JPH0730090B2 - ペプチドボロニツク酸、トリプシン様プロテアーゼ阻害剤 - Google Patents

ペプチドボロニツク酸、トリプシン様プロテアーゼ阻害剤

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JPH0730090B2 JP63135770A JP13577088A JPH0730090B2 JP H0730090 B2 JPH0730090 B2 JP H0730090B2 JP 63135770 A JP63135770 A JP 63135770A JP 13577088 A JP13577088 A JP 13577088A JP H0730090 B2 JPH0730090 B2 JP H0730090B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般的にリジン、オルニチンおよびアルギニ
ン、ホモアルギニンおよび相当するそのイソチオウロニ
ウム類似体のC末端α−アミノボロニツク酸誘導体(C-
terminalalpha-ami-noboronic acid derivatives)、お
よび、トロンビン、血漿カリクレインおよびプラスミン
のようなトリプシン様セリンプロテアーゼの阻害剤とし
てのその使用に関する。
多くの生物学的系の活動は特異的な位置で前駆体蛋白を
切断する加水分解酵素または蛋白分解酵素により媒介さ
れている。これらの酵素には4つの分類があり、金属、
チオール、酸およびセリンの酵素に分類される。血液凝
固、繊維素溶解現象、補体およびカリクレイン−キニン
のような系は、全て、セリンプロテアーゼのサブクラス
であるトリプシン様プロテアーゼ、即ち、アルギニン残
基またはリジル残基に対する第1次特異性を有する酵素
の群により調節されている。
各分類において、作用機構、酵素の活性部位残基、並び
に、分類特異的阻害剤に対するそれらの感受性は同様で
ある。しかしながら、特定のプロテアーゼまたは特定の
サブクラスのプロテアーゼを効果的に阻害する化合物の
能力は化合物の構造および組成に大きく依存している。
プロテアーゼ阻害剤の分野では多くの研究がなされてお
り、この分野の研究者等はホウ素含有阻害剤を用いて実
験を行なつている。
例えばShenviの米国特許4,537,773号(1985)は脂肪族
および芳香族のアルキル側鎖を有するアミノ酸のα−ア
ミノボロニツク酸類似体が金属酵素の効果的な阻害剤で
あることを報告している。さらにShenviの米国特許4,49
9,082号(1985)はペプチドに組み込まれたα−アミノ
ボロニツク酸が、脾臓エラスターゼおよび白血球エラス
ターゼ、キモトリプシン、およびカゼプシンGのような
中性側鎖によりその第1次特異性条件が満たされるよう
なセリンプロテアーゼを阻害することを開示している。
この後者の特許は、これらの蛋白分解酵素の強力な可逆
阻害剤としてC末端α−アミノボロニツク酸残基を含有
するテトラペプチドを開示している。しかしながら開示
されたペプチドは、リジン、オルニチン、アルギニン、
ホモアルギニンまたは相当するいずれかのイソチオウロ
ニウム塩のC末端α−アミノボロニツク酸残基も含んで
いなかつた。
Koehler等の「Biochemistry」、10,2477(1971)は2−
フエニル−エタンボロニツク酸がキモトリプシンの阻害
剤であると報告している。Matteson等は「J.Am.Chem.So
c.」、103,5241(1981)で、(R)−1−アセトアミド
−2−フエニルエタンボロニツク酸の合成およびキモト
リプシン阻害剤としてのその使用を記載している。著者
はKiが4μMであることを示している。
Lienhardは「Enzyme Inhibitors as Drug」,Sandler刊,
University park Press,Baltimore,pp.43〜51(1980)
で、α−アミノボロニツク酸のペプチド類似体がセリン
およびチオールのプロテアーゼの強力な阻害剤となるこ
とを推測している。
その他の開示には、Kinder等の「J.Med.Chem.」,28,19
17-1925(1985)の、N-アシルおよびジペプチドボロニ
ツク酸およびフエニルアラニン、フエニルグリシン、ア
ラニン、バリンおよびイソロイシンのジフルオロボラン
類似体を報告したもの、Mattesonの「Organomtallic
s」,,1284−1288(1984)の、α−アミド−γ−置換
ボロニツクエステルの合成を記載したものが包含され
る。後者の著者はこれらの化合物はアルギニンおよびプ
ロリンのボロニツク酸類似体への前駆体になりえるもの
として調製されたと述べている。
トリプシン様プロテアーゼは多くの生理学的過程の制御
において極めて重要である。その活性に関しては、「プ
ロテアーゼと生物学的制御(Proteases and Biological
Control)」,Reich,Rifkin&Shaw刊,Cold Spring Harb
or-Press(1975)において論じてある。トリプシン様プ
ロテアーゼの1つの種類であるトロンビンは、血液凝固
過程において明らかな決定的役割を果たしている。血液
凝固はチモゲン活性化の2つの増幅系(カスケード)の
いずれかを通して起こる。これらの経路の各々における
唯一のプロテアーゼはトロンビンであり、これは、フイ
ブリノーゲンを加水分解してフイブリンを形成し、次に
これが凝集して血塊を形成する。このトロンビン触媒加
水分解は血液凝固過程に必須である。
血漿カリクレインもトリプシン様プロテアーゼであり、
これも、血液凝固過程、特に、血液凝固経路の1つの開
始に関与している。また、カリクレインはキニノーゲン
に作用してノナペプチドであるブラデイキニンを遊離さ
せる。ブラデイキニンは痛みに関連する低血圧性ペプチ
ドである。さらに、カリクレインは他の生物学的機能を
有すると考えられている。最近の情報によれば、血漿カ
リクレインは炎症に関与することが示唆されている。例
えばBaumgarten等は、「J.Immun.」,137,977〜982(19
86)において、アレルゲンを作用させたアレルギー保持
者におけるキニンとカリクレインの評価値を報告してい
る。Wachtfogel等は「Blood」,67,1731〜1737(1986)
で、血漿カリクレインがヒト好中球を凝集させ、好中球
エラスターゼを放出することを報告している。エラスタ
ーゼの放出およびそれに伴なうエラスターゼ媒介組織破
壊は炎症の過程に関与する事象である。
生物学的過程を制御するトリプシン様酵素の特異的阻害
剤の様式は新しい概念ではない。ヘパリン治療に関連す
る副作用の無い血栓症の治療におけるヘパリン代替のた
めのトロンビン阻害剤の調製のためには特別な努力がは
らわれており、これに関しては、参考文献としてMark-w
ardtの「TIPS」,153-157(1980)およびGreen等の「Thr
omb.Res.」,37,145-153(1985)がある。効果の高いペ
プチドクロロメチルケトンは、Kettner等の「Methods i
n Enzymology」,80,826-842(1981)において、多くの
トリプシン様プロテアーゼに対して調製されている。1
例であるH−(D)Phe-Pro-ArgCH2Clはトロンビンの阻
害において極めて効果的であり(Ki=37nM)、Shaw等の
米国特許4,318,904号(1982)に示されるとおり、ウサ
ギのモデルにおける冠状動脈血栓症の予防に効果的であ
る。同様に、Bajusz等は「Int.J.Peptide Protein Re
s」,12,217-221(1979)において、ペプチドアルデヒド
H-(D)Phe-Pro-Arg-Hがトロンビンの効果的な阻害剤
である(Ki=75nM)と報告しており、Tremoli等は「Thr
omb.Res.」,23,549-553(1981)で関連化合物Boc-
(D)Phe-Pro-Arg-Hがラツトの静脈血栓の大きさを減
少させると報告している。
第2アミンからなる置換アルギニンアミドもまたトロン
ビンの有効な阻害剤であることが示されている。Kikumo
to等は「Biochemistry」,23,85-90(1984)で、(2R,4
R)‐4-メチル‐1〔N2‐{(3-メチル‐1,2,3,4-テト
ラヒドロ‐8-キノリニル)スルホニル}‐L-アルギニ
ル〕‐2-ヒペリジンカルボン酸がトロンビンの阻害剤で
あること(Ki=19nM)を報告している。Green等の「Thr
omb.Res.」,37,145-153(1985)で報告されたとおり、
この阻害剤はin vitro血液凝固試験において、1μMで
2倍、血漿のプロトロンビン時間を増加させ、Yoshikun
i等の欧州特許出願0,181,267号(1986)では、組織プラ
スミノーゲン活性剤と組み合わせて使用される繊維素溶
解増強剤として請求されている。最後に、Sturzebecher
等の「Thromb.Res.」,29,635-642(1983)およびKaise
r等の「Thromb.Res.」,43,613-620(1986)は、N-α‐
(2-ナフチルスルホニル‐グリシル)‐4-アミジノフエ
ニル‐アラニンピペリジドが最も有効な知られたトロン
ビン阻害剤(Ki=6nM)であると報告しており、マウス
とラツトにおいてin vivoの薬効を示している。
以上にもかかわらず、トロンビンおよび他のトリプシン
様酵素の阻害剤の新しいさらに良好な種類のものが、血
液凝固障害、炎症、および他の哺乳動物の病気の治療の
ための潜在的に価値のある治療薬を提供するために必要
とされている。本発明はこの目的に関するものである。
本発明は式: 〔式中、 Y1およびY2は、個々に独立して、‐OHまたはFである
か、または、一緒になつて、ジヒドロキシアルキル、ジ
ヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシアリール
化合物から誘導される基を形成し、この場合ヒドロキシ
基は同一の炭素原子に結合しておらず、ヒドロキシ基の
酸素原子はBに結合しており、前記ジヒドロキシアルキ
ル、ジヒドロキシシクロアルキル、またはジヒドロキシ
アリール化合物は炭素原子2〜20個を有する; R2は‐(CH2)z‐X、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐X、‐CH2‐CH
(CH3)‐CH2‐X、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐X、および‐(CH
2)2‐C(CH3)2‐X、ただしXは‐NH2、‐NH-C(NH)‐N
H2または‐S-C(NH)‐NH2そしてzは3〜5であるもの
よりなる群から選択される置換アルキルであり; n、o、pおよびqは個々に独立して1または0のいず
れかであり; A1、A2およびA3は、個々に独立して、Ala、Arg、Asn、A
sp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、P
he、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValよりなる群から
選択されるL配置またはD配置のアミノ酸であり;そし
て、 R1はアミノ酸1〜約20個を包含するペプチド、炭素原子
1〜約20個を包含するアシルまたはスルホニル基、H、
またはN末端保護基である〕 の化合物または生理学的に許容されるその塩を提供す
る。
本発明はまた、上記式Iの化合物の1つまたはそれより
多くを含む組成物、および、トロンビンおよび血漿カリ
クレインのようなトリプシン様セリンプロテアーゼの阻
害における、そして、トリプシン様プロテアーゼにより
媒介される血液凝固障害および炎症を含むもののような
異常生理症状の治療における、このような化合物または
組成物の使用方法も提供する。
さらに、上記化合物の2種類の中間体も提供する。第1
の分類の中間体は、式: 〔式中、 Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキ
ルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導される基
であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原子に結合
しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに結合してお
り、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロア
ルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭素原子2
〜20個を有する; R3は‐(CH2)z‐W1、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W1、‐CH2‐CH
(CH3)‐CH2‐W1、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W1および‐(CH2)
2‐C(CH3)2‐W1よりなる群から選択される置換アルキル
であり; WおよびW1は個々に独立してClまたはBrであり;そし
て、 zは3〜5である〕 の化合物を包含する。
第2の分類の中間体は式: 〔式中、 A1、A2、A3、Y3、R1、n、o、pおよびqは前記定義し
たものであり、 R4は‐(CH2)z‐W2、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W2、‐CH2‐CH
(CH3)‐CH2‐W2、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W2、および‐(CH
2)2‐C(CH3)2‐W2よりなる群から選択される置換アルキ
ルであり; W2はCl、BrまたはN3であり; zは3〜5である〕 の化合物を包含する。
第1図は相対的凝血時間と本発明の2つの阻害剤、即
ち、H-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16およびBoc-(D)
Phe-Phe-boroArg-C10H16の阻害剤濃度との関係を示すグ
ラフである。第1図用のデータは表3と4から得た。相
対的凝血時間は活性化部分トロンボプラスチン時間(AP
TT)またはプロトロンビン時間(PT)であり、各試験は
それぞれAPTTまたはPTにより分けられた阻害剤存在下、
および阻害剤の非存在下とした。阻害剤の濃度はミクロ
モル(μM)で表される。
本発明の基本化合物である式Iの化合物は、C末端残基
がリジン、オルニチンおよびアルギニン、ホモアルギニ
ンおよび相当するそのイソチオウロニウム類似体である
α−アミノボロニツク酸のN-アシルおよびペプチドの誘
導体である。これらの化合物は特定のトリプシン様蛋白
分解酵素、特にヒトトロンビン、血漿カリクレインおよ
びプラスミンの阻害剤としてその強さにより特徴づけら
れる。
本発明の化合物の酸末端ホウ素は場合により未保護のボ
ロニツク酸の形態、即ち、Y1およびY2が各々‐OHである
もの、または、2フツ化ボラン、即ち、Y1およびY2が各
々‐Fであるもの、またはこれらの組み合わせであるこ
とができる。その他、末端ホウ素はY1とY2が一緒になつ
て(‐Y1‐Y2‐)部分を形成するような多くの種類の保
護基により保護されることができる。
Y1とY2が‐Y1‐Y2‐である適当な保護基は、Y1とY2が一
緒になって、ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシク
ロアルキルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導
される基を形成し、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素
原子に結合しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに
結合しており、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキ
シシクロアルキル、またはジヒドロキシアリール化合物
は炭素原子2〜20個を有するものである。上記範囲内の
列挙できる化合物は、例えば、ピナンジオール、ピナコ
ール、ペルフルオロピナコール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、カテコール、1,2-シクロヘキサ
ンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオー
ル、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセ
ロール、ジエタノールアミンおよび他のアミノアルコー
ル、および当業者の知る他の等価な物質が包含される。
明細書を通じて使用されているとおり、アミノ酸残基ま
たはアミノ酸に対して以下の略号を適用する。
Ala=L-アラニン Arg=L-アルギニン Asn=L-アスパラギン Asp=L-アスパラギン酸 Cys=L-システイン Gln=L-グルタミン Glu=L-グルタミン酸 Gly=L-グリシン His=L-ヒスチジン Ile=L-イソロイシン Leu=L-ロイシン Lys=L-リジン Met=L-メチオニン Phe=L-フエニルアラニン Pro=L-プロリン Ser=L-セリン Thr=L-スレオニン Trp=L-トリプトフアン Tyr=L-チロシン Val=L-バリン 「D」が前置される場合は、上述の略号はD配置のアミ
ノ酸を指す。「DまたはL」が前置される場合は、上述
の略号はアミノ酸がD配置またはL配置のいずれかのも
のであることができることを指す。
ここで使用する「N末端保護基」とは、ペプチド合成で
用いられる種々のアミノ末端保護基を意味する。適当な
基の例には、アシル保護基、例えば、ホルミル、アセチ
ル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、トリフルオロアセチルお
よびメトキシスクシニル(MeOSuc);芳香族ウレタン保
護基、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z);およ
び脂肪族ウレタン保護基、例えば、t-ブトキシカルボニ
ル(Boc)またはアダマンチルオキシカルボニルが包含
される。GrossとMienhoffer刊の「The Peptides」,第
3巻,3-88(1981)、Academic Press,New York1981は、
多くの適当なアミン保護基を開示している。
以下に好ましいN末端保護基R1を示す。
側鎖アミノ基を有する本発明の化合物、例えば、A1、A2
またはA3がLysまたはArgであるものは、場合により、側
鎖に結合した適当なN末端保護基を含むことができ、同
様に、酸性またはヒドロキシの側鎖を有するアミノ酸残
基はt-ブチル、ベンジルまたは他の適当なエステルまた
はエーテルの形態で保護されることができる。
前記したように、R2は、アミノ、グアニジノまたはイソ
チオウロニウム基に結合した3〜5個の炭素原子を含有
するアルキル基を示している。好ましくは、R2は‐(C
H2)z‐Xである。より好ましいR2はzが3〜4であるよ
うな‐(CH2)z‐Xである。R2のより好ましいものの例
は、3-グアニジノ‐プロピル、3-アミノ‐プロピルおよ
び4-アミノ‐ブチルを包含する。最も好ましいのは3-グ
アニジノ‐プロピルである。
「boro-(ボロ)」の付いた略号と用語は末端カルボキ
シル基‐CO2Hがホウ素官能基 で置き換えられた式Iのアミノ酸を示す。
即ち、「ボロアルギニン」または「boroArg-」はアルギ
ニンのボロニツク酸類似体を指し、「ボロリジン」また
は「boroLys-」はリジンのボロニツク酸類似体を指し、
そして、「ボロオルニチン」または「boroOrn-」はオル
ニチンのボロニツク酸類似体を指す。「ホモボロアルギ
ニン」または「homoboroArg-」のように前に「homo(ホ
モ)」が付く場合は、側鎖がもう1つのメチレン基を有
するようなボロアルギニン類似体を指す。「Irg」は、
チオウロニウム基‐S-C(NH)NH2がグアニジノ基‐NH-C
(NH)‐NH2の代わりになつているアルギニンまたはホ
モアルギニンのイソチオウロニウム類似体を指してお
り、「boroIrg-」または「borohomoIrg-」は相当するボ
ロニツク酸類似体の略号である。
本発明の化合物の命名においては、Y1およびY2は、ジフ
ルオロボラン(Y1=Y2=‐F)に対しては「‐F」を後
に付け、未保護のボロニツク酸(Y1=Y2=‐OH)に対し
ては「‐OH」を後に付け、ピナコールエステル(Y1とY2
が一緒になつて‐O2C6H12に対しては「‐C6H12」を後に
付け、そしてピナンジオールエステル(Y1とY2が一緒に
なつて‐O2C10H16(この場合前記ヒドロキシ基の2個の
酸素原子はBに結合している))に対しては、「‐C10H
16」を後に付けることにより単純化する。
本発明は式Iの生理学的に許容される塩も意図してい
る。これらの塩は酸付加塩、例えば、ベンゼンスルホン
酸(BSA)、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、酢酸、
トリフルオロ酢酸(TFA)、コハク酸、クエン酸の塩、
または他の適当な酸付加塩を包含する。本発明の化合物
の命名に用いる場合は、これらの塩は「」により化合
物名中に導入する。
本発明の範囲内の化合物の対象となる種類はD配置また
はL配置の以下のアミノ酸を包含する。第1の種類はA1
がAla、Pro、Gly、Val、Leu、IleまたはMet、即ち、中
性の側鎖を有するアミノ酸であるような化合物を包含す
る。第2の種類はA1がPhe、TrpまたはTyr、即ち、芳香
族側鎖を有するアミノ酸であるような化合物を包含す
る。第3の種類は、A1がLysまたはArg、即ち塩基性アミ
ノ酸である化合物を包含し、そして第4の種類はA1がSe
rまたはThr、即ち、ヒドロキシ側鎖を有するアミノ酸で
あるような化合物を包含する。最後に、第5の種類は、
A1がAsp、Glu、AsnまたはGlu即ち、酸性またはカルボキ
シアミド側鎖を有するアミノ酸であるような化合物を包
含する。A1置換基の好ましいものは、Lys、Phe、Pro、A
la、Leu、Gly、Glu、Val、Thr、Ile、Met、Tyr、Trp、A
rg、Asp、AsnおよびGlnを包含する。このような置換基
の1つの好ましい種類は、Lys、Phe、Pro、Ala、Leu、G
ly、Glu、ValおよびThrを包含する。
以上の基本的な種類は好ましいR2に相当するサブクラス
を包含し、これらのサブクラスはさらに、好ましいA2
よびN末端保護基R1により定義される群に分けられる。
好ましいA2はD配置の全アミノ酸を包含するが、最も好
ましいものは(D)Pheである。他の好ましいA2は(D
またはL)Phe、(DまたはL)Ala、(DまたはL)Le
u、(DまたはL)Pro、(DまたはL)Gluおよび(D
またはL)Glyである。他のA2置換基の種類は(L)Glu
および(D)Valを包含する。
好ましくは、式Iの化合物はボロアミノ酸(boro amino
acid)類似体を含む、合計2〜4つのアミノ酸置換基
を有する。A1の位置にProを有し、ボロアミノ酸類似体
としてboroArgを有する3つのアミノ酸化合物、即ち、 のようなものが、トロンビンの阻害剤として特に適して
おり、5nMより有意に小さいIC50を有している。
上記した化合物の明らかな等価物質は、より一般的でな
いか、または修飾されたアミノ酸、例えばノルロイシ
ン、ヒドロキシプロリン、ピログルタミン酸、または他
の誘導体など側鎖保護基を有する残基を含め、本発明の
α−アミノボロニツク酸ペプチドへ導入することの可能
なものを有する化合物を包含する。
上記した方法に従つて命名された本発明の範囲の特定の
化合物には以下の例が包含される。
Ac-(D,L)Phe-boroArg-C10H16・BSA Ac-Phe-boroOrn-C10H16BSA Ac-Phe-boroArg-C10H16HCl H-(D)Phe-Pro-boroIrg-C10H16HBrHCl Boc-(D)Phe-Pro-boroIrg-C10H16HBr Ac-Phe-boroIrg-C10H16HBr Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroOrn-C10H16BSA Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroIrg-C10H16HBr Boc-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16・BSA Boc-(D)Phe-Phe-boroIrg-C10H16HBr H-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16HCl Boc-(D)Phe-Phe-boroOrn-C10H16BSA Boc-(D)Phe-Phe-boroArg-C10H16・BSA Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroArg-C10H16BSA Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16HCl Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-OHHCl Boc-Leu-Gly-Ala-boroIrg-C10H16・HBr Boc-Leu-Gly-Leu-Ala-boroOrn-C10H16BSA Boc-Leu-Gly-Leu-Ala-boroArg-C10H16BSA Bz-Pro-Phe-boroOrn-C10H16BSA Bz-Pro-Phe-boroArg-C10H16BSA Boc-Ala-Phe-(D,L)boroIrg-C6H12HBr Bz-Glu(OBu)‐Gly-boroIrg-C10H16HBr Bz-Glu-Gly-boroArg-C10H16BSA Bz-Glu(OBu)‐Gly-boroOrg-C10H16BSA Bz-Glu(OBu)‐Gly-boroArg-C10H16BSA Bz-Pro-Phe-boroIrg-C10H16・HBr Z-Phe-Gly-Gly-boroIrg-C10H16HBr Boc-Ala-Phe(D,L)borohomoIrg-C6H12HBr Bz-Pro-Phe-boroArg-OHHCl Bz-Pro-Phe-boroArg-F H-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16・2HCl H-(D)Phe-Phe-boroArg-C10H162HCl Ac-Ala-Lys-boroArg-C10H162HCl H-Leu-Gly-Leu-Ala-boroArg-C10H16HClBSA Boc-Ala-Phe-(D,L)boroLys-C6H12・HCl H-Ala-Phe-(D,L)boroLys-C6H122HCl Boc-(D)Val-Leu-boroLys-C6H12HCl Ac-Phe-boroLys-C6H12HCl Bz-Glu-Gly-boroArg-C10H16BSA H-(D)Phe-Phe-boroIrg-C10H162HBr H-Leu-Gly-Leu-Ala-boroIrg-C10H162HBr H-Ala-Phe-(D,L)boroIrg-C6H122HBr Bz-Glu-Gly-boroIrg-C10H16・HBr H-Ala-Phe-(D,L)borohomoIrg-C6H122HBr Ac-Ala-Lys-boroIrg-C10H162HBr Bz-boroIrg-C6H12HBr Bz-boroOrn-C6H12BSA Bz-boroArg-C6H12BSA Ac-Leu-Thr(OBu)‐boroOrn-C10H16BSA Ac-Leu-Thr(OBu)boroArg-C10H16・BSA Ac-Leu-Thr-boroArg-C10H16BSA Ac-Lys(Boc)‐Pro-boroOrn-C10H16BSA Ac-Lys(Boc)‐Pro-boroArg-C10H16BSA Ac-Lys-Pro-boroArg-C10H16BSA Ac-Ala-Glu(OBu)‐boroOrn-C10H16BSA Ac-Ala-Glu(OBu)‐boroArg-C10H16BSA Ac-Ala-Glu-boroArg-C10H16BSA Boc-Val-Val-boroLys-C6H12BSA H-Val-Val-boroLys-C6H12BSATFA Boc-(D)Phe-Phe-boroLys-C6H12BSA H-(D)Phe-Phe-boroLys-C6H12BSATFA Boc-Glu-Phe-boroLys-C6H12BSA PyroGlu-Phe-boroLys-C6H12・BSA 本発明はまたトロンビン、血漿カリクレインおよびプラ
スミンを含むがこれに限定されないトリプシン様セリン
プロテアーゼを阻害するため、そして哺乳類の血液凝固
および炎症を含むがこれに限定されない異常生理症状を
治療するための組成物および方法も提供する。本発明の
組成物は式Iの化合物の有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含む。本発明の方法を実行する
には、化合物または組成物は単独またはお互いに組み合
わせて、または、他の治療剤と組み合わせて使用でき
る。それらは経口、非経腸、静脈内、皮下、筋肉内、結
腸、肛門、鼻腔経由で、または腹腔内投与により、種々
の投与形態で投与できる。有用な投与量および投与型式
は年齢、体重および治療する哺乳類、および使用する特
定の化合物により変化する。典型的には治療はより低い
投与量で開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を
増加する。
本発明はさらに式Iの化合物を得るための重要な中間体
の2種類である式IIおよびIIIの化合物も意図してい
る。式IIの中間体は式: 〔式中、 Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキ
ルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導される基
であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原子に結合
しておらず、ヒドロキシ基の2個の酸素原子はBに結合
しており、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシ
クロアルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭素
原子2〜20個を有する; R3は‐(CH2)z‐W1、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W1、‐CH2‐CH
(CH3)‐CH2‐W1、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W1および‐(CH2)
2‐C(CH3)2‐W1よりなる群から選択される置換アルキル
であり; WおよびW1は個々に独立してClまたはBrであり;そし
て、 zは3〜5である〕 の化合物を包含する。特に好ましい式IIの化合物はR3
‐(CH2)z‐W1であり、zが3〜4であるような化合物で
ある。
第2の種類の中間体は式: 〔式中、 A1、A2、A3、Y3、R1、n、o、pおよびqは前記定義し
たものであり; R4は‐(CH2)z‐W2、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W2、‐CH2‐CH
(CH3)‐CH2‐W2、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W2、および‐(CH
2)2‐C(CH3)2‐W2よりなる群から選択される置換アルキ
ルであり; W2はCl、BrまたはN3であり; zは3〜5である〕 の化合物を包含する。式IIIの範囲内の化合物の対象と
なる種類は類似の式Iの化合物に対して記載されたもの
と同様である。特に好ましい式IIIの化合物はR4が‐(CH
2)z‐W2でありzが3〜4であるような化合物である。
阻害剤の調製 本発明の式Iの化合物の製造は下記の手法により実施さ
れ得る。
(式中、Y1およびY2は個々に独立して、‐OHであり、
A1、A2、A3、R1、R2、n、o、pおよびqは前述の定義
を有する)の化合物は、式 (式中、Y1およびY2は一緒になって、ジヒドロキシアル
キル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシ
アリール化合物から誘導される基を形成し、この場合ヒ
ドロキシ基は同一の炭素原子に結合しておらず、ヒドロ
キシ基の酸素原子はBに結合しており、前記ジヒドロキ
シアルキル、ジヒドロキシシクロアルキル、またはジヒ
ドロキシアリール化合物は炭素原子2〜20個を有する;
そしてA1、A2、A3、R1、R2、n、o、pおよびqは前述
の定義を有する)の化合物を A)(i)有機酸水溶液中に溶解し、次に有機酸中で0
〜0.3Nの濃度勾配の無機酸を適用することによるイオン
交換クロマトグラフィーに付しそして (ii)カラムクロマトグラフィーまたはサイズ排除クロ
マトグラフィーにより分離して前記式IにおいてY1=Y2
=OHの化合物を得るかまたは B)(i)塩化メチレン中過剰のBCl3と−78〜0℃で反
応させ、 (ii)水と接触させていずれもの過剰BCl3を加水分解
し、 (iii)十分な1〜50%有機酸水溶液で希釈して0.01〜
0.05M濃度のHClを得、 (iv)水性相中に分離し、次いでそれを (v)イオン交換カラムクロマトグラフィーに付して前
記式IにおいてY1=Y2=OHである化合物を得ることより
製造される。
式IにおいてY1=Y2=Fであるジフルオロボランは、前
記手法で得られたY1=Y2=OHである式Iの化合物を過剰
の水性フッ化水素酸と反応させることによって製造され
る。
(式中、Y3、R2、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよびq
は前述の定義を有し、W=Cl、Br、‐C6H5SO3またはそ
の他の有機酸陰イオンであり、そしてこの場合R2の定義
におけるXは‐NH2である)の化合物は、 A.式 (式中、Y3、R3およびWは前述の定義を有する)の化合
物を式 R1〔(A3)(A2)(A1)〕‐ (式中、n、o、p、q、A1、A2、A3およびR1は前述の
定義を有する)のアミノ酸またはペプチドと反応させて
(式中、Y3、R3、W、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよ
びqは前述の定義を有する)の化合物を製造し、次に B.前記式6の化合物をアルカリ金属アジドと反応させて
(式中、Y3、R4、W、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよ
びqは前述の定義を有し、そしてこの場合R4の定義中に
おけるW2はN3である)の化合物を製造し、次に C.前記式IIIの化合物を有機酸または無機酸好ましくは
ベンジルスルホン酸の存在化で還元することにより製造
される。
(式中、Y3、R2、W、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよ
びqは前述の定義を有し、そしてこの場合R2の定義にお
けるXは‐NH-C(NH)‐NH2である)の化合物は、上記
手法で得たR2の定義中におけるXが‐NH2である式Iの
化合物を低級アルコール中においてシアナミドと50〜15
0℃で反応させることにより製造される。
(式中、Y3、R2、W、A1、A2、A3、R1、n、o、pおよ
びqは前述の定義を有し、そしてこの場合R2の定義にお
けるXは‐SC(NH)NH2である)の化合物は式 (式中、Y3、R3、W、A1、A2、A3、R1、n、o、pおよ
びqは前述の定義を有する)の化合物をチオ尿素と反応
させることにより製造される。
次に前記手法の好ましい態様をさらに反応スキームで説
明する。
温度は℃で表わす。以下に示す「合成方法」と題された
図中に示された番号付きの化合物はその個々の番号に従
って説明書中で呼称する。
ここで用いた「NMR」はプロトン核磁気共鳴を意味す
る。
ここに記載した方法に従えば、本発明の式Iの化合物は
高利用性の純度即ち、80〜100%純度の形態で得ること
ができる。
出発物質は薬品業者から高純度のものを入手するか、ま
たは、当業者の知る方法により容易に合成できる。合成
方法の図は本発明の化合物を合成する一般的な順序を示
している。化合物1〜4は、方法を大量生産可能なもの
に変型した外は、Matteson等の「Organometallics」,
,1284〜1288(1984)の記載に従つて調製した。
化合物1は、カテコールボランによるアルケンハライド
の水ホウ素化反応(hydroboration)により調製する。
成分をテトラヒドロフランまたはその他の不活性溶媒中
で加熱し、生成物を蒸留により単離する。ハロ置換され
たアルキルボロニツク酸カテコールエステルをテトラヒ
ドロフラン中で適当なジオール(α‐ピナンジオール、
ピナコール、2,3-ブタンジオール等)と反応させること
によりエステル転位反応を行なう。分子の立体障害のた
め化合物3の形成において、‐CHCl-基の立体特異的付
加が起こり、その後L配置のアミノ酸導入が可能である
としているMatteson等の「J.Am.Chem.Soc.」,103,5241
(1981)の考え方においては、(+)‐d-ピナンジオー
ルが好ましい。合成方法の図の構造式3〜9はピナンジ
オール保護基の付いたものを表わしている。大量調製の
場合は、エステル化反応の産物であるカテコールの除去
はカテコールの溶解度が制限される溶媒であるヘキサン
からの結晶化により達成される。次に化合物2をシリカ
ゲル上のクロマトグラフイーか蒸留により精製するか、
または、特に精製することなく使用する。化合物2はピ
ナンジオールエステルとして、溶媒除去により分析級純
度に近い純度で得られる。それ以上の精製はシリカゲル
クロマトグラフイーにより行うことができる。化合物2
のピナコールエステルに対しては、蒸留による最終精製
が好ましい。
化合物3はCHCl2 -Li+を用いた2のホモロゲーシヨンに
より調製する。この試薬は−100℃でテトラヒドロフラ
ン中n-ブチルリチウムで塩化メチレンを処理することに
より作成する。化合物2に−100℃で塩化亜塩0.65当量
を添加する。混合物をゆつくり室温まで戻し、一夜攪拌
する。化合物3は溶媒を蒸発させ、次に残存物をヘキサ
ンに溶解し、その後有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウム上で乾燥し、最後にヘキサンを蒸発させることによ
り得られる。化合物3はピナンジオールエステルとして
保護されている場合はさらに精製することなく使用し、
そして別法として、ピナコールエステルとして保護され
ている場合は蒸留できる。
化合物4はα‐クロロ‐置換ボロニツク酸エステルであ
る化合物3を〔((CH2)3Si〕2N-Li+で処理することによ
り調製する。ヘキサメチルジシラザンをテトラヒドロフ
ランに溶解し、−78℃でn-ブチルリチウム1当量を添加
する。混合物を室温まで戻し、次に、−78℃に再冷却し
た後、テトラヒドロフラン中、3を1当量添加する。混
合物をゆつくり室温まで戻し、一夜攪拌する。α‐ビス
〔トリメチルシラン〕‐保護アミンは、溶媒を蒸発させ
無水条件下にヘキサンを添加することにより単離する。
不溶残存物を窒素被覆下に過して除去し、化合物4の
ヘキサン溶液を得る。
化合物5は化合物4のヘキサン溶液を−78℃まで冷却
し、塩酸3当量を添加することにより得る。溶液をゆつ
くり室温まで戻し、1.5〜2時間攪拌する。次に化合物
5を過して単離し、クロロホルムに溶解し、不溶物を
除去することによりさらに精製する。化合物5は蒸発に
よりクロロホルムを除去し、残存物を酢酸エチルから結
晶させることにより白色結晶固体として得られる。
化合物3を化合物5に変換する上記方法は意外にも分析
級純度の化合物5の調製を可能にし、次にこれから、ヘ
テロ物質を結合させる際に通常伴う困難を生じることな
く、化合物6を得ることができる。従来技術によれば化
合物4は、純粋な試料を得るためには化合物5へ変換す
る前に精製しなければならないとされていたり、また
は、強く示唆されている。純粋なα‐アミノボロニツク
酸の調製のための唯一の知られた方法はShenviの米国特
許第4,537,773号に記載され、Shenvi等の米国特許第4,4
99,082号で使用されているものである。Shenvi等の文献
では、芳香族およびアルキルの側鎖を有する外は化合物
4と同様の化合物が蒸留により精製されている。化合物
4はShenvi等の蒸留に対しては不安定であり変化した生
成物が得られる。
化合物6であるN-アシルまたはN-ペプチジルの形態の化
合物5は2つの異なる経路で調製できる。第1は、Matt
eson等の「Organometallics」,,1284−1288(1984)
に記載された方法の変型であり、これでは、系内に調製
された化合物4(溶媒蒸発および過による塩の除去を
行なわない)を酢酸1当量および無水酢酸過剰量で処理
して、N-アセチル‐NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2‐ピナンジオ
ールを得ている。この方法は、酢酸による予備処理を省
くという変型を用いることにより、N-アセチル‐フエニ
ルアラニン(Ac-Phe-Cl)の高反応性の酸クロリドの結
合に適用できる。Ac-Phe-Clとともに酢酸を添加する場
合には、収率が極めて低くなるが、これはAc-Pheと酢酸
の混合無水物が形成され、その後化学的に好ましい結合
が行なわれ、N-アセチル‐NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2‐ピナ
コールを生成するためと考えられる。化合物6の調製へ
の混合無水物方法の適用は所望の生成物の収率を低く
し、精製における問題が大きかつた。即ち、この方法は
酸クロリド方法を用いることによる化合物4への、アル
キル、アリールおよびN-保護アミノ酸の結合に適用可能
であると考えられる。しかしながら、酸クロリド結合法
の条件にうる制約があることに注意しなければならな
い。第1に、この方法は単一のアミノ酸残基への適用を
制限するオキサゾリノン形成のような副反応のためにペ
プチド結合へは容易に適用できない。第2に、酸クロリ
ドの形成中に過剰の塩酸が発生するために酸に安定な保
護基が必要である。最後に、アミノ酸残基のラセミ化が
この方法には伴なう。
化合物6の調製の第2の方法はアシル基または適当な側
鎖保護を行なつたN-保護ペプチドの化合物5への結合で
ある。この方法は、不十分な溶解度のようなペプチド合
成中通常伴う制約の範囲内でどのようなペプチドの合成
も可能にするほど十分に用途が広いことから第1の方法
より明らかに優れている。酸クロリドまたは他のアシル
基の活性型を結合できる。ペプチドに対しては、Anders
on等の「J.Am.Chem.Soc.」,89,5012(1967)の混合無水
物方法が好ましい。N-保護アミノ酸または適当な側鎖保
護基を有するジペプチドからテトラペプチドまでの長さ
で変化するペプチドの混合無水物を、所定のペプチドを
テトラヒドロフランに溶解し、1当量のN-メチルモルホ
リンを添加することにより調製する。溶液を−20℃に冷
却し、1当量のイソブチルクロロホルメートを添加す
る。5分後、この混合物と1当量のトリエチルアミン
(または他の立体障害を有する塩基)を、冷クロロホル
ムまたはテトラヒドロフランのいずれかに溶解した化合
物5の溶液に添加する。反応混合物を−20℃で1時間常
時攪拌し、次に、室温で1〜2時間攪拌する。不溶物を
過して除き、溶媒を蒸発して除き、残存物を酢酸エチ
ルに溶解する。有機層を0.20N塩酸、5%水性重炭酸ナ
トリウム、および飽和水性塩化ナトリウムで洗浄する。
次に有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、過し、
蒸発させてほどんどの場合は半固体のものを得る。多く
の化合物に対しては、化合物6のこれ以上の精製は不必
要である。化合物6の精製のために適用できる方法はシ
リカゲルクロマトグラフイー、ある場合は結晶化、そし
てセフアデツクスTMLH-20および溶媒としてメタノール
を用いたゲル透過クロマトグラフイーである。後者の方
法が好ましい。典型的には、NMRスペクトルはδ3.45で
‐CH2‐Brのバンドおよびδ0.80〜0.95で鋭いシングレ
ツトのバントをピナンジオール保護基のメチル基に対し
て、またはδ1.3でシングレツトをピナコール基に対し
て示した。
次にペプチドアルキルハライドである化合物6を、3時
間、100℃でジメチルホルムアミド中ナトリウムアジド
2当量で処理することにより、アルキルアジドである化
合物7へ変換する。全ての場合において、この反応は反
応条件を変化させることなく円滑に進行すると考えられ
た。CDCl3中の化合物7のNMRスペクトルは典型的に、ア
ジドへの変換において‐CH2‐Brのδ0.1〜0.2ppm高磁場
シフトを示した。これ以上の精製はLH-20クロマトグラ
フイーにより行うことができるが、ほとんどのペプチド
に対しては必要ではない。
ボロオルニチンペプチドである化合物8は10%Pd/Cおよ
びアルコール中ベンゼンスルホン酸1当量の存在下で、
アルキルアジドである化合物7を接触水素添加すること
により通常調製する。水素添加はParr装置で行なう。別
法として水素添加を常圧で行ない無機酸でベンゼンスル
ホン酸を代替することができる。接触水素添加に安定な
ペプチド保護基を使用することが必要であることに注意
しなければならない。このようなペプチド保護基は当業
者の知るものであり、「The Peptides」(E.GrossとJ.M
eienhofer刊),第3巻、Academic Press,New York(19
81)で論じられている。好ましい保護基はアミノ基に対
してはt-ブチルオキシカルボニル基であり、ヒドロキシ
およびカルボン酸の側鎖に対してはt-ブチルエーテルお
よびエステルである。他の適当な保護基はジイソプロピ
ルメチルオキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニ
ル、アダマンチルオキシカルボニル、ビフエニルイソプ
ロピルオキシカルボニルおよびトシルを包含する。他の
還元剤を用いて還元によるアジドからアミンへの変換は
塩化第一すずおよびトリアルキルホスフアイトのような
試薬を用いて、Maiti等の「Tetrahedron Lett」,27,14
23〜1424(1986)およびKoziara等の「Synthesis」,202
〜204(1985)の記載に従つて行うことができることが
予測される。これらの試薬は接触水素添加に対して不安
定なペプチド保護基に適合していると予測される。ボロ
オルニチンペプチドは通常、セフアデツクスTMLH-20上
でクロマトグラフイーに付されており、エーテルで摩砕
した後は白色の不定形固体である。
ボロアルギニンペプチドである化合物9は相当するボロ
オルニチンペプチドである化合物8を100℃で、無水エ
タノール中、少なくとも4倍過剰のシアナミド(50mg/m
L)と反応させることにより調製する。最初に成分を、
水冷コンデンサーを付けて窒素下で2〜3日間反応させ
る。水冷を中止し、反応混合物を数日間かけてゆつくり
濃縮させる。反応の終了は、ボロアルギニン部分のグア
ニジノ基に対するSakaquchi染色による物質の染色の強
さの進行的増加およびボロオルニチン部分のアミノ基に
対するニンヒドリン染色による染色陽性物質の消失を、
メタノール:水(85:15)を用いた逆相薄層プレートに
より判断する。典型的には、ボロアルギニンペプチドは
プレートの原点からすじ状に延び、ボロオルニチンペプ
チドはプレートの中央を異なるスポツトとして移行し、
シアナミドは溶媒の進行先端部とともに移行し、各成分
は識別可能であつた。グアニジノ基およびアミノ基に対
する特異的染色はペプチド合成において一般的に用いら
れている。化合物9は、セフアデツクスTMLH-20および
溶媒としてメタノールを用いたゲル透過クロマトグラフ
イーにより精製した。このクロマトグラフイー段階はボ
ロアルギニンペプチドを、低分子量副生成物および未反
応シアナミドから容易に分離する。ほとんどの場合、そ
れ以上の精製は必要ない。しかしながら、化合物8のグ
アニド化反応(guanidation)は、化合物8と9の混合
物を分離するのが不可能ではない場合でも困難であるた
め終了まで行なうことが必須である。最終生成物はエー
テルで摩砕することにより不定形の白色固体として得ら
れ、ほとんどの場合、NMR、質量スペクトルおよび燃焼
分析により測定して分析級純度のものである。
シアナミドによる化合物8のグアニド化反応は反応条件
に大きく依存することがわかつていることに注意しなけ
ればならない。第1に、上述したように、化合物8から
化合物9への比較的完全な変換を達成するために十分長
い時間反応を行うことが重要である。7日間までの反応
時間およびこれに伴う溶媒のゆるやかな蒸発による試薬
の濃縮がしばしば必要である。化合物8をグアニド化す
る反応の初期の観察では、塩酸塩としての化合物8を数
時間エタノール中シアナミドとともに還流した。所望の
生成物である化合物9は検知できなかつた。テトラヒド
ロフランを無水エタノールと換えた外は上記した好まし
い条件で化合物8のグアニド化を試みたところ、検知可
能な生成物を得ることができなかつた。同じく、ボロオ
ルニチンペプチドのアミノ基のベンゼンスルホン酸塩を
グアニド化反応の前に中和した外はこれらの条件を用い
て化合物8をグアニド化する試みを行なつたところ、化
合物9はわずかに検知可能な量でのみ存在した。好まし
い条件は化合物8のベンゼンスルホン酸塩(未中和)と
の反応に関与する。好ましい反応はまた相当する塩酸塩
を用いて行なつた。
ペプチド合成技術で当業者が用いるオルニチンペプチド
をグアニド化して相当するアルギニンペプチドにするた
めの通常の方法はオルニチンペプチドのアミンの中和お
よびS-アルキルまたはO-アルキルのイソウレアまたはグ
アニル‐3,5-ジメチルピラゾールニトレートのいずれか
との結合であり、Barany等により「The Peptides」(E.
GrossとJ.Meienhofer刊),第2巻、pp169〜175、Acade
mic Press、New York(1980)に記載されている。Banna
rd等の「Can.J.Chem。」,36,1541〜1549(1958)はア
ミンのグアニド化の種々の方法を検討し、グアニル‐3,
5-ジメチルピラゾールがS-メチルイソウレアの使用より
優れていることを発見し、シアナミドを用いたグアニド
化反応は初期の文献に記載されているものの許容できな
いと結論している。反応はエタノール中のS-メチルイソ
ウレア沃化水素塩およびグアニル‐3,5-ジメチルピラゾ
ールを用いて種々の条件下で行なつたが、ボロオルニチ
ンペプチドをグアニド化することはできなかつた。この
場合の反応性の欠如はおそらく、オルニチン側鎖のアミ
ノ基とボロニツク酸エステルの間の内部ルイス酸塩基複
合体の形成によるものである。エタノール中グアニジン
を用いた化合物6の処理による化合物9の合成もまた、
許容できない合成方法であつた。約50%純度の化合物6
が6とグアニジンの反応から単離され、収率は1%より
小さかつた。
ボロアルギニン‐ピナンジオールのグアニジノ基は分子
に取り込まれると天然アミノ酸アルギニンのグアニジノ
基と同様な挙動を示す。例えば、α‐アミノ基はボロア
ルギニンのグアニジノ基に影響を与えることなく無水物
により選択的にアシル化されることができる。即ち、化
合物9はH-ボロアルギニン‐ピナンジオールを合成に、
次に混合無水物法を用いて分子のペプチド部分のN保護
型を添加することにより調製できると考えられ、同様に
して、ジ‐、トリ‐等のボロアルギニン含有ペプチド類
似体はさらにアミノ酸またはペプチドを結合させること
により伸長できると考えられる。
保護ボロアルギニンペプチドのそれ以上の精製はSPセフ
アデツクスTM上のイオン交換クロマトグラフイーにより
行うことができる。ペプチドを20%酢酸に溶解し、H+
のカラムに適用する。20%酢酸でカラムを洗浄後、生成
物を、20%酢酸中0〜0.3Nの濃度勾配塩酸を流すことに
より、溶出させる。生成物はピナンジオールエステルと
遊離ペプチドボロニツク酸の混合物として溶出する。均
質な調製物は無水条件下ピナンジオールで混合物を処理
し、生成物をエーテルで摩砕することにより得られる。
2つの方法は、ピナンジオール保護基を除去し遊離ボロ
ニツク酸である化合物10を得るために開発された。第1
の方法は遊離ボロニツク酸とピナンジオールエステルの
混合物をイオン交換カラムから共溶離させる、上記精製
方法の変法である。これらの化合物は、LH-20上のクロ
マトグラフイーにより容易に分離される。第2の方法は
Kinder等の「J.Med.Chem.」,28,1917〜1925(1985)の
方法の変法である。ボロニツク酸エステルを−78℃で5
分間、塩化メチレン中2〜3倍過剰の三塩化ホウ素で処
理し、混合物を0℃の氷浴中で15分間攪拌する。水をゆ
つくり添加して過剰な三塩化ホウ素を加水分解してホウ
酸と塩酸にする。反応液を20%酢酸でさらに希釈し、0.
05Mの最終塩酸濃度とする。塩酸の濃度は反応に用いる
三塩化ホウ素の初期の量に基づく。水層をSPセフアデツ
クスTMカラムに適用し、生成物を上記したように塩酸塩
として溶離させる。遊離のボロハツク酸ペプチドは白色
不定形固体として得られた。
化合物10はKinder等の「J.Med.Chem.」,28,1917〜1925
(1985)の方法の変法を用いることにより、ジフルオロ
ボランである化合物11に変換できる。ペプチドボロニツ
ク酸を室温で5倍モル過剰の0.50N水性フッ化水素酸で
処理する。過剰のフッ化水素酸と水は凍結乾燥により除
去し、生成した固体をエーテルで摩砕して白色不定形固
体として所望の生成物を得る。
上記において、遊離ボロニツク酸である化合物10の調製
はボロアルギニン‐ピナンジオールエステルより行な
い、ジフルオロボラン酸である化合物11の調製は化合物
10より行なう。エステル保護基の除去のための方法は、
ピナンジオール、ピナコールまたは他のエステル保護基
のいずれかとして保護されたボロオルニチン、ボロリジ
ンおよびボロホモアルギニンのアシルペプチドに適用可
能でなければならない。同様に、相当する遊離ボロニツ
ク酸はジフルオロボランに変換できる。
分子のペプチド部分の好ましい側鎖保護基およびN末端
保護基は接触還元に対して安定であり、無水塩酸または
トリフルオロ酢酸に対して不安定なものである。これら
の条件はt-ブチルオキシカルボニルアミノ保護基および
ヒドロキシと酸性側鎖に対するt-ブチルエーテルおよび
エステルにより容易に満たされる。これらの基を除去す
るには、ペプチドを室温でジオキサン中4Nの塩酸で処理
する。保護基の取れたペプチドは溶媒の蒸発またはエー
テルを用いた沈殿により単離される。酸性の側鎖を有す
るペプチドにおいては特別に注意して、蒸発により全て
の塩酸を除かなければならない。これによりボロアルギ
ニンペプチドは確実にベンゼンスルホン酸塩として維持
される。他のペプチドは混合塩酸‐ベンゼンスルホン酸
塩として単離できるか、または、ほとんどが、Cl-イオ
ン型陰イオン交換カラムを通過させることにより塩酸塩
に変換できる。
化合物6のイソチオウロニウム誘導体は無水エタノール
中チオ尿素で化合物6を処理し、ペプチドボロアルギニ
ンエステルである化合物10の類似体である化合物12を得
ることにより調製する。通常な、アルキルハライドを室
温で数日間4〜5倍過剰のチオ尿素とともに攪拌した。
必要な場合はエーテルを用いた摩砕により未反応の化合
物6と生成物を分離する。化合物6はほとんどのペプチ
ドの場合エーテルに容易に溶解するのに対し、生成物は
不溶である。最終精製としての過剰チオ尿素の除去はメ
タノール中セフアデツクスTMLH-20上のクロマトグラフ
イーおよびエーテルを用いた摩砕により行ない、臭化水
素酸塩として最終生成物を得る。側鎖とN末端保護基は
無水臭化水素酸または他の無水の酸で処理して除去す
る。
生物活性 本発明の化合物の生物活性は、トリプシン様酵素、ヒト
トロンビンおよび血漿カリクレインによる合成基質加水
分解の阻害、および、血液凝固および炎症のような、こ
のような酵素が触媒する生物学的反応の阻害に関するin
vitroとin viroの両方のデータで明らかにされる。
後記する実施例では、各酵素の加水分解活性を、阻害剤
の存在下と非存在下の両方で測定し、パーセント酵素活
性を測定する。血漿カリクレインとトロンビンの両方に
対する最も効果的な阻害剤は、定常状態に到達するまで
効果が経時的に上昇する低速結合阻害剤であることがわ
かつている。定常状態にはかなり速く到達し、5分以内
にほぼ完了する。反応成分が平衡状態にあることを確実
なものとするため、活性は成分を混合してから10〜20分
の間に評価した。試験する阻害剤の最低濃度は酵素の推
定濃度により決定した。酵素濃度の5倍過剰の阻害剤濃
度を最低維持濃度とすることにより、偽似一次反応条件
を観察する。偽似一次反応条件の維持およびそれぞれの
試験の感度から、カリクレイン阻害剤に対しては10nM、
トロンビン阻害剤に対しては5nMに、被検阻害剤最低限
度値を設定する。
通常は、可逆阻害剤効果は、酵素‐阻害剤複合体の解離
定数Kiを測定することにより評価する。この値は定義に
よれば、基質の非存在下で酵素を50%阻害するのに必要
な阻害剤濃度である。しかしながら、基質は保護効果を
有するため、50%阻害の達成にはより高濃度の阻害剤が
必要となる。ただし、Kiの従来の推定値はパーセント活
性(阻害)データおよび阻害剤濃度から得ることができ
る。Kiより約20倍高い阻害剤のレベルが反応を95%阻害
するのに必要であり、Kiより約50倍高い阻害剤のレベル
が98%阻害に必要である。
血漿カリクレインは加水分解を起こしてブラデイキニン
を遊離し易い。ボロアルギニンに隣接したPheを有する
ボロアルギニンペプチドはこの酵素の最も有効な阻害剤
である。例えば、10nMのH-(D)Phe-Phe-boroArg-C10H
16は95%より高くカリクレインを阻害する。ボロアルギ
ニンピナンジオールエステルと相当するイソチオウロニ
ウム類似体(boroIrg-)の効果の間には有意差は観察され
ない。さらに、未保護のボロニツク酸と相当するジフル
オロボランの効果の間にも有意差は観察されない。
トロンビンは、ボロアルギニンに隣接する部位のプロリ
ンにおいて、阻害剤へのより高い親和性を有する外は、
合成基質を用いた実験でカリクレインと同様の結果がト
ロンビンに対しても得られる。最も有効な阻害剤は、Ac
-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16であり、これは5nMの濃
度でトロンビンを99%阻害する。文献で報告されている
最も強力な阻害剤は、N-d-(2-ナフチルスルホニル‐グ
リシル)‐4-アミジノフエニルアラニンピペリジドであ
り、6nMのKiを有する。これは、B。Kaiser等の「Throm
b。Res.」,43,613〜620(1986)およびSturzebecher等
の「Thromb.Res.」,29,635〜642(1983)で報告されて
いる。阻害剤濃度Kiとパーセント阻害との関係は、前述
したとおり、Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16のKi
ピコモル範囲にあることを示している。さらに、(D)
Phe-Pro-boroArg-配列を有する阻害剤の効果はアミノ末
端保護基の存在、非存在、またはその性質による影響を
比較的受け難いと考えられる。このような化合物でBoc
およびAc保護基を有するもの、および、保護基を有さな
いものは、同様にトロンビンを阻害し、各々、5nMより
低いIC50を示している。
阻害剤が対象酵素の天然の基質と競争する反応における
阻害剤の効果は血液凝固試験においてin vivoで測定す
る。2種類の試験、即ち、APTT(活性化部分トロンボプ
ラスチン時間)およびPT(プロトロンビン時間)試験を
用いる。これらの試験はin vivoの血液凝塊過程の模疑
するものである。血液凝固は2つの経路のいずれかを通
して起こるが、各々、チモゲン活性化段階の増幅系から
成るものである。経路は、内因性および外因性の経路と
称される(L.Lorandの「Method in Enzymology」,45,3
1〜37(1976)を参照)。内因性経路は、血漿カリクレ
イン、XII因子およびIX因子が活性化され、次に、IX因
子とX因子およびプロトロンビンが活性化されるカルシ
ウム依存性段階がある負荷電面から開始される。増幅系
の最後のプロテアーゼであるトロンビンはフイブリノー
ゲンを加水分解してフイブリンにし、これが凝血塊を形
成させる。APTT試験では血漿成分を負荷電面に暴露され
ることにより活性化し、次に、系にカルシウムを添加し
た後に凝血時間を測定する。外因性経路では、組織トロ
ンボプラスチンがVII因子を活性化し、これが次にX因
子を活性化してトロンビンの活性化を導く。これらの事
象はプロトロンビン時間試験で測定する。
ボロアルギニンと相当するイソチオウロニウム類似体の
ペプチドはこれらの試験の両方で血液凝塊化を効果的に
阻害する。トロンビンに対する本発明の最も効果的な阻
害剤は両試験において最も効果的である。一方、カリク
レインの阻害剤は強さのより小さい凝血阻害剤であるが
PT試験よりもAPTT試験(カリクレインがこの試験の開始
に関与する)をより効果的に阻害する。これは、H-
(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16(トロンビン阻害剤)の
相対的血漿凝血時間に対する作用により、第1図で明ら
かに示されている。これはより複雑な生物学的系におい
てトリペプチド阻害剤の単一のアミノ酸を変化させるこ
とにより達成することのできる選択性を示している。ト
ロンビン阻害剤の有効水準はヘパリンと同じモル範囲で
ある。通常は血漿ml当たりヘパリン0.2〜0.4単位は凝血
時間を2〜2.5倍増加させる。ヘパリンの平均分子量を1
5,000、比活性を150単位/mgと仮定すると、モル濃度は8
6〜170nMとなる。APTT試験で凝血時間を増加するのに必
要とされるボロアルギニンペプチドの濃度は170〜230nM
の範囲にある。ヘパリンは高分子量プロテアーゼ阻害剤
である抗トロンビンIIIに対する共因子であることに注
意しなければならない。
ヒト血漿中でのボロアルギニンペプチドの安定性は、こ
れを血漿とともに、凝血過程を遅延させるのに有効な濃
度でインキユベートすることにより示される。阻害剤の
試料を時間的間隔を大きくしながら除去し、その凝血遅
延能力を各間隔で測定する。凝血時間が不変であること
は血漿インキユベーシヨン間の阻害剤の阻害活性が不変
であることを示している。阻害活性の有意な変化は、24
時間後に活性を失つたH-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16
を除いて、観察されなかつた。本発明の阻害剤はまた、
1時間以内に阻害活性を消失したH-(D)Phe-Pro-boro
Arg-C10H16を除き、pH7.5のリン酸塩緩衝液中、24時間
安定である。緩衝液中でこの阻害剤がより大きい不安定
性を示すことは、リン酸塩緩衝液が化合物を不安定化さ
せる働きをしていることを示唆している。
得られたin vivoのデータは、哺乳類の系における血液
凝固の阻害剤としての対象化合物の薬効を示している。
また本発明の化合物は、化合物を刺激物質とともに局所
適用した場合のラツト耳浮腫の抑制により示されるとお
り、有効な抗炎症剤でもある。炎症の間に複数の事象が
起きるため、この薬理学的活性の分子上の根拠は知られ
ていない。しかしながら、血管の透過性を増加させるプ
ロテアーゼ、即ち、キニンを遊離させる血漿カリクレイ
ンおよびアナフイラトキシンペプチドを遊離させる補足
的系の酵素のようなものは、炎症過程に関わつていると
考えられる。
最後に、ボロリジンのペプチドは、止血において鍵とな
る役割を果たす酵素であるプラスミンを有効に阻害する
ことがわかつた。
利用性 オルニチン、アルギニン、リジンおよびホモアルギニン
の本発明の類似体であるN-アシルおよびN-ペプチドα‐
アミノボロニツク酸は、トリプシン様酵素の強力な可逆
阻害剤の新しい種類である。トリプシン様酵素は塩基性
残基でペプチド結合を加水分解してC末端のアルギニル
またはリジルの残基のいずれかを遊離させるプロテアー
ゼ群である。これらの酵素のなかには血液凝固系のプロ
テアーゼ(因子XIIa、XIa、IXa、VIIa、Xaおよびトロン
ビン)、繊維素分解系(プラスミノーゲン活性物質およ
びプラスミン)、補足系(C1s、C1r、C3コンベルター
ゼ、D因子等)、膵臓トリプシン(消化機能として)お
よびアクロシン(精子に関連するプロテアーゼで繁殖に
必要とされる)がある。
本発明の化合物のトリプシン様プロテアーゼ阻害能力は
2種類のトリプシン様酵素、即ちヒトトロンビンと血漿
カリクレインの阻害により測定されている。本発明の化
合物はその他の知られた可逆阻害剤よりも、これらの両
酵素に対するはるかに強力な阻害剤である。例えば、今
日まで報告されている最も有効なトロンビン阻害剤はN-
α‐(2-ナフチルスルホニル‐グリシル)‐4-アミジノ
フエニルアラニンピペリジンであり、Kiは6nMである。
本発明の化合物は5nMの濃度でトロンビンをほとんど完
全に阻害し、1nMより小さいKiを示しており、血液凝固
のようなトロンビン媒介過程を制御するための優れた候
補である。最も効果的なボロアルギニンペプチドはAPT
時間とPT時間を延ばすことにより示されるとおり凝血作
用を制御する。効果の水準は分子を基本にすればヘパリ
ンと同様である。さらに、化合物はヒト血漿中で安定で
ある。化合物は蛋白単離ならびに臨床試験用の血漿製剤
における抗凝血剤として使用できる。
付加的な実施例は凝血塊の分解において中心的役割を果
たすプロテアーゼのプラスミンである。ボロリジンを含
有するペプチドを調製して試験し、プラスミンに対する
活性を有する阻害剤であることがわかつた。
本発明の化合物はin vivoで蛋白分解を制御するのに有
効であり、未制御プロテアーゼ活性により生じる哺乳類
の疾患の治療いおいて薬学的に有効である。中でも目立
つのは血栓および消耗性血液凝固疾患に関連する症状で
ある。冠状動脈血栓は心筋梗塞の重要な要素である。血
液凝固因子および血漿プロテアーゼ阻害剤の減少により
明らかになる症状である消耗性血液凝固疾患は急性の膵
炎および散在性の血管内凝固(DIC)を有する患者で観
察される。本発明の化合物はヘパリンの代替品として使
用でき、ヘパリンの血漿共因子である抗トロンビンIII
を反応で消費することはない、という利点も有してい
る。また、ヘパリン治療の副作用である血小板減少症も
観察されない。さらに、本発明の化合物は、遺伝浮腫の
ようなトリプシン様酵素の天然の阻害剤の不全のある疾
患の治療においても有用である。この疾患は血漿カリク
レインの主な阻害剤であるC1阻害剤の不全により生じ
る。
最後に本発明の化合物はin vivoで効果的な抗炎症活性
を示した。
合成実施例 以下の実施例は本発明の特定の実施態様を説明するもの
である。報告する全ての融点は未補正である。全ての部
は重量によるものであり、全ての温度は摂氏で報告して
いる。プロトン核磁気共鳴(NMRまたは1H NMR)はテト
ラメチルシラン内部標準物質より低磁場のδ単位(pp
m)として、化学シフトを報告している。全体で用いら
れている種々の略号は、TFA=トリフルオロ酢酸、DMF=
N,N-ジメチルホルムアミド、MS=質量スペクトル分析、
TLC=薄層クロマトグラフイー、RP-TLC=逆相薄層クロ
マトグラフイーを含む。ボロニツク酸のエステル保護基
を略記するには、‐C6H12=ピナコール基および‐C10H
16=ピナンジオール基とした。「Irg」はアルギニン(A
rg)のイソチオウロニウム類似体の略号であり、「ホ
モ」(homo)が前に付く場合は側鎖がもう1個のメチレ
ン基を含むような構造を示している。全てのアミノ酸残
基は特記しない限りL配置である。
TLCおよびRP-TLCはそれぞれ、E.Markシリカゲル60プレ
ート(カタログ#5534、E.M.Sciences,Gibbstown,NJ)
およびWhatman KC18F逆相プレート(カタログ#4803−6
00,Whatman Co.,Clifton,NJ)上で行なつた。中性化合
物はヨウ素蒸気に暴露した後、UV光下で可視化した。遊
離アミノ基を有する化合物はニンヒドリンで染色し、グ
アニジノ基を有する化合物はSakaguchi染色で染色し
た。Sakaguchi染色はボロアルギニンペプチド中にある
もののような1置換グアニジンに対してかなりの特異性
を示す(「Chemistry of the Amino Acids」,,(19
84),GreensteinとWinitz刊,Robert E.Krieger Publish
ing Co.,Malabar,FL参照)。
実施例1a 1-アミノ‐4-ブロモ‐ブチルボロネートピナンジオール
・塩酸塩, NH2-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16・HCl 4-ブロモ‐1-クロロブチルボロネートピナンジオール
を、条件を大規模調製用に変えたMatteson等の「Organo
metallics」,,1284〜1288(1984)の方法により調製
した。典型的な実験では、アリルブロミド(173ml,2.00
モル)は、これにボランを添加して次に窒素雰囲気下、
100℃で4時間反応液を加熱することにより、カテコー
ルボラン(240ml,2.00モル)で水ホウ素化した。生成物
である3-ブロモプロピルボロネートカテコール(沸点95
〜102℃,0.25mm)を蒸留により49%収率で単離した。カ
テコールエステル(124g,0.52モル)を(+)α‐ピナ
ンジオール(88g,0.52モル)を用いて、テトラヒドロフ
ラン(THF)50ml中の成分を混合し、これを0℃で0.5時
間、室温で0.5時間攪拌することによりエステル転位さ
せた。溶媒を蒸発させて除きヘキサン250mlを添加し
た。カテコールを結晶固体として除去した。定量的除去
はヘキサンを用いて500mlまで、そして、1000mlまで連
続希釈し、名希釈の際に結晶を除去することにより行な
つた。生成物(147g)は溶媒蒸発により油状物として得
た。
元素分析値(C13H22O2BrBとして) C% H% Br% 理論値: 51.85 7.38 26.54 実測値: 52.85 7.30 26.58 4-ブロモ‐1-クロロブチルボロネートピナンジオールは
相当するプロピルボロネートのホモロゲーシヨンにより
調製した。塩化メチレン(34.8ml,0.540モル)をTHF500
mlに溶解し、ヘキサン中1.54Nのn-ブチルリチウム(350
ml,0.540モル)を−100℃でゆつくり添加した。3-ブロ
モプロピルボロネートピナンジオール(148g,0.490モ
ル)をTHF500mlに溶解し、溶液の凝固点まで冷却し、反
応混合物に添加した。塩化亜鉛(33.5g,0.246モル)をT
HF250mlに溶解し、0℃に冷却し、数回に分けて反応混
合物に添加した。反応混合物を攪拌しながらゆつくり一
夜かけて室温に戻した。溶媒を蒸発させ残存物をヘキサ
ンに溶解し、水で洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で
乾燥し、過した後、溶媒を除去して所望の生成物(14
0g)を得た。
1-アミノ‐4-ブロモブチルボロネートピナンジオール
は、まず、ヘキサメチルジシラザン(28.0g,80.0ミリモ
ル)をTHF30mlに溶解し、溶液を−7865で冷却し、ヘキ
サン中1.62Nのn-ブチルリチウム(49.4ml,80.0ミリモ
ル)を添加することにより調製した。溶液をゆつくり室
温まで戻し、次に−78℃に再冷却し、そして、THF20ml
中4-ブロモ‐1-クロロブチルボロネートピナンジオール
(28.0g,80.0ミリモル)を添加した。混合物をゆつくり
室温まで戻し、一夜攪拌した。溶媒を蒸発除去し、乾燥
ヘキサン(400ml)を添加して沈殿を形成し、これを窒
素雰囲気下過して除いた。液を−78℃にまで冷却
し、ジオキサン中4Nの塩酸(60ml、240ミリモル)を添
加した。反応液をゆつくり室温まで戻し、その温度で2
時間攪拌した。得られた生成物(20g)を過により固
体として単離した。真空下に乾燥した後、粗生成物をク
ロロホルムに溶解し、不溶物を過して除去した。液
を蒸発させ残存物を酢酸エチルに溶解した。生成物を酢
酸エチルから結晶させて15.1g(融点142〜144.5℃)を
得た。
▲〔α〕25 D▼=+16.7±0.80,C=1.0無水エタノール中 元素分析値(C14H26NO2BrClBとして) C% H% N% B% 理論値: 45.87 7.16 3.82 2.95 実測値: 45.76 7.21 3.79 3.04 実施例1b (D,L)1-アミノ‐4-ブロモブチルボロネートピナコー
ル・HCl (D,L)NH2‐CH〔(CH2)3Br〕BO2-C6H12・HCl ピナコールをピナンジオールの代わりに用い、3-ブロモ
プロピルボロネートピナコール(沸点60〜64℃,0.35m
m)および4-ブロモ‐1-クロロブチルボロネートピナコ
ール(沸点110〜112℃,0.20mm)を蒸留した外は、相当
するピナンジオール(実施例1a)の方法により4-ブロモ
‐1-クロロブチルボロネートピナコールを調製した。
元素分析値(C10H19O2BrClBとして) C% H% 理論値: 40.38 6.45 実測値: 40.70 6.37 1-アミノ‐4-ブロモブチルボロネートピナコール・塩酸
塩もやはり実施例1aの方法により調製した。最終生成物
は酢酸エチル:ヘキサンを用いて収率52%で結晶させ
た。
元素分析値(C10H22NO2BrClBとして) C% H% N% Cl% Br% 理論値: 38.19 7.05 4.45 11.27 25.41 実測値: 38.28 7.39 4.25 11.68 26.00 実施例1c 1-アミノ‐4-クロロブチルボロネートピナコール・塩酸
塩 (D,L)NH2-CH〔(CH2)3Cl〕BO2-C6H12・HCl アリルクロリドをアリルブロミドの代わりに、ピナコー
ルをピナンジオールの代わりに用いた外は実施例1aの方
法により3-クロロプロピルボロネートカテコール(沸点
80〜85℃,0.30mm)および3-クロロプロピルボロネート
ピナコール(沸点63℃,0.20mm)を調製した。
元素分析値(C9H18O2ClBとして) C% H% Cl% 理論値:52.85 8.89 17.33 実測値:53.41 8.15 16.81 ホモロゲーシヨンも実施例1aの方法で行ない、生成物は
収率65%で蒸留(沸点95℃,0.25mm)により単離した。
元素分析値(C10H19O2Cl2Bとして) C% H% Cl% 理論値:47.47 7.58 28.02 実測値:47.17 7.45 27.75 1-アミノ‐4-クロロブチルボロネートピナコール・HCl
を実施例1aと同一の方法により調製した。生成物は酢酸
エチルから結晶化させ、8.8g(融点132〜135.5℃)およ
び2.2g(融点145〜147℃)を得た。融点145〜147℃の生
成物を分析に用いた。
元素分析値(C10H22NO2Cl2Bとして) C% H% N% B% 理論値: 44.47 8.23 5.19 4.00 実測値: 44.01 8.23 4.77 3.80 実施例1d (D,L)1-アミノ‐5-ブロモペンチルボロネートピナコ
ール・HCl (D,L)NH2-CH〔(CH2)4Br〕BO2C6H12・HCl 4-ブロモ‐1-ブテンをアリルブロミドの代わりに、そし
てピナコールをピナンジオールの代わりに用いた外は3-
ブロモプロピルボロネートピナンジオール(実施例1a)
に対して記載した方法により4-ブロモブチルボロネート
ピナコールを調製した。生成物は油状物として単離した
(沸点77℃,0.3mm)。ホモロゲーシヨンにより5-ブロモ
‐1-クロロペンチルボロネートピナコールを得た。
MS(CI):C11H12O2BrClB 理論値−H:310.47 実測値:310 最終生成物1-アミノ‐5-ブロモペンチルボロネートピナ
コール・HClを実施例1aの方法により収率35%で調製し
た。
C% H% N% Cl% Br% B% 理論値: 40.22 7.36 4.26 10.79 24.32 3.29 実測値: 39.23 7.18 4.04 15.21 25.66 3.75 実施例2 Boc-(D)Phe-Pro-NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2C10H16 Boc-(D)Phe-Pro-OHを、まずジペプチドベンジルエス
テルを調製し、次に接触水素添加によりエステルを除去
することにより調製した。
Boc-(D)Phe-OH(10.0g,37.7ミリモル)をTHF50mlに
溶解し、そして、N-メチルモルホリン(4.14ml,37.7ミ
リモル)を添加した。溶液を−20℃に冷却し、イソブチ
ルクロロホルメート(4.90ml,37.7ミリモル)を添加し
た。5分後、H-Pro-OBzl・HCl(9.11g,37.7ミリモル)
をクロロホルム50mlに溶かして−20℃に冷却したものを
添加した。トリエチルアミン(5.25ml,37.7ミリモル)
を添加し、混合物を−20℃で1時間、室温で2時間、攪
拌した。反応混合物を過し、液を蒸発させた。残存
物を酢酸エチルに溶解し、0.2Nの塩酸、5%水性重炭酸
ナトリウム、そして飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、過し、
蒸発して、油状物としてBoc-(D)Phe-Pro-OBzl15.2g
を得た。ベンジルエステル(15.2g)をメタノール100ml
に溶解し、これを初期圧力40psi、Parr装置上、10%Pd/
C0.5gの存在下で水素添加した。反応溶液をセライト(Ce
liteTM)で過し、蒸発して固体を得た。この固体物質
を単離し酢酸エチル、次にエーテルで洗浄し、所望の化
合物10.0gを得た(融点176.5〜177℃)。
元素分析値(C19H26N2O5として) C% H% N% 理論値:62.95 7.24 7.73 実測値:62.91 7.15 7.53 Boc-(D)Phe-Pro-NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2C10H16を混合無
水物法により相当するアミンにジペプチドを結合するこ
とにより調製した。Boc-(D)Phe-Pro-OHの混合無水物
はこの酸(4.94g,13.6ミリモル)をTHF30mlに溶解し、N
-メチルモルホリン(1.50ml,13.6ミリモル)を添加する
ことにより調製した。溶液を−20℃まで冷却し、イソブ
チルクロロホルメート(1.77ml,13.6ミリモル)を添加
した。−20℃で5分間攪拌後、混合物を、冷クロロホル
ム10ml中に溶解した実施例1aと同じアミンであるNH2-CH
〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16・HCl(5.0g,13.6ミリモル)に
添加した。冷THF(10ml)およびトリエチルアミン(1.9
0ml,13.6ミリモル)を添加し、混合物を−20℃で1時間
そして室温で約2時間攪拌した。混合物を過し、液
中の液体を蒸発させた。残存物を酢酸エチルに溶解し、
0.2N塩酸、5%水性重炭酸ナトリウムおよび飽和水性塩
化ナトリウムで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
上で乾燥し、過し、溶媒を蒸発させて油状物9.0gを得
た。この物質をメタノールに溶解し、LH-20の2.5×50cm
カラム上でクロマトグラフイーに付した。所望の生成物
を含有する画分を合わせ、蒸発させて固体5.8gを得た。
メタノール:クロロホルム(1:9)を用いたTLCでは単一
スポツトRf0.70が示された。
MS(FAB):C33H49N3O6BBr 理論値+H:674.30 実測値:674.30 実施例3 Boc-(D)Phe-Pro-NH-CH〔(CH2)3N3〕BO2C10H16 実施例2の生成物であるBoc-(D)Phe-Pro-NH-CH〔(CH2)3
Br〕BO2-C10H16(4.4g,6.54ミリモル)をDMF7mlに溶解
し、ナトリウムアジド0.919g,14.1ミリモル)を添加し
た。混合物を3時間100℃に加熱した。酢酸エチル(100
ml)を反応混合物に加え、水および飽和水性塩化ナトリ
ウムで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥
し、過し、蒸発させた。固体4.1gを得た。この物質を
メタノール中LH-20の2.5×50cmカラム上でクロマトグラ
フイーに付した。所望の生成物を含む画分を合わせ、液
体を蒸発させてアジド2.3gを得た。メタノール:クロロ
ホルム(1:9)によるTLCでは単一スポツトRf0.76が示さ
れた。
元素分析値(C33H48N6O6Bとして) C% H% N% B% 理論値: 62.35 7.63 13.33 1.70 実測値: 63.63 8.02 11.58 1.80 MS(FAB):C33H48N6O6B 理論値+H:637.39 実測値:637.49 実施例4 Boc-(D)Phe-Pro-NH-CH〔(CH2)3NH2〕BO2-C10H16・ベン
ゼンスルホン酸 実施例3のアジド(8.80g,13.8ミリモル)をメタノール
150mlに溶解し、Parr装置上、40psiで、10%Pd/C0.50g
およびベンゼンスルホン酸(2.19g,13.8ミリモル)の存
在下、水素添加した。1時間後、触媒を除去し、溶液を
蒸発させて固体を得て、これをヘキサンで摩砕して所望
の生成物9.9gを得た。メタノール:水(85:15)によるR
P-TLCは、UVスポツトRf0.91およびニンヒドリン陽性ス
ポツトRf0.52を示した。
実施例5 Boc-(D)Phe-Pro-NH-CH〔(CH2)3-NH-C(NH)NH2〕BO2-C10H
16・ベンゼンスルホン酸 Boc-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16・ベンゼンスルホン酸 実施例4のBoc-(D)Phe-Pro-boroOrn-C10H16・ベンゼ
ンスルホン酸(4.6g,6.11ミリモル)をシアナミド(50m
g/ml)を含有する無水エタノール20ml中で100℃で還流
した。反応の進行をメタノール:水(85:15)のRP-TLC
によりモニターし、アミン出発物質に対するニンヒドリ
ンスポツト(Rf0.54)の消失と生成物のSakaguchi縞(R
f0〜0.13)の出現を観察した。生成物は18時間の還流の
後に検知され、その量は経時的に増加した。7日後、ア
ミンは検知されなくなり、反応溶液を約50%の溶液とな
るまで自然蒸発により濃縮した。反応溶液を過し、濃
縮し、メタノール中LH−20の2.5×100cmカラム上でクロ
マトグラフイーに付した。所望の生成物を含む画分を合
わせ、蒸発させて所望の生成物3.7gを得た。その一部
(2.3g)を酢酸エチル:ヘキサンで結晶させ0.89gを得
て、残存物(1.2g)をエーテル摩砕により固体として得
た。別の実験による分析結果 MS(FAB):C34H53N6O6SB 理論値+H:653.42 実測値:653.38 元素分析値(C40H59N6O9SB・H20として) C% H% N% B% 理論値: 57.95 7.43 10.14 1.30 実測値: 57.20 7.14 10.94 1.01 実施例6 H-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16‐2HCl 実施例5の生成物Boc-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16・ベ
ンゼンスルホン酸(1.17g,1.54ミリモル)を室温で15分
間ジオキサン中4Nの塩酸5mlと反応させた。生成物をエ
ーテルの添加により沈殿させ、単離し、エーテルで洗浄
して真空下に乾燥した。次にこれを水10mlに溶解し、BI
O-RAD AG1×8TM(Cl-型,BIO-RAD Co.,Richmond,CA)の陰
イオン交換カラム5mlに適用し、カラムを水(約30ml)
で洗浄した。流出液を真空下に蒸発させ、残存物をエー
テルで摩砕し、所望の生成物(0.80g)を得た。
MS(FAB):C29H45N6O4B 理論値+H:553.37 実測値:553.40および538.40(未同定) 分析:H-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16・1BASA・TFA: 実測値:553.4 実施例7〜8 Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16・HCl(実施例7) Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-OH・HCl(実施例8) 実施例5の生成物であるBoc-(D)Phe-Pro-boroArg-C
10H16・ベンゼンスルホン酸(0.86g,1.13ミリモル)を
室温で15分間無水TFA(約5ml)と反応させた。過剰のTF
Aを蒸発して除き、残存物をエーテルで摩砕して0.76gを
得た。この生成物(0.70g,0.91ミリモル)を、ジオキサ
ン2mlと水1mlよりなる混合物に溶解した。無水酢酸(0.
47ml,5.0ミリモル)および重炭酸ナトリウム(0.42g,5.
0ミリモル)を添加した。混合物を室温で20分間攪拌し
た。酢酸エチル(50ml)および水(5ml)を添加した。
相を分離させ、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥
し、過し、溶媒を蒸発除去し、半固体0.56gを得た。
試料を氷酢酸4mlに溶解し、水16mlで希釈した。これを
即座にSP-セフアデツクスTM(H+型)15mlを含むカラムに
適用し、20%酢酸で平衡状態とした。カラムを20%酢酸
300mlで洗浄し、次に20%酢酸100mlから0.30N塩酸とな
るように調整した20%酢酸100mlまでの一次濃度勾配を
用いて流出させた。0.08〜0.17Nの塩酸で採集した画分
は遊離ボロニツク酸とピナンジオールエステルの混合物
としてN-アセチルペプチド(0.29g)を含有していた。
ピナンジオールエステルと遊離ボロニツク酸をメタノー
ル中LH-20の2.5×100cmカラム上でクロマトグラフイー
に付して分離した。画分サイズは8.2mlであつた。ピナ
ンジオールエステル(102mg)は41〜43の画分中に溶出
し、遊離ボロニツク酸(131mg)は画分45〜129中にゆつ
くり溶出した。
MS(FAB)(実施例7): Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-C10H16):C31H47N6O5B 理論値+H:595.33 実測値:595.33 MS(FAB)(実施例8): Ac-(D)Phe-Pro-boroArg-OH・HCl):C21H33N6O5 理論値+H:449.60 実測値:579.24〜581.24 後者の結果は解説できなかつた。しかしながら、NMR
は、δ0.85(3H)、1.30(3H)および1.36(3H)で観察
されるメチル基のシングレツトのようなピナンジオール
基に対する特定バンドが無かつたことから、遊離ボロニ
ツク酸の構造と合致していた。さらに構造の証明とし
て、遊離ボロニツク酸の試料を再エステル化して実施例
7の生成物を得た。分析試料(20mg)を5分間メタノー
ル3ml中2倍過剰のピナンジオール(14mg)で処理し
た。溶媒を蒸発させ、過剰のピナンジオールを、試料の
エーテル摩砕により除き、生成物(26mg)を得た。
MS(FAB)(実測値:595.38)およびNMRはエステル化生
成物に対して推測されるものと合致し、実施例7の生成
物ピナンジオールとほとんど同一であつた。
実施例9 Ac-Phe-boroArg-C10H16・HCl Ac-Phe-NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16を実施例2に記載
した方法により調製した。Ac-Phe-OH(0.565g,2.73ミリ
モル)の混合無水物をTHF10ml中に調製し、冷THF10mlに
溶解したNH2-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16・HCl(実施例1a
の生成物,1.00g,2.73ミリモル)と結合させて白色泡状
物1.47gを得た。この物質を一夜ヘキサンとともにに攪
拌し、固体1.01gを得た(融点106.5〜109℃)。
元素分析値(C25H36N2O4BrBとして) C% H% N% Br% B% 理論値: 57.81 7.00 5.40 15.40 2.08 実測値: 58.33 7.33 4.76 14.18 1.80 MS(FAB)C25H36N2O4BrB 理論値+H:519.20 実測値:519.23 実施例3の方法によりアジ化ナトリウムでAc-Phe-NH-CH
〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16(3.22g,6.20ミリモル)を処理
することにより、Ac-Phe-NH-CH〔(CH2)3N3〕BO2-C10H16
を調製した。反応生成物(3.03g)をLH-20上のクロマト
グラフイーに付した。所望の生成物を含有する画分を合
わせて蒸発させた。残存物をヘキサンで摩砕してアジド
2.21gを得た。
水素添加を常圧で行なつた外は実施例4と同じ方法によ
り、Ac-Phe-NH-CH〔(CH2)3N3〕BO2-C10H16(2.21g,4.59
ミリモル)からAc-Phe-boroOrn-C10H16・ベンゼンスル
ホン酸を調製した。過して溶媒を蒸発した後、エーテ
ルで摩砕して所望の生成物(2.22g)を得た。
Ac-Phe-boroOrn-C10H16・ベンゼンスルホン酸(2.0g,3.
26ミリモル)をエタノール中シアナミド(100mg/ml)の
溶液10mlで処理することにより、Ac-Phe-boroArg-C10H
16・ベンゼンスルホン酸を調製した。反応時間を3日間
とした外は実施例5のグアニド化反応方法を用い、反応
混合物は出発物質と生成物の混合物を含有していた。こ
のため、さらに精製工程が必要であつたが、これはほと
んどの場合反応時間を長くすれば省略できることであろ
う。溶液を濃縮してメタノール中LH-20のカラム2.5×10
0cm上でクロマトグラフイーに付した。Sakaguchi染色で
検知される所望の生成物を含有する画分を合わせ蒸発さ
せて1.4gを得た。生成した物質(1.2g)を酢酸6mlに溶
解し、水30mlで希釈して牛乳様の溶液を得た。これを20
%水性酢酸で平衡状態をしたSP-セフアデツクスTM(H
+型)の30mlカラムに適用した。カラムを20%酢酸240ml
で洗浄し、次に、20%酢酸250mlから0.3N塩酸を含有す
る20%酢酸250mlまでの一次濃度勾配で流出させた。0.1
2Nから0.16Nの塩酸でカラムから流出した画分を合わ
せ、遊離ボロニツク酸とピナンジオールエステルの混合
物として所望のペプチド0.42gを得た。混合物をメタノ
ール(10ml)に溶解し、ピナンジオール80mgを添加して
遊離のボロニツク酸をエステル化した。30分間攪拌した
後、溶媒を蒸発させて残存物をエーテルで摩砕して所望
の生成物0.28gを得た。
元素分析値(C26H40N5O4B・HCl・2H2Oとして) C% H% N% B% 理論値: 54.78 8.15 12.30 1.90 実測値: 55.34 7.83 11.66 1.99 MS(FAB)C26H40N5O4B 理論値+H:498.32 実測値:498.31 実施例10 Ac-(D,L)Phe-(D,L)boroArg-C6H12 実施例1bと2の方法の変法により中間体Ac-(D,L)Phe-
(D,L)‐NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C6H12を調製した。Ac-
Phe-OHの酸クロリドはAc-Phe-OH(30g,0.145モル)を−
10℃でTHF175ml中五塩化リン(30g,0.144モル)と反応
させることにより調製した。反応液を約1時間0℃で攪
拌し、次に冷エーテルで350mlの容積となるまで希釈し
た。生成物を固体として単離し、冷エーテルで洗浄し、
真空下に乾燥して21gを得た。活性化Ac-Phe誘導体(14.
8g,65.6ミリモル)をTHF40mlに溶解し、−78℃で4-ブロ
モ‐1-クロロブチルボロネートピナコールとヘキサメチ
ルジシラザン(20ミリモルスケールで調製)の反応生成
物に添加した。反応混合物を室温まで戻し次に一夜攪拌
した。溶媒を蒸発除去した。残存物を酢酸エチルに溶解
し、水、5%重炭酸ナトリウム溶液、および飽和塩化ナ
トリウム水溶液で連続して洗浄した。生成した混合物の
有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して結晶
固体として所望の生成物(1.37g,融点146.5〜148℃)を
得た。別の実験で以下の分析結果を得た。
元素分析値(C21H32N2O4BeBとして) C% H% N% Br% B% 理論値: 53.98 6.92 6.00 17.10 2.31 実測値: 54.54 6.78 5.89 16.46 3.40 実施例3の方法によりアルキルブロミドを相当するアジ
ドに変換した。生成物は酢酸エチルから結晶させた(融
点143〜144℃)。
元素分析値(C21H32N5O4Bとして) C% H% N% B% 理論値: 58.74 7.53 16.31 2.53 実測値: 58.85 7.48 16.53 2.93 水素添加を常圧で行なつた外は実施例4の方法を用いて
アジドをAc-(D,L)Phe-(D,L)boroOrn-C6H12・ベンゼ
ンスルホン酸に変換した。
Ac-(D,L)Phe-(D,L)boroOrn-C6H12・ベンゼンスルホ
ン酸(0.243g,0.433ミリモル)を一夜、無水エタノール
2ml中100℃でシアナミド(0.020g,0.476ミリモル)と反
応させた。溶液を濃縮し、エーテルで摩砕して白色固体
0.21gを得た。物質のRP-TLCはボロアルギニンペプチド
に対するSakaguchi染色で陽性染色である特徴的な縞Rf0
〜0.55、および、未反応の出発物質に相当する別のスポ
ツトRf0.68を示した。生成物(81mg)を上記した方法に
より一夜シアナミド(10mg/ml)2mlで再処理し、エーテ
ル摩砕後、71mgを得た。
MS(FAB)C22H37N5O4B 理論値+H:446.30 実測値:446.23および404.19 (未反応のboroOrnペプチドに相当) 実施例5の方法はボロアルギニンペプチド調製のための
優れた方法であり、大過剰のシアナミドと長い反応時間
を用いる点が異なるということに注意しなければならな
い。
実施例11 Boc-(D)Phe-Phe-boroArg-C10H16・ベンゼンスルホン
酸 実施例2においてBoc-(D)Phe-Pro-OHに対して記載し
た方法によりBoc-(D)Phe-Phe-OHを調製した。ベンゼ
ンエステルの水素化の後、物質をクロロホルム:ヘキサ
ンから結晶させて所望のペプチド(融点133〜133.5℃)
を得た。
元素分析値(C23H28N2O5として) C% H% N% 理論値: 66.96 6.86 6.79 実測値: 66.75 6.79 6.56 LH-20のクロマトグラフイー段階を省略した外は実施例
2に記載の方法を用いて、Boc-(D)Phe-Phe-OH(6.00
g,14.5ミリモル)をNH2-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16・HC
l(実施例1a,5.33g,14.5ミリモル)に結合させることに
より、Boc-(D)Phe-Phe-NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C10H16
調製した。生成物を酢酸エチルから結晶させて第1の採
取物中に2.47g(融点132〜134℃)そして第2の採取物
中に5.05g(融点133〜135℃)を得た。メタノール:水
(85:15)のRP-TLCで単一スポツトRf0.29が示された。
元素分析値(C37H51N3O6BrBとして) C% H% N% Br% 理論値: 61.32 7.11 5.80 11.03 実測値: 61.21 7.02 5.59 10.22 LH-20クロマトグラフイー工程を精製に必要としなかつ
た外は実施例3の方法を用いて、アジ化ナトリウムで相
当するアルキルブロミド(7.15g,9.87ミリモル)を処理
することにより、Boc-(D)Phe-Phe-NH-CH〔(CH2)3N3〕BO
2-C10H16を調製した。生成物は酢酸エチル:ヘキサン溶
液からゲルとして現われ、単離し、ヘキサンで洗浄し、
第1の採集物中3.0gそして第2の採集物中2.9gを得た。
Boc-(D)Phe-Phe-boroOrn-C10H16・ベンゼンスルホン
酸は実施例4の方法によりアジド(5.37g,7.82ミリモ
ル)より調製し、5.33gを得た。メタノール:水(85:1
5)のRP-TLCで、強いニンヒドリン陽性スポツトRf0.42
および弱いUV光スポツト0.92(Rf0.92のUVスポツトはベ
ンゼンスルホン酸塩のアミンまたはグアニジノ化合物に
典型的なものである)を示した。
MS(FAB)C37H53N4O6B 理論値+H:661.76 実測値:661.14 Boc-(D)Phe-Phe-boroArg-C10H16を実施例5の方法に
より得た。ボロオルニチンペプチド(4.83g,5.90ミリモ
ル)を7日間無水エタノール20ml中シアナミド(50mg/m
l)で処理した。出発物質1.0gに相当する反応混合物の
一部を取り出し、還流コンデンサー無しで別個に一夜加
熱してアミンを完全にグアニジノ化合物に変換した。LH
-20上のクロマトグラフイーおよびエーテルを用いた生
成物の摩砕の後、所望の生成物0.52gを得た。
元素分析値(C44H61N6O9SBとして) C% H% N% B% 理論値: 61.38 7.16 9.76 1.25 実測値: 59.69 7.41 9.82 1.26 MS(FAB):C38H55N6O6B 理論値+H:703.43 実測値:703.49 実施例12 H-(D)Phe-Phe-boroArg-C10H16・2HCl 試料を20%エタノール中イオン交換カラムに適用し、カ
ラムを20%エタノールで溶離させた外は実施例6の方法
により、Boc(D)Phe-Phe-boroArg-C10H16・ベンゼン
スルホン酸(実施例11,0.59g,1.25ミリモル)を脱ブロ
ツクした。生成物(0.424g)を白色固体として得た。
MS(FAB):C33H47N6O4B 理論値+H:603.38 実測値:603.41 実施例13 Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroArg-C10H16・ベンゼンスルホ
ン酸 Ac-Ala-Lys(Boc)‐OHを、Anderson等の「J.Am.Chem.S
oc.」,86,1839,(1964)の方法で調製されたAc-Ala-OH
のN-ヒドロキシスクシンイミドエステルをH-Lys(Boc)
‐OHに結合させることにより調製した。Ac-Ala-OHのN-
ヒドロキシスクシンイミド(6.25g,27.4ミリモル)をジ
オキサン30mlに溶解し、1.0N水酸化ナトリウム30mlとト
リエチルアミン(2.12ml,15.0ミリモル)よりなる溶液
中に溶解したH-Lys(Boc)‐OH(7.50g,30.4ミリモル)
の溶液に添加した。反応混合物を一夜攪拌し、次に塩酸
で酸性化した。溶液をほとんど飽和させるのに十分な乾
燥塩化ナトリウムを添加した。生成物を酢酸エチル中に
抽出し、これを飽和水性塩化ナトリウム中に調製した0.
2N塩酸で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾
燥し、過した。溶媒を蒸発除去した。生成物を酢酸エ
チル:ヘキサンから結晶させて7.3g(融点86〜89℃)を
得た。
生成物を酢酸エチルからの分別結晶化により精製した外
は実施例2の方法により、Ac-Ala-Lys(Boc)-NH-CH〔(CH
2)3Br〕BO2-C10H16を調製した。第2および第3の採集
物中に得られた生成物(1.13g)はメタノール:水(85:
15)のRP-TLCで単一スポツトRf0.51を示した。TLCプレ
ートを塩酸蒸気に暴露し、生成したアミンをニンヒドリ
ン染色液添加後に検知した。
生成物をLH-20クロマトグラフイーではなく酢酸エチル
からの結晶化により精製した外は実施例3の方法により
相当するアルキルブロミド(1.95g,2.90ミリモル)から
Ac-Ala-Lys(Boc)-NH-CH〔(CH2)3N3〕BO2-C10H16を調製
した。粗生成物(1.60g)を結晶化して0.55g(融点79〜
84℃)と0.96gの残存物を得た。結晶生成物の分析結果
を以下に示す。
元素分析値(C30H52N7O7Bとして) C% H% N% B% 理論値: 56.86 8.29 15.48 1.71 実測値: 56.76 8.26 15.89 1.65 Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroOrn-C10H16・ベンゼンスルホ
ン酸を、実施例4に記載の方法を用いて相当するアルキ
ルアジド(0.433g,0.683ミリモル)から調製した。触媒
と溶媒を除去し、エーテルで摩砕して生成物(0.45g)
を得た。
MS(FAB):C30H54N5O7B 理論値+H:608.42 実測値:608.49 Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroArg-C10H16・ベンゼンスルホ
ン酸を、実施例5に記載の方法を用いて、相当するボロ
オルニチンペプチドをシアナミドと反応させることによ
り調製した。所望の生成物を含有するクロマトグラフイ
ー画分をエーテルで摩砕して白色固体として0.83gを得
た。
元素分析値(C37H62N7O10BSとして) C% H% N% B% 理論値: 55.00 7.75 12.14 1.34 実測値: 54.09 7.53 12.22 1.34 実施例14 Ac-Ala-Lys-boroArg-C10H16・2HCl Ac-Ala-Lys(Boc)‐boroArg-C10H16・ベンゼンスルホ
ン酸(0.200g,0.248ミリモル)を実施例6の方法により
脱ブロツクした。イオン交換、溶媒蒸発、真空下の乾
燥、そしてエーテル摩砕の後、物質0.14gを得た。
MS(FAB):C26H48N7O5B 理論値+H:550.39 実測値:550.42 実施例15 Boc-Leu-Gly-Leu-Ala-boroArg-C10H16・ベンゼンスルホ
ン酸 Boc-Leu-Ala-OBzlを実施例2のジペプチド合成のための
方法により調製した。Boc-Leu-Ala-OBzl(23.7g,57.7ミ
リモル)を無水トリフルオロ酢酸40mlに溶解した。15分
後、過剰のトリフルオロ酢酸を蒸発除去し、残存物をエ
ーテルで処理して結晶生成物(22.8g)としてH-Leu-Ala
-OBzl.トリフルオロ酢酸を得た。
元素分析値(C18H25N2O5F3として) C% H% N% 理論値: 53.19 6.21 6.89 実測値: 53.37 5.68 6.84 Boc-Gly-Leu-Ala-OBzlを、実施例2に記載の混合無水物
法を用いてBoc-Gly-OH(5.70g,32.6ミリモル)をH-Leu-
Ala-OBzlに結合することにより調製した。生成物(13.8
g)を不定形固体として得た。トリフルオロアセテート
塩がエーテルに可溶である外はH-Leu-Ala-OBzlの調製に
対して記載した方法により、トリフルオロ酢酸を用いて
Boc-Gly-Leu-Ala-OBzlを脱ブロツクした。調製物を酢酸
エチルに溶解して無水塩酸で処理した。生成物をエーテ
ル添加により沈殿させて第1の採集物中、H-Gly-Leu-Al
a-OBzl・HCl7.7gを得た。
Boc-Leu-Gly-Leu-Ala-OBzlは、実施例2に記載の混合無
水物法により、Boc-Leu-OH(2.62g,10.5ミリモル)をH-
Gly-Leu-Ala-OBzlに結合させることにより調製した。得
られた生成物を酢酸エチル:ヘキサンから結晶させて第
1の採集物中2.7g(融点95〜96℃)を得た。
元素分析値(C29H46N4O7として) C% H% N% 理論値: 61.89 8.26 9.96 実測値: 62.00 8.40 9.83 Boc-Leu-Gly-Leu-Ala-OHを、実施例2に記載の方法によ
りベンジルエステル(2.6g,4.62ミリモル)を接触水素
添加することにより調製し、2.1gを得た。得られた生成
物を熱酢酸エチルから結晶化させて1.4gを得た。
元素分析値(C22H40N4O7として) C% H% N% 理論値: 55.90 8.55 11.86 実測値: 55.42 8.47 11.73 Boc-Leu-Gly-Leu-Ala-NH-CH〔(CH2)3Br〕BO2-C10H
16は、実施例1aで得られたアミンにBoc-Leu-Gly-Leu-Al
a-OH(1.40g,2.96ミリモル)を結合させることにより調
製した。これはクロマトグラフイー工程を省略した外は
実施例2の方法を用いることにより行なつた。生成物を
酢酸エチル:ヘキサンから結晶させて1.17gを得た。メ
タノール:クロロホルム(1:9)のTLCでは単一スポツト
Rf0.68が示された。
元素分析値(C36H63N5O8BrBとして) C% H% N% B% 理論値: 55.10 8.11 8.93 1.38 実測値: 55.96 8.30 8.74 1.33 相当するアジドを実施例3の方法により収率97%で調製
し、実施例4の方法によりBoc−Leu−Gly−Leu−Ala−b
oroOrn−C10H16に交換した。分析試料を、生成物をエー
テルで沈殿させて次にLH−20でクロマトグラフイーに付
し、クロロホルムからヘキサンを用いてこれを再結晶さ
せることにより、調製した。
MS(FAB):C36H65N6O8B 理論値+H:721.50 実測値:721.55 Boc−Leu−Gly−Leu−Ala−boroArg−C10H16・ベンゼン
スルホン酸を実施例5の方法により調製した。相当する
ボロオルニチンペプチド(0.695g,0.791ミリモル)を無
水エタノール中シアナミド溶液(50mg/ml)5mlと反応さ
せた。上記混合物をクロマトグラフイーに付し、エーテ
ルで摩砕し、所望の生成物0.41gを得た。
MS(FAB):C37H67N8O8B 理論値+H:763.53 実測値 :763.8 実施例16 H−Leu−Gly−Leu−Ala−boroArg−C10H16・HCl・ベン
ゼンスルホン酸 Boc−Leu−Gly−Leu−Ala−boroArg−C10H16・ベンゼン
スルホン酸(実施例15,0.050g,0.0543ミリモル)を室温
で5分間ジオキサン中4Nの塩酸2mlと反応させた。溶媒
と過剰の塩酸を蒸発除去した。試験を一夜かけて真空下
水酸化カリウム上で乾燥し、次にエーテルで摩砕して混
合塩として生成物(46mg)を得た。
MS(FAB):C32H59N8O6B 理論値+H:663.47 実測値 :663.50 実施例17 Bz−Glu(OBu)−Gly−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸 Bz−Glu(OBu)−Gly−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16
を、実施例2の方法に従つて、Bz−Glu(OBu)−Gly−O
Hをアミンに結合することにより調製した。相当するア
ジドは実施例3の方法により調製し、ボロオルニチンペ
プチドは実施例4の方法により調製した。
MS(FAB):C32H49N4O7B 理論値+H:613.38 実測値 :613.60 最終生成物は実施例5の方法により得た。
MS(FAB):C33H51N6O7B 理論値+H:655.40 実測値:655.37 元素分析値(C39H57N6O10SBとして) C H N B
理論値:57.62%、 7.08%、 10.34%、 1.33% 実測値:57.43%、 7.25%、 9.91%、 1.23% 実施例18 Bz−Glu−Gly−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸 Bz−Glu(OBu)−Gly−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸(0.13g、0.16ミリモル)をジオキサン5mlに溶解
し、ベンゼンスルホン酸(0.10g、0.66ミリモル)を添
加し、溶液を室温で一夜攪拌した。次に溶液を蒸発させ
て約1mlになるまで濃縮し、エーテルで摩砕して固体
(0.14g)を得た。この物質をメタノール中LH−20の2.5
×50cmカラム上のクロマトグラフイーに付した。所望の
生成物を含有する画分を蒸発させて残存物をエーテルで
摩砕し、所望の生成物53mgを得た。
MS(FAB):C29H43N6O7B 理論値+H:599.34 実測値 :599.35+613.36(未同定) 実施例18a Bz−Glu−Gly−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸 Bz−Glu(OBu)−Gly−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸(実施例17、0.20g、0.246ミリモル)を、45分間
実施例6の方法により無水塩化水素で処理した。物質を
エーテルで摩砕した後、NMRによればt−ブチル保護基
の約30%がまだ存在していることが示された。次に生成
物を室温で45分間無水TFAと反応させた。TFAを蒸発除去
し、残存物をエーテルで摩砕して143mgを得た。
MS(FAB):C29H43N6O7B 理論値+H:599.34 実測値 :599.35 実施例19 Bz−Pro−Phe−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸 ジペプチド合成のために実施例2で記載した方法によ
り、Bz−Pro−Phe−OH(融点200〜201℃)を調製した。
元素分析値(C21H22N2O4として) C H N 理論値: 68.82%、 6.06%、 7.65% 実測値: 68.91%、 6.09%、 7.47% Bz−Pro−Phe−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16を、ク
ロマトグラフイー工程を省いた外は実施例2の一般的方
法を用いて、Bz−Pro−Phe−OHをアミンに結合させるこ
とにより、調製した。メタノール:クロロホルム(1:
9)のTLCでは、主なスポツトがRf0.72の位置に、そして
微量スポツトがRf0.86に示された。
MS(FAB):C35H45N3O5BBr 理論値+H:678.27 実測値 :677.95 実施例3と4の方法によりアルキルハライドをアジドと
ボロオルニチンペプチドに変換した。
MS(FAB):(Bz−Pro−Phe−boroOrn−C10H16)C35H47
N4O5B 理論値+H:615.37 実測値 :615.42 Bz−Pro−Phe−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸
を実施例5の方法により調製した。
MS(FAB):C36H49N6O5B 理論値+H:657.39 実測値 :657.13 元素分析値(C42H55N6O8SBとして) C H N B 理論値:61.90%、 6.82%、 10.31%、 1.33% 実測値:60.16%、 7.27%、 9.79%、 1.44% 実施例20 Bz−Pro−Phe−boroArg−OH・Hcl Bz−Pro−Phe−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸
(実施例19の化合物、0.64g、0.79ミリモル)を塩化メ
チレン4mlに溶解し、−78℃に冷却した。これを、ドラ
イアイス浴中、乾燥塩化メチレンで1.0N三塩化ホウ素
(Aldrich Chemical Co)を50%に希釈して調製してお
いた0.50N三塩化ホウ素4mlに入つたフラスコに加えた。
溶液を−78℃で5分間攪拌し、次にフラスコを0℃の氷
浴へ移し、そこで溶液を15分間攪拌した。冷水(5ml)
をゆつくり添加し次に溶液を20%酢酸で120mlになるま
で希釈した。分離した有機層を除去して捨てた。水層を
20%酢酸で平衡状態にしてあるSP−セフアデツクスTM
20mlカラムに適用した。カラムを20%酢酸約150mlで洗
浄し、次に、20%酢酸200mlから0.3N塩酸含有20%酢酸2
00mlまでの一次濃度勾配溶離に付した。生成物は塩酸濃
度が0.08〜0.15Nのときに溶出した。所望の生成物(0.1
9g)は、溶媒蒸発、残存物の真空下乾燥、そしてエーテ
ル摩砕の後に得られた。
MS(FAB):C26H35N6O5B 理論値+H:523.29 実測値 :579.34(未同定) 元素分析値(C26H36N6O5ClBとして) C H N B 理論値:53.29%、 6.55%、 14.34%、 1.84% 実測値:53.27%、 6.58%、 13.25%、 1.89% 実施例8aで記載したようなピナンジオールによる生成物
のエステル化によりNMRとMSの特性が実施例19の出発エ
ステルと合致するような生成物が得られた。
MS(FAB):C36H49N6O5B 理論値+H:657.40 実測値 :657.39 実施例21 Bz−Pro−Phe−boroArg−F・塩酸 Bz−Pro−Phe−NH−CH〔(CH2)3NH−C(NH)NH2〕BF2
HCl Bz−Pro−Phe−boroArg−Fを、Kinder等の「J・Med・
Chem.」,28、1917〜1925(1985)に記載された方法の変
法により調製した。遊離のボロニツク酸(実施例20の化
合物、0.100g、0.179ミリモル)を水2mlに溶解した。こ
れに、48%フツ化水素酸0.040mlを室温で添加した。ガ
ム状の沈殿がほとんど瞬間的に形成した。反応液を10分
間攪拌し、次に混合物を凍結して過剰のフツ化水素酸と
水を真空下に除去した。残存物をメタノールに溶解し
て、濃縮し、エーテルで摩砕した。0.093gを得た。
MS(FAB):C26H33N6O3BF2 理論値+H:527.29 実測値 :527.31および遊離ボロニツク酸の特徴を有
する付加の量 元素分析値(C26H34N6O3BF2Cl・H2Oとして) C H N B F 理論値:53.47%、 6.25%、14.47%、 1.86%、6.54% 実測値:54.00%、 6.40%、13.48%、 1.95%、7.06% 実施例22 Boc−(D)Phe−Pro−boroIrg−C10H16・HBr BoroIrg−はイソチオウロニウム基がボロアルギニンの
グアニジノ基に代わつた−NH−CH〔(CH2)3S−C(NH)N
H2〕BO2−の略号である。Boc−(D)Phe−Pro−NH−CH
〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16(実施例2の化合物、1.00g、
1.61ミリモル)を無水エタノール4mlに溶解し、チオ尿
素(0.37g、4.82ミリモル)を添加した。混合物を室温
で一夜撹拌した。溶液を濃縮し、残存物をエーテルで摩
砕して固体0.58gを得た。生成した固体をメタノール中L
H−20の2.5×50cmカラム上のクロマトグラフイーに付し
た。所望の生成物を含有する画分を合わせて蒸発させ、
生成物0.26gを得た。試料をエーテルで摩砕して不定形
固体0.150gを得た。
MS(FAB):C34H53N5O6BS 理論値+H:670.38 実測値 :670.39 元素分析値(C34H53N5O6SBrBとして) C H N B 理論値:54.40%、 7.13%、 9.33%、 1.44% 実測値:54.10%、 7.39%、 9.27%、 1.47% この反応で得られたエーテル可溶性残存物は主に出発物
質からなるものであるが、これはより長い反応時間によ
りイソチオウロニウム塩に変換された。
この一般方法を用いて他のイソチオウロニウム塩を調製
したが、場合によつては4倍過剰のチオ尿素および3〜
4日間の反応時間を用いた。
実施例23 H−(D)Phe−Pro−boroIrg−C10H16・HBr,HCl Boc−(D)Phe−Pro−boroIrg−C10H16・HBr(実施例2
2の化合物、0.050g、0.067ミリモル)を室温で15分間ジ
オキサン中4Nの塩酸1mlと反応させた。溶媒を蒸発させ
残存物をエーテルで摩砕して白色固体0.040gを得た。
MS(FAB):C29H45N5O4SB 理論値+H:571.29 実測値 :570.47 実施例24 Ac−Ala−Lys(Boc)−boroIrg−C10H16・HBr Ac−Ala−Lys(Boc)−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16
(実施例13より、0.700g、1.04ミリモル)を無水エタノ
ール4ml中4日間チオ尿素(0.320g、4.00ミリモル)と
反応させた。生成物を実施例22の方法により精製した。
クロマトグラフイーの後、所望の生成物0.28gを得た。
エーテルで摩砕して不定形の白色固体として生成物0.17
3gを得た。
MS(FAB):C31H55N6O7SB 理論値+H:667.8 実測値 :667 元素分析値(C31H56N6O7SBrBとして) C H N B 理論値:49.79%、 7.56%、 11.24%、 1.44% 実測値:49.20%、 7.62%、 11.31%、 1.36% 実施例25 Ac−Ala−Lys−boroIrg−C10H16・2HBr Ac−Ala−Lys(Boc)−boroIrg−C10H16・HBr(実施例2
4の化合物、0.050g、0.067ミリモル)をメタノール1ml
に溶解し、臭化水素ガスを10分間溶液にバブリングし
た。溶媒を蒸発除去し、残存物をエーテルで摩砕して固
体(49mg)として所望の生成物を得た。
MS(FAB):C36H47N6O5SB 理論値+H:567.35 実測値 :567.41 実施例26 Ac−Phe−boroIrg−C10H16・HBr Ac−Phe−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16(実施例9よ
り、1.00g、2.41ミリモル)を実施例22の方法に従つて
無水エタノール5ml中チオ尿素3倍過剰量と反応させ
た。生成物(0.284g)を白色不定形固体として得た。残
存するエーテル可溶性物質をチオ尿素と再度反応させ精
製過程を反復することによりさらに生成物を得た。
MS(FAB):C26H39N4O4SB 理論値+H:515.29 実測値 :515.29 元素分析値(C26H39N4O4SBとして) C H N B 理論値:52.44%、 6.79%、 9.41%、 1.82% 実測値:52.83%、 6.89%、 8.47%、 1.85% 実施例27 Bz−Pro−Phe−boroIrg−C10H16・HBr Bz−Pro−Phe−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2C10H16(実施例1
9の化合物、0.500g、0.737ミリモル)を用いて、実施例
22に記載の方法に従つてこの実施例の生成物を調製し
た。生成物(0.358g)を白色固体として得た。
MS(FAB):C36H48N5O5SB 理論値+H:674.35 実測値 :674.27 元素分析値(C36H49N5O5SBBrとして) C H N B 理論値:57.29%、 6.56%、 9.28%、 1.43% 実測値:57.46%、 6.45%、 8.78%、 1.38% 実施例28 Boc−Leu−Gly−Leu−Ala−boroIrg−C10H16・HBr Boc−Leu−Gly−Leu−Ala−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C
10H16(実施例15の生成物、0.770g、0.980ミリモル)を
使用して、実施例22の方法を用い、本実施例のイソチオ
ウロニウム類似体を調製した。反応生成物のクロマトグ
ラフイーの後、最終生成物(0.400g)を、ヘキサンを用
いた摩砕により、白色固体として得た。
MS(FAB):C37H66N7O8SB 理論値+H:780.48 実測値 :780.52 元素分析値(C37H67N5O8SBrBとして) C H N B 理論値:51.62%、 7.86%、 11.39%、 1.26% 実測値:51.03%、 7.86%、 11.14%、 1.18% 実施例29 H−Leu−Gly−Leu−Ala−boroIrg−C10H16・2HBr Boc−Leu−Gly−Leu−Ala−boroIrg−C10H16・HBr(実
施例28の化合物、0.100g、0.12ミリモル)をメタノール
1mlに溶解し、塩化メチレン中0.7Nの臭化水素1mlを添加
した。混合物を室温で15分間撹拌した。溶媒と過剰の臭
化水素を蒸発除去し、そして残存物をエーテルで摩砕し
て、ほとんど定量的な収率で所望の生成物を得た。
MS(FAB):C32H58N7O6SB 理論値+H:680.43 実測値 :680.50 実施例30 Bz−Glu(OBu)−Gly−boroIrg−C10H16・HBr Bz−Glu(OBu)−Gly−NH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16(実
施例17の生成物、0.293g、0.433ミリモル)を用いて、
実施例22に記載された方法を使用して、イソチオウロニ
ウム類似体(0.220g)を調製した。
MS(FAB):C33H50N5O7SB 理論値+H:672.36 実測値 :672.3 元素分析値(C33H51N5O7SBBrとして) C H N B 理論値:52.66%、 6.84%、 9.31%、 1.44% 実測値:52.38%、 6.76%、 8.81%、 1.46% 実施例31 Bz−Glu−Gly−boroIrg−C10H16・HBr Bz−Glu(OBu)−Gly−boroIrg−C10H16・HBr(実施例3
0の生成物、0.050g、0.066ミリモル)をTFA1mlに溶解
し、室温で1時間撹拌した。塩化メチレン中臭化水素
(0.35ミリモル)を添加して生成した溶液の液体を蒸発
させた。残存物をエーテルで摩砕して47mgを得た。
MS(FAB):C29H42N5O7SB 理論値+H:616.30 実測値 :616.34 実施例32 Boc−(D)Phe−Phe−boroIrg−C10H16・HBr Boc−(D)Phe−Phe−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16
(実施例11の化合物、1.50g、2.07ミリモル)を用い
て、実施例22の方法を使用してイソチオウロニウム類似
体(0.90g)を調製した。
MS(FAB):C38H54N5O6SB 理論値+H:719.84 実測値 :720 元素分析値(C38H55N5O6SBBrとして) C H N B 理論値:56.99%、 6.94%、 8.75%、 1.35% 実測値:55.89%、 6.87%、 8.59%、 1.18% 実施例33 H−(D)Phe−Phe−boroIrg−C10H16・2HBr Boc−(D)Phe−Phe−boroIrg−C10H16・HBr(実施例2
0の化合物、0.20g、0.25ミリモル)を、実施例29の方法
により臭化水素と反応させて所望の生成物188mgを得
た。
MS(FAB):C33H46N5O4SB 理論値+H:620.34 実測値 :620.40 実施例34 Z−Phe−Gly−Gly−boroIrg−C10H16・HBr Z−Phe−Gly−Gly−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H12
実施例2の方法を用いて、Z−Phe−Gly−Gly−OHをア
ミン(実施例1a)に結合させることにより調製した。
元素分析値(C35H46N4O7BBrとして) C H N B 理論値:57.93%、 6.40%、 7.72%、 1.49% 実測値:58.42%、 6.83%、 7.74%、 1.96% 実施例22の方法によりアルキルハライド(1.00g、1.38
ミリモル)をイソチオウロニウム類似体に変換して白色
不定形固体として生成物(0.87g)を得た。
MS(FAB):C36H49N6O7SB 理論値+H:721.36 実測値 :721.32 元素分析値(C36H50N6O7SBBrとして) C H N B 理論値:54.00%、 6.31%、 10.50%、 1.35% 実測値:53.17%、 6.50%、 10.03%、 1.25% 実施例35 Boc−Ala−Phe−(D,L)boroIrg−C6H12・HBr Boc−Ala−Phe−OMeを実施例2の混合無水物法を用いて
調製した。
元素分析値(C18H26N2O5として) C H N 理論値:61.70%、 7.48%、 7.99% 実測値:61.51%、 7.56%、 7.92% メチルエステルを塩基で加水分解して収率56%でBoc−A
la−Phe−OHを得た。Boc−Ala−Phe−NH−CH〔(CH2)3B
r〕BO2−C6H12は、LH−20クロマトグラフイーを用いな
かつた外は実施例2の方法を用いて、Boc−Ala−Phe−O
HをNH2−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C6H12・HCl(実施例1b)に
結合させることにより調製した。
Boc−Ala−Phe−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C6H12(1.00
g、1.72ミリモル)を、実施例22の方法を用いてチオ尿
素と反応させて、白色固体としてイソチオウロニウム類
似体(0.485g)を得た。
MS(FAB):C28H46N5O6SB 理論値+H:592.33 実測値 :592.60 元素分析値(C28H47N5O6SBBrとして) C H N B 理論値:50.00%、 7.06%、 10.41%、 1.61% 実測値:49.50%、 7.24%、 10.22%、 1.41% 実施例36 H−Ala−Phe−(D,L)boroIrg−C6H12・2HBr Boc−Ala−Phe−boroIrg−C6H12・HBr(実施例35、0.10
g、0.149ミリモル)を実施例29の方法により臭化水素と
反応させてほとんど定量的収率で所望の生成物を得た。
MS(FAB):C23H38N5O6SB 理論値+H:492.28 実測値 :492.26 実施例37 Boc−Ala−Phe−(D,L)boroHomoIrg−C6H12・HBr Boc−Ala−Phe−NH−CH〔(CH2)4−S−C(NH)NH2〕BO
2−C6H12・HBr Boc−Ala−Phe−OH(実施例35から)をアミン(実施例1
d)と結合させてBoc−Ala−Phe−NH−CH〔(CH2)4Br〕BO
2−C6H12を得た。LH−20のクロマトグラフイー工程を精
製に要しなかつた外は実施例2の方法を用いた。溶離剤
として酢酸エチルを用いながらシリカゲル上のクロマト
グラフイーを行なつて分析用試料を得た。
MS(FAB):C28H45N3O6BrB 理論値+H:610.27 実測値 :610.24 元素分析値(C28H45N3O6BrBとして) C H N Br B 理論値:55.19%、 7.28%、 6.90%、 13.11%、 1.78% 実測値:55.30%、 7.39%、 6.40%、 12.07%、 1.95% 実施例22の方法を用いてアルキルブロミド(0.537g、0.
883ミリモル)をチオ尿素と反応させた。エーテルで摩
砕した後、不定形白色固体として生成物(0.23g)を得
た。
MS(FAB):C29H48N5O6S 理論値+H:606.35 実測値 :606.38 元素分析値(C29H49N5O6SBBrとして) C H N B 理論値:50.73%、 7.21%、 10.20%、 1.57% 実測値:50.22%、 7.46%、 9.74%、 1.55% 実施例38 H−Ala−Phe−(D,L)boroHomoIrg−C6H12・2HBr Boc−Ala−Phe−(D,L)boroHomoIrg−C6H12・HBr(実施
例37の化合物、0.050g、0.073ミリモル)を、実施例29
の方法で臭化水素と反応させて所望の生成物44mgを得
た。
MS(FAB):C24H40N5O4SB 理論値+H:506.30 実測値 :506.39 実施例39 Boc−Ala−Phe−(D,L)boroLys−C6H12・HCl Boc−Ala−Phe−NH−CH〔(CH2)4NH2〕BO2−C6H12・ベン
ゼンスルホン酸 Boc−Ala−Phe−NH−CH〔(CH2)4Br〕BO2−C6H12(実施
例35より)を、LH−20クロマトグラフイー工程を精製に
要しなかつた外は実施例3の方法を用いて、アルキルア
ジドに変換した。2当量のベンゼンスルホン酸を用い、
水素添加時間を2時間にした外は実施例4の方法を用い
て、アジドを水素添加し、収率40%で最終生成物を得
た。(融点154〜160℃、分解) MS(FAB):C28H46N4O6B 理論値+H:547.38 実測値 :547.43 実施例40 H−Ala−Phe−(D,L)boroLys−C6H12・TFA・ベンゼン
スルホン酸 Boc−Ala−Phe−(D,L)boroLys−C6H12・ベンゼンスル
ホン酸(実施例39の化合物)を室温で1時間トリフルオ
ロ酢酸と反応させた。溶媒を蒸発させ残存物をエーテル
で摩砕して固体を得た。
MS(FAB):C23H39N4O4B 理論値+H:447.31 実測値 :447.31 元素分析値(C31H46N4O9SF3B・2H2Oとして) C H N B 理論値:49.34%、 6.68%、 7.42%、 1.43% 実測値:49.26%、 5.94%、 7.12%、 1.34% 実施例41 Boc−(D)Val−Leu−boroLys−C6H12・ベンゼンスル
ホン酸 Boc−(D)Val−Leu−OHを実施例2に記載の方法によ
り調製した。ベンジルエステルは収率76%で得られた。
MS(FAB):C23H36N2O5 理論値+H:421.27 実測値 :421.38 水素添加後、遊離の酸を白色結晶固体として収率100%
で得た。
元素分析値(C16H29N2O5として) C H N 理論値:59.34%、8.87%、8.50% 実測値:59.34%、8.87%、8.50% Boc−Ala−Phe−OHの結合に対して実施例37で記載した
方法を用いてBoc−(D)Val−Leu−OHをアミン(実施
例1d)に結合させ、収率97%でBoc−(D)Val−Leu−N
H−CH〔(CH2)4Br〕BO2−C6H12を得た。
MS(FAB):C27H51N3O6BBr 理論値+H:604.31 実測値 :604.31 実施例3の方法により収率85%でアルキルブロミドを相
当するアジドに変換し、実施例39の方法によりアジドを
水素化して、収率62%で白色固体として最終生成物を得
た。
MS(FAB):C27H53N4O6B 理論値+H:541.41 実測値 :541.46 元素分析値(C33H59N4O9SB・1.5H2Oとして) C H N B 理論値:54.62%、 8.61%、 7.73%、 1.49% 実測値:54.58%、 8.59%、 7.92%、 1.98% 実施例42 Ac−Phe−boroLys−C6H12・ベンゼンスルホン酸 実施例39の方法に従つて実施例42を調製した。Ac−Phe
−NH−CH〔(CH2)4Br〕BO2−C6H12を収率72%で調製し
た。
MS(FAB):C22H34N2O4BBr 理論値+H:481.00 実測値 :481.21 アジドを収率57%で得た。最終生成物は収率50%で得ら
れた。
MS(FAB):C22H37N3O4B 理論値+H:418.29 実測値:418.31 元素分析値(C29H42N3O7SB・H2Oとして) C H N B 理論値:56.66%、 7.47%、 7.08%、 1.82% 実測値:56.88%、 7.43%、 7.22%、 1.53% 実施例43 Bz−(D,L)boroIrg−C6H12・HBr Bz−(D,L)NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C6H12は、0℃、
水4mlとジオキサン4mlからなる混合物中1当量のベンゾ
イルクロリドおよび2当量の重炭酸ナトリウムとアミン
(実施例1b、5.0g、15.9ミリモル)を反応させることに
より調製した。まず試薬を混合した後、反応液を50%ジ
オキサン:水6mlで希釈し、これを室温まで戻した。反
応混合物を室温で約30分間撹拌し、次に、生成物を酢酸
エチル中に抽出し、水、0.2N塩酸、5%水性重炭酸ナト
リウム、そして飽和水性塩化ナトリウムで洗浄した。有
機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、過し、蒸発さ
せて結晶生成物を得た。単離して酢酸エチルで洗浄した
後、化合物(融点176〜177℃)3.26gを得た。
元素分析値(C17H25NO3BrBとして) C H N B 理論値:53.44%、 6.59%、 .67%、 2.83% 実測値:54.50%、 6.76%、 3.68%、 2.84% 実施例22の方法によりアルキルハライド(1.00g、2.62
ミリモル)を相当するイソチオウロニウム塩に変換し
た。白色固体として生成物0.84gを得た。
MS(FAB):C18H28N3O3SB 理論値+H:378.20 実測値 :378.21 元素分析値(C18H29N3O3SBBrとして) C H N B 理論値:47.18%、 6.38%、 9.17%、 2.36% 実測値:46.11%、 6.71%、 8.97%、 2.22% 実施例44 Bz−(D,L)boroArg−C6H12・ベンゼンスルホン酸 実施例3の方法を用いてアルキルハライド(実施例43、
2.0g、5.25ミリモル)をアジド(融点138〜139℃)0.97
gに変換した。実施例4の方法により、ほとんど定量的
な収率で、アジドをBz−boroOrn−C6H12・ベンゼンスル
ホン酸に変換した。
MS(FAB):C18H27N2O3B 理論値+H:319.22 実測値 :319.26 実施例5の方法を用いて、Bz−boroOrn−C6H12・ベンゼ
ンスルホン酸(0.90g、1.84ミリモル)をシアナミドと
反応させて結晶生成物(融点242〜244℃)0.65gを得
た。
FAB(MS):C18H29N4O3B 理論値+H:361.24 実測値 :361.24 元素分析値(C24H35N4O6SBとして) C H N B 理論値:55.59%、 6.82%、 10.81%、 2.08% 実測値:54.60%、 6.70%、 11.24%、 1.87% 実施例45 Ac−Leu−Thr(OBu)−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸 Ac−Leu−Thr(OBu)−OHを、最終生成物をLH−20のク
ロマトグラフイーの後に不定形白色固体として得られた
外は、ジペプチド合成に対する実施例13の方法を用いて
Ac−Leu−OSuをH−Thr(OBu)−OHと結合させることに
より調製した。LH−20クロマトグラフイー工程を要しな
かつた外は実施例2の混合無水物法を用いてAc−Leu−T
hr(OBu)−OH(3.29g、9.90ミリモル)をアミン(実施
例1a)に結合させた。Ac−Leu−Thr(OBu)−NH−CH
〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16を不定形白色固体5.39gとして
得た。アルキルハライドを、さらに精製するためにクロ
マトグラフイー工程を要しなかつた外は実施例3の方法
を用いて、収率82%で相当するアジドに変換した。アジ
ド(3.88g、6.42ミリモル)を実施例4の方法により水
素添加した。生成物のLH−20のクロマトグラフイーおよ
びエーテルを用いた摩砕の後に収率74%で生成物Ac−Le
u−Thr(OBu)−boroOrn−C10H16・ベンゼンスルホン酸
を得た。
MS(FAB):C30H55N4O6B 理論値+H:579.43 実測値 :579.48 実施例5の方法により収率86%でボロオルニチンペプチ
ドを最終生成物に変換した。
MS(FAB):C31H57N6O6B 理論値+H:621.45 実測値:621.50 元素分析値(C37H63N6SO9Bとして) C H N B 理論値:57.05%、 8.17%、 10.79%、 1.39% 実測値:56.47%、 8.01%、 10.93%、 1.34% 実施例46 Ac−Leu−Thr−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸 Ac−Leu−Thr(OBu)−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸(実施例45、0.200g、0.257ミリモル)を塩化メ
チレン2mlと4N HCl:ジオキサン2mlの混合物中に溶解
し、室温で30分間攪拌した。溶媒を除去し、残存物を高
真空下に乾燥した。エーテルで摩砕して所望の生成物を
収率97%で白色固体として得た。
MS(FAB):C27H49N6O6B 理論値+H:565.39 実測値 :565.48 実施例47 Ac−Lys(Boc)−Pro−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸 Ac−Lys(Boc)−Pro−OHを実施例13の方法に従つて調
製した。酢酸エチルから結晶化させて白色固体(融点16
0〜161.5℃)として得られた。実施例2の方法を用いて
Ac−Lys(Boc)−Pro−OH(3.15g、8.18ミリモル)をア
ミン(実施例1a)と結合した。さらに精製することなく
生成物5.8gを用いた。これを、LH−20上のクロマトグラ
フイーの後、実施例3の方法により収率73%でアジドに
変換した。実施例4の方法による水素化、LH−20上のク
ロマトグラフイー、エーテルによる試料の摩砕により、
収率81%でAc−Lys(Boc)−Pro−boroOrn−C10H16・ベ
ンゼンスルホン酸を得た。
MS(FAB):C32H55N5O7B 理論値+H:634.43 実測値 :634.46 実施例5の方法によりボロオルニチンペプチド(2.0g、
2.53ミリモル)をシアナミドと反応させて白色固体とし
て所望の生成物1.8gを得た。
MS(FAB):C33H57N7O7B 理論値+H:676.46 実測値:676.41 元素分析値(C39H63N7O10BSとして) C H N B 理論値:56.23%、 7.64%、 11.77%、 1.30% 実測値:56.06%、 7.48%、 11.57%、 1.22% 実施例48 Ac−Lys−Pro−boroArg−C10H16・2HCl Ac−Lys(Boc)−Pro−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸(実施例47、0.30g、0.360ミリモル)を室温で15
分間氷酢酸と4N HCl:ジオキサンの50:50混合物と反応さ
せた。溶媒を蒸発し残存物を真空下に乾燥した。残存物
を水に溶解し、AG1−X8(Cl-型)の5mlカラムを通し
た。試料を蒸発させ残存物をエーテルで摩砕して、白色
固体して所望の生成物(230mg)を得た。
MS(FAB):C28H49N7O5B 理論値+H:576.40 実測値 :576.45 実施例49 Ac−Ala−Glu(OBu)−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸 Ac−Ala−Glu(OBu)−OHは実施例13の方法を用いてAc
−Ala−OSuをH−Glu(OBu)−OHに結合させて調製し
た。生成物は酢酸エチル:ヘキサンから結晶させた。
(融点147.5〜148℃) 元素分析値(C14H24N2O6として) C H N 理論値:53.14%、 7.66%、 8.85% 実測値:53.28%、 7.53%、 9.08% 反応の初期の後処理において有機層に対し、酢酸エチル
のかわりにクロロホルムを用い、LH−20上のクロマトグ
ラフイーを用いなかつた外は実施例2の方法によりAc−
Ala−Glu(OBu)−NH−CH〔(CH2)3Br〕BO2−C10H16を調
製した。有機層を蒸発させた後、部分的な結晶固体とし
て、収率87%で所望の生成物を得た。実施例3の方法に
よりアルキルブロミドをアジドに変換した。所望の生成
物(融点163.5〜166℃)は、クロロホルムから粗反応生
成物を結晶させて収率50%で得られた。
元素分析値(C28H47N6O7Bとして) C H N B 理論値:53.51%、 7.55%、 6.69%、 1.73% 実測値:55.51%、 7.50%、 6.50%、 1.66% 実施例4の方法によりボロオルニチンペプチドを調製
し、収率79%で所望の生成物を得た。
MS(FAB):C28H49N4O7B 理論値+H:565.38 実測値 :565.51 実施例5の方法を用いて収率70%で白色不定形固体とし
て最終生成物を得た。
MS(FAB):C29H51N6O7B 理論値+H:607.40 実測値:607.41 元素分析値(C35H57N6O10BSとして) C H N B 理論値:54.96%、 7.53%、 10.99%、 1.41% 実測値:54.36%、 7.71%、 11.27%、 1.21% 実施例50 Ac−Ala−Glu−boroArg−C10H16・ベンゼンスルホン酸 Ac−Ala−Glu(Bu)−boroArg−C10H16・ベンゼンスル
ホン酸(実施例49、0.10g、0.131ミリモル)を酢酸10ml
に溶解し、20分間溶液に無水HClをバブリングした。溶
液を1.5時間室温で攪拌し、溶媒を蒸発させて油状物を
得た。真空下に乾燥し、エーテルで摩砕した後、白色固
体(82mg)として所望の生成物を得た。
MS(FAB)C25H43N6O7B 理論値+H:551.34 実測値 :551.41 以下の化合物も、上記実施例39および40と実質的に同じ
方法を用いて調製した。
Boc−Val−Val−boroLys−C6H12・BSA; H−Val−Val−boroLys−C6H12・BSA・TFA; Boc−(D)Phe−Phe−boroLys−C6H12・BSA; H−(D)Phe−Phe−boroLys−C6H12・BSA・TFA Boc−Glu−Phe−boroLys−C6H12・BSA PyroGlu−Phe−boroLys−C6H12・BSA 生物学的実施例 以下の実施例において、μはミクロを示す。
実施例51〜71 ヒト血漿カリクレインの阻害 ヒト血漿カリクレインをProtogenAG(スイス)より入手
した。入手元により記載されている比活性は15単位/mg
である。1単位はPH8.0の50mMリン酸カリウム緩衝液中2
5℃で0.50mMの基質濃度において、1分当たり、基質H
−(D)Pro−Phe−Arg−p−ニトロアニリド(Kabi S2
302)1μモルを加水分解するのに必要な酵素の量とし
て定義される。
酵素の保存溶液(1単位/ml)は、0.20塩化ナトリウム
および0.1%PEG6000(ポリエチレングリコール)を含有
する50%グリセロール−0.10Mリン酸ナトリウム緩衝
液、PH7.5中に調製した。標準試験において、保存カリ
クレイン溶液10μlを、25℃で0.20M塩化ナトリウムお
よび0.1%PEGを含有する0.10mMリン酸ナトリウム緩衝
液、PH7.5中0.20mMS2302よりなる溶液990μlに添加し
た。阻害剤の効果は、阻害剤の存在下および非存在下の
両方で、経時的に405nmの吸光度の増加を測定すること
により測定された酵素活性をモニターすることにより評
価した。表1は阻害剤の量と反応開始後10〜20分の時間
間隔で測定された残存活性を示す。対照試料の活性は0.
0092±0.0095min-1であつた。
実施例72〜110 トロンビンの阻害(エステラーゼ活性) ヒトトロンビン(比活性2345NIH単位/mg)をR.Q.P.Labo
ratories(South Bend, IN)(ロツトHT102)より入手
した。トロンビンの保存溶液は、0.75M塩化ナトリウム
を含有する0.010MPIPES緩衝液PH6.0中に調製した。トロ
ンビンの試験は、0.20M塩化ナトリウムおよび0.1%PEG6
000を含有するリン酸ナトリウム緩衝液、PH7.5中で、Gr
eenとShawの「Anal.Biochem.」、93、223(1979)の方
法に従つて行なつた。基質の初期濃度は0.10mMとし、ト
ロンビンの濃度は1.0nM(重量に基づく)とした。表2
は阻害剤の量と反応開始後10〜20分の時間間隔で測定し
た残存活性を示している。対照試料のトロンビン活性は
0.0076±0.0005min-1であつた。
実施例111〜124 APTTおよびPT測定で示される血液凝固の阻害in vitroに
おける血液凝固に対するプロテアーゼ阻害剤の作用を、
2つの臨床パラメーター、即ち、活性化部分トロンボプ
ラスチン時間(APTT)およびプロトロンビン時間(PT)
に対するそれらの影響を測定することにより測定した。
これらの試験の各々に用いる試薬はGeneral Diagnostic
s(Jessup MD)により供給されている。阻害剤の保存溶
液は0.10M塩化ナトリウムを含有する25mM HEPES緩衝
液、PH7.5中に調製した。APTT試験のために、阻害剤溶
液(0.100ml)を正常ヒト血漿(0.100ml)および自動化
APTT試薬(0.100ml)とともにインキユベートした。37
℃で5.0分間インキユベートした後、塩化カリシウム
(0.100ml)を添加して、秒単位で測定した凝血時間を
フイブラメーター上で測定した。種々の濃度の阻害剤の
血液凝固時間に対する影響を、阻害剤の非存在下で行な
つた対照実験における凝血時間と比較して表3に示す。
PT試験のために、阻害剤溶液(0.100ml)を正常なヒト
血漿(0.100ml)とともに37℃で2時間インキユベート
した。次にシムプラスチン(Simplastin)試薬(0.200m
l)を添加し、表4に示すように凝血時間を測定した。
表5は表3と4の結果を総括するものであり、活性化部
分トロンボプラスチン時間(2×APTT)およびプロトロ
ンビン時間(2×PT)を2倍に増大させるのに要する阻
害剤の大まかな濃度を示している。
実施例125〜127 TT測定で示される血液凝固阻害 in vitroにおける血液凝固に対するプロテアーゼ阻害剤
Ac−(D)Phe−Pro−boroArg−OH(実施例8)の作用
を、トロンビン時間(TT)に対するその影響を測定する
ことにより測定した。正常ウサギ血漿0.2mlと所望の最
終濃度の6倍の阻害剤を含有する緩衝液0.05mlの混合物
を37℃に加温した。トロンビン(最終濃度の6倍0.05m
l)の添加により凝血が開始された。使用されたトロン
ビンはSigma Chemical Companyから市販されており(N
O.T−6634,活性1190NIH単位/mg蛋白)、緩衝液中に調製
されている。阻害剤とトロンビンの両方に用いた緩衝液
は、0.154M NaCl(8.84g/L)および2.5mg/mlウシ血清ア
ルブミンを含有する0.1Mトリス緩衝液(12.10g/L)、PH
7.4である。秒で測定した凝血時間をフイブロメーター
を用いて測定した。阻害剤の不在下で行なつた対照実験
の血液凝固時間と比較したときの、凝血時間に対する阻
害剤の作用を表6に示す。値は少なくとも3回の測定の
平均を表わす。300秒以内に凝血が起こらない場合には
反応を中止した。
実施例128〜132 APTTで測定したヒト血漿中での阻害剤の安定性 血漿中での阻害剤の安定性を、その血液凝固阻害能力に
より測定した。まず、0.10M塩化ナトリウム含有の25mM
HEPES緩衝液、PH7.5中の試験すべき阻害剤の保存溶液
(1.0μM)を正常なヒト血漿で50%に希釈した。混合
物を0℃とし、次に分別量(0.200ml)をとり出して37
℃で2分間インキユベートした。等量の自動化APTT試薬
を添加し、実施例111〜117に記載したようにして凝血時
間を測定した。凝血試験中の阻害剤の最終濃度は250nM
であつた。インキユベーシヨン時間(時間で表わす)お
よび凝血時間(秒で測定)を、個々の阻害剤に対して表
7に示す。化合物EおよびFの値は対照試料と同時に測
定した。化合物A、BおよびCの値は異なる日に得たも
のである。
実施例133〜136 緩衝液中の阻害剤の安定性 各々1.0μMの濃度の阻害剤を、0.20M塩化ナトリウムお
よび0.10%PEGを含有する0.20Mリン酸ナトリウム緩衝液
PH7.5中で室温でインキユベートした。分別量(4.0μ
l)をとり出し、実施例72〜110に記載したようにして
トロンビン試験で試験した。インキユベーシヨン後に残
存するトロンビン活性のパーセントおよび阻害剤がリン
酸ナトリウム緩衝液中にある時間の長さを表8に示す。
阻害剤AとCでは阻害剤活性の消失はほとんどなかつ
た。阻害剤Bは1時間にわたりその生物活性を失つた。
実施例137〜142 In vivo経口投与後の血液凝固阻害 雄ラツト(Sprague Dowley CD Rats,130〜140g、供給元
Charlea River Labs,Inc.,Wilmington,MA)をナトリウ
ムペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内)を用いて麻
酔した。中央線切り込み首の腹側の表面に入れ、ポリエ
チレンカテーテルを頸動脈の1つに挿入し、首のうしろ
に出した。麻酔から回復した後、対照用血液試料を頸動
脈カテーテルから採取し、クエン酸ナトリウムで抗凝固
処理し、そして遠心分離(2000×g、10分)した。血漿
をプラスチツク管に入れ、試験に供するまで氷上で保存
した。トロンビン時間は実施例125〜127に記載のとお
り、フイブロメーターを用いて測定した。
ラツトに、賦形剤中のプロテアーゼ阻害剤Ac−(D)Ph
e−Pro−boroArg−OHまたは賦形剤のみを、経口胃管栄
養法により、4mlより少ない量与えた。使用した賦形剤
は食塩水中5%ジメチルスルホキシドであつた。経口投
与後種々の時間で血液試料を採取し、上記のようにして
評価した。凝血時間を秒で表した結果を下の表9に示
す。凝血時間が300秒を越えた場合は、>300と報告す
る。残りのデータは秒で測定した凝血に必要な平均時
間、±標準偏差を示す。
実施例143 経口投与後の血液凝固のin vivo阻害 この化合物がin vivoで血液凝固を阻害する能力をさら
に明らかにするため、ラツトをナトリウムペントバルビ
タール(50mg/kg,腹腔内)で麻酔し、頸動脈カテーテル
を挿入し、切り込みを閉じた。麻酔から回復した後、ラ
ツトを水中に溶解したプロテアーゼ阻害剤Ac−(D)Ph
e−Pro−boroArg−OH5mg/kgまたは当量の水のいずれか
を経口投与した。30〜60分後、全てのラツトに1分間か
けてトロンビン500単位/kgの注入を行なつた。水のみを
与えたラツト14匹は全てトロンビン注入10分以内に死亡
した。対照的に、阻害剤含有水を投与した17ラツト中8
匹のみが10分以内に死亡し、残りは1時間生存し、この
時点で安楽死させた。
実施例144〜162 経口、結腸および直腸投与した後の血液凝固のin vivo
阻害 一般方法: 体重300〜350gの雄Lewisラツトをナトリウムペントバル
ビトール(50mg/kg、腹腔内)で麻酔し、ポリエチレン5
0チユーブに連結したシラステイツクチユーブを用いて
頸動脈にカニユーレを施した。チユーブを首のうしろ側
に出してストツプコツクを介してシリンジへ連結した。
血液試料(0.5ml)を、プロテアーゼ阻害剤Ac−(D)P
he−Pro−boroArg−OHを投与する前および投与後種々の
間隔をおいて、各採集前にクエン酸塩緩衝液で洗浄した
シリンジへ採集した。次に血液試料をクエン酸塩緩衝液
を入れたバクテナー(vacutainer)へ移した。また、各
採集後カニユーレは食塩水で洗浄した。次に血液試料を
即座に遠心分離し(15分間2500rpm)血漿試料0.2mlを凝
結時間測定に用いた。凝血時間測定は以下のようにして
フイブロメーターを用いて行なつた。まず、血漿(0.2m
l)をフイブロカツプに入れ、PH7.4のトリス緩衝液(50
マイクロリツトル)を添加した。血漿緩衝溶液を1分間
37℃でインキユベートし、次にトリス緩衝液中24μ/ml
トロンビン溶液を50マイクロリツトル添加し、凝血時間
を秒で測定した。凝血時間が300秒を超えた場合は>300
と報告する。
経口投与: 頸動脈カニユーレ処置ラツトを麻酔から回復させて経口
投与した。ラツト1kg当り水0.75ml容量中、ラツト体重1
1kg当り阻害剤3mg(約1mg/ラツト)よりなるプロテアー
ゼ阻害剤Ac−(D)Phe−Pro−boroArg−OH水溶液を胃
管栄養法により投与した。結果は後記する表10中で報告
する。
結腸投与: 麻酔下にある頸動脈カニユーレ処置ラツトの腹部に3cm
の切り込みを形成した。結腸を位置づけし、初まりと終
わりの両端でしばつた。ラツト1kg体重当り水1mlの容量
中、ラツト体重1kg当り阻害剤3mg(約1mg/ラツト)より
なるプロテアーゼ阻害剤Ac−(D)Phe−Pro−boroArg
−OH水溶液を結腸腔への入り口に注射した。創傷クリツ
プを用いて切開部を閉じた。結果は後記する表11中に報
告する。
直腸投与: 頸動脈カニユーレ処置ラツトへの直腸投与方法はKamiya
等の「J.Pharm.Sci.」、71、621(1982)の記載に従つ
た。簡単に説明すれば、2cmの長さのワイアで連結され
た0.89cmと0.71cmのシリコンゴムセプタムよりなる装置
を形成した。この装置を、大きいセプタムのほうから最
初に、ラツトの直腸に挿入し、適当な接着剤を用いて肛
門に固定した。投与は、露出しているセプタムを介して
注射することにより行なつた。直腸投与量は、ラツト1k
g当り水0.6ml容量中、ラツト体重1kg当りプロテアーゼ
阻害剤Ac−(D)Phe−Pro−boroArg−OH3mg(約1mg/ラ
ツト)とした。結果は後記する表12に報告する。
実施例163〜168 クロトン油誘発炎症のin vivo抑制 アセトン担体中知られた炎症剤であるクロトン油5%よ
りなる第1の溶液(クロトン溶液)および、本発明の化
合物を10mg/ml添加してあるアセトン担体中5%クロト
ン油よりなる第2の溶液(化合物溶液)を調製した。ク
ロトン溶液(10μl)またはその代わりの化合物溶液
(10μl)を各動物(Sprague Dawley CD Rats,130〜14
0g、供給元Charles River Labs,Inc.,Wilmington,MA)
の右耳に適用した。アセトン担体のみ(アセトン溶液)
(10μL)を各動物の左耳に適用した。投与後1時間
に、動物を殺して耳を取り、1/4インチ直径の円板をく
りぬいて計量した。クロトン溶液投与右耳とアセトン溶
液投与左耳との間の重量差として、腫張を測定した。化
合物溶液と実質的に同じ方法で調製して適用した既知の
非ステロイド抗炎症剤インドメタシン(インドメタシン
溶液)と結果を比較した。化合物F、Ac−Phe−boroArg
−C10H16に対する平均データを表13に示す。以下で用い
る「投与量」という用語は各右耳に適用した溶液中の活
性抗炎症成分(化合物A、C、D、E、FまたはG、ま
たは場合によりインドメタシン)のμgでの量を示し、
「n」は各試験に用いたラツトの数を示す。「SE」は標
準誤差である。表14の実施例164〜168は本質的に同じ条
件(投与量=100μg)で行なつた化合物A、C、D、
E、FおよびGに対する抗炎症活性を示している。
表14 クロトン油誘発炎症の抑制実施例番号 化合物 %抑制 164 G 69 165 E 82 166 D 93 167 A 59 168 C 76 以上、本発明を詳細に説明したが、本発明はさらに次の
実施態様によつてこれを要約することができる。
1)式: 〔式中、Y1およびY2は、個々に独立して、−OHまたはF
であるか、または、一緒になつて、ジヒドロキシアルキ
ル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシア
リール化合物から誘導される基を形成し、この場合ヒド
ロキシ基は同一の炭素原子に結合しておらず、ヒドロキ
シ基の酸素原子はBに結合しており、前記ジヒドロキシ
アルキル、ジヒドロキシシクロアルキル、またはジヒド
ロキシアリール化合物は炭素原子2〜20個を有する; R2は−(CH2)Z−X、−CH(CH3)−(CH2)2−X、−CH2−CH
(CH3)−CH2−X、−(CH2)2−CH(CH3)−X、および−(CH
2)2−C(CH3)2−XただしXは−NH2、−NH−C(NH)−
NH2または−S−C(NH)−NH2そしてzは3〜5である
ものよりなる群から選択される置換アルキルであり: n、o、pおよびqは個々に独立して1または0のいず
れかであり; A1、A2およびA3は、個々に独立して、Ala、Arg、Asn、As
p、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Ph
e、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValよりなる群から
選択されるL配置またはD配置のアミノ酸であり:そし
て、 R1はアミノ酸1〜約20個を包含するペプチド、炭素原子
1〜約20個を包含するアシルまたはスルホニル基、H、
またはN末端保護基である〕の化合物または生理学的に
許容されるその塩。
2)A1がLys、Phe、Pro、Ala、Leu、Gly、Glu、Val、Th
r、Ile、Met、Tyr、Trp、Arg、Asp、AsnおよびGlnより
なる群から選択されるL配置またはD配置のアミノ酸で
ある前項1記載の化合物。
3)A1がLys、Phe、Pro、Ala、Leu、Gly、Glu、Valおよ
びThrよりなる群から選択されるL配置またはD配置の
アミノ酸である前項2記載の化合物。
4)A2がD配置アミノ酸である前項1記載の化合物。
5)A2がPheである前項4記載の化合物。
6)A2が、Phe、Ala、Leu、Pro、GluおよびGlyよりなる
群から選択されるL配置またはD配置のアミノ酸である
前項1記載の化合物。
7)R2が−(CH2)Z−Xよりなる群から選択される置換ア
ルキルである前項1記載の化合物。
8)zが3〜4である前項7記載の化合物。
9)R2が、3−グアニジノ−プロピル、3−アミノ−プ
ロピルおよび4−アミノ−ブチルよりなる群から選択さ
れる前項7記載の化合物。
10)R2が3−グアニジノ−プロピルである前項9記載の
化合物。
11)Ac−(D)Phe−Pro−boroArg−OHである前項1記
載の化合物。
12)前項1記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のトリプシン様
セリンプロテアーゼを阻害するための組成物。
13)前項2記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のトリプシン様
セリンプロテアーゼを阻害するための組成物。
14)前項11記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のトリプシン様
セリンプロテアーゼを阻害するための組成物。
15)前項1記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のトロンビンを
阻害するための組成物。
16)前項2記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のトロンビンを
阻害するための組成物。
17)前項11記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のトロンビンを
阻害するための組成物。
18)前項1記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類の血漿カリクレ
インを阻害するための組成物。
19)前項2記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類の血漿カリクレ
インを阻害するための組成物。
20)前項1記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のプラスミンを
阻害するための組成物。
21)前項2記載の化合物有効量および生理学的に許容さ
れる担体または希釈剤を含有する哺乳類のプラスミンを
阻害するための組成物。
22)前項1記載の化合物の有効量および生理学的に許容
される担体または希釈剤を含有する哺乳類の血液凝固を
治療するための組成物。
23)前項2記載の化合物の有効量および生理学的に許容
される担体または希釈剤を含有する哺乳類の血液凝固を
治療するための組成物。
24)前項11記載の化合物の有効量および生理学的に許容
される担体または希釈剤を含有する哺乳類の血液凝固を
治療するための組成物。
25)前項1記載の化合物の有効量および生理学的に許容
される担体または希釈剤を含有する哺乳類の炎症を治療
するための組成物。
26)前項2記載の化合物の有効量および生理学的に許容
される担体または希釈剤を含有する哺乳類の炎症を治療
するための組成物。
27)前項1記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のトリプシン様セリンプロテアーゼ
を阻害する方法。
28)前項2記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のトリプシン様セリンプロテアーゼ
を阻害する方法。
29)前項11記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のトリプシン様セリンプロテアーゼ
を阻害する方法。
30)前項1記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のトロンビンを阻害する方法。
31)前項2記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のトロンビンを阻害する方法。
32)前項11記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のトロンビンを阻害する方法。
33)前項1記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の血漿カリクレインを阻害する方
法。
34)前項2記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の血漿カリクレインを阻害する方
法。
35)前項1記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のプラスミンを阻害する方法。
36)前項2記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類のプラスミンを阻害する方法。
37)前項1記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の血液凝固を治療する方法。
38)前項2記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の血液凝固を治療する方法。
39)前項11記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の血液凝固を治療する方法。
40)前項1記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の炎症を治療する方法。
41)前項2記載の化合物の有効量を哺乳類に投与するこ
とを包含する哺乳類の炎症を治療する方法。
42)式: 〔式中、Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシク
ロアルキルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導
される基であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原
子に結合しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに結
合しており、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシ
シクロアルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭
素原子2〜20個を有する; R3は−(CH2)z−W1、−CH(CH3)−(CH2)2−W1、−CH2−CH
(CH3)−CH2−W1、−(CH2)2−CH(CH3)−W1および−(CH2)
2−C(CH3)2−W1よりなる群から選択される置換アルキ
ルであり; WおよびW1は個々に独立してClまたはBrであり;そして zは3〜5である〕の化合物。
43)R3が−(CH2)z−W1でありzが3〜4である前項42記
載の化合物。
44)式: 〔式中、Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシク
ロアルキルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導
される基であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原
子に結合しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに結
合しており、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシ
シクロアルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭
素原子2〜20個を有する; R4は−(CH2)z−W2、−CH(CH3)−(CH2)2−W2、−CH2−CH
(CH3)−CH2−W2、−(CH2)2−CH(CH3)−W2および−(CH2)
2−C(CH3)2−W2よりなる群から選択される置換アルキ
ルであり; W2はCl、BrまたはN3であり; zは3〜5であり; A1、A2およびA3は個々に独立してAla、Arg、Asn、Asp、C
ys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、P
ro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValよりなる群から選択
されるL配置またはD配置のアミノ酸であり、 R1はアミノ酸1〜約20個を含むペプチド、炭素原子1〜
約20個を含むアシルまたはスルホニル基、H、またはN
末端保護基であり; そして、 n、o、pおよびqは個々に独立して1または0のいず
れかである〕の化合物。
45)R4が−(CH2)z−W2でありzが3〜4である前項44記
載の化合物。
【図面の簡単な説明】
第1図は相対的凝血時間と本発明の2つの阻害剤、即
ち、H−(D)Phe−Pro−boroArg−C10H16およびBoc−
(D)Phe−Phe−boroArg−C10H16の阻害剤濃度との関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/10 8318−4H C12N 9/99 9152−4B

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 〔式中、 Y1およびY2は、個々に独立して、‐OHまたはFである
    か、または、一緒になって、ジヒドロキシアルキル、ジ
    ヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシアリール
    化合物から誘導される基を形成し、この場合ヒドロキシ
    基は同一の炭素原子に結合しておらず、ヒドロキシ基の
    酸素原子はBに結合しており、前記ジヒドロキシアルキ
    ル、ジヒドロキシシクロアルキル、またはジヒドロキシ
    アリール化合物は炭素原子2〜20個を有する; R2は‐(CH2)z‐X、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐X、‐CH2‐CH
    (CH3)‐CH2‐X、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐X、および‐(CH
    2)2‐C(CH3)2‐XただしXは‐NH2、‐NH-C(NH)‐NH2
    または‐S-C(NH)‐NH2、そして zは3〜5であるものよりなる群から選択される置換ア
    ルキルであり; n、o、pおよびqは個々に独立して1または0のいず
    れかであり; A1、A2およびA3は、個々に独立して、Ala、Arg、Asn、A
    sp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、P
    he、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValよりなる群から
    選択されるL配置またはD配置のアミノ酸であり;そし
    て、 R1はアミノ酸1〜約20個を包含するペプチド、炭素原子
    1〜約20個を包含するアシルまたはスルホニル基、H、
    またはN末端保護基である〕 の化合物または生理学的に許容されるその塩。
  2. 【請求項2】Y1およびY2の定義における前記ジヒドロキ
    シアルキル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒド
    ロキシアリール化合物は、ピナンジオール、ピナコー
    ル、ペルフルオロピナコール、エチレングリコール、ジ
    エチレングリコール、カテコール、1,2-シクロヘキサン
    ジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオー
    ル、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセ
    ロールおよびジエタノールアミンよりなる群から選択さ
    れる化合物である請求項1記載の化合物または生理学的
    に許容されるその塩。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の化合物有効量およ
    び生理学的に許容される担体または希釈剤を含有する哺
    乳類のトリプシン様セリンプロテアーゼを阻害するため
    の組成物。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の化合物有効量およ
    び生理学的に許容される担体または希釈剤を含有する哺
    乳類のトロンビンを阻害するための組成物。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の化合物有効量およ
    び生理学的に許容される担体または希釈剤を含有する哺
    乳類の血漿カリクレインを阻害するための組成物。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の化合物有効量およ
    び生理学的に許容される担体または希釈剤を含有する哺
    乳類のプラスミンを阻害するための組成物。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載の化合物の有効量お
    よび生理学的に許容される担体または希釈剤を含有する
    哺乳類の血液凝固を治療するための組成物。
  8. 【請求項8】請求項1または2記載の化合物の有効量お
    よび生理学的に許容される担体または希釈剤を含有する
    哺乳類の炎症を治療するための組成物。
  9. 【請求項9】式: 〔式中、 Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキ
    ルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導される基
    であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原子に結合
    しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに結合してお
    り、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロア
    ルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭素原子2
    〜20個を有する; R3は‐(CH2)z‐W1、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W1、‐CH2‐CH
    (CH3)‐CH2‐W1、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W1、および‐(CH
    2)2‐C(CH3)2‐W1よりなる群から選択される置換アルキ
    ルであり; WおよびW1は個々に独立してClまたはBrであり;そし
    て、 zは3〜5である〕 の化合物。
  10. 【請求項10】Y3の定義における前記ジヒドロキシアル
    キル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシ
    アリール化合物は、ピナンジオール、ピナコール、ペル
    フルオロピナコール、エチレングリコール、ジエチレン
    グリコール、カテコール、1,2-シクロヘキサンジオー
    ル、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-
    ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロールお
    よびジエタノールアミンよりなる群から選択される化合
    物である請求項9記載の化合物。
  11. 【請求項11】式: 〔式中、 Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキ
    ルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導される基
    であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原子に結合
    しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに結合してお
    り、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロア
    ルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭素原子2
    〜20個を有する; R4は‐(CH2)z‐W2、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W2、‐CH2‐CH
    (CH3)‐CH2‐W2、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W2および‐(CH2)
    2‐C(CH3)2‐W2よりなる群から選択される置換アルキル
    であり; W2はCl、BrまたはN3であり; zは3〜5であり; A1、A2およびA3は個々に独立してAla、Arg、Asn、Asp、
    Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、
    Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValよりなる群から選択
    されるL配置またはD配置のアミノ酸であり、 R1はアミノ酸1〜約20個を包含するペプチド、炭素原子
    1〜約20個を包含するアシルまたはスルホニル基、H、
    またはN末端保護基であり;そして、 n、o、pおよびqは個々に独立して1または0のいず
    れかである〕 の化合物。
  12. 【請求項12】Y3の定義における前記ジヒドロキシアル
    キル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシ
    アリール化合物は、ピナンジオール、ピナコール、ペル
    フルオロピナコール、エチレングリコール、ジエチレン
    グリコール、カテコール、1,2-シクロヘキサンジオー
    ル、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-
    ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロールお
    よびジエタノールアミンよりなる群から選択される化合
    物である請求項11記載の化合物。
  13. 【請求項13】式: 〔式中、Y1およびY2は個々に独立して、‐OHであり、
    A1、A2、A3、R1、R2、n、o、pおよびqは請求項1に
    記載の定義を有する)の化合物の製造において、式 (式中、Y1およびY2は一緒になって、ジヒドロキシアル
    キル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシ
    アリール化合物から誘導される基を形成し、この場合ヒ
    ドロキシ基は同一の炭素原子に結合しておらず、ヒドロ
    キシ基の酸素原子はBに結合しており、前記ジヒドロキ
    シアルキル、ジヒドロキシシクロアルキル、またはジヒ
    ドロキシアリール化合物は炭素原子2〜20個を有する;
    そしてA 、A2、A3、R1、R2、n、o、pおよびqは前述
    の定義を有する)の化合物を A)(i)有機酸水溶液中に溶解し、次に有機酸中で0
    〜0.3Nの濃度勾配の無機酸を適用することによるイオン
    交換クロマトグラフィーに付しそして (ii)カラムクロマトグラフィーまたはサイズ排除クロ
    マトグラフィーにより分離して前記式IにおいてY1=Y2
    =OHの化合物を得るかまたは B)(i)塩化メチレン中過剰のBCl3と−78〜0℃で反
    応させ、 (ii)水と接触させていずれもの過剰BCl3を加水分解
    し、 (iii)十分な1〜50%有機酸水溶液で希釈して0.01〜
    0.05M濃度のHClを得、 (iv)水性相中に分離し、次いでそれを (v)イオン交換カラムクロマトグラフィーに付して前
    記式IにおいてY1=Y2=OHである化合物を得ることから
    なる 前記式Iの化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】Y1およびY2の定義における前記ジヒドロ
    キシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒ
    ドロキシアリール化合物は、ピナンジオール、ピナコー
    ル、ペルフルオロピナコール、エチレングリコール、ジ
    エチレングリコール、カテコール、1,2-シクロヘキサン
    ジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオー
    ル、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセ
    ロールおよびジエタノールアミンよりなる群から選択さ
    れる化合物である請求項13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】式 (式中、Y1=Y2=OHであり、A1、A2、A3、R1、R2、n、
    o、pおよびqは請求項1に記載の定義を有する)の化
    合物を過剰の水性フッ化水素酸と反応させることからな
    る上記式IにおいてY1=Y2=Fであるジフルオロボラン
    の製造方法。
  16. 【請求項16】A.式 〔式中、 Y3はジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキ
    ルまたはジヒドロキシアリール化合物から誘導される基
    であり、この場合ヒドロキシ基は同一の炭素原子に結合
    しておらず、ヒドロキシ基の酸素原子はBに結合してお
    り、前記ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロア
    ルキルまたはジヒドロキシアリール化合物は炭素原子2
    〜20個を有する; R3は‐(CH2)‐W1、‐CH(CH3)‐(CH2)2‐W1、‐CH2‐CH
    (CH3)‐CH2‐W1、‐(CH2)2‐CH(CH3)‐W1および‐(CH2)
    2‐C(CH3)2‐W1よりなる群から選択される置換アルキル
    であり; WおよびW1は個々に独立してClまたはBrであり;そし
    て、 zは3〜5である〕の化合物を式 R1‐〔(A3)(A2)(A1)〕‐ (式中、n、o、p、q、A1、A2、A3およびR1は請求項
    1に記載の定義を有する)のアミノ酸またはペプチドと
    反応させて式 (式中、Y3、R3、W、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよ
    びqは前述の定義を有する)の化合物を製造し、次に B.前記式6の化合物をアルカリ金属アジドと反応させて
    (式中、Y3、W、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよびq
    は前述の定義を有し、R4は請求項11に記載の定義を有し
    そしてR4の定義中におけるW2はN3である)の化合物を製
    造し、次に C.前記式IIIの化合物を有機酸または無機酸好ましくは
    ベンゼンスルホン酸の存在下で還元して式 (式中、Y3、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよびqは前
    述の定義を有し、W=Cl、Br、‐C6H5SO3またはその他
    の有機酸陰イオンであり、R2は請求項1に記載の定義を
    有しそしてR2の定義におけるXは‐NH2である)の化合
    物を製造する ことからなる前記式Iの化合物の製造方法。
  17. 【請求項17】Y3の定義における前記ジヒドロキシアル
    キル、ジヒドロキシシクロアルキルまたはジヒドロキシ
    アリール化合物は、ピナンジオール、ピナコール、ペル
    フルオロピナコール、エチレングリコール、ジエチレン
    グリコール、カテコール、1,2-シクロヘキサンジオー
    ル、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-
    ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロールお
    よびジエタノールアミンよりなる群から選択される化合
    物である請求項16記載の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項16に記載の式Iの化合物を低級ア
    ルコール中においてシアナミドと50〜150℃で反応させ
    ることからなる式 (式中、Y3、W、R1、A1、A2、A3、n、o、pおよびq
    は請求項16に記載の定義を有し、R2は請求項1記載の定
    義を有しそしてR2の定義におけるXは‐NH-C(NH)‐NH
    2である)の化合物の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項16に記載のY3の定義における前記
    ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキルま
    たはジヒドロキシアリール化合物は、ピナンジオール、
    ピナコール、ペルフルオロピナコール、エチレングリコ
    ール、ジエチレングリコール、カテコール、1,2-シクロ
    ヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタン
    ジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、
    グリセロールおよびジエタノールアミンよりなる群から
    選択される化合物である請求項18記載の製造方法。
  20. 【請求項20】式 (式中、Y3、R3、W、A1、A2、A3、R1、n、o、pおよ
    びqは請求項16に記載の定義を有する)の化合物をチオ
    尿素と反応させることからなる式 (式中、Y3、W、A1、A2、A3、R1、n、o、pおよびq
    は前述の定義を有し、R2は請求項1に記載の定義を有し
    そしてR2の定義におけるXは‐S-C(NH)‐NH2である)
    の化合物の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項16に記載のY3の定義における前記
    ジヒドロキシアルキル、ジヒドロキシシクロアルキルま
    たはジヒドロキシアリール化合物は、ピナンジオール、
    ピナコール、ペルフルオロピナコール、エチレングリコ
    ール、ジエチレングリコール、カテコール、1,2-シクロ
    ヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタン
    ジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、
    グリセロールおよびジエタノールアミンよりなる群から
    選択される化合物である請求項20記載の製造方法。
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