JPH07281207A - 空間光変調素子及びその製造方法 - Google Patents

空間光変調素子及びその製造方法

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JPH07281207A
JPH07281207A JP6926794A JP6926794A JPH07281207A JP H07281207 A JPH07281207 A JP H07281207A JP 6926794 A JP6926794 A JP 6926794A JP 6926794 A JP6926794 A JP 6926794A JP H07281207 A JPH07281207 A JP H07281207A
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surface roughness
light
layer
metal reflection
spatial light
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Application number
JP6926794A
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English (en)
Inventor
Toru Kawase
透 川瀬
Tadashi Kimura
忠司 木村
Akio Takimoto
昭雄 滝本
Kuni Ogawa
久仁 小川
Shinichi Mizuguchi
信一 水口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電流整流性を有する光導電層6と、強誘電性液
晶層11と、これらの層の間の同一平面上に設けられ、
かつ微小形状に分割された複数の金属反射膜8とを少な
くとも備えた空間光変調素子であって、前記金属反射膜
8の表面粗さよりも、前記金属反射膜間の遮光層10の
表面粗さのほうが大であることにより、遮光能力が高
く、各画素が分離独立して正確に動作する空間光変調素
子及びその製造方法を提供する。 【構成】画素分離電極7の間にある遮光層10の液晶層
11に面している表面は、異方性エッチングにより表面
の凸凹の粗さが0.1μm以上となっており、かつ、画
素分離電極7の表面は、等方性エッチングにより表面の
凸凹の粗さは0.1μm以下となっている。このように
表面の凸凹の表面の粗さを変えることによって、画素と
画素間における液晶の配向状態を変えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型ディスプレイ、
ホログラフィーテレビジョンあるいは光演算装置に用い
られる空間光変調素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】大画面、高密度画素からなる高品位テレビ
が様々な方式で開発され実用化されている。中でも従来
のブラウン管方式に変わって液晶技術を使った投写型デ
ィスプレイの開発が盛んである。ブラウン管方式である
と高密度画素に対して画面の輝度が低下し暗くなる。ま
た、ブラウン管自身、大型化が困難である。一方、トラ
ンジスタ駆動方式の液晶素子による投写型ディスプレイ
装置は有力な方法ではあるが、開口率が大きくならない
こと、素子が高価であることが欠点として上げられてい
る。CRTを光入力手段とする液晶ライトバルブは従来
より素子形状が簡単で且つCRTと液晶素子の利点を組
み合わせた装置として注目されている。
【0003】近年は、高感度なアモルファスシリコン受
光層と液晶を組合せ、100インチ以上の大画面で動画
像を映し出すことが可能となった。また、液晶材料も高
速応答可能な強誘電性液晶を用いて、より高速・高解像
度な液晶ライトバルブができるようになった。この液晶
ライトバルブは、強誘電性液晶の持つメモリー性と2値
化特性を使った次世代の並列演算装置、光コンピューテ
ィング装置の核としても期待されている。
【0004】空間光変調素子の構成については、様々な
研究開発が活発に行われているが、微小電極と遮光膜を
設けた構成の空間光変調素子あるいは液晶ライトバルブ
においては、従来例として特開昭62−40430号公
報、同62−169120号公報、特開平3−1923
30号公報などがある。
【0005】従来、光導電層上に設けられた微小形状の
反射電極からなる画素表示部の周辺部に読みだし光が照
射されると、光導電層中の画素周辺部で発生した電荷が
画素表示部へ運ばれ、画素の電位が画素信号とは無関係
に変動してしまい、画素表示部のコントラストを低下さ
せるという問題があった。
【0006】この問題を解決する手段として、隣合う画
素間のクロストークを小さくし、同時に遮光度も向上さ
せるために、画素間部分の光導電層の一部または全部を
除去し、そこに絶縁性をもつ遮光材料を充填するという
方法が用いられている。金属薄膜の微小電極における優
位点は、多層誘電体薄膜の反射層に対して製造が容易で
あることと、入射角度依存性の無いこと及び反射率が高
いことが上げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の構
造では、画素における配向状態と画素間における配向状
態とに大きな差が発生し難く、画素上の液晶配向と同様
に画素間の液晶配向も双安定状態を呈する。このため、
画素における液晶の駆動の影響によって、画素間におけ
る液晶の配向状態が変動し、隣接する画素上の液晶配向
に影響を与え、白または黒の不均一な状態を呈し、また
解像度の劣化を招くという問題点が発生する。
【0008】また、従来高分子を主成分とする遮光層を
素子上に一様に塗布し、酸素を含む気体を用いた反応性
イオンエッチングによって、画素電極上の遮光層を除去
する工程においては、電極間に構成された窪みに塗布し
た遮光層を充分に残し、かつ電極上の遮光層は除去しな
くてはならないという制約から、エッチングの終了判定
を作業者の目視に頼っているのが現状である。これで
は、作業者による素子特性のばらつき、装置のパラメー
タ変動等により、安定した品質を保てないという問題点
を有している。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、遮光能力が高く、各画素が分離独立して正確に動作
する空間光変調素子及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る空間光変調素子は、電流整流性を有す
る光導電層と、強誘電性液晶層と、これらの層の間の同
一平面上に設けられ、かつ微小形状に分割された複数の
金属反射膜とを少なくとも備えた空間光変調素子であっ
て、前記金属反射膜の表面粗さよりも、前記金属反射膜
間の遮光層の表面粗さのほうが大であることを特徴とす
る。
【0011】前記構成においては、金属反射膜間の遮光
層における表面粗さが0.1μm以上であるのが好まし
い。また、前記構成においては、金属反射膜における表
面粗さが0.1μm以下であるのが好ましい。
【0012】次に、本発明に係る空間光変調素子の製造
方法は、光導電層に金属反射膜を成膜、微小形状に分割
した後、光導電層の一部を等方エッチングし窪み形状を
作り、高分子を主成分とする遮光層を窪み部分に埋め込
み、酸素を含む気体を用いた反応性イオンエッチングに
よって前記金属反射膜上の前記遮光層の一部を除去する
工程を含む空間光変調素子の製造方法において、前記金
属反射膜上の表面粗さを小とする等方性エッチング工程
と、前記金属反射膜間の表面粗さを大とする異方性エッ
チング工程の少なくとも二つの工程を有することを特徴
とする。
【0013】前記本発明方法の構成においては、酸素を
含む気体を用いた反応性イオンエッチングによって遮光
層の一部を除去する工程において、酸素の所定波長の発
光強度の変化点において工程を終了するのが好ましい。
【0014】前記本発明方法の構成においては、酸素の
所定波長は770〜780nmであることが好ましい。
【0015】
【作用】前記した本発明の構成によれば、電流整流性を
有する光導電層と、強誘電性液晶層と、これらの層の間
の同一平面上に設けられ、かつ微小形状に分割された複
数の金属反射膜とを少なくとも備えた空間光変調素子で
あって、前記金属反射膜の表面粗さよりも、前記金属反
射膜間の遮光層の表面粗さのほうが大であることによ
り、遮光能力が高く、各画素が分離独立して正確に動作
する空間光変調素子が実現できる。
【0016】前記構成において、金属反射膜間の遮光層
における表面粗さが0.1μm以上であると、対向する
電極の表面状態と大きな違いを生ぜしめて、その間にお
ける強誘電液晶の配向状態が単安定化する。そのため、
近傍の画素における液晶の駆動の影響によって画素間の
液晶分子配列が変動することが防止される。前記金属反
射膜間の遮光層の表面粗さは液晶層の厚さ(1μm)以
下が好ましい。
【0017】前記構成において、金属反射膜における表
面粗さが0.1μm以下であると、同様に強誘電液晶の
配向状態が単安定化し、近傍の画素における液晶の駆動
の影響によって画素間の液晶分子配列が変動することが
防止される。
【0018】前記構成において、画素表面上における表
面粗さが0.1μm以下であり、かつ画素間の遮光層に
おける表面粗さが0.1μm以上と著しく粗い状態であ
ると、さらに強誘電液晶の配向状態が単安定化し、近傍
の画素における液晶の駆動の影響によって画素間の液晶
分子配列が変動することが防止される。
【0019】次に、本発明に係る空間光変調素子の製造
方法の構成によれば、光導電層に金属反射膜を成膜、微
小形状に分割した後、光導電層の一部を等方エッチング
し窪み形状を作り、高分子を主成分とする遮光層を窪み
部分に埋め込み、酸素を含む気体を用いた反応性イオン
エッチングによって前記金属反射膜上の前記遮光層の一
部を除去する工程を含む空間光変調素子の製造方法にお
いて、前記金属反射膜上の表面粗さを小とする等方性エ
ッチング工程と、前記金属反射膜間の表面粗さを大とす
る異方性エッチング工程の少なくとも二つの工程を有す
ることにより、異方性エッチングを行うことにより、金
属反射膜間の遮光層の表面粗さを0.1μm以上にする
ことができ、また、等方性エッチングを行うことによ
り、金属反射膜間の遮光層の表面粗さを0.1μm以下
にすることができる。さらに、酸素の所定波長の発光強
度を測定することによって、エッチング工程を適切に、
切り替えおよび終了することができるので、前記構成を
備えた空間光変調素子を効率よく合理的に作製すること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1)本発明の実施例について、図面を参照しな
がら説明する。
【0021】図1は本発明に係る空間光変調素子の一実
施例を示す断面図である。図1(a)に示すように、透
明絶縁性基板1(例えば、ガラス)上には、透明導電性
電極2(例えばITO(インジウム−スズ酸化物)、S
nOx )が積層されている。次に、入力光を分離するた
めに、入力遮光膜24(例えばアルミニウム、クロム、
チタン等の金属薄膜)を格子状に積層している。その上
には、整流性を有する光導伝層6(例えば、ダイオード
構造を有するアモルファスシリコン半導体;p層3;i
層4及びn層5)とが順次積層されている。また、n層
5の上には、画素分離電極7と、画素に相当する分離し
た微小形状の金属反射膜8(例えばアルミニウム、クロ
ム、チタン等の金属薄膜)と、強誘電性液晶層11を配
向する配向膜12(例えばポリイミド等の高分子薄膜)
とが順に配置されている。また、この画素間には、読み
出し光21に対する出力遮光膜9(例えばアルミニウ
ム、クロム、チタン等の金属薄膜)が設けられている。
このように金属反射膜8及び出力遮光膜9はいずれも整
流性を有する光導電層6に接しているため、駆動時に出
力遮光膜9に電荷蓄積が発生することなく、その結果、
光導電特性、スイッチング特性の劣化を防止することが
できる。なお、出力遮光膜9の設けられる平面は金属反
射膜8の設けられる平面の下部に位置しており、これに
より遮光の効果を向上させることができる。また、金属
反射膜8と出力遮光膜9とは電気的に分離され、隣接画
素間でのクロストークはない。
【0022】軒形状をした画素分離電極7と出力遮光膜
9の周縁部との間には、可視光を吸収する遮光層10
(例えば、カーボン含有あるいは色素含有の高分子)が
配置されている。これにより、透明絶縁性基板15(例
えば、ガラス)に対し斜め方向から入射する読みだし光
21だけを吸収し、画素分離電極7の下部に位置する光
導電層6に読みだし光21が漏れ入ることを防止するこ
とができる。
【0023】絶縁膜23(例えば、ポリイミド)は、遮
光層10に電荷が蓄積され、画素分離電極7上に電荷が
移動し、液晶層11の配向が入力に関係なく変動するこ
とを防ぐものである。
【0024】図1(b)の拡大図に示すように、画素分
離電極7の間にある遮光層10の液晶層11に面してい
る表面は、異方性エッチングにより表面の凸凹の粗さが
0.1μm以上となっており、かつ、画素分離電極7の
表面は、等方性エッチングにより表面の凸凹の粗さは
0.1μm以下となっている。このように表面の凸凹の
表面の粗さを変えることによって、画素と画素間におけ
る液晶の配向状態を変えることができる。
【0025】強誘電性液晶層11は、スペーサーとして
分散されたビーズ13によってそのセル厚が制御され
る。また、対抗側の透明導電性電極14上にも配向層1
2が一様に成膜されている。
【0026】本空間光変調素子16の駆動は、両透明導
電性電極2、14間にパルス電圧17を印加することに
よってなされる。そして、光導電層6が成膜されている
透明絶縁性基板1側からの書き込み光(入力光)18に
よって光導電層6に情報が書き込まれる。書き込み光
(入力光)18の強度に応じて光導電層6の電気抵抗が
減少し、各画素に相当する微小形状の金属反射膜8と対
向する透明導電性電極14とに挟まれた強誘電性液晶1
1に印加される電圧が増大する。この電圧の大きさに応
じて強誘電性液晶層11の配向が変化する。この強誘電
性液晶層11を通過する直線偏光の読みだし光21は、
各画素の金属反射膜8で反射し再び強誘電性液晶11を
通過した後、検光子20を通り、出力光22としてその
強度変化が読みだされる。この場合、読みだし光21の
照射によって光導電層6がスイッチングしないように、
光導電層6上に遮光膜を設ける必要があるが、本実施例
においては、金属遮光膜8が遮光膜を兼ねている。なお
24は入力遮光膜である。
【0027】光導電層6に使用する材料として、例え
ば、CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,
GaAs,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の
化合物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半
導体、Si,Ge,Si1-x x ,Si1-x Gex ,G
1-x x (0<x<1) 等の多結晶または非晶質半導体、ま
た、(1)フタロシアニン顔料(Pcと略す)、例え
ば、無金属Pc,XPc(X=Cu,Ni,Co,Ti
O,Mg,Si(OH)2 など),AlClPcCl,
TiOClPcCl,InClPcCl,InClP
c,InBrPcBrなど、(2)モノアゾ色素,ジス
アゾ色素などのアゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物
およびペニレン酸イミドなどのペニレン系顔料、(4)
インジゴイド染料、(5)キナクリドン顔料、(6)ア
ントラキノン類、ピレンキノン類などの多環キノン類、
(7)シアニン色素、(8)キサンテン染料、(9)P
VK/TNFなどの電荷移動錯体、(10)ビリリウム
塩染料とポリカーボネイト樹脂から形成される共晶錯
体、(11)アズレニウム塩化合物など有機半導体があ
る。
【0028】また、非晶質のSi(以下、a−Si),
Ge(以下、a−Ge),Si1-xx (以下、a−S
1-x x ),Si1-x Gex (以下、a−Si1-x
x),Ge1-x x (以下、a−Ge1-x x )を光
導電層6に使用する場合には、水素またはハロゲン元素
を含めてもよく、誘電率を小さくしたり抵抗率の増加さ
せるために酸素または窒素を含めてもよい。抵抗率の制
御にはp型不純物であるB,Al,Gaなどの元素、ま
たはn型不純物であるP,As,Sbなどの元素を添加
してもよい。このように不純物を添加した非晶質材料を
積層してp/n,p/i,i/n、p/i/nなどの接
合を形成し、光導電層6内に空乏層を形成して誘電率お
よび暗抵抗あるいは動作電圧極性を制御することもでき
る。また、このような非晶質材料だけでなく、上記の材
料を2種類以上積層してヘテロ接合を形成し、光導電層
6内に空乏層を形成してもよい。なお、光導電層6の膜
厚は0.1〜10μmの範囲にあるのが好ましい。
【0029】配向膜12は、強誘電性液晶分子の配向が
層方向と平行になるように設定してある。配向膜12の
厚みは1000オングストローム以下であるのが好まし
く、さらには100オングストローム以下であるのが好
ましい。配向膜12としては、ナイロン、ポリイミド等
の高分子膜あるいはSiO2 斜方蒸着膜等が有用であ
る。特に電気的特性の優れた配向膜としては、例えば、
特願平3−1145号に記載されたものがある。
【0030】次に、上記構成を有する空間光変調素子の
製造方法の一実施例について説明する。まず、55mm
×45mm×1.1mmのガラス基板1上に、スパッタ
蒸着法によってITOを0.1μmの膜厚で成膜し、透
明導電性電極2を形成する。次いで、クロムを真空蒸着
によって500オングストローム(50nm)の膜厚で
成膜する。これを、フォトリソグラフィーによって2μ
m幅、28μmピッチの格子状にレジストパターンを形
成しエッチングした後レジスト除去する。このようにし
て、入力遮光膜24を形成する(図2(a))。その上
に、プラズマCVD法によってp/i/nダイオード構
成のアモルファスシリコン受光層を0.8μmの膜厚で
積層し、光導電層6を形成する。ここで、p層3には周
期律表5族元素であるボロンが5ppmだけドーピング
されており、n層5には周期律表3族元素であるリンが
50ppmだけドーピングされている。また、p層3の
膜厚は500オングストローム、i層4の膜厚は0.4
5μm、n層5の膜厚は3000オングストロームであ
り、有効面積は35mm×35mmである。次いで、こ
の有効面積内の膜上に、真空蒸着法によってクロム層4
5を3000オングストロームの膜厚で成膜する(図2
(b))。次に、フォトリソグラフィーによって画素分
離電極7をパターン形成する。すなわち、各画素の大き
さを25μm×25μm、ピッチを28μmとして、2
000×2000画素の互いに分離された画素分離電極
7を形成する(図2(c))。なお、クロム膜の膜厚
は、軒形状を維持するために少なくとも1000オング
ストローム以上であるのが好ましい。
【0031】次いで、画素分離電極7をエッチングマス
クとし、ケミカルドライエッチング法によりCF4 と酸
素の混合ガスを用いて等方的なエッチングを施し、光導
電層6の一部を除去する。エッチング深さは1.0μm
である。なお、この際、画素分離電極7の下部の一部も
アンダーエッチする(図2(d))。
【0032】次いで、基板全面にアルミニウムを500
オングストロームの膜厚で成膜し、画素分離電極7の上
に金属反射膜8を、画素間の窪みの低部に出力遮光膜9
をそれぞれ形成する(図2(e))。
【0033】次いで、この基板全面に、ポリイミド膜4
6をスピナーにより2000オングストロームの膜厚で
塗布する(図3(a))。同様にして、カーボン含有高
分子(フジハント製、CK−2000)47をスピナー
によって2μmの膜厚で塗布する(図3(b))。
【0034】次いで、酸素を用いたリアクチブイオンエ
ッチングによって全面エッチバックを行う。まず、金属
反射膜8の表面粗さを0.1μm以下にするような条件
(たとえば、酸素の流量100sccm、ガス圧1To
rr)でエッチングを行う。このとき、金属反射膜上の
ポリイミドの絶縁膜46も除去され、窪み部分に埋め込
まれた部分だけが残り、絶縁膜23が形成される(図3
(c))。金属反射膜8が全面露出して、表面粗さが
0.1μm以下になったところで、金属反射膜8間の遮
光層10の表面粗さを0.1μm以上にするような条件
(たとえば、酸素の流量5sccm、ガス圧20mTo
rr)でエッチングを行う。金属反射膜8はアルミ等の
金属であるので、エッチングの影響を受けないが、遮光
層10には不純物が小量含まれており、それがマスクと
なって柱状残さが形成される。このように、遮光層10
の表面は異方的なエッチングを受け、表面粗さが0.1
μm以上となる(図3(d))。
【0035】また、エッチング条件の切り替え、及び終
了はエッチングに使用している酸素の所定波長の発光強
度を測定し、その変化点を検出することによって行うこ
とができる。
【0036】以上により、図1に示す空間光変調素子1
6のうち光導電層6を有する一方の基板が得られる。次
いで、このようにして得られた基板と他方のガラス基板
15(透明導電性電極14は既に蒸着されている)の上
にポリイミド配向膜12を積層する。配向処理(ラビン
グ処理)はナイロン布で表面を一定方向に擦ることによ
って行う。次いで、他方のガラス基板15上に、イソプ
ロピールアルコール中に分散させた直径1μmのビーズ
13をスプレーによって撒く(図3(e))。その後、
両ガラス基板1、15を合わせ、周囲をUV硬化樹脂で
封入して液晶セルを作製する。そして、この液晶セルに
真空中で強誘電性液晶ZLI−3654(メルク社製:
△n=0.13)を注入し、その後、均一配向を得るた
めにZLI−3654の相転移温度以上の温度に加熱
し、1℃/分以下の徐冷速度で室温にもどし、再配向さ
せる。これにより、両基板間に1μm厚の強誘電性液晶
層11が形成される(図3(f))。以上により、図1
の構造を有する空間光変調素子16が得られる。
【0037】(実施例2)以上のようにして作製した空
間光変調素子を投写型ディスプレイとして評価した。
【0038】図4に投写型ディスプレイ装置の模式図を
示す。空間光変調素子16に、液晶ディスプレイ25に
よって光書き込みを行う。液晶ディスプレイ25の画像
はセルフォックレンズアレイ26(日本板ガラス製、4
4×44個(1mm径ファイバー)、有効面積50mm
×50mm)によって、空間光変調素子16の画素に書
き込まれる。表示に用いた液晶ディスプレイ25の画素
数は縦480横650である(画素ピッチ縦80μm、
横60μm、開口率40%)。読み出し用の光源27
(メタルハライドランプ、効率80lm/W、250
W)をコンデンサーレンズ28、偏光ビームスプリッタ
29を介して空間光変調素子16に照射する。出力像は
レンズ30で拡大されスクリーン31に映し出される。
ここで、スクリーンゲインは1とした。なお、図4中、
32は書き込み用の光源である。
【0039】液晶ディスプレイ25の一画素は平均7.
6画素の空間光変調素子16の画素で表示される。空間
光変調素子16の開口率は85%と大きいが、書き込み
の画素が粗いためにスクリーン31での表示は開口率4
0%となる。全面白の状態を100インチ相当の大きさ
に拡大した像はスクリーン31上で1000lmの光束
を持つ。よってその光効率は4lm/Wと大きな値を実
現した。光源27の効率が80lm/Wであるから、投
入光の5%を表示できる高効率システムであることが分
かる。液晶表示の画像をスクリーン31上に映し出す
と、1000lm×0.4(液晶ディスプレイ25の開
口率)=400lmであった。従って、光効率は1.6
lm/Wである。また、スクリーン31上での動画像の
コントラスト比は150:1、解像度は縦方向650本
TVライン数であることが確認された。スクリーン31
上のコントラスト比を決定するのは、使用する偏光ビー
ムスプリッター29の特性である。理想的な偏光ビーム
スプリッタ29を用いればコントラスト比が200:1
の画像をスクリーン31上で得ることができると考えら
れる。このことは、空間光変調素子16の解像度が50
lp/mmであることを意味している。また、動画像を
出力したところ、ビデオレートの動きに対して残像はな
く鮮明な高輝度画像が得られた。
【0040】(実施例3)実施例1と同様にして、他の
空間光変調素子を製作した。画素分離電極7間の遮光層
10を形成する工程において、遮光層10のエッチング
条件を次表のように変化させた。エッチング工程として
は、金属反射膜8の表面が露出するまで、等方性エッチ
ングとなる条件(たとえば、酸素の流量100scc
m、ガス圧20mTorr)でエッチングを行い、金属
反射膜8上の表面粗さを0.1μm以下としている。そ
の後、(表1)の条件のように、酸素の流量を変化さ
せ、遮光層10の表面粗さを0.03〜0.3μmまで
変化させている。なお、ここでの表面粗さは、表面状態
の凹凸の差のmax 値としている。
【0041】そして、実施例2で示した投写形ディスプ
レイ装置によってコントラスト比、解像度を評価した。
【0042】
【表1】
【0043】画素間の表面粗さが増加するに伴って、コ
ントラスト比が向上しており、各画素が独立して動作し
ていることがわかる。また、画素間の遮光層10の表面
粗さが0.1μm以上あれば、解像度として250本T
Vライン数以上となるので、投写型ディスプレイ装置と
して、望ましいものとなる。さらに、解像度は最高65
0本TVライン数を達成していることが確認された。
【0044】以上のことより、金属反射膜8の表面粗さ
を0.1μm以下として、さらに、金属反射膜8間の遮
光層10の表面粗さを0.1μm以上にすれば、良好な
性能をもつ空間光変調素子を製作することができる。
【0045】よって、金属反射膜8の表面粗さを0.1
μm以下にするためのエッチング条件を、O2 の流量3
00sccm、ガス圧1Torr(条件(A))とし、
金属反射膜8間の遮光層10の表面粗さを0.1μm以
上にするためのエッチング条件を、O2 の流量5scc
m、ガス圧20mTorr(条件(D))とするのが望
ましいことがわかる。
【0046】(実施例4)上記実施例1、3において、
画素分離電極8間の遮光層10を形成するエッチング工
程において、エッチング条件の切り替えおよび終了を正
確に行うため、酸素の所定波長(たとえば777nm)
の発光強度をモニタするシステムを図5に示す。
【0047】このシステムは、遮光層10の主成分であ
る炭素とエッチンングガスである酸素との反応によっ
て、酸素ラジカルの量が増減するので、その発光スペク
トル強度をモニタするものである。
【0048】ドライエッチングを行なう装置43(RF
電源35、反応室36、電極37、試料38(空間光変
調素子16)などから構成される。)に、所定周波数
(例えば,777nm)のスペクトルを分光する光学フ
ィルタ39を設けて、光電変換装置40によって発光強
度を電圧信号に変換する。その後、信号を増幅器41で
増幅し、X−tレコーダ42にて信号波形を記録する。
【0049】図6に、上記システムによって計測された
酸素の発光スペクトル強度の信号波形を示す。また、各
点における遮光層10の断面形状を示す。A点より遮光
層10のエッチングが開始され、A,B点では遮光層1
0が全面に覆われた状態である。発光スペクトル強度の
波形の傾きの変化点、C点からは、金属反射膜8の表面
が露出し始める。ここからは、金属反射膜8間の遮光層
10のみとの反応であるので、反応する酸素の量が減少
し、発光スペクトル強度は増加していく。D点におい
て、金属反射膜8上の遮光層10が完全に除去される。
D点からは、金属反射膜8間の窪み部分の遮光層10が
エッチングされていき、F点で完全に除去されてしま
う。その後は、酸素の発光スペクトル強度は一定とな
る。
【0050】ここで、A点〜D点においては、等方性を
示すエッチング条件(例えば、流量300sccm、ガ
ス圧1Torr)によって、エッチングを行い、D点か
らは、異方性を示すエッチング条件(例えば、流量5s
ccm、ガス圧20mTorr)によって、エッチング
を行っている。
【0051】金属反射膜8間の遮光層10の表面粗さ
が、0.1μm以上となるE点でエッチングを終了すれ
ば、適切であることが解る。また、この場合、エッチン
グ条件の切り替え及び終了は目視によって行ったが、モ
ニタ波形を微分演算回路に通し、電圧比較回路によって
C点、D点を検出することができる。さらに、遅延回路
によってE点までオーバーエッチすることができるの
で、これらの回路を付加することによって自動的に終了
することもできる。
【0052】次表に、各A〜F点において終了した空間
光変調素子を製作し、実施例2で示した投写型ディスプ
レイとして評価した結果を示す。表に示している遮光度
は、コントラスト比を維持できる最大読み出し照射光の
照度として定義した。
【0053】
【表2】
【0054】A〜C点では全面に遮光層10が残ってお
り、素子として駆動できず評価できない。また、F点で
は遮光層10が完全に除去されており、出力光の遮光が
なされていない。
【0055】D点においては、等方性エッチングのみで
終了しているので、金属反射膜8上とその間の遮光層1
0との表面粗さの差が少ないので、コントラスト比が悪
くなっている。E点では、さらに異方性エッチングを行
っているので、金属反射膜8上と、その間の遮光層10
の表面粗さの差が大きくなっているので、コントラスト
比が格段に向上している。
【0056】以上説明したように、酸素の所定波長の発
光強度をモニタし、その波形の変化点において、2つの
異なるエッチング条件の切り替えおよび終了を行うこと
により、コントラスト比、解像度、遮光度ともに良好な
特性をもつ光空間光変調素子を作製することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の空間光変調素子を用いると、高
解像度で高輝度、大画面の映像を映し出す投写型ディス
プレイ装置が実現される。また、本発明に係る空間光変
調素子の製造方法によれば、遮光能力が高く、しかも各
画素が分離独立して正確に動作する優れた空間光変調素
子を、単純な構成と少ない工程で精度良く作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例の空間光変調素子の
断面図である。(b)は本発明の一実施例の空間光変調
素子の断面の拡大図である。
【図2】本発明の一実施例の空間光変調素子の製造方法
を示す工程図である。
【図3】本発明の一実施例の空間光変調素子の製造方法
を示す工程図である。
【図4】本発明の一実施例の投写システムの模式図であ
る。
【図5】本発明の一実施例のリアクティブイオンエッチ
ング工程の発光スペクトル強度のモニタリング系の構成
図である。
【図6】本発明の一実施例のリアクティブイオンエッチ
ング工程の発光スペクトル強度のモニタリング波形図で
ある。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明電極 3 p層 4 i層 5 n層 6 光導電層 7 画素分離電極 8 金属反射膜 9 出力遮光膜 10 遮光層 11 強誘電性液晶層 12 配向膜 13 ビーズ 14 透明電極 15 ガラス基板 16 空間光変調素子 17 パルス電圧 18 書き込み光 19 偏光子 20 検光子 21 読みだし光 22 出力光 23 絶縁膜 24 入力遮光膜 25 液晶ディスプレイ 26 セルフォックレンズアレイ 27 読み出し用の光源 28 コンデンサーレンズ 29 偏光ビームスプリッタ 30 レンズ 31 スクリーン 32 書き込み用の光源 35 RF電源 36 反応室 37 電極 38 試料 39 光学フィルタ 40 光電変換装置 41 増幅器 42 X−tレコーダ 45 クロム層 46 ポリイミド膜 47 カーボン含有高分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 水口 信一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流整流性を有する光導電層と、強誘電
    性液晶層と、これらの層の間の同一平面上に設けられ、
    かつ微小形状に分割された複数の金属反射膜と、前記金
    属反射膜間の遮光層とを少なくとも備えた空間光変調素
    子であって、前記金属反射膜の表面粗さよりも前記金属
    反射膜間の前記遮光層の表面粗さのほうが大であること
    を特徴とする空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 金属反射膜間の遮光層における表面粗さ
    が0.1μm以上である請求項1に記載の空間光変調素
    子。
  3. 【請求項3】 金属反射膜における表面粗さが0.1μ
    m以下である請求項1に記載の空間光変調素子。
  4. 【請求項4】 光導電層に金属反射膜を成膜、微小形状
    に分割した後、光導電層の一部を等方エッチングし窪み
    形状を作り、高分子を主成分とする遮光層を窪み部分に
    埋め込み、反応性気体を用いたドライエッチングによっ
    て前記金属反射膜上の前記遮光層の一部を除去する工程
    を含む空間光変調素子の製造方法において、前記金属反
    射膜上の表面粗さを小とする等方性エッチング工程と、
    前記金属反射膜間の表面粗さを大とする異方性エッチン
    グ工程の少なくとも二つの工程を有する事を特徴とする
    空間光変調素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸素を含む気体を用いたドライエッチン
    グによって遮光層の一部を除去する工程において、プラ
    ズマ発光の所定波長の発光強度を観測して、工程を終了
    する請求項4に記載の空間光変調素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸素の所定波長は770〜780nmの
    範囲内である請求項5に記載の空間光変調素子の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0763765A1 (en) * 1995-09-14 1997-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Display unit

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0763765A1 (en) * 1995-09-14 1997-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Display unit
US5708486A (en) * 1995-09-14 1998-01-13 Canon Kabushiki Kaisha LCD having a shading layer exhibiting a different reflection characteristic from reflection electrodes

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