bを、任意に変化させるためエ
ッチングの条件を(表1)のように変化させた。
【0046】
【表1】
【0047】反応性ガスとしては、CF4よりもエッチ
ング速度が大きいSF6ガスを用いてガス圧を変化させ
た。それぞれの場合における溝構造を、透過型電子顕微
鏡によって評価し、図5に結果を示す。図5よりa/b
の比は、0.25から2.00まで変化しており、(表
1)のようにRIE条件を変えることによって、溝の構
造を変化させることができる。なお、(表1)以外の条
件によって光導電層6をエッチングすることにより、上
記以外のa/bの比の構成を形成することも可能であ
る。
【0048】以上のことから、RIE装置を用いてエッ
チングすることにより、軒の長さと溝の深さの比a/b
を任意に設定することができ、遮光度を向上させる素子
構造を形成することができる。
【0049】(実施例4)実施例3で検討したエッチン
グ条件の中で、軒の長さと溝の深さの比a/bが、0.
25、1/√3、1、√3、2.00となる条件(表
2)によって画素間の溝部を形成し、その後実施例1で
示した工程で素子を製作した。
【0050】
【表2】
【0051】各々の素子について実施例2で示した投写
型ディスプレイ装置によって、読み出し光強度の変化に
対するコントラスト比を評価した結果を図6に示す。な
お、コントラスト比はスクリーン31上における画像情
報の、白:黒の明るさの比として定義している。
【0052】図6は、横軸にa/bの比をとり、縦軸を
コントラスト比として、読み出し光強度を変化させて評
価を行っている。図6より、a/bの比が増加すると、
コントラスト比も向上していることが解る。これは、a
/bの比が小さいとき(軒の長さが短いとき)は、読み
出し光21が遮光層10を突き抜け光導電層6へ漏れ入
るため、液晶層11が配向され、入力情報が黒であって
も、読み出し光21が反射されてしまう。このため、コ
ントラスト比における黒のレベルを上げてしまい、コン
トラスト比の低下の要因となる。
【0053】また、a/bの比が1.2付近を越えると
ころからコントラスト比が減少している。これは、画素
電極にCr膜を使用しており、軒の長さを増加させてい
くと自重に耐えきれず画素周辺が折れてしまい、読み出
し側の反射率を低下させてしまう。そのため、コントラ
スト比における白のレベルを下げてしまい、コントラス
ト比の低下を招く。なお、高度が大きい金属(たとえ
ば、Ti膜など)を画素電極に導入すれば、画素折れが
発生しないので、a/bの増加にともないコントラスト
比も向上していく。
【0054】投写型ディスプレイとして応用する場合、
読み出し光強度が200万lxでコントラスト比が10
0:1以上であることが望ましいので、a/bの比を1
/√3から√3の範囲に設定すればよいことが解る。
【0055】次に、遮光度に関する特性を図7に示す。
横軸にa/bをとり、縦軸に遮光度をとっている。ここ
で遮光度は、コントラスト比100:1を維持できる読
み出し光強度として定義している。
【0056】a/bを増加させると、遮光度が向上して
いることが解る。a/bが1.2を越えるところから遮
光度が低下するのは前述したとおり、画素電極の周辺が
垂れて、コントラスト比を維持できなくなるからであ
る。
【0057】図7からも同様にして、遮光度を200万
lx以上で維持するために、a/bを1/√3から√3
の範囲に設定する必要があることが解る。
【0058】
【発明の効果】本発明の空間光変調素子を用いると、高
解像度で高輝度、大画面の映像を映し出す投写型ディス
プレイ装置が実現される。また、本発明に係る空間光変
調素子の製造方法によれば、遮光能力が高く、しかも各
画素が分離独立して正確に動作する優れた空間光変調素
子を、単純な構成と少ない工程で精度良く作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の空間光変調素子の断面図 (b)は本発明の空間光変調素子における画素および断
面の関係を示す図 (c)は本発明の空間光変調素子の溝部の断面図
【図2】本発明の空間光変調素子の製造方法を示す工程
【図3】本発明の空間光変調素子の製造方法を示す工程
【図4】投写システムの模式図
【図5】本発明のリアクティブイオンエッチング工程に
より作製した空間光変調素子の溝部の拡大図
【図6】本発明のリアクティブイオンエッチング工程に
より作製した空間光変調素子のコントラスト比の図
【図7】本発明のリアクティブイオンエッチング工程に
より作製した空間光変調素子の遮光度の図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明電極 3 p層 4 i層 5 n層 6 光導電層 7 画素分離電極 8 金属反射膜 9 出力遮光膜 10 遮光層 11 強誘電性液晶層 12 配向膜 13 ビ−ズ 14 透明電極 15 ガラス基板 16 空間光変調素子 17 パルス電圧 18 書き込み光 19 偏光子 20 検光子 21 読み出し光 22 出力光 23 絶縁膜 24 入力遮光膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 水口 信一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶層と、前記液晶層を配向させる配向膜
    と、微小形状に分割された複数の整流性を有する光導電
    層および金属反射膜とを少なくとも備え、微小形状に分
    割された前記金属反射膜の表面積が、前記光導電層の最
    小の断面積よりも大であることを特徴とする空間光変調
    素子。
  2. 【請求項2】微小形状に分割された金属反射膜間の溝部
    において、前記金属反射膜の端部から前記金属反射膜に
    接する光導電層の端部までの距離と、前記溝部の深さの
    比が、1/√3から√3の範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の空間光変調素子。
  3. 【請求項3】光導電層に金属反射膜を成膜、微小形状に
    分割した後、光導電層の一部をエッチングし、微小形状
    に分割された画素を形成する工程を含む空間光変調素子
    の製造方法であって、微小形状に分割された前記金属反
    射膜間の溝部における前記金属反射膜の端部から前記金
    属反射膜に接する前記光導電層の端部までの距離と、前
    記溝部の深さの比を任意に変化させうる反応性イオンエ
    ッチング工程を有する空間光変調素子の製造方法。
  4. 【請求項4】反応性イオンエッチング工程によって光導
    電層の一部をエッチングする工程において、微小形状に
    分割された金属反射膜間の溝部における前記金属反射膜
    の端部から前記金属反射膜に接する前記光導電層の端部
    までの距離と、前記溝部の深さの比が、1/√3から√
    3の範囲であることを特徴とする請求項3記載の空間光
    変調素子の製造方法。
JP9484494A 1994-05-09 1994-05-09 空間光変調素子及びその製造方法 Pending JPH07301821A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010181785A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置

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