JPH07298847A - 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法 - Google Patents

麺類品質改良剤及び麺類の製造方法

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JPH07298847A
JPH07298847A JP6114105A JP11410594A JPH07298847A JP H07298847 A JPH07298847 A JP H07298847A JP 6114105 A JP6114105 A JP 6114105A JP 11410594 A JP11410594 A JP 11410594A JP H07298847 A JPH07298847 A JP H07298847A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 麺類を調理せずに食する際に、または茹で直
しや炒め等の調理等において、麺類のほぐれ性が極めて
良好な特性を有し、食味・食感が良好な茹で・蒸し麺類
の製造方法及びそれらの麺類に噴霧又は浸漬する油脂組
成物を提供する。 【構成】 重合度が2以上のポリグリセリンにヨウ素価
40以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が
30〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有
し、そのポリグリセリン脂肪酸エステルの1/2量から
5倍量のアルコール類を併用してなる茹で・蒸し麺類の
ほぐれ改良用油脂組成物。この油脂組成物を麺の表面に
噴霧又は浸漬することを特徴とする茹で・蒸し麺類の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、麺類を再調理せずに食
する際に、または茹で直しや炒め等の調理時において、
麺類のほぐれ性が極めて良好な特性を有し、食味・食感
が良好な、茹で・蒸し麺類の製造方法及びそれらの麺類
に噴霧又は浸漬する保存安定性に優れた油脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、茹で・蒸し麺類は、製造直後は、
極めて良好なほぐれ性を示すが、製造後の経時変化に伴
い、澱粉質の劣化に伴う可撓性の低下、あるいは麺線表
面の糊化された澱粉の粘着性により、麺線が互いに結着
し、全体が塊状に固結する欠点を有していた。このよう
な状況のもとにおいては、麺線のほぐれの悪さの他に、
麺線が切れやすくなったり、茹で直しや炒め等の再加熱
調理が不均一になるなど食味及び外見上好ましくなかっ
た。これらの欠点の改良方法として、従来より麺線同士
の付着を防止するためにその表面に食用油脂を噴霧する
方法、乳化油脂を添加する方法等がとられており、また
例えば、有機酸モノグリセライドを含む水で処理する方
法(特開昭58−141757)、有機酸モノグリセラ
イドを含む水中油型乳化油脂で処理する方法(特開昭5
8−175461)、食用油脂、大豆レシチン及び大豆
レシチン以外の食品用乳化剤を配合してなる油脂組成物
を噴霧する方法(特公昭57−14139)、中鎖級脂
肪酸トリグリセライド(MCT)の乳化組成物を、噴霧
する方法(特開平4−58859)等が提案されてい
る。しかし、これらの方法を用いることによって、麺線
同士の付着をある程度防止することはできるが、充分満
足するものではない。また充分な効果を期待するために
は多量の添加を必要とするため、有機酸,大豆レシチ
ン,中鎖級脂肪酸トリグリセライドによって食味・食感
が損なわれてしまう。さらに大豆レシチン及び大豆レシ
チン以外の食品用乳化剤を配合する油脂組成物において
は、油との比重の違いによる乳化剤の沈澱やレシチンの
吸湿による沈澱が生じ保存安定性が劣るという問題が生
じている。麺類の製造に際しポリグリセリン脂肪酸エス
テルを配合する方法(特開昭62−115245)は知
られているが、これは「ポリグリセリン脂肪酸エステル
を小麦粉に添加混合し生地に練り込むことにより、こし
が強く歯応えのある食感を有し、煮崩れが少ない麺類を
製造する」ものであって目的及び添加方法が本願と異な
るものである。すなわち、茹で・蒸し麺類のほぐれを向
上する目的で、それら麺類に噴霧又は浸漬させる油脂組
成物及び乳化性油脂組成物に、ある特定のポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを配合することまで開示しているもの
ではない。また乳化剤をアルコール系可溶化剤によって
油脂に混合する方法(特開昭52ー21006)が知ら
れているが、これはショ−トニングやてんぷら油に乳化
剤を可溶化させる技術であり、特定のポリグリセリン脂
肪酸エステルとアルコ−ル類を油脂に配合せしめ、その
油脂組成物を茹で・蒸し麺類のほぐれ向上目的のため、
それら麺類に噴霧または浸漬させることまで開示してい
るものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、麺類
を調理せずに食する際に、または茹で直しや炒め等の調
理時において、麺の食味・食感を損なうことなく、麺線
のほぐれ性を改善しうる茹で・蒸し麺類の製造法及びそ
れらの麺に噴霧又は浸漬する保存安定性に優れた油脂組
成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、茹で・蒸し麺類に噴霧又は浸漬させる油
脂組成物に重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素
価40以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率
が30〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加
すること、さらにそのポリグリセリン脂肪酸エステルの
1/2量から5倍量のアルコール類を併用添加すること
により、麺の食味・食感を損なうことなく、麺類のほぐ
れ性を改善し、保存安定性に優れたものを得ることを見
いだした。本発明において、茹で・蒸し麺類とは、小麦
粉及びその他の原材料を加えて製麺したものであって、
茹でうどん,茹で中華,蒸し中華,茹でそば,茹でスパ
ゲッティー等を指し、商品形態は、常温流通麺(LL
麺)、低温流通麺(チルド麺)のいずれであってもよ
い。本発明に使用される油脂としては、食用に供される
ものであれば特に限定はしないが、好ましくは、急速に
冷却した場合の凝固温度が−28℃〜5℃の範囲にある
ものが望ましく、さらに安定性、ハンドリング等を考慮
すると大豆油、菜種油、米油、コーン油が好ましい。ま
たこれらの食用油脂を2種以上配合することや水素添加
油脂を用いることもできる。
【0005】本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エス
テルは、重合度が2以上、好ましくは10以下のポリグ
リセリンにヨウ素価40以上の脂肪酸をエステル化し、
そのエステル化率が30〜80%のものである。ポリグ
リセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、ヨウ素価40
以上であれば特に限定しないが、好ましくはヨウ素価6
0以上のものが望ましい。例としては、ミリストレイン
酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リ
ノ−ル酸、リノレン酸、エルカ酸等があげられるが、好
ましくはミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイ
ン酸が良く、更に好ましくはオレイン酸が望ましい。ま
たグリセリンと脂肪酸のエステル化率は30〜80%の
範囲のものであれば特に限定しないが、好ましくは、3
0〜70%ものが良く、更に好ましくは30〜50%の
範囲であることが望ましい。最も好ましい脂肪酸とポリ
グリセリンをエステル化させたときの例をあげると、ジ
オレイン酸ジグリセリン、トリオレイン酸ジグリセリ
ン、ジオレイン酸トリグリセリン、トリオレイン酸トリ
グリセリン、テトラオレイン酸トリグリセリン、ジオレ
イン酸テトラグリセリン、トリオレイン酸テトラグリセ
リン、テトラオレイン酸テトラグリセリン、トリオレイ
ン酸ペンタグリセリン、テトラオレイン酸ペンタグリセ
リン、ペンタオレイン酸ペンタグリセリン、トリオレイ
ン酸ヘキサグリセリン、テトラオレイン酸ヘキサグリセ
リン、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリン、ヘキサオレ
イン酸ヘキサグリセリン、テトラオレイン酸デカグリセ
リン、ペンタオレイン酸デカグリセリン、ヘキサオレイ
ン酸デカグリセリン、ヘプタオレイン酸デカグリセリ
ン、オクタオレイン酸デカグリセリン、ノナオレイン酸
デカグリセリン等があるが、好ましくはジオレイン酸ジ
グリセリン、ジオレイン酸トリグリセリン、トリオレイ
ン酸トリグリセリン、ジオレイン酸テトラグリセリン、
トリオレイン酸テトラグリセリン、テトラオレイン酸テ
トラグリセリン、トリオレイン酸ペンタグリセリン、テ
トラオレイン酸ペンタグリセリン、トリオレイン酸ヘキ
サグリセリン、テトラオレイン酸ヘキサグリセリン、ペ
ンタオレイン酸ヘキサグリセリン、テトラオレイン酸デ
カグリセリン、ペンタオレイン酸デカグリセリン、ヘキ
サオレイン酸デカグリセリン、ヘプタオレイン酸デカグ
リセリン、オクタオレイン酸デカグリセリンが良く、更
に好ましくは、ジオレイン酸ジグリセリン、ジオレイン
酸トリグリセリン、ジオレイン酸テトラグリセリン、ト
リオレイン酸テトラグリセリン、トリオレイン酸ペンタ
グリセリン、トリオレイン酸ヘキサグリセリン、テトラ
オレイン酸ヘキサグリセリン、テトラオレイン酸デカグ
リセリン、ペンタオレイン酸デカグリセリン、ヘキサオ
レイン酸デカグリセリンが望ましい。本発明の効果はこ
の脂肪酸に限定されたものではないので前述の脂肪酸に
ついても同様のエステル化率を持つ化合物が得られる。
本発明において、油脂組成物中の特定ポリグリセリン脂
肪酸エステルの含有量は特に限定されるものではない
が、通常は0.01〜10重量%含まれ、好ましくは
0.1〜5重量%含まれるのが良く、更に好ましくは
0.2〜3重量%含まれるのが望ましい。本発明で用い
るアルコール類とは、食品に添加されるものであれば特
に限定しないが、例えば、エタノ−ル、プロピレングリ
コ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、マルチト−ル、ラ
クチト−ル、デキストリンアルコ−ル等が用いることが
でき、好ましくは、エタノールであることが望ましい。
本発明においてアルコ−ル類の添加量は、油脂組成物に
含有する特定ポリグリセリン脂肪酸エステルの1/2量
から5倍量が良く、好ましくは特定ポリグリセリン脂肪
酸エステルの同量から3倍量が望ましい。茹で・蒸し麺
類の一般的製造法としては、小麦粉または小麦粉にそば
粉等の原材料を混合した粉末に、食塩またはその他の塩
類を溶解した水溶液を混合し、ミキサーにて数分間混捏
してそぼろ状の粉体を得る。このそぼろ状の粉体を複合
機によりめん帯とし、圧廷を段階的に繰り返したのち、
切刃にて切出し麺線を得る。以上の手順により得られた
麺線を沸騰水あるいは蒸気等にて加熱したのち、流水に
て水洗冷却し包装する。LL麺の様に長期保存を目的と
する場合は、包装後蒸熱殺菌等を行う。本発明におい
て、噴霧とは、該油脂組成物を霧状にして、水洗,冷却
後の茹で・蒸し麺の表面に吹き付けることである。その
際の該油脂組成物の粒径は3μm〜5mmの範囲であれ
ば特に限定しないが、30μm〜200μmが好まし
い。また、浸漬とは、5〜40℃の該油脂組成物を満た
した浴槽に水洗、冷却後の茹で・蒸し麺を浸漬させるこ
とである。その時の浸漬時間は5秒〜10分の範囲であ
れば特に限定しないが、20秒〜1分が好ましい。本発
明におけるエステル化率とは数1で表せるものである。
【0006】
【数1】
【0007】
【作用】この発明によれば、茹で・蒸し麺類の表面に噴
霧又は浸漬する油脂組成物に重合度が2以上のポリグリ
セリンに、ヨウ素価40以上の脂肪酸をエステル化し、
そのエステル化率が30〜80%のポリグリセリン脂肪
酸エステルを添加し、そのポリグリセリン脂肪酸エステ
ルと1/2量から5倍量のアルコール類を併用添加する
ことにより、麺のほぐれ性を著しく向上することができ
る。さらに得られた油脂組成物は保存安定性に優れ、添
加されたポリグリセリン脂肪酸エステルの沈澱等は全く
起こらない。しかも得られた麺類は、良好な食味・食感
で従来の麺と比べなんら変わることがない。
【0008】
【実施例】
実施例1 菜種油95.5g、ヘキサオレイン酸デカグリセリン
1.5g、エタノール3gを溶解混合し均一な油脂組成
物を得た。次に準強力粉1000gに粉末かんすい10
g,食塩10g,水330gを配合しミキサーで15分
間混捏し、常法により圧廷、切出し(切刃#22角,麺
線厚み1.3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分
間茹で上げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り
後、茹で中華麺220gに上記の油脂組成物4.5gを
均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充
填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。
【0009】比較例1 実施例1と同じ茹で中華麺220gをポリエチレン製の
冷やし中華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を
得た。 比較例2 実施例1と同じ茹中華麺220gに菜種油10gを均一
に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,
密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例3 菜種油97g,ペースト状大豆レシチン3gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た。実施例1と同じ茹で中華
麺220gに上記油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、
ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封し、冷
やし中華調理麺を得た。 比較例4 ジアセチル酒石酸モノグリセライド(ステアリン酸モノ
グリセライド)15g、菜種油25g、70%ソルビト
ール30g、湯30gを強力撹拌して水中油型乳化性油
脂組成物を得た。次に準強力粉1000gに粉末かんす
い10g、食塩10g、上記の水中油型乳化性油脂組成
物を20g,水320gを配合し、ミキサーで15分間
混捏し、常法により圧廷、切出し(切刃#22角、麺線
厚み1.3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分間
茹で上げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り
後、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に茹で中華麺2
20g充填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例5 中鎖級脂肪酸トリグリセライド30g,水69g,グリ
セリン脂肪酸エステル1gを強力撹拌して水中油型乳化
性油脂組成物を得た。実施例1と同じ茹で中華麺220
gに上記の水中油型乳化性油脂組成物4.5gを均一に
噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密
封し冷やし中華調理麺を得た。 比較例6 菜種油95.5g、モノオレイン酸デカグリセリン1.
5g、エタノール3gを溶解混合し均一な油脂組成物を
得た。実施例1と同じ茹で中華麺220gに上記油脂組
成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし
中華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例7 菜種油22g、ヘキサオレイン酸デカグリセリン12
g、エタノール66gを溶解混合し均一な油脂組成物を
得た。実施例1と同じ茹で中華麺220gに上記油脂組
成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし
中華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例8 菜種油99.99375g、ヘキサオレイン酸デカグリ
セリン0.005g、エタノール0.00125gを溶
解混合し均一な油脂組成物を得た。実施例1と同じ茹で
中華麺220gに上記油脂組成物4.5gを均一に噴霧
し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封
し、冷やし中華調理麺を得た。次に上記の実施例1及び
比較例1〜8で得られた冷やし中華調理麺を5℃の冷蔵
庫で3日間保存した後、パネラー20人にて、麺線のほ
ぐれ性,食味・食感を80ccのスープにつけて評価し
た。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食する際に、麺線
のほぐれ具合が極めて良いものを20点,かなり良いも
のを18点,やや良いものを16点,普通を14点,や
や悪いものを12点,かなり悪いものを10点,極めて
悪いものを8点とし、パネラー20人の平均値で示し
た。食味・食感の評価は、極めて良いものを10点,か
なり良いものを9点,やや良いものを8点,普通を7
点,やや悪いものを6点,かなり悪いものを5点,極め
て悪いものを4点とし、パネラー20人の平均値で示し
た。その結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】表1から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線も切
れることなく食味・食感も良好であった。 実施例2 大豆油95.2g、テトラオレイン酸ヘキサグリセリン
1.2g、エタノール3.6gを溶解混合し、均一な油
脂組成物を得た。 比較例9 大豆油98.8g、テトラオレイン酸ヘキサグリセリン
1.2gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。 実施例3 コーン油95g、ジオレイン酸テトラグリセリン2.5
g、プロピレングリコール2.5gを溶解混合し、均一
な油脂組成物を得た。 比較例10 コーン油97.5g、ジオレイン酸テトラグリセリン
2.5gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。次に
上記の実施例2、3及び比較例9、10で得られた油脂
組成物を5℃の冷蔵庫で30日間保存テストを行い結果
を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】表2から明らかなように、実施例は比較例
に比べて低温での保存安定性に優れ、ポリグリセリン脂
肪酸エステルの沈澱も生じない。 試験例1 菜種油95.5gに表3に示す構成脂肪酸のヨウ素価,
エステル化率及びグリセリン重合度の異なるポリグリセ
リン脂肪酸エステル(試料No.1〜59)1.5g、
エタノール3gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得
た。実施例1と同じ茹で中華麺220gに上記の油脂組
成物をそれぞれ4.5gずつ均一に噴霧し、ポリエチレ
ン製の冷やし中華の容器に充填,密封し冷やし中華調理
麺を得た。また、対照として実施例1と同じ茹で中華麺
220gに菜種油4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレ
ン製の冷やし中華の容器に充填,密封し冷やし中華調理
麺を得た。次に上記の試験例1で得られた冷やし中華調
理麺を5℃の冷蔵庫で3日間保存した後、パネラー20
人にて、麺線のほぐれ性を評価した。その結果を表3に
示す。
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】
【表5】
【0017】表3,4,5から明らかなように、麺線の
ほぐれ性は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪
酸のヨウ素価が40以上であり、エステル化率が30〜
80%の範囲にある時に良好であった。更にヨウ素価が
60以上でエステル化率が30〜50%の範囲にある時
に麺線のほぐれ性は極めて良好であった。本発明の実施
態様並びに目的生成物をあげれば以下の通りである。 (1)重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価4
0以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が3
0〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する
ことを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組
成物。 (2)重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価6
0以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が3
0〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する
ことを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組
成物。 (3)重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価4
0以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が3
0〜70%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する
ことを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組
成物。 (4)重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価4
0以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が3
0〜50%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する
ことを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組
成物。 (5)重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価6
0以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が3
0〜70%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する
ことを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組
成物。 (6)重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価6
0以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が3
0〜50%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する
ことを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組
成物。 (7)構成脂肪酸がミリストレイン酸、パルミトレイン
酸、オレイン酸より選ばれる1種又は2種以上であると
ころの特定ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するこ
とを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成
物。 (8)構成脂肪酸がオレイン酸であるところの特定ポリ
グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする
茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。 (9)特定ポリグリセリン脂肪酸エステルがジオレイン
酸ジグリセリン、ジオレイン酸トリグリセリン、ジオレ
イン酸テトラグリセリン、トリオレイン酸テトラグリセ
リン、トリオレイン酸ペンタグリセリン、トリオレイン
酸ヘキサグリセリン、テトラオレイン酸ヘキサグリセリ
ン、テトラオレイン酸デカグリセリン、ペンタオレイン
酸デカグリセリン、ヘキサオレイン酸デカグリセリンよ
り選ばれる1種又は2種以上含有することを特徴とする
茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。 (10)特定ポリグリセリン脂肪酸エステルがジオレイ
ン酸トリグリセリン、ジオレイン酸テトラグリセリン、
トリオレイン酸ペンタグリセリン、トリオレイン酸ヘキ
サグリセリン、テトラオレイン酸デカグリセリン、ペン
タオレイン酸デカグリセリンより選ばれる1種又は2種
以上含有することを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ
改良用油脂組成物。 (11)特定ポリグリセリン脂肪酸エステルがジオレイ
ン酸トリグリセリン、トリオレイン酸ペンタグリセリ
ン、トリオレイン酸ヘキサグリセリン、ペンタオレイン
酸デカグリセリンより選ばれる1種又は2種以上含有す
ることを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂
組成物。 (12)前記(1)〜(11)の特定ポリグリセリン脂
肪酸エステルが0.01〜10重量%含有することを特
徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。 (13)前記(1)〜(11)の特定ポリグリセリン脂
肪酸エステルが0.1〜5重量%含有することを特徴と
する茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。 (14)前記(1)〜(11)の特定ポリグリセリン脂
肪酸エステルが0.2〜3重量%含有することを特徴と
する茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。 (15)前記(1)〜(14)の油脂組成物において、
その油脂組成物に含有するポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの1/2量から5倍量のアルコール類を含有すること
を特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成
物。 (16)前記(1)〜(14)の油脂組成物において、
その油脂組成物に含有するポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの同量から3倍量のアルコール類を含有することを特
徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。 (17)前記(1)〜(16)の油脂組成物を水洗、冷
却後の茹で・蒸し麺の表面に3μm〜5mmの粒径で噴
霧することを特徴とする茹で・蒸し麺類の製造方法。
(18)前記(1)〜(16)の油脂組成物を水洗、冷
却後の茹で・蒸し麺の表面に30μm〜200μmの粒
径で噴霧することを特徴とする茹で・蒸し麺類の製造方
法。 (19)前記(1)〜(16)の油脂組成物を5〜40
℃に保持した浴槽に水洗、冷却後の茹で・蒸し麺を5秒
〜10分浸漬させることを特徴とする茹で・蒸し麺類の
製造方法。 (20)前記(1)〜(16)の油脂組成物を5〜40
℃に保持した浴槽に水洗、冷却後の茹で・蒸し麺を20
秒〜1分浸漬させることを特徴とする茹で・蒸し麺類の
製造方法。
【0018】
【発明の効果】本発明により得られた茹で・蒸し麺類及
び油脂組成物は、 (1)めんの食味・食感を損なうことなく、麺線の付着
を防止する。 (2)麺線の切れやすさを防止する。 (3)茹で直しや炒め等の再加熱調理を容易にさせる。 (4)ポリグリセリン脂肪酸エステルの沈澱が生じない
保存安定性に優れた油脂組成物を得ることができる。 など、本発明は茹で・蒸し麺類の加工適性、調理適性の
改善に効果が高く、またその効果の持続性が大であり、
食品産業に大いに貢献できるものである。茹で・蒸し麺
類の包装及び充填前に噴霧又は浸漬させる油脂組成物
に、ある特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合す
ることにより、ほぐれ性を向上することができる。これ
は、本件で示されている特定条件のポリグリセリン脂肪
酸エステルの持つ、高いほぐれ効果や油脂を麺表面に薄
く均一に分散させる作用により茹で・蒸し麺類のほぐれ
性を著しく向上できると推測される。またこの効果は前
述のポリグリセリン脂肪酸エステルを、小麦粉中にその
まま混合したり、水溶液や乳化油脂の状態で小麦粉に添
加することのいずれの場合においても効果はなく、茹で
・蒸し麺を水洗,冷却した後、包装及び充填前に前述の
ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した油脂組成物を
麺表面に噴霧又は浸漬させることにより非常に高いほぐ
れ効果が得られる。また、そのポリグリセリン脂肪酸エ
ステルと1/2量から5倍量のアルコール類を併用する
ことにより保存安定性に優れた油脂組成物を得ることが
できる。これはアルコールにより油脂、ポリグリセリン
脂肪酸エステル双方の相溶性が向上するものであり無添
加時に比較し高い安定性が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨ
    ウ素価40以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル
    化率が30〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを
    含有することを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良
    用油脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油脂組成物において、そ
    の油脂組成物に含有するポリグリセリン脂肪酸エステル
    の1/2量から5倍量のアルコール類を含有することを
    特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載の油脂組成物を麺の
    表面に噴霧又は浸漬することを特徴とする茹で・蒸し麺
    類の製造方法。
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