JP2008188384A - 塔形観覧車 - Google Patents

Abstract

【課題】 従来の観覧車に較べ、搭乗者が旋回、上昇しながら、３６０度の景観を視点を変えることなく楽しめ、また、右旋回、垂直上昇、左旋回、垂直下降、等の多彩な感覚を味わうことができ、さらに、内部に多目的な施設を建設出来る観覧車を提供する。
【解決手段】 円筒形の塔の外周に、２本の軌道を一対として、上昇軌道と下降軌道を螺旋状に敷設し、さらに、ゴンドラ機構が上昇軌道から下降軌道へと円滑に移動出来るような折返し軌道を其々の軌道の上端部と下端部に設けて、循環軌道を構成する。以上のような軌道上を、牽引チエーンにより無端状に連結された、多数のゴンドラ機構が走行する。また、ゴンドラの走行軌道が、総て、塔の外周のみを利用しているため、塔の内部に大きな空間を生ずるため内部に多目的の建造物を建築でき、最上部でも乗降可能なため、展望レストラン、エレベーター等、種々の施設を設けることができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、遊戯機械のひとつである観覧車に関するものである。

従来の実用化されている観覧車は、各地の遊園地等に設置されている、大形の輪状の外周に多数のゴンドラを吊下げ、中心軸で支持し、駆動装置により、ゆっくり回転させて、周囲の観覧を楽しむのが一般的である。

本発明に類似した塔形の観覧車に関しては、塔形の構築物の外周を無端状に連結された多数のゴンドラが最下部より波状に上昇し、塔の最上部で半周して下降軌道に入り、上昇軌道に交差しないように波状に下降して再び最下部に戻る機構の観覧車がある。（特許文献１参照）また、円筒状の構築物の外周を無端状に連結された多数のゴンドラが、最下部より螺旋状に上昇し、塔の最上部で、塔の内側を螺旋状に下降して、再び最下部に戻る機構のものや、同様に、螺旋状に上昇し、塔の外側または塔の中心部を垂直に下降して、最下部に戻る機構の観覧車がある。（特許文献２参照）
特開２００１−３８０５８ 公報 特開２００４−１６７０６７ 公報

従来、既に実用化されている輪形の観覧車の問題点のみを指摘する。輪形の観覧車に於いては、より高所からの展望を得ようとすると、輪形の直径に比例した建設用地が必要となる、また運転が単調であり面白味に欠ける、さらに搭乗者がゴンドラに乗降の際、観覧車が常時回転しているため、乗降時間が制約をうける問題があった。

本発明は、上記の諸問題に鑑み、観覧車の搭乗者が、充分、変化に富んだ周囲の景観が楽しめ、機械的強度、安全性が確保され、建設コストも安価で、克、建設用地を有効に活用して、塔の内部に他の建造物を設けることができ、また、搭乗者が安全に乗降出来るように、乗降場の距離を必要な乗降時間に合わせて、自由に設定できるようにした構成の、塔形観覧車を提供することを目的とするものである。

問題を解決するための手段

本発明は、上記目的を達成するために、円筒形を有する塔の外周の低所から高所の間に、内柱と外柱に其々支持された、内側軌道と外側軌道２本の軌道を一対とした、上昇軌道と下降軌道を上下方向に適当な間隔を設け、並行して螺旋状に敷設し、其々の軌道の下端と上端に上昇軌道と下降軌道を接続する折返し軌道を設けて循環軌道を構成し、その軌道上に沿って、無端状に連結された、多数のゴンドラ機構が駆動装置により走行する。

ゴンドラ、車軸、車輪によって構成された、ゴンドラ機構の内側車軸端と外側車軸端に、隣接するゴンドラ機構の距離に応じた長さの牽引チエーンを其々取付け、総てのゴンドラ機構を無端状に連結する。内側牽引チエーンと外側牽引チエーンの長さ、即ち、コマ数は、連結した際、各ゴンドラ機構の車軸の向きが、折返し軌道を含む如何なる位置に移動しても、塔の中心に対して放射状になるようにする。

以上のように構成された軌道上に、電動機、減速機、スプロケットで構成される牽引駆動装置を、内側牽引チエーン駆動用、外側牽引チエーン駆動用を其々単独に走行軌道上の必要と思われる箇所に、複数設置する。

ゴンドラが、ゴンドラ乗降場を通過する際に、ゴンドラが乗降場に対して、並行して移動できる時間を自在に設定出来るような軌道にする。

塔のゴンドラ機構の走行路を除く、塔内に生じた空間に他の建造物を建造し、内部に商店、土産物店、その他の多目的施設を設置出来るようにする。

塔の最上部にもゴンドラの乗降場を設けて乗降できるようにする。

塔の最上部に展望レストラン、展望台、その他の多目的施設を建設でき、また、エレベーターも設置出来る。

発明の効果

従来、一般的に実用化されている輪形の観覧車に於いては、より高所からの展望を求めるときは、高さに応じた直径の輪形が必要となり、より大きな建設用地を要するが、本発明は、塔の高さと設置面積の関係は、あくまでも建築上の安全性によって決定されるものであって、塔の高さのみによって建設用地が左右されるものでないので、高所からの眺望を求める塔の建設に於いても土地を有効に活用できる利点がある。

従来の輪形の観覧車の搭乗者は、低所から高所までの回転による、単調な眺望しか楽しめず面白味に欠けるが、本発明による観覧車の搭乗者は、低所のゴンドラ乗降場で乗車して、例えば右旋回スタートの場合は、塔の周りを旋回しながら上昇し、３６０度の景観を視点を変えることなく観賞し、最上部に達すると、折返し軌道にて垂直に上方向に反転上昇して、下降軌道に移動して今度は左旋回で下降し、下部折返し軌道で今度は垂直に下方向に反転下降して再び右旋回になり、乗降場に戻る。このように搭乗者は、右旋回、垂直反転上昇、左旋回、垂直反転下降、右旋回のように、従来にない変化に富んだ感覚を楽しむことができる。勿論、左旋回スタートの場合でも同様な効果が得られる。

従来の輪形の観覧車に乗る場合は、観覧車が常時回転しているため、ゴンドラが下降してきて上昇するまでの間、乗降場に並行して通過する時間が限られ、乗降に危険が伴う場合が考えられるが、本発明は、ゴンドラと乗降場に並行して通過する距離を自由に設定できるので、より安全な乗降ができる。

本発明の観覧車は、ゴンドラの走行軌道を上昇軌道、下降軌道共に、塔の外周のみに敷設してあるため、塔の内部に大きな空間を確保できるため、塔の内部に多目的の建物を建設することができ、商店、土産物店、催事場等に利用できる。

本発明は、塔の最上部でも乗降することが可能なため、展望レストランや展望台を設け、内部にエレベーターを設置して、ゴンドラに乗車してきた観光客が、レストランで食事や展望を楽しんだ後、エレベーターで下降するか、再び、ゴンドラで下降するかの選択が自由にできる。

以下、本発明の実施の形態を図１〜図９に基づいて説明する。

図２に示す、（内側軌道２ａの半径Ｒ１）対（外側軌道２ｂの半径Ｒ２）の比は、隣接するゴンドラ機構５Ａの（内側のチエーン取付軸４の間隔距離Ｌ１）対（外側のチエーン取付軸４の間隔距離Ｌ２）の比及び、図３に示す（内側軌道２ａと内側軌道３ａの上下間隔距離Ｈ１）対（外側軌道２ｂと外側軌道３ｂの上下間隔距離Ｈ２）の比は全て同じである。

図１〜図３に示すように、円筒形の塔１の半径Ｒ１の円周上に複数建てられた内柱１８ａの外周に沿って内側上昇軌道２ａを螺旋状に巻付けて敷設し、その上端部に折返し軌道２Ａ，下端部に折返し軌道２Ｂを其々設ける。さらに内側上昇軌道２ａの下にＨ１の間隔を空けて内側下降軌道３ａを内側上昇軌道２ａに並行して同様の手段で敷設し、その上端部に車輪９が円滑に通過できる幅を設けて脱輪防止ガイド３Ａ、下端部に前記同様に脱輪防止ガイド３Ｂを設ける。

前記同様、塔１の半径Ｒ２の円周上に複数建てられた、外柱１８ｂの内周に沿って、ゴンドラ機構５Ａの車幅に合わせた位置に、外側上昇軌道２ｂと並行して外側下降軌道３ｂを其々Ｈ１と対応した位置にＨ２の間隔を空けて内側軌道と同様な手段で螺旋状に敷設し、外側上昇軌道２ｂの上端部に折返し軌道２Ａ、下端部に折返し軌道２Ｂを設け、外側下降軌道３ｂの上端部に車輪９が円滑に通過できる幅を設けて脱輪防止ガイド３Ａ、下端部に前記同様、脱輪防止ガイド３Ｂを設けて循環軌道が完成する。

以上のように構成された、循環軌道上に、図５〜図７に示すように、中間車軸８ｃの両端に、軸端接合材７、車軸８、を其々の軸心点を結ぶ直線上に各部品をクランク状に配列、接合して一体化し、車軸接合体としたものに車軸８に車輪９、を其々回転自在に取付け、さらに中間車軸８ｃの中央にゴンドラ５を吊下げた、ゴンドラ支持体６を回動自在に取付け、その両側にズレ止カラー１９を中間車軸８ｃに固着してゴンドラ機構５Ａの組立完了である。尚、ゴンドラ機構５Ａを軌道上に乗せたときに、中間車軸８ｃがＨ１、Ｈ２の軌道の段差に応じて、常に地上に対して水平になるよう、車軸接合体の各寸法を決定する。

以上のように組立てられたゴンドラ機構５Ａを軌道上に乗せ、車軸８にチエーン取付軸４を其々回動自在に挿入し、その軸端に牽引チエーン１０の一コマを溶接等の手段で固着する。各ゴンドラ機構５Ａの連結は、隣接した各ゴンドラ機構５Ａ、内側のチエーン取付軸４に固着されたチエーン、コマどうしをＬ１のコマ数をもつ長さの牽引チエーン１０により次々と繋ぎ、同様に外側のチエーン取付軸４に固着されたチエーン、コマどうしをＬ２のコマ数をもつ長さの牽引チエーン１０により内側同様次々と繋ぎ、総てのゴンドラ機構５Ａを無端状に連結する。尚、Ｌ１とＬ２のチエーン、コマ数の比は、総てのゴンドラ機構５Ａを連結し、各ゴンドラ機構５Ａが折返し軌道を含む如何なる位置に移動しても、中間車軸８ｃの軸方向が塔１の中心に対して放射状になるように決定する。

以上のように構成されたゴンドラ機構５Ａを図８、図９に示すように、電動機、減速機、減速機の出力軸に固着されたスプロケットで構成された内側駆動装置１５ａと外側駆動装置１５ｂを其々、内柱１８ａに支持された内側駆動装置取付台１７ａに内側駆動装置１５ａを牽引チエーン１０に駆動スプロケット１６が噛合うように据付け、外柱１８ｂに支持された外側駆動装置取付台１７ｂに外側駆動装置１５ｂを牽引チエーン１０に駆動スプロケット１６が噛合うように据付ける。このような内側駆動装置１５ａと外側駆動装置１５ｂを走行軌道上に適当な間隔を設けて必要と思はれる台数を設置して、走行軌道上の総てのゴンドラ機構５Ａを循環運転させる。尚、内側駆動装置１５ａと外側駆動装置１５ｂ其々の駆動スプロケット１６の回転数の比は、Ｌ１対Ｌ２の比によって決定される、従って、減速機１４ａと減速機１４ｂの減速比をＬ１対Ｌ２にするか、または内側駆動用と外側駆動用の電動機１３の回転数の比をＬ１対Ｌ２の比にするか何れの手段でもよい。

本発明の観覧車の走行軌道は上昇軌道、下降軌道共にすべて塔１の外周のみを利用して敷設しているので、塔の内部に大きな空間が生ずるので、別の建造物２１を建造して、内部に商店、土産物店、催事場等の多目的な施設を設けることが出来る。また、ゴンドラ５の乗降場が下部乗降場２６の他に上部乗降場２７でも乗降できるため、塔の最上部に展望レストラン２３や展望台等の施設を設けることができ、内部に人員や荷物運搬用のエレベーター２４，２５を設置できる。

本発明の実施形態を示す塔形観覧車の斜視図 図１の上方から見た外観図 ゴンドラ走行軌道の敷設図 折返し軌道の詳細図 図４のＡ−Ａ線断面図 車軸接合体の詳細図 図６の側面図 ゴンドラ機構駆動装置の設置上面図 図８の正面図

符号の説明

１ 塔
２ａ 内側上昇軌道
２ｂ 外側上昇軌道
３ａ 内側下降軌道
３ｂ 外側下降軌道
４ チエーン取付軸
５ ゴンドラ
５Ａ ゴンドラ機構
６ ゴンドラ吊下体
７ 車軸接合材
８ 車軸
８ｃ 中間車軸
９ 車輪
１０ 牽引チエーン
１１ａ 内側チエーンガイド
１１ｂ 外側チエーンガイド
１２ チエーンガイド支持材
１３ 電動機
１４ａ 内側減速機
１４ｂ 外側減速機
１５ａ 内側駆動装置
１５ｂ 外側駆動装置
１６ 駆動スプロケット
１７ａ 内側駆動装置取付台
１７ｂ 外側駆動装置取付台
１８ａ 内柱
１８ｂ 外柱
１９ ズレ止カラー
２０ チエーン張用遊車
２１ 塔内建造物
２２ 建造物出入口
２３ 展望レストラン
２４ エレベーター機械室
２５ エレベーターシャフト
２６ 下部乗降場
２７ 上部乗降場

Claims (7)

1. 円筒形を有する塔の外周の低所から高所の間に、内柱と外柱に其々支持された、内側軌道と外側軌道２本の軌道を一対とした、上昇軌道と下降軌道を上下方向に適当な間隔を設け、並行して螺旋状に敷設し、其々の軌道の下端と上端に上昇軌道と下降軌道を接続する折返し軌道を設けて循環軌道を構成し、その軌道上に沿って、無端状に連結された多数のゴンドラ機構が駆動装置により移動可能にしたことを特徴とする塔形観覧車。
2. ゴンドラ、車軸、車輪によって構成された、ゴンドラ機構の内側車軸端と外側車軸端に、隣接するゴンドラ機構の距離に応じた長さの牽引チエーンを其々取付け、総てのゴンドラ機構を無端状に連結する。内側牽引チエーンと外側牽引チエーンの長さ、即ち、コマ数は、連結した際、各ゴンドラ機構の車軸の向きが、折返し軌道を含む如何なる位置に移動しても、塔の中心に対して放射状になるようにした、請求項１に記載の塔形観覧車。
3. 請求項１及び請求項２に記載の軌道上に、電動機、減速機、スプロケットで構成される牽引駆動装置を内側牽引チエーン駆動用及び外側牽引チエーン駆動用を其々単独に、走行軌道上の必要と思われる箇所に複数設置した、塔形観覧車。
4. ゴンドラが、ゴンドラ乗降場を通過する際に、ゴンドラが乗降場に対して並行して移動できる時間を自在に設定できる軌道を有する、請求項１及び請求項２に記載の塔形観覧車。
5. 請求項１及び請求項２に記載の塔の内部に生じた空間に、他の建造物を建造して、内部に商店、土産物店等の多目的な施設を設けることができる塔形観覧車。
6. 塔の最上部でもゴンドラの乗降ができる、請求項１、請求項２及び請求項４に記載の塔形観覧車。
7. 塔の最上部に展望レストラン、展望台、等の施設やエレベーターも設置できる請求項１、請求項２及び請求項６に記載の塔形観覧車。

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