JPH07287232A - 液晶表示装置、その製造方法、および駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置、その製造方法、および駆動方法

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JPH07287232A
JPH07287232A JP6078975A JP7897594A JPH07287232A JP H07287232 A JPH07287232 A JP H07287232A JP 6078975 A JP6078975 A JP 6078975A JP 7897594 A JP7897594 A JP 7897594A JP H07287232 A JPH07287232 A JP H07287232A
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liquid crystal
substrate
molecular alignment
alignment film
molecular
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JP6078975A
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Akihiro Mochizuki
昭宏 望月
Tetsuya Makino
哲也 牧野
Toshiaki Narisawa
俊明 成澤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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    • G02F1/139Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells characterised by the electro-optical or magneto-optical effect, e.g. field-induced phase transition, orientation effect, guest-host interaction or dynamic scattering based on orientation effects in which the liquid crystal remains transparent
    • G02F1/141Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells characterised by the electro-optical or magneto-optical effect, e.g. field-induced phase transition, orientation effect, guest-host interaction or dynamic scattering based on orientation effects in which the liquid crystal remains transparent using ferroelectric liquid crystals

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置において、駆動電圧の大きさに
より、自在に中間調表示が可能な強誘電性液晶表示装置
を提供することを目的とする。 【構成】 上下の基板の間に封入された強誘電性液晶層
に弾性エネルギを導入し、メモリ状態における液晶分子
に、液晶層に電界を印加することによりトルクが加わる
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に液晶表示装置に関
し、特に強誘電性液晶を使った液晶表示装置に関する。
【0002】小型で低消費電力の表示装置として、液晶
表示装置は従来よりいわゆるラップトップ型のパーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサ等の小型で低価格の
携帯型情報処理装置に広く使われている。液晶表示装置
は消費電力が低く場所をとらないため、最近ではデスク
トップ型のパーソナルコンピュータやワークステーショ
ンにも使われようとしている。
【0003】
【従来の技術】従来のラップトップ型パーソナルコンピ
ュータやワードプロセッサで使われている液晶表示装置
は主としてスーパーツイステッドネマティック(ST
N)液晶を使っており、印加される電界に応じて可逆的
に光学的状態を変化させるため、中間調を使った多階調
表示が容易に可能である。かかるSTN液晶を使った液
晶表示装置は一般的に単純マトリクス駆動方式を採用し
ており、20V程度の比較的低電圧で、640×400
程度の画素を10:1程度のコントラストで表示するこ
とができる。しかし、かかる従来の液晶表示装置でワー
クステーションに要求される1240×1028画素程
度の多数の画素を使った表示を行なおうとすると、単純
マトリクス駆動方式では個々の画素に対応した液晶セル
に、駆動電圧を、単純マトリクスを構成するX−電極と
Y−電極とを介して直接に、時分割方式により、線順次
に印加するため、液晶セルに直接に印加される駆動パル
スの周波数が非常に高くなり、隣接する画素間でのコン
トラストが著しく低下してしまう問題点が生じる。ま
た、これに伴って応答速度、視野角等も低下してしま
い、要求される表示品質を満足することができない。
【0004】かかる問題点を解決するため、特に画素数
の多いカラー液晶表示装置等では、単純マトリクスを構
成するX−電極とY−電極の交点に薄膜トランジスタ
(TFT)を形成し、かかるTFTを使って各画素に対
応する液晶セルに駆動電圧を印加するアクティブマトリ
クス駆動方式が使われている。アクティブマトリクス駆
動方式の液晶表示装置では、X−電極に供給された行選
択パルスにより一行分のTFTが選択的に活性化され、
Y−電極に供給された1ビットの画像データがTFTを
介して対応する各々の液晶セルに書き込まれる。このよ
うに、アクティブマトリクス方式ではX−電極およびY
−電極に供給される駆動パルスが直接に液晶セルを駆動
せず、液晶セルの駆動はTFTを介して、相互に独立に
実行されるため、多数の画素を含むカラー液晶表示装置
等に使われている。
【0005】しかし、かかるアクティブマトリクス方式
により対角が例えば15インチを超えるようなワークス
テーションで使われる表示装置を構成しようとすると、
非常に多数のTFTを欠陥なく形成する必要があるた
め、製造時の歩留りが低下してしまう問題点がある。ま
た、表示装置のような大面積領域に形成されるTFT
は、現状では半導体製造技術上の制約からアモルファス
シリコンより構成されるが、アモルファスシリコンは電
子の移動度が低く、特に15インチを超える高解像度の
表示装置を形成しようとすると表示の応答速度が低下し
てしまう問題点が生じる。現状では、アクティブマトリ
クス駆動方式は一般に対角が10インチ以下の表示装置
に限られている。
【0006】このような状況において、大表示面積を有
する液晶表示装置として強誘電性液晶を使った装置が提
案されている。強誘電性液晶はヒステリシスで特徴づけ
られる光学的双安定性を有する物質であるため、単純マ
トリクスを構成するX−電極およびY−電極を介して、
アクティブマトリクス駆動方式で使われる駆動パルスと
同様な駆動パルスを液晶セルに供給することにより、所
望の光学的状態を安定に保持できる。すなわち、強誘電
性液晶を使うことにより、従来のSTN液晶を使った液
晶表示装置と同様な単純マトリクスを構成するX−およ
びY−電極を使った簡単な構成の液晶表示装置におい
て、従来のアクティブマトリクス方式の場合と同様な駆
動方式を使うことにより、15インチを超える大画面で
1240×1028画素を超える高解像度表示を、高品
質で、安定に実現できる。また、強誘電性液晶は応答が
速く、視野角が大きく、コントラストが高く、低価格で
ある点で有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、強誘電性
液晶を使った液晶表示装置は高性能情報処理装置の高解
像度表示装置として優れているが、強誘電性液晶が光学
的に双安定な物質であるため、中間調表示が困難である
問題点を有する。
【0008】強誘電性液晶表示装置において中間調表示
以外の方法で階調表示を可能にするために、様々な提案
がなされている。例えば、単一の画素を複数の副画素に
分割し、これらの副画素をオン・オフすることで階調表
示を可能にすることができる。しかし、この方法では単
一の画素をさらに分割するため、高解像表示が困難であ
る問題がある。また、仮にかかる画素の副画素への分割
が可能であっても、分割の結果得られる画素の総数が莫
大になるため、画面全体への画像情報の書き込みに長時
間がかかってしまう問題点が生じる。さらに、かかる莫
大な画素に対応して駆動回路を設ける必要があり、かか
る駆動回路とX−あるいはY−電極との接続が物理的に
困難になる問題が生じる。
【0009】これに対して、単一の画素の中に分極が互
いに反転したドメインを形成し、かかるドメインを制御
することにより、画素数を増やすことなく強誘電性液晶
表示装置において階調表示を実現する方法が提案されて
いる(例えば Kimura, M., et al., Proc. SID, vol.31
/2, pp.139 - 143, 1990, Verhulst, A.G.W., Proc.SI
D, vol.32/4, pp.379 - 386, 1991 )。しかし、この方
法はワークステーションの表示装置として必要な100
万を超える画素の各々において均一に、再現性よくドメ
インを形成することが実際上不可能であり、またドメイ
ンの形成が温度に対して非常に敏感なため表示装置の温
度制御が不可欠になる等の深刻な問題点を有する。
【0010】さらに、かかる強誘電性液晶層中のドメイ
ンを制御して階調表示を実現する方法を改良した方法と
して、液晶層に接する分子配向膜を導電性の材料により
構成し、ドメインにおける分極の反転に伴い発生する反
電界を消滅させることにより分極の反転を促進すること
も提案されている。しかし、分子配向膜を導電性材料に
より形成することにより、X−電極あるいはY−電極が
相互に短絡してしまう実質的な危険が生じてしまう。ま
た、この方法は、先に説明した再現性の点および温度に
対する安定性の点で、問題を有している。
【0011】このように、強誘電性液晶表示装置におい
て中間調表示に頼らずに階調表示を実現しようとすると
様々な困難に遭遇する。
【0012】そこで、本発明は上記の課題を解決した新
規で有用な液晶表示装置を提供することを概括的目的と
する。
【0013】本発明の具体的な目的は、強誘電性液晶層
を使った中間調表示の可能な液晶表示装置を提供するこ
とにある。
【0014】本発明のより具体的な目的は、大きな対角
長を有する高解像度液晶表示装置において、製造が容易
で、周囲温度の変化に対して安定した中間調表示が可能
な液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題
を、第1の基板と;前記第1の基板の表面上に形成され
た第1の電極パターンと;前記第1の基板の前記表面上
に形成され、液晶分子を配向させる第1の分子配向手段
と;前記第1の基板上に、前記第1の基板から離間し
て、かつ前記第1の基板に対向するように形成された第
2の基板と;前記第2の基板の、前記第1の基板に対向
する表面上に形成された第2の電極パターンと;前記第
2の基板の前記表面上に形成され、液晶分子を配向させ
る第2の分子配向手段と;前記第1の分子配向手段と第
2の分子配向手段との間に形成され、前記第1および第
2の基板の間の隙間を充填する強誘電性液晶層とよりな
る液晶表示装置において:前記第1の分子配向手段は、
前記強誘電性液晶層中の液晶分子の方向を第1の方向に
配列させ、前記第2の分子配向手段は、前記強誘電性液
晶層中の液晶分子の方向を、第2の、別の方向に配列さ
せることを特徴とする液晶表示装置により、または第1
の基板と;前記第1の基板の表面上に形成された第1の
電極パターンと;前記第1の基板の前記表面上に形成さ
れ、液晶分子を配向させる第1の分子配向手段と;前記
第1の基板上に、前記第1の基板から離間して、かつ前
記第1の基板に対向するように形成された第2の基板
と;前記第2の基板の、前記第1の基板に対向する表面
上に形成された第2の電極パターンと;前記第2の基板
の前記表面上に形成され、液晶分子を配向させる第2の
分子配向手段と;前記第1の分子配向手段と第2の分子
配向手段との間に形成された隙間を充填する強誘電性液
晶層とよりなる液晶表示装置において:前記強誘電性液
晶層中の液晶分子のらせんピッチが、前記液晶層の厚さ
の3倍以内であることを特徴とする液晶表示装置によ
り、または第1の基板と、前記第1の基板の表面上に形
成された第1の電極パターンと、前記第1の基板の前記
表面上に形成された第1の分子配向膜と、前記第1の基
板上に、前記第1の基板から離間して、かつ前記第1の
基板に対向するように形成された第2の基板と、前記第
2の基板の、前記第1の基板に対向する表面上に形成さ
れた第2の電極パターンと、前記第2の基板の前記表面
上に形成された第2の分子配向膜と、前記第1の分子配
向膜と第2の分子配向膜との間に形成された隙間を充填
する強誘電性液晶層とよりなる液晶表示装置の製造方法
において、前記第1および第2の分子配向膜を、前記第
1の分子配向膜と前記第2の分子配向膜とで強誘電性液
晶層に内部エネルギが蓄積されるように形成する工程を
含むことを特徴とする方法により、または第1の基板
と、前記第1の基板の表面上に形成された第1の電極パ
ターンと、前記第1の基板の前記表面上に形成され、液
晶分子を配向させる第1の分子配向手段と、前記第1の
基板上に、前記第1の基板から離間して、かつ前記第1
の基板に対向するように形成された第2の基板と、前記
第2の基板の、前記第1の基板に対向する表面上に形成
された第2の電極パターンと、前記第2の基板の前記表
面上に形成され、液晶分子を配向させる第2の分子配向
手段と、前記第1の分子配向手段と第2の分子配向手段
との間に形成され、前記第1および第2の基板の間の隙
間を充填する強誘電性液晶層とよりなり、前記第1およ
び第2の分子配向手段は、前記強誘電性液晶層中の液晶
分子を、前記強誘電性液晶層中に内部エネルギが蓄積す
るような方位にそれぞれ配向させる液晶表示装置の駆動
方法において、前記第1および第2の電極パターンに駆
動電圧パルスを印加する工程と;前記駆動電圧パルスの
大きさを、所望の中間調が得られるように変化させる工
程とよりなることを特徴とする駆動方法により、または
第1の基板と、前記第1の基板の表面上に形成された第
1の電極パターンと、前記第1の基板の前記表面上に形
成され、液晶分子を配向させる第1の分子配向手段と、
前記第1の基板上に、前記第1の基板から離間して、か
つ前記第1の基板に対向するように形成された第2の基
板と、前記第2の基板の、前記第1の基板に対向する表
面上に形成された第2の電極パターンと、前記第2の基
板の前記表面上に形成され、液晶分子を配向させる第2
の分子配向手段と、前記第1の分子配向手段と第2の分
子配向手段との間に形成され、前記第1および第2の基
板の間の隙間を充填する強誘電性液晶層とよりなり、前
記強誘電性液晶層中の液晶分子のらせんピッチが、前記
液晶層の厚さの3倍以内であることを特徴とする液晶表
示装置の駆動方法において、前記第1および第2の電極
パターンに駆動電圧パルスを印加する工程と;前記駆動
電圧パルスの大きさを、所望の中間調が得られるように
変化させる工程とよりなることを特徴とする駆動方法に
より解決する。
【0016】
【作用】本発明によれば、強誘電性液晶層中に内部エネ
ルギを人為的に蓄積することにより、強誘電性液晶層中
における液晶分子の双安定状態における分極方向を、基
板に対して垂直な方向からやや傾いた状態に設定でき
る。その結果、強誘電性液晶層を挟持する一対の基板上
に形成された電極間に印加する駆動電圧の大きさを制御
することにより液晶分子にトルクが加わり、液晶分子の
配向方向を制御することが可能になる。かかる液晶分子
の配向方向の制御により、本来二値表示しか出来ない強
誘電性液晶を使って、中間調表示を実現することが可能
になる。
【0017】一般に、強誘電性液晶分子は、外部から印
加された電界と、自発分極の結果生じる電界とがカップ
リングした電界に感応し、反転トルクを受ける。かかる
反転トルクを受けた液晶分子は液晶の粘性に起因する抵
抗を受け、式1
【0018】
【数1】
【0019】で表されるトルクバランスが成立する。た
だし、τは分極反転の緩和時間、ηは液晶の粘性係数、
Psは液晶分子の自発分極の大きさ、Eは印加電界強度
を表す。すなわち、緩和時間τが経過した後では、液晶
分子は分極方向が印加電界Eの方向あるいはその逆方向
にそろった双安定状態(以下メモリ状態と称する)をと
ることがわかる。
【0020】図1(A),(B)はかかる強誘電性液晶
分子のメモリ状態を示す。ただし、図1(A)におい
て、実線が液晶分子の第1のメモリ状態を、破線が第2
のメモリ状態を示し、液晶分子はコーンに沿って状態を
変化させる。液晶分子は第1のメモリ状態において上向
きの分極方向を有し、第2のメモリ状態において下向き
の分極方向を有する。図1(B)は、図1(A)の液晶
分子をコーンの底面に投影した図であり、液晶分子がθ
のチルト角で安定なメモリ状態に保持されている様子を
示す。かかる強誘電性液晶層を使った場合、液晶表示装
置は二値表示しかできない。
【0021】ところで、一対の基板の間に封入された液
晶は単結晶に類似した構造を有するため、なんらかの方
法で液晶層中に内部エネルギないし弾性エネルギを導入
することができると、かかる弾性エネルギにより前記ト
ルクバランスが変化すると考えられる。すなわち、かか
る内部エネルギは、液晶分子のメモリ状態における分極
方向を、内部エネルギが導入されない場合の分極方向に
対してずらすことが期待される。本発明者は、かかる内
部エネルギの寄与を考慮したトルクバランスが、式2
【0022】
【数2】
【0023】により表現できることを見いだした。ただ
し、θeff は双安定状態における実際の液晶分子のチル
ト角、θ0 は十分大きな電界が印加された場合のチルト
角を示し、図1(B)のチルト角θに対応する。また、
Teは液晶の弾性係数を表す。式2は、式1における粘
性係数ηに相当する項が、実際には弾性エネルギTeの
項を含んでおり、メモリ状態における液晶分子のチルト
角θeff は液晶の粘性係数ηと弾性エネルギTeとによ
って決まることを示している。一方、液晶の弾性エネル
ギTeは液晶層の初期分子配向状態によって決定される
量である。ここで、液晶層の初期分子配向状態は、基板
と液晶層の界面における分子配向および液晶層自体の構
造を含む。以下の議論は、いわゆるブックシェルフ層構
造を有する液晶層を仮定して行なうが、シェブロン層構
造を有する液晶層においても成立する。
【0024】ブックシェルフ層構造では、液晶分子の配
向は均一であり、弾性エネルギTeが蓄積されていない
理想的な場合には、液晶分子は基板に垂直な方向に向い
た自発分極を有する。すなわち、この状態では、液晶分
子のチルト角は上記角度θ0を有する。ここで、基板界
面になんらかの処理を施し、液晶層に弾性エネルギTe
を与えると、メモリ状態におけるチルト角θeff は角度
θ0 と異なった値を有するようになる。その際、実効的
チルト角θeff の大きさが弾性エネルギTeと印加電界
強度Eにより変化し、電界強度Eを増大させると角度θ
0 に漸近することが見いだされた。これは、強誘電性液
晶層を使った液晶表示装置においても、液晶層中に弾性
エネルギTeを導入することにより印加電界Eに従って
透過率を制御でき、その結果中間調の表示が可能である
ことを意味する。
【0025】図2(A)〜(C)は上記の本発明の原理
を示す図である。ただし、図2(A),(B)は図1
(A),(B)にそれぞれ対応し、図2(B)のチルト
角θ0が図1(B)のチルト角θに対応する。図2
(A),(B)よりわかるように、実際のメモリ状態で
は液晶分子はチルト角θ0 とは異なったチルト角θeff
で保持される。このような実際のメモリ状態では、先に
も説明したように液晶分子の分極方向は電界Eの方向あ
るいはその逆方向に対して一致していないため、印加電
界Eにより、前記トルクバランスが成立した平衡状態に
おけるチルト角は、図2(C)に角度θ1 〜θ3 に示す
ように変化する。印加電界Eは液晶層内部に形成される
反電界Eiと外部電界Eexの和で与えられるため、外
部電界Eexを制御することにより、チルト角θを自在
に制御できることがわかる。外部電界Eexを除去する
とチルト角θは内部反電界Eiと弾性エネルギTe、お
よび粘性係数ηで決まる実効的チルト角θeff に一致す
る。かかるチルト角の制御により、強誘電性液晶層を使
った液晶表示パネルにおいて中間調表示が可能になる。
【0026】かかる内部エネルギないし弾性エネルギT
eを液晶層中に導入するには様々な方法が考えられる。
例えば、液晶層を画成する上下基板上に形成された分子
配向膜を、分子配向の方向が上側基板と下側基板とで異
なるように形成することで、かかる弾性エネルギTeを
導入することができる。より具体的には、上側基板と下
側基板とを、基板を界面活性剤に浸漬した後で引き上げ
る際の方位が異なるように重ね合わせて液晶表示装置を
組み立てることにより、所望の弾性エネルギを液晶層中
に導入できる。また、上下基板に形成された分子配向膜
のラビングの方向を交差させることによっても同様な効
果を得ることができる。また、上下の基板上に分子配向
膜をSiO等の斜め蒸着により形成する際に蒸着方向を
上下基板でずらしてもよい。さらに、上下の基板で分子
配向膜を異なった方法により形成することによっても、
弾性エネルギを液晶層中に導入することができる。この
ように分子配向膜の方向を上下基板でずらす場合には、
0.5から45度の範囲が効果的である。
【0027】また、上下の基板の間隔を、強誘電性液晶
層を構成する液晶分子のらせんピッチが液晶層の厚さに
対して3倍以内になるように設定することでも、液晶層
中に弾性エネルギTeを導入することができる。この場
合、分子配向膜の分子配向方位を上下基板で互いにずら
す必要は必ずしもないが、先に説明したようにずらして
もよい。
【0028】かかる弾性エネルギを導入された強誘電性
液晶層を使った液晶表示装置を駆動する場合、上下基板
に形成された電極に印加される駆動電圧の大きさを変化
させることで、図2(C)に示すように中間調表示が可
能になる。また、かかる中間調表示を、従来のフレーム
変調法あるいは面積階調法による階調表示方法と組み合
せてもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて説明す
る。
【0030】図3は本発明による液晶表示装置の外観図
を示し、図4はその断面図を示す。
【0031】図3を参照するに、液晶表示装置は標準的
な構成を有し、光源10aを備えたバックライトユニッ
ト10と、バックライトユニット10上に配設された液
晶表示パネル11とよりなる。さらに液晶表示パネル1
0の上下には一対の偏光板が設けられる。ただし、図3
ではパネル10上部に形成された上側偏光板12のみが
図示されている。
【0032】図4は液晶表示パネル11の断面図を示
す。
【0033】図4を参照するに、液晶表示パネル11は
上側基板11Aと下側基板11Bとを含み、基板11A
の下主面上には図3においてX方向に延在する複数の透
明ストライプ電極11aが形成されている。同様に、下
側電極11B上には図3においてY方向に延在する複数
の透明ストライプ電極11bが形成される。電極11a
は上側分子配向膜13Aにより覆われ、一方電極11b
は下側分子配向膜13Bにより覆われる。
【0034】基板11Aおよび11Bはそれぞれ厚さが
1.1mmのソーダガラスよりなり、直径が1.5μm
のシリカボール15をスペーサとして重ね合わせられ
る。さらに、基板11Aおよび11Bをこのように重ね
合わせることにより分子配向膜13Aおよび13Bの間
に形成される隙間に液晶を封入して強誘電性液晶層14
を形成する。典型的には、分子配向膜13A,13Bは
例えばポリイミド等をスピンコーティングし、さらにラ
ビング等により分子配向方位を与えることにより形成さ
れるが、あるいは後程説明するようにSiOの斜方蒸着
により形成してもよい。また、基板11Aおよび/また
は11Bの表面を界面活性剤等により修飾することによ
り形成してもよい。後者の場合には、分子配向膜13
A,13Bは実際には基板11Aおよび11Bの表面に
より構成される。また、強誘電性液晶層14を構成する
液晶としてはナフタレン系液晶組成物が使われる。特
に、本発明で使われる液晶組成物としては、本出願人が
先に特願平4−271990において提案したものを使
うのが好ましい。
【0035】以下、本発明の第1実施例を実験例および
比較例について説明する。
【0036】実験例1 本実験例では、上下の分子配向膜13Aおよび13Bを
基板11Aおよび11B表面の修飾により形成した。そ
の際、強誘電性液晶層14中に弾性エネルギTeを蓄積
するために、分子配向方位を分子配向膜13Aと13B
との間で意図的に変化させた。より具体的には、まず基
板11Aおよび11B上に前記透明電極11aおよび1
1bをそれぞれ形成し、アルカリ洗剤で洗浄しさらに純
水でリンスした後乾燥した。次に、このように処理され
た基板11Aおよび11Bを低級脂肪酸系シランカップ
リング剤よりなる界面活性剤、例えばメチルアミノプロ
ピルトリメトキシシリルクロライド(MAP)の0.7
wt%アルコール溶液中に浸漬し、次いで引き上げるこ
とにより、基板11Aおよび11Bの表面を化学的に修
飾した。界面活性剤から引き上げた後、基板11Aおよ
び11Bを30分間自然乾燥させ、続いて90゜Cで一
時間乾燥させた。
【0037】本実験例では、基板11Aおよび11Bを
前記界面活性剤から引き上げる際に、基板11Aと11
Bとで、鉛直方向ないし引き上げ方向に対する基板方位
を変化させた。例えば、基板11Aをその長手方向に引
き上げる場合、基板11Bはその長手方向に対して0.
5〜45度の範囲の角度で傾けて引き上げた。このよう
に処理した基板11Aと11Bとを、それぞれの長手方
向が一致するように、間に径が1.5μmのシリカボー
ルをスペーサとして介在させて重ね合わせ、さらに基板
間の隙間にナフタレン系の液晶よりなる強誘電性液晶層
14を充填することにより液晶表示パネルを形成した。
かかる液晶表示パネルでは、分子配向の方向が基板11
Aと11Bとで異なるため、液晶層14中に弾性エネル
ギTeが導入される。このようにして形成された液晶表
示パネルのうち、基板11Aと11Bとで界面活性剤か
らの引き上げ方向が15度ずれているパネルをパネルA
と記す。後程説明するように、パネルAでは液晶層14
中に式2で説明した弾性エネルギTeが導入されるため
電極11aおよび11bの間に印加した電圧に従って透
過率が変化し、中間調の表示が可能であることが実証さ
れた。
【0038】実験例2 本実験例では、基板11Aおよび11B上に、実験例1
の場合と同様に透明電極11aおよび11bを形成し、
洗浄後基板11Aの上主面および基板11Bの下主面上
にそれぞれポリイミド膜を分子配向層13Aおよび13
Bとしてスピンコーティング法により、60nmの厚さ
に形成した。さらにこのようにして形成されたポリイミ
ド膜を焼成し、次いでナイロンバフを使ってラビングし
た。ラビングは、液晶表示パネルを組み立てた場合にお
けるラビングの方向が、分子配向膜13Aと13Bとで
0.5〜45度の範囲の角度で交差するように実行す
る。さらに、基板11Aおよび11Bを、分子配向膜1
3Aと13Bとでラビングの方向が前記0.5〜45度
の範囲で交差するように、間に径が1.5μmのシリカ
ボールをスペーサとして介在させて重ね合わせ、さらに
基板間の隙間にナフタレン系の液晶よりなる強誘電性液
晶層11を封入して液晶表示パネルを形成した。このよ
うにして得られた液晶表示パネルのうち、ラビングの方
向が分子配向膜13Aと13Bとで約10度の角度で交
差するように形成したパネルをパネルBと記す。後程説
明するように、パネルBでは液晶層14中に式2で説明
した弾性エネルギTeが導入されるため電極11aおよ
び11bの間に印加した電圧に従って透過率が変化し、
中間調の表示が可能であることが実証された。
【0039】実験例3 本実験例では、基板11Aおよび11B上に、実験例1
の場合と同様に透明電極11aおよび11bを形成し、
洗浄後基板11Aの上主面および基板11Bの下主面上
に、それぞれ分子配向膜13Aおよび13Bを、SiO
の斜方蒸着により、35nmの厚さに形成した。蒸着の
際、基板11Aおよび11Bの双方を垂直に保持し、さ
らに一方の基板、例えば基板11Aをその長手方向が垂
直方向から0.5〜45度の範囲の角度だけ傾くように
保持した。これに対し、他方の基板、例えば基板11B
はその長手方向が垂直方向と一致するように保持した。
このようにして形成した分子配向膜を有する基板11A
および11Bを、各々の長手方向が相互に一致するよう
に、間に径が1.5μmのシリカボールをスペーサとし
て介在させて重ね合わせ、さらに基板間の隙間にナフタ
レン系の液晶よりなる強誘電性液晶層14を封入するこ
とより、液晶表示パネルを形成した。かかる液晶表示パ
ネルでは、分子配向膜13Aおよび13Bは蒸着方向が
相互に前記0.5〜45度の範囲だけ傾いた状態で保持
される。このようにして形成された液晶表示パネルのう
ち、蒸着方向が4.5度の角度で交差するパネルををパ
ネルCと記す。後程説明するように、パネルCでは液晶
層14中に式2で説明した弾性エネルギが導入されるた
め電極11aおよび11bの間に印加した電圧に従って
透過率が変化し、中間調の表示が可能であることが実証
された。
【0040】実験例4 本実験例では、基板11Aおよび11B上に、実験例1
の場合と同様に透明電極11aおよび11bを形成し、
洗浄後一方の基板、例えば基板11A上に、分子配向膜
13Aを、SiOの斜方蒸着により、35nmの厚さに
形成した。その際、基板11Aは垂直に、しかも基板1
1Aの長手方向が垂直方向に対して4.5度傾くように
保持した。さらに、蒸着の方向は基板11Aの法線方向
に対して85度の角度に設定した。一方、他方の基板1
1B上には、分子配向膜13Bを、ポリイミドのスピン
コーティングにより60nmの厚さに形成し、さらに基
板の長手方向にナイロンバフによりラビングを行なっ
た。このようにして分子配向膜13Aおよび13Bを形
成された基板11Aおよび11Bを、各々の長手方向が
一致するように、径が1.5μmのシリカボールをスペ
ーサとして間に介在させて重ね合わせ、さらに基板間の
隙間にナフタレン系の液晶よりなる強誘電性液晶層14
を封入し、液晶表示パネルDを形成した。後程説明する
ように、パネルDでは液晶層14中に式2で説明した弾
性エネルギTeが導入されるため電極11aおよび11
bの間に印加した電圧に従って透過率が変化し、中間調
の表示が可能であることが実証された。
【0041】実験例5(比較例を含む) 本実験例では、基板11Aおよび11B上に、実験例1
の場合と同様に透明電極11aおよび11bを形成し、
洗浄後基板11Aおよび11B上にそれぞれ分子配向膜
13Aおよび13Bを、SiOの斜法蒸着により、35
nmの厚さに形成する。その際、基板11Aおよび11
Bを垂直方向に保持し、さらに基板11Aの長手方向を
垂直方向に対して0度、5度、10度および15度傾く
ように保持した。これに対し、基板11Bはその長手方
向が垂直方向に一致するように保持した。このようにし
て分子配向膜を形成された基板11Aおよび11Bを各
々の長手方向が一致するように、間に径が1.5μmの
シリカボールをスペーサとして介在させて重ね合わせ、
さらに基板間の隙間にナフタレン系の液晶よりなる強誘
電性液晶層14を封入して液晶表示パネルを形成した。
このうち、分子配向膜13Aの形成時に基板11Aの長
手方向を垂直に保持したパネルをパネルEと記し、基板
11Aの長手方向を垂直方向から5度傾けたパネルをパ
ネルFと記す。さらに、基板11Aの長手方向を垂直方
向から10度および15度傾けたパネルをそれぞれパネ
ルGおよびHと記す。このうち、パネルEは分子配向方
向が分子配向膜13Aと13Bで平行であり、液晶層1
4中に式2で説明した弾性エネルギTeが導入されない
従来の構成に対応する。すなわちパネルEは比較例を構
成する。これに対し、後程説明するように、パネルF〜
Hでは液晶層中に弾性エネルギTeが導入されるため電
極11aおよび11b間に印加した電圧に応じて透過率
が変化し、中間調表示が可能であることが実証された。
【0042】比較例1 本実験例では、基板11Aおよび11B上に電極11a
および11bを形成し、洗浄の後さらに分子配向膜13
Aおよび13Bをそれぞれポリイミドのスピンコーティ
ングにより形成し、さらに形成された分子配向膜13A
および13Bをナイロンバフにより、逆平行(アンチパ
ラレル)にラビングした。さらに、分子配向膜13Aお
よび13Bのラビング処理の後、基板11Aおよび11
Bを、間に径が1.5μmのシリカボールをスペーサと
して介在させて重ね合わせ、基板11Aと11Bとの間
に形成される隙間にナフタレン系の液晶よりなる強誘電
性液晶層14を封入した。このようにして形成されたパ
ネルをパネルIと記す。パネルIでは分子配向方向は分
子配向膜13Aと13Bとで平行になり、液晶層14中
に弾性エネルギTeは導入されない。後程説明するよう
に、パネルIは二値的な透過特性を示し、中間調表示に
不適当であることが実証された。
【0043】比較例2 本実験例では、基板11Aおよび11B上に電極11a
および11bを形成し、洗浄の後さらに分子配向膜13
AをSiOの斜方蒸着により35nmの厚さに形成し
た。その際、基板11Aはその長手方向が垂直になるよ
うに保持し、基板の法線方向に対して85度の角度で蒸
着を行なった。一方、基板11B上にはポリイミドをス
ピンコーティングして分子配向膜13Bを形成し、さら
に分子配向膜13Bを基板の長手方向にラビングした。
このようにして分子配向膜13Aを形成された基板11
Aと分子配向膜13Bを形成された基板11Bとを、蒸
着の方向とラビングの方向とが一致するように、間に径
が1.5μmのシリカボールをスペーサとして介在させ
て重ね合わせ、基板11Aと11Bの間に形成される隙
間にナフタレン系の強誘電性液晶よりなる液晶層14を
封入し、液晶表示パネルJを形成した。パネルJでは分
子配向膜13Aによる分子配向方向と分子配向膜13B
による分子配向方向とが一致しているため、液晶層14
には式2で説明した弾性エネルギTeは導入されず、従
ってパネルJは従来の構成に対応する。後程説明するよ
うに、パネルJは二値的な透過特性を示し、中間調表示
に不適当であることが実証された。
【0044】次に本発明の第2実施例を説明する。
【0045】本実施例では、分子配向膜13Aおよび1
3Bにおける分子配向方向を非平行に設定する必要なく
液晶層14に弾性エネルギTeを導入する。より具体的
には、本実施例では基板11Aと11Bとの間の隙間の
厚さに対する液晶のらせんピッチの関係を変化させる。
一般に、強誘電性液晶表示装置では、液晶分子がらせん
配向をする傾向を抑止し配向方向の揃った単結晶的な構
造を得るため、基板相互の隙間の厚さを液晶分子の自然
ならせんピッチに対応して十分に小さく設定している。
これに対し、本出願人は、強誘電性液晶層14を構成す
る液晶分子のらせんピッチを前記隙間の厚さの3倍以下
に設定することにより、液晶層14中に弾性エネルギT
eを導入することが可能であることを見いだした。
【0046】本実施例では、パネルEと同様の構成を有
するパネルにおいて、基板11Aと11Bの間の隙間の
厚さを1.7μmとし、さらに前記隙間にらせんピッチ
が10.5μm、8.2μm、4.1μmおよび2.4
μmの強誘電性液晶を充填した。かかる異なったピッチ
を有する液晶分子を形成するため、フェニルベンゾエス
テル系ノンカイラル液晶(smectic C 相)に、同じくフ
ェニルベンゾエステル系骨格を有するカイラル液晶(ch
iralsmectic C 相)を混合し、混合組成物として、強誘
電相液晶(chiralsmectic C 相)を得た。その際、ノン
カイラル液晶とカイラル液晶の混合比率を変えることに
より、液晶混合組成物のらせんピッチを調整した。より
具体的には、ノンカイラル液晶10部に対してカイラル
液晶の割合を1部、2部、3部および4部と変化させる
ことにより、らせんピッチをそれぞれ10.5μm、
8.2μm、4.1μmおよび2.4μmに設定した。
らせんピッチが10.5μmの液晶を封入した液晶パネ
ルをパネルK、8.2μmの液晶を封入したパネルをパ
ネルL、4.1μmの液晶を封入したパネルをパネル
M、および2.4μmのパネルを封入したパネルをパネ
ルNとする。
【0047】評価 さらに、前記パネルA〜Nについて透過特性を、電極1
1aおよび11bに印加される電圧を変化させながら測
定した。その際、中間調の表現能力を示す指標として図
5に示すように液晶表示パネルが90%の透過率を示す
場合の印加電圧V90と10%の透過率を示す場合の印加
電圧V10とを使って指標Pを式3P=V90/(V90−V
10)により定義する。明らかに、指標Pの値が小さけれ
ば小さい程図5に示す液晶パネルの透過率の遷移特性が
緩やかになり、印加電圧による中間調表示の自由度が増
大する。
【0048】表1は前記パネルA〜Nについて得られた
指標Pの値を示す。表1より明らかなように、パネルA
〜D、F〜H、MおよびNでは指標Pは2ないし3程度
の値を有し、中間調の表示が可能であるのに対し、従来
例に対応するパネルE、IおよびJでは指標Pの値は5
を超えており、パネルは二値表示に近い透過特性を示
す。さらに、前記第2実施例において液晶分子のピッチ
が液晶層の厚さの3倍を超える場合(パネルKおよび
L)には、指標Pの値は7を超え、パネルは二値表示に
近い透過特性を示す。
【0049】
【表1】
【0050】以上のことから、分子配向膜の方位を上下
基板で変化させ、あるいは液晶分子のピッチを液晶層の
厚さの3倍以下に設定することにより、液晶層中に弾性
エネルギないし内部エネルギを導入すると、式2および
図2(A)〜(C)で説明した機構により、液晶分子に
液晶層に印加される印加電圧に応じた配向を誘起でき、
強誘電性液晶パネルを使った中間調表示が可能になる。
また、前記パネルMおよびNにおいては、パネルEの構
成に対応して上下の分子配向膜による分子配向方向が平
行であったが、他の実施例におけるように上下の分子配
向膜の配向方向を変化させてもよい。
【0051】次に、本発明の第3実施例による、強誘電
性液晶表示パネルの駆動方法について図6を参照しなが
ら説明する。
【0052】先にも説明したように、本発明による強誘
電性液晶表示パネルは、液晶層に印加される印加電圧、
すなわち上下電極11aおよび11bに印加される駆動
電圧の大きさを変調することにより、中間調の表示が可
能である。図6は、先の実施例におけるパネルE〜Hに
おいて、実際に電極11aと11bとの間に印加される
電圧の大きさを変調することにより得られた液晶表示パ
ネルの透過率の変化を示す。このうち、パネルEは先に
も説明したように従来例に対応する。
【0053】図6を参照するに、パネルEは印加電圧に
より二値的に変化する急峻な透過特性を示すが、その他
のパネルF〜Hでは透過率が印加電圧とともに略直線的
に、しかもなだらかに変化する。すなわち、液晶表示装
置の駆動回路により電極11aと11bとの間に印加さ
れる駆動電圧を電圧を振幅変調することにより、印加電
圧に対応した中間的な透過率を実現できることが実証さ
れた。同様の結果が先の第2実施例に関わるパネルMお
よびNにおいても成立する。
【0054】本発明による強誘電性液晶表示装置は、従
来より強誘電性液晶表示装置において階調表現を実現す
るために行なわれてきた様々な方法と組み合せることが
可能である。
【0055】図7は従来より、多階調表示を実現するた
めに単一の画素PXに対応する電極11aおよび11b
を複数の電極11a-1,11a-2および11b-1,11
-2より構成した構成の強誘電性液晶表示パネルを示
す。かかる液晶表示パネルにおいて、液晶層中に前記第
1および第2実施例のいずれかの方法により弾性エネル
ギTeを導入し、電極11a-1,11a-2、および電極
11b-1,11b-2を個々に中間的な駆動電圧で駆動す
ることにより、さらに多くの階調数を実現することがで
きる。
【0056】また、本発明の強誘電性液晶表示装置は、
印加電圧の大きさを変調する他に、パルス幅を変調する
ことによっても多階調表示を実現することができる。以
下、本発明の第4実施例を、かかるパルス幅を変調した
場合について説明する。
【0057】本実施例では、図3、4に記載の液晶表示
装置を使い、分子配向膜13Aおよび13Bのラビング
を8度の角度で交差するように実行し、ナフタレン系の
強誘電性液晶を基板間の隙間に充填することにより、表
1に示す指標Pの値が2.7の液晶表示パネルを形成し
た。かかるパネルは先に説明した第1実施例に対応し、
先に説明したように中間調の表現が可能であるが、本実
施例では得られたパネルを、図8(A),(B),
(C)に示す波形を有する1/400デューティ比、1
/4バイアスの4パルス法により駆動した。その際、動
作電圧を35Vに設定し、1パルスのパルス幅を10μ
sから30μsの範囲で変化させた。画面への書き込み
は2フレームで実行し、その際1フレーム目と2フレー
ム目をいずれも黒とした場合、1フレーム目と2フレー
ム目をいずれも白とした場合、および1フレーム目で黒
を、2フレーム目で白を書き込む場合について実験を行
なった。より具体的には、黒を書き込む場合、パルス幅
が10〜30μsのパルスを使い、400ラインよりな
る1フレームを、1ライン当り4パルスを使って書き込
みを行なった。この場合、パルス幅を10μsとする
と、1ラインの書き込みに40μsを、1フレームの書
き込みに16msを要する。パルス幅を10μsに設定
し、1フレーム目で黒を、2フレーム目で白を書き込ん
だ場合、全体と灰色の階調を得ることができた。かかる
フレーム変調を、先に説明した駆動電圧パルスの大きさ
の変調と組み合せることにより、あるいはさらに前記第
3実施例で得られた面積階調法と組み合せることによ
り、液晶表示装置が表示可能な階調数をさらに拡大する
ことができる。また、温度補償と組み合せればさらに多
くの階調表示が可能である。もちろん、かかるフレーム
変調による階調表示は本発明の第2実施例による液晶表
示パネルNおよびMにおいても有効である。
【0058】以上、本発明を好ましい実施例について説
明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものでは
なく、請求項に記載した本発明の要旨内において様々な
変形・変更が可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、強誘電性液晶表示装置
において、液晶層中に弾性エネルギを導入することによ
り、液晶分子の配列を、液晶層に印加した電圧によりト
ルクを受けるように制御でき、その結果駆動電圧の大き
さを制御することにより、中間調の表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B)は強誘電性液晶のメモリ状態を
示す図である。
【図2】(A)〜(C)は本発明の原理を示す図であ
る。
【図3】本発明において使われる液晶表示装置の全体的
な構成を示す図である。
【図4】図3の装置の断面図を示す図である。
【図5】本発明の第1および第2実施例による強誘電性
液晶表示装置の透過特性を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例による強誘電性液晶表示装
置の透過率特性を、従来の強誘電性液晶表示装置のもの
と比較して示す図である。
【図7】本発明の第3実施例による液晶表示装置の電極
構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施例によるフレーム変調法によ
る階調表示を示す図である。
【符号の説明】
10 バックライト装置 10a 光源 11 液晶表示パネル 11A,11B 基板 11a,11b 電極 12 偏光板 13A,13B 分子配向膜 14 強誘電性液晶層 15 スペーサ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と;前記第1の基板の表面上
    に形成された第1の電極パターンと;前記第1の基板の
    前記表面上に形成され、液晶分子を配向させる第1の分
    子配向手段と;前記第1の基板上に、前記第1の基板か
    ら離間して、かつ前記第1の基板に対向するように形成
    された第2の基板と;前記第2の基板の、前記第1の基
    板に対向する表面上に形成された第2の電極パターン
    と;前記第2の基板の前記表面上に形成され、液晶分子
    を配向させる第2の分子配向手段と;前記第1の分子配
    向手段と第2の分子配向手段との間に形成され、前記第
    1および第2の基板の間の隙間を充填する強誘電性液晶
    層とよりなる液晶表示装置において:前記第1の分子配
    向手段は、前記強誘電性液晶層中の液晶分子の方向を第
    1の方向に配列させ、前記第2の分子配向手段は、前記
    強誘電性液晶層中の液晶分子の方向を、第2の、別の方
    向に配列させることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の分子配向手段は第1のラビン
    グ方位を有する第1の分子配向膜よりなり、前記第2の
    分子配向手段は第2のラビング方位を有する第2の分子
    配向膜よりなり、前記第1および第2のラビング方位は
    0.5〜45度の角度範囲で交差することを特徴とする
    請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の分子配向手段は、前記第1の
    基板を界面活性剤から第1の方位で引き上げることによ
    り前記第1の基板の前記表面に形成された第1の修飾表
    面よりなり、前記第2の分子配向膜は、前記第2の基板
    を界面活性剤から第2の方位で引き上げることにより前
    記第2の基板の前記表面に形成された第2の修飾表面よ
    りなり、前記第1および第2の基板は前記第1および第
    2の方位が相互に0.5〜45度の角度範囲で交差する
    ように配置されたことを特徴とする請求項1 記載の液晶
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の分子配向手段は、前記第1の
    基板上に、前記第1の基板の法線方向に対して第1の角
    度で斜方蒸着された第1の分子配向膜よりなり、前記第
    2の分子配向手段は、前記第2の基板上に、前記第2の
    基板の法線方向に対して第2の角度で斜方蒸着された第
    2の分子配向膜よりなり、前記第1および第2の角度は
    相互に0.5〜45度の範囲でずれていることを特徴と
    する請求項1記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 第1の基板と;前記第1の基板の表面上
    に形成された第1の電極パターンと;前記第1の基板の
    前記表面上に形成され、液晶分子を配向させる第1の分
    子配向手段と;前記第1の基板上に、前記第1の基板か
    ら離間して、かつ前記第1の基板に対向するように形成
    された第2の基板と;前記第2の基板の、前記第1の基
    板に対向する表面上に形成された第2の電極パターン
    と;前記第2の基板の前記表面上に形成され、液晶分子
    を配向させる第2の分子配向手段と;前記第1の分子配
    向手段と第2の分子配向手段との間に形成された隙間を
    充填する強誘電性液晶層とよりなる液晶表示装置におい
    て:前記強誘電性液晶層中の液晶分子のらせんピッチ
    が、前記液晶層の厚さの3倍以内であることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の分子配向手段は、前記強誘電
    性液晶層中の液晶分子の方向を第1の方向に配列させ、
    前記第2の分子配向手段は、前記強誘電性液晶層中の液
    晶分子の方向を、第2の、別の方向に配列させることを
    特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の分子配向手段と前記第2の分
    子配向手段とは、前記強誘電性液晶層中の液晶分子の方
    向を同一の方向に配列させることを特徴とする請求項5
    記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 第1の基板と、前記第1の基板の表面上
    に形成された第1の電極パターンと、前記第1の基板の
    前記表面上に形成された第1の分子配向膜と、前記第1
    の基板上に、前記第1の基板から離間して、かつ前記第
    1の基板に対向するように形成された第2の基板と、前
    記第2の基板の、前記第1の基板に対向する表面上に形
    成された第2の電極パターンと、前記第2の基板の前記
    表面上に形成された第2の分子配向膜と、前記第1の分
    子配向膜と第2の分子配向膜との間に形成された隙間を
    充填する強誘電性液晶層とよりなる液晶表示装置の製造
    方法において、 前記第1および第2の分子配向膜を、前記第1の分子配
    向膜と前記第2の分子配向膜とで強誘電性液晶層に内部
    エネルギが蓄積されるように形成する工程を含むことを
    特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 前記第1および第2の分子配向膜を形成
    する工程は、前記第1の分子配向膜と前記第2の分子配
    向膜とで液晶分子の配向方向が異なるように形成する工
    程を含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の分子配向膜を形
    成する工程は、前記第1の基板と前記第2の基板とを界
    面活性剤中に浸漬し次いで引き上げる工程と、前記第1
    および第2の基板を、前記界面活性剤から引き上げた
    後、前記界面活性剤から引き上げる際の基板の方位が、
    前記第1の基板と前記第2の基板とで、0.5〜45度
    の範囲でずれるように、相互に重ね合わせることを特徴
    とする請求項8または9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の分子配向膜と前記第2の分
    子配向膜を形成する工程とは、前記第1の分子配向膜と
    前記第2の分子配向膜とを、それぞれ第1および第2の
    基板上に、斜方蒸着工程により、蒸着角が前記第1の分
    子配向膜と前記第2の分子配向膜とで0.5〜45度の
    範囲の角度でずれるように形成する工程を含むことを特
    徴とする請求項8または9記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の分子配向膜と前記第2の分
    子配向膜を形成する工程は、前記第1および第2の基板
    上にそれぞれ前記第1の分子配向膜と前記第2の分子配
    向膜とを形成する工程と、前記第1および第2の分子配
    向膜をそれぞれの方向にラビングする工程と、前記第1
    および第2の基板を、前記第1の分子配向膜と前記第2
    の分子配向膜とでラビングの方向が0.5〜45度の範
    囲でずれるように重ね合わせる工程とを含むことを特徴
    とする請求項8または9記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記第1および第2の分子配向膜を形
    成する工程は、第1の分子配向膜を前記第1の基板上に
    斜方蒸着により形成する第1の工程と、前記第2の分子
    配向膜を前記第1の基板上にスピンコーティングにより
    形成する第2の工程とを含むことを特徴とする請求項8
    または9記載の方法。
  14. 【請求項14】 第1の基板と、前記第1の基板の表面
    上に形成された第1の電極パターンと、前記第1の基板
    の前記表面上に形成され、液晶分子を配向させる第1の
    分子配向手段と、前記第1の基板上に、前記第1の基板
    から離間して、かつ前記第1の基板に対向するように形
    成された第2の基板と、前記第2の基板の、前記第1の
    基板に対向する表面上に形成された第2の電極パターン
    と、前記第2の基板の前記表面上に形成され、液晶分子
    を配向させる第2の分子配向手段と、前記第1の分子配
    向手段と第2の分子配向手段との間に形成され、前記第
    1および第2の基板の間の隙間を充填する強誘電性液晶
    層とよりなり、前記第1および第2の分子配向手段は、
    前記強誘電性液晶層中の液晶分子を、前記強誘電性液晶
    層中に内部エネルギが蓄積するような方位にそれぞれ配
    向させる液晶表示装置の駆動方法において、 前記第1および第2の電極パターンに駆動電圧パルスを
    印加する工程と;前記駆動電圧パルスの大きさを、所望
    の中間調が得られるように変化させる工程とよりなるこ
    とを特徴とする駆動方法。
  15. 【請求項15】 前記第1および第2の電極パターンに
    駆動電圧パルスを印加する工程は、前記駆動電圧パルス
    の論理値の組み合せを、所望の階調が得られるように変
    化させる工程を含むことを特徴とする請求項14記載の
    駆動方法。
  16. 【請求項16】 前記第1および第2の電極手段は、そ
    れぞれ前記第1および第2の基板上を延在する複数のス
    トライプ電極よりなる第1の電極群および第2の電極群
    よりなり、前記第1の電極群を構成するストライプ電極
    と前記第2の電極群を構成するストライプ電極とは前記
    第1および第2に基板に垂直な方向から見た場合に画素
    において交差し、前記複数のストライプ電極の各々は、
    前記第1の電極群および第2の電極群の各々において、
    複数の副ストライプ電極より構成されており、前記第1
    の電極群に含まれる副ストライプ電極と前記第2の電極
    群に含まれる副ストライプ電極群とは、前記第1および
    第2の基板に垂直な方向から見た場合に単一の画素を分
    割して形成される副画素において交差し、前記第1およ
    び第2の電極パターンに駆動電圧パルスを印加する工程
    は、前記副ストライプ電極の各々に、各画素において所
    望の階調が得られるように、前記駆動電圧パルスを選択
    的に印加する工程を含むことを特徴とする請求項14記
    載の駆動方法。
  17. 【請求項17】 第1の基板と、前記第1の基板の表面
    上に形成された第1の電極パターンと、前記第1の基板
    の前記表面上に形成され、液晶分子を配向させる第1の
    分子配向手段と、前記第1の基板上に、前記第1の基板
    から離間して、かつ前記第1の基板に対向するように形
    成された第2の基板と、前記第2の基板の、前記第1の
    基板に対向する表面上に形成された第2の電極パターン
    と、前記第2の基板の前記表面上に形成され、液晶分子
    を配向させる第2の分子配向手段と、前記第1の分子配
    向手段と第2の分子配向手段との間に形成され、前記第
    1および第2の基板の間の隙間を充填する強誘電性液晶
    層とよりなり、前記強誘電性液晶層中の液晶分子のらせ
    んピッチが、前記液晶層の厚さの3倍以内であることを
    特徴とする液晶表示装置の駆動方法において、 前記第1および第2の電極パターンに駆動電圧パルスを
    印加する工程と;前記駆動電圧パルスの大きさを、所望
    の中間調が得られるように変化させる工程とよりなるこ
    とを特徴とする駆動方法。
  18. 【請求項18】 前記第1および第2の電極パターンに
    駆動電圧パルスを印加する工程は、前記駆動電圧パルス
    の論理値の組み合せを、所望の階調が得られるように変
    化させる工程を含むことを特徴とする請求項17記載の
    駆動方法。
  19. 【請求項19】 前記第1および第2の電極手段は、そ
    れぞれ前記第1および第2の基板上を延在する複数のス
    トライプ電極よりなる第1の電極群および第2の電極群
    よりなり、前記第1の電極群を構成するストライプ電極
    と前記第2の電極群を構成するストライプ電極とは前記
    第1および第2に基板に垂直な方向から見た場合に画素
    において交差し、前記複数のストライプ電極の各々は、
    前記第1の電極群および第2の電極群の各々において、
    複数の副ストライプ電極より構成されており、前記第1
    の電極群に含まれる副ストライプ電極と前記第2の電極
    群に含まれる副ストライプ電極群とは、前記第1および
    第2の基板に垂直な方向から見た場合に単一の画素を分
    割して形成される副画素において交差し、前記第1およ
    び第2の電極パターンに駆動電圧パルスを印加する工程
    は、前記副ストライプ電極の各々に、各画素において所
    望の階調が得られるように、前記駆動電圧パルスを選択
    的に印加する工程を含むことを特徴とする請求項17記
    載の駆動方法。
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