JPH05173170A - 空間光変調素子及びその製造方法 - Google Patents

空間光変調素子及びその製造方法

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JPH05173170A
JPH05173170A JP34451891A JP34451891A JPH05173170A JP H05173170 A JPH05173170 A JP H05173170A JP 34451891 A JP34451891 A JP 34451891A JP 34451891 A JP34451891 A JP 34451891A JP H05173170 A JPH05173170 A JP H05173170A
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liquid crystal
spatial light
light modulator
layer
alignment film
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JP34451891A
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English (en)
Inventor
Akio Takimoto
昭雄 滝本
Junko Asayama
純子 朝山
Koji Akiyama
浩二 秋山
Yasunori Kuratomi
靖規 藏富
Kuni Ogawa
久仁 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくとも光導電層、反射層、強誘電性液晶
層及び強誘電性液晶を配向させる配向膜を備えた空間光
変調素子であって、配向膜が画素単位に分割されている
ことにより、液晶のより高密度な配位が可能となり、高
解像度の画像表示が可能な空間光変調素子を提供する。 【構成】 透明絶縁性基板11の上に透明導電性電極1
2が形成され、その上に光導電層13が積層され、更に
その上に金属薄膜又は多層誘電体薄膜等の反射層14
と、液晶を配向させるポリイミド等の高分子薄膜又はS
iO2 斜方蒸着膜等の配向膜15が、同一平面状に微小
な形状で画素単位に分割されて形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型ディスプレイ、
ホログラフィーテレビジョン、光演算装置等の画像表示
装置や画像演算装置に用いられる空間光変調素子及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大画面且つ高密度画素を備え
た高品位テレビが様々な方式で開発されており、一部実
用化されている。中でも、従来のブラウン管方式の代替
手段として液晶技術を使った投写型ディスプレイの開発
が盛んである。従来のブラウン管方式は、画素の高密度
化を狙うと画面の輝度が低下して画像全体が暗くなる傾
向にあり、またブラウン管自体の大型化が困難であると
いう課題がある。
【0003】また、薄膜トランジスタ駆動方式の液晶素
子を使った投写型ディスプレイ装置は軽量小形化や低消
費電力等の点で有力な方法ではあるが、開口率が大きく
ないこと、素子自体が複雑で高価であること等が解決す
べき課題として挙げられている。
【0004】一方、CRTを入力とした光書込み型液晶
素子との組合せは、従来より装置構造が簡単で且つCR
Tと液晶素子の利点を組み合わせた装置として注目され
ており(特開昭63−109422号公報等)、近年は
高感度な受光層としてアモルファスシリコン薄膜を備え
た液晶素子を使って、100インチ以上の大画面で動画
像を映し出すことが可能となった。また、液晶材料につ
いても、高速応答が可能な強誘電性液晶を用いて、より
高解像度な液晶ライトバルブが実現できるようになっ
た。更に、このような光書込み型液晶素子は、強誘電性
液晶が持つメモリー特性と2値化特性を利用することに
より、次世代の並列演算装置や光コンピューティング装
置の核としても期待されている。
【0005】他方、3次元立体動画映像を眼鏡なしに見
ることのできる装置としてホログラフィーテレビジョン
が注目されており、特に書換え可能なホログラム記録媒
体として液晶素子が期待されている。現在のトランジス
タ駆動方式の液晶素子の解像度は12〜25(lp/m
m)であり、今後200(lp/mm)以上の高解像度
の実現が望まれている。
【0006】このような画像表示装置や画像演算装置に
用いられる空間光変調素子は、液晶層、光導電層、液晶
を配向させるための配向膜等を備えており、従来の空間
光変調素子では、配向膜は素子全体に渡って均一に成膜
されるのが一般的である。
【0007】一方、従来の空間光変調素子において、液
晶層と光導電層との界面に微小電極を形成したものが提
案されている(特開昭62−40430号公報、特開昭
62−169120号公報)。これは、多層誘電体薄膜
の反射層の代わりに微小電極を設けたものであり、その
特徴として、(1) 製造が容易であること、(2) 入射角度
依存性の無いこと、(3) 光反射率が高いこと、等が挙げ
られる。
【0008】このような画像表示素子や光演算素子等が
多数の情報を処理する場合、時間分解能の向上と併せ
て、情報を空間領域で高密度に表示できる特性を有する
ことが重要となる。特に、強誘電性液晶層と光導電層と
からなる空間光変調素子は、数十から百数十(lp/m
m)の解像度を実現できることが報告されており(応用
物理学会予稿集、1990年、26a−H−9)、例え
ば画像表示領域が10cm2 の場合を想定すると、同一
平面内に106 〜108 個の画素情報が書き込み可能と
なる。このとき、1つの画素情報の占める厚さとして標
準的な反射型強誘電性液晶表示素子の膜厚1μmと仮定
した場合、1個の画素情報が占有する強誘電性液晶の体
積領域は、10μm2 ×1μmから100μm2 ×1μ
mの範囲と見積られ、更に高密度化が進んだ場合は、数
μm2 ×1μmの体積領域が想定される。この場合、1
つの画素情報はサイコロ状の直方体の領域に記録され保
存されることになる。一方、現在のフォトリソグラフィ
技術は、パターン線幅がミクロンメータ以下のハーフミ
クロンメータからクォーターミクロンメータのオーダの
加工が可能となっており、この技術を用いて隣接する情
報領域の間隔はミクロンメータ以下に制御してパターン
形成が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなパターン形成の微細構造化に伴い、隣接する情
報領域間の境界において、強誘電性液晶の配向反転に必
要な界面エネルギーは増大することになる。即ち、隣接
した情報領域の一方がオン状態で他方がオフ状態という
お互いに逆配向となる場合、両者間の境界領域に於いて
液晶配向は螺旋状態を維持しながら、各情報領域付近の
液晶の配向方向をお互いに反転させることが必要にな
る。
【0010】従来の空間光変調素子の構造では、液晶を
配向させるための配向膜が素子全体に渡って均一に成膜
されているため、高密度化に伴う界面エネルギーの増加
を抑制することが困難であり、このことが画像表示素子
の限界解像度を律則しているという課題があった。
【0011】本発明は、前記課題を解決するため、液晶
層、光導電層、配向膜等を備えた空間光変調素子におい
て、前述したような螺旋状態の高い界面エネルギーを緩
和した構造を備えることにより、高密度化された情報を
忠実に表示することができる空間光変調素子を提供する
ことを目的とし、また、本発明に係る空間光変調素子を
容易に得ることが可能な空間光変調素子の製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の空間光変調素子は、少なくとも光導電層、
反射層、強誘電性液晶層及び強誘電性液晶を配向させる
配向膜を備えた空間光変調素子であって、配向膜が画素
単位に分割されていることを特徴とする。
【0013】前記構成において、反射層が画素単位に分
割されており、且つ反射層の画素が、配向膜の画素に対
して同一又は狭い領域に形成されていることが好まし
い。また、前記構成において、反射層が金属薄膜である
ことが好ましい。
【0014】また、本発明の空間光変調素子の製造方法
は、光導電層の表面に、順次、反射層、配向膜を形成し
た後、配向膜を画素単位に分割してから、次に反射層を
配向膜の画素領域に対して同一の領域に分割することを
特徴とする。
【0015】また、本発明の空間光変調素子の製造方法
は、光導電層の表面に反射層を形成した後、反射層の表
面に配向膜を形成し、配向膜の表面を一定方向に摩擦す
る配向処理を行った後、配向膜を画素単位に分割するこ
とを特徴とする。
【0016】
【作用】強誘電性液晶の配向状態は、液晶全体が持つ全
エネルギーが最低となる状態が安定状態を維持するた
め、強誘電性液晶を用いた画像表示素子や光演算素子に
おいて、強誘電性液晶の配向反転に必要な界面エネルギ
ーを緩和するには、セル厚を薄くした場合に実現される
表面安定化状態(以下、「SSFLC」と称する)を利
用することが好ましい(アプライド・フィジックス・レ
ター、899頁、ボリューム36、1980年)。SS
FLCが実現されるセル厚は、液晶材料が持つ材料定数
によって決まる臨界セル厚以下の場合に限定されるが、
臨界セル厚以下においては、情報領域間に位置する強誘
電性液晶は螺旋構造から捻れ構造へ転移し、更に一様状
態へと転移する。
【0017】一般に、強誘電性液晶が持つエネルギーは
弾性エネルギーと表面エネルギーの和で表され、更に、
表面エネルギーは、配向ベクトルと基板界面との相互作
用と、自発分極と界面との相互作用に分類される。
【0018】図9は、隣接する画素がお互いに反転状態
である場合を検討するための模式図である。図9に示す
A画素は、一様右配位(Ur配位)、B画素は一様左配
位(Ul配位)と仮定すると、画素間のI領域は強誘電
性液晶がX軸方向に向かって反転している。
【0019】以下、I領域のエネルギー状態を検討する
と、弾性エネルギーは、液晶がX軸方向に捻れを持つ場
合のエネルギーとなり、一方、表面エネルギーは、界面
Swにおける基板面との相互作用になる。
【0020】画素間距離lがセル厚dに比べ大きな場合
は、境界面との相互作用で配向処理されることにより、
液晶分子が一様に平行に配列する領域が多くなって、境
界領域I内のエネルギーを減少させることができる。し
かし、lが次第に小さくなると、X軸方向全体で、即
ち、距離lの全ての領域に渡って捻れることにより、捻
れに伴う弾性エネルギーを小さくでき安定化することに
なる。
【0021】従って、本発明の空間光変調素子の構成に
よれば、配向膜が画素単位に分割されていることによ
り、画素の高密度化により画素間距離が小さくなって
も、Sw領域の界面の配向処理を無くしているため、S
w領域の界面による束縛条件に反する配位を達成でき、
画素間に位置する液晶を束縛することがなくなり、液晶
全体のエネルギーの最小化が図られ、より高密度な配位
を実現することができる。
【0022】また、反射層が画素単位に分割されてお
り、且つ反射層の画素が配向膜の画素に対して同一又は
狭い領域に形成されていることにより、画素間領域から
の光反射が減少するため、画素のにじみやぼけを防ぐこ
とができる。
【0023】また、画素単位に分割された反射層が金属
薄膜であることにより、光反射率が高くなると共に、反
射層を容易に形成することができる。
【0024】また、本発明の空間光変調素子の製造方法
によれば、光導電層の表面に、順次、反射層、配向膜を
形成した後、配向膜を画素単位に分割してから、次に反
射層を配向膜の画素領域に対して同一の領域に分割する
ことにより、配向膜の画素パターンと反射層の画素パタ
ーンをほぼ完全に一致させることが容易に実現できる。
【0025】また、本発明の空間光変調素子の製造方法
によれば、光導電層の表面に反射層を形成した後、反射
層の表面に配向膜を形成し、配向膜の表面を一定方向に
摩擦する配向処理を行った後、配向膜を画素単位に分割
することにより、配向膜の配向能力が後の製造工程でも
失われないため、配向処理による画素パターンの変形を
防止することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は、本発明の空間光変調素子の
一実施例の断面図である。ガラス等の透明絶縁性基板1
1の上に、ITOやSnOx 等の透明導電性電極12が
形成され、その上にダイオード構造を有するアモルファ
スシリコン半導体等の光導電層13が積層される。
【0027】光導電層13に使用される材料は、例えば
CdS、CdTe、CdSe、ZnS、ZnSe、Ga
As、GaN、GaP、GaAlAs、InP等の化合
物半導体や、Se、SeTe、AsSe等の非晶質半導
体や、Si、Ge、Si1-x x 、Si1-x Gex 、G
1-x x (0<x<1)の多結晶又は非晶質半導体等
の半導体、又は(1) フタロシアニン顔料(以下、「P
c」と略す)、例えば無金属Pc、XPc(X=Cu、
Ni、Co、TiO、Mg、Si(OH)2 等)、Al
ClPcCl、TiOClPcCl、InClPcC
l、InClPc、InBrPcBr等、(2) モノアゾ
色素、ジスアゾ色素等のアゾ系色素、(3) ペニレン酸無
水化物、ペニレン酸イミド等のペニレン系顔料、(4) イ
ンジゴイド染料、(5) キナクリドン顔料、(6) アントラ
キノン類、ピレンキノン類等の多環キノン類、(7) シア
ニン色素、(8) キサンテン染料、(9)PVK/TNF等
の電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料とポリカーボネ
イト樹脂から形成される共晶錯体、(11)アズレニウム塩
化合物等の有機半導体がある。
【0028】また、非晶質のSi、Ge、Si
1-x x 、Si1-x Gex 、Ge1-x x (以下、a−
Si、a−Ge、a−Si1-x x 、a−Si1-x Ge
x 、a−Ge 1-x x のように略す)を光導電層13に
使用する場合、水素又はハロゲン元素を含めても構わ
ず、誘電率の低減や抵抗率の増加のため酸素又は窒素を
含めても構わない。また、抵抗率の制御にはp型不純物
であるB、Al、Ga等の元素を、又はn型不純物であ
るP、As、Sb等の元素を添加しても構わない。
【0029】このように不純物を添加した非晶質材料を
積層してp/n、p/i、i/n、p/i/n等の接合
を形成し、光導電層13内に空乏層を形成するようにし
て誘電率、暗抵抗率又は動作電圧極性を制御しても構わ
ない。このような非晶質材料だけでなく、上記の材料を
2種類以上積層してヘテロ接合を形成して光導電層13
内に空乏層を形成しても構わない。また、光導電層13
の膜厚は0.1μm〜10μmの範囲が好ましい。
【0030】光導電層13の上には、アルミニウム、ク
ロム、チタン等の金属薄膜又は多層誘電体薄膜等の反射
層14と、液晶を配向させるポリイミド等の高分子薄膜
又はSiO2 斜方蒸着膜等の配向膜15が、同一平面状
に微小な形状で画素単位に分割されて形成される。な
お、配向膜15は、強誘電性液晶分子の配向を層方向と
平行になるように形成されており、その厚さは1000
オングストローム以下であり、特に100オングストロ
ーム以下が好ましい。
【0031】強誘電性液晶層16は、樹脂製ビーズ等の
スペーサ17によってセル厚が決定される。特に、出力
光のコントラストが高くするために、透過型空間光変調
素子の場合は、強誘電性液晶層16の厚さは約2μm
に、反射型空間光変調素子の場合は、約1μmに設定す
ることが好ましい。また、強誘電性液晶層16の材料
は、強誘電性液晶であるカイラルスメクティックC液晶
が好ましい。
【0032】同様に、ガラス等の透明絶縁性基板20の
上にも、ITOやSnOx 等の透明導電性電極19が形
成され、その上にも、配向膜15と同様な配向層18
が、同一平面状に微小な形状で画素単位に分割されて形
成される。
【0033】次に、空間光変調素子の動作について説明
する。光導電層13が積層された基板側から入射光21
によってパターン情報が記録される。素子の反対側にお
いて、読み出し光22が偏光子23を介して照射され、
記録されたパターン情報に対応して変調された出力光2
4が検光子25を介して出力される。なお、偏光子23
と検光子25の偏光方向は直交している。
【0034】図2は、本発明の空間光変調素子の他の実
施例の断面図である。本実施例の空間光変調素子は、図
1に示したものとほぼ同様であるが、微小な形状で画素
単位に分割された反射膜14の代わりに、素子の全体に
渡って一様な多層誘電体反射膜26が形成されている点
が相違する。
【0035】図3は、本発明の空間光変調素子の製造方
法の一実施例の工程を説明するための断面図である。 (a)工程において、ガラス基板11の上にITO電極
12をスパッタ法により形成した後、プラズマCVD法
によってpinダイオード構造を有するアモルファスシ
リコン光導電層のp層13a、i層13b、n層13c
を連続成膜する。更に、その上に反射層14として、例
えば電子ビーム蒸着によってアルミニウム薄膜を形成す
る。
【0036】(b)工程において、強誘電性液晶を配向
させるための配向膜15として、例えば塗布によりポリ
イミド膜を形成する。なお、配向処理する際には均一配
向を得るために、高分子膜の表面をナイロン等の布で擦
るラビング処理を施すこと好ましい。また、配向膜15
として斜方蒸着法によるSiO2 膜を用いる場合にはラ
ビング処理の必要はない。
【0037】(c)工程において、レジスト膜30を塗
布形成し、画素パターンを形成する。レジスト膜30が
残った部分が分割される画素パターンに相当し、レジス
ト膜30が除去された窓部分が境界領域である。
【0038】(d)工程において、レジスト膜30が除
去された領域の配向膜15を、例えば酸素プラズマアッ
シャーによって除去する。この工程により、配向膜15
が画素単位に分割されて、分割配向膜15aが形成され
る。
【0039】(e)工程において、レジスト膜30を残
した状態で、画素間に位置する反射層14の一部を除去
する。反射層14がアルミニウム薄膜の場合、酸性エッ
チング液によって容易にウェットエッチングされる。こ
の工程により、反射層14が画素単位に分割されて、分
離反射層14aが形成される。
【0040】(f)工程において、レジスト膜30を除
去する。この(f)工程の後、スペーサを分散させた対
向側のガラス基板と共に張り合わせることによって、図
1に示した空間光変調素子を製造することができる。
【0041】以下、本発明に係る空間光変調素子及びそ
の製造方法の具体的な実施例について詳説する。
【0042】(実施例1)本実施例において、図1に示
した空間光変調素子の製造について説明する。透明絶縁
性基板11として、55mm×45mm×1.1mmの
ガラス基板を用いて、その上に0.05μm〜0.5μ
mの厚さのITOをスパッタ法により成膜し、透明導電
性電極12を形成した。次に、プラズマCVD法によ
り、2.2μm厚でp/i/nダイオード構成のa−S
i:H膜を積層して、有効面積が30mm×30mmで
ある光導電層13を形成した。光導電層13の有効面積
の上に、反射層14として電子ビーム蒸着法によりアル
ミニウム薄膜を1500オングストロームの厚さで形成
した。
【0043】続いて、配向膜15として、ポリイミドの
前駆体であるポリアミック酸をスピナーにより反射層1
4の表面に約100オングストローム以下の厚さで塗布
し、基板全体を熱処理炉に入れて230℃、1時間の加
熱処理を施して、ポリアミック酸がイミド化することに
より、ポリイミド膜を形成した。そして、配向膜15の
表面をナイロン布で一定方向に擦ることにより、配向処
理を行った。
【0044】次に、配向膜15を画素単位に分割する工
程を説明する。一画素の寸法が20μm×20μmで、
画素ピッチ25μmで1000画素×1000画素の画
素パターンでレジスト膜を塗布形成した後、基板温度1
50℃に加熱して酸素プラズマアッシャーによって、画
素間に位置する配向膜を除去した。更に、画素間の反射
層14は、混酸アルミエッチング液によって除去した
後、レジスト膜を除去した。
【0045】一方、対向側の透明絶縁性基板20として
透明絶縁性基板11と同様なガラス基板を用いて、その
上に透明導電性電極12と同様にITOの透明導電性電
極19を形成した。更に、配向膜15と同様にポリイミ
ド膜の配向膜18を積層し、その表面をナイロン布で一
定方向に擦ることにより配向処理を行った後、画素パタ
ーンに分割した。
【0046】次に、強誘電性液晶層16の形成について
説明する。厚さが約1μmの強誘電性液晶層を実現する
ため、片側の基板の配向膜15の表面に、イソプロピル
アルコール中に分散させた直径1μmのビーズをスプレ
ーによって撒いた後、透明絶縁性基板11、20の周囲
にUV硬化樹脂を塗布しお互いに接着させることにより
液晶セルを作製した。この液晶セルの中に真空中で強誘
電液晶(商品名「ZLI−3654」、メルク社製)を
注入した後、均一配向を得るために強誘電液晶の相転移
温度(62℃)以上の温度に加熱し、1℃/分以下の徐
冷速度で室温にもどし再配向させた。このようにして本
発明に係る空間光変調素子を得ることができた。
【0047】次に、得られた空間光変調素子の特性評価
について説明する。空間光変調素子の透明導電性電極1
2と透明導電性電極19の間に交流電圧を印加した状態
で、入力光21に白色光を用いて動作を確認したとこ
ろ、その結果、入力光強度に対する出力光強度の比は、
偏光子23、検光子25の光量損失分を除外すると80
%〜90%と非常に大きく、更に入力光強度が数μW/
cm2 以上あれば、出力光の立ち上がりが観測され、入
射光強度が小さくても十分動作することが確認できた。
図4は、一定電圧下で入力光強度に対する出力光強度の
変化を示すグラフである。なお、連続駆動をしてもこの
光入出力特性は変化せず、また、駆動を止めた後の情報
記憶状態も安定で、少なくとも1ケ月以上保存されるこ
とを確認した。また、開口率は64%で、画像のコント
ラストは300:1、解像度は縦方向400本TVライ
ン数の各性能が確認された。
【0048】(実施例2)本実施例において、図5に示
した空間光変調素子の製造について説明する。実施例1
で説明した製造と同様であるが、入力光の入射側に画素
間からの漏れ光を防ぐために遮光層27を設けた点が相
違する。
【0049】遮光層27は、透明導電性電極12の上
に、一画素の寸法が22μm×22μmで、画素ピッチ
25μmで1000画素×1000画素の画素パターン
であって、各画素の間の領域に相当する部分に、クロム
蒸着層が1000オングストロームの厚さでパターン形
成する。その後の工程は実施例1と同様である。
【0050】また、比較例として図6に示した配向膜が
画素単位に分割されず、素子全体に渡って一様な配向膜
を有する空間光変調素子を作製した。
【0051】次に、得られた空間光変調素子の特性評価
について説明する。図7は、空間光変調素子の評価に用
いた投写型ディスプレイ装置の概略構成図である。空間
光変調素子1に光書き込みを行う手段として、縦が48
0画素、横が650画素の分解能を有するCRTディス
プレイ43を用いた。読み出し光は、メタルハライドラ
ンプの光源40から出射して、コンデンサーレンズ41
により集光され、偏光ビームスプリッタ42を介して空
間光変調素子1に照射される。出力像は、偏光ビームス
プリッタ42で反射されて、レンズ44で拡大されスク
リーン45に結像される。CRTディスプレイ43の画
面上の各画素が、空間光変調素子1の分割された画素内
に書き込まれると、スクリーン45では四角形状の画素
に変換される。
【0052】その結果、開口率が80%と大きく、且つ
100インチ相当の大きさに拡大した像はスクリーン4
5上で2000ルーメンの照度を持つ明るい画像が得ら
れる。更に、画像のコントラストは250:1、解像度
は縦方向650本TVライン数が確認された。
【0053】また、動画像を出力したところビデオレー
トの動きに対して残像が無く、鮮明な高輝度画像が得ら
れた。また、RGBの3原色に対応したCRTディスプ
レイ43と空間光変調素子1の組み合わせを3組用意し
て、スクリーン上で合成することにより、カラー画像を
得ることができた。
【0054】一方、特性評価の比較のために、図6に示
した構造を有する空間光変調素子を図7に示した投写型
ディスプレイに組み込んだところ、解像度は縦方向45
0本TVライン数という結果が得られた。
【0055】次に、空間光変調素子をホログラフィーテ
レビジョン装置として特性評価した結果を説明する。図
8は、空間光変調素子の評価に用いたホログラフィーテ
レビジョン装置の概略構成図である。実施例2で示した
空間光変調素子に光書き込みを行う手段として、He−
Neレーザ51からのコヒーレント光がハーフミラー5
2で分割されて、一方の光束がレンズ56を介して被写
体50を通ってCCD58に照射され、他方の光束がレ
ンズ54、55からなるビームエキスパンダを通り、ハ
ーフミラー57を介してCCD58に参照光として照射
され、CCD58の撮像面上に干渉縞パターンが形成さ
れる。干渉縞パターンの画像データは電気信号に変換さ
れ、CRT65に転送され再生される。
【0056】CRT65の画面上で再生された干渉縞パ
ターンの画像データは、レンズ66により空間光変調素
子1に光書き込みされ記録される。なお、空間光変調素
子1の画素パターンは8μm角の画素が10μmピッチ
で3200×3200=約107 画素のものを使用し
た。
【0057】画像の読み出しは、He−Neレーザ61
からのコヒーレント光がレンズ62、63からなるビー
ムエキスパンダを通り、偏光ビームスプリッタ64を介
して空間光変調素子1に照射され、変調された出力光が
偏光ビームスプリッタ64を通過してレンズ67によ
り、反射モードによる立体像を肉眼68で観察される。
【0058】その結果、実時間表示される立体画像を再
生することができ、被写体50の動きを実時間ホログラ
ムで観察することができた。また、開口率は64%で、
画像のコントラストは200:1、解像度は100ライ
ン/mmの各性能が確認された。
【0059】
【発明の効果】以上詳説したように、本発明の空間光変
調素子は、配向膜が画素単位に分割されていることによ
り、液晶のより高密度な配位が可能となるため、高解像
度の画像表示が行うことができる。従って、本発明の空
間光変調素子を用いれば、高解像度、高輝度且つ大画面
の投写型ディスプレイ装置を実現することができる。ま
た、本発明の空間光変調素子を用いたホログラフィーテ
レビジョン装置は、実時間で鮮明な立体像を観察するこ
とができる。
【0060】また、反射層が画素単位に分割されてお
り、且つ反射層の画素が配向膜の画素に対して同一又は
狭い領域に形成されていることにより、画素間領域から
の光反射が減少するため、画素のにじみやぼけを防ぎ、
画像のコントラスト及び解像度を向上させることができ
る。
【0061】また、画素単位に分割された反射層が金属
薄膜であることにより、光反射率が高くなると共に反射
層を容易に形成することができるため、空間光変調素子
の製造コストを低減することができる。
【0062】また、本発明の空間光変調素子の製造方法
は、配向膜の画素パターンと反射層の画素パターンをほ
ぼ完全に一致させることが容易に実現できるため、製造
上の歩留まりが向上して、製造コストのを低減化を図る
ことができる。
【0063】また、本発明の空間光変調素子の製造方法
は、配向処理による画素パターンの変形を防止すること
ができるため、簡単な工程で合理的に空間光変調素子を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空間光変調素子の一実施例の断面図で
ある。
【図2】本発明の空間光変調素子の他の実施例の断面図
である。
【図3】本発明の空間光変調素子の製造方法の一実施例
の工程を説明するための断面図である。
【図4】本発明の空間光変調素子の入力光強度に対する
出力光強度の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の空間光変調素子の他の実施例の断面図
である。
【図6】従来の空間光変調素子の一例の断面図である。
【図7】空間光変調素子の評価に用いた投写型ディスプ
レイ装置の概略構成図である。
【図8】空間光変調素子の評価に用いたホログラフィー
テレビジョン装置の概略構成図である。
【図9】本発明の空間光変調素子における強誘電性液晶
のエネルギー状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 空間光変調素子 11、20 透明絶縁性基板 12、19 透明導電性電極 13 光導電層 13a アモルファスシリコン光導電層のp層 13b アモルファスシリコン光導電層のi層 13c アモルファスシリコン光導電層のn層 14 反射層 14a 分離反射層 15、18 配向膜 15a 分割配向膜 16 強誘電性液晶層 17 スペーサ 21 入射光 22 読み出し光 23 偏光子 24 出力光 25 検光子 26 多層誘電体反射膜 27 遮光層 30 レジスト膜 40 光源 41 コンデンサーレンズ 42 偏光ビームスプリッタ 43 CRTディスプレイ 44 レンズ 45 スクリーン 51、61 He−Neレーザ 52、57 ハーフミラー 53 ミラー 54、55、56、62、63、66、67 レンズ 58 CCD 64 偏光ビームスプリッタ 65 CRT 68 肉眼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藏富 靖規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光導電層、反射層、強誘電性
    液晶層及び前記強誘電性液晶を配向させる配向膜を備え
    た空間光変調素子であって、前記配向膜が画素単位に分
    割されていることを特徴とする空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 反射層が画素単位に分割されており、且
    つ前記反射層の画素が、配向膜の画素に対して同一又は
    狭い領域に形成されている請求項1に記載の空間光変調
    素子。
  3. 【請求項3】 反射層が金属薄膜である請求項2に記載
    の空間光変調素子。
  4. 【請求項4】 光導電層の表面に、順次、反射層、配向
    膜を形成した後、前記配向膜を画素単位に分割してか
    ら、次に前記反射層を前記配向膜の画素領域に対して同
    一の領域に分割する空間光変調素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 光導電層の表面に反射層を形成した後、
    前記反射層の表面に配向膜を形成し、前記配向膜の表面
    を一定方向に摩擦する配向処理を行った後、配向膜を画
    素単位に分割する空間光変調素子の製造方法。
JP34451891A 1991-12-26 1991-12-26 空間光変調素子及びその製造方法 Pending JPH05173170A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004079438A1 (ja) * 2003-03-07 2004-09-16 Sony Corporation 反射型液晶表示素子および液晶表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004079438A1 (ja) * 2003-03-07 2004-09-16 Sony Corporation 反射型液晶表示素子および液晶表示装置
US7440059B2 (en) 2003-03-07 2008-10-21 Sony Corporation Reflection type liquid crystal display element and liquid crystal display unit

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