JPH07290731A - 画像形成システム - Google Patents

画像形成システム

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JPH07290731A
JPH07290731A JP8480094A JP8480094A JPH07290731A JP H07290731 A JPH07290731 A JP H07290731A JP 8480094 A JP8480094 A JP 8480094A JP 8480094 A JP8480094 A JP 8480094A JP H07290731 A JPH07290731 A JP H07290731A
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄膜を有するドナーシートへの像様のエネルギ
印加によって受像材料に剥離転写して画像を形成する際
に、ドナーシートの剥離可能な薄膜の種類と受像材料の
種類とを種々組み合わせて用いることにより、多種多様
な機能を発揮することのできる画像形成システムの提
供。 【構成】支持体上に少なくとも画像形成薄膜を有するド
ナーシートと、支持体上に直接もしくは少なくとも1層
のクッション層を介して設けられた受像層を有する受像
材料とを薄膜と受像層とを対面させて積層し、ドナーシ
ートに画像様に熱エネルギを印加した後、ドナーシート
と受像材料とを剥離して、画像を受像材料に形成する際
に、ドナーシートの薄膜と受像材料とを組み合わせて用
い、カラー画像形成、マスク画像形成、刷版製版および
フィルタ製造の少なくとも2つを可能とすることによ
り、上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜を有するドナーシ
ートに像様に熱エネルギを印加し、ドナーシートから剥
離現像によって像様の薄膜を受像材料に転写することに
より、面積変調型画像および/または文字等線画像を形
成し、カラー画像の形成、特に印刷分野におけるカラー
プルーフ(DDCP:Direct Digital Color Proof)の作製、
白黒画像の形成、刷版製版、フィルタ製造およびプリン
ト配線基板製造などを行うことができる多機能型画像形
成システムに関し、さらに、この多機能画像形成に入出
力デバイスプロファイルのマッチングを行う色再現シス
テム(カラーマネージメントシステム)が併合され、デ
ィジタル画像信号に基づくレーザヘッドのヒートモード
記録、サーマルヘッドによる感熱記録とを要求される画
像品質に応じて切り換えて画像形成可能な画像形成シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真や絵画等の原稿からカラー画
像を読み取り、あるいは、任意の画像入力装置から供給
されるカラー画像データに対して所望の処理を施し、C
RTに表示し、ハードコピーとして画像記録装置から出
力し、あるいは、刷版を介して印刷物を作成する色再現
システムや画像形成システムが広汎に使用されている。
例えば、印刷物は、画像入力装置から供給されたカラー
画像データに基づき、Y、M、C、Kの各色分解フィル
ムを作成し、前記各色分解フィルムを用いて刷版、例え
ばPS版(Presensitized Plate )を焼き付け、現像し
た後、このPS版を印刷機にかけて印刷を行うという多
数の工程を経て作成される。しかも、最終的に得られる
印刷物の色は、印刷に使用する紙、インキ、水、印刷機
の種類、網点画像を形成する場合におけるスクリーン線
数、網形状等の印刷条件に依存する。
【0003】このため、印刷分解においては、カラー原
稿からリスフィルムにより一組の色分解フィルムを出力
し、それを用いて、印刷版焼き付けが行われるが、本印
刷を行う前に、色分解フィルムからカラープルーフを作
成し、色分解工程での誤りチェック、色補正の必要性チ
ェック等が一般に行われている。このカラープルーフ用
の材料としては、印刷物との近似性から、印刷本紙上で
の画像形成と共に、色材として顔料の使用が好ましいと
されている。さらに中間調画像の高再現性を可能にする
高解像力、および高い工程安定性と共に、近年は現像液
を使用しない乾式プルーフ作成法が要望されている。ま
た最近の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化
システムの普及に伴い、ディジタル信号から直接カラー
プルーフを作成する材料とシステムに対する要求が高ま
っている。
【0004】このような乾式法によってカラープルーフ
を作成するものとして、多数の発熱素子を備えたサーマ
ルヘッドをインクシートおよび受像シートを介して押し
当て、ディジタル画像信号に応じて発熱素子を選択的に
発熱させて、インクシートのインク転写層を離散的に軟
化、溶融もしくは気化、昇華させ、ドット状にインクを
受像シートに転写して、画像を記録する熱転写記録方法
およびこのような熱転写記録方式を行う熱転写画像形成
装置、すなわちサーマルプリンタが提案されている。こ
のような熱転写記録方式におけるインクシートへの画像
信号に応じた選択的加熱を、サーマルヘッドの発熱素子
の代わりにレーザから射出される高密度エネルギのレー
ザ光によって行うレーザのヒートモード記録方式も提案
されている。なお、サーマルヘッドによる感熱記録方式
は、解像度には限界があるが、簡単で高速の画像記録が
可能であり、レーザヘッドによるヒートモード方式は一
枚の全体の画像記録の速度の点では劣るが、高い解像度
での画像記録が可能であるという特徴を有している。
【0005】サーマルヘッドおよびレーザのヒートモー
ドによる熱転写記録においては、1枚のプリントを仕上
げる際に、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シア
ン)の3色、もしくはこれらにK(ブラック、クロ)を
加えた4色のインクシートを受像シートに多重転写記録
することで、カラー画像を得ることができる。また、各
画素の濃度を表す画像信号に応じて、サーマルヘッドの
発熱素子やレーザへの通電時間、従って、サーマルヘッ
ドの発熱素子の発熱時間やレーザの発光時間を制御する
ことにより、軟化、溶融もしくは気化、昇華するインク
の量もしくは面積を変調し、インクの濃度変調もしくは
ハーフトーン(網点)の面積変調を行って、各画素の濃
度階調を得ることもできる。
【0006】また、上述したように複雑な工程および条
件を要する印刷分野においては、画像の読み取り条件
(入力画像条件)に応じて所望の画像処理が処理された
画像データであっても、画像読取装置などの画像入力機
においても個々にその特性や能力に差が存在し、画像記
録装置やプリンタなどの画像出力機にも個々にその特性
や能力に差があるため、カラープルーフを作成する前あ
るいはカラープルーフを作成せずに、例えば、所望の画
像処理を施したカラー画像データを一旦CRT等に表示
し、CRT上で最終的な印刷物の画像品質を高精度に確
認できるシステムが望まれている。このための色再現シ
ステムとして、米国特許第4500919号公報および
国際特許公評WO/17982号公報に多数の色材量の
組み合わせをプリントし、、それを測色計で測定し、そ
の測定結果に基づいて、色再現信号を修正することによ
りプリントカラー画像と表示カラー画像とのマッチング
を図るシステムおよび測色的に一致させた上でプリント
カラー画像の白色点と表示白色点とを一致させてより高
度な色マッチングを行う方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられているインクシートは、軟化、溶融型インクシー
トもしくは気化、昇華型インクシートである。溶融型イ
ンクシートは支持体上に、常温では固体で、加熱時に軟
化あるいは溶融するワックス類およびその他の低融点物
質をバインダーとして、これに色材を混合した材料から
なる転写層(画像形成層)を有し、昇華型インクシート
は、バインダーとして加熱により昇華する物質を有する
ものである。このため、溶融型インクシートであっても
昇華型インクシートであっても、転写層の厚みは一般に
3μm以上、中には20〜40μmと極めて厚いものも
あり、加熱によって昇華もしくは溶融するのに多大なエ
ネルギを必要とするし、画像の解像度を上げるには限界
があり、網点等のエッジがボケたりギザギザになったり
して小さな点が不安定になる場合があるなどの問題があ
った。
【0008】さらに、昇華型インクシートを用いる場合
には、濃度すなわち昇華して転写する量が熱エネルギに
依存する濃度変調であるため、インク層に与えられる熱
エネルギを正確に強度制御するのは容易ではなく、濃度
変調に伴う不安定性があり、一方、溶融型インクシート
を用いる場合には、厚膜のため熱拡散に伴う不安定性が
あるという問題があった。このように、従来の厚膜のイ
ンクシートでは、レーザ光によってビームスポット径を
絞ったとしても熱エネルギ的に限界があるため、画像の
解像度には上限があることから、サーマルヘッドによる
感熱記録とレーザヘッドによるヒートモード記録とを画
像品質に応じて切り換えることは不可能であった。
【0009】また、上述の従来の色再現システムの場
合、例えば、色材のみをマッチングの条件とする際には
正確な色再現も可能であるが、印刷物を作成する場合、
色材以外にも、印刷物の支持体の種類、何色刷とするの
か(色数)、K(墨)版量、スクリーン線数等の出力条
件を設定する必要があるだけでなく、印刷機の条件(刷
り順、印圧、色材量、印刷速度等)も適切に設定する必
要があるため、上記従来技術では、多様な印刷条件に対
して高精度に対応することは困難であるという問題があ
った。
【0010】本発明の主目的は、上記従来技術の問題点
を解消し、従来に比べ極めて薄い、好ましくは、厚さ
0.1〜2μmの、剥離可能な薄膜を有する新規なドナ
ーシートから像様のエネルギ印加によってこの薄膜を受
像材料に像様剥離し、現像して新規な受像材料上に画像
を形成する際に、ドナーシートの薄膜の種類と受像材料
の種類とを種々組み合わせて用いることにより、カラー
画像形成、白黒画像形成、刷版製版、フィルタ作成、プ
リント配線の形成等々の多種多様な機能を発揮すること
のできる画像形成システムを提供するにある。
【0011】本発明の他の目的は、上記主目的に加え、
ドナーシートの薄膜に色材が含まれている場合、特にデ
ィジタル画像信号で変調されたレーザ光またはサーマル
ヘッドにより、印刷物近似性の高いカラープルーフを直
接作成することができ、画像出力機や出力媒体の相違や
処理工程等を特に意識することなく、種々の入出力条件
や色再現処理方式に対応してカラー画像をCRTやプリ
ンタ上で高精度に色再現し、かつ、シミュレーションに
よって確認を可能にするとともに、入出力条件や色再現
方式の変更、追加等に対して柔軟に対応することができ
所望の色調からなるカラー画像を容易に得ることがで
き、画像形成システムを提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様は、支持体上に少なくとも画像
形成薄膜を有するドナーシートと、支持体上に直接もし
くは少なくとも1層のクッション層を介して設けられた
受像層を有する受像材料とを前記薄膜と前記受像層とを
対面させて積層し、前記ドナーシートに画像様に熱エネ
ルギを印加して、この熱エネルギ印加部分を前記薄膜の
前記受像層への接着力を増加させた後、前記ドナーシー
トと前記受像材料とを剥離して、前記像様エネルギ印加
に対応する前記薄膜を前記受像層に転写して前記画像を
前記受像材料に形成する画像形成システムであって、異
なる物質を含む複数種の薄膜を持つ複数種のドナーシー
トおよび異なる複数種の受像材料のうちから1種のドナ
ーシートと1種の受像材料とを組み合わせて用いること
により、カラー画像形成、マスク画像形成、刷版製版お
よびフィルタ製造の少なくとも2つが可能であることを
特徴とする画像形成システムを提供するものである。こ
こで、前記薄膜の厚さが、0.1〜2μmであるのが好
ましい。また、前記1種のドナーシートの薄膜は、色材
と熱可塑性樹脂とを主成分とするのが好ましい。
【0013】また、本発明の第2の態様は、上記第1の
態様の画像形成システムであって、色情報に加えて、テ
クスチャー、S/N比および解像性の少なくとも1種の
像構造特性をシミュレーションするデバイスキャラクタ
リゼーション機能を有することを特徴とする画像形成シ
ステムを提供するものである。ここで、前記シミュレー
ションが、光学的および/または電気的になされるのが
好ましい。
【0014】また、本発明の第3の態様は、上記各態様
の画像形成システムであって、前記熱エネルギ印加を、
形成される画像品質に応じてレーザヘッドのヒートモー
ド記録法とサーマルヘッドの感熱記録法とに切り換えて
面積変調型画像ならびに文字および線画像を形成するこ
とを特徴とする画像形成システムを提供するものであ
る。さらに、上記各態様において、前記受像材料の受像
層に受容された画像は、別の永久支持体に再転写し、使
用することも可能である。
【0015】
【作用】本発明の第1の態様の画像形成システムは、新
規で、従来に比べ極めて薄い、剥離可能な薄膜を有する
ドナーシートと新規な受像材料とをラミネート手段によ
って熱および/または圧力を加えて均一な粘着力で粘着
し、像様に熱エネルギ印加によりドナーシートの薄膜の
接着力の低下を像様に生じさせ、ドナーシートの薄膜と
支持体(もしくは光熱変換層)との間の結合力を、ドナ
ーシートの薄膜と受像材料の受像層との粘着力より低下
させ、剥離現像手段によって加圧しながらムラを生じさ
せることなく、受像材料からドナーシートを剥離して、
ドナーシートから像様の結合力の低下した薄膜を受像材
料の受像層に転写して現像して、薄膜による画像を形成
することができる。
【0016】従って、本発明の画像形成システムでは、
材料、特性の異なる多種の薄膜を持つドナーシートを用
意し、それに応じた適切な受像層を持つ受像材料を組み
合わせることにより、カラー画像形成、白黒画像形成、
刷版製版、フィルタ形成、プリント配線基板の作成など
を行うことができる。例えば、薄膜として色材を用い、
3原色またはこれに黒を加えて4色さらには特色を加
え、3〜4色以上の色材を各色毎に含むドナーシートを
用意し、上述の1色の画像形成を行うことを3〜4色に
ついて繰り返し、カラー画像を形成することができる。
こうして得られたカラー画像は、剥離ムラや色ずれや見
当ずれのない高画質かつ高解像度の階調画像であり、印
刷分野におけるカラープルーフ(DDCP)として高い
印刷物近似性を持つものである。
【0017】また、本発明の第2の態様画像システム
は、上記画像形成システムにおいて、デバイスキャラク
タリゼーション機能によって、種々の入出力装置および
入出力条件に対して色情報に加え、テクスチャー、S/
N比および解像性のいずれかの像構造特性をシミュレー
トすることができるので、入出力装置の相違や入出力媒
体等の入出力条件を相違や変動や変更、追加等を意識せ
ずにあるいは柔軟に対応することができ、高精度な色再
現や画像形成を行うことができる。さらに、本発明の第
3の態様の画像形成システムは、例えば1000dpi
以上、好ましくは1000〜4000dpiの高解像
度、高精細、高画質画像が必要な場合にはレーザヘッド
によるヒートモード記録方式を選択し、これに比べ画像
品質が多少落ちても、例えば300〜600dpiであ
っても、高速度(短時間)、低コストの画像が必要な場
合にはサーマルヘッドの感熱記録方式を選択することが
できるものである。さらにまた、本発明の各態様におい
ては、剥離可能な受像層を有する受像材料を用いること
により、受像層に形成された画像を受像材料から永久支
持体に転写して用いることもできる。
【0018】
【実施例】本発明に係る画像形成システムを添付の図面
に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、
本発明の画像形成システムの一実施例の模式的構成図で
ある。ここに示される画像形成システムは、本発明の第
1の態様の画像形成システムであって、ディジタル・ダ
イレクト・カラープルーフ作成システム(以下、DDC
Pシステムと略称する)であり、その全体構成が図1に
示される。ここでは、画像形成システムとして、DDC
P作成システムを代表例として説明するが、本発明は、
これに限定されず、他のカラー画像形成システム、カラ
ーフィルタ、UVフィルタ、IRフィルタ、液晶用カラ
ーモザイクフィルタ等々のフィルタ作成システムであっ
てもよいことはもちろんである。
【0019】図1に示すDDCP作成システム100
は、インターフェース部(以下、I/F部という)10
2と、記録部104とオペレーション部106を有す
る。I/F部102は、図示しないが、画像入力機側と
記録部104の画像出力装置105およびオペレーショ
ン部106のワークステーション107との間のインタ
ーフェースとなるインターフェース(I/F)モジュー
ル、色々な形式の情報、例えばベクトル情報として入っ
てくる画像信号データをラスターに展開するラスターイ
メージプロセッサ、画像の回転、拡大、縮少などの簡単
な処理を行うイメージプロセッサ、DDCP画像出力装
置105の特性や能力などのデバイスキャラクタである
DDCPのデバイスプロファイルなどを格納しているメ
モリなどからなる。記録部104は、画像をハードコピ
ーとして出力する画像出力装置105からなる。オペレ
ーション部106は、ジョブ管理やデバイスプロファイ
ルの作成、変更、追加などを行うワークステーション
(W/S)107と、キャリブレータ付のカラーモニタ
108と、メタファイル出力(MO)109等および画
像出力装置105から出力されたキャリブレーションシ
ート110のオンライン濃度計111などからなる。
【0020】ここで、I/F部102には、原稿もしく
は外部媒体から画像入力機に入力された色のマッチング
済みのディジタル画像データが入力される。また、I/
F部102からは入力画像と画像出力装置の出力画像と
の色のマッチングをとるために入力側もしくはカラーマ
ネージメントシステム(CMS)コントローラまたはカ
ラーイメージプリザベイションシステム(CIPS)コ
ントローラにワークステーション107で作成、変更も
しくは追加された、もしくは、画像出力機105機自身
が保持していた画像出力装置105の特性や能力を示す
デバイスキャラクタのデータパケットであるDDCPの
デバイスプロファイルが出力される。またI/F部10
2と記録部104の画像出力装置105との間やI/F
部102とオペレーション部106のW/S107との
間やW/S107と画像出力装置との間には処理済ディ
ジタル画像データやデバイスプロファイルなどのデータ
が伝送される。
【0021】記録部104の画像出力装置105は、本
発明の画像形成システムの最も特徴とする部分の1つで
あって、詳細は後述するが本発明の画像記録方法を実施
するラミネータやディジタルライターからなるカラーも
しくはモノクロ画像形成装置あるいはプリンタもしくは
薄膜積層装置などのいずれかで形成される。オペレーシ
ョン部106では、詳細は後述するが、CIPSやCM
Sを含めたジョブ管理をW/S107やより性能の良
く、色その他のキャリブレーションを行うキャリブレー
タ付カラーモニタ108によって行うとともにハードコ
ピーとして出力されたキャリブレーションシート110
をオンライン濃度計111によって測色してデバイスキ
ャラクタの変更や補正を行い、また入出力画像データの
色空間のマッチングを行うためのものである。
【0022】図2に、本発明の画像形成システム100
の画像出力装置105の代表例としてカラー画像形成装
置の一実施例を示す。図3に、本発明の画像形成システ
ム100で実施されるカラー画像記録方法の一実施例を
示す。図3に示すカラー画像記録方法は、本発明の画像
形成システムにおいて実施される画像形成方法を図2に
示すカラー画像形成装置に適用されカラー画像記録方法
を代表例として示すものである。以下の説明は、この代
表例について行うが、本発明はこれに限定されない。図
2は、本発明のカラー画像形成装置の一実施例の線図的
断面図である。図2に示すカラー画像形成装置の説明に
先立ち、図3を参照して、本発明のカラー画像形成装置
に適用されるカラー画像記録方法について簡単に説明す
る。なお、本発明のカラー画像形成装置に用いられる色
材シートおよび受像材料の構成および材料は、本出願人
に係る特願平5−275749号明細書に記載されてい
るものを用いることができる。
【0023】図3に、本発明のカラー画像形成装置で実
施されるカラー画像記録方法を利用するカラー画像記録
工程の一例を概念的に示す。本発明に適用されるカラー
画像記録方法は、色材シート10、受像材料12および
画像の永久支持体である本紙14を用いた画像記録であ
って、色材シート10に記録された画像を受像材料12
の受像層16に転写して、その後、受像層16を本紙1
4に転写(貼着)することにより、カラー画像が記録さ
れた本紙14をハードコピーとして得るものである。こ
のような本発明の画像記録方法は、本紙14として印刷
本紙等を利用することにより、実際の印刷物に近いハー
ドコピーを得ることができ、しかも、後に詳述するが、
色ズレの無い高画質な画像を安定して得ることができる
ので、印刷分野におけるカラープルーフの作製に特に好
適に利用可能である。
【0024】図3に示される例において、色材シート1
0は、支持体18、支持体18上に形成され、光熱変換
物質を含む光熱変換層19、光熱変換層19上に形成さ
れる熱剥離層20および熱剥離層20上に形成されるト
ナー等の顔料を含む色材薄膜(以下、色材層という)2
2とを有する。
【0025】本発明に用いられる色材シート10の支持
体18は、光熱変換層19、熱剥離層20、色材層22
を機械的に支持する働きを持つ。その材質としては機械
的強度が強く、耐熱性を有すると同時に有機溶剤に対す
る耐性の大きな材質が好ましい。また、光照射を支持体
18側から行う場合には、該光波長に対して支持体18
の光透過率が大きい必要があり、さらに光源としてレー
ザを使用し、10μm以下の小スポットに絞り込む場合
には、支持体の複屈析率が小さいことが好ましい。支持
体18の厚みについては上記の特性を有していればシー
ト状、板状いずれでも良く、その使用目的に応じて使用
される。一般的な用途としては、シート状の支持体が好
適に用いられ、その際には2〜300μm、好ましくは
3〜150μmの厚みが用いられる。
【0026】支持体18の材料としては、一般的には例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル共重合
体などの高分子化合物を挙げるとができ、特に、二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートが、機械的強度、熱に対
する寸法安定性の点で好ましい。支持体18の表面に
は、光熱変換層との密着性をあげるためにグロー放電処
理、コロナ放電処理などの物理的な表面処理がなされて
いてもよい。また、図3には示されていないが、必要に
応じて支持体18と光熱変換層の間に、下塗層を設けて
も良い。下塗層としては、支持体18と光熱変換層19
の両者の間の密着性が大きく、また後述する熱剥離層2
0よりも耐熱性が大きな材料が好ましい。また、支持体
18への熱伝導による感度低下を小さくするためには、
ポリスチレン等の熱伝導率の小さな材料が好ましい。こ
れらの条件、および光熱変換層の塗布溶剤に対する耐性
を考慮して、被膜性のあるポリマー材料中から、適宜選
択される。その厚みには特に制限は無いが、通常は0.
01μmから2μmが好ましい。また支持体18の、光
熱変換層19とは反対面にも必要に応じて、例えば反射
防止層塗布等、各種処理がなされていてもよい。
【0027】本発明に用いる光熱変換層19は、加熱記
録手段として用いるレーザ光、キセノンフラッシュ等の
光源から照射される高密度エネルギ光を吸収して熱エネ
ルギに変換する働きを有する。加熱記録手段として用い
る光源としてはレーザ、より好ましくは半導体レーザ、
例えばレーザダイオード(LD)を使用することが好ま
しい。加熱記録手段としてサーマルヘッドを用いる場合
にはこの光熱変換層19を有していない色材シート10
を用いることができる。光熱変換層19中には該高密度
の光を吸収する物質が含まれる。このような物質として
は、カーボンブラックの様な黒色顔料、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニンのような可視から近赤外域に吸収
を有する大環状化合物などを用いた顔料などが好まし
い。また光ディスクなど高密度レーザ記録に使用される
材料も一般に半導体レーザ光を強く吸収するため、本目
的にも好適に使用される。有機色素がその代表的な例で
あり、インドレニン色素等のシアニン色素、アントラキ
ノン系、アズレン系、フタロシアニン系等の色素、ジチ
オールニッケル錯体等の有機金属化合物等の色素を挙げ
ることができる。記録感度の点からは、光熱変換層19
はできるだけ薄いことが好ましく、そのため照射光波長
における吸光係数の大きなシアニン色素、フタロシアニ
ン系色素などがより好ましい。
【0028】本発明における光吸収材料としては、無機
材料も使用可能である。半導体レーザ光吸収特性の点か
らは一般に金属材料が好ましい。金属材料を用いる場合
には、例えば真空蒸着膜のような薄膜として光熱変換層
19を形成する場合と、上記の顔料と同様にバインダー
中に分散された形で形成する二通りの方法がある。スパ
ッタリング法等の真空薄膜法により金属を製膜すると、
一般に光反射率が高くなり、レーザ記録感度の上で好ま
しくない。そのような場合には、一般的な方法として、
異なった屈析率を有する材料(例えばカルコゲン材料)
を積層して反射防止効果を持たせることが有効であり、
また他の方法として、酸素ガスを導入しながら真空製
膜、もしくは金属酸化物・硫化物などの無機化合物を金
属と混合製膜する等の方法により、反射率を低下させる
ことが可能である。
【0029】真空薄膜法による本発明の光熱変換層19
の材料としては、 Sn,Bi,Te,Sb等、熱伝導寧が低い金属
およびその合金が挙げられる。これら金属の反射率を下
げるために、上記したように屈析宰の異なるカルコゲン
化合物を光入射側に積層することが好ましい。また、カ
ルコゲン化合物等の無機化合物と上記金属膜の混合は、
反射率と同時に金属膜の熱伝導率を下げることができる
ため、特に有効である。この様な効果を有する材料とし
ては、 SnS,InS,GeS等の硫化物、 In,Sn,Te,Ga等の酸化
物等が挙げられる。これらの材料のうちから、光熱変換
層19として必要とされる耐熱性(融点、分解温度)を
考慮して、適宜選択されて使用される。これらの金属と
無機化合物を積層する方法としては、蒸着材料、もしく
はスパッタ材料として、予め混合した材料を用いる方法
がある。更に、真空槽内にこれら金属と、無機化合物の
両者を仕込み、抵抗加熱等の方法によりエネルギーを与
え、両者を同時に基板上に混合させながら、膜として付
着させる方法がある。本発明に用いられる真空薄膜の厚
みは、用いる金属、無機化合物の種類、混合比によって
変わるが、総計として0.01μmから0.5μm、好
ましくは0.03μmから0.1μmである。また混合
比は、同様に材料の種類によって変わるが、一般に金属
と無機化合物の重量比は5:1から1:3、好ましくは
2:1から2:1である。
【0030】またパインダー中に分散された金属傲粒子
を光吸収材として用いる代表的な例として、金属微粒子
を溶液中バインダーと共に分散する方法があり、他の方
法としてハロゲン化銀を用いた写真乳剤を露光・現像し
て得られる黒化金属膜がある。更に、ベヘン酸銀などの
有機金属化合物を、溶液中またはフィルム中、遺元剤と
共存させながら加熱することにより、 in-situで金属傲
粒子を析出させる方法なども当業者に公知である。
【0031】光吸収材料として顔料、色素等を用いる場
合、これらは一般に被膜強度、即ち凝集力が小さく、一
般に剥離方式で現像するためには、光熱変換層19には
バインダ一を含有させる必要がある。そのようなバイン
ダーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル等のようなアクリル系
モノマーの単独重合体又は共重合体、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、セルロースアセテートのような
セルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
ブチラール、ポリビニールアルコール等のようなビニル
系ポリマーおよびそれらの共重合体、ポリエステル、ポ
リアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレ
ン共重合体のようなゴム系ポリマー等の熱加塑性ポリマ
ー、アクリル酸エステル、エポキシ化合物等の光重合
性、または熱重合性化合物を重合・架橋させたポリマー
等が用いられる。
【0032】このような記録方法では、高密度光照射
時、一般的に光熱変換層19は極めて高い温度に上昇す
る。その昇温による光熱変換層19の変質、融解等によ
りアブレーション(Ab1ation)が起きると、剥離現像の
際、光熱変換層19の一部が受像体へ転写し、色材層の
色相と混じる(混色)原因となる。そのため本発明に用
いる光熱変換層19の材料の熱変化温度は、後述する熱
剥離層材料のそれよりも高いことが好ましい。ここで熱
変化とは、その層に含まれる材料の溶融変形、熱分解を
示す。光熱変換層19が光吸収材とバインダーから構成
される場合、バインダーの耐熱性は特に重要である。
【0033】バインダーに必要とされる熱変化温度は、
光熱変換物質の種類と混合量、熱剥離層材料の熱変化温
度によっても変わるが、一般的には200℃以上、特に
250℃以上の熱分解温度を有するポリマーが好まし
い。この条件を満たし、かつ塗布、製膜の容易さ、上に
積層ずる熱剥離層溶剤への耐性等の理由から、バインダ
ーとしてはポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、
ポリビニルブチラール、ナイロン等のアルコール可溶性
ポリマーが好適に使用される。これら色素、顔料の光熱
変換物質とバインダーの比率は重量比で1:5〜10:
1、好ましくは1:3〜3:1である。この比率が小さ
すぎると、光熱変換層19の凝集力が低下し、光熱変換
物質の転写・混色を誘発しやすい。また、この比率が大
きすぎると、一定の光吸収率を出すための膜厚が大きく
なり、感度低下を招きやすい。
【0034】上記顔料、色素を用いた光熱変換層19の
膜厚は用いる色材、バインダーの性質によって変わる
が、一般的には平均0.05〜2μm、好ましくは平均
0.1〜1μmであり、且つ、レーザ光波長での光吸収
宰が70%以上であることが好ましい。
【0035】上記顔料、色素等の色材とバインダーを含
む光熱変換層19の場合、色材とバインダーの重量比が
大きくなるにつれ、光熱変換層19の表面のミクロな平
滑性が失われる場合がある。特に顔料を用いると、顔料
粒子の形状の影響を受けて、表面が凹凸状となる。更に
顔料比を大きくすると、光熱変換層19の膜が多孔質状
となる。そのため光熱変換層19の膜厚(塗布量)は、
ミクロには場所により均一でない場合も生じる。しか
し、本発明の目的を達成する上で重要なことは、熱剥離
層20が実質的に光熱変換層19表面全体を覆っている
ことであり、熱剥離層20のミクロな膜厚変動周期が、
画像を形成する画素の大きさ(一般には5μm以上)以
下のピッチの場合には、大きく特性を損なうことは少な
い。
【0036】この光熱変換層19を支持体上に設けるに
は、当業者にとって公知の方法により行うことが出来
る。即ち、これらの光吸収材とバインダーを有機溶剤に
溶かし、ホエラー、スピンナー等の回転塗布法、グラビ
ア、ドクターブレード等を用いたウエブ塗布法、ディッ
プコート等の方法により塗布する。また顔料を用いる場
合には、ボールミル、超音波、ペイトシェーカー等、公
知の方法により行われる。溶剤としては水、アルコー
ル、ケトン類、セロソルブアセテート類等バインダー、
色剤に適した一般的な溶剤を用いることが出来る。
【0037】本発明に用いる熱剥離層20は、高密度エ
ネルギー光非照射状態もしくは非加熱状態で光熱変換層
19もしくは支持体18と色材層22の間に介在、両者
を結合させる機能を有する。また、剥離現像の際に、高
密度エネルギー光照射領域の光熱変換層19の一部が、
受像材料12へ転写、混色することを防止すると共に、
記録感度を向上させるための役割も果たす。すなわち、
光熱変換層19で吸収した熱もしくは支持体18からの
熱を受けて、光熱変換層19もしくは支持体18と熱剥
離層20の間の結合力、熱剥離層20と色材層22の間
の結合力、もしくは熱剥離層20の凝集力、の何れかを
低下させる作用を有する層である。上記の機能を満たす
には、光熱変換層19の熱変化(バインダー、色材等の
熱分解)が起きるより低い照射エネルギーで、上記の結
合力もしくは凝集力変化が起きる必要があり、そのため
に本発明に用いられる熱剥離層20の熱変化温度は、光
熱変換層19の熱変化温度よりも低く設計される。この
熱変化温度を低下させることにより、熱剥離層20が無
い場合に比べ、混色防止と共に、低い照射エネルギーで
転写が誘起され、高速記録に有利となる。本発明に用い
る熱剥離層20は剥離現像時、高密度エネルギー光非照
射領域の色材層22が受像材料12に転写しないような
適度の結合力、凝集力を有する必要がある。
【0038】本発明に用いる熱剥離層20は、上記の条
件を満たすためにポリマー材料を合む。その中で、比較
的熱分解温度の低いポリマーを選択して使用することが
好ましい。また一般のポリマー中に、熱分解性低分子化
合物を添加して、熱剥離効果を付与することも可能であ
る。本発明の熱剥離層20に用いるポリマー材料として
は、例えばニトロセルロースのような自己酸化性ポリマ
ー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン含有ポリマ
ー、ポリイソブチルメタクリレート等のアクリル系ポリ
マー、エチルセルロース等のセルロースエステル等が用
いられる。本発明に用いる熱剥離層20中で起きる熱分
解反応としては、酸化、脱窒素、脱炭酸、脱ハロゲン
等、結合開裂を伴う広範囲の熱反応様式が利用され、そ
の熱分解温度は280℃以下、より好ましくは230℃
以下であり、その反応が発熱的に進行する材料が好まし
い。ここで熱分解温度の値はDSC (示差熱分析)法、熱
重量分析法等、通常の測定方法による。これらの方法に
よる、熱分解温度等の熱特性値は、一般に昇温速度によ
って多少変化する。本発明実施例では、10℃/分の速
度で評価した時、熱分解量が全量の1/2となる温度
を、その材料の熱分解温度の基準とした。
【0039】本発明の熱剥離層20中に添加することの
出来る熱分解性低分子化合物としては、ジアゾ化合物、
アジド化合物等の発熱分解性、およびガス発生性の材料
が好ましい。この場合の熱剥離層バインダーとしては、
一般のポリマーを用いることが出来るが、上記の熱分解
性ポリマーをバインダーとして組み合わせることは、よ
り好ましい。その場合の熱分解性低分子化合物とバイン
ダーポリマーの重量比は、一般に0.02:1〜3:
1、特に好ましくは0.05:1〜2:1である。本発
明の剥離現像時、高密度エネルギー光照射部での剥離が
光熱変換層19と熱剥離層20の界面、または熱剥離層
20の凝集破壊面で行われる場合には、高密度エネルギ
ー光照射部の熱剥離層20の全部、もしくは一部が受像
層に転写される。そのため、熱剥離層20の着色が大き
いと、受像材料12上の画像の混色を起こし、好ましく
ない。そのため、熱剥離層20が転写しても、混色が目
視上、問題とならない程度に、熱剥離層20は可視光に
対し透過性が高いことが好ましい。具体的には、熱剥離
層20は可視光に対し、光吸収率が50%以下、好まし
くは10%以下である。
【0040】本発明の熱剥離層20は、実質的に光熱変
換層19の全面を被覆する必要がある。そのため一定以
上の量の熱剥離層材料を光熱変換層19上に設ける必要
がある。熱剥離層20の平均厚さ(塗布量)は、0.0
3〜0.3μmである。平均膜厚が0.03μm未満の
場合、記録感度が著しく低下すると共に、光熱変換層1
9の一部が転写し、混色が発生する。また、0.3μm
を越えると高速での記録感度が著しく低下する。ここ
で、前述した顔料等の色材とバインダーから成る熱剥離
層20の場合、顔料比が大きくなると、層表面が凹凸と
なり、更には多孔質状の膜構造となる。その場合、光熱
変換層19上に塗布、乾燥された熱剥離層20膜厚は、
著しく光熱変換層19の膜構造の影響を受ける。そのた
め本発明に好適な上記熱剥離層20の厚みは、ミクロな
膜厚変動を平均化した値を用いている。この熱剥離層2
0を光熱変換層19上に設けるには、光熱変換層19と
同様の、当業者に公知の方法、溶剤を用いて塗布するこ
とが出来る。なお、印刷用マスクフィルム等のように、
画像部の混色があっても、品質上影響がない場合には、
熱剥離層は必要に応じて除去してもよい。
【0041】本発明の色材層22の材料としては、上記
の作用機構および熱剥離層20の性質に合わせて、適宜
選択される。一般的には、画像を可視化するために色
素、顔料などの色材、およびバインダーの混合物が好適
に用いられる。色材としては、顔料または染料が使用さ
れる。顔料は一般に有機顔料と無機顔料に大別され、前
者は塗膜の透明性、後者は一般に隠蔽性に優れる特性を
有する。印刷色校正用に使用する場合には、印刷インキ
に使用されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(K)と一致もしくは近い色調の有機
顔料が好適に使用される。この他金属粉、蛍光顔料等も
その目的に応じて用いられる。好適に使用される顔料と
しては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系
などのスレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イ
ソインドリノン系等が挙げられる。顔料は代表的には有
機溶媒、もしくは水系分散媒の中に有機結合剤と共に分
散される。この顔料は対応する画像の色と画質を再現す
る程度までに粉砕される。一般的に平均粒径1μm以
下、特に0.5μm以下が、高い解像力を得る上で好ま
しい。
【0042】次の例は、この技術分野で公知の多くの顔
料および染料の内の若干例であるが、本発明に使用でき
る顔料もしくは染料はこれらに限定されるものではない
(C.I.はカラーインデックスを意味する)。ピクト
リアピュアブルー(C.I.42593)、オーラミン
O(C.I.41000)、カチロンブリリアントフラ
ビン(C.I.ベーシック13)、ローダミン6GCP
(C.I.45160)、ローダミンB(C.I.45
170)、サフラニンOK70:100(C.I.50
240)、エリオグラウシンX(C.I.4208
0)、ファーストブラックHB(C.I.2615
0)、No.1201リオノールイエロー(C.I.2
1090)、リオノールイエローGRO(C.I.21
090)、シムラーファーストイエロー8GF(C.
I.21105)、ベンジジンイエロー4T−564D
(C.I.21095)、シムラファーストレッド40
15(C.I.12355)、リオノールレッド7B4
401(C.I.15850)、ファーストゲンブルー
−TGR−L(C.I.74160)、リオノールブル
ーSM(C.I.26150)、三菱カーボンブラック
MA−100、三菱カーボンブラック#40。
【0043】これらの顔料以外に、チバガイギー(株)
等から製造、販売されているポリマーキャリヤー中に傲
粒子顔料を分散させた加工顔料、例えばミクロリスイエ
ロー4GA、ミクロリスイエロー2R−A(C.I.2
1108)、ミクロリスイエローMX−A(C.I.2
1100)、ミクロリスブルー4G−A(C.I.74
160)、ミクロリスレッド3R−A、ミクロリスレッ
ド2C−A、ミクロリスレッド2B−A、ミクロリスブ
ラックC−A等も使用される。
【0044】色材層22は、その被膜性と脆さ、および
熱剥離層20との間の結合力を制御するために少なくと
も一種の結合剤を含む。また結合剤は上記塗膜のレオロ
ジカルな性質を制御すると共に、分散系の顔料を安定さ
せるためにも使用される。代表的には顔料と結合剤また
は結合剤の一部が、所望の粒径が得られるまでミルの中
で粉砕される。粉砕されたペーストを溶媒または溶媒混
合物によって希釈して、所望の粘度の分散物を得る。画
像状照射部、および非照射部に対応して色材層22を選
択的に転写し、高画質の画像を得るために、本発明に用
いる色材層22塗膜のせん断破壊力および伸びは共に小
さいことが好ましい。
【0045】さらに結合剤ポリマーの分子量が小さすぎ
ると、色材層22を加圧、加熱下、受像層16にラミネ
ートする際に、結合剤が軟化、もしくは融解を起こし易
く、本来接着して欲しくない非照射部感光層との粘着性
が増大し、解像力低下を招きやすい。そのため結合剤ポ
リマーとしては、平均分子量が5,000〜100,0
00、特に10,000〜30,000が好ましい。こ
の層に適した結合剤は熱可塑性樹脂またはその混合物で
あり、混合物の場合、二種以上の樹脂が相溶状態にあっ
ても、非相溶状態のいずれであってもよい。具体的に好
ましいポリマーの例は、メチルセルロース、エチルセル
ロース、三酢酸セルロースのようなセルロース誘導体、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等のようなアクリル系モノマーの単独
重合体又は共重合体等がある。更には、ポリビニルブチ
ラール、ポリブニルフォルマール等のビニル系ポリマ
ー、スチレン系ポリマー等も使用可能である。
【0046】好ましい実施態様において顔料と結合剤の
混合比は、顔料と結合剤の組み合わせによって異なる
が、一般的には顔料:結合剤比は1:5〜10:1(重
量比)であり、特に1:3〜3:1が好ましい。またレ
ーザ記録感度を向上させるために、画像形成層のバイン
ダーとして熱剥離層バインダーとして記載した熱分解性
ポリマーの使用、もしくは上記バインダー中への混合、
添加等も好ましい。
【0047】このようにして形成された色材層22は、
顔料およぴ結合剤ともに脆く、一色のみの高画質を得る
上では良好な性能を有するが、受像体上に既に形成され
ている画像の上に、別の色相の画像を記録、転写・接着
し多色化させる場合、強い加圧もしくは加熱条件が必要
となり、記録装置が複雑、高価になりやすい。そのよう
な場合、色材層22に加塑剤を添加して、被膜の接着
性、凝集力の制御を行うことも出来る。
【0048】即ち、可塑剤は、異なった色相の色材層2
2同士の接着力を向上させ、受像材料12への転写を促
進するために添加される。使用される材料は、色材、結
合剤との組み合わせにより適宜選択される。低分子可塑
荊の例としては、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル
酸ジ−n−オクチル(DnOP)、フタル酸ジ(2−エ
チルヘキシル)(DOP)、フタル酸ジノニル(DN
P)、フタル酸ジラウリル(DLP)、フタル酸ブチル
ラウリル(BLP)、フタル酸ブチルベンジル(BB
P)等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エチ
ルヘキシル)(DOA),セバシン酸ジ(2−エチルヘ
キシル)(DOS)等の脂肪族二塩基酸エスアル、リン
酸トリクレジル(TCP),リン酸トリ(2−エチルヘ
キシル)(TOF)等のリン酸トリエステル類、ポリエ
チレングリコールエステル等のポリオ−ルエステル類、
エポキシ脂肪酸エステルのようなエポキシ化合物等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】上記の一般的な可塑剤の他に、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブタント
リオールトリメタクリレート、トリメチロールエタント
リアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレー
ト、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペンタ
エリトリットーポリアクリレートのようなアクリル酸エ
ステル類も、結合剤の種類によって好適に使用される。
これらの可塑剤は単独で、また二種以上を混合して使用
してもよい。またこれらの可塑剤に、ポリ塩化パラフィ
ンのような二次可塑剤(補助可塑剤)を配合して使用し
てもよい。添加される可塑剤の量は、顔料および結合剤
との組み合わせによって異なるが、一般的には(顔料と
結合剤の総量):可塑剤の重量比が100:1〜1:
2、好ましくは100:2〜1:1である。
【0050】上に記載した成分に加えて、色材層22は
界面活性剤、増粘剤、分散安定剤、接着促進剤、その他
の添加剤を合むこともできる。色材層22の乾燥膜厚
は、目的とする用途によるが、良好な剥離転写(現像)
を実現して高画質な画像を形成するためには、一般的に
5μmを越えることはない。好ましくは0.1μm〜2
μmであり、更に好ましくは0.1〜1μmである。
【0051】図3には示されていないが、本発明の色材
層22の表面には、取り扱い時の傷防止、保存時の膜面
同士の接着などをふせぐために、必要に応してカバーフ
ィルムが設けられていてもよい。これらの目的のための
カバーフィルムの材料は一般的には例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどの高分子化合物を挙げることができ
る。カバーフィルムの厚さは一般的には5〜400μ
m、特に10〜100μmであることが好ましい。これ
らのカバーフィルムの色材層22と接触する面には、カ
バーフィルムの接着性を制御するために、各種表面処理
がなされてもよい。
【0052】本発明の光熱変換層19、熱剥離層20、
色材層22等の膜厚測定は、通常の触針式による方法以
外に、走査型電子顕傲鏡、トンネル顕微鏡、レーザ顕微
鏡等の顕微鏡観察による方法、およびESCA、FT-IR 等の
物理的表面解析方法、更には、各層を溶剤で溶解した後
の化学分析法等の方法によっても良い。前述したよう
に、光熱変換層19としてカーボンブラック等の微粒子
を分散した層を用いる場合には、その表面が分散粒子の
形状の影響を受けて凹凸になる場合がある。そのような
層の上に熱剥離層20、更には色材層22を設けると、
下地の凹凸の影響を受けて上層の膜厚は必ずしも均一と
はならない。後述するように、本発明の実施例で、色材
シート10上の光熱変換層19、色材層22の各平均膜
厚を、走査型電子頭微鏡による断面観察で測定した。ま
た、色材シート10作成に用いる塗布液と同一組成の塗
布液を、平滑表面を有するポリエステルフィルムに、色
材シート10作成時と同じ条件で塗布、乾燥し、膜厚を
触針式膜厚計で測定した。両者の値はほぽ等しかった。
この結果から、本発明においては、平滑ポリエステルフ
ィルム上の測定膜厚を、色材シート10の対応する各層
の平均膜厚(塗布量)とした。
【0053】以上のように構成された色材シート10
は、通常では熱剥離層20と色材層22とが強く接着さ
れた状態となっているが、サーマルヘッドやレーザ光等
の加熱記録手段によって直接もしくは光熱変換層19で
光熱変換されて加熱されると、加熱部分の熱剥離層20
には熱分解反応等の熱反応が生じ、光熱変換層19もし
くは支持体18と色材層22との接着力を大幅に低下さ
せ、この加熱部粉のみが容易に剥離可能な状態となる。
このように、本発明に用いられる色材シート10におい
て、最も特徴的な部分は転写、すなわち画像形成に際
し、色材層22は変化せず、色材層22の下層に色材層
22の接着力を低下させる熱剥離層20を有している点
であり、この熱剥離層20を有していることから、色材
層22の厚みを従来の溶融型熱転写方式および昇華型熱
転写方式に比べ大幅に、約10分の1程度に薄くするこ
とができ、かつ解像度も、特にレーザヘッド方式では大
幅に、例えば約2〜13倍程度(例えば、サーマルヘッ
ド方式で300〜600dpi、レーザヘッド方式で1
000〜4000dpi)高めることができる。すなわ
ち、レーザ光のスポット径を10μm以下としても、色
材層22の厚みが5μmを超えることはなく、通常0.
1〜2μmであることから、十分に再現可能である。な
お、サーマルヘッドで記録する場合、光熱交換層は必要
ではなく、除くことができる。また、熱剥離層は高感度
化等に有利であるが、用途によってはコストその他の理
由から除去してもよい。
【0054】一方、受像材料12は、受像支持体26、
受像支持体26上に形成されるクッション層28、およ
びクッション層28上に形成される受像層16とを有す
る。なお、図示はしていないが、受像層がクッション層
を兼ねた構成の受像材料は、クッション層28を設けな
い構成の受像材料12、さらには受像支持体26が受像
層16を兼ねた構成の受像材料12も、必要に応じて可
能である。受像支持体26はフィルム状もしくは板状の
ものであれば特に限定されす、どのような物質から作っ
たものであってもよい。受像支持体26の材料として
は、一般的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体などの高分子化合物を挙げることがで
き、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが、
水、熱に対する寸法安定性の点で好ましい。また受像支
持体26の厚さは、フィルム状の場合一般的には10〜
400μm、特に25〜200μmであることが好まし
い。また、用途によっては、受像支持体26としてガラ
ス、金属板等も使用することは可能である。図示されて
いないが、受像支持体26の表面には、クッション層2
8もしくは受像層16との密着性をあげるために下塗層
の積層もしくは物理的な表面処理がなされていてもよ
い。下塗層としては被膜性のあるポリマー材料から、支
持体および受像層両者との密着性等を考慮して適宜選択
される。その厚みには特に制限は無いが、通常は0.0
1μmから2μmが好ましい。密着性をあげる手段とし
て、支持体26表面のグロー放電処理、コロナ放電処理
などの物理的処理も、特に好ましい。
【0055】クッション層28は、弾性を有する層で、
転写時における色材シート10と受像材料12との押圧
力を吸収し、かつ色材層22と受像層16との良好な密
着を可能とし、両者間に介在するゴミやチリなどを埋め
込むことができるものである。このようなクッション層
28として、ビカー(Vicat)法による軟化温度が
約80℃より低いポリマー層が好ましい。その例として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、アクリル酸エステル−エチレン共重合
体等が挙げられる。また、これら以外のポリマーに加塑
剤を加えた材料も同様に用いられる。その例としては、
ポリスチレン系、メタアクリル酸エステル系、ポリビニ
ルアセタール系等の樹脂に、リン酸エステル系、フタル
酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、エポキシ化
エステル類等、公知の可塑剤を組合わせた系が用いられ
る。その際の樹脂と可塑剤の重量比は、使用する材料に
依存するが一般的には1:0.1〜1:40、好ましく
は1:0.5〜1:5である。またクッション層の膜厚
は、その弾性にも依存するが一般的には3〜100μ
m、好ましくは7〜50μmである。
【0056】受像層16は、画像状に加熱された色材層
22を受容するためのもので、一般的にポリマー材料を
主成分として形成される。受像層に用いられるポリマー
の種類に特に大きな制限は無いが、一般的に色材層との
間に適度な親和性、濡れ性が必要であり、そのために色
材層成分に応じ、例えば種々のガラス転移温度Tg、溶
解性パラメーターSP値等の物性を持った材料から適宜
選択される。その例として、色材層バインダーとしてポ
リビニルブチラールを用いた場合、受像層ポリマーとし
てポリビニルブチラール、低軟化点ポリエステル等の樹
脂を用いることが出来る。受像層中には、これらポリマ
ー以外に前記した可塑剤の他、界面活性剤等、必要に応
じて添加することが出来る。受像層の厚みは、上述のク
ッション層と組合わせた場合一般に0.2〜30μm、
好ましくは1〜5μmであるが、使用材料、用途に依存
し特に限定されない。
【0057】図3には図示していないが、本発明の受像
層16は、クッション層を兼ねていてもよい。そのよう
な受像層は、必要に応じて印刷本紙に転写するための、
適度のレリース性を得るために、特開昭59−9714
0号公報に記載されている光重合性材料からなることが
好ましい。この目的のために好適な光重合性受像層16
は a)付加重合によって光重合体を形成しうる多官能ビニ
ル又はビニリデン化合物の少なくとも一種、 b)有機重合体結合剤、 c)光重合開始剤、 および必要に応じて熱重合禁止剤等の添加剤、を含有す
る。
【0058】本発明に使用出来る適当なビニルまたはビ
ニリデン化合物は、例えばポリオールの不飽和エステ
ル、特にアクリル酸又はメタクリル酸のエステル、例え
ばエチレングリコールジアクリレート、グリセリントリ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−プロパンジオールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブタン
トリオールトリメタクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、ペンタエリトリットジメタクリレー
ト、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエ
リトリットテトラメタクリレート、ペンタエリトリット
ジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレー
ト、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペンタ
エリトリット−ポリアクリレート、1,3−プロパンジ
オール−ジアクリレート、1,5−ペンタンジオール−
ジメタクリレート、200〜400の分子量を有するポ
リエチレングリコールのビスアクリレートおよびビス−
メタクリレートおよび類似の化合物、不飽和アミド、特
にそのアルキレン鎖が炭素原子によって開かれていても
よいα,ω−ジアミンを有するアクリル酸およびメタク
リル酸の不飽和アミドおよびエチレンビス−メタクリル
アミドである。
【0059】更に、例えば多価アルコールと多価の有機
酸のエステルと、アクリル酸またはメタクリル酸との縮
合によるポリエステルアクリレートも使用しうるが、こ
れらに限定されるものではない。有機重合体結合剤(バ
インダー)(b)は、熱可塑性樹脂またはその混合物で
あり、その例としてはアクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル等のようなアク
リル系モノマーの単独重合体又は共重合体、メチルセル
ロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのよ
うなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニールアル
コール等のようなビニル系ポリマーおよびそれらの共重
合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマ
ー、ブタジエン−スチレン共重合休のようなゴム系ポリ
マーなどが挙げられる。これらの中で、各種アクリル系
モノマーの共重合体は、広い範囲で軟化点等の熱的性質
を制御することが容易であり、また光重合性モノマーと
の相溶性が良好であり好ましい。これらのポリマーは、
10,000〜2,000,000の平均分子量を有す
る。ここで、光重合性モノマーと有機重合体結合剤の混
合比は、使用されるモノマー化合物と結合剤の組み合わ
せによって異なるが、一般的にはモノマー:結合剤比が
0.1:1.0〜2.0:1.0(重量比)が好まし
い。
【0060】光重合開始剤としては、近紫外部に吸収、
活性を有し、可視部に吸収が無い、もしくは小さな化合
物である必要がある。このような例としてベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン〔4,4’−ビス−(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン〕、4,4’−ビス−(ジメエルア
ミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチル
アミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フ
ェノントラキノン、およびその他の芳香族ケトンのよう
な芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェチル
エーテルのようなベンゾインエーテル類、メチルベンゾ
イン、エチルベンゾインおよびその他のベンゾイン類、
並びに2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(O−クロロフェニル)−
4,5−(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体
等が挙げられる。
【0061】ここで、光重合性モノマーと、有機重合体
結合剤の混合比は使用されるモノマ一化合物と結合剤の
組み合わせによって適正比は異なるが、一般的にはモノ
マー:結合剤比が0.1:1.0〜2.0=1.0(重
量比)が好ましい。光開始剤の添加量はモノマー化合物
に対して0.01〜20重量%が好ましい。
【0062】また、図3(a)に示される積層前の状態
では、受像材料12の受像層16は必要に応じ保護シー
ト17で覆われており、積層直前に保護シート17を剥
離して廃棄するようにするのが好ましい。受像材料12
においては、受像層16は粘着性を有する。従って、色
材層22の被加熱部分は、受像層16と接触すること
で、容易に受像層16に剥離転写される。また、受像層
16は剥離可能であり、本紙14と受像材料とを密着積
層して、加熱圧着した後、両者を剥離することにより、
受像層16はクッション層28から剥離して本紙14に
転写される。
【0063】レーザヘッドによるヒートモード記録(サ
ーマルプリント)方式でカラープループを作成するプロ
セスの一例を以下、図3に示す画像記録工程を順を追っ
て説明する図3に示される画像記録工程においては、ま
ず図3(a)に示されるように、受像材料12上に色材
層22と受像層16とが対面するように搬送し、図3
(b)に示されるように、保護シート17を受像材料1
2から剥がして、色材シート10と受像材料12を積層
する。その場合、加熱ローラなどのラミネート手段によ
って加圧加熱して積層し、色材層22と受像層16とを
均一の粘着力で接着すると均一厚画像を得る上で好まし
い。
【0064】次いで、図3(c)に示されるように、レ
ーザヘッド24のレーザ24aから射出され結像レンズ
によってスポット径が絞られたレーザ光によって色材シ
ート10が、その透明支持体18側からヒートモードで
像様に露光されると、色材シート10の光熱変換層19
によってレーザ光が熱に変換され、その熱が熱剥離層2
0に伝導され、画像が潜像として記録される。なお、サ
ーマルヘッド等の加熱記録手段で像様に加熱することに
よって画像を記録してもよい。この画像記録によって、
加熱部分の熱剥離層20による色材層22の接着力は低
下し、色材層22は容易に剥離可能な状態となる。図中
参照符号23は、熱剥離層20に生じた接着力低下部分
を示す。なお、ラミネート手段による色材シート10と
受像材料12との積層(色材層22と受像層16との粘
着)は、レーザ光などの照射部分やサーマルヘッド24
による加圧加熱部分(すなわち画像記録位置)だけでも
よく、あるいは両材料全面的であってもよい。
【0065】次いで、図3(d)に示されるように、色
材シート10と受像材料12を剥離し、現像する。ここ
で、前述のように色材シート10の色材層22の加熱部
分は、光熱変換層19との結合力が低下し、受像層16
との粘着力の方が大きくなっているため、容易に剥離可
能な状態となっている。受像層16は粘着性を有するの
で、色材シート10と受像材料12とを剥離ローラなど
の押圧手段によって押圧しながら、剥離することによっ
て、色材層22の非加熱部分を剥離ムラを生じさせるこ
となく受像層16から剥離するとともに、色材層22の
加熱部分を受像層16に剥離転写して現像し、受像層1
6に画像を形成する。また、色材層22を前述の比較的
薄い厚さ範囲としておくことにより、剥離現像を正確か
つ確実に行うことができ、剥離ムラや見当ズレのない高
画質な画像を形成することが可能となる。
【0066】受像材料12の受像層16への1色の画像
形成が終了すると、次いで、別の色の色材シートを用
い、同様に図3(a)〜(d)の操作を繰り返して、別
の色の画像を受像材料12に剥離現像して形成する。こ
のようにして、C,M,YさらにはKの4色(あるいは
C,M,Yの3色、あるいはさらに、印刷分野において
特色と呼ばれる複数色)全ての画像を剥離現像して受像
材料12(受像層16)に転写し、カラー画像を形成す
る。全ての色の画像形成が終了した後、図3(e)に示
されるように、本紙14と受像材料12(受像層16)
を積層(ラミネート)して加熱圧着した後に、図3
(f)に示されるように本紙14と受像材料12を剥離
する。前述のように、受像材料12の受像層16は、剥
離可能であり、また、硬化前の表面は粘着性を有するの
で、本紙14と受像層16とを粘着後、紫外線硬化性な
どを有している場合には紫外線を照射して受像層16を
硬化させて剥離することにより、受像層16はクッショ
ン層28から剥離して本紙14に貼着されることでカラ
ー画像が本紙に転写される。本プロセスでは、記録前に
色材シート10を受像材料12に積層しているが、必要
に応じて記録後、色材シート10を受像材料12に積層
してもよい。
【0067】このような図3に示すカラー画像形成方法
を実施する本発明のカラー画像形成装置の概念図が図2
に示される。同図に示すカラー画像形成装置30は、フ
ルカラー画像を得るためのもので、感材供給部32と、
画像形成ドラム34と、ドラム34上に設けられる感材
固定/解除機構36と、ドラム34の外周に沿って配置
されるラミネート機構38と、露光ヘッド40と、剥離
機構42と、給紙部44と、ラミネート部46と、定着
部48と、剥離部50と、トレイ部52と制御部54と
を有する。
【0068】このカラー画像形成装置30は、感材供給
部32からドラム34上に受像材料12および色材シー
ト10とを供給し、まず、ドラム34上に受像材料12
を感材固定/解除機構36によって固定し、次いで、ラ
ミネート機構38によって加圧加熱押圧して受像材料1
2上に色材シート10を粘着して積層する(図3(a)
〜(b)参照)。次いで制御部54によって画像信号に
応じて制御された露光ヘッド40によって像様にヒート
モードレーザ露光して潜像として画像を記録する(図3
(c)参照)。続いて剥離機構42によって色材シート
10をドラム34上に固定されている受像材料12から
剥離して、潜像として記録された色材シート10の画像
を受像材料12に転写して現像して、受像材料12上に
画像を形成する(図3(d)参照)。これ(図3(a)
〜(d)の工程)を3〜4色について繰り返し、受像材
料12上にカラー画像を形成した後(図3(e)参
照)、この受像材料12と給紙部44から供給された本
紙14とをラミネート部で積層・密着し、定着部48で
受像材料12の受像層16を光硬化させた後、剥離部5
0で剥離し(図3(f)参照)、フルカラー画像が形成
された本紙14はプルーフトレイ52aに、使用済受像
材料12は廃材スタッカ52bに排出される。こうし
て、フルカラー画像をハードコピーとして得ることがで
きる。
【0069】感材供給部32は、ロール状の受像材料1
2および複数の色材シート10、例えばY,M,C,K
の標準ドナーシートや印刷分野で用いられる特色シート
などのロール状感熱材料(以下、感材という)が保持さ
れている感材ステーション53と、1つの感材を引き出
す1対の引出ローラ54と、引出ローラ54によって感
材ステーション53から所定の長さに引き出された感材
をシート状に切断するカッタ55と、シート状感材を挟
持搬送する1対のローラ56と、シート状感材をドラム
34上に案内し、感材の先端をドラム34上の取り付け
られた感材固定/解除機構36に固定位置まで案内する
ガイド57とからなる。
【0070】画像形成ドラム34には、まずシート状受
像材料(以下、受像シートという)12が供給される
が、その先端が機構36にクランプ等により固定され、
ドラム34の図中矢印方向の回転によってドラム34の
外周上に巻き付けられ、後端も感材固定/解除機構36
により固定される。ここで、感材固定/解除手段36の
先端固定部と後端固定部の少なくとも一方は、色々な長
さの感材シートのドラム34上への固定が可能なよう
に、ドラム34の外周上を移動可能であるのが好まし
い。
【0071】次いで、ドラム34の外周上に巻き付けら
れた受像シート12上に、全く同様にして感材供給部3
2から搬送されてきた色材シート10が積層して巻き付
けられる。この色材シート10の受像シート12上への
積層は、内部に図示しないヒータを内蔵するラミネート
ローラ58と、ラミネートローラ58を支点59aを中
心に回動し、ドラム34の外周に接離させるアーム59
と、ラミネートローラ58を所定押圧力でドラム外周に
押圧する押圧手段60からなるラミネート機構38によ
って行われる。押圧手段60は、ばね等の付勢手段であ
ってもエアシリンダのマニュピレータであってもよい。
受像シート12の最表層の受像層16は粘着性を有して
いるため、ラミネートローラ58によって所定押圧力に
より押圧しながら色材シートを巻き付けてラミネートで
きるので、色材シート10にしわなどを発生させないこ
とはもちろん、均一な粘着力で受像シート12の受像層
16と色材シート10の色材層22とを接着することが
できる。
【0072】ここで、受像シート12への色材シート1
0のラミネートは、均一に強く接着させるため、加圧ラ
ミネートローラ58によって行われるが、粘着力の向上
を図るためラミネートローラ58を加圧と同時に加熱し
ながらラミネートするのも好ましい。加熱条件は、各材
料の熱膨張率等の熱機械的性質により、また露光レーザ
スポットへの影響等の制約から、130℃以下、好まし
くは100℃以下とするのがよい。図示例では、色材シ
ート10の受像シート12への押圧積層にラミネートロ
ーラ58を用いているが、本発明はこれに限定されず、
押圧積層ができれば何でもよく、先端がなめらかな棒状
の押し付け部材等も用いることができる。
【0073】また、ドラム34への受像シート12の巻
き付けの際に、その先端を感材固定/解除機構36によ
って固定し、搬送ローラ対56またはラミネートローラ
58もしくはその他の手段で受像シート12の他の部分
を保持し、受像シート12に所定の張力をかけてドラム
34の外周に巻き付けるのが好ましい。この時、ドラム
34の外周に穿孔を設けておき、受像シート12を吸着
手段を用いて吸着するようにしてもよい。この吸着手段
と感材固定/解除機構36とは併用するのが好ましい
が、いずれか一方のみとしてもよい。こうすることによ
り、しわ等を発生させず、また位置ずれを生じさせるこ
となく、受像シート12をドラム34の外周に固定する
ことができる。さらに、色材シート10の受像シート1
2への積層時にも、色材シート10に張力をかけておく
のが好ましい。この時、受像シート12の巻き付けと同
様に感材固定/解除機構36を用いて、色材シート10
の先端および/または後端を固定するようにしてもよい
し、上述の吸着手段を併用するようにしてもよい。な
お、積層時に色材シート10にかける張力は、ドラム3
4への巻き付け時に受像シート12にかける張力より小
さくしておくのが好ましい。
【0074】露光ヘッド40は、変調手段を含み、レー
ザビーム等の高密度エネルギ光を射出するレーザ光源2
4aとレーザ光のビームスポット径を調整する結像レン
ズ24b等からなるレーザヘッド24(図3(c)参
照)と、レーザヘッド24をドラム34の軸方向(図1
の紙面に垂直な方向)に移動して副走査を行う副走査手
段61とを有する。なお、レーザ光にによる色材シート
10の主走査は、ドラム34の回転によって行う。ここ
で、露光ヘッド40に副走査移動手段61を設けず、ド
ラム34に軸方向の移動手段を設け、ドラム34を回転
主走査しつつ軸方向に移動させて副走査させてもよい。
【0075】レーザ光源としては、ヒートモード露光が
可能な高密度エネルギ光を射出できればよく、例えば、
アルゴンイオンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、ヘリウ
ムカドミウムレーザ等のガスレーザ、YAGレーザなど
の固体レーザ、半導体レーザなどの他に、色素レーザ、
エキシマーレーザなどを用いることができる。本発明に
おける画像記録に用いられるレーザ光は、これらのレー
ザから直接射出された光、もしくはこれらの射出光を二
次高調波素子を通して、半分の波長に変換した光等を用
いることができる。色材シート10の感光波長、感度、
必要とされる記録速度に応じて、これらのレーザから適
宜選択されるが、これらの中で半導体レーザが価格、出
力パワー、大きさ、変調のしやすさ等の点から、最も好
ましい。画像信号によるレーザ光の変調は、例えばアル
ゴンイオンレーザの場合には外部変調器にビームを通
し、また半導体レーザの場合には、レーザーに注入する
電流を信号により制御(直接変調)する等、公知の方法
により行なわれる。光熱変換層上で集光されるレーザス
ポットの大きさ、および走査速度は、画像に必要とされ
る解像力、材料の記録感度等に応じて設定される。印刷
用途の場合、一般に高い解像力が必要であり、ビームス
ポットは小さい方が画質的に好ましいが、一方で焦点深
度が小さくなり、機械的な制御が困難になる。また、走
査速度が小さすぎると、色材シート支持体等への熱伝導
による熱損失が大きくなり、エネルギ効率が低下すると
共に、記録時間が長くなり好ましくない。以上から、本
発明での記録条件は、光熱変換層上のビーム径が5〜5
0μm、特に好ましくは6〜30μm、走査速度1m/
秒以上、好ましくは3m/秒以上である。
【0076】画像信号は、本発明のカラー画像形成装置
30の外部の画像読取装置、画像処理装置、DTP機能
を持つワークステーション(W/S)、電子出版システ
ムや各種の記憶媒体(磁気テープ、フロッピーディス
ク、ハードディスク、RAMカード等々)から、特に本
発明の第2の態様の画像形成システムにおいては、後述
するカラーマネージメントシステム(色画像再現システ
ム)等により、色空間等のマッチングが行なわれた後、
SCSIインターフェース等を介してディジタル信号と
して、制御部54に伝送され、必要な処理が施された
後、露光ヘッド40に伝送され、レーザヘッド24のヒ
ートモード露光の制御が行われる。制御部54は、露光
ヘッド40の副走査手段61による副走査およびドラム
34の回転主走査の制御を始めとして、本発明のカラー
画像形成装置30の各部の制御および全体シーケンスの
制御などを行う。
【0077】剥離機構42は、露光ヘッド40によるヒ
ートモード露光によって潜像として画像が形成された色
材シート10を受像シート12から剥離すると同時に色
材シート10の潜像を受像シート12に剥離転写して現
像するためのもので、剥離ローラ62と、剥離ローラ6
2に当接する2個の分割ローラ63,64と、剥離ロー
ラ62に沿って分割ローラ63,64の分割ローラ片間
に設けられる櫛刃ガイド板65、これらを一体として取
り付けるブラケット(図示しない)とを有する。剥離ロ
ーラ62はアーム67に軸支され、支点67aを中心に
回動し、ドラム36上を接離可能に構成される。またア
ーム67を介して剥離ローラ62をドラム34上の受像
シート12と色材シート10との積層体を押圧するため
の押圧手段68が設けられる。
【0078】ヒートモード露光によって熱エネルギが像
様に印加され、色材層22の接着力が低下することで潜
像として画像が形成され色材シート10と、これが接着
された受像層16を持つ受像材料12との積層体に対
し、支点67aを中心にアーム67がそれぞれ回動し
て、ブラケットを近づけ、積層体の受像材料12の受像
層16と色材シート10の色材層22との間に櫛刃ガイ
ド板65を挿入するとともに積層体を色材シート10側
から剥離ローラ62によって押圧する。ここで、色材シ
ート10と受像シート12のいずれかの接合長さを変え
ておけば櫛刃ガイド板65を両者間に容易に挿入でき
る。この後ドラム34を回転するとともに剥離ローラ6
2、分割ローラ63,64を回転させ、色材シート10
の先端を櫛刃ガイド65に沿って移動させ剥離ローラ6
2と分割ローラ63の間に挟持させる。こうして、色材
シート10を剥離ローラ62で押圧しながら、剥離ロー
ラ62と分割ローラ63,64との間で挟持搬送して、
受像シート12から剥離する。こうして、色材シート1
0は剥離ローラ62で押圧した部分で、一定の剥離速度
で剥離することができるので、剥離力も一定とすること
ができ、スティックスリップなど振動現象が発生するこ
とがなく、剥離ムラを生じることがない。また剥離の際
に、受像材料12に加わる剥離力が変動しないので、受
像材料12のドラム34上の固定位置がずれることもな
い。従って、見当精度の低下を招くこともない。こうし
て、剥離ムラや見当ズレ等のない1色の高画質、高解像
度、高階調網点画像を得ることができる。
【0079】このようにしてC,M,YおよびKの4色
の画像が正確に見当合わせされて剥離・転写・現像され
た受像シート12は、ガイド部材70,70に案内され
つつ、搬送ローラ対71によって搬送されて、ラミネー
ト部46に搬送される。ラミネート部46においては、
受像シート12の搬送にタイミングを合わせて、本紙供
給ロール72が本紙カセット73から本紙14を送り出
し、ガイド部材70によって案内しつつ図中左方向に搬
送する。本紙14を手差し供給口44aから本紙供給ロ
ール72に供給してもよい。次いで、受像シート12お
よび本紙14は、レジストローラ対75によって位置合
わせされつつ積層され、定着部48に搬送される。
【0080】定着部48において、ラミネート部46に
おいて積層された受像材料12と本紙14は、圧着ロー
ラ76aおよび加熱ローラ76bより構成される加熱定
着ローラ対76によって加熱定着されつつ挟持搬送さ
れ、さらに紫外線ランプ等の後露光ランプ77によって
さらに受像シート12の受像層16が剥離しやすいよう
に硬化する。次いで、剥離部50において、剥離ローラ
対78および剥離ガイド79によって、硬化して剥離し
やすい受像層16が受像シート12より剥離され、受像
層16が本紙14に貼着されて画像が転写され、画像が
転写された本紙14はハードコピーとしてトレイ部52
のプルーフトレイ52aに排出され、受像層16が剥離
された受像シート12は、廃棄トレイ52bに廃棄され
る。
【0081】以上説明した例においては、受像材料(シ
ート)12は受像層16のみが剥離可能に構成されてい
たが、本発明においては、これ以外にも、受像層16と
クッション層28とが同時に剥離するように構成されて
いてもよい。すなわち、本発明においては、支持体26
に対して受像層16が剥離可能であれば、各種の態様が
利用可能である。なお、受像層16とクッション層28
(その他の中間層)とが同時に剥離される構成において
は、クッション層28を透明な材料で形成することによ
り、受像層16とクッション層28とを本紙14に転写
した後、クッション層28を画像の保護シートとしても
よい。また、クッション層28がハードコピーの支持体
の作用をしてもよく、この場合には、本紙14を透明な
シートとして、画像の保護シートとして作用させてもよ
い。
【0082】また、以上説明したカラー画像形成装置3
0では、熱エネルギ印加記録手段としてレーザ露光ヘッ
ド40を利用しているが、サーマルヘッドによって色材
シート10に加熱記録を行うものであってもよい。図2
に示すカラー画像形成装置30において、ドラム34の
軸方向(主走査方向)に延在する多様の発熱素子を有す
るサーマルヘッドを用い、ドラム34の回転による副走
査を行って画像記録を行ってもよい。
【0083】図4に、サーマルヘッド方式を適用する本
発明のカラー画像形成装置の別の実施例の模式図を示
す。図4に示されるカラー画像形成装置80において
は、色材シート10は、長尺な帯状の支持体18上に、
C,M,YおよびKの各色の色材層22が1画像分づつ
順番に繰り返し形成されている、いわゆるだんだら状の
色材シートである。すなわち、この色材シート10にお
いては、C,M,YおよびKの1繰り返し単位が1カラ
ー画像分となる。このような色材シート10は、供給ロ
ール81より供給され、ラミネートローラ対82により
受像材料12に加圧加熱接着された後、加熱記録手段と
してのサーマルヘッド83やプラテンローラ84を有す
る転写部85を経て画像記録および剥離ローラ対86に
よる受像材料12からの剥離ならびに受像材料12への
転写・現像が行われ、巻き取りロール87に巻回され
る。
【0084】一方、受像材料12は1画像分に対応する
長さを有するシート状のもので、カセット88に収納さ
れており、送り出しローラ89によってカセット88か
ら供給され、ガイド部材91によって案内されつつ、搬
送ローラ対90および搬送ローラ対92によって搬送さ
れ、色材シート10とラミネートローラ対82によって
加圧加熱接着された後、所定の画像記録位置でラミネー
トされた色材シート10および受像材料12を保持する
プラテンローラ84を有する転写部85に搬送される。
なお、本発明においては、受像材料12はシート状に限
定されず、カラー画像形成装置80にカッタ等の切断手
段を設け、ロール巻回された長尺な受像材料12を使用
してもよい。
【0085】転写部85において、画像記録開始前に
は、サーマルヘッド83は上方に移動しており、また、
色材シート10と受像材料12との積層体の搬送は停止
している。この積層体が所定の位置まで搬送されると、
サーマルヘッド83が下方に移動することにより、色材
シート10と受像材料12との積層体は、プラテンロー
ラ84とサーマルヘッド83との間で所定の圧力で挟持
されつつ所定の画像記録位置からサーマルヘッド83に
よる色材シート10への画像記録が開始される。前述の
ように色材シート10の色材層22は加熱によって接着
力が低下し、また受像材料12の受像層16は粘着性を
有するので、色材層22は色材シート10から容易に剥
離可能な状態となり、潜像が形成される。
【0086】ここで、サーマルヘッド83は、搬送方向
と直交する記録方向(図4の紙面と垂直方向)に微小な
発熱素子が多数配列されて構成されるものである。従っ
て、色材シート10を搬送しつつ、サーマルヘッド83
による記録を行うことにより、色材シート10の全面に
画像記録行うことができる。サーマルヘッド83には、
サーマルヘッド83を制御・駆動する制御部54が接続
される。制御装置54は外部より転送される画像信号S
に応じて、サーマルヘッド83の各発熱素子の駆動等を
制御する。
【0087】画像記録位置において、色材シート10と
受像材料12との積層体はプラテンローラ84にサーマ
ルヘッド83によって押圧されて、画像記録された後、
画像記録位置(プラテンローラ84)の副走査方向の下
流側(以下、単に下流側とする)において、剥離ローラ
対86によってこの積層体を押圧しつつ色材シート10
を受像材料12から剥離すると同時に、接着力の低下し
た色材層22を色材シートから受像材料12に転写・現
像し、1色の画像を受像材料12上に形成する。次い
で、色材シート10は巻き取りロール87によって上方
に搬送され、他方、受像材料12は搬送ローラ対71に
よって下方に搬送される。つまり、図示例の装置におい
ては、色材シート10および受像材料12が、ラミネー
トローラ対82、プラテンローラ84および剥離ローラ
対86の順に上流から下流に搬送されることにより、図
3の(a),(b),(c)および(d)に示される積
層、記録および剥離の各工程が行われ、受像材料12に
は1色の画像が形成される。
【0088】前述のように、色材シート10はC,M,
YおよびKの各色の色材層22が所定長で順次繰り返し
形成されている、だんだら状の色材シートである。その
ため、先頭の一色、例えばC画像の画像記録および受像
材料12への転写が終了すると、色材シート10および
受像材料12の搬送が停止され、サーマルヘッド83が
上方に移動することによって、また、ラミネートローラ
対82、剥離ローラ対86の一方のローラが移動するこ
とによって、画像記録位置における色材シート10およ
び受像材料12との積層体の挟持が開放され、両者は剥
離される。次いで、受像材料12は上流側に搬送され
て、画像記録を開始するべき所定の位置に停止され、ま
た、必要に応じて色材シート10の位置合わせが行わ
れ、その後、同様にして次色、例えばM画像の記録およ
び受像材料12への転写が行われる。以下、同様にして
YおよびKの残りの色の画像記録・受像材料12への転
写が行われ、4色のカラー画像が受像材料12に転写さ
れる。
【0089】このように、だんだら状の色材シート10
を用いる場合には、ラミネートローラ対82および剥離
ローラ対86はできるだけサーマルヘッド83に近接し
て設けるのが好ましい。また、サーマルヘッド83によ
るプラテンローラ84上の色材シート10と受像材料1
2との加圧加熱ラミネートおよび押圧剥離の少なくとも
一方が可能である場合には、ラミネートローラ対82お
よび剥離ローラ対86のいずれか一方、もしくは両方を
省いてもよい。さらに、ラミネートローラ対82によっ
て積層された本紙14と受像材料12とを加熱定着でき
れば、加熱定着ローラ対76を省いてもよい。さらに、
色材シート10と受像材料12とをラミネートする際に
は、両シートに所定の張力を加えるのが好ましいが、色
材シート10の張力の方を小さくするのがよい。
【0090】以上のように、本発明の画像形成システム
は、レーザヘッドによるヒートモード記録(サーマルプ
リント)方式サーマルヘッドによるサーマルプリント
(感熱記録)方式とを備えている。ここで本発明におい
ては、レーザヘッドによるレーザ光のビームスポット径
は10μm程度あるいは10μm以下、すなわち数μm
のオーダー、例えば5〜6μm程度にまで絞ることがで
き、また色材シート10の薄膜22の膜厚は、1μm以
下、例えば0.2〜0.4μm程度まで薄くできるの
で、レーザヘッドによるサーマルプリント方式では、サ
ーマルヘッド方式に比べ、装置コストも含めた画像形成
コストは高く、画像形成時間は長くなるが、従来方式で
は達成不可能な1000〜4000dpiの高解像度を
達成することができる。一方、サーマルヘッドによるサ
ーマルプリント方式でも、サーマルヘッドの抵抗体(加
熱部)を70×50μm程度、より小さい40×40μ
m程度まで小さくでき、送り量を1〜3μm程度まで小
さくすることができるので、レーザヘッド方式より解像
度は低いが、コスト的には安くかつ短時間の画像形成が
でき、従来の昇華型あるいは溶融型インクシートを用い
るサーマルプリンタ(レーザヘッド方式でもサーマルヘ
ッド方式でも)よりも高い300〜600dpiの解像
度を達成できる。
【0091】本発明システムではレーザヘッド方式はも
ちろん、サーマルヘッド方式においても、送りを高精細
に行うことができ、色材シート10の薄膜22を高精細
に完全転写できるので、ON/OFFの2値ディジタル
情報の安定再現が可能であり、高精細な面積変調が可能
であるとともに薄膜完全転写により高S/N比を達成で
きるので、文字等線画像も高品質に形成可能である。従
って、本発明の第3の態様の画像形成システムにおいて
は、目的とする画像品質(画像のデータ量、解像度、コ
スト、記録時間)などに応じて、適切な記録方式をレー
ザヘッド方式もしくはサーマルヘッド方式から選択し、
面積変調画像および文字等線画像を形成することができ
る。
【0092】本発明の画像形成システムについて、図
2、図3および図4を参照してカラープルーフ作成を行
うカラー画像形成装置およびそのカラー画像形成プロセ
スについて説明したが、本発明の第1の態様の画像形成
システムは、これに加え、色材シート10の色材層22
が目的および用途に応じた薄膜に変えられた複数種のド
ナーシートおよびこれに応じた複数種の受像材料を用意
し、ドナーシートと受像材料との適切な組み合わせを選
択し、図2および図4に示すカラー画像形成装置をその
まま、もしくは一部修正して、図3に示すプロセスの一
部もしくは全部あるいはこれらを修正して適用すること
により、種々の画像形成のうち少なくとも2つを行うこ
とができるものである。
【0093】本発明の画像形成システムで行うことので
きる画像形成としては、上述した印刷分野のカラープル
ープの作成の他、適当な色材を選択することによる、カ
ラーコピー(カラー印刷物そのものも含まれる)などの
カラー画像形成、白黒コピーなどのモノクロ画像形成、
薄膜および受像材料の適切な組み合わせを選択すること
による、刷版製版、フィルタ作製、プリント配線基板作
成等々を挙げることができる。
【0094】本発明の画像形成システムで行われる刷版
製版は、平版製版であって、この平版製版の場合のドナ
ーシートは、薄膜として親油性(インキ受容性)薄膜も
しくは、撥水撥油性(インキ反発性)薄膜のいずれかを
用いる。薄膜として親油性薄膜を用いる場合には、受像
材料の受像層には親水性受像層を用いる必要があるし、
撥水撥油性薄膜を用いる場合には親油性受像層を用いる
必要がある。親油性薄膜の材料としては、フェノール樹
脂、アクリル樹脂、スチレン系樹脂等、有機溶媒可溶性
のポリマーが一般に使用される。親油性薄膜と組合わせ
て好適に用いられる親水性物質としては、PVA、ゼラ
チン等、水溶性ポリマーが用いられる。ここでは、受像
層と受像支持体とが兼用された一体型であってもよい
し、薄膜によって形成された画像を受容した受像層をア
ルミニウム板などの金属板などの永久支持体に再転写す
るものであってもよい。永久支持体としては、例えば陽
極酸化処理アルミニウムが、特に好適である。
【0095】本発明で実施されるフィルタ形成は、可視
光域の所定波長域のみを透過もしくは吸収することがで
きるカラーフィルタ(例えばシアンフィルタ、マゼンダ
フィルタ、イエローフィルタ)、これらがモザイク状の
所定のパターンに形成されたモザイクフィルタ(液晶デ
ィスプレイ用など)、あるいは赤外域もしくは紫外域の
所定波長域を透過もしくは吸収するフィルタ(例えば、
赤外線(IR)フィルタ、紫外線(UV)フィルタ)な
どの形成を行うものである。ここで用いられるドナーシ
ートはこれらのフィルタに用いる従来公知の色材層をフ
ィルタ層として持つものであれば、従来公知のものを用
いることができる。例えば液晶ディスプレイ用色材とし
ては、赤(Red) 、緑(Green) 、青(Blue)の色相を持った
染料、顔料を公知の材料から選び、本発明と同様の方法
でドナーシートを作成できる。また受像材料としては、
透明な受像層を有するものであればよい。また、フィル
タ層が転写された薄い透明フィルムをガラスや厚い透明
樹脂板などの永久支持体に再転写してフィルタとするこ
ともできるし、受像層と支持体層が一体化されている場
合にはドナーシートの薄膜転写後、そのままフィルタと
して用いることもできる。
【0096】本発明の第1の態様の画像形成システムに
おいては、種々の材料からなる薄膜が形成されてドナー
シートと種々の材料からなる受像層を持つ受像材料と必
要に応じて用いられる永久支持体とを組み合わせて、1
つのシステムで複数の画像形成を行うことができる。ま
た、このように複数の画像形成を行う場合、本発明の第
3の態様のように画像の解像度、画質および画像(パタ
ーン)の精度に応じてサーマルヘッド方式とレーザヘッ
ド方式とを選択するようにしてもよい。この時、ドナー
シートおよび受像材料の層構成も、特に制限的ではな
く、ドナーシート10において、剥離可能な薄膜22お
よび支持体18を有していればよく、光熱変換層19や
熱剥離層20を有していなくてもよいし、受像材料12
において、受像層16を有していれば、クッション層2
8を有していなくてもよいし、支持体26と受像層16
とが一体であってもよい。また、各種の膜厚も、目的お
よび用途に応じて、また熱エネルギ印加方式(サーマル
ヘッドまたはレーザヘッド方式)によって適宜選択すれ
ばよい。本発明の画像形成システムにおいては、画像を
形成する薄膜22が転写された受像層16を永久支持体
(本紙14)に再転写可能であるので、転写材となる永
久支持体として、種々の紙(通常の印刷本紙のみならず
コピー用紙からOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)
ペーパーなどまで)、フィルム、刷版(PS版)等に用
いられるアルミニウム板などの金属板、プリント基板等
に用いられるプラスチック(樹脂)板など自由に選択で
きる。
【0097】次いで、本発明の第2の態様の画像形成シ
ステムについて説明する。本発明の第2の態様の画像形
成システムは、上述した本発明の第1および第3の画像
形成システムにおいて、原稿の種類(反射原稿、透過原
稿、写真、印刷物、紙質等々)や画像入力装置の違いに
よる画像信号データの相違および画像信号データが同じ
であったとしても、画像出力装置や出力媒体、例えば紙
質、インキなどの相違によって印刷物やカラープルーフ
やカラーコピーなどの画像の仕上りが相違してくる画像
に対してもこれらの相違によらず、近似性を高めたもの
で、色再現も含めた画像の再現を保証する(入力から出
力までの画像品質を保証する)システム、すなわちカラ
ーマネージメントシステム(Color management system
、以下CMSという)もしくはカラーイメージプリザ
ベーションシステム(Color imagepreservation system
:以下CIPSという)を適用するものである。
【0098】図5に、本発明の画像形成システムにおけ
るCIPSの全体システムの一実施例を模式的に示す。
図5に示すCIPSの全体システム120は、写真フィ
ルム、印刷物やフォトCDなどの原稿画像122から読
み取られたRGB画像データ124を画像出力装置およ
び画像出力媒体等に対して色空間マッチングおよび像構
造特性マッチングをとったCMYK画像データ126と
して出力するCIPSコントローラ128と、このCM
YK画像データ126を入力として印刷物を作成する印
刷機130から得られた印刷物から印刷機130のキャ
リブレーションを行う印刷物キャリブレータ132と、
本発明の第1の態様の画像形成システム100を構成
し、CIPSコントーラ128からの出力画像データ信
号を受けてカラープルーフを作成するプルーフプリンタ
134と、得られたカラープルーフからプルーフプリン
タ134のキャリブレーションを行うプルーフキャリブ
レータ136と、キャリブレーション用の入力画像信号
を作り出すための入力キャリブレーションターゲット1
38と、印刷機130やプルーフプリンタ134の特性
および能力などのデバイスキャラクタ、印刷物キャリブ
レータ132およびプルーフキャリブレータ134にお
ける、画像出力条件と出力画像との差もしくはこの差に
よるデバイスキャラクタの修正値、入力キャリブレーシ
ョンターゲット138などの特性(キャラクタ)を集積
し、必要に応じて各画像出力装置に出力するサービスを
行うカラーキャリブレーションサービスセンター140
と、カラーキャリブレーションサービスセンタ140が
保持している種々の入出力装置のデバイスキャラクタ、
その修正値および種々の入出力キャリブレーションター
ゲットの特性などを記録保持するデバイスキャラクタデ
ータファイル142などからなる。なお、図5に示すC
IPS120において、カラープルーフプリンタ134
には図1に示すDDCPシステム100のように図2お
よび図4に示すカラー画像形成装置のような画像出力装
置105の他にカラーモニタ108などのCRT表示装
置を持つオペレーション部106を備えていてよいこと
はもちろんである。
【0099】本発明のCIPS120においては、CI
PSコントローラ128とプルーフプリンタ134およ
びプルーフキャリブレータ136または図1に示すDD
CPシステム100とを組み合わせることにより、プル
ーフプリンタ134およびDDCPシステム100は色
情報に加えて、テクスチャー、S/N比、および解像性
などの像構造に関する特性をシュミレーション機能、す
なわちデバイスキャラクタリゼーション機能を持つ。こ
こで扱う色情報としては、色度および明度があるが、特
に色度すなわち色相(色味)および彩度(彩やかさ)が
用いられ、像構造特性としては、画像変調法(画像の作
成法)、すなわち、高精細細点作成、FMスクリーニン
グによる統計的網点作成、文字等線画像の作成の方法
と、紙などの被転写材、すなわち出力媒体の相違、光学
的および/または電気的解像度など挙げることができ
る。本発明においては、CIPSにより、画像出力装置
に応じた様々な画像のシュミレーションをCRT上にも
しくはカラープルーフあるいは印刷物などのハードコピ
ーとして画像化できるので、色度のみならず像構性も含
めた画像品質を画像出力装置に応じて特に印刷機に対し
て適切なレベル以上に保持可能なことを予測することが
できる。従って、本発明においては、印刷物近似性の高
い画像形成装置を提供できる。
【0100】図6は、本発明のCIPSの全体システム
120における、画像入力装置144および画像出力装
置146と、その間の色画像再現(カラーマネージメン
ト)を行うカラーマネージメント(CMS)部148と
を示す模式図である。以下の説明においては、CIPS
のカラーマネージメントとして色空間のマッチングによ
る色再現を代表例として説明するが、本発明はこれに限
定されず、テクスチャー、S/N比、解像性などの像構
造に関する特性のマッチングによる色画像再現を図って
もよいことはもちろんである。画像入力装置144とし
ては、透過原稿用(読取)スキャナ150、反射原稿用
(読取)スキャナ152および図示しないフォトCDな
どを含むディジタル画像データ記憶および/または発生
装置などを挙げることができ、これらはそれぞれ固有の
読取色空間150a,150bなどおよびデバイスプロ
ファイル152a,152bなどを持つ。ここで、透過
原稿の場合のスキャナの色空間150aはかなり広い
が、反射原稿は、用いられる色材が限られているので、
スキャナの読取色空間150bは狭いことを示すもので
ある。
【0101】画像出力装置146としては、モニタ用C
RT表示装置156、本発明のDDCPシステム100
を構成するプルーフプリンタ134、画像データから色
分解フィルム製版装置(フィルムレコーダー)158に
よって製作された色分解フィルム(Y,M,Cまたは
Y,M,C,K)159を用いてPS版などの刷版を製
版して印刷を行う印刷機160と、色分解フィルム15
9を用いてカラープルーフ(オフプレスプルーフ)を製
作する従来型カラープルーフ作製装置162などを挙げ
ることができる。この他、印刷機160と同様に製版フ
ィルム159を用いてPS版等の刷版を製版し、印刷機
160による印刷と同様のインキ161aおよび紙16
1bを用いて校正刷を行う校正機や、製版フィルム15
9を介さずに画像データから直接PS版などの刷版を製
版し、印刷機160で同様に印刷するDDPP(ダイレ
クト・ディジタル・プリンティング・プレス)画像出力
装置系を考えることができる。
【0102】各画像出力装置146においても各々の装
置に固有の再現可能な色空間156a,134a,16
0a,162aおよびデバイスプロファイル156b,
134b,160b,162bを持つ。ここでCRT表
示装置の再生可能な色空間156aが最も広く、DDC
Pプルーフおよび従来型カラープルーフの色空間134
a,162aもかなり広いが、インキを使った印刷機の
色空間は他に比べてかなり狭い。このように画像入力装
置144と入力原稿などの種類や画像出力装置146と
出力媒体などの種類によって、読取可能色空間と色再現
可能な色空間とは相違する。従って、CMS部148に
おいては、選択された画像入力装置144のデバイスプ
ロファイルと画像出力装置146のデバイスプロファイ
ルとを参照して色空間のマッチングを行って、画像出力
装置146における原稿画像に忠実な色再現さらに進め
て、目視による好ましい色再現を行う。
【0103】本発明のCIPS120における色再現
(カラーマネージメント)のより詳細な構成を図7に示
す。同図において、画像入力装置144は、画像入力部
144aとデバイスプロファイル144bを格納するメ
モリとからなり、標準入力ターゲット138、例えばI
T8.7/1またはIT8.7/2を画像入力部144
aを通して読み込むことにより、この装置144のデバ
イスプロファイル144bを生成してもよいし、予めメ
モリに格納されていたこの装置のデバイスプロファイル
144bを用いてもよいし、標準入力ターゲット138
を用いてキャリブレーションを行って修正してもよい。
【0104】画像処理ワークステーション(W/S)1
64はCMS処理部148とアプリケーションソフトウ
ェア166を格納するメモリとから構成され、CMS処
理部148は、入力デバイスプロファイル167を格納
するメモリ、入力画像データ変換部168、色空間処理
部170、出力デバイスプロファイル171を格納する
メモリおよび、出力画像データ変換部172から構成さ
れる。ここで、入力デバイスプロファイル167は、画
像入力装置144からデバイスプロファイル144bを
データとして受け取ってもよいし、W/S164によっ
て画像入力装置144の機種を指定もしくは選択するこ
とにより予めCMS処理部148もしくはW/S164
に格納されている複数の画像入力装置144のデバイス
プロファイルの中から選択してもよい。また、出力デバ
イスプロファイル171も、同様に画像出力装置146
からデバイスプロファイル146bを受け取ってもよい
し、画像出力装置146の機種によって予め格納されて
いる複数の画像出力装置146のデバイスプロファイル
の中から選択してもよい。
【0105】画像入力装置144の画像入力部144a
で読み取られた原稿画像データはRGB(光量データ)
あるいはCMY(濃度データ)画像信号データとされた
後、CMS処理部148の画像データ変換部168に伝
送される。画像データ変換部168においては、入力デ
バイスプロファイル167を参照してRGBあるいはC
MY画像信号データはCIEで定めたXYZ表色系もし
くはL* * * 表色系、あるいはYCC表色系、YI
Q表色系等、画像入出力装置や出力媒体に依存しない共
通色空間のXYZもしくはL* * * 画像信号データ
に変換される。次いで、この共通色空間において、入出
力デバイスプロファイル167、171を参照してアプ
リケーションソフトウェア166を用いて画像入出力装
置の色空間のマッチングを行なって、入力XYZもしく
はL* * * 画像信号データから色空間マッチングの
とれた出力X´Y´Z´もしくはL* * ´b* ´画像
信号データに変換される。この後、このX´Y´Z´も
しくはL* * ´b* ´画像信号データは、出力画像デ
ータ変換部172に伝送され、ここで、出力デバイスプ
ロファイル171を参照して、R´G´B´もしくはC
´M´Y´またはC´M´Y´K´画像信号データに変
換された後、画像出力装置146に伝送される。
【0106】画像出力装置146は、画像出力部146
a、デバイスプロファイル146bおよび標準データ1
46cを格納するメモリとを有する。ここでデバイスプ
ロファイル146は、予め格納されているものを用いて
もよいが、好ましくは標準データ146cを用いて画像
出力部146aを介してハードコピーとして出力し、こ
れを標準出力ターゲット174、例えばIT8.7/3
を用いてキャリブレーションを行い、新たに生成しても
よいし、予め格納されていたデバイスプロファイルを修
正してもよい。画像出力部146aにおいては、画像処
理W/S164のCMS処理部148の出力画像変換部
172から伝送された色空間のマッチングがとられたR
´G´B´もしくはC´M´Y´あるいはC´M´Y´
K´画像信号データに基づいて、ハードコピーが出力さ
れる。本発明においては、W/S部164のCMS処理
部148においては色空間のみならず、像構造特性につ
いてもシミュレーション等を行うことによりマッチング
が取られている。従って、得られたハードコピーは、カ
ラープルーフとして印刷物近似性が高く、画像の品質が
画像出力装置や出力媒体によらず一定レベル以上に保持
されている。
【0107】なお、本発明において、色度のみならず像
構造などの特性のマッチングを行うのに用いる画像入出
力装置および入出力媒体等のデバイスの特性や能力を記
述するデバイスプロファイルのデータ形式はインターリ
ーブ形式であり、色空間マッチングを行うために実施さ
れる画像入出力装置の固有色空間とCIE標準色空間、
すなわち共通色空間との間の色空間データの変換方法
は、入力画像データの変換についてマトリックス法(3
×10マトリックス法、3×3マトリックス法)、LU
T法(3次元ルックアップテーブル法)およびダイレク
トマッピングなどを用いればよいし、出力画像データへ
の変換についてノイゲバウワ式を用いた網点変調方式、
LUTを用いた変換方式およびダイレクトマッピングな
どを用いればよい。
【0108】また、色空間マッチングを行うために、C
IE標準色空間での画像入力装置の色再現域を所望の画
像出力装置の色再現域に圧縮あるいは変換等を行うとと
もに観察条件の違いに対応したアピアランスの調整を行
う色再現域・アピアランス変換テーブルを作成するため
の色再現処理方法はポストスクリプト3刺激値のLMN
変換方式とこれに対してLMN変換マトリックス、非線
型変換テーブルなどを用いて行われる。このような、色
空間データ変換方法および色空間マッチングのための色
再現処理方式については、本出願人の出願に係る特願平
5−250528号明細書に詳述されたものを用いるこ
とができる。
【0109】また、本発明のCIPSとして、上記特願
平5−250528号明細書に記載の色再現システムを
用いることができる。なお、この色再現システムは、画
像入力装置から供給されたカラー画像データに対して、
前記画像入力装置の入力条件、画像出力装置の出力条件
等に応じた色再現処理方法により処理を施した後、前記
画像出力装置からカラー画像を再現出力する色再現シス
テムであって、入出力条件に応じた色再現処理方法を少
なくとも1つの色空間データ変換式として設定した基本
プロファイルと、前記空間データ変換式の変数に対し
て、必要に応じ選択可能な関係式、またはこの関係式お
よび入出力条件に応じたパラメータを設定したサブプロ
ファイルと、前記画像入力装置および前記画像出力装置
の入出力条件に対応したパラメータを設定した条件プロ
ファイルとを備え、前記基本プロファイルから色再現処
理方式に応じた特定の色空間データ変換式を選択すると
ともに、前記選択された色空間データ変換式の変数に対
応した前記関係式および前記パラメータを前記サブプロ
ファイル、または、このサブプロファイルおよび前記条
件パラメータから選択し、前記色空間データ変換式、前
記関係式および前記前記パラメータに基づき、前記カラ
ー画像データに対する色再現処理を行うことを特徴とす
るものであり、さらにサブプロファイルは、関係式に対
応して選択可能な他の関係式またはパラメータを設定し
た下位のサブプロファイルを備えることを特徴とする色
再現システムである。
【0110】以上、本発明の画像形成システムについて
詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変
更を行ってもよいのはもちろんである。
【0111】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、剥離可能な薄膜を有するドナーシートと受像層を
有する受像材料とをラミネート後、熱エネルギ印加によ
り画像記録し、画像記録後、接着しているドナーシート
と受像材料を剥離現像することができるので、ドナーシ
ートの薄膜と受像材料の受像層と、必要に応じて永久支
持体とを適切に選択して組み合わせることにより、同一
画像形成装置によりカラー画像、モノクロ画像、刷版、
フィルタプリント配線基板などを作成することができ
る。また、本発明によれば、ドナーシートの薄膜が従来
の溶融型、昇華型に比べて極めて薄く完全転写ができる
ので、2値データ(オン/オフの)、ディジタル情報の
安定再現ができ、高精細な面積変調が可能で、高いS/
N比により文字等線画像も高品質に仕上げることができ
る。
【0112】また、本発明によれば、専用受像材料上に
形成された画像を別のシートや永久支持体に自動的に再
転写できるので、剛性のある材料、金属板やプラスチッ
ク板やガラス板などへの画像形成ができる。また、本発
明によれば、完全なドライ処理であるので、湿式現像処
理が不要で、印刷近似性の高い画像を得ることができ
る。さらに、本発明によれば、CIPSにより様々の画
像のシミュレーションが可能なデバイスキャラクタリゼ
ーション機能を有しているので、画像品質(色度のみあ
らず、像構造)の保持の予測をすることができる。
【0113】さらに、また、本発明によれば、目的とす
る画像品質、コスト、速度に応じて、記録方式を選択で
きる。また、本発明によれば、受像材料にクッション層
を有するものでは、ゴミ等を受容できるので、ゴミなど
の影響を受けにくい画像形成が可能である。また、本発
明によれば、DDCP形成システムにおいて、こうして
得られたカラー画像のハードコピーは、特に、印刷分野
におけるカラープルーフとして良好に利用可能である。
また、本発明によれば、画像を形成する薄膜層と、レー
ザ光を吸収する光熱変換層とが分離された転写方式の機
能分離型であるので、レーザ光吸収材による着色がな
く、色のレーザ光の波長に対する依存性がないので、一
波長のレーザで多色形成でき、レーザの選択幅が広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成システムの一実施例を
概念的に示す模式図である。
【図2】 本発明に係る画像形成システムに用いられる
カラー画像形成装置の一実施例の模式的断面図である。
【図3】 本発明に係る画像形成システムに適用される
画像形成方法の一実施例の画像記録工程を概念的に示す
断面図である。
【図4】 本発明に係る画像形成システムに用いられる
カラー画像形成装置の別の実施例を示す概略線図的断面
図である。
【図5】 本発明に係るカラー画像形成システムに適用
されるカラーイメージプリザベーションシステムの全体
の一実施例の説明図である。
【図6】 本発明に係るカラー画像形成システムに適用
されるカラーイメージプリザベーションシステムの別の
実施例の説明図である。
【図7】 本発明に係るカラー画像形成システムに適用
されるカラーイメージプリザベーションシステムの別の
実施例の説明図である。
【符号の説明】
10 色材シート 12 受像材料(受像シート) 14 本紙 16 受像層 17 保護シート 18,26 支持体 19 光熱変換層 20 熱剥離層 22 色材層 24 レーザヘッド 24a レーザ光源 24b 結像レンズ 28 クッション層 30 カラー画像形成装置 32 感材供給部 34 画像形成ドラム 36 感材固定/解除機構 38 ラミネート機構 40 露光ヘッド 42 剥離機構 44 給紙部 46 ラミネート部 48 定着部 50 剥離部 52 トレイ部 58 ラミネートローラ 59,67,69 アーム 59a,67a,69a 支点 60,68 押圧手段 62 剥離ローラ 63,64 分割ローラ 65 櫛刃ガイド板 66 ブラケット 66a ピン 81 供給ロール 82 ラミネートローラ対 83 サーマルヘッド 84 プラテンローラ 85 転写部 86 剥離ローラ対 87 巻き取りロール 100 DDCP作成システム 102 インターフェース(I/F)部 104 記録部 105 画像出力装置 106 オペレーション部 107 ワークステーション(W/S) 108 キャリブレーション付カラーモニタ 109 メタファイル出力(MO) 110 キャリブレーションシート 111 オンライン温度計 120 CIPS(カラー・イメージ・プリザベーショ
ン・システム) 128 CIPSコントローラ 130 印刷機 132,136 キャリブレータ 134 プルーフプリンタ 134a,150a,152a,156a,160a,
162a色再現色空間 134b,144b,146b,150b,152b,
156b, 160b,162b,167,171 デバイスプ
ロファイル 140 カラーキャリブレーションサービスセンタ 144 画像入力装置 144a 画像入力部 146 画像出力装置 146a 画像出力部 148 CMS(カラー・マネージメント・システム)
処理部 150,152 スキャナ 164 画像処理ワークステーション 166 アプリケーションソフトウェア 168,172 画像データ変換部 170 色空間処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 31/00 A 31/05 Z 35/22 B41M 5/26 B41J 3/20 117 C 9121−2H B41M 5/26 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも画像形成薄膜を有す
    るドナーシートと、支持体上に直接もしくは少なくとも
    1層のクッション層を介して設けられた受像層を有する
    受像材料とを前記薄膜と前記受像層とを対面させて積層
    し、 前記ドナーシートに画像様に熱エネルギを印加して、こ
    の熱エネルギ印加部分を前記薄膜の前記受像層への接着
    力を増加させた後、 前記ドナーシートと前記受像材料とを剥離して、前記像
    様エネルギ印加に対応する前記薄膜を前記受像層に転写
    して前記画像を前記受像材料に形成する画像形成システ
    ムであって、 異なる物質を含む複数種の薄膜を持つ複数種のドナーシ
    ートおよび異なる複数種の受像材料のうちから1種のド
    ナーシートと1種の受像材料とを組み合わせて用いるこ
    とにより、カラー画像形成、マスク画像形成、刷版製版
    およびフィルタ製造の少なくとも2つが可能であること
    を特徴とする画像形成システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の画像形成システムであっ
    て、 色情報に加えて、テクスチャー、S/N比および解像性
    の少なくとも1種の像構造特性をシミュレーションする
    デバイスキャラクタリゼーション機能を有することを特
    徴とする画像形成システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の画像形成システ
    ムであって、 前記熱エネルギ印加を、形成される画像品質に応じてレ
    ーザヘッドのヒートモード記録法とサーマルヘッドの感
    熱記録法とに切り換えて面積変調型画像ならびに文字お
    よび線画像を形成することを特徴とする画像形成システ
    ム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成
    システムであって、 前記受像材料の受像層に受容された画像は、永久支持体
    に再転写されることを特徴とする画像形成システム。
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