JP3070248B2 - 空間光変調素子およびその製造方法 - Google Patents

空間光変調素子およびその製造方法

Info

Publication number
JP3070248B2
JP3070248B2 JP4125846A JP12584692A JP3070248B2 JP 3070248 B2 JP3070248 B2 JP 3070248B2 JP 4125846 A JP4125846 A JP 4125846A JP 12584692 A JP12584692 A JP 12584692A JP 3070248 B2 JP3070248 B2 JP 3070248B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
photoconductive layer
layer
light
spatial light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4125846A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05323359A (ja
Inventor
昭雄 滝本
純子 朝山
浩二 秋山
靖規 藏富
久仁 小川
幸生 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP4125846A priority Critical patent/JP3070248B2/ja
Priority to US07/994,127 priority patent/US5384649A/en
Priority to EP92121953A priority patent/EP0552492B1/en
Priority to DE69224468T priority patent/DE69224468T2/de
Publication of JPH05323359A publication Critical patent/JPH05323359A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3070248B2 publication Critical patent/JP3070248B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型ディスプレイ、
ホログラフィ−テレビジョンあるいは光演算装置に用い
られる空間光変調素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大画面、高密度画素からなる高品位テレ
ビが様々な方式で開発され実用化されている。中でも従
来のブラウン管方式に変わって液晶技術を使った投写式
ディスプレイの開発が盛んである。ブラウン管方式であ
ると高密度画素に対して画面の輝度が低下し暗くなる。
叉ブラウン管自身、大型化が困難である。一方、トラン
ジスタ駆動方式の液晶素子による投写型ディスプレイ装
置は有力な方法ではあるが、開口率が大きくならないこ
と、素子が高価であることが欠点として上げられてい
る。一方CRTを入力とした液晶ライトバルブは従来よ
り素子形状が簡単で且つCRTと液晶素子の利点を組み
合わせた装置として注目されている(例えば特開昭63
−109422号公報)。近年は高感度な受光層アモル
ファスシリコンと液晶を組合せ、100インチ以上の大
画面で動画像を映し出すことが可能となった。また液晶
材料も高速応答可能な強誘電性液晶を用いて、より高速
・高解像度な液晶ライトバルブができるようになった。
この液晶ライトバルブは、強誘電性液晶の持つメモリ−
性と2値化特性を使った次世代の並列演算装置、光コン
ピュ−ティング装置の核としても期待されている。
【0003】3次元立体動画映像を眼鏡なしに見ること
のできる装置としてホログラフィ−テレビジョンが注目
されている。特に書換え可能なホログラム記録媒体とし
て液晶表示素子が期待されている。現在のトランジスタ
駆動方式の液晶素子の解像度は12〜25lp/mmで
あり、今後200lp/mmを有する素子の実現が望ま
れている。
【0004】液晶層と光導電層からなる空間光変調素子
あるいは液晶ライトバルブにおいて、微小電極と遮光膜
を設ける従来例として特開昭62−40430号公報、
同62−169120号公報に記載のものがある。微小
電極は多層誘電体薄膜の反射層に対して製造が容易であ
ることと、入射角度依存性の無いこと及び反射能が高い
ことが上げられる。また投写型ディスプレイの空間光変
調素子として用いられた場合は、開口率が大きく画素形
状が鮮明であることから高品位なテレビ画像が得られ
る。この素子に於いて遮光膜は変調を受ける入射光が出
力光に重畳されるのを防ぐために設けられる入力遮光膜
と、読み出し光が光導電層に漏れ込んで、スイッチング
させるのを防ぐ出力遮光膜の2種類が必要である。これ
らの遮光層が光導電層と反射層の間に設けられる場合
は、電気絶縁性の膜が使われる。直接透明性電極上に設
けられる場合は電気絶縁性である必要はない。
【0005】一方我々は遮光層を形成する以下の方法を
提案している。光導電層と強誘電性液晶層、反射膜とで
構成される空間光変調素子において、光導電層上に一様
に金属反射膜を形成し、その上に一様に高分子配向膜を
形成する。微小形状の画素パタ−ンをレジスト膜で前記
した一様な高分子膜上に形成し、画素間の配向膜を除去
する。続いて陽極酸化法によって画素間の金属反射膜を
酸化絶縁膜として遮光膜を形成する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電気絶縁性材料で一様
な遮光膜を光導電層と反射層の間に設置する構造(例え
ば特開昭62−40430号公報に記載の素子構造)
は、入力遮光膜と出力遮光膜を兼用する。この場合製造
方法は容易であるが、光導電層と金属反射面の間に絶縁
層が介在し、駆動時の電荷蓄積による光導電特性、スイ
ッチング特性の劣化を伴う。一方画素に相当する部分に
遮光膜の存在しない素子構造、例えば特開昭62−16
9120号公報の図3あるいは図4は電気的絶縁層の介
在はない。しかし遮光膜形成には導電性の材料は不向き
であり、従って高分子中に色素あるいはカ−ボンを含有
させたものが用いられる。一般に含有量の増加に伴って
遮光度は増加するが高分子に対する含有量は膜形成のた
めの条件から上限があり、遮光度も限界がある。金属薄
膜を遮光膜と用いた場合、遮光度は膜厚数千Åで可視光
領域全域に渡ってほぼ完全に遮光することが可能であ
る。しかし出力光側の遮光層としては導電層を用いるこ
とのできない素子構造であった。また前記した陽極酸化
膜を遮光膜で設ける場合も遮光度が不足する。
【0007】
【課題を解決するための手段】少なくとも光導電層と液
晶層、及びそれらの層間の同一平面内に微小形状に分割
された金属反射膜とで構成される空間光変調素子におい
て、金属からなる出力遮光膜を前記微小形状の金属反射
膜とは異なる平面内に設ける構造とする。
【0008】透明導電性電極を被覆した透明絶縁性基板
に光導電層を成膜し、一様に第1の金属反射膜を成膜
し、フォトリソグラフィ−によって微小形状のパタ−ン
を成形した後、この微小形状の金属反射膜をマスクとし
て光導電層をエッチングし段差を設け、第2の金属反射
膜を全面に成膜する。
【0009】
【作用】本発明の空間光変調素子は入射光で光導電層に
情報を書き込む。入射光の強度に応じて光導電層の電気
抵抗は減少し、各画素に相当する微小形状の金属反射膜
と対抗する透明導電性電極に挟まれた液晶層に印加され
る電圧が増大する。この電圧の大きさに応じて液晶層の
配向が変化する。この液晶層を通過する直線偏光の読み
出し光は、各画素の金属反射膜で反射し再び液晶層を通
過した後、検光子を通り、偏向光でその光強度変化が読
み出される。
【0010】読み出し光の照射に依って光導電層がスイ
ッチングしないように遮光膜を光導電層上に設ける必要
がある。各画素においては、金属反射膜が遮光膜を兼ね
る。一方画素間には新たに遮光膜として出力遮光膜を設
ける。尚入射側には画素間の入射光の漏れによるクロス
ト−クと読みだし側への漏れを防ぐために入力遮光膜を
設ける。出力遮光膜は遮光性が良く、金属反射膜と出力
遮光膜に接する光導電層の厚みを変えて段差を設けるこ
とで、画素上の金属反射膜と画素間の出力遮光膜は電気
的に分離することができ、隣接画素間でのクロスト−ク
はない。
【0011】
【実施例】本発明の実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0012】図1に本発明の空間光変調素子の一実施例
の断面図を示す。素子の構成は、透明絶縁性基板101
(例えばガラス)上に書き込み光に対する遮光膜102
(例えばアルミニウム、クロム、チタン等の金属薄膜)
及び透明導電性電極103(例えばITO、SnOx)
があり、光導電層107(例えばダイオ−ド構造を有す
るアモルファスシリコン半導体)が積層され、画素に相
当する分離した微小形状の金属反射層109(例えばア
ルミニウム、クロム、チタン等の金属薄膜)と液晶を配
向する配向膜110(例えばポリイミド等の高分子薄
膜)が配置される。この画素間に読み出し光の遮光膜と
して出力遮光膜108がある。強誘電性液晶層111は
スペ−サ−としての分散されたビ−ズ112によってセ
ル厚が制御される。対抗側の透明導電性電極113上に
も配向層110が一様に成膜される。光導電層の成膜さ
れる基板側から入射光120によって光書き込みされ、
他方より読み出し光118が液晶層111で変調され、
金属反射層109より出力光119がでる。偏光子11
6および検光子117を直交する配置とする。
【0013】金属反射膜109の下部にある光導電層1
07の厚みは、出力遮光膜108の下部に位置する光導
電層の膜厚より厚く、その段差は0.05μm〜4μ
m、望ましくは0.1μm〜1.5μmである。また光
導電層107が図1の例に示すように整流性を持つダイ
オ−ドp/i/n構造の場合、その最上部のn層106
の膜厚は前記段差より薄いことが必要である。
【0014】画素に当たる金属反射膜109の面積S1
と、その下部の光導電層の面積S2比は0.5<S2/S
1<1、望ましくは0.6<S2/S1<0.95であ
る。
【0015】光導電層107に使用する材料は例えば、
CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,Ga
As,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の化合
物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半導
体、Si,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge1-x
x(0<x<1)の多結晶または非晶質半導体、また、(1)
フタロシアニン顔料(Pcと略す)例えば無金属Pc,
XPc(X=Cu,Ni,Co,TiO,Mg,Si
(OH)2など),AlClPcCl,TiOClPc
Cl,InClPcCl,InClPc,InBrPc
Brなど、(2)モノアゾ色素,ジスアゾ色素などのア
ゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物およびペニレン酸
イミドなどのペニレン系顔料、(4)インジゴイド染
料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラキノン
類、ピレンキノン類などの多環キノン類、(7)シアニ
ン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/TNF
などの電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料とポリ
カーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(11)ア
ズレニウム塩化合物など有機半導体がある。また、非晶
質のSi,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge1-x
x(以下、a−Si,a−Ge,a−Si1-xx,a
−Si1-xGex,a−Ge1-xxのように略す)を光導
電層103に使用する場合、水素またはハロゲン元素を含
めてもよく、誘電率を小さくするおよび抵抗率の増加の
ため酸素または窒素を含めてもよい。抵抗率の制御には
p型不純物であるB,Al,Gaなどの元素を、または
n型不純物であるP,As,Sbなどの元素を添加して
もよい。このように不純物を添加した非晶質材料を積層
してp/n,p/i,i/n、p/i/nなどの接合を
形成し、光導電層107内に空乏層を形成するようにし
て誘電率および暗抵抗あるいは動作電圧極性を制御して
もよい。このような非晶質材料だけでなく、上記の材料
を2種類以上積層してヘテロ接合を形成して光導電層1
07内に空乏層を形成してもよい。また、光導電層10
7の膜厚は0.1〜10μmが望ましい。
【0016】配向膜110は強誘電性液晶分子の配向を
層方向と平行になるように設定してある。配向膜の厚み
は1000Å以下であり、望ましくは100Å以下であ
る。配向膜としてはナイロン、ポリイミド等の高分子膜
あるいはSiO2斜方蒸着膜がある。特に電気的特性の
優れた配向膜としては例えば特願平3−1145があ
る。偏光子116および検光子117の偏光方向は互い
に直交である。 液晶層111の液晶材料としては、強
誘電性液晶のカイラルスメクティックC液晶を用いる。
強誘電性液晶層の厚みは、反射型空間光変調素子の場合
であるのでおおよそ1μmに設定するのが出力光のコン
トラストが高い。また金属薄膜の厚みは100〜200
0Å、最適には500〜1500Åである。
【0017】図1の本発明の空間光変調素子の断面図及
び図2の工程図に従って作用を説明する。本発明の空間
光変調素子は入射光120で光導電層107に情報を書
き込む。入射光120の強度に応じて光導電層107の
電気抵抗は減少し、各画素に相当する微小形状の金属反
射膜109と対抗する透明導電性電極113に挟まれた
液晶層111に印加される電圧が増大する。この電圧の
大きさに応じて液晶層111の配向が変化する。この液
晶層を通過する直線偏光の読み出し光118は、各画素
の金属反射膜109で反射し再び液晶層を通過した後、
検光子117を通り、偏向光119でその光強度変化が
読み出される。読み出し光118の照射に依って光導電
層107がスイッチングしないように遮光膜を光導電層
107上に設ける必要がある。各画素においては、金属
反射膜109が遮光膜を兼ねる。一方画素間には新たに
遮光膜として出力遮光膜108を設ける。尚入射側には
画素間の入射光の漏れによるクロスト−クと読みだし側
への漏れを防ぐために入力遮光膜102を設ける。出力
遮光膜108は遮光性が良く、図1の様に金属反射膜1
09と出力遮光膜108に接する光導電層の厚みを変え
て段差を設けることで、画素上の金属反射膜108と画
素間の出力遮光膜109は電気的に分離することがで
き、隣接画素間でのクロスト−クはない。図1の光導電
層はアモルファスシリコンダイオ−ドを例としており、
p層104、i層105及びn層106からなり、画素
間の光導電層は少なくともn層は除去することでi/n
界面を除去している。これによってi/n界面のチャネ
ルを通して流れるリ−ク電流がなくなり、隣接画素間の
クロスト−クを大幅に低減することと、出力遮光膜10
8の成膜のための段差を設けることを同時に可能として
いる。n層を完全に除去しない場合、隣接画素は金属反
射膜108によってn層−M(金属)−n層が構成さ
れ、逆に画素間のクロスト−クが増加する。読み出し光
118によるスイッチングは金属反射層109の下部に
位置する光導電層の側壁からの漏れ光が要因として残
る。素子を読み出し側正面より見た形状は図3の様にな
るが、斜線部の出力遮光膜108は画素の金属反射膜1
09の内側に入り込むように成膜される。即ち画素に当
たる金属反射膜109の面積S1を、その下部の光導電
層の面積S2より大きくする。この結果、漏れ光に対し
ても遮光が有効に行なわれる。また出力遮光膜108は
一様に成膜されるため、この電位を外部より制御するこ
とで図1の液晶111を一定の配向制御することが可能
であり、画素間の反射光を常時、黒に設定でき、高いコ
ントラストの画像が得られる。
【0018】図2の工程に於て、(1)図1の一方のガ
ラス基板201上に書き込み光の遮光膜202をパタ−
ン形成し、透明電極203を成膜する。光導電層として
例えばプラズマCVD法によってアモルファスシリコン
光導電層207のp層203、i層204、n層205
を連続して成膜する。最上部に画素に相当する金属反射
膜208をパタ−ン形成する。(2)反射電極208を
マスクとしてn層205と、i層204の一部を除去す
る。例えばCF4とO2の混合ガスによるドライエッチン
グと弗酸と硝酸の混合溶液によるウェットエッチングで
反射電極208の下部に回り込んだ段差を形成できる。
(3)全面に真空蒸着法等によって第2の金属反射層2
09を成膜する。この時、回り込みさせるように基板面
に対して斜法より金属が蒸着されるようにする。隣接画
素のn層206に金属反射層209が被らない範囲でな
るべく回り込むことが望まれる。(4)この工程(3)
後、更に金属反射層209をマスクとして金属反射層2
08の下部にある光導電層の側壁をエッチングすること
ができる。続いて金属反射層を重ねて成膜することで、
画素下部の奥まで遮光層を設けることができる。
【0019】尚、図1の出力遮光膜108と光導電層1
07の間に絶縁層を設けることで隣接画素間のクロスト
−クを排除してもよい。但し、この絶縁層は電荷蓄積が
問題とならない程度に薄くする必要がある。
【0020】(実施例1)図1に示す空間光変調素子を
作製した。55mm×45mm×1.1mmのガラス基
板101上に入力遮光膜102を真空蒸着法によりアル
ミニウム薄膜1000Åとクロム500Åを連続して積
層した。アルミニウムは遮光膜、クロムはその上部に成
膜されるアモルファスシリコン膜との密着性を向上する
ための層である。パタ−ン形成はポジレジストを使用し
てのリフトオフによって行なった。この膜上に0.1μ
m厚のITOをスパッタ法により成膜し、透明導電性電
極103を形成した。次に、プラズマCVD法により
2.2μm厚でp/i/nダイオ−ド構成のアモルファ
スシリコン膜を光導電層107として積層する。p層1
04(膜厚1000Å)、i層105(膜厚1.8μ
m)、n層106(膜厚3000Å)とした。有効面積
は35mm×35mmである。この有効面積内の膜上に
真空蒸着法によりクロム薄膜500Aを金属反射膜10
9として形成した。レジストパタ−ンを形成して、各画
素の大きさ20μm×20μmとしてピッチ25μmに
よって1000×1000画素形成した。レジストを除
去した後、このクロム画素電極をマスクとして画素間の
アモルファスシリコン膜の一部をエッチング除去した。
CF4と酸素の混合ガスによるリアクティブ・イオン・
エッチング(以下RIEと称する)によってドライエッ
チングを施す。5000Åほぼ垂直にエッチングされ、
n層106の3000Åとi層105の上部2000Å
が除去される。再び弗酸と硝酸の混合液(1:50)に
よるウェットエッチングを10秒施し、等法的エッチン
グが5000Åされる(エッチング速度500Å/
秒)。その結果、クロム電極109の下部のn層106
は端部より5000Å彫り込まれる。この時クロム電極
はエッチング液によって反応せず形状を維持する。アル
ミニウムを使うと若干の細りがあるのでクロムとした。
画素の金属反射膜109は20μm×20μmであり、
その下部n層106の表面は19μm×19μmと小さ
くなる。作製された段差は1μmとなる。この基板を再
度真空蒸着装置に設置して全面にアルミニウム膜100
0Å成膜する。この結果、彫り込まれた段差表面に出力
遮光膜108が形成されると同時に画素の金属反射層1
09がクロムの上に積層される。アルミニウム1000
Å膜厚は遮光度は十分であり、且つ反射率も高く、読み
出し電極としての金属反射膜109にとっても有効であ
る。金属反射膜109は当然その下部に位置する光導電
層107の出力遮光膜を兼用することになる。よって出
力光側から見れば全面アルミニウム反射層で遮光される
構造となる。金属反射膜109の端部より入る光が出力
遮光膜108の端部から漏れて光導電層107に入るこ
とを防止するため図3に示すように出力遮光膜108は
金属反射膜109の下部に回り込んで成膜する。蒸着源
に対して基板面を垂直方向から20度傾斜させて設置し
た。
【0021】ポリイミド配向膜110を積層し、配向処
理はナイロン布で表面を一定方向に擦って行なった。片
側のガラス基板114上におよそ1μmの液晶層厚みを
実現するのにイソプロピ−ルアルコ−ル中に分散させた
直径1μmのビ−ズをスプレ−によって撒く。その後、
両ガラス基板をUV硬化樹脂で基板周囲を封入し液晶セ
ルを作製した。このセルに真空中で強誘電液晶ZLI−
3654(メルク社製)を注入する。注入後均一配向を
得るため、ZLI−3654の相転移温度(62℃)以
上の温度に加熱した後、1℃/分以下の徐冷速度で室温
にもどし再配向させた。
【0022】偏光方向が互いに直交となるように偏光子
116および検光子117を配置して、空間光変調素子
を作製した。
【0023】この空間光変調素子に交流電圧を印加し
て、入力光に白色光を用いて動作を確認した。その結
果、読み出し光に対する出力光の強度は、偏光子11
6、検光子117の損失分を考えなければ80〜90%
と非常に大きく、入力光120の強度が数μ十W/cm
2以上あれば、出力光119の立ち上がりが観測され、
入射光強度が小さくても十分動作することが確認でき
た。一定電圧下で入力光強度を増加したときの出力光強
度の変化を図4に示す。低光照度領域で中間調の出力が
あり、諧調を有する投写型ディスプレイの空間光変調素
子として使えることを示している。図5に駆動波形に対
する出力光119の時間応答変化を示した。ダイオ−ド
構造を有するアモルファスシリコン受光層107にとっ
て順方向バイアスとなる正電圧印加時は、液晶層に大き
な電圧が印可されパルス除去後も黒状態となるメモリ−
を示す。一方逆方向バイアスの負電圧印加時は、その入
射光120の強度変化に対して液晶層に印可される電圧
が変化する。パルス電圧除去後の液晶配向は印加電圧の
大きさに依存して中間調出力を示す。連続駆動をしても
この応答特性は変化ない。出力光のコントラスト比も2
50:1以上と良好であり、漏れ光が少なく遮光が良い
ことを示す。読み出し光118の強度は10万luxと
した。光導電層は1lux程度でスイッチイングするこ
から遮光度が極めて良好であることを示している。
【0024】この様にして作製した空間光変調素子を投
射型ディスプレイとして評価した。図6に投写型ディス
プレイ装置の模式図を示す。本発明の空間光変調素子6
01に光書き込みをCRTディスプレイ602によって
行う。表示に用いた素子の画素数は縦480横650で
ある。読み出しの為の光源605(メタルハライドラン
プ)をコンデンサ−レンズ604で偏光ビ−ムスプリッ
タ603によって照射する。出力像はレンズ606で拡
大されスクリ−ン607に映し出される。CRT画面上
の各ドットが空間光変調素子の分離された画素内に書き
込まれると、スクリ−ン上では各画素は四角形状に変換
される。開口率は80%と大きく明るい画像が得られ、
100インチ相当の大きさに拡大した像はスクリ−ン上
で2000ル−メンの照度を持つ。画像はコントラスト
250:1、解像度は縦方向650本TVライイ数が確
認された。空間光変調素子に於いては50lp/mmの
解像度があることを意味する。動画像を出力したところ
ビデオレ−トの動きに対して残像はなく鮮明な高輝度画
像が得られた。カラ−画像をえるため、RGBそれぞれ
に対応したCRT管と空間光変調素子をセットにしたも
のを3組用意して、スクリ−ン上で合成した。良好なカ
ラ−映像がきめ細かく再現されており、画素間の領域は
漏れ光はほとんどなく画素部分の最大照度に対して1/
104以下であった。
【0025】(実施例2)素子構造における出力遮光膜
108の形成方法を検討した。ドライエッチングによる
彫り込み深さと、ウェットエッチングによる等法的な回
り込みエッチング深さを変化させた。図7に各々のエッ
チング後の断面形状の模式図を示した。ドライエッチン
グの深さ(Ddと称する)は〜4000Å/分の条件、
ウェットエッチングの深さ(Dwと称する)は50Å/
秒を標準条件とした。出力遮光膜108成膜時の蒸着条
件は実施例1と同じとして、作製した素子の評価を行な
った。遮光度を見るため、素子が読み出し光でスイッチ
ングしない最大照射量で比較し、その結果を表1にまと
めた。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例3)出力遮光膜を成膜するときの
回り込みを、蒸着装置に素子を設置する基板角度(θ)
で制御した。図8(1)に示すように基板は垂直方向に
対して設置角度で再差運動する。反射電極802をマス
クとして出力遮光膜807を成膜する際角度θで等方的
に回り込む。設置角度θが大きい場合、回り込みの程度
が大きく例えば図8(2)に示すように画素間のn層8
03が出力遮光膜膜807で連結されることになる。表
2に設置角度と画素の金属反射膜802と出力遮光膜8
07間の印加電圧2vでの電流値(Ir)の関係を示し
た。
【0028】
【表2】
【0029】表が示すように50度の角度では画素間の
クロスト−クが著しい。よって20度程度の角度で出力
遮光膜108を成膜することとした。
【0030】(実施例4)上記の方法で作製した空間光
変調素子を用いて、図9に示すホログラフィ−テレビジ
ョン装置を組み立てて、その実時間表示される立体画像
の再生を確認した。コヒ−レント光としてHe−Neレ−ザ
−901を用いて被写体906を照射し、コリメ−タ9
05を通しての参照光とともにCCD907の撮像面上
に干渉縞パタ−ンを形成する。この画像デ−タをCRT
909に転送し空間光変調素子910に光書き込みして
干渉縞パタ−ンを再現する。読みだしにはコヒ−レント
光のHe−Neレ−ザ−901を使い反射モ−ドで立体像を
観測する。尚、画素パタ−ンは8μm角の画素に10μ
mピッチの100lp/mmの素子(3200×320
0=107画素)とした。
【0031】(実施例5)出力遮光膜108を外部より
任意の電位に設定することが可能なす素子を作製し評価
した。図10に受光層を成膜する基板1005の正面図
を示した。実施例1と同様の方法で作製し、出力遮光膜
1004の一部を外部に取り出す。駆動電圧波形は図5
に示すものと同一波形であるが電圧値を変えた。電圧値
によって出力遮光膜1004からの読み出し光の状態が
変化する。図11に電圧値に対する出力光強度変化を示
した。2〜5V範囲の電圧領域でほぼ黒状態を維持す
る。これより高い電圧では液晶が電界スイッチングで明
状態のメモリ−となる。画素間の出力を黒く表現するに
は不都合である。低電圧領域では逆にフロ−ティングに
近い出力遮光膜1004は明状態にメモリ−され、制御
されない。よって4Vに設定することにし、実施例1の
図6に示したシステムで画像評価したところ、画素間の
黒と画素の明状態のコントラストは300:1と良好で
あった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高解像度で高輝度、大
画面の映像を映し出す投写型ディスプレイ装置にとっ
て、読み出し光強度が強くできる空間光変調素子を提供
する。また単純な構成と少ない工程で素子を作製できる
方法を提供する。この素子を用いてホログラフィ−テレ
ビジョン装置は、実時間で鮮明な立体像が得られる。画
素間の配向状態を制御できるため鮮明な画像を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空間光変調素子の断面図
【図2】本発明の空間光変調素子の製造方法を示す工程
【図3】本発明の空間光変調素子の画素の金属反射膜と
画素間に配置される出力遮光膜の形状図
【図4】本発明の空間光変調素子の光応答特性図
【図5】本発明の空間光変調素子の時間応答特性図
【図6】本発明の空間光変調素子を用いて作製した投写
型ディスプレイ装置の模式図
【図7】本発明の空間光変調素子の製造方法の遮光膜形
成時の光導電層の一部を除去する工程での断面形状図
【図8】本発明の空間光変調素子の製造方法の遮光膜形
成時の(1)蒸着装置に基板を小さい角度θで設置した
場合と、(2)大きい角度θで設置した場合の、出力遮
光膜の形成状態を示した模式図
【図9】本発明の空間光変調素子を用いて作製したホロ
グラフィ−テレビジョン装置の模式図
【図10】本発明の実施例5で作製した空間光変調素子
に用いた受光膜付き基板の正面図
【図11】実施例5で作製した空間光変調素子の画素間
の出力遮光膜に印加する電圧値に対する出力光強度変化
を示した図
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 入力遮光膜 103 透明導電性電極 104 p層 105 i層 106 n層 107 光導電層 108 出力遮光膜 109 金属反射膜 110 配向膜 111 強誘電性液晶層 112 ビ−ズ 113 透明導電性電極 114 ガラス基板 115 空間光変調素子 116 偏光子 117 検光子 118 読みだし光 119 出力光 120 書き込み光
フロントページの続き (72)発明者 藏富 靖規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 田中 幸生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−34435(JP,A) 特開 昭62−169120(JP,A) 実開 平3−60321(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/135

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光導電層と液晶層、及びそれ
    らの層間の同一平面内に微小形状に分割された金属反射
    膜とで構成される空間光変調素子において、金属からな
    る出力遮光膜が前記微小形状の金属反射膜とは異なる平
    面内にあり、微小形状の金属反射膜の表面積が、それに
    接する光導電層の表面積に対して大きいことを特徴とす
    る空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 出力遮光膜が素子内において分離されず
    連続していることを特徴とする請求項1記載の空間光変
    調素子。
  3. 【請求項3】 微小形状に分割された金属反射膜に接す
    る光導電層の膜厚が、出力遮光膜に接する光導電層の膜
    厚よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の空間光
    変調素子。
  4. 【請求項4】 光導電層が整流性を有するアモルフアス
    シリコン層からなり、微小形状に分割された金属反射膜
    は少なくとも不純物が添加された光導電層と接し且つ、
    出力遮光膜に接する光導電層は、その不純物を含まない
    層である請求項1記載の空間光変調素子。
  5. 【請求項5】 微小形状に分割された金属反射膜に接す
    る光導電層の膜厚と、出力遮光膜に接する光導電層の膜
    厚の差が、不純物が添加された光導電層の膜厚よりも大
    きいことを特徴とする請求項記載の空間光変調素子。
  6. 【請求項6】 透明導電性電極を被覆した透明絶縁性基
    板に光導電層を成膜し、一様に金属反射膜を成膜し、フ
    オトリソグラフイ−によつて微小形状のパタ−ンを成形
    した後、この微小形状の金属反射膜をマスクとして光導
    電層をエツチングし段差を設け、第2の金属反射膜を全
    面に成膜し、出力遮光膜を形成する空間光変調素子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 透明導電性電極を被覆した透明絶縁性基
    板に光導電層を成膜し、一様に第1の金属反射膜を成膜
    し、フオトリソグラフイ−によつて微小形状のパタ−ン
    を成形した後、この微小形状の金属反射膜をマスクとし
    て光導電層をエツチングし段差を設け、第2の金属反射
    膜を全面に成膜し、再度第1及び第2の金属反射膜をマ
    スクとして光導電層をエツチングする請求項記載の空
    間光変調素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも光導電層と液晶層、及びそれ
    らの層間の同一平面内に微小形状に分割された金属反射
    膜とで構成される空間光変調素子において、金属からな
    る出力遮光膜が前記微小形状の金属反射膜とは異なる平
    面内にある空間光変調素子を駆動する方法であつて、出
    力遮光膜を任意の電位に設定することを特徴とする空間
    光変調素子の駆動方法。
JP4125846A 1991-12-26 1992-05-19 空間光変調素子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3070248B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4125846A JP3070248B2 (ja) 1992-05-19 1992-05-19 空間光変調素子およびその製造方法
US07/994,127 US5384649A (en) 1991-12-26 1992-12-21 Liquid crystal spatial light modulator with electrically isolated reflecting films connected to electrically isolated pixel portions of photo conductor
EP92121953A EP0552492B1 (en) 1991-12-26 1992-12-23 A spatial light modulator and a method for producing the same
DE69224468T DE69224468T2 (de) 1991-12-26 1992-12-23 Räumlicher Lichtmodulator und Herstellungsverfahren

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4125846A JP3070248B2 (ja) 1992-05-19 1992-05-19 空間光変調素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05323359A JPH05323359A (ja) 1993-12-07
JP3070248B2 true JP3070248B2 (ja) 2000-07-31

Family

ID=14920392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4125846A Expired - Fee Related JP3070248B2 (ja) 1991-12-26 1992-05-19 空間光変調素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3070248B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05323359A (ja) 1993-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5384649A (en) Liquid crystal spatial light modulator with electrically isolated reflecting films connected to electrically isolated pixel portions of photo conductor
JP2808380B2 (ja) 空間光変調素子の駆動方法
US5781267A (en) Anti-ferroelectric liquid crystal with black display in one frame, white in other and ratio giving grey scale
JP3070248B2 (ja) 空間光変調素子およびその製造方法
JPH0784267A (ja) 液晶表示素子及び空間光変調素子
JP3070252B2 (ja) 空間光変調素子および表示装置
JPH05333366A (ja) 空間光変調素子
JPH05333368A (ja) 空間光変調素子およびその製造方法
JPH06347819A (ja) 空間光変調素子
JP2857274B2 (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH05323358A (ja) 空間光変調素子およびその製造方法
JPH05173174A (ja) 空間光変調素子
JPH08122811A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH05173172A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH06273793A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法並びに投写型表示装置
JPH05196959A (ja) 液晶表示装置
JPH06258657A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH06347820A (ja) 空間光変調素子の製造方法
JPH06301051A (ja) 空間光変調素子
JPH07140483A (ja) 空間光変調素子
JPH07281207A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH08122810A (ja) 空間光変調素子
JPH07301821A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH05173170A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH086041A (ja) 液晶表示素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees