JPH07287409A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

Info

Publication number
JPH07287409A
JPH07287409A JP8028094A JP8028094A JPH07287409A JP H07287409 A JPH07287409 A JP H07287409A JP 8028094 A JP8028094 A JP 8028094A JP 8028094 A JP8028094 A JP 8028094A JP H07287409 A JPH07287409 A JP H07287409A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
charge
residue
substituent
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8028094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3329061B2 (ja
Inventor
Masahiro Fuse
昌宏 布施
Tetsuo Murayama
徹郎 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP08028094A priority Critical patent/JP3329061B2/ja
Publication of JPH07287409A publication Critical patent/JPH07287409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3329061B2 publication Critical patent/JP3329061B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感度、耐久性にすぐれたOPCを提供する。 【構成】 導電性支持体上に下記一般式〔I〕で表され
るビスアゾ化合物を含有する感光層を有することを特徴
とする電子写真用感光体。 【化1】 (式中、K1 、K2 は水酸基を含むカップラー残基を表
し、K1 とK2 は同一でも異なってもよく、Ar1 、A
2 は芳香環残基、又は芳香族複素環残基を表し、これ
らは置換基を有してもよく、Ar1 とAr2 は同一でも
異なってもよく、R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、水酸基、又は置換基を有してもよい有機残基を表
す。Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関す
る。さらに、詳しくは、本発明は、新規なビスアゾ系化
合物を含有する高感度な電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体としては、従来はセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物
質を用いた感光体が使用されていたが、最近は、無公害
で、製造、取扱いが容易であること、画質が良好である
こと、ドラム、シート、ベルトなど各種の形状の感光体
が簡単に得られることなどの多くの利点を有する有機系
の光導電性化合物(以下OPCと略す)を用いた、いわ
ゆるOPC感光体が普通紙複写機やプリンター用に採用
されるようになり、しかもその割合は年々増加してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】OPC感光体は、従来
の無機系の感光体に比べ多くの利点を有しているが、感
度や耐久性などでは劣っており、現在のところは主に低
速機分野に使用されている。このため、感度、耐久性共
にすぐれたOPCの開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高感度か
つ高耐久性の電子写真用感光体を得るために新規なOP
Cについて鋭意検討した結果、特定のビスアゾ系化合物
が好適であることを見い出し本発明に到達した。すなわ
ち、本発明の要旨は、導電性支持体上に、下記一般式
〔I〕
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、K1 ,K2 は水酸基を含むカップ
ラー残基を表し、K1 とK2 は同一でも異なってもよ
い。Ar1 ,Ar2 は芳香環残基、又は芳香族複素環残
基を表し、これらは置換基を有してもよく、同一でも異
なってもよい。R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
基、水酸基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル
基、オキシカルボニル基、アミノ基、チオエーテル基、
又は複素環残基を表し、これらは置換基を有していても
よい。Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。〕で表される
ビスアゾ化合物を含有する感光層を有することを特徴と
する電子写真用感光体に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真感光体に含有されるビスアゾ化合物は前記一般
式〔I〕で示される構造を有する。一般式〔I〕におい
てAr1 、Ar2 はそれぞれフェニレン基、ナフチレン
基、アントラセニレン基等の芳香環残基;又は、二価の
ピロール環残基、チオフェン環残基、フラン環残基、等
の二価の芳香族複素環残基を表し、これらは置換基を有
してもよい。Ar1 、Ar2 は同一でも異なってもよ
く、これらのうち、フェニレン基、ナフチレン基が好ま
しく、フェニレン基が特に好ましい。R1 は水素原子;
塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;水
酸基;又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、デシル基などのアルキル基、アリル基、ベンジル基
などのアラルキル基、フェニル基、ナフチル基などのア
リール基、メトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ
基などのアリールオキシ基、アセチル基などのアシル
基、フェニルカルボニル基などのアリールカルボニル
基、メトキシカルボニル基などのアルキルオキシカルボ
ニル基、メチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジエチル
アミノ基のような置換アミノ基、メチルメルカプト基の
ようなチオエーテル基、ピリジル基、チオフェニル基の
ような複素環残基などの有機残基を表し、これらの有機
残基は置換基を有してもよい。R1 としては、これらの
うち、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子が好まし
く、水素原子が特に好ましい。
【0008】Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、酸素
原子が特に好ましい。K1 ,K2 はそれぞれカップリン
グ能を有する水酸基を含むカップラー残基で、例えば以
下の一般式〔II〕〜〔VI〕の基が例として挙げられる。
なお、カップリング能を有する水酸基とは、その水酸基
が結合する芳香族環等に、ジアゾニウム塩とカップリン
グし得る性質を付与する基を示す。
【0009】
【化3】
【0010】一般式〔II〕中、Yはベンゼン環と縮合し
て、ナフタレン環、アントラセン環、カルバゾール環、
ベンズカルバゾール環、ジベンゾフラン環、ベンゾナフ
トフラン環、ジフェニレンサルファイド環等の多環芳香
環若しくはヘテロ環を形成するに必要な残基を示し、R
2 及びR3 は水素原子;置換基を有していても良い、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル
基;置換基を有していても良い、ベンジル基、フェネチ
ル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基;置換基を有
していても良い、フェニル基、ジフェニル基、ナフチル
基等のアリール基;カルバゾール基、ジベンゾフラン
基、ベンズイミダゾロン基、ベンズチアゾール基、チア
ゾール基、ピリジン基等のヘテロ基;又はR2 及びR3
の結合する窒素原子と共に環状アミノ基を構成したもの
を示す。R2 とR3 は同一の基でも互いに異なる基でも
よいが、感度の点から、一方を水素原子とし、他方は水
素原子以外の基とすることが好ましい。Zは酸素原子又
は硫黄原子を表し、酸素原子が好ましい。nは0、1、
2のいずれかを表し、0か1が好ましい。
【0011】
【化4】
【0012】一般式〔III 〕及び〔IV〕において、R4
はR2 、R3 と同じ例によって示される、置換基を有し
ていても良い、アルキル基、アラルキル基、アリール基
及びヘテロ基を示す。
【0013】
【化5】
【0014】一般式〔V−a,b〕、〔VI−a,b〕に
おいてWは芳香族炭化水素の2価基、又は窒素原子を環
内に含む複素環の2価基を示す。芳香族炭化水素の2価
基としては、例えば、o−フェニレン基等の単環式芳香
族炭化水素の2価基;o−ナフチレン基、peri−ナ
フチレン基、1,2−アントラキノニレン基、9,10
−フェナントリレン基等の縮合多環式芳香族炭化水素の
2価基等が挙げられる。
【0015】また、窒素原子を環内に含む複素環の2価
基としては、例えば、3,4−ピラゾールジイル基、
2,3−ピリジンジイル基、5,5−ピリミジンジイル
基、6,7−インダゾールジイル基、5,6−ベンズイ
ミダゾールジイル基、6,7−キノリンジイル基等の5
〜10員環の窒素原子、好ましくは、2個以下の窒素原
子を環内に含む複素環の2価基等が挙げられる。感度及
び耐久性を考慮した場合、Wとしてはo−フェニレン
基、o−ナフチレン基、peri−ナフチレン基、2,
3−ピリジンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、
特に、o−フェニレン基、o−ナフチレン基が好まし
い。
【0016】本発明において、Wとして用いるこれら芳
香族炭化水素の2価基及び窒素原子を環内に含む複素環
の2価基は置換基を有していてもよい。かかる置換基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n
−ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;ヒド
ロキシル基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基等の
置換アミノ基;弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子等のハロゲン原子;カルボキシル基;エトキシカル
ボニル基等のアルコキシカルボニル基;カルバモイル
基;フェノキシ基等のアリーロキシ基;ベンジルオキシ
基等のアリールアルコキシ基;フェニロキシカルボニル
基等のアリーロキシカルボニル基等が挙げられる。中で
もアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、特に、メチル
基、メトキシ基、ニトロ基、塩素原子、ヒドロキシル基
が好適である。
【0017】K1 、K2 の少なくとも一方は一般式〔V
−a〕,〔V−b〕,〔VI−a〕,〔VI−b〕のいずれ
か1種とすることが好ましい。これら一般式〔I〕で表
される化合物の具体例を表−1〜3に示すが、これらに
限定されるものではない。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【表8】
【0026】
【表9】
【0027】
【表10】
【0028】本発明のビスアゾ系化合物は、例えば下記
一般式〔VII 〕
【0029】
【化6】
【0030】(式中、Ar1 、Ar2 、R1 、Xは前記
一般式〔I〕におけると同義である。)で表わされるジ
アミンを常法によりテトラゾ化し、対応するカップラー
とカップリングさせることにより容易に合成することが
できる。かかるカップリング反応は、公知の方法に従
い、通常、水及び/又はジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の有機溶媒中、反応温度30℃以下に
て1時間ないし10時間程度反応させればよい。
【0031】本発明の電子写真用感光体は上記一般式
〔I〕で表わされるビスアゾ系化合物を1種又は2種以
上含有する感光層を有する。感光層は種々の形態のもの
が周知であるが、本発明の感光体においては、そのいず
れのタイプであってもよい。特に好適なのは、本発明の
ビスアゾ系化合物を電荷発生材料としてバインダー中に
分散させ、これを電荷発生層とし、周知の電荷輸送材料
を含む、電荷輸送層を積層した積層型感光体や、上記の
ビスアゾ系化合物の分散層中に、周知の電荷輸送材料を
添加した単層型感光体などが挙げられる。
【0032】本発明の前記一般式〔I〕で示されるビス
アゾ系化合物は電荷キャリヤーの発生効率及び電荷輸送
材料へのキャリアー注入効率が高く、前記の積層型や単
層型の機能分離型感光体の電荷発生材料としてきわめて
すぐれた性能を有している。本発明のビスアゾ系化合物
と組合せて用いる電荷輸送材料は一般に電子の輸送媒体
とホールの輸送媒体の二種に分類されるが、本発明感光
体には両者とも使用することができ、またその混合物を
も使用できる。電子の輸送媒体としてはニトロ基、シア
ノ基、エステル基等の電子吸引性基を有する電子吸引性
化合物、例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ
化フルオレノンあるいはテトラシアノジメタンが挙げら
れる。また、ホールの輸送媒体としては電子供与性の有
機光導電性化合物、例えばカルバゾール、インドール、
イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジア
ゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾール等の
複素環化合物;トリフェニルメタン等のトリアリールア
ルカン誘導体;トリフェニルアミン等のトリアリールア
ミン誘導体;フェニレンジアミン誘導体;N−フェニル
カルバゾール誘導体;スチルベン誘導体;ヒドラゾン化
合物などが挙げられ、特に、ジアルキルアミノ基、ジフ
ェニルアミノ基の様な置換アミノ基、あるいはアルコキ
シ基、アルキル基の様な電子供与性基、あるいはこれら
の電子供与性基が置換した芳香族環基が置換した電子供
与性の大きな化合物が挙げられる。又、ポリビニルカル
バゾールの様に、これらの化合物からなる基を主鎖もし
くは側鎖に有する重合体も挙げられる。
【0033】本発明の電子写真用感光体は常法に従って
製造できる。すなわち、本発明の電子写真用感光体は、
導電性支持体上に、本発明のビスアゾ系化合物を含有す
る電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型か、ビスアゾ
系化合物が分散した感光層を有する単層型の感光体であ
り、これらの他に、接着層、ブロッキング層などの中間
層や、保護層など、電気特性、機械特性などの性能改良
のための層を設けてもよい。導電性支持体としては周知
の電子写真用感光体に採用されているものがいずれも使
用できる。具体的には例えばアルミニウム、銅等の金属
ドラム、シートあるいはこれらの金属箔のラミネート
物、蒸着物が挙げられる。更に、金属粉末、カーボンブ
ラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当
なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチッ
クフィルム、プラスチックドラム、紙等が挙げられる。
また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電
性物質を含有し、導電性となったプラスチックのシート
やドラムあるいは、酸化スズ、酸化インジウム等の導電
性金属酸化物層を表面に有するプラスチックフィルムな
どが挙げられる。
【0034】前記した積層型感光体では、通常は導電性
支持体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層が
形成されるが、逆の構成でもよい。該電荷発生層は、本
発明のビスアゾ系化合物とバインダーポリマーを含む塗
布液を塗布、乾燥して形成される。ビスアゾ系化合物は
溶解していてもよいが通常は分散した状態の塗布液とし
て塗布される。塗布液調製用の溶媒としてはブチルアミ
ン、エチレンジアミン等の塩基性溶媒;テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;
酢酸エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート
等のエステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩
素化炭化水素などが挙げられる。
【0035】ビスアゾ系化合物を分散する場合には、1
μm以下、好ましくは0.5μm以下の粒径にすること
が必要である。バインダーとしては、スチレン、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビ
ニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合
物の重合体及び共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホ
ン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル、エポキシ樹脂、けい素樹脂等
が挙げられる。
【0036】本発明のビスアゾ系化合物とバインダーポ
リマーとの割合は、特に制限されないが、一般には、ビ
スアゾ系化合物100重量部に対し、5〜500重量
部、好ましくは20〜300重量部のバインダーポリマ
ーを使用する。上記塗布液にはこの他にも分散安定剤、
塗布性改良剤、さらには、性能改良のための、色素、電
子吸引性化合物その他の添加剤を加えてもよい。電荷発
生層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2
μmになる様にする。
【0037】電荷発生層用の上記塗布液に前記電荷輸送
材料を1種又は2種以上溶解し、乾燥後の膜厚が5〜5
0μm、好ましくは10〜30μmになる様に導電性支
持体上に塗布すれば、単層型の感光体が得られる。ビス
アゾ系化合物とバインダーポリマーおよび電荷輸送材料
との割合は通常ビスアゾ系化合物10重量部に対しバイ
ンダーポリマーが10〜1000重量部好ましくは30
〜500重量部、電荷輸送材料が5〜1000重量部、
好ましくは20〜500重量部である。
【0038】積層型感光体においては、前記電荷発生層
の上に、電気輸送材料を含む塗布液を塗布し乾燥するこ
とにより、電荷輸送層が形成される。電荷輸送材料が成
膜性のある高分子化合物の場合は特にバインダーポリマ
ーを用いなくてもよいが、可とう性改良等のために混合
してもよい。低分子化合物の場合は、フィルム形成のた
めにバインダーポリマーを用いる。バインダーポリマー
としては前記のものが用いられ、その使用量は通常電荷
輸送材料100重量部に対し50〜3000重量部、好
ましくは70〜1000重量部の範囲である。
【0039】電荷輸送層には、この他にも性能改良や塗
膜の機械的強度、耐久性の向上のために種々の添加剤を
用いることができる。この様な添加剤としては、電子吸
引性化合物や色素類、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の安
定剤、塗布性改良剤、可塑剤、架橋剤等が挙げられる。
電子吸引性化合物としては例えばクロラニル、2,3−
ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチルアントラ
キノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−
ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フ
ェナントレンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズア
ルデヒド等のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセ
ン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノ
ン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノン
等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無
水物等の酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタラ
ルマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリ
ル、4−ベンゾイルオキシベンザルマロノニトリル、4
−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニト
リル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド等のフタリド類等が挙げられ
る。
【0040】
【実施例】次に本発明を参考例と実施例により更に具体
的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以下
の実施例に限定されるものではない。なお、参考例と実
施例中〔部〕とあるは〔重量部〕を示す。
【0041】参考例(例示化合物1の合成法) 公知の方法で得られた4,4′−ジニトロジベンゾイル
メタン5.0g、ヒドロキシアミン塩酸塩5.0g、メ
タノール100ml、ジメチルホルムアミド100ml
を混合し、還流下4時間反応させた。次いで、純水50
0mlを加え、析出した固体をメタノール100mlに
溶解し、トルエン300mlを加え、再沈精製を行っ
た。3.18g(収率64%黄色結晶)
【0042】
【化7】
【0043】次いで該化合物2.5gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド中塩化スズ−塩酸系で還元し、黄色結晶
1.68gを得た(収率83%)。この構造は、マスス
ペクトルでのM/l=251のピーク及び、赤外吸収ス
ペクトルでのアミノ基のピークにより確認した。元素分
析値は下記の通りであった。
【0044】
【表11】 C15133 O 計算値 C71.70% H5.21% N15.93% 実測値 C71.48% H5.33% N16.07%
【0045】
【化8】
【0046】上記ジアミン3.5gを水93ml、濃塩
酸11.5ml中に加え冷却し、これに5℃以下で10
%亜硝酸ナトリウム水溶液23mlを滴下し、5℃以下
で2時間撹拌してテトラゾ化した。次いで該液に42%
ホウフッ化水素酸11.6gを加え、5℃以下で1時間
撹拌した後、析出結晶を濾過、少量の冷水、次いで冷メ
タノールで洗浄後乾燥してテトラゾニウム塩6.0gを
得た。該テトラゾニウム塩1.1gをジメチルスルホキ
シド15mlに溶解させ、これを下記構造式の化合物の
混合物
【0047】
【化9】
【0048】1.6gをジメチルスルホキシド225m
lに溶かした液に加え、次いで反応系へ酢酸ナトリウム
2.3gを水5.3mlに溶解した液を加え、さらに3
時間撹拌を続け、析出結晶を濾取した。次いで、得られ
たビスアゾ系化合物を希酢酸、水、テトラヒドロフラン
により洗浄の後乾燥する。得られた固体は茶褐色を呈し
ており320℃以下では融解しなかった。元素分析値お
よび赤外吸収スペクトル測定(図1)よりこのものは目
的のビスアゾ系化合物と同定された。収量は1.9gで
元素分析値は以下の通りであった。
【0049】
【表12】 C51319 5 として、 計算値 C72.08% H3.68% N14.83% 実測値 C71.79% H3.80% N14.95%
【0050】該ビスアゾ系化合物は、下記化合物の混合
物として得られた。以後の実施例においては、カップラ
ー残基として一般式〔V〕又は〔VI〕の基を導入した場
合は、同様に3種の異性体が得られるが、このうちの1
つで代表させて記載することとする。
【0051】
【化10】
【0052】又、以下の実施例において用いられる本発
明のビスアゾ系化合物は本参考例またはこれと類似の方
法により合成を行った。
【0053】実施例1 表1の例示化合物10.4部を4−メチル−4−メトキ
シ−ペンタノン−230部と共にサンドグラインダーに
より分散させ、これにポリビニルブチラール(積水化学
工業(株)製,商標BH−3)を0.4部添加溶解させ
た。得られたアゾ化合物の分散液を厚さ75μmのポリ
エステルフィルムに蒸着したアルミニウム蒸着層の上に
ワイヤーバーで乾燥膜厚が0.4g/m2 となる様塗布
乾燥した。この様にして得られた電荷発生層にピレン−
2−アルデヒドフェニルヒドラゾン90部及びポリカー
ボネート樹脂(三菱化成(株)製、商標ノバレックス7
025)100部をジオキサン670部に溶解した溶液
を乾燥膜厚が28μmになる様に塗布し、電荷輸送層を
形成した。この様にして2層からなる感光層を有する電
子写真感光体が得られた。
【0054】これらの感光体の感度として半減露光量
(E1/2)の値を表−1に示した。半減露光量は、前
記感光体を静電複写紙試験装置(川口電機製作所製モデ
ルSP−428)により測定した。まず暗所で−6.5
kVでコロナ放電により帯電させ、その時の帯電圧
(V)を次いで感度(E1/2 (luxsec))とし
て照度5 luxの白色光で露光し、表面電位が初期表
面電位の半分に減衰するために必要な露光量をさらに、
10秒露光後の残留電位(V)を求めた。また、帯電、
露光を2000回くり返した後の帯電圧、感度、残留電
位も求めた。
【0055】実施例2〜9 実施例1で用いたビスアゾ系化合物の代りに例示化合物
2、3、4、12、17、18、23、29をそれぞれ
用いる他は、実施例1に示すのと全く同様にして電子写
真用感光体を得た。これらの感光体の帯電圧、感度、残
留電位2000回のくり返し後の帯電圧、感度、残留電
位を表4に示した。半減露光量は実施例1に示すのと全
く同様にして求めた。いずれの感光体も良好な特性を示
すことがわかる。
【0056】
【表13】
【0057】本発明のビスアゾ系化合物を含有する電子
写真用感光体は、高感度で感色性も良好であり、特に光
疲労が少ないため、繰返し使用した場合、感度、帯電
性、残留電位の変動が少なく、安定性が高く、耐久性が
きわめてすぐれたものである。電子写真方式の普通紙複
写機のみでなく、性能の安定性、信頼性が特に要求され
るレーザプリンタ、液晶、シャッタープリンタ、LED
プリンタ等のプリンタ用感光体にも適した感光体であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で得たビスアゾ系化合物(例示化合物
1)の赤外吸収スペクトル図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下記一般式〔I〕 【化1】 〔式中、K1 ,K2 は水酸基を含むカップラー残基を表
    し、K1 とK2 は同一でも異なってもよい。Ar1 ,A
    2 は芳香環残基、又は芳香族複素環残基を表し、これ
    らは置換基を有してもよく、同一でも異なってもよい。
    1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、ア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、
    アリールオキシ基、アリールカルボニル基、オキシカル
    ボニル基、アミノ基、チオエーテル基、又は複素環残基
    を表し、これらは置換基を有していてもよい。Xは酸素
    原子又は硫黄原子を表す。〕で表されるビスアゾ化合物
    を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真用
    感光体。
  2. 【請求項2】 感光層が電荷発生材料と電荷輸送材料を
    含有し、電荷発生材料として前記請求項1記載の一般式
    〔I〕で表わされるアゾ化合物を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 感光層が、少なくとも、電荷発生材料を
    含む電荷発生層と、電荷輸送材料とバインダー樹脂を含
    む電荷輸送層とを有し、上記電荷発生材料として請求項
    1記載の一般式〔I〕で表わされるアゾ化合物を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 電荷発生層が電荷発生材料とバインダー
    樹脂とを含むことを特徴とする請求項3記載の電子写真
    用感光体。
JP08028094A 1994-04-19 1994-04-19 電子写真用感光体 Expired - Lifetime JP3329061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08028094A JP3329061B2 (ja) 1994-04-19 1994-04-19 電子写真用感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08028094A JP3329061B2 (ja) 1994-04-19 1994-04-19 電子写真用感光体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07287409A true JPH07287409A (ja) 1995-10-31
JP3329061B2 JP3329061B2 (ja) 2002-09-30

Family

ID=13713869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08028094A Expired - Lifetime JP3329061B2 (ja) 1994-04-19 1994-04-19 電子写真用感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3329061B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7470715B2 (en) 2005-12-22 2008-12-30 Pfizer Inc. Estrogen modulators

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7470715B2 (en) 2005-12-22 2008-12-30 Pfizer Inc. Estrogen modulators

Also Published As

Publication number Publication date
JP3329061B2 (ja) 2002-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR920001124B1 (ko) 전자사진용 감광체
JP4979506B2 (ja) 電子写真感光体
EP0291089A2 (en) Electrophotographic photoreceptor
JP2579345B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3329061B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3082430B2 (ja) 電子写真感光体
JP3118923B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2551946B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3733443B2 (ja) フルオレノン誘導体及びこれを用いた電子写真用感光体
JP2653106B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3120515B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3533701B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH01198763A (ja) 電子写真用感光体
JP3721414B2 (ja) フルオレノン誘導体及びこれを用いた電子写真用感光体
JP2653120B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH07168378A (ja) 電子写真感光体
JP2669501B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH10198055A (ja) 電子写真感光体
JPH10306084A (ja) フルオレノン誘導体およびこれを用いた電子写真用感光体
JPH07271071A (ja) 電子写真用感光体
JPH10204065A (ja) ビスアゾ系化合物及びこれを用いた電子写真用感光体
JPH05197176A (ja) 電子写真用感光体
JP3584614B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0748112B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3404923B2 (ja) 電子写真用感光体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719