JP3682242B2 - 観覧車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、観覧車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の観覧車は、地上又は建物の屋上に設置された支持枠に、回転自在に円形環体を枢支し、この円形環体に多数の観覧かごを吊下げていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回転する円形環体の内側に、補強杆が多数設けられているために、その内側空間を利用することはできなかった。そして、観覧車の設置には、円形環体の直径に応じた広い設置面スペースを要していた。
【0004】
そこで、本発明は、観覧かごが移動する軌跡の内側空間を建物の一部として利用することができる観覧車を提供することを目的とする。また、観覧かごの数に比して狭い設置面スペースに設置可能で、かつ、眺望に優れた観覧車を提供することを他の目的とする。また、観覧車のフレームの支持を、少ない鋼材にて合理的に行なうことを別の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る観覧車は、建物Bに付設される観覧車に於て、観覧かご1…を案内する環状固定フレームKが略縦長状長円形であって、該環状固定フレームKの最下部は上記建物Bの中間階10に対応し、かつ、該環状固定フレームKの内側に上記建物Bの一部Gが張出すように構成され、建物Bの前記一部Gから延出した鉄骨フレームTの延出部にて、環状固定フレームKを、支持固定したものである。
また、この観覧車において、建物Bの正面の両側縁に環状固定フレームKが配置される切欠き部をそれぞれ設けると共に二つの切欠き部の間において上記建物Bの一部Gが張出すように形成したものである。
【0006】
また、建物Bに付設される観覧車に於て、観覧かご1…を案内する環状固定フレームKが略縦長状長円形であって、該環状固定フレームKの最下部は上記建物Bの中間階10に対応し、かつ、建物Bの一側面と他側面に、それぞれ環状固定フレームKが配置される溝部を設け、この各溝部を連通するように貫通部Aを設けて、環状固定フレームKが貫通部Aにおいて建物Bを貫通し、建物Bの前記溝部の両側の内側面の、互いに対向する位置からそれぞれ延出した鉄骨フレームTの延出部にて、この各延出部同士を結ぶ位置で環状固定フレームKを、両側から支持固定したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示す。この観覧車は、建物Bに付設される観覧車であって、観覧かご1…を案内する環状固定フレームKが略縦長状長円形とされる。回転軸心が存在しない構造のため、観覧車の幅寸法W0 を、建物Bの水平方向の長さ寸法Wb に対応して、略同一以下の幅寸法W0 に、自由に、設定することができる。
【0010】
環状固定フレームKの最下部は建物Bの中間階10に対応する。よって、建物Bの中間階10にて、観覧車に乗り降りすることができる。
2は、上面2aに観覧車の乗り場3が付設される支持部であって、地面Sから立設される。支持部2によって、観覧車を、既設の建物Bの側面に付設することができる。なお、図2のように補強フレーム5…を屋上等と連結するのが良い。勿論、建物Bと観覧車を、図1・図2のように、共に新設することも好ましい。
【0011】
簡略図にて示した図3及び図4に示すように、この観覧車は、環状固定フレームKの内側に建物Bの一部Gが張出すように構成される。すなわち、環状固定フレームKの内側の空間を有効利用するように、建物Bの上方の階の一部Gが、張出して構成される。
【0012】
そして、建物Bの鉄骨フレームTの建物Bから延出した延出部にて、環状固定フレームKが、支持固定される。地面S(図1参照)から支持フレームを全て立ち上げる場合と比較して、環状固定フレームKの支持フレームの軽量化・合理化・簡略化を図ることができる。
【0013】
図5及び図6は、第2の実施の形態を示す。すなわち、この観覧車は、乗り場3が、建物Bの中間階10から外方へ突出状に連設されている。第1の実施の形態のように支持部2(図1・図2参照)を立設する場合と比較して、容易に付設することができるとともに、地面S側の(下方の)空間を有効に利用することが可能になる。
【0014】
特に、図5・図6は建物Bと観覧車との融合した一体デザイン化が進んで外観(美感)上、優れたものである。そして、建物Bの鉄骨フレームTと、環状固定フレームKとの、一体化乃至連結が、強固に実施可能な構造となっている。すなわち、建物Bの張出した一部Gに於て、建物Bの鉄骨フレームT自体が、観覧車の環状固定フレームKと、区別できない程度まで、融合一体化することも可能である。
【0015】
そして、建物Bの張出した上記の一部Gを含む階を、展望レストランやテーマタウンやアミューズメントフロア等とすることが、望ましい。
【0016】
図7〜図9は、第3の実施の形態を示す。環状固定フレームKの最下部が、建物Bを貫通状に設置される。つまり、建物Bは、貫通部Aを有し、この貫通部Aを貫通状に、環状固定フレームKが設置される。
【0017】
この貫通部A内に乗り場3を設けるが、そのようにすれば、部屋の中から観覧かご1に乗る感じを乗客に与え得て、観覧かごに乗込んで外方へ出る際、風景が一変するという味わい方を実現できる。かつ、雨のときにも、傘を要さずに、乗り降りできる利点もある。
【0018】
図10は、第4の実施の形態を示す。この観覧車は、観覧車の幅寸法W0 が、建物Bの水平方向の長さ寸法Wb よりも大きい。既設の建物Bを改築して観覧車を設置するのが容易である。
【0019】
なお、図1又は図5に於て、(詳細は図示省略したが、)各観覧かご1は、かご支持枠11…と、複数の車輪を備え、その車輪が、環状固定フレームKの外周側のレール部12に沿って、転動しつつ、かご支持枠11及び観覧かご1を、走行案内する。また、観覧かご1は、かご支持枠11の先端の円形案内枠に沿って回転自在に保持され、又は、かご支持枠11の先端に水平軸心廻りに回転自在に吊下げられている。
【0020】
そして、全てのかご支持枠11は、チェーン等の連結部材にて、順次、連結されていて、減速機付きの駆動モータと挾持タイヤ等によって、上記連結部材を、環状固定フレームKに沿って搬送させることによって、観覧かご1…は、ゆっくりと送りが付与される。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0022】
(請求項1によれば)環状固定フレームKの内側空間を建物Bの一部として利用することができる。また、観覧かご1…の数に比して狭い設置面スペースに設置可能である。特に、幅が狭くて、高さに余裕がある場合に好適である。また、建物Bの水平方向の長さ寸法Wb に対応して、略同一以下の狭い幅寸法W0 に、自由に、設定することができる。
【0023】
(請求項2によれば)回転軸心が存在しない構造のため、建物Bを貫通させることができる。部屋の中から乗る感じが出せる。また、観覧かご1に乗った後、建物Bの外方へ出るときに、風景が変化する味わい方が出来る。雨の日も、傘を必要としない。
【0024】
(請求項1及び2によれば)観覧車用の保持鉄骨が、建物Bの鉄骨フレームT自体乃至鉄骨フレームTの建物から延出した延出部を活用できて、地面Sから立上げるよりも、容易・簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す正面図である。
【図2】側面図である。
【図3】説明用簡略斜視図である。
【図4】説明用簡略平面図である。
【図5】第2の実施の形態を示す正面図である。
【図6】側面図である。
【図7】第3の実施の形態を示す簡略斜視図である。
【図8】要部断面簡略正面図である。
【図9】簡略側面図である。
【図10】第4の実施の形態を示す簡略正面図である。
【符号の説明】
1 観覧かご
10 中間階
B 建物
G 一部
K 環状固定フレーム
T 鉄骨フレーム
Claims (3)
- 建物Bに付設される観覧車に於て、観覧かご1…を案内する環状固定フレームKが略縦長状長円形であって、該環状固定フレームKの最下部は上記建物Bの中間階10に対応し、かつ、該環状固定フレームKの内側に上記建物Bの一部Gが張出すように構成され、建物Bの前記一部Gから延出した鉄骨フレームTの延出部にて、環状固定フレームKを、支持固定したことを特徴とする観覧車。
- 建物Bに付設される観覧車に於て、観覧かご1…を案内する環状固定フレームKが略縦長状長円形であって、該環状固定フレームKの最下部は上記建物Bの中間階10に対応し、かつ、建物Bの一側面と他側面に、それぞれ環状固定フレームKが配置される溝部を設け、この各溝部を連通するように貫通部Aを設けて、環状固定フレームKが貫通部Aにおいて建物Bを貫通し、建物Bの前記溝部の両側の内側面の、互いに対向する位置からそれぞれ延出した鉄骨フレームTの延出部にて、この各延出部同士を結ぶ位置で環状固定フレームKを、両側から支持固定したことを特徴とする観覧車。
- 建物Bの正面の両側縁に環状固定フレームKが配置される切欠き部をそれぞれ設けると共に二つの切欠き部の間において上記建物Bの一部Gが張出すように形成することを特徴とする請求項1に記載の観覧車。
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