JPH07294827A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JPH07294827A
JPH07294827A JP6081894A JP8189494A JPH07294827A JP H07294827 A JPH07294827 A JP H07294827A JP 6081894 A JP6081894 A JP 6081894A JP 8189494 A JP8189494 A JP 8189494A JP H07294827 A JPH07294827 A JP H07294827A
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JP
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image
lens
endoscope
lens system
optical system
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JP6081894A
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Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HD−TV等の横長の表示手段とか横長の観
察範囲を確保でき、かつ挿入部を細径にしても画質の低
下を防止できる内視鏡を提供すること。 【構成】 横長の画面のHDーTV6に画像を表示する
ためのHDーTV用のCCD25を内蔵したTVカメラ
3は硬性の挿入部11を有する内視鏡2の接眼部13に
装着され、アナモフィックレンズ21Aを用いた対物レ
ンズ系21で横方向に圧縮して縦横がほぼ同じ画像サイ
スにしてリレー光学系22によって伝送し、接眼レンズ
系23もアナモフィックレンズ23Aを用いて横方向に
伸長する。また、結像レンズ系24を経てCCD25に
横方向に伸長された画像を結像する構成にすることによ
り、リレー光学系22による実質的な像伝送効率を増大
し、S/Nの良い且つ明るい像を得られるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アナモルフィックレン
ズを用いて横方向に圧縮した画像を生成する内視鏡に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡は医療用分野及び工業用分
野で広く用いられるようになった。また、高画質化のた
めに、画素数を多くし、高品位テレビジョンに表示でき
るようにした内視鏡装置が提案されている。
【0003】図27(a)はこのような従来例の内視鏡
装置201の概略の構成を示す。硬性の内視鏡202の
接眼部203にはテレビジョンカメラ(単にTVカメラ
と略記)204が装着され、このTVカメラ204に内
蔵されたCCD205はカメラコントロールユニット
(以下、単にCCUと略記する)206と接続され、C
CD205で撮像された画像信号は信号処理されて映像
信号に変換された後、高品位TV(HD−TVと略記)
207に表示される。
【0004】内視鏡202は硬性の挿入部208の先端
に設けた対物光学系209により被写体210の像21
1を結び、この像211は像伝送光学系を構成するリレ
ーレンズ系215Aにより、その後方の像212として
伝送され、この像212はリレーレンズ系215Bによ
り、その後方の像213として伝送される。
【0005】この像213は接眼部203内の接眼光学
系216により拡大して観察することができると共に、
TVカメラ204が装着された場合にはTVカメラ20
4内の結像光学系217をさらに経てCCD205の撮
像面に像214を結ぶ。この像214はCCD205に
より光電変換され、CCU206で信号処理されてHD
−TV207の表示面に表示される。
【0006】上記HD−TV207の表示面の縦横比は
9:16の横長の長方形であり、従ってこのHD−TV
207への表示を目的とするCCD205もほぼ同様の
縦横比を有する横長の長方形の撮像面を有するCCDが
採用される。
【0007】なお、挿入部208内にはライトガイド2
21が挿通され、このライトガイド221の後端は把持
部222のライトガイド口金223に固定され、このラ
イトガイド口金223に接続されるライトガイドケーブ
ル224は図示しない光源装置に接続され、光源装置か
ら照明光が供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この場合、内視鏡20
2による像伝送機能は以下のように改善すべき課題或は
欠点を有することになる。例えば、挿入部208におけ
る像211の位置でのA−A断面におけるリレーレンズ
系215Aの光軸に垂直な面形状は図27(b)のよう
に円形になる。
【0009】一方、CCD205は上述のように横長の
撮像面である。このため、像211、212等が円形で
あったとしても実際にCCD205の撮像面で撮像(受
光)されるのに寄与する部分は、リレーレンズ系215
A、215Bの円形に内接する縦横比が9:16の長方
形部分218となる。
【0010】リレーレンズ系215A、215Bは細い
管に内挿されているから、円形像の最大径はリレーレン
ズ系215a、215Bの断面の円と一致する。したが
って、リレーレンズ系215A等の断面径により伝達可
能な像の大きさは制限を受ける。
【0011】HD−TV用CCD205で撮像できる像
の211或は212の位置における大きさを縦9a、横
16aとすればリレーレンズ系215Aの半径はH=
9.178aとなり、リレーレンズ系215Aの面積
と、この面積における有効に像伝送に寄与する横長の長
方形部分218との面積比率Mは以下の式(1)のよう
になる。
【0012】 M=16a×9a/(πH×H)=0、544 (1) つまり、従来例ではリレーレンズ系215A等の像伝送
光学系における利用できる伝送機能の一部(半分強)し
か有効に利用していないことになる。
【0013】このために、得られる画像が暗くなってし
まうとか、S/Nが低下してしまう等、画質が低下する
ことになる。これはリレーレンズ系215A等のレンズ
径を大きくすれば改善できるが、挿入部の細径化が望ま
れる内視鏡に対しては最適な対策でない。つまり、挿入
部が太くなると、患者に与える苦痛を増大させることに
なるし、挿入できる使用範囲も制約されることになって
しまう。
【0014】本発明は上述した点に鑑みてなされたもの
で、HD−TV等の横長の表示手段とか横長の観察範囲
を確保でき、かつ挿入部を細径にしても画質の低下を防
止できる内視鏡を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明では、横
長の画面に画像を生成する内視鏡において、アナモフィ
ックレンズを用いた対物レンズ系で横方向に圧縮して縦
横がほぼ同じ画像サイスにして像伝送光学系によって伝
送する構成にすることにより、像伝送光学系による実質
的な像伝送効率を増大し、明るい像にできるようにする
と共に、S/Nを増大することができる。
【0016】また、横長の画面に画像を生成する立体視
内視鏡において、アナモフィックレンズを用いた複数の
対物レンズ系によって横方向に圧縮された画像を像伝送
光学系によって伝送する構成にすることにより、像伝送
光学系による実質的な像伝送効率を増大でき、明るい像
にできるようにすると共に、S/Nを増大することがで
きる。さらに、挿入部を細径化できる。
【0017】また、観察光学系と照明光学系とを有する
内視鏡において、アナモフィックレンズを用いた照明光
学系を設けることにより、観察光学系の視野範囲をより
均一な配光状態で照明できるようにしている。
【0018】また、先端部に対物レンズ系と、固体撮像
素子とを内蔵した電子内視鏡において、前記対物レンズ
系をアナモフィックレンズを用いて前記固体撮像素子に
横方向に圧縮した像を結像すると共に、手元操作部から
駆動することによってフォーカス距離を変更するフォー
カス手段を設けることにより、物体までの距離が変化し
た場合でも、鮮明な画像が得られる。
【0019】1つのレンズの少なくとも片側に2つ以上
の曲面を設けたアナモフィックレンズを有する立体視内
視鏡を構成することにより、挿入部を細径化できる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を具体的に説明
する。図1ないし図5は本発明の第1実施例に係り、図
1(a)は第1実施例を備えた内視鏡装置の全体構成を
示し、図1(b)は図1(a)の光学系を90°異なる
方向からみた平面図的な構成を示し、図2は第1実施例
の内視鏡における対物レンズ系の構成を示し、図3は接
眼レンズ系の構成を示し、図4(a)は対物レンズ系及
び接眼レンズ系に用いられているアナモルフィックレン
ズを示し、図4(b)は屈折率分布型レンズで形成した
アナモルフィックレンズを示し、図5は横長の像が対物
レンズ系により圧縮して正方形の像にされ、リレー光学
系で伝送されることを示す。
【0021】図1(a)に示すように内視鏡装置1は、
照明光学系及び観察光学系を内蔵した第1実施例の内視
鏡2と、この内視鏡2に着脱自在で装着されるTVカメ
ラ3と、内視鏡2に設けられた照明光を伝送する照明光
伝送手段に照明光を供給する光源装置4と、このTVカ
メラ3に内蔵された撮像手段に対する信号処理を行うカ
メラコントロールユニット5(以下、CCUと略記す
る)と、このCCU5から出力される映像信号を表示す
る高品位テレビジョン(以下、HD−TVと略記)6と
から構成される。
【0022】上記内視鏡2は体腔内等に挿入される細長
の挿入部11と、この挿入部11の後端に太径に形成さ
れ、術者により把持される把持部12と、この把持部1
2の後端に形成された接眼部13とを有する。この挿入
部11は円管形状でステンレス等の金属等からなる硬質
の外套管で形成されている。つまり、この内視鏡2は硬
性の挿入部11を有する硬性内視鏡である。
【0023】上記把持部12にはライトガイド口金が設
けてあり、このライトガイド口金に一端が着脱自在で接
続されるライトガイドケーブル14の他端のライトガイ
ドコネクタ15は光源装置4に着脱自在で接続される。
【0024】光源装置5内には白色光の照明光を発生す
るランプ16と、この白色光を集光するレンズ17とが
配置され、このレンズ17で集光された照明光はライト
ガイドコネクタ15の端面に照射され、この端面に照射
された照明光はライトガイドケーブル14内のライトガ
イドにより伝送され、ライトガイド口金から内視鏡2内
のライトガイド18側に伝送した照明光を供給する。
【0025】照明光伝送手段としてのライトガイド18
は把持部12内で屈曲され、挿入部11内を挿通されて
いる。このライトガイド18は供給された照明光を伝送
し、挿入部11の先端部の照明窓に取りつ付けた先端面
から前方に照明光を出射する。
【0026】この照明光で照明された物体(図1におい
て矢印で示す)19は照明窓の内側に同心状に設けられ
た観察窓に取り付けた対物レンズ系21によって、その
結像位置に光学像7を結ぶ。この実施例では縦方向と横
方向とで視野範囲が異なり、対物レンズ系21による結
像倍率も異なるので、図1(a)で示す縦方向では物体
19にaを付けて表し、図1(b)の横方向では物体1
9にbを付けて表す。また、像7等に対しても図1
(a)で示す縦方向ではaを付け、図1(b)の横方向
ではbを付けて表す。また、両方を代表する場合或はい
ずれでも良い場合にはa或はbを付けないで、例えば物
体19のように示す(図7の第3実施例までこのような
表示を用いている)。
【0027】上記対物レンズ系21の光軸Oに一致する
ように図示しないレンズ管に収納されたリレー光学系2
2が挿入部11内に配置され、対物レンズ系21による
倒立像7はリレー光学系22を構成するリレーレンズ系
22A,22B,22Cによる像伝送光学系或は像伝送
手段により後方側に伝送される。つまり、対物レンズ系
21による倒立像7はリレーレンズ系22Aにより、そ
の後方に正立像8を結び、この像8はリレーレンズ系2
2Bにより、その後方に倒立像9を結び、この像9はリ
レーレンズ系22Cにより、その後方に正立像10を結
ぶ。
【0028】このリレーレンズ系22Cによる像10は
接眼部13の接眼窓に設けた接眼レンズ系23により、
肉眼で拡大観察することができる。この接眼部13にT
Vカメラ3が装着された場合には、リレーレンズ系22
Cによる像10を接眼レンズ系23、TVカメラ3内の
結像レンズ系24を経てCCD25の撮像面(光電変換
面)に像20を結ぶ。
【0029】図1でリレーレンズ系22A等及び結像レ
ンズ系24を1つの単レンズで示しているが、実際には
複数のレンズ系で構成される。
【0030】なお、内視鏡2にTVカメラ3を装着した
ものをTVカメラ外付け内視鏡或はTVカメラ外付けス
コープ29とも呼び、内視鏡内に撮像素子を内蔵して電
子内視鏡と類似の機能を有し、電子内視鏡を含めて電子
式内視鏡と呼ぶ。また、この明細書中では撮像素子とし
てのCCD25に結像する光学系を撮像光学系(図1で
は対物レンズ系21、リレー光学系22、接眼レンズ系
23、結像レンズ系24で構成される)と呼び、肉眼で
観察する光学系を観察光学系(図1では対物レンズ系2
1、リレー光学系22、接眼レンズ系23)と呼ぶ。ま
た、より広い意味で撮像光学系も含めて観察光学系とも
呼ぶ。
【0031】上記CCD25は例えばHD−TV用のC
CDであり、横長(つまり表示面の縦横比9:16)の
HD−TV6の表示面に撮像した画像を表示できるよう
にその縦横比がほぼ9:16の画素数を有する横長の撮
像面を有する。
【0032】図1(a),(b)に示すように、HD−
TV6の表示面の長辺となる横方向及びCCD25の長
辺の方向はx軸方向とし、短辺(縦)の方向をy軸方向
として説明する。なお、図1(b)ではライトガイド1
8を省略している。
【0033】この実施例では対物レンズ系21と接眼レ
ンズ系23とが図2及び図3にそれぞれ示すようにアナ
モルフィックレンズ21A,23Aを用いて構成されて
いることが特徴である。なお、図2及び図3は共に、
(a)が縦方向の断面で、(b)は横方向の断面でそれ
ぞれのレンズを示している(図1の(a)及び(b)に
おける対応する部分をそれぞれ拡大したものである)。
【0034】つまり、図2に示すように対物レンズ系2
1は、レトロフォーカスタイプの対物レンズ系で、負の
パワー、つまり発散作用を有する前群G1と正のパワー
を有する後群G2とからなり、前群G1を構成する凹レ
ンズにアナモルフィック面21Bを有するアナモルフィ
ックレンズ21Aを用いている。後群G2は普通のレン
ズ系で構成されており、図2(a)及び(b)で同じ形
状になる。
【0035】また、図3に示すように接眼レンズ系23
を構成する凸レンズにアナモルフィック面23Bを有す
るアナモルフィックレンズ23Aを用いている。他方の
凹レンズは普通のレンズである。
【0036】この実施例におけるアナモルフィックレン
ズ21A,23Aの代表例を図4(a)に示すアナモル
フィックレンズ26で説明する。xyzで示す直交座標
系におけるz軸方向にアナモルフィックレンズ26の光
軸を設定した場合、アナモルフィックレンズ26におけ
る直交する2つの方向(図4(a)ではx,y方向)の
曲率半径Rx,Ryの値が異なる(つまりRx≠Ry)
レンズ面、つまりアナモルフィック面26Bを有し、か
つ図4(a)に示すように2つの曲率中心を結ぶ線は光
軸上にある。
【0037】なお、図4(a)では他方のレンズ面の曲
率はx,y方向とも等しい(としているが、等しくなく
ても良い)。このようにレンズ面(アナモルフィック面
26B)のx,y方向の曲率半径Rx,Ryが異なるの
で、x,y方向への結像機能が異なる。つまり、通常の
レンズは方向性を有しない等方的なレンズ機能を有する
が、アナモルフィックレンズ26は方向に依存する異方
性を示す。
【0038】また、図4(a)はアナモルフィック面2
6Bが球面であるように図示しているが、この明細書中
でのアナモルフィックレンズは非球面のものも含み、非
球面のレンズにおいてその光軸近傍で(少なくとも一方
の)レンズ面に接する円の曲率半径をRx,Ryとした
場合にRx≠Ryであればアナモルフィックレンズに該
当する。
【0039】また、以上述べた例以外に、屈折率分布型
レンズ(或は不均質媒質レンズ)でアナモルフィックレ
ンズを作っても良い。つまり、1つのレンズのx方向と
y方向との焦点距離が異なるように屈折率分布をx方向
とy方向とで異ならせたレンズである。
【0040】図4(b)は屈折率の等高線の1例を示し
たもので、z方向には屈折率が一定で、x,y方向断面
ではほぼ楕円形状の等屈折率線を持つレンズである。そ
して、中心程屈折率が高ければ、レンズの両面が平面な
ら凸のアナモルフィックレンズとして作用する。勿論、
両面は平面でなくても良い。或は周辺程屈折率が高くて
も良い。
【0041】対物レンズ系21におけるアナモルフィッ
クレンズ21Aは図2(a)に示すように縦方向の(y
軸及びz軸を含む)断面での物体側のレンズ面の曲率が
物体側に凸となる曲率半径を有し、また図2(b)に示
すように横方向の(x軸及びz軸を含む)断面での物体
側のレンズ面の曲率が、この実施例では平面となる曲率
半径(つまり曲率半径が無限大)或は平面に近い曲率半
径を有するアナモルフィック面21Bである。後群G2
側となる他方のレンズ面は図2(a)及び(b)で同じ
である。
【0042】従って、図2(a)の状態でのレンズ機能
と図2(b)の状態でのレンズ機能を比較すると、図2
(b)の状態でのアナモルフィックレンズ21Aの方が
負のパワーが図2(a)より強く、画角はより広い。な
お、後群G2による正のパワーは両方向で同じである。
この様子を主光線で示している。
【0043】この対物レンズ系21にアナモルフィック
レンズ21Aを用いることにより、図2において、縦方
向より横方向に大きい画角の物体範囲を結像する。縦方
向の断面内でのレンズデータに基づく焦点距離(以下、
縦方向の焦点距離、或はy方向の焦点距離と略記)Fy
が横方向の断面内でのレンズデータに基づく焦点距離
(以下、横方向の焦点距離、或はx方向の焦点距離と略
記)Fxよりも長く、この実施例では縦方向の焦点距離
Fyと横方向の焦点距離Fxの比Fy/Fxを Fy/Fx≒16/9 (2) に設定しているので、CCD25の撮像面或はHDーT
V6の表示面のように縦横比が9:16と同じ横長の物
体範囲をほぼ正方形の像となるよう、横方向に圧縮して
結像する。
【0044】つまり、この実施例の対物レンズ系21
は、結像作用を圧縮率でのべると、縦方向を1とした場
合、横方向の値は16/9となるように設定している。
なお、視野角或は物体側で述べると、物体19aに対す
る物体19bのサイズの比は16/9のものを等しいサ
イズ7a,7bに結像する。
【0045】このように、本実施例では対物レンズ系2
1により、横方向に圧縮して結像するようにしている。
リレー光学系22は普通(等方的)のレンズ系で構成さ
れており、像7a,7bをそのまま後方に伝送し、この
リレー光学系22による最終像は10a,10bとな
る。
【0046】また、接眼レンズ系23を構成するアナモ
ルフィックレンズ23Aは図3(a)に示すように縦方
向の(y軸及びz軸を含む)断面での物体側のレンズ面
は平面或は平面に近い曲率半径であり、また図3(b)
に示すように横方向の(x軸及びz軸を含む)断面での
物体側のレンズ面の曲率が物体側に凸となるる曲率半径
を有するアナモルフィック面23Bを有する。他方のレ
ンズ面は図3(a)及び(b)で同じである。従って、
図3(a)の方が拡大するパワーが弱い。
【0047】この接眼レンズ系23を構成するアナモル
フィックレンズ23Aは、対物レンズ系21におけるア
ナモルフィックレンズ21Aにより横方向に圧縮された
圧縮率の値と等しい値で横方向に伸長する特性に設定し
ている(但し、縦方向に伸長する機能を1とした場合。
縦方向に伸長(拡大)する機能をcとした場合には横方
向に伸長する機能は16c/9となる)。
【0048】つまり、接眼レンズ系23の縦方向の焦点
距離Feyより横方向の焦点距離Fexを短くなるよう
にして、縦方向の焦点距離Feyと横方向の焦点距離F
exの比Fey/Fexを Fey/Fex≒Fy/Fx≒16/9 (3) に設定している。
【0049】従って、この接眼レンズ系23を経て肉眼
で観察した場合、物体19を横方向の視野角を大きくし
た状態でそのまま見たように観察することができる。ま
た、TVカメラ3を装着した場合には、接眼レンズ系2
3により拡大された虚像は結像レンズ系24によって、
横長のCCD25の撮像面に結像される。従って、図1
において、像10a,10bのサイズは等しく、CCD
25の撮像面の像20aに対する像20bのサイズの比
は16/9となる。
【0050】像20はCCD25で光電変換され、さら
にCCU5によって信号処理され、HDーTV6の横長
の表示面に表示される。
【0051】この第1実施例では対物レンズ系21にア
ナモルフィックレンズ21Aを用いて横方向に、CCD
25の撮像面の縦に対する横のサイズ比16/9だけ、
圧縮し、この圧縮された像7をリレー光学系22で伝送
し、さらに接眼レンズ系23で横方向に伸長し、さらに
結像レンズ系24を経てCCD25の撮像面に結像す
る。
【0052】従って、この実施例では横長のCCD25
の撮像面に結像されるのに寄与するリレー光学系22の
面積部分は図5に示すようにリレーレンズ系22A(又
は22B、又は22C)の円形に内接する正方形の面積
部分28になる。
【0053】この場合にはリレーレンズ系22Aの円形
の面積に対する正方形の面積部分28の面積比率Mは以
下の式(4)のようになる。
【0054】 M=s×s/(πH×H) =s×s/(π×s×s/2)=0.6366 (4) となる(ここで、H=s/√2)。この結果、従来例の
場合に比較すると、リレー光学系22によるレンズの利
用率は0.6366/0.544(=1.17)にな
る。つまり、利用率は従来例より17%向上できる。
【0055】従って、この第1実施例によれば、リレー
光学系22による像伝送機能の利用率を向上できるの
で、暗い画像になるのを防止できる(明るい画像が得ら
れる)し、S/Nも向上できる。つまり、接眼部13か
ら観察する場合の観察像は明るく、かつS/Nの良い画
質になるし、HDーTV6に表示される画像も明るく、
かつS/Nの良い画像になり、いずれの場合も画質を向
上できる。一方、従来例と同様の画質で良い場合にはリ
レー光学系22のサイズ(直径)を小さくできるので、
挿入部11を細径化できることになる。
【0056】上記第1実施例ではHDーTV6に表示す
る場合で説明したが、現行のNTSC方式のTVに表示
する場合にも適用でき、この場合には以下の変形例のよ
うな構成にすれば良い。現行のNTSC方式のTVの表
示面の縦横比は3:4であるので、図1におけるCCD
25としてはその撮像面の縦横比はほぼ3:4のものを
用いれば良い。
【0057】また、対物レンズ系21としては図2に示
したものと類似のアナモルフィックレンズ21Aを用
い、縦方向の焦点距離Fyと横方向の焦点距離Fxの比
Fy/Fxを Fy/Fx≒4/3 (2′) に設定し、縦横比が3:4の物体範囲をほぼ正方形の像
となるよう、横方向に圧縮して結像するようにする。
【0058】また、接眼レンズ系23としても図3に示
したものと類似のアナモルフィックレンズ23Aを用
い、縦方向の焦点距離Feyと横方向の焦点距離Fex
の比Fey/Fexを Fey/Fex≒4/3 (3′) に設定すれば良い。
【0059】また、第1実施例は映画用のワイドフィル
ムカメラと内視鏡を組み合わせて使用する等、他の場合
にも使用できる。これらの場合を考慮すると対物レンズ
系の縦方向の焦点距離Fyと横方向の焦点距離Fxの比
Fy/Fxは式(2)或は(2′)に限定されるもので
なく、かなりの幅内で設定されれば良い。
【0060】また、内視鏡用等の画角の広いレンズ系で
は、画角の増加と共に、像が縮小される傾向を示す(負
の歪曲収差)ので、収差の影響も考慮すると、対物レン
ズ系の縦方向の焦点距離Fyと横方向の焦点距離Fxの
比Fy/Fxは、 1.1≦ Fy/Fx≦2.3 (5) の範囲内で適当な値に設定できる。
【0061】式(5)内で対物レンズ系21での焦点距
離の比Fy/Fxを設定した場合、接眼レンズ系23の
焦点距離の比Fey/Fexは、実用的には医療用画像
等、縦横サイズ比を厳密に問題にしない用途もあるの
で、 0.7≦Fy/Fx/(Fey/Fex)≦1.4 (6) の範囲内で適当な値に設定すれば良い。
【0062】正しい物体像を観察するためには対物レン
ズ系21による像の圧縮比と接眼レンズ系23による伸
長比は全く同じ値である必要がある。しかし、医療用内
視鏡では画像の多少の歪みは問題にならないことも多い
ので、例えば物体の広い範囲を狭い画面に若干縮小した
まま表示するようなことも考えても良い。従って、上記
の圧縮比と伸長比の比率は必ずしも1に限定されるもの
でなく、式(6)の程度の範囲内で適当に選ぶことがで
きる。
【0063】式(6)において、焦点距離の比Fy/F
xを用いないで表わす場合には、接眼レンズ系23の焦
点距離の比Fey/Fexは、ほぼ式(5)と同様な理
由で、 1.1≦Fey/Fex≦2.3 (7) の範囲内で適当な値に設定すれば良い。この変形例によ
れば、縦横比が異なる場合に対して適用でき、かつ第1
実施例と同様の作用効果を有する。
【0064】図6は本発明の第2実施例の電子内視鏡3
2を示す。この実施例は図1に示す内視鏡2において、
接眼部13を有しないで、リレー光学系22により伝送
された像10を結像レンズ系33によりCCD25に結
像する構成である。
【0065】従って、この電子内視鏡32は接眼部13
を有しないで、把持部34内にCCD25を収納した構
成になっている。また、この実施例では、結像レンズ系
33にアナモルフィックレンズ33Aが用いられてい
る。
【0066】このアナモルフィックレンズ33Aは縦方
向の曲率半径より横方向の曲率半径が小さく、横方向に
対する凸レンズの集束作用が大きいアナモルフィック面
33Bを有する。このアナモルフィックレンズ33Aを
用いた結像レンズ系33の縦方向の焦点距離Ftyと横
方向の焦点距離Ftxの比Fty/Ftxは Fty/Ftx≒16/9 (8) に設定されている。
【0067】その他の構成は第1実施例と同様である。
この第2実施例は肉眼で観察する機能を有しないことを
除けば、第1実施例とほぼ同様の作用を有する。
【0068】つまり、第1実施例と同様に対物レンズ系
21にアナモルフィックレンズ21Aを用いて横方向
に、CCD25の撮像面の縦に対する横のサイズ比16
/9だけ、圧縮して結像し、この圧縮して結像された像
7をリレー光学系22で伝送し、さらに結像レンズ系3
3で横方向に伸長し、CCD25の撮像面に結像する。
この実施例は撮像して表示する場合の効果が第1実施例
とほぼ同様になる。
【0069】なお、第1実施例の変形例と同様に、以下
のような(第2実施例の)変形例のようにしても良い。
現行のNTSC規格のTVとか映画用のフィルムカメラ
との組み合わせ及び収差等を考慮した場合には、焦点距
離の比Fty/Ftxは 0.7≦Fy/Fx/(Fty/Ftx)≦1.4 (9) の範囲内で適当な値に設定すれば良い。
【0070】また、式(9)において、焦点距離の比F
y/Fxを用いないで表わす場合には、結像レンズ系3
3の焦点距離の比Fey/Fexは、ほぼ式(5)と同
様な理由で、 1.1≦Fty/Ftx≦2.3 (10) の範囲内で適当な値に設定すれば良い。
【0071】図7は本発明の第3実施例を有する内視鏡
装置35を示す。この実施例の内視鏡36は図1に示す
内視鏡2において、対物レンズ系21のみにアナモルフ
ィックレンズ21Aが用いてあり、接眼部13の接眼レ
ンズ系37は例えば図27に用いられて従来例の接眼レ
ンズ系216と同様である。
【0072】また、この実施例ではリレー光学系22
(図7では2つのリレーレンズ系22A,22Bで形成
されている)による最終像9を接眼レンズ系37、TV
カメラ3′の結像レンズ系38を経て等方的にCCD3
9の撮像面に像を結ぶ。
【0073】このCCD39は正方形の撮像面で例えば
HDーTV6の垂直方向の表示解像度(走査線数)に対
応した画素数を縦及び横方向に有し、対物レンズ系21
により横方向に圧縮された像7をリレー光学系22で伝
送し、その最終像9が、接眼レンズ系37及び結像レン
ズ系38により等方的に拡大してCCD39の撮像面に
像20′として再結像される。図7では縦方向の断面に
よる光学系で示している(横方向での断面による光学系
を省略する)。
【0074】このようにCCD39には横方向に圧縮さ
れた像20′であるので、この実施例におけるCCU4
0では、水平方向(横方向)に伸長処理して、HD−T
V6に映像信号を出力する。
【0075】CCDドライバ41からのCCDドライブ
信号の印加により、CCD39から読み出された信号
は、増幅回路、色分離回路等を内蔵したプロセス回路4
2により、例えばRGBの色信号に変換された後、A/
D変換回路43により、デジタルの色信号データ(画像
信号データとも記す)に変換され、一旦フレームメモリ
44に格納される。
【0076】このフレームメモリ44への書き込みと読
み出しはメモリコントローラ45によって制御される。
このメモリコントローラ45には同期信号を発生する同
期信号発生回路46から基準のクロック信号が印加さ
れ、このクロック信号に同期してフレームメモリ44へ
の書き込みと読み出しを行う。
【0077】このメモリコントローラ45は、フレーム
メモリ44から色信号データを読み出す場合、水平方向
の読み出し時間の伸長制御を、例えばアドレス発生回路
45aに入力される基準クロックのレート変更を(分周
比を変える)分周回路45bを通して読み出し時でのア
ドレス信号の出力時間の変更(この場合には伸長)する
ことにより行う。
【0078】つまり、伸長を行わない場合では、表示面
における走査線のピッチ間隔に等しい水平方向の単位長
さに1画素分の信号が表示されるような読み出し速度F
vで水平方向の画素が順次フレームメモリ43から読み
出しが行われる。
【0079】これに対し、この実施例ではフレームメモ
リ読み出し速度Fuを Fv/Fu≒Fy/Fx (11) に設定して、横方向に対する1画素分のデータ読み出し
を通常の読み出し速度Fvより遅くしている(換言する
と、1画素分のデータ出力時間を通常よりも16/9倍
となるように長くして、1画素分のデータが水平方向に
出力される時間を長くしている)。従って、1画素分の
信号は横方向に16/9に伸長して出力されることにな
る。なお、横方向のデータ読み出しのタイミングは水平
同期信号に同期して行われる。
【0080】このフレームメモリ44から伸長されるよ
うに読み出された色信号データはD/A変換回路46に
よりアナログの色信号に変換され、エンコーダ47によ
りHD−TV規格の映像信号に変換されてHD−TV6
側に出力される。このHD−TV6の表示面には、(例
えば、CCD39に結像される像20′が円形であると
すると)横方向に16/9倍に伸長された像48として
表示される。図7において、点線で示す像48′はCC
U40で伸長しない場合の像を示している。
【0081】この実施例の内視鏡36は対物レンズ系2
1のみにアナモルフィックレンズ21Aを用いているの
で、第1実施例の場合よりも低コスト化できる。また、
この実施例を備えた内視鏡装置35は、信号処理によ
り、画像の伸長を行うので、伸長する割合を簡単に変更
できる。
【0082】また、この内視鏡装置35は、内視鏡36
及びTVカメラ3′によりリレー光学系22を介して伝
送されてきた像がHD−TV6の画面サイズに相当する
画像を正方形に圧縮したものであるとすると、CCU4
0内の信号処理系で縦:横=1:1の画像を9:16で
引き延ばすことになる。この方法は、結像レンズ系で画
像を復元させてから撮像するものと異なり、撮像素子と
してのCCD39の画面が小型になるので、撮像部のス
ペースファクタの面で有利である。
【0083】従って、図7では硬性の内視鏡36の接眼
部13にTVカメラ3′を取付けたものを示してある
が、内視鏡先端部にCCDを設けるタイプの電子内視鏡
ではこの方式が特に優れている。即ち、アナモルフィッ
クレンズ21Aを用いた対物レンズ系21で圧縮した像
を生成し、この像をそのままCCDで撮像した後に信号
処理系で伸張するようにすれば、従来と同じ大きさの撮
像系で横長の広い範囲の像を得ることができる。
【0084】なお、NTSC規格のTVに表示とかフィ
ルム等に撮影するカメラへの適用を、収差等も考慮した
場合にはフレームメモリ読み出し速度Fuを 1.1≦Fv/Fu≦2.3 (12) の範囲で適当な値に設定すれば良い。
【0085】例えば、HD−TV規格とNTSC規格と
では当然伸張比が異なるので、使用されるCCDやTV
方式に応じてFv/Fuの比率を制御することができ
る。ここでの伸張比は接眼レンズ系や結像レンズ系にア
ナモルフィックレンズを用いた場合と像の大きさに関し
ては全く同じなので、比率に関する考え方はレンズ系の
場合を適用できる。
【0086】また、式(12)は対物レンズ系21の焦
点距離の比Fty/Ftxを用いて表した場合には式
(9)と同様に 0.7≦Fy/Fx/(Fv/Fu)≦1.4 (13) の範囲内で適当な値に設定すれば良い。
【0087】なお、図7において、CCU40内で収差
の補正を行う補正回路或は補正手段を設けるようにして
も良い。なお、図7ではフレームメモリ44からの読み
出し速度を制御することによって画像データを横方向に
伸長するようにしたが、フレームメモリ44への書き込
みを制御して横方向に伸長する処理手段を構成すること
もできる。
【0088】この場合にはフレームメモリ44として横
方向のメモリセル数を縦方向の16/9として、CCD
39から横方向に順次読み出された信号における単位画
素の信号期間で16/9のメモリセルに書き込む。この
場合、16/9は整数でないので、例えば整数になるタ
イミングで順次書き込むようにすれば良い。このように
書き込んだ場合には、通常の読み出し速度でD/A変換
回路46側に読み出すようにする。
【0089】図8は本発明の第4実施例を備えた内視鏡
装置51を示す。第4実施例の内視鏡52は、例えば図
7の内視鏡36において、挿入部11の先端側を着脱自
在にしている。つまり、本体部53に異なる対物レンズ
系21、21′をそれぞれ内蔵した先端ユニット54、
54′を装着できる。
【0090】先端ユニット54′に内蔵された対物レン
ズ系21′は縦方向の結像倍率に対し、横方向の結像倍
率がその3/4倍にして結像するようにアナモルフィッ
ク面21′Bを有するアナモルフィックレンズ21′A
を用いている。
【0091】本体部53に先端ユニット54を装着した
状態では図7と同様の内視鏡36になる。そして、TV
カメラ3′で撮像され、CCU40で横方向に伸長する
処理が行われた後、HDーTV6に表示される。
【0092】また、この内視鏡装置51ではCCU40
に画像処理装置55を介して第2のTV6′が接続さ
れ、画像処理装置55で横方向に伸長する処理が行われ
て第2のTV6′に内視鏡画像が表示される。
【0093】CCU40内のA/D変換回路43を通し
た画像データは画像処理装置55内のフレームメモリ5
6に一旦格納される。この場合にはフレームメモリ56
に格納された画像データは横方向に16/9に圧縮され
たものである。
【0094】そして、画像処理コントローラ57は予め
ルックアップテーブル(以下、LUT)58に書き込ま
れた(横方向に16/9に伸長する)伸長処理データを
参照して、フレームメモリ56に格納された画像データ
に対し、横方向の複数画素を適宜係数を乗算して横方向
に伸長した画像データを生成し、ビデオRAM59に書
き込む。
【0095】また、LUT58には収差補正用データも
書き込まれており、画像処理コントローラ57は収差補
正用データを参照して収差の補正も行う。上記ビデオR
AM59に書き込まれた画像データはD/A変換回路6
0を経てRGBの色信号に変換され、図示しない同期信
号と共に、表示面の縦横比が3:4の第2のTV6′に
出力され、その表示面に表示される。
【0096】この場合には第2のTV6′の表示面に表
示される画像はTV6の表示面に表示される画像におけ
る横方向の一部(その4/9)をカットしたものにな
る。
【0097】一方、本体部53に先端ユニット54′を
装着した状態では、図7とは横方向の圧縮率が異なる内
視鏡になる。つまり、縦方向の圧縮率に対し、横方向の
圧縮率は4/3になる。
【0098】この場合には、CCU40内の分周回路4
5b(図7参照)の分周比を変更する(例えばディップ
スイッチのON/OFFの切換えで分周回路45bを構
成する図示しないカウンタの分周比を変更する)ことに
より、フレームメモリ44から読み出される画像データ
の出力期間を4/3に伸長する。
【0099】従って、この場合にはHDーTV6の表示
面の横方向の全域に内視鏡画像が表示されないで、一部
(その4/9)には何も表示されない画像表示になる。
この場合には何も表示されない表示面部分に患者データ
等を表示するようにしても良い。
【0100】画像処理装置55もLUT58に予め書き
込まれた(横方向に4/3に伸長する)伸長処理データ
を参照して上述と同様に伸長処理を行い、第2のTV
6′に出力され、その表示面に表示される。この場合に
は第2のTV6′の表示面全域に内視鏡画像が表示され
る。
【0101】この実施例の内視鏡52は先端ユニット5
4、54′を取り替えることで、使用する環境に適した
内視鏡にできる。また、この内視鏡装置51は表示面の
縦横比が異なるTV6、6′にも簡単に対応できるし、
映像信号の規格が異なる場合にも対応できる。
【0102】また、画像処理装置55による伸長処理
は、その作用はCCU40による読み出し速度の変更に
よるものと同様であるが、単に読み出し速度の変更の場
合よりも画質を向上できる。
【0103】尚、図8では2つのTV6、6′を使用す
る場合で示してあるが、必ず2つ必要なわけではない。
また、図8において、画像処理装置55での画像処理機
能をCCU40内で行うような構成にすることもでき
る。
【0104】尚、図7或は図8において、TVカメラ3
9のCCD39(TVカメラ3′のCCD)の画素数は
例えば、HD−TV6の垂直方向の分解能程度(つま
り、走査線数程度)としたが、横方向の画素数として垂
直方向及び水平方向の解像度の間の画素数にし、これに
応じて対物レンズ系21側での横方向への圧縮率を16
/9より小さくしても良い。これは、例えばCCD39
の画素数を多くした方が、表示の際の分解能を向上でき
るので、分解能が高い画像が望まれる場合に適する。
【0105】図9は本発明の第5実施例における対物レ
ンズ系を示す。アナモルフィックレンズを用いた対物レ
ンズ系21、接眼レンズ系23、結像レンズ系33等に
アナモルフィックレンズ21A,23A,33Aを用い
た場合、それぞれのレンズ系について、アナモルフィッ
ク面は2面以上含むことが望ましい。
【0106】なぜなら各レンズ系についてx方向の焦点
距離とy方向の焦点距離とを異ならせた場合、ピント位
置はx方向とy方向とで一致させておく方が、部分ごと
にレンズ系を組立調整する上で都合がよいが、そのため
にはレンズ系に2つの自由度が必要になるからである。
【0107】また、1つのレンズ面のみでX断面とY断
面の曲率半径を変えるとX断面とY断面とで像の形成さ
れる位置がずれてしまうため、このずれが大きくなると
ピントがぼけた像になってしまう。このためアナモルフ
ィック面を2つ以上設け、像位置のずれを縮小(或いは
なくす)ことが望ましい。
【0108】アナモルフィック面を設ける位置はレンズ
系中の適当な位置でよいが、リレー光学系を小さくしつ
つ、広範囲の画像を伝送しようとするのであるから、リ
レー光学系に入射する前に画像を縮小し、リレー光学系
を出た後で画像を伸張するのが望ましい。
【0109】この意味でリレー光学系の一部の面をアナ
モルフィック面にする場合には、なるべく対物レンズ系
に近い位置にある面に、画像を圧縮するためのアナモル
フィック面を設け、また接眼レンズ系(内視鏡にTVカ
メラ直結の内視鏡の場合は結像レンズ系)になるべく近
い面に画像を伸張させるためのアナモルフィック面を設
けることが望ましい。しかし、これは絶対条件ではな
い。
【0110】例えば図1のTVカメラ外付け内視鏡29
において、対物レンズ系21、リレー光学系22、接眼
レンズ系23、結像レンズ系24の撮像光学系を考えた
時、全光学系の、ピント位置が合っており、かつリレー
光学系22の中間像がx方向に縮小されていれば良い。
【0111】従って、撮像素子に圧縮しない状態で結像
する構成では、対物レンズ系21中は少なくとも1つの
アナモルフィック面21Bがあり、且つ、対物レンズ系
21、リレー光学系22、接眼レンズ系23、結像レン
ズ系24の撮像光学系中に2面以上のアナモルフィック
面があれば良い。
【0112】又、接眼レンズ系のない、TVカメラを直
結した構造の内視鏡の場合には対物レンズ系21中に少
なくとも一つのアナモルフィック面21Bがあり、かつ
対物レンズ系21,リレー光学系22、接眼レンズ系2
3、結像レンズ系24の撮像光学系の全系中に、アナモ
ルフィック面が2面以上あれば良い。
【0113】一方、撮像素子に圧縮した像を結像する構
成の場合には、対物レンズ系21中に少なくとも1つの
アナモルフィック面21Bを有するようにして撮像光学
系を構成すれば良い。
【0114】なお、アナモルフィックレンズは、製造が
むずかしくコスト高になりやすいので、1面しか採用で
きない場合もある。この場合、アナモルフィック面21
Bは図9(a),(b),(c)に示す如く、対物レン
ズ系21の第1レンズ、又は最終レンズに設けるとよ
い。これは主光線高が高く、画角をx方向とy方向で異
ならせるのが容易な一方、マージナル光線の高さは低
く、x方向とy方向の近軸光線のピント位置のズレが生
じにくいからである。
【0115】図9(a)では対物レンズ系21は第1か
ら第4レンズで構成され、これら第1ないし第4レンズ
は負レンズL1、正レンズL2、接合正レンズL3、正
レンズL4でそれぞれ構成されている。また、正レンズ
L2と接合正レンズL3との間に絞りが設けてある。
【0116】また、第1の負レンズL1の物体側のレン
ズ面をアナモルフィック面21Bにしている。
【0117】図9(b)では図9(a)と同様に対物レ
ンズ系21は第1から第4レンズで構成され、第2及び
第3レンズの間に絞りが設けてある。この図9(b)で
は第4レンズの像側のレンズ面をアナモルフィック面2
1Bにしている。
【0118】さらに、図9(c)の例では、第3レンズ
が正レンズL3、第4レンズが接合正レンズ4L4にさ
れており、第1レンズにおける像側の第2面にアナモル
フィック面21Bが形成されている。このため、ピント
ズレはやや大きくなるが、レンズ外面の形が対称形とな
るため、内視鏡の水密性を保持させるのに有利である。
なお、図9(a)〜9(c)の実施例は軟性,硬性どち
らの内視鏡にも適用できる。
【0119】図9では対物レンズ系21の構成例を示し
たが、結像レンズ系33でも同様で、1面のみアナモル
フィック面33Bを設ける場合は絞りからなるべく離れ
たレンズ面をアナモルフィック面とするのがよい。
【0120】尚、図示は省略したが、結像レンズ系33
の絞り位置は通常、接眼レンズ系と結像レンズ系の間に
ある。このためCCDに最も近いレンズ(特にその射出
側面)をアナモルフィック面とすると良い場合が多い。
【0121】尚、ここで硬性の内視鏡鏡の場合には対物
レンズ系、結像レンズ系の各々が絞りを有するかのよう
に述べたが、両絞りは間にある光学系に関して互いに共
役な位置に置かれているから、一方だけでもOKであ
る。
【0122】図10は本発明の第6実施例を有する立体
視内視鏡装置61を示す。この第6実施例の立体視内視
鏡62は、図7に示す硬性の内視鏡36の光学系を2本
ならべたものに類似した構成である。ただし接眼レンズ
系37は設けてない。
【0123】この立体視内視鏡装置61は硬性の挿入部
63を有する立体視内視鏡62と、立体視内視鏡62に
内蔵されたCCD64,64′に対する信号処理を行う
CCU65と、このCCU65で信号処理された映像信
号を表示するHD−TV66と、このHD−TV66に
表示される左右の内視鏡像を立体的に観察するための液
晶シャッタを設けた眼鏡67と、図示しない光源装置と
から構成される。
【0124】挿入部63の先端部には、左右方向(つま
り、横方向或は水平方向で、第1実施例等と同様の座標
系では、x方向としている)に2つの対物レンズ系6
8,68′が両光軸が平行となるように距離dだけ離間
して配置されている。
【0125】2つの対物レンズ系68,68′は特性が
揃ったものが用いられ、対物レンズ系68、68′それ
ぞれが例えば第1実施例の対物レンズ系21と同様に第
1レンズがアナモルフィック68A、68′Aで構成さ
れ、それぞれ(縦方向に対して)横方向に16/9に圧
縮した像71、71′を結ぶ(第1実施例の対物レンズ
系21と同様に、物体側のレンズ面がアナモルフィック
面である)。
【0126】左右の(それぞれ圧縮された)像71、7
1′は挿入部63内には、左右の対物レンズ系68、6
8′の各光軸とそれぞれの光軸が一致するに左右方向に
2つのリレー光学系76、76′が配置され、(それぞ
れ圧縮された)像71、71′を後方に伝送する。つま
り、リレー光学系76を構成する例えば3つのリレーレ
ンズ系76A,76B,76Cにより、像71は像7
2、73、74となるようにして後方側に順次伝送され
る。
【0127】同様にリレー光学系76′を構成する3つ
のリレーレンズ系76′A,76′B,76′Cによ
り、像71′は像72′、73′、74′となるように
して後方側に伝送される。
【0128】リレー光学系76、76′で伝送された像
74、74′は把持部77に配置した1対のミラー7
8,79;78′,79′によりそれぞれ光路が変更さ
れた後、さらに結像レンズ系80、80′によりそれぞ
れCCD64、64′の撮像面に左右の像75、75′
を結ぶ。対物レンズ系68、68′のみがアナモルフィ
ックレンズ68A,68′Aを用いて構成されているの
で、CCD64、64′の撮像面に結像される左右の像
75、75′は横方向に圧縮された像となる。
【0129】従って、CCU65は対物レンズ系68、
68′でx方向に縮むように撮像された画像をx方向に
伸長する。また、この場合、左右の画像を例えば毎秒1
20フィールドで交互にHDーTV66の表示面上に表
示する。
【0130】そして、術者は液晶シャッタ付の眼鏡67
をかけてHDーTV66の表示面上に交互に表示される
左右の画像を観察する。この場合、眼鏡67は左右の画
像の表示期間と同期して、液晶シャッタが右又は左の眼
を遮断し、立体画像として視認される。
【0131】この実施例では2本の対物レンズ系68、
68′及びリレー光学系76、76′を挿入部63内に
横方向に並ぶように収納し、この横方向に圧縮して結像
する対物レンズ系68、68′を用いることで、中間像
がx方向に縮小されるのでリレー光学系76、76′の
横方向のサイズを細くすることができ、従って挿入部6
3の外径を細くできる効果がある。
【0132】なお、この実施例ではHD−TV66に表
示する場合に対応する立体視内視鏡62で説明したが、
現行のNTSC規格に対応する場合も同様に適用でき
る。
【0133】図11は本発明の第7実施例を備えた立体
視内視鏡装置81を示す。この第7実施例の立体視内視
鏡82は、第6実施例の立体視内視鏡62において、共
通のリレー光学系83を用いている。
【0134】また、この実施例では対物レンズ系84、
84′によって図12(a)に示すようにx方向に縮小
し、細長の像86、86′(各縦長の長方形部分が像8
6、86′の像範囲も示す)を結ぶようにしている。
【0135】つまり、リレー光学系83の直径は伝送す
る像2つ分の大きさが必要になる。この場合、図12
(b)に示すように伝送すべき像85、85′を圧縮し
ないで結像すると、実際の撮像に利用されない無駄にな
るる部分が大きくなると共に、リレー光学系83の直径
が太いものが必要になあるので、この実施例では対物光
学系84、84′によってx方向に縮小し、図12
(a)に示すように縦に細長の像86、86′を結ぶよ
うにしている。
【0136】つまり、対物レンズ系84、84′は図1
2(b)で示す横長の像85と相似の横長の物体を図1
2(a)に示すように縦長となるようにして横に2つ結
像するように圧縮する。例えば、HD−TV用の場合に
は縦横比が9:16の物体を横方向に圧縮し、リレーレ
ンズ系83Aの円形断面内に横方向に2つの縦長の像8
6、86′がほぼ内接するように結像する。
【0137】図12(a)のようにして、像をリレーす
れば、リレーレンズ系83A,83B,83Cの直径は
この図12(a)に示す如く小さくて済み、細い硬性の
内視鏡にできるようにしている。
【0138】リレー光学系83を構成するリレーレンズ
系83A,83B,83Cにより像86、86′は像8
7、87′…88、88′となり、さらに結像レンズ8
0、80′により像89、89′がCCD90、90′
の撮像面に結像される。
【0139】また、この実施例ではCCD90、90′
は図12(a)に示す像86、86′と同様な形状の撮
像面を有し、横方向に圧縮された像86、86′を解像
度を低下することなくそのまま撮像できるようにしてあ
る。
【0140】図12(a)と(b)とを比較すると、各
像の面積は図12(a)の方が大きくになっている。即
ち、この例では横長の像(図12(b))を横方向に圧
縮すると共に縦方向には伸張するようなアナモフィック
面を対物レンズ84、84′に設けて物体上の横長の領
域を縦長の画像として結像させるようにしている。
【0141】そして、2つの縦長の画像を並べてリレー
光学系83で伝送するようにしている。このようにする
と、ここの画像の面積はより大きくでき、また縦横比を
変えることによりリレー光学系83の断面の利用率が向
上し、細径のリレー光学系83を用いることができるの
である。この場合、圧縮した方向では解像度が劣化する
が伸張した方向では解像度が向上し、トータルとしての
解像度は向上するようになる。
【0142】縦方向を伸張することなく横方向の圧縮だ
け行えば画像は更に小さくなり、より一層細くできる。
【0143】なお、図12(a)に示す如く、最もリレ
ーレンズ系83Aの断面積が小さくなるのは2つの像8
6、86′が正方形を作る時である。この時、HD−T
V66の場合のx方向の圧縮率Rは (9/16)×R=2/1 であるから圧縮率Rは R=32/9=3.555 (14) となる。NTSC方式の場合には、 (3/4)×R=2/1 から圧縮率Rは R=8/3=2.667 (15) となる。
【0144】以上は理想的な場合であるがx方向に圧縮
しすぎると伸長した場合の画質が低下するので、 1.1<R<5.0 (16) 程度が実用的には望ましい。圧縮率Rの上限5.0は、
TV以外の横長の画像、たとえば立体ワイド映画のフィ
ルム等に撮影する場合を想定したものである。
【0145】NTSC或はHDTVの場合であれば式
(16)は 1.1<R<4.0 (17) 程度であればよい。
【0146】式(16)又は式(17)を満たすには、
y及びx方向の焦点距離Fx,Fyは 1.1<Fy/Fx<5.0 (18) 1.1<Fy/Fx<4.0 (19) を満たせば良い。その他の構成は図10と同様である。
この実施例によれば、共通のリレー光学系を用いること
により、別体の場合よりも左右の像のバラツキを少なく
でき、質の良い立体視ができる。また、挿入部を細径化
できる。
【0147】なお、式(16),(17),(18)は
図10の第6実施例にもあてはめることができる。
【0148】図11では2つの対物レンズ系84、8
4′を用いたが、この第1レンズを図13に示す如く、
1つのレンズで片側に2つの曲面をもつアナモルフィッ
クレンズ91Aで作った対物レンズ系91、91′にし
てもよい。図13(a)は横方向の断面で対物レンズ系
を示し、図13(b)は正面から見た状態の形状を示し
ている。
【0149】この図13のようにすると、内視鏡をより
小型にできる。なお、第2レンズ以後も一つのレンズで
片側に2つ以上の曲面をもつレンズで作ってもよい。ま
た、アナモルフィック面91Bは図示した第1レンズの
第2面以外に設けてもよい。
【0150】また、図13に示すアナモルフィックレン
ズ91Aの第1面は立体視の輻輳角をつけるため凸曲面
としてもい。図13の対物レンズ系91、91′は硬性
の内視鏡にも、ビデオスコープ等の軟性の内視鏡にも適
用できる。
【0151】図14は本発明の第8実施例の立体視内視
鏡としての立体視ビデオスコープ101であり、本実施
例はリレー光学系を用いない電子内視鏡を形成してい
る。
【0152】この立体視ビデオスコープ101は細長の
挿入部102の先端部に1対の対物レンズ系103、1
03′をx方向(横方向)に配置し、共通となる1つの
CCD104の撮像面に対象物の像105、105′を
分離して結ぶようにしている。
【0153】対物レンズ系103、103′はそれぞれ
第1レンズの物体側の面にアナモルフィック面103B
を持つアナモルフィックレンズ103A,103′Aを
有する。そして、対物レンズ系103、103′によっ
てx方向に縮小された像105、105′は、CCD1
04の撮像面上に図15(a)のように結像する。
【0154】図15(a)において、符号106は2つ
像105、105′が重なって写るのを防止する遮光板
である。この遮光板106の材質は光をさえぎるものな
ら黒い金属板等何でもよい。なお、図15(a)のよう
に四角形の像105、105′を形成するには正面から
対物レンズ系103、103′を見た時、四角形にする
必要がある。
【0155】この場合、対物レンズ系103、103′
は丸いままにして丸い像を形成し、CCD105の撮像
面上に四角形の視野枠を配置して、図15(a)のよう
に四角形の像105、105′を撮像するようにしても
良い。
【0156】通常の対物レンズ系を用いるとその画像
は、図15(b)の符号107、107′のように横長
に写るので、図14に示すCCD104より大きいCC
Dが必要になり、内視鏡の小型化に不利であるが、本実
施例では、横方向に圧縮するようにしているので、小型
のCCD104で済み、従って細径の内視鏡を実現する
ことができる。
【0157】なお、図14において、共通のCCD10
4の代わりに図16に示す変形例の立体視ビデオスコー
プ108のように2つのCCD109、109′を用い
るようにしても良い。
【0158】この変形例においても、アナモルフィック
レンズ103A,103′Aをもつ対物レンズ系10
3、103′を用いることで、CCD109、109′
をx方向に小型化することができ、細い挿入部102を
有する立体視内視鏡を得ることができる。
【0159】対物レンズ系103、103′は第1実施
例の対物レンズ系21と同様の理由で2つ以上のアナモ
ルフィック面を有すとなお良い。
【0160】図14又は図16の立体視ビデオスコープ
101、108において、対物レンズ系103、10
3′は図11、図12を参照して説明した場合と同様に
式(16)又は式(17),及び式(18)又は式(1
9)を満たすように設定できる。
【0161】図10、図11、図12の立体視内視鏡と
か図14の立体視ビデオスコープの実施例においても、
図8の実施例と同様に、式(12)及び以下に述べる式
(20),(21)及び式(13)が成り立つように設
定してもよい。
【0162】式(10)と同じ理由で実用的には、式
(18)に対応して 1.1≦Fv/Fu≦5.0 (20) 式(19)に対応して 1.1≦Fv/Fu≦4.0 (21) であればよい。
【0163】また式(6)と同じ理由で式(13)がな
りたつとよい。画像処理で画像を元に戻す場合の考え方
は像1つの場合も立体像(2つの像)の場合も同じこと
になる。また、リレー光学系を介する場合も、直接CC
Dで受ける場合も、画像処理で画像を元に戻すことに対
する考え方は同じことになる。
【0164】また、図14に示すこの実施例の立体視ビ
デオスコープ101では対物レンズ系103、103′
のy方向の両側に配置される照明レンズがアナモルフィ
ックレンズ111、111′を用いて形成されている。
挿入部102内を挿通されたライトガイド112、11
2′での先端は先端部の照明窓の内側にそれぞれ固定さ
れ、各照明窓には略同じ特性のアナモルフィックレンズ
111,111′で形成された照明レンズがそれぞれ取
り付けられている。
【0165】図17は一方のアナモルフィックレンズ1
11を示し、図17(a)はyz平面を含む断面で、図
17(b)はxz平面を含む断面で示している。
【0166】照明レンズはほぼ円形あるいは正方形等の
場合が多いが、このとき通常の回転対称な照明レンズを
用いると画面のサイズが短い上下方向には照明光を広げ
すぎ、また横方向には画面が長いため照明光が周辺まで
ゆきわたらなくなってしまうので、この実施例ではこの
点を改良して図17(a),(b)に示すようにアナモ
ルフィックレンズ111の縦方向の焦点距離fyと横方
向の焦点距離fxを |fy|>|fx| (22) が成り立つように設定している。アナモルフィックレン
ズ111′も同様である。又、アナモルフィック面11
1B、111′Bは例えばライトガイド側のレンズ面に
形成している。なお、照明レンズはは凹レンズでも凸レ
ンズでも良い。
【0167】実用的にはNTSC或はHD−TV等の場
合にはアナモルフィックレンズ111の機能をより有効
にするには |fy|>1.1|fx| (23) であると、画面周辺側まで光を配光できるのでなお良
い。
【0168】この実施例ではアナモルフィックレンズ1
11、111′を用いて対物レンズ系103、103′
による横長の観察視野の横方向側に照明光を拡開させる
ように照明光学系を構成しているので、従来例よりも、
横長の観察視野に照明光をより均一に分散(配光)させ
ることが可能になり、画像の角が暗くなるようなことを
有効に防止できる。
【0169】なお、ライトガイド112、112′の断
面形状は三日月形等の異形でもよい。また、図17に示
したように照明レンズをアナモルフィックレンズ111
で構成した照明光学系を他の実施例にも適用できること
は明らかである。
【0170】図18は本発明の第9実施例を備えた内視
鏡装置121を示す。この第9実施例の硬性のビデオス
コープ122はフォーカス機構123を備えた電子内視
鏡を形成している。
【0171】この内視鏡装置121はビデオスコープ1
22と、このビデオスコープ122内のライトガイド1
12に照明光を供給する光源装置124と、ビデオスコ
ープ122内のCCD125に対する信号処理を行う信
号処理回路126を内蔵したCCU127と、図示しな
いモニタとから構成される。
【0172】ビデオスコープ122は硬性の挿入部12
8と、その後端に形成した太幅の把持部(又は操作部)
129とを有し、挿入部128内に挿通されたライトガ
イド112はライトガイドケーブル131を介して光源
装置124に接続される。ライトガイド112は光源装
置124から供給される照明光を伝送し、その先端面か
らアナモルフィックレンズ111で形成された照明レン
ズを経て出射され、前方の物体を横方向に(縦方向より
も)広がる照明光で照明する。
【0173】照明された物体は先端部の観察窓に取り付
けた対物レンズ系132により、そのピント位置に像を
結ぶ。この対物レンズ系132の後方にはCCD125
が配置され、このCCD125は(先端部材にレンズ枠
を介して固定された)対物レンズ系132に対して前後
に移動自在であり、フォーカス機構123により任意の
距離の物体に対するピント出しを行うことができるよう
にしている。
【0174】従来例の内視鏡では固定焦点のものが多か
ったが、近年CCDの画素数がふえるにつれて、被写界
深度が浅くなり、ピント調整の可能な内視鏡が求められ
るようになってきた背景に対応したものである。
【0175】CCD125は挿入部128内を挿通され
た棒133の先端に固定されて一体化されており、この
棒133の後端には例えばラック部が形成され、操作者
が把持する手元側の把持部129内でピニオンギヤ13
4等のギヤを介してモータ135と接続されている。
【0176】そして、モータ135を回転させることに
よりピニオンギヤ134等のギヤを介して棒133が前
後に移動できるようにしてその先端のCCD125を対
物レンズ系132の光軸方向に前後動してフォーカス調
整を行うことができる。
【0177】このモータ135は例えばCCU127内
に設けた駆動回路136と接続され、フォーカススイッ
チ137(図18では簡単化のため1つのみ示す)の一
方或は他方をONすることによって、モータ135を時
計回り或は反時計回り方向に回転させることにより、C
CD125を前進、或は後退移動してフォーカス調整を
行うことができる。
【0178】なお、対物レンズ系132は例えば第1レ
ンズがアンモルフィックレンズ132Aで構成され、横
方向に圧縮した像を結ぶ。また、信号処理回路126は
横方向に圧縮された像を横方向に伸長する処理を行う。
【0179】この実施例によれば、HDーTV表示用の
CCDのように、現行のNTSC方式のCCDより画素
数が多い場合に対しても、フォーカス機構123が設け
てあるので鮮明な画像を表示させることができる。
【0180】なお、信号処理回路126に、例えば画像
の空間周波数の高域成分を抽出する回路を設けて、空間
周波数の最も高域成分が最も得られるようにフォーカス
機構123を制御してピント状態に設定するオートフォ
ーカス機構にしても良い。
【0181】なお、棒133を駆動する手段として、モ
ータ135の代わりにプランジャとかソレノイド等を用
いた駆動手段を使用してもよい。また、図18ではCC
D125を光軸方向に移動すると説明したが、対物レン
ズ系132側を光軸方向に移動する構成にしても良い。
【0182】図19は本発明の第10実施例を備えた内
視鏡装置141を示す。この第10実施例のビデオスコ
ープ142はオートフォーカス機構を備えた硬性の電子
内視鏡の例であり、またこの実施例のCCD144はそ
の撮像面が挿入部128の長手方向とほぼ平行に配置さ
れている。
【0183】挿入部128の先端に配置した対物レンズ
系145はその光軸が挿入部128の長手方向と平行で
あり、この対物レンズ系145の光軸上の後方位置に撮
像素子ユニット146が光軸方向に移動自在に配置され
ている。
【0184】撮像素子ユニット146を収納するユニッ
ト枠147内に光路変換手段となる第1のプリズム14
8と、第2のプリズム149とが収納され、これらプリ
ズム148、149を経て挿入部128の長手方向に平
行な光路から直交する光路に変換され、ユニット枠14
7に取り付けたCCD144の撮像面に光を導くように
している。
【0185】つまり、対物レンズ系145を経た入射光
は、第1のプリズム148に入射し、この第1のプリズ
ム148の斜面で直角方向に反射されて第2のプリズム
149に入射し、この第2のプリズム149の斜面で反
射され、さらに隣接する斜面で全反射されて反対側の斜
面で再び反射されて第2のプリズム149に入射面に垂
直な光路を経て対向するCCD144の撮像面に射出す
る。
【0186】ユニット枠147は図18と同様に棒13
3の先端に固定され、この棒133の後端にはマグネッ
トが取り付けられ、このマグネットはソレノイド151
に流す電流の向きで、バネによる付勢力に抗して前進或
は後退移動させることができる。マグネットが取り付け
られた棒133の移動と共に、ユニット枠147も対物
レンズ系145の光軸方向に、前進或は後退移動する。
つまり、棒133の移動と共に、ユニット枠147内の
プリズム148、149、CCD145が対物レンズ系
145の光軸方向に移動し、フォーカス調整を可能にし
ている。
【0187】ソレノイド151はCCU127内のオー
トフォーカス駆動回路152と接続され、このオートフ
ォーカス駆動回路152は信号処理回路153からの輝
度信号成分を取り込み、その信号成分の高域成分をHP
F等を経て抽出し、かつその抽出した信号成分をFFT
(高速フーリエ変換)等で高域成分の周波数分布を短時
間で算出し、この周波数分布の高域成分が最大となるよ
うにソレノイド151に流す電流の向き及び値を制御
し、常時オートフォーカス状態に維持する。なお、対物
レンズ系145は例えば第1レンズがアナモルフィック
レンズ145Aであり、横方向を画像を圧縮する。その
他の構成は図18と同様である。この実施例ではCCD
144の撮像面を挿入部128の長手方向と平行に配置
しているので、図18の実施例より大きなCCD144
を挿入部128内に収められ、より高い解像度の画像が
得られる点で有利である。
【0188】なお、この実施例ではCCD144の撮像
面の短辺の長さは挿入部128のほぼ直径で制約される
が、長辺方向の長さはあまり制約されない。このため、
例えば図19のCCD144の位置に2つのCCDを配
置して、図19における対物レンズ系145の光軸の上
下両側で瞳分割するタイプの立体視用ビデオスコープを
構成するようにしても良い。
【0189】図20は第10実施例の第1変形例におけ
る硬性のビデオスコープ155の挿入部128の先端側
の構成を示す。対物レンズ系156の光軸上の後方位置
に撮像素子ユニット157が配置され、この撮像素子ユ
ニット157を収納するユニット枠158が棒133の
先端に固定されている。
【0190】このユニット枠158には、対物レンズ系
156の光軸上の後方位置に2等辺の3角プリズム15
9が配置され、この3角プリズム159の斜面で反射し
て光路を直角方向に変更し、出射面に対向するようにそ
の撮像面が配置されたCCD160に像を結ぶ。対物レ
ンズ系156の例えば第1レンズがアナモルフィックレ
ンズ156Aであり、CCD160の撮像面に横方向に
像を圧縮して結ぶ。その他は図19と同様の構成であ
る。
【0191】この第1変形例では3角プリズム159及
びCCD160がユニット枠158の移動と共に一体と
なって動き、フォーカスが行われる。この第1変形例で
は撮像素子ユニット157内の光学素子はCCD160
以外は3角プリズム159のみであり、シンプルな構成
であるので、低コストでできる。
【0192】図21は第10実施例の第2変形例におけ
る硬性のビデオスコープ161の挿入部128の先端側
の構成を示す。対物レンズ系162の光軸上の後方位置
に撮像素子ユニット163が配置され、この撮像素子ユ
ニット163を収納するユニット枠164が棒133の
先端に固定されている。
【0193】このユニット枠164には、対物レンズ系
161の光軸上の後方位置に2等辺でない3角プリズム
165が配置され、対物レンズ系161の光軸に沿って
入射された光はこの3角プリズム165の斜面で全反射
され、さらに上面で鋭角的に反射されて、斜面に直交す
る光路を経て、この斜面に対向するようにその撮像面が
配置されたCCD166に像を結ぶ。対物レンズ系16
2の例えば第1レンズがアナモルフィックレンズ162
Aであり、CCD166の撮像面に横方向に像を圧縮し
て結ぶ。その他は図19と同様の構成である。
【0194】この第2変形例ではCCD166を挿入部
128の長手方向と平行でなく、斜めに配置したもの
で、3角プリズム165は1つであるが、2回反射のた
め正立像が得られるのが特徴である。その他は図19と
同様の構成である。
【0195】この第2変形例は、第1変形例と同様に3
角プリズム165及びCCD166がユニット枠164
の移動と共に一体となって動き、フォーカスが行われ
る。この第2変形例も撮像素子ユニット163内の光学
素子はCCD166以外は3角プリズム165のみであ
り、シンプルな構成であるので、低コストでできる。ま
た、この第2変形例は、図20の配置の場合よりも、C
CD166の撮像面のサイズを大きくできる。
【0196】なお、図19〜21の実施例及び変形例に
おいて、撮像素子ユニットを移動してフォーカスを行う
ようにしているが、この代わりに対物レンズ系全体又は
対物レンズ系の一部のレンズを移動してフォーカスを行
うようにしてもよい。
【0197】また、図18〜21の実施例及び変形例に
おいては手元側にフォーカスするための駆動機構を設け
ているが、先端部付近或は挿入部128内に配置しても
良い。
【0198】これまでの実施例等ではHD−TV等に内
視鏡画像を表示する場合、TV画面全面,あるいはほぼ
その相似形,すなわちほぼ長方形の画像を表示すること
を考えてきたが、必ずしも長方形に限らなくても良い。
【0199】図22(a)に示すようにTVの画面16
7の中に、長方形の4つの角を切り落とした八角形、あ
るいは図22(b)のように、長方形の角を丸めた形を
画像表示領域167Aとしてもよい。
【0200】このようにすると、固体撮像素子としての
例えばCCDの撮像面で実際に利用する範囲168は、
図23(a)の如く、ほぼ正方形におけるその4つの角
を落とした八角形又はその類似の形となり、図23
(b)に示す如く、リレー光学系の円形面積に対する像
168′の占有率が向上するので、さらにリレー光学系
のレンズ径を小さくすることができ、細径の内視鏡を作
ることができる。
【0201】この場合、図22(a)に示す画像表示領
域167Aの縦及び横の長さをV及びHとし、切り欠き
部分の縦及び横の長さをLv及びLhとすると、 Lv<V/3 (24) Lh<H/3 (25) とした方がテレビ画面の有効活用上望ましい。
【0202】また、図23(a)に示すようにCCDの
撮像面の縦及び横の長さv及びhに対し、4つの角を縦
及び横の長さDv及びDhで切り欠くようにして実際に
利用する範囲168を設定した場合、これら図22
(a)、図23(b)において、 Dv/v≒Lv/V (26) Dh/h≒(v/h)×(H/V)×(Lv/V) (27) がほぼ成り立つのでLv ,Lhを与えて式(24)〜
(27)を連立させて解けば、Dv ,Dhを求めるこ
とができる。
【0203】なお、Dv ,Dhの値は、式(24)〜
(27)の解に対して、±20%の範囲内で変わって
も、医用の内視鏡画像等、不定形の対象物を見る場合に
は問題ない。一方、Lv ,Lhの値をDh,Dvから
求める場合も式(24)〜(27)を解けばよく、同様
にその解の存在範囲も±20%の幅まで許容される。
【0204】医用の硬性内視鏡の場合、内視鏡をその長
手方向を軸として回転させて使用したい場合がある。こ
の場合、図27に示すように従来の内視鏡202ではラ
イトガイド221と観察光学系とが一体であり、外部に
延出されたライトガイドケーブル224が、(内視鏡を
回転させた場合に)挿入部208に巻き付いて、操作性
が悪くなる欠点がある。TVカメラ204のみを回した
のでは観察光学系の画角の広い方向と、CCD205の
長手方向とが一致せず、画像にケラレが生ずる。
【0205】そこで本発明の第11実施例では図24に
示すように、別体の観察光学系ユニット170と、照明
光学系ユニット171とで硬性の内視鏡172を形成し
ている。
【0206】観察光学系ユニット170は、細長の円管
状の外套管の先端部内に対物レンズ系173が配置さ
れ、この対物レンズ系173の光軸にその光軸が一致す
るようにリレー光学系174を形成するリレーレンズ系
174A,174B,174Cが配置され、後方に像を
伝送する。
【0207】上記外套管の後端は、後方側に拡径となる
接眼部175が形成され、リレーレンズ系174Cに対
向して接眼部175内に接眼レンズ系176が配置さ
れ、この接眼レンズ系176を介して肉眼で観察するこ
とができる。
【0208】また、接眼部175にTVカメラ177を
装着した場合にはさらに結像レンズ系178を介して、
リレー光学系174で伝送した像をCCD179の撮像
面に結像する。CCD179で光電変換された画像信号
はCCU180で信号処理され、HD−TV181に表
示する。
【0209】上記観察光学系ユニット170が収納され
た外套管は、リング形状の照明光学系ユニット171の
内管内に挿脱自在であると共に、回転自在である。つま
り、この内管の内径は外套管の外径より僅かに大きくし
て、観察光学系ユニット170を挿脱自在及び回転自在
に収納する観察光学系ユニット収納部182を形成して
いる。
【0210】この照明光学系ユニット171は、内管と
外管との間に図25に示すようにリング状にライトガイ
ド184を収納し、外管の後端を拡径にした拡径部内で
リング状に挿通したライトガイド184を1本に束ねて
ライトガイド口金185に固定し、このライトガイド口
金185に接続されるライトガイドケーブル186を介
して光源装置187に接続している。
【0211】そして、光源装置187のランプ188の
照明光をライトガイドケーブル186内のライトガイド
を介して照明光学系ユニット171内のライトガイド1
84に供給し、このライトガイド184の先端面から前
方に出射するようにしている。
【0212】なお、対物レンズ系173は第1レンズが
アナモルフィックレンズ173Aで形成され、横方向に
圧縮した像を結ぶ。また、接眼レンズ系176の第1レ
ンズがアナモルフィックレンズ176Aで形成され、横
方向に圧縮して伝送された像を横方向に(圧縮率の逆数
で)伸長する。
【0213】この実施例では照明光学系ユニット171
の中で観察光学系ユニット170を回転可能であり、観
察光学系ユニット170側を回転した場合にTVカメラ
177も共に回転されるので、対物レンズ系173の横
方向とCCD179の長手方向とが一致したまま回転で
き、従ってライトガイドケーブル186が(観察光学系
ユニット170側に)巻き付くことを解消できるし、ケ
ラレが発生することも防止できる。
【0214】図24は立体視内視鏡を構成する場合にも
適用することができる。立体視内視鏡の場合にはTVカ
メラの方向と観察光学系の方向が一致していることがよ
り厳しく要求されるが、図24のような構成にすれば観
察光学系ユニット170側と照明光学系ユニット171
側が相互に回転できるのでこの要求に対処できる。
【0215】また、対物レンズ系として斜視の対物レン
ズ系を用いた場合でも同様の構造にしておけば操作上の
メリットがある。図26は斜視の対物レンズ系191を
用いた場合の観察光学系と照明光学系とを示す。
【0216】この図26では観察光学系側はリレー光学
系174で伝送した像を結像レンズ系192でCCD1
93に再結像する構成になっている。つまり、接眼レン
ズ系を省いてCCD193に圧縮した像を結ぶようにし
ている。
【0217】照明光学系側はランプ194の照明光をレ
ンズで集光してライトガイド195に供給し、先端面か
ら(伝送した照明光を)広がるように出射するようにし
ている。
【0218】図26の場合にも対物レンズ系191の画
角の広い方向とCCD193の方向とが一致したまま、
照明光学系側に対して観察光学系側を回転できるように
すると、操作性を向上することができる。
【0219】リレー光学系の開口数NAについて言及す
ると、CCDの1画素の寸法を(x方向及びy方向で表
記した場合)Px,Pyとする時、ナイキスト限界はお
よそ1/2√(PxPy)となる(ここで、√は括弧内
の値PxPyの平方根を表す。
【0220】一方、光の波動性からリレー光学系の解像
限界は(レーリーリミットの考えより)λ・0.61/
NAである。ここでλは光の波長であり、可視域ではほ
ぼ0.4μ<λ<0.7μとなる。
【0221】従って、CCDが有効に利用されるために
は 1/2√(PxPy)<NA/(λ・0.61) (28) であればよい。実用的にはレンズの製造誤差もあるの
で、 1/√(PxPy)<NA/(λ・0.61) (29) である方がよい。
【0222】なお、NTSC方式の固体撮像素子はHD
−TV用固体撮像素子に比べて入手し易いので、この垂
直:水平の寸法比が約3:4の長方形のNTSC用固体
撮像素子にHD−TVの垂直:水平の寸法比が約9:1
6の物体像を結像させるのにアナモルフィックレンズを
用いた対物レンズ系を用いるようにしても良い。
【0223】この時、式(2)に代わって Fy/Fx≒(16/9)/(4/3)=4/3 (30) であれば良い。
【0224】実用的には文字表示スペース、歪曲収差の
影響、倍率誤差の許容値の被写体による差があるので、 1.0<Fy/Fx<1.7 (31) まで許容される。また、さらに、式(11)、(13)
を満たすようにすれば、正しい画像を表示できる撮像装
置が得られる。
【0225】なお本発明で『画像を表示する』と言う場
合、通常の横長の35mmフィルムに撮影する場合等も
含むものとする。また、横長の視野絞りをもつ内視鏡を
接眼レンズ系を経て、肉眼観察する場合も含むものとす
る。また内視鏡としてはファイバースコープでもよい、
イメージガイドの入射端にアナモルフィックレンズを用
いて横方向に縮小した画像を結像させれば、細いイメー
ジガイドを用いることができ、小型の内視鏡を実現でき
るからである。なお、リレー光学系として、(セルフォ
ックレンズと呼ばれる)屈折率分布型のレンズを用いて
構成しても良い。
【0226】なお、本発明は上述した実施例及び変形例
に限定されるものでなく、それらの一部などを部分的に
組み合わせる等して構成される実施例或は変形例も本発
明に属する。
【0227】[付記] (1)前記アナモルフィックレンズを用いて横方向に圧
縮された画像を、アナモルフィックレンズまたは電気的
あるいは画像処理的手段によって横方向に伸長して表示
する手段を有する請求項1記載の内視鏡。
【0228】(2)観察光学系とは別体で設けられた照
明光学系に対して観察光学系が回転可能である請求項1
記載の内視鏡。
【0229】(3)長方形の四隅をカットした形に画像
をHD−TVに表示する請求項1記載の内視鏡。
【0230】(4)前記アナモルフィックレンズを用い
て横方向に圧縮された画像を、アナモルフィックレンズ
を用いた接眼レンズ系またはアナモルフィックレンズを
用いた結像レンズ系または電気的あるいは画像処理的手
段によって横方向に伸長して表示する手段を有する請求
項2記載の硬性内視鏡。
【0231】(5)少なくとも2つのアナモルフィック
面を全光学系中に用いて横方向に圧縮された画像を前記
像伝送光学系によって伝送する請求項2記載の内視鏡。
【0232】(6)少なくとも2つのアナモルフィック
面を全光学系中に用いて横方向に圧縮された画像を像伝
送光学系によって伝送し、かつ接眼レンズ系または結像
レンズ系によって横方向に伸長する付記5記載の内視
鏡。
【0233】(7)前記アナモルフィックレンズを用い
て横方向に圧縮され、伝送された画像をアナモルフィッ
クレンズを用いた接眼レンズ系または結像レンズ系ある
いは電気的あるいは画像処理的手段によって横方向に伸
長して表示する請求項3記載の立体視内視鏡。
【0234】(8)先端部に設けられたプリズムと一体
で前記固体撮像素子を手元側から駆動することによって
フォーカスを行う請求項5記載の立体視内視鏡。
【0235】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、横長
の画面に画像を生成する内視鏡において、アナモフィッ
クレンズを用いた対物レンズ系で横方向に圧縮した画像
にして像伝送光学系によって伝送するようにしているの
で、像伝送光学系による実質的な像伝送効率を増大で
き、明るい像にできるし、S/Nを増大することができ
る。
【0236】また、横長の画面に画像を生成する立体視
内視鏡において、アナモフィックレンズを用いた複数の
対物レンズ系によって横方向に圧縮された画像を像伝送
光学系によって伝送するようにしているので、像伝送光
学系による実質的な像伝送効率を増大でき、明るい像に
できるし、S/Nを増大することができる。また、挿入
部を細径化できる。
【0237】また、観察光学系と照明光学系とを有する
内視鏡において、アナモフィックレンズを用いた照明光
学系を設けることにより、観察光学系の視野範囲をより
均一な配光状態で照明できる。
【0238】また、先端部に対物レンズ系と、固体撮像
素子とを内蔵した電子内視鏡において、前記対物レンズ
系をアナモフィックレンズを用いて前記固体撮像素子に
横方向に圧縮した像を結像すると共に、手元操作部から
駆動することによってフォーカス距離を変更するフォー
カス手段を設けるようにしているので、鮮明な画像が得
られる。
【0239】1つのレンズの少なくとも片側に2つ以上
の曲面を設けたアナモフィックレンズを有する立体視内
視鏡を構成することにより、挿入部を細径化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を備えた内視鏡装置の全体
を示す構成図。
【図2】第1実施例の内視鏡における対物レンズ系を示
す図。
【図3】第1実施例における接眼レンズ系を示す図。
【図4】アナモルフィックレンズを示す図。
【図5】圧縮されて伝送される像のサイズ形状を示す説
明図。
【図6】本発明の第2実施例の電子内視鏡の構成図。
【図7】本発明の第3実施例を備えた内視鏡装置の全体
を示す構成図。
【図8】本発明の第4実施例を備えた内視鏡装置の全体
を示す構成図。
【図9】本発明の第5実施例における対物レンズ系を示
す図。
【図10】本発明の第6実施例を有する立体視内視鏡装
置を示す構成図。
【図11】本発明の第7実施例を有する立体視内視鏡装
置を示す構成図。
【図12】第7実施例の対物レンズ系による結像作用の
説明図。
【図13】第7実施例において共通化したアナモルフィ
ックレンズを示す説明図。
【図14】本発明の第8実施例の立体視ビデオスコープ
の先端側を示す構成図。
【図15】第8実施例における対物レンズ系の結像作用
の説明図。
【図16】第8実施例の変形例の先端側を示す構成図。
【図17】第8実施例における照明光学系を示す説明
図。
【図18】本発明の第9実施例を有する内視鏡装置の構
成図。
【図19】本発明の第10実施例を備えた内視鏡装置の
構成図。
【図20】第10実施例の第1変形例の先端側の構成を
示す図。
【図21】第10実施例の第2変形例の先端側の構成を
示す図。
【図22】TVの画面の中に角を切り落とした八角形等
で表示するようにした、画像表示領域を示す説明図。
【図23】図22に対応したCCDの撮像範囲を示す説
明図。
【図24】本発明の第11実施例を有する内視鏡装置の
構成図。
【図25】第11実施例の正面図。
【図26】本発明の第12実施例の光学系を示す構成
図。
【図27】従来例の構成を示す構成図。
【符号の説明】
1…内視鏡装置 2…内視鏡 3…TVカメラ 4…光源装置 5…CCU 6…HD−TV 7a〜10a,7b〜10b…像 21…対物レンズ系 21A…アナモルフィックレンズ 22…リレー光学系 22A,22B,22C…リレーレンズ系 23…接眼レンズ系 23A…アナモルフィックレンズ 24…結像レンズ系 25…CCD

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横長の画面に画像を生成する内視鏡にお
    いて、アナモフィックレンズを用いた対物レンズ系で横
    方向に圧縮した画像を像伝送光学系によって伝送するこ
    とを特徴とする内視鏡。
  2. 【請求項2】 横長の画面に画像を生成する硬性内視鏡
    において、アナモフィックレンズを用いた対物レンズ系
    で横方向に圧縮した画像を像伝送光学系によって伝送す
    ることを特徴とする硬性内視鏡。
  3. 【請求項3】 横長の画面に画像を生成する立体視内視
    鏡において、アナモフィックレンズを用いた複数の対物
    レンズ系によって横方向に圧縮された画像を像伝送光学
    系によって伝送することを特徴とする立体視内視鏡。
  4. 【請求項4】 観察光学系と照明光学系とを有する内視
    鏡において、アナモフィックレンズを用いた照明光学系
    を有することを特徴とする内視鏡。
  5. 【請求項5】 先端部に対物レンズ系と、固体撮像素子
    とを内蔵した電子内視鏡において、 前記対物レンズ系をアナモフィックレンズを用いて前記
    固体撮像素子に横方向に圧縮した像を結像すると共に、
    手元操作部から駆動することによってフォーカス距離を
    変更するフォーカス手段を設けたことを特徴とする電子
    内視鏡。
  6. 【請求項6】 1つのレンズの少なくとも片側に2つ以
    上の曲面を設けたアナモフィックレンズを有する立体視
    内視鏡。
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