JPH0729142Y2 - 車両用のターンテーブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、立体駐車場等に配備さ
れる車両用のターンテーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般の立体駐車場は車両の向きを変える
ためのターンテーブルを備えている。ターンテーブルは
回転自在に支持された円盤で構成され、運転者の運転に
よりターンテーブルに乗り入れしている。この種のター
ンテーブルにあっては、車両の一部がテーブルからはみ
出てているとテーブル旋回時に破損事故や人身事故を発
生するため、車両をターンテーブルの中央位置に乗り入
れすることが重要となる。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】従来のターンテーブ
ルには次のような問題点がある。

【０００４】＜イ＞ 車両をターンテーブルへ乗り入れ
る際、車輌位置の認識は運転者の熟練程度により大きな
ばらつきがある。特に初心者の場合、車両をターンテー
ブルの定位置まで正確に乗り入れることが難しい。

【０００５】＜ロ＞ ターンテーブルへの乗り入れを容
易にするために、ターンテーブルの床面に、乗り入れ方
向と平行にラインを表示したり、タイヤの走行方向を強
制的に規制する溝を乗り入れ方向と平行に形成するする
方法が知られている。前者の方法にあっては運転席から
ラインが見難く、車両の誘導に余り役立たない。後者の
方法にあっては、異種の車両に適用できるように、溝幅
が車幅の最も大きな車両に合わせてあるために、車幅が
小さい場合は車両がターンテーブルの中心線に対し曲が
って乗り入れし易いうえに、タイヤが溝壁に擦れると不
快な異音を発生する。

【０００６】＜ハ＞ 車両の誘導方法としてターンテー
ブルの真上の天井に誘導用の棒体を垂下する方法が考え
られる。しかし、ターンテーブルの回転時に車両が静止
する棒体に接触して車両や棒体が損傷する危険があり、
ターンテーブルの誘導への採用は不向きである。

【０００７】

【本考案の目的】本考案は以上の問題点を解決するため
に成されたもので、その目的とするところは車両の誘導
効果が高く、しかも車両が損傷する心配のない、車両用
のターンテーブルを提供することにある。

【０００８】

【問題点を解決するための手段】本考案は、車両を搭載
したまま、車両の向きを転換する回転版により構成する
車両用のターンテーブルにおいて、ターンテーブルの上
面に、車両の進入方向と平行に一対の門型の門柱を一体
に立設し、前記各門柱の水平部に車両の進入方向に沿っ
て複数の車両誘導用の紐体を列状に垂下したことを特徴
とする、車両用のターンテーブルである。

【０００９】

【実施例】以下図１を参照しながら本考案の実施例につ
いて説明する。

【００１０】＜イ＞ターンテーブル 図１は駐車場の出入口付近の斜視図で、ターンテーブル
１は駐車場の一部に形成したゲート２の近傍に配設され
る。本考案のターンテーブル１はゴンドラ式、エレベー
タ方式等公知の駐車場に適用できる。このターンテーブ
ル１は鉛直に向けた回転軸を中心に水平回転自在に支持
される回転体で、公知の各種ターンテーブルを含むもの
である。本実施例は図示しないゲート２内の空間が区画
されていて多数の駐車室を有し、車両３の下部に潜入し
タイヤを把持して車両３を持ち上げ、ターンテーブル１
から駐車場内に画成された各駐車室との間を運搬移動す
る図示しないキャッチャーを備えた立体駐車場に適した
ターンテーブルを示す。このターンテーブル１はテーブ
ル中央にキャッチャーが出入りするため連続した凹溝１
１が形成されていると共に、この凹溝１１の両側上縁に
はキャッチャー走行用のレール１２が敷設されている。
また各レール１２の外側のテーブル面には、合計４箇所
の切欠が開設され、各切欠内に車両３の進入方向と平行
に支軸を向けて複数のローラ１３群が配設されている。
各ローラ１３群は車両３の進入方向に対し左右方向のロ
ーラ１３単位で回転が同時に制御され、各組のローラ１
３群の駆動部は図示しない車体位置感知用のセンサと連
動し、センサは車両３の前輪と後輪とがターンテーブル
１の仮想中心線に対するずれ量を検知すると共に、ずれ
ている場合は各ローラ１３群を修正方向に正逆転させて
車両３の乗り入れ位置を強制的に修正するように構成さ
れている。 また、本考案は図示するターンテーブル１
に限定されず、公知のあらゆるターンテーブルに適用で
きることは勿論である。尚、キャッチャーを用いた立体
駐車場に関する技術や修正用のローラ群を備えたターン
テーブル１に関する技術は出願人が出願済みで、公知に
なっている。

【００１１】＜ロ＞誘導装置 本考案に係る誘導装置はターンテーブル１と一体に固定
され、車両３の進入方向と平行に立設した一対の門型の
門柱４、４と、各門柱４、４の水平部４１に車両３の進
入方向に沿って垂下した複数の車両誘導用の紐体５とに
より構成される。 各門柱４、４の設置位置は車両３の
進入を阻止しない位置とし、車幅の最も大きな車両に合
わせて設計される。尚、本実施例では門柱４、４の上部
に連結材４２、４２を配設して補強する場合を示すが、
連結材４２、４２を省略してもよく、また型水平部４１
をロープ材で代用してもよい。紐体５はターンテーブル
１における車両３の乗り入れ位置を空中に表示するため
のもので、樹脂製の軽量チェーン等が好適である。した
がって、各門柱４、４に垂下する紐体５の対向間隔は各
列の紐体５の垂下位置からターンテーブル１の仮想中心
線までの距離がほぼ等しく設定される。

【００１２】つぎに車両の誘導方法について説明する。

【００１３】＜イ＞車両の前進 車両３は運転者の運転によりターンテーブル１上に立設
する一対の門柱４、４間を目安にターンテーブル１上へ
乗り入れを開始する。運転者は、ターンテーブル１上方
より垂下する左右の紐体５列を目安に車両３をターンテ
ーブル１へ乗り入れする。紐体５群が車両３の進入方向
に沿って複数垂下されているため、運転者は前方を見な
がら車両３のボディと左右いずれかの列の紐体３とを注
視するだけで、ターンテーブル１上における車両３の位
置や曲がり具合を容易に認識することができる。この効
果は、車両の窓から身を乗り出して車輪と床面のライン
表示とを頻繁に確認する従来の車両の誘導技術と比較し
て顕著である。また運転を誤って車両３が紐体５に接触
しても紐体５は外側に振れるだけで車両３を傷つける心
配がない。車両３をターンテーブル１上の所定位置に乗
り込ませたら、運転者は車両を停止して下車する。

【００１４】＜ロ＞テーブルの回転 運転者の下車を確認してターンテーブル１をゲート２方
向に回転する。ターンテーブル１が回転する際、紐体５
群も車両３と一緒に回転移動するため、紐体５が車両３
に絡み付く心配がない。ターンテーブル１がゲート２位
置まで回転したら、図示しないキャッチャーにより、或
いは運転者の運転によりターンテーブル１上の車両３を
駐車室内へ入庫する。

【００１５】

【考案の効果】本考案は以上説明したように、複数の紐
体をターンテーブルの車両の進入方向に沿って垂下した
ことにより、誘導機能を有する紐体を車内から簡単に目
視でき、ターンテーブルにおける車両位置と車両の曲が
り具合を容易に認識することができる。そのため、ター
ンテーブルの床面に細工した従来の誘導方法に比べて、
簡単にしかも正確に車両をターンテーブルへ乗り入れで
きる。また種々のターンテーブルに適用でできて適用性
に優れる。さらに紐体をターンテーブル側に固定したこ
とにより、テーブルの回転中に紐体の絡み付きを回避で
き、車体や紐体の損傷を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るターンテーブルの一部を省略し
た斜視図

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両を搭載したまま、車両の向きを転換
   する回転版により構成する車両用のターンテーブルにお
   いて、 ターンテーブルの上面に、車両の進入方向と平行に一対
   の門型の門柱を一体に立設し、 前記各門柱の水平部に車両の進入方向に沿って複数の車
   両誘導用の紐体を列状に垂下したことを特徴とする、 車両用のターンテーブル。