JP3070252B2 - 空間光変調素子および表示装置 - Google Patents

空間光変調素子および表示装置

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JP3070252B2
JP3070252B2 JP4136581A JP13658192A JP3070252B2 JP 3070252 B2 JP3070252 B2 JP 3070252B2 JP 4136581 A JP4136581 A JP 4136581A JP 13658192 A JP13658192 A JP 13658192A JP 3070252 B2 JP3070252 B2 JP 3070252B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型ディスプレイ、
ホログラフィ−テレビジョンあるいは光演算装置に用い
られる空間光変調素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大画面、高密度画素からなる高品位テレ
ビが様々な方式で開発され実用化されている。中でも従
来のブラウン管方式に変わって液晶技術を使った投写型
ディスプレイの開発が盛んである。ブラウン管方式であ
ると高密度画素に対して画面の輝度が低下し暗くなる。
叉ブラウン管自身、大型化が困難である。トランジスタ
駆動方式の液晶素子による投写型ディスプレイ装置は有
力な方法ではあるが、開口率が大きくならないこと、素
子が高価であることが欠点として上げられている。一方
CRTを入力装置として液晶ライトバルブと組み合わせ
た方式は従来より素子形状が簡単で且つCRTと液晶素
子の利点を組み合わせた装置として注目されている。
(特開昭63−109422)近年は高感度な受光層ア
モルファスシリコン材料と、液晶を組合せ100インチ
以上の大画面で動画像を映し出すことが可能となった。
また液晶材料も高速応答可能な強誘電性液晶を用いて、
より高解像度な液晶ライトバルブができるようになっ
た。この素子は強誘電性液晶の持つメモリ−性と2値化
特性を使い次世代の並列演算装置、光コンピュ−ティン
グ装置の核としても期待されている。
【0003】3次元立体動画映像を眼鏡なしに見ること
のできる装置としてホログラフィ−テレビジョンが注目
されている。特に書換え可能なホログラム記録媒体とし
て液晶表示素子が期待されている。現在のトランジスタ
駆動方式の液晶素子の解像度は12〜25lp/mmで
あり、今後200lp/mmが実現されることが望まれ
ている。
【0004】表示素子或は光演算素子にとって、より多
数の情報を扱う素子が必要になる場合、その情報を高密
度に表示することが重要となる。強誘電性液晶層と光導
電層らなる光書き込み型空間光変調素子の解像度は数十
〜百数十lp/mmとなることが報告されている。(応
用物理学会予稿集 1990年 26a−H−9)従来
の空間光変調素子構造の延長では高密度化に伴う界面エ
ネルギ−の増加の抑制は困難であり、表示素子における
限界解像度を律則する。
【0005】液晶層と光導電層からなる空間光変調素子
において、各画素に当たる微小形状の金属反射電極に照
射される読みだし光がクロストークの原因となる。この
漏れ光を押さえるため、液晶層と光導電層からなる空間
光変調素子あるいは液晶ライトバルブに於て遮光膜を設
けることが重要になる。
【0006】液晶層と光導電層からなる空間光変調素子
あるいは液晶ライトバルブにおいて、微小電極と遮光膜
を設ける従来例として特開昭62−40430号公報、
62−169120号公報に示すものがある。微小電極
は多層誘電体薄膜の反射層に対して製造が容易であるこ
とと、入射角度依存性の無いこと及び反射能が高いこと
が上げられる。また投写型ディスプレイの空間光変調素
子として用いられた場合は、開口率が大きく画素形状が
鮮明であることから高品位なテレビ画像が得られる。こ
の素子に於いて遮光膜は変調を受ける入射光が出力光に
重畳されるのを防ぐために設けられる入力遮光膜と、読
み出し光が光導電層に漏れ込んで、スイッチングさせる
のを防ぐ出力遮光膜の2種類が必要である。これらの遮
光層が光導電層と反射層の間に設けられる場合は、電気
絶縁性の膜が使われる。直接透明性電極上に設けられる
場合は電気絶縁性である必要はない。
【0007】一方我々は遮光層を形成する以下の方法を
提案している。 1) 光導電層と強誘電性液晶層、反射膜とで構成され
る空間光変調素子において、光導電層上に一様に金属反
射膜を形成し、その上に一様に高分子配向膜を形成す
る。微小形状の画素パタ−ンをレジスト膜で前記した一
様な高分子膜上に形成し、画素間の配向膜を除去する。
続いて陽極酸化法によって画素間の金属反射膜を酸化絶
縁膜として遮光膜を形成する方法である。
【0008】2)或は、光導電層と液晶層、及びそれら
の層間の同一平面内に微小形状に分割された金属反射膜
とで構成される空間光変調素子において、金属からなる
出力遮光膜をこの微小形状の金属反射膜とは異なる平面
内に設ける構造とする方法である。
【0009】3)少なくとも光導電層と液晶層、及び微
小形状に分割された金属反射膜と、それら全ての金属反
射膜と電気的に分離された金属からなる出力遮光膜から
なる空間光変調素子において、前記各々の分離された金
属反射膜の一部と前記出力遮光膜の一部が絶縁層を介し
て接するものとする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電気絶縁性材料で一様
な遮光膜を光導電層と反射層の間に設置する構造(例え
ば特開昭62−40430号公報における素子構造)
は、入力遮光膜と出力遮光膜を兼用する。この場合製造
方法は容易であるが、光導電層と金属反射面の間に絶縁
層が介在し、駆動時の電荷蓄積による光導電特性、スイ
ッチング特性の劣化を伴う。一方画素に相当する部分に
遮光膜の存在しない素子構造、例えば特開昭62−16
9120号公報の第3図あるいは第6図は電気的絶縁層
の介在はない。しかし遮光膜形成には導電性の材料は不
向きであり、従って高分子中に色素あるいはカ−ボンを
含有させたものが用いられる。一般に含有量の増加に伴
って遮光度は増加するが高分子に対する含有量は膜形成
のための条件から上限があり、遮光度も限界がある。金
属薄膜を遮光膜と用いた場合、遮光度は膜厚数千Åで可
視光領域全域に渡ってほぼ完全に遮光することが可能で
ある。しかし出力光側の遮光層としては導電層を用いる
ことのできない素子構造であった。また前記した陽極酸
化膜を遮光膜で設ける場合も遮光度が不足する。
【0011】続いて我々が提案する、金属からなる出力
遮光膜と、これらの微小形状の金属反射膜とを異なる平
面内に設ける構造によって光導電層を金属薄膜で覆う場
合、簡単な製造方法で遮光を達成することが可能となっ
た。しかし、これらの金属反射面の形成される平面の間
から光導電層に漏れ入ってくる読みだし光を有効に遮断
するには、これら二つの平面の段差を極力小さくするこ
とが必要である。この段差を薄くするためには薄い絶縁
膜を導入する第3の提案が有効であるが、通常光学的に
は可視光に透明であるため、画素間の出力遮光膜からの
反射光は大きく画素間の状態を黒に設定するための手段
が必要となる。
【0012】一方、フルカラ−の投写型ディスプレイ装
置を構成するとき、読みだし光としてR,G,B3原色
を別個の空間光変調素子に照射してスクリ−ン上で再合
成する方式が高精細で色相の良い画像が得られる。大型
で明るい画面を作るには、遮光度の高い遮光膜同様に、
画素間の黒を出すことが重要である。
【0013】
【課題を解決するための手段】少なくとも光導電層、液
晶層、微小形状に分割された金属反射膜と、それら全て
の金属反射膜と電気的に分離された金属の出力遮光膜と
からなる空間光変調素子において、前記各々の分離され
た金属反射膜の一部と前記出力遮光膜の一部が有機高分
子膜を介して接するものとする。この有機高分子に特定
の波長域の光を吸収する炭素或は有機色素或は無機物質
を含有する。
【0014】吸収波長領域の互いに異なる有機色素を含
有する前記有機高分子を含む複数の空間光変調素子から
構成される投射型ディスプレイ装置とする。
【0015】
【作用】金属反射膜と出力遮光膜の間に接する様に有機
高分子層を設けることで、電気的に分離することができ
る。遮光膜と金属反射膜の間、有機高分子層から漏れ光
が光導電層に到達する程度はその有機高分子層の厚みと
吸収係数によって変わる。開口率の大きな素子構成は金
属反射膜を大きくする事で可能である。この有機高分子
に特定の波長域の光を吸収する炭素或は有機色素或は無
機物質を含有することによって、読みだし光の光導電層
への漏れを吸収によって光量を減少し防ぎ、また出力遮
光膜で反射して出力光となる成分を減少させて画素間の
反射光強度を弱めることができる。
【0016】
【実施例】図1の本発明の空間光変調素子の断面図に従
って作用を説明する。本発明の空間光変調素子119は
書き込み光120で光導電層のアモルファスシリコン受
光層107に情報を書き込む。書き込み光120の強度
に応じて受光層107の電気抵抗は減少し、各画素に相
当する微小形状の金属反射膜110と対抗する透明導電
性電極115に挟まれた液晶層113に印加される電圧
が増大する。この電圧の大きさに応じて液晶層113の
配向が変化する。この液晶層を通過する直線偏光の読み
出し光122は、各画素の金属反射膜110で反射し再
び液晶層を通過した後、検光子124を通り、出力光1
21で、その光強度変化が読み出される。読み出し光1
22の照射に依って光導電層107がスイッチングしな
いように遮光膜を光導電層107上に設ける必要があ
る。各画素においては、金属反射膜110が遮光膜を兼
ねる。一方画素間は遮光膜として出力遮光膜108を設
ける。尚入射側には画素間の入射光の漏れによるクロス
ト−クと読みだし側への漏れを防ぐために入力遮光膜1
02を設ける。図1の様に金属反射膜110と出力遮光
膜108の間に接する様に有機高分子層109を設ける
ことで、電気的に分離することができる。出力遮光膜1
08が金属反射膜110の下部に入り込むほど遮光度は
良くなる。遮光膜108と金属反射膜110の間、有機
高分子層109から漏れ光が光導電層107に到達する
程度はその有機高分子層の厚みと吸収係数によって変わ
る。開口率の大きな素子構成は金属反射膜110を大き
くする事で可能である。この有機高分子に特定の波長域
の光を吸収する炭素或は有機色素或は無機物質を含有す
ることによって、(1)読みだし光の光導電層への漏れ
を吸収によって光量を減少し防ぐ(2)出力遮光膜で反
射して出力光となる成分を減少させて画素間の反射光強
度を弱める。この二つの作用がある。
【0017】この方法によれば、図10に示す空間光変
調素子の従来構造に対して、金属反射膜間の書き込み光
を遮光でき、光導電層におけるクロストークが低減され
る。また画像は画素間のブラックマトリックスが実現さ
れ鮮明になる。
【0018】図8にR,G,Bの空間光変調素子のそれ
ぞれに使用される有機色素含有の高分子膜の透過率分光
特性を照射される光の3成分と併せて示した。照射され
る光の成分に併せて色素を選択することによって、黒を
確実に表現できるブラックマトリックスが得られる。
【0019】本発明のより具体的な実施例について以下
に説明する。 (実施例1)図1の構造図に示す本発明の空間光変調素
子を図2および図3に示す製造方法に従って作製した。
図2の工程(1)で1.1mmのガラス基板上201
に、アルミニウムまたはニクロムの単層、またはニクロ
ム上にアルミを形成した2層からなる1000Å程度の
金属層を抵抗加熱法または電子ビーム(以下、EBと称
する)法により蒸着し、フォトリソグラフィーによっ
て、幅5μm(開口部20μm角、1000×1000
画素)のレジストパターンを形成後ウェットエッチン
グ、レジスト除去することにより遮光膜202を形成す
る。この基板上に、透明導電性電極203として0.0
5μm〜0.5μm厚のITO等の透明電極材料をスパ
ッタ法を用いて成膜し形成する。次に光導電層としてp
/i/nダイオード構造の水素化アモルファスシリコン
(以下a−Si:Hと称する)膜を、それぞれボロン4
00ppmを添加したp型a−Si:H膜204を10
00Å、無添加のi型a−Si:H膜205を1.7μ
m、リンを50ppm添加したn型a−Si:H膜20
6を2000Åと全膜厚2μm程度になるように、プラ
ズマCVD法を用いて積層して形成する。
【0020】尚光導電層に使用する他の材料には例え
ば、CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,
GaAs,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の
化合物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半
導体、Si,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge
1-xx(0<x<1)の多結晶または非晶質半導体、また、
(1)フタロシアニン顔料(以下「Pc」と略す)、例
えば無金属Pc,XPc(X=Cu,Ni,Co,Ti
O,Mg,Si(OH)2等)、AlClPcCl,T
iOClPcCl,InClPcCl,InClPc,
InBrPcBrなど、(2)モノアゾ色素,ジスアゾ
色素等のアゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物および
ペニレン酸イミドなどのペニレン系顔料、(4)インジ
ゴイド染料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラ
キノン類、ピレンキノン類などの多環キノン類、(7)
シアニン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/
TNFなどの電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料
とポリカーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(1
1)アズレニウム塩化合物など有機半導体、等がある。
また、非晶質のSi,Ge,Si1-xx,Si1-x
x,Ge1-xx(以下、a−Si,a−Ge,a−S
1-xx,a−Si1-xGex,a−Ge1-xxのように
略す)を光導電層に使用する場合は、水素またはハロゲ
ン元素を含めることも好ましく、誘電率を小さくする目
的および抵抗率を増加する目的で、酸素または窒素を含
めても好ましい。抵抗率を制御するために、p型不純物
であるB,Al,Gaなどの元素を添加するか、または
n型不純物であるP,As,Sbなどの元素を添加する
ことも好ましい。このように不純物を添加した非晶質材
料を積層してp/n型,p/i型,i/n型,p/i/
n型などの接合を形成し、光導電層内に空乏層を形成す
ることにより、誘電率および暗抵抗または動作電圧極性
を制御ことが可能である。また、非晶質材料だけでな
く、上記の材料を2種類以上積層してヘテロ接合を形成
することによって、光導電層内に空乏層を形成してもよ
い。
【0021】次に、光導電層の面上にアルミニウム等の
反射層206を電子ビーム蒸着法等により、500〜1
000Å成膜する。
【0022】工程(2)でa−Si:H膜上に、フォト
リソグラフィーを用いて、20μm角、25μmピッ
チ、1000×1000画素のレジストパターン207
を形成し、工程(3)でフッ硝酸溶液(HF:HN3
1:50)によりa−Si:H膜を5000Åエッチン
グした後、工程(4)で、再びアルミニウム208を1
000Å蒸着し、工程(5)で、レジストを発煙硝酸に
より除去する。工程(6)で、およそ炭素を50%含ん
た粘性の高い黒色高分子膜209をスピンコートにより
0.5μm塗布し、200℃、30分程度に加熱する。
前記高分子材料は、ポリカーボネート、ポリイミド、ポ
リエチレン等が良好である。図3の工程(7)で、黒色
高分子膜上に5μm幅(開口部20μm角、1000×
1000画素)、厚さ1.0μmのレジストパターン2
10を形成し、工程(8)、(9)で、酸素プラズマア
ッシャーにより、レジスト溝部の高分子膜をエッチング
し、同時に、レジストパターンもエッチングすることに
より、高分子遮光層211を形成する。酸素プラズマア
ッシャーは0.1Torrまで真空を引いた後、1To
rrまで酸素を導入し、高周波電力40W、30分、基
板温度100〜120℃で行う。工程(10)で、EB
法によりアルミニウムを約1000Å蒸着し、フォトリ
ソグラフィーの技術を用いて、20μm角、25μmピ
ッチ、1000×1000画素、厚さ1.0μmのレジ
ストパターンを形成し硝酸、燐酸、酢酸等を含む混酸エ
ッチング液によりエッチング、発煙硝酸によりレジスト
を除去することにより反射電極212を形成する。
【0023】図1の空間光変調素子を作製するために、
もう一方のガラス基板116上に透明導電性電極115
を形成し、両基板上にポリアミック酸をスピンコートに
より塗布、200℃1時間の条件で加熱することにより
約200Åのポリイミド高分子膜を形成した後、強誘電
性液晶分子の配向が素子の厚さ方向と平行になるように
配向処理を施し、配向膜111、114を形成する。配
向処理はナイロン樹脂布を用いてラビング処理を行なっ
た。光導電層を積層した方のガラス基板101の上に
2.6μm直径の樹脂製ビーズを混合した熱硬化樹脂
を、液晶注入の開口部を除いて光導電層全体を包囲する
ようにスクリ−ン印刷する。もう一方のガラス基板11
6の上には、イソプロピルアルコールに約1.0μm直
径の樹脂製等のビーズを混合した溶液をスプレーして、
ビーズ112を全体に付着させる。次に、これら一対の
ガラス基板をはり合わせ真空袋に入れ、真空引きして密
閉した後、内部を真空状態に保ちながら約90℃雰囲気
で30分程度加熱し、更に約150℃雰囲気で約2時間
加熱し樹脂を硬化させる。最後に真空状態で強誘電性液
晶を約80℃で加熱しながら、窒素ガス導入による加圧
と毛管現象を利用して、均一にパネルへ充填されるよう
に、樹脂の開口部から注入する。液晶分子が均一配向と
なるために、この素子を恒温槽にて液晶相転移温度以上
の、例えば約90℃まで加熱し、1分間当り約0.2℃
の割合で室温まで徐冷した後、樹脂の開口部を樹脂で密
閉した。なお、液晶層の液晶材料は強誘電液晶であるカ
イラルスメクティックC液晶を用いるのが好ましい。ま
た、出力光のコントラスト比を高くするためには、本実
施例の反射型空間光変調素子の場合、その厚みは約1μ
mに形成することが好ましい。このようにして本発明の
空間光変調素子を得ることができた。
【0024】(実施例2)図1の構造図に示す本発明の
空間光変調素子において、高分子遮光層を形成するもう
ひとつの製造方法を図4および図5に従って製作した。
【0025】実施例1の図2の工程(1)〜(5)と同
じく、a−Si:H膜上に、フォトリソグラフィーを用
いて、20μm角、25μmピッチ、1000×100
0画素のレジストパターンを形成し、フッ硝酸溶液によ
りa−Si:H膜を5000Åエッチングした後、アル
ミニウムを1000Å蒸着し、レジストを発煙硝酸によ
り除去する。工程(1)で、炭素をおよそ50%程含ん
た粘性の高いポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチ
レン等の黒色高分子膜301をスピンコートにより0.
5μm塗布し、200℃、30分程度に加熱する。工程
(2)で、黒色高分子膜上にクロム302を約1000
Å抵抗加熱法またはEB法により蒸着し、工程(3)
で、黒色高分子膜上に5μm幅、(開口部20μm角、
1000×1000画素)、厚さ1.0μmのレジスト
パターン303を形成し、工程(4)で、クロムを過塩
酸等を含む酸((NH4)3Ce(NO3)6:HClO4:H2O=150g:60ml:1
l)によりエッチングし、工程(5)で、レジストをア
セトンにより除去し、工程(6)で、クロム304をエ
ッチングマスクとして、酸素プラズマアッシャー装置に
より高周波電力40W、30分により、黒色高分子膜を
エッチングし、図5に示す工程(7)で、エッチングマ
スクにしたクロムを過塩酸等を含む酸により全面エッチ
ングした後、工程(8)で高周波電力40W、5分の条
件で酸素プラズマアッシャー処理を行うことにより高分
子遮光層305を形成する。工程(9)で、EB法によ
りアルミニウムを約1000Å蒸着し、フォトリソグラ
フィーの技術を用いて、20μm角、25μmピッチ、
1000×1000画素、厚さ1.0μmのレジストパ
ターンを形成し硝酸、燐酸、酢酸等を含む混酸エッチン
グ液によりエッチング、発煙硝酸によりレジストを除去
することにより反射電極306を形成する。 以下、実
施例1の空間光変調素子と同様の方法で、もう一方のガ
ラス基板上に透明導電性電極を形成した後、両基板上に
配向処理を施したポリイミド高分子膜を形成し、もう一
方のガラス基板上にビーズを分散させ、スクリーン印刷
を用いてパネルを組合せ、強誘電液晶を注入し再配向処
理を行うことにより作製できる。
【0026】(実施例3)実施例1に示す空間光変調素
子を投写型ディスプレイとして評価した。図6に投写型
ディスプレイ装置の模式図を示す。本発明の空間光変調
素子401に光書き込みをCRTディスプレイ402に
よって行う。素子の画素数は縦480横650である。
読み出しの為の光源405(メタルハライドランプ)を
コンデンサ−レンズ404で偏光ビ−ムスプリッタ40
3によって照射する。出力像はレンズ406で拡大され
スクリ−ン407に映し出される。CRT画面上の各ド
ットが空間光変調素子の分離された画素内に書き込まれ
ると、スクリ−ン上では四角形状に変換される。そのた
め開口率は80%と大きく明るい画像が得られ、100
インチ相当の大きさに拡大した像はスクリ−ン上で25
00ル−メンの照度を持つ。画像はコントラスト25
0:1、解像度は縦方向650本TVライイ数が確認さ
れた。動画像を出力したところビデオレ−トの動きに対
して残像はなく鮮明な高輝度画像が得られた。カラ−画
像をえるため、RGBそれぞれに対応したCRT管と空
間光変調素子をセットにしたものを3組用意して、スク
リ−ン上で合成した。
【0027】(実施例4)実施例3の方法で作製した空
間光変調素子を用いて、図7に示すホログラフィ−テレ
ビジョン装置を組み立てて、その実時間表示される立体
画像の再生を確認した。コヒ−レント光としてHe−Neレ
−ザ−501を用いて被写体505を照射し、コリメ−
タ505を通しての参照光とともにCCD507の撮像
面上に干渉縞パタ−ンを形成する。この画像デ−タをC
RT509に転送し空間光変調素子510に光書き込み
して干渉縞パタ−ンを再現する。読みだしにはコヒ−レ
ント光のHe−Neレ−ザ−501を使い反射モ−ドで立体
像を観測する。
【0028】(実施例5)図9に図8の特性を有する色
素含有の有機高分子を用いた空間光変調素子R,G,B
3個で構成した投写型ディスプレイ装置の概略図を示
す。メタルハライドランプ701から照射された読みだ
し光は、3個の偏向ビ−ムスプリッタ−703、70
4、705によって、R,G,B3原色に分離される。
各空間光変調素子では3原色の画像情報が書き込み用の
CRT709、710、711によって与えられる。反
射光は拡大レンズ712、713、714によってスク
リ−ン715上で3個の画素が一致するように調製され
る。画面上では画素間の黒と画素の明るさとのコントラ
ストは良く、300:1以上が実現されブラックマトリ
ックスが構成されることを確認した。
【0029】(実施例6)図1の空間光変調素子におい
て、有機高分子膜の膜厚とコントラストの関係を(表
1)に示す。コントラストは素子の画像部117と遮光
部118との比を測定した。
【0030】
【表1】
【0031】有機高分子膜の膜厚が0.3μm以上であ
る時、コントラストは良好であり、特に膜厚が厚ければ
厚いほどコントラストが高い。但し、高分子膜の厚みの
上限は光導電層の厚みで決まる。よって、5μm以下が
適用範囲である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高解像度で高輝度、大
画面の映像を映し出す投写型ディスプレイ装置に最適な
空間光変調素子を提供する。またこの素子を用いてホロ
グラフィ−テレビジョン装置は、実時間で鮮明な立体像
が得られる。また単純な構成素子を少ない工程で作製で
きる方法によって安価な素子が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作製方法による空間光変調素子の断面
【図2】本発明の空間光変調素子の作製方法を示す工程
【図3】同作製方法を示す工程図
【図4】本発明の空間光変調素子の実施例2で作製した
作製方法を示す工程図
【図5】同作製方法を示す工程図
【図6】本発明の空間光変調素子を用いて作製した投写
型ディスプレイ装置の模式図
【図7】本発明の空間光変調素子を用いて作製したホロ
グラフィ−テレビジョン装置の模式図
【図8】本発明の空間光変調素子に用いられる有機色素
含有の高分子膜の分光透過率特性図
【図9】R,G,B用の高分子膜を有する空間光変調素
子を用いて作製したフルカラ−投写型ディスプレイ装置
の模式図
【図10】従来の空間光変調素子の断面図
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 入力遮光膜 103 透明導電性電極 104 p型アモルファスシリコン層 105 i型アモルファスシリコン層 106 n型アモルファスシリコン層 107 アモルファスシリコン層 108 出力遮光膜 109 有機高分子層 110 金属反射膜 111 配向膜 112 ビ−ズ 113 強誘電性液晶層 114 配向膜 115 透明導電性電極 116 ガラス基板 117 画素部 118 遮光部 119 空間光変調素子 120 書き込み光 121 出力光 122 読み出し光 123 偏光子 124 検光子
フロントページの続き (72)発明者 藏富 靖規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 田中 幸生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−34435(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/135

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光導電層、液晶層、微小形状
    に分割された金属反射膜と、それら全ての金属反射膜と
    電気的に分離された金属の出力遮光膜とからなる空間光
    変調素子において、前記各々の分離された金属反射膜の
    一部と前記出力遮光膜の一部が特定の波長域の光を吸収
    する有機高分子膜を介して接することを特徴とする空間
    光変調素子。
  2. 【請求項2】 有機高分子に特定の波長域の光を吸収す
    る炭素或は有機色素或は無機物質を含有することを特徴
    とする請求項1記載の空間光変調素子。
  3. 【請求項3】 有機高分子における高分子材料がポリカ
    −ボネ−トまたは、ポリイミドまたはポリエチレンであ
    ることを特徴とする請求項1記載の空間光変調素子。
  4. 【請求項4】 有機高分子の膜厚が0.3〜5μmであ
    ることを特徴とする請求項1記載の空間光変調素子。
  5. 【請求項5】 有機高分子に含有される有機色素の吸収
    波長領域が、照射される読みだし光の波長領域を含むこ
    とを特徴とする請求項2記載の空間光変調素子。
  6. 【請求項6】 吸収波長領域の互いに異なる有機色素を
    含有する有機高分子を含む複数の請求項1記載の空間光
    変調素子を備えた表示装置。
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