JPH0728579B2 - 播種用粘着シート - Google Patents
播種用粘着シートInfo
- Publication number
- JPH0728579B2 JPH0728579B2 JP2265992A JP2265992A JPH0728579B2 JP H0728579 B2 JPH0728579 B2 JP H0728579B2 JP 2265992 A JP2265992 A JP 2265992A JP 2265992 A JP2265992 A JP 2265992A JP H0728579 B2 JPH0728579 B2 JP H0728579B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- pressure
- sensitive adhesive
- seeding
- adhesive sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は穀物、野菜、花卉等の播
種、育苗に用いる播種用粘着シートに係り、特に、種子
を所望の位置に位置精度高く、効率良く播種し、かつ、
播種の作業性を格段に向上させることのできる播種用粘
着シートに関する。
種、育苗に用いる播種用粘着シートに係り、特に、種子
を所望の位置に位置精度高く、効率良く播種し、かつ、
播種の作業性を格段に向上させることのできる播種用粘
着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】穀物、野菜、花卉等の播種作業は、大別
して、次の2種類の方式によって行われている。すなわ
ち、その一つは畑に直接播種して発芽、生育させるいわ
ゆる直播き方式であり、他の一つは一旦小面積の育苗マ
ットあるいは育苗床上に播種して発芽、育苗した後、苗
を定植させる方式である。従来は、上記何れの方式の作
業においても播種は手作業によっていたが、近年、農業
技術者が減少し、かつ、その高齢化が進むに伴って、作
業性の改善の重要性が増してきている。また、従来は、
種子の品質が不均質であったため、まず必要個数以上の
種子を播種し、発芽、育苗した後に、高品質の苗を残し
て他の苗を間引くという作業を避け得なかった。しかし
ながら、近年、種子のF1化などにより種子の品質及び
発芽率が飛躍的に向上したことによって、播種量を大幅
に低減させることが強く求められるようになってきた。
上記の作業性改善及び播種量低減を目的として、次のよ
うな方法が提案されている。すなわち、(1) 長尺の水溶
性テープに適宜の間隔で種子を包み込み、畑に埋設する
方法、(2) 種子の位置を固定するために、水溶性の支持
体面上に水溶性の粘着剤層を設けた長尺のテープに適宜
の間隔で種子を包み込んだ形で畑に埋設する方法、(3)
小径の種子を保護剤で包み込むことにより大粒径化及び
形状の均一化を図り、これを簡単な手動式播種機を用い
て適宜の間隔で播種する方法などである。
して、次の2種類の方式によって行われている。すなわ
ち、その一つは畑に直接播種して発芽、生育させるいわ
ゆる直播き方式であり、他の一つは一旦小面積の育苗マ
ットあるいは育苗床上に播種して発芽、育苗した後、苗
を定植させる方式である。従来は、上記何れの方式の作
業においても播種は手作業によっていたが、近年、農業
技術者が減少し、かつ、その高齢化が進むに伴って、作
業性の改善の重要性が増してきている。また、従来は、
種子の品質が不均質であったため、まず必要個数以上の
種子を播種し、発芽、育苗した後に、高品質の苗を残し
て他の苗を間引くという作業を避け得なかった。しかし
ながら、近年、種子のF1化などにより種子の品質及び
発芽率が飛躍的に向上したことによって、播種量を大幅
に低減させることが強く求められるようになってきた。
上記の作業性改善及び播種量低減を目的として、次のよ
うな方法が提案されている。すなわち、(1) 長尺の水溶
性テープに適宜の間隔で種子を包み込み、畑に埋設する
方法、(2) 種子の位置を固定するために、水溶性の支持
体面上に水溶性の粘着剤層を設けた長尺のテープに適宜
の間隔で種子を包み込んだ形で畑に埋設する方法、(3)
小径の種子を保護剤で包み込むことにより大粒径化及び
形状の均一化を図り、これを簡単な手動式播種機を用い
て適宜の間隔で播種する方法などである。
【0003】一方、近年急速に利用分野が拡大してきて
いる水耕栽培やロックウール栽培においては、一旦小面
積の育苗マット上に定められた間隔で定められた個数の
種子を播種して発芽、育苗し、その後苗を定植するとい
う手順が採られているが、この場合には、種子の大き
さ、形状が多岐にわたるため、播種は手作業によってい
るのが一般的である。特に、高価な種子を扱う場合に
は、育苗マット上の所望の位置に所望個数の種子を播種
するいわゆる点状載置が必要なため、播種は手作業によ
らざるを得ない。また、育苗マット上に所望の間隔で幾
条にもわたって一列に種子を播種するいわゆる筋条播種
の場合も、播種は手作業で行われているのが実態であ
る。ただ、比較的安価な種子を扱う場合には、簡単な播
種機を用いて育苗マット上に種子をばら播きする方法が
採られることもある。
いる水耕栽培やロックウール栽培においては、一旦小面
積の育苗マット上に定められた間隔で定められた個数の
種子を播種して発芽、育苗し、その後苗を定植するとい
う手順が採られているが、この場合には、種子の大き
さ、形状が多岐にわたるため、播種は手作業によってい
るのが一般的である。特に、高価な種子を扱う場合に
は、育苗マット上の所望の位置に所望個数の種子を播種
するいわゆる点状載置が必要なため、播種は手作業によ
らざるを得ない。また、育苗マット上に所望の間隔で幾
条にもわたって一列に種子を播種するいわゆる筋条播種
の場合も、播種は手作業で行われているのが実態であ
る。ただ、比較的安価な種子を扱う場合には、簡単な播
種機を用いて育苗マット上に種子をばら播きする方法が
採られることもある。
【0004】また、水溶性のシート状紙基材の片面に点
状に粘着剤を塗工し、粘着剤塗工部位に種子を貼着させ
た粘着シートを育苗マットあるいは育苗床上に載置する
方法(特開平 1‐296909号公報記載)も開発されている。
この粘着シートを用いた場合には、多くの種類の種子を
所望の位置に、所望の個数で容易に搭載することができ
るが、例えば育苗箱を積み重ねて発芽させる発芽方法に
おいては、吸水してゲル状となった水溶性の紙基材中に
種子が埋没して種子への酸素供給が不十分となり、発芽
が不均一になること、あるいはまた、一旦吸水した水溶
性の紙基材が育苗中に乾燥してしまった場合、繊維が絡
み合って凝固して強度が増すために、定植のための株分
け時に苗を傷めることなどの問題点が認められている。
状に粘着剤を塗工し、粘着剤塗工部位に種子を貼着させ
た粘着シートを育苗マットあるいは育苗床上に載置する
方法(特開平 1‐296909号公報記載)も開発されている。
この粘着シートを用いた場合には、多くの種類の種子を
所望の位置に、所望の個数で容易に搭載することができ
るが、例えば育苗箱を積み重ねて発芽させる発芽方法に
おいては、吸水してゲル状となった水溶性の紙基材中に
種子が埋没して種子への酸素供給が不十分となり、発芽
が不均一になること、あるいはまた、一旦吸水した水溶
性の紙基材が育苗中に乾燥してしまった場合、繊維が絡
み合って凝固して強度が増すために、定植のための株分
け時に苗を傷めることなどの問題点が認められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来技術において、播種は、水耕栽培あるいは土耕栽培に
おいても、一部播種機の利用がなされているとはいえ、
依然として手作業によって行われているのが実状であ
る。また、最近普及し始めた水溶性の紙基材からなるい
わゆる播種シートにおいても、前述のように、種子の種
類、栽培方法によってはその特徴を発揮できないなどの
問題点があった。
来技術において、播種は、水耕栽培あるいは土耕栽培に
おいても、一部播種機の利用がなされているとはいえ、
依然として手作業によって行われているのが実状であ
る。また、最近普及し始めた水溶性の紙基材からなるい
わゆる播種シートにおいても、前述のように、種子の種
類、栽培方法によってはその特徴を発揮できないなどの
問題点があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、広範囲の種子種類や栽培方法に対し
て、育苗マット上あるいは育苗床上に所望の間隔で所望
個数の種子を位置精度良く、しかも効率良く載置、発芽
させることのできる播種育苗手段を提供することにあ
る。
た課題を解決して、広範囲の種子種類や栽培方法に対し
て、育苗マット上あるいは育苗床上に所望の間隔で所望
個数の種子を位置精度良く、しかも効率良く載置、発芽
させることのできる播種育苗手段を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、シート状支
持体と該支持体上に設けた粘着剤とからなる播種用粘着
シートにおいて、上記支持体が非水溶性の材料からな
り、かつ、上記支持体と該支持体上に設けた粘着剤との
間に水溶性ポリマー層を設け、さらに上記粘着剤を点状
あるいは筋状に設けた構成からなる播種用粘着シートと
することによって達成することができる。
持体と該支持体上に設けた粘着剤とからなる播種用粘着
シートにおいて、上記支持体が非水溶性の材料からな
り、かつ、上記支持体と該支持体上に設けた粘着剤との
間に水溶性ポリマー層を設け、さらに上記粘着剤を点状
あるいは筋状に設けた構成からなる播種用粘着シートと
することによって達成することができる。
【0008】なお、上記支持体と粘着剤との間に設ける
水溶性ポリマー層は、支持体上に単に積層した水溶性ポ
リマーの層(ポリマーラミネート)であってもよく、支持
体中に含浸させた水溶性ポリマーの表層であってもよ
い。
水溶性ポリマー層は、支持体上に単に積層した水溶性ポ
リマーの層(ポリマーラミネート)であってもよく、支持
体中に含浸させた水溶性ポリマーの表層であってもよ
い。
【0009】
【作用】まず、本発明播種用粘着シートの使用方法につ
いて説明する。種子を搭載した本発明粘着シートを種子
搭載面を下側にして十分吸水した育苗床上に載置して散
水する。非水溶性支持体面上に設けた水溶性ポリマーが
十分吸水し、該水溶性ポリマーが溶解した後、上記支持
体を育苗床から剥がすと、粘着剤部位に搭載されていた
種子は粘着剤と共に育苗床上の所望の位置に残り、以後
の育苗に不必要な支持体だけが除去される。この粘着シ
ートを用いて播種すると、育苗箱を積み重ねて発芽させ
た場合でも、水溶性支持体を用いた場合のように育苗マ
ットと上段の育苗箱との間に挾まれたゲル状の水溶性支
持体中に種子が埋没してしまい、酸素不足などによる発
芽障害を生じるということが起らない。また、非水溶性
支持体は育苗マット上から除去されているので、水溶性
支持体を用いた場合のように育苗途上においての乾燥に
よる障害が生じることもない。
いて説明する。種子を搭載した本発明粘着シートを種子
搭載面を下側にして十分吸水した育苗床上に載置して散
水する。非水溶性支持体面上に設けた水溶性ポリマーが
十分吸水し、該水溶性ポリマーが溶解した後、上記支持
体を育苗床から剥がすと、粘着剤部位に搭載されていた
種子は粘着剤と共に育苗床上の所望の位置に残り、以後
の育苗に不必要な支持体だけが除去される。この粘着シ
ートを用いて播種すると、育苗箱を積み重ねて発芽させ
た場合でも、水溶性支持体を用いた場合のように育苗マ
ットと上段の育苗箱との間に挾まれたゲル状の水溶性支
持体中に種子が埋没してしまい、酸素不足などによる発
芽障害を生じるということが起らない。また、非水溶性
支持体は育苗マット上から除去されているので、水溶性
支持体を用いた場合のように育苗途上においての乾燥に
よる障害が生じることもない。
【0010】また、本発明構成の播種用粘着シートを用
いることによって、種子の大きさ、形状等に関係なく、
シート上の所望の位置に所望個数の種子を容易に搭載す
ることができる。すなわち、粘着シート上に種子を点状
に搭載したい場合には、支持体上の所望の部位に所望の
大きさ、形状の粘着剤を塗工し、該粘着剤部位に種子を
貼着すればよい。この際、搭載する種子の大きさ、形状
に応じて粘着剤塗工部の大きさ、形状を予め定めてお
く。粘着シートへの種子の搭載は粘着剤塗工面上に種子
を適宜散布した後、粘着シートを傾斜させるなどの操作
により種子を全面に行き渡らせ、余分の種子を取り除け
ばよい。
いることによって、種子の大きさ、形状等に関係なく、
シート上の所望の位置に所望個数の種子を容易に搭載す
ることができる。すなわち、粘着シート上に種子を点状
に搭載したい場合には、支持体上の所望の部位に所望の
大きさ、形状の粘着剤を塗工し、該粘着剤部位に種子を
貼着すればよい。この際、搭載する種子の大きさ、形状
に応じて粘着剤塗工部の大きさ、形状を予め定めてお
く。粘着シートへの種子の搭載は粘着剤塗工面上に種子
を適宜散布した後、粘着シートを傾斜させるなどの操作
により種子を全面に行き渡らせ、余分の種子を取り除け
ばよい。
【0011】支持体として使用する非水溶性の材料とし
ては紙が挙げられる。紙としては、吸水後容易に分散状
あるいはゲル状になり原形を留めたままでの取扱いが困
難となるいわゆる水溶紙やトイレットペーパーなどを除
けば、市販の印刷用紙、包装用紙など多種類の紙を利用
することができる。紙の片面に剥離剤をコーティングし
たいわゆる片面剥離紙なども利用することができる。
ては紙が挙げられる。紙としては、吸水後容易に分散状
あるいはゲル状になり原形を留めたままでの取扱いが困
難となるいわゆる水溶紙やトイレットペーパーなどを除
けば、市販の印刷用紙、包装用紙など多種類の紙を利用
することができる。紙の片面に剥離剤をコーティングし
たいわゆる片面剥離紙なども利用することができる。
【0012】支持体上に塗工する水溶性ポリマーとして
はポリビニルアルコールあるいはポリエチレングリコー
ルまたはポリビニルアルコールとポリエチレングリコー
ルとの混合物を挙げることができる。以下、水溶性ポリ
マーとしてポリビニルアルコールを用いた場合の例につ
いて、非水溶性の紙の表面に水溶性ポリマーの薄膜を形
成する方法について説明する。ポリビニルアルコールは
そのケン化度と重合度によって水に対する溶解度を異に
する。例えば、完全ケン化のポリビニルアルコールは高
温の水には容易に溶解するが、常温の水には溶解しな
い。一方、ケン化度の低いもの(例えばケン化度 90%以
下)は、常温の水に容易に溶解する。重合度について
は、重合度が大きいほど水に対する溶解性は低下する
が、ケン化度ほどの影響はない。また、一旦水に溶解し
たものは温度が低下しても溶解状態は持続する。なお、
常温において水溶性の高いものを必要とする場合には、
ケン化度90%以下のものを使用する。上記したようにポ
リビニルアルコールは水に対してある程度の溶解性を示
すが、水以外の溶剤には、ジメチルスルホキシドのよう
な特殊な溶剤を除いて、殆ど溶解しない。ここで、ポリ
ビニルアルコールの水溶液に水とよく溶解し合う有機溶
剤(例えばメタノール)を添加して行くと、ポリビニルア
ルコールの溶解度が徐々に減少し、その濃度が大きい場
合(例えば8%以上)には、両溶剤の或る混合比率の領域
で溶液はゲル化する。このような状態のポリビニルアル
コールを非水溶性の紙上に塗工し、短時間で乾燥を行う
と、紙表面にポリビニルアルコールの薄膜を形成するこ
とができる。支持体内にポリビニルアルコールが浸入し
てもよいときには、適当な濃度の水溶液を塗工して乾燥
を行うと、支持体表面をポリビニルアルコールで被覆す
ることができる。
はポリビニルアルコールあるいはポリエチレングリコー
ルまたはポリビニルアルコールとポリエチレングリコー
ルとの混合物を挙げることができる。以下、水溶性ポリ
マーとしてポリビニルアルコールを用いた場合の例につ
いて、非水溶性の紙の表面に水溶性ポリマーの薄膜を形
成する方法について説明する。ポリビニルアルコールは
そのケン化度と重合度によって水に対する溶解度を異に
する。例えば、完全ケン化のポリビニルアルコールは高
温の水には容易に溶解するが、常温の水には溶解しな
い。一方、ケン化度の低いもの(例えばケン化度 90%以
下)は、常温の水に容易に溶解する。重合度について
は、重合度が大きいほど水に対する溶解性は低下する
が、ケン化度ほどの影響はない。また、一旦水に溶解し
たものは温度が低下しても溶解状態は持続する。なお、
常温において水溶性の高いものを必要とする場合には、
ケン化度90%以下のものを使用する。上記したようにポ
リビニルアルコールは水に対してある程度の溶解性を示
すが、水以外の溶剤には、ジメチルスルホキシドのよう
な特殊な溶剤を除いて、殆ど溶解しない。ここで、ポリ
ビニルアルコールの水溶液に水とよく溶解し合う有機溶
剤(例えばメタノール)を添加して行くと、ポリビニルア
ルコールの溶解度が徐々に減少し、その濃度が大きい場
合(例えば8%以上)には、両溶剤の或る混合比率の領域
で溶液はゲル化する。このような状態のポリビニルアル
コールを非水溶性の紙上に塗工し、短時間で乾燥を行う
と、紙表面にポリビニルアルコールの薄膜を形成するこ
とができる。支持体内にポリビニルアルコールが浸入し
てもよいときには、適当な濃度の水溶液を塗工して乾燥
を行うと、支持体表面をポリビニルアルコールで被覆す
ることができる。
【0013】次に、粘着剤について簡単に説明すれば、
粘着剤は、一般に、溶剤系あるいはエマルジョン系とし
て存在し、基材に塗工し、乾燥することによって、種子
を簡単に捕捉することのできる粘着性が発現する。ま
た、高温状態で塗工する粘着剤もある。多くの粘着剤は
有機溶剤に溶解するが、水に溶解または分散する粘着剤
もある。本発明の播種用粘着シートの場合には、有機溶
剤系の粘着剤が適している。
粘着剤は、一般に、溶剤系あるいはエマルジョン系とし
て存在し、基材に塗工し、乾燥することによって、種子
を簡単に捕捉することのできる粘着性が発現する。ま
た、高温状態で塗工する粘着剤もある。多くの粘着剤は
有機溶剤に溶解するが、水に溶解または分散する粘着剤
もある。本発明の播種用粘着シートの場合には、有機溶
剤系の粘着剤が適している。
【0014】
【実施例】以下、本発明播種用粘着シートの構成につい
て実施例によって具体的に説明する。
て実施例によって具体的に説明する。
【0015】
【実施例1】図1は本発明播種用粘着シートの一実施例
の構成を示す部分拡大斜視図で、非水溶性の紙1の上に
ポリビニルアルコール薄膜2を塗工、該薄膜2の上にさ
らに粘着剤3を点状に塗工した構成からなることを示
す。また、図2は、図1の粘着シートの粘着剤塗工部位
に各1粒の種子4を搭載したときの図1 A‐A’におけ
る断面を示した図である。
の構成を示す部分拡大斜視図で、非水溶性の紙1の上に
ポリビニルアルコール薄膜2を塗工、該薄膜2の上にさ
らに粘着剤3を点状に塗工した構成からなることを示
す。また、図2は、図1の粘着シートの粘着剤塗工部位
に各1粒の種子4を搭載したときの図1 A‐A’におけ
る断面を示した図である。
【0016】まず、ケン化度 88%、平均重合度1700の
ポリビニルアルコール 80gを水とメタノールの混合比
1:1.3 の混合溶剤 920gに添加して良く撹拌し、ポリ
ビニルアルコールの溶液を得た。この溶液を市販の印刷
用紙の片面にロール塗工し、乾燥してポリビニルアルコ
ール被覆非水溶紙を作成した。次に、該ポリビニルアル
コール被覆非水溶紙のポリビニルアルコール被覆膜上
に、アクリル系の非水溶性の粘着剤を直径1mm、間隔が
縦、横共に 24mm の点状に塗工した。得られた粘着シー
トの粘着剤塗工面にコマツナの種子5を適量振りかける
ことによって、粘着剤塗工部位当り1粒ずつの種子を搭
載することができた。
ポリビニルアルコール 80gを水とメタノールの混合比
1:1.3 の混合溶剤 920gに添加して良く撹拌し、ポリ
ビニルアルコールの溶液を得た。この溶液を市販の印刷
用紙の片面にロール塗工し、乾燥してポリビニルアルコ
ール被覆非水溶紙を作成した。次に、該ポリビニルアル
コール被覆非水溶紙のポリビニルアルコール被覆膜上
に、アクリル系の非水溶性の粘着剤を直径1mm、間隔が
縦、横共に 24mm の点状に塗工した。得られた粘着シー
トの粘着剤塗工面にコマツナの種子5を適量振りかける
ことによって、粘着剤塗工部位当り1粒ずつの種子を搭
載することができた。
【0017】上記種子搭載粘着シートを、図3に示すよ
うに、育苗箱6内に置かれた十分吸水した育苗マット7
上に種子搭載側を下にして載置し、その上から散水を行
った。1日間放置した後、育苗マットから非水溶性紙を
剥がした。このとき、ポリビニルアルコールが水に溶解
しているため、種子が粘着剤と共に非水溶性紙から離脱
し、育苗マット上の所望の位置にほぼ100%の確率で残
り、所望の位置に所望個数の播種を行うことができた。
また、その後の育苗において、紙の乾燥による障害を顧
慮する必要が全くなかった。使用したポリビニルアルコ
ールの濃度については、5〜8%の場合に最も良い結果
が得られた。
うに、育苗箱6内に置かれた十分吸水した育苗マット7
上に種子搭載側を下にして載置し、その上から散水を行
った。1日間放置した後、育苗マットから非水溶性紙を
剥がした。このとき、ポリビニルアルコールが水に溶解
しているため、種子が粘着剤と共に非水溶性紙から離脱
し、育苗マット上の所望の位置にほぼ100%の確率で残
り、所望の位置に所望個数の播種を行うことができた。
また、その後の育苗において、紙の乾燥による障害を顧
慮する必要が全くなかった。使用したポリビニルアルコ
ールの濃度については、5〜8%の場合に最も良い結果
が得られた。
【0018】
【実施例2】図4は本発明播種用粘着シートの他の実施
例の構成を示す図で、非水溶性の包装紙8の片面に剥離
剤の薄膜9を、他方の面にポリビニルアルコールの薄膜
2をそれぞれ形成し、ポリビニルアルコールの薄膜2の
上に粘着剤3を点状に塗工した構成からなっていること
を示した図である。
例の構成を示す図で、非水溶性の包装紙8の片面に剥離
剤の薄膜9を、他方の面にポリビニルアルコールの薄膜
2をそれぞれ形成し、ポリビニルアルコールの薄膜2の
上に粘着剤3を点状に塗工した構成からなっていること
を示した図である。
【0019】この場合、まず、包装用紙の片面に剥離剤
を薄く塗工した市販の片面剥離紙の紙面上に実施例1の
場合と同様の方法でポリビニルアルコールの薄膜2を作
成した。上記ポリビニルアルコールの薄膜2上に、アク
リル系の非水溶性粘着剤を直径1mm、間隔10mmの点状に
塗工し、280×580mm の粘着シートを得た。得られた粘
着シートの粘着面にネギ種子10をふりかけ、粘着剤塗工
部位当り平均2粒の種子を搭載した。
を薄く塗工した市販の片面剥離紙の紙面上に実施例1の
場合と同様の方法でポリビニルアルコールの薄膜2を作
成した。上記ポリビニルアルコールの薄膜2上に、アク
リル系の非水溶性粘着剤を直径1mm、間隔10mmの点状に
塗工し、280×580mm の粘着シートを得た。得られた粘
着シートの粘着面にネギ種子10をふりかけ、粘着剤塗工
部位当り平均2粒の種子を搭載した。
【0020】次に、上記種子搭載粘着シートを、図5に
示すように、育苗箱6内に置いた十分吸水した育苗マッ
ト7上に種子側が下になるように裏返して載置し、該育
苗箱を3段に積み重ねて種子を育苗マットに押えつけな
がら4日間グロースチェンバの中で発芽させた。5日目
に育苗箱の積み重ねを解除して、片面剥離紙を育苗箱か
ら剥がしたところ、平均95%の種子が発根しており、発
根した種子の約96%が育苗マット中に根を伸長させた正
常な苗として育苗マット上に残り、水溶性基材の場合の
ような発芽率の不均一や発芽率の低下は発生しなかっ
た。また、本実施例において作成した片面剥離紙を非水
溶性紙として用いた粘着シートは、粘着剤塗工部を別の
剥離紙で保護する必要がなく、そのまま積み重ねて取扱
うことができる。
示すように、育苗箱6内に置いた十分吸水した育苗マッ
ト7上に種子側が下になるように裏返して載置し、該育
苗箱を3段に積み重ねて種子を育苗マットに押えつけな
がら4日間グロースチェンバの中で発芽させた。5日目
に育苗箱の積み重ねを解除して、片面剥離紙を育苗箱か
ら剥がしたところ、平均95%の種子が発根しており、発
根した種子の約96%が育苗マット中に根を伸長させた正
常な苗として育苗マット上に残り、水溶性基材の場合の
ような発芽率の不均一や発芽率の低下は発生しなかっ
た。また、本実施例において作成した片面剥離紙を非水
溶性紙として用いた粘着シートは、粘着剤塗工部を別の
剥離紙で保護する必要がなく、そのまま積み重ねて取扱
うことができる。
【0021】
【実施例3】本発明播種用粘着シートのさらに他の実施
例について説明する。この場合、市販のケン化度88%、
平均重合度550のポリビニルアルコール5重量部と分子
量約1000のポリエチレングリコール3重量部を水100部
に溶解し、得られた溶液を実施例2で用いた片面剥離紙
の紙面上にロール塗工し、乾燥して水溶性ポリマー被覆
非水溶性支持体を得た。
例について説明する。この場合、市販のケン化度88%、
平均重合度550のポリビニルアルコール5重量部と分子
量約1000のポリエチレングリコール3重量部を水100部
に溶解し、得られた溶液を実施例2で用いた片面剥離紙
の紙面上にロール塗工し、乾燥して水溶性ポリマー被覆
非水溶性支持体を得た。
【0022】上記支持体の水溶性ポリマー被覆面上に、
実施例2の場合と同様にして、ネギの種子を搭載し、発
芽させた。この場合にも、支持体を除去した育苗マット
上には98%の種子が残り、支持体に付着して除かれた種
子は僅か2%に過ぎなかった
実施例2の場合と同様にして、ネギの種子を搭載し、発
芽させた。この場合にも、支持体を除去した育苗マット
上には98%の種子が残り、支持体に付着して除かれた種
子は僅か2%に過ぎなかった
【0023】。
【発明の効果】以上述べてきたように、播種用粘着シー
トを本発明構成の粘着シートとすることによって、従来
技術の有していた課題を解決して、広範囲の種子種類や
栽培方法に対して、育苗マット上あるいは育苗床上に所
望の間隔で所望個数の種子を位置精度良く、しかも効率
良く載置、発芽させることのできる播種用粘着シートを
提供することができた。
トを本発明構成の粘着シートとすることによって、従来
技術の有していた課題を解決して、広範囲の種子種類や
栽培方法に対して、育苗マット上あるいは育苗床上に所
望の間隔で所望個数の種子を位置精度良く、しかも効率
良く載置、発芽させることのできる播種用粘着シートを
提供することができた。
【図1】本発明播種用粘着シートの一実施例の概略構成
を示す部分拡大斜視図。
を示す部分拡大斜視図。
【図2】図1の粘着シート上に種子を搭載した状態の図
1 A‐A’部断面図。
1 A‐A’部断面図。
【図3】図2の粘着シートを育苗箱内の育苗マット上に
載置した状態の断面図。
載置した状態の断面図。
【図4】本発明播種用粘着シートの他の実施例の構成を
示す断面図。
示す断面図。
【図5】図4構成の粘着ート上に種子を搭載したシート
を育苗マット上に載置した育苗箱を積み重ねた状態を示
す断面図。
を育苗マット上に載置した育苗箱を積み重ねた状態を示
す断面図。
1…非水溶性支持体、2…ポリビニルアルコール薄膜、
3…粘着剤、4…種子、5…コマツナ種子、6…育苗
箱、7…育苗マット、8…包装用紙、9…剥離剤薄膜、
10…ネギ種子。
3…粘着剤、4…種子、5…コマツナ種子、6…育苗
箱、7…育苗マット、8…包装用紙、9…剥離剤薄膜、
10…ネギ種子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 映章 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内 (72)発明者 亀澤 範正 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内 (72)発明者 村井 邦彦 愛知県海部郡十四山村大字坂中地1丁目37 番地 株式会社エム式水耕研究所内 (72)発明者 村井 信二 愛知県海部郡十四山村大字坂中地1丁目37 番地 株式会社エム式水耕研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】シート状支持体と該支持体上に設けた粘着
剤とからなる播種用粘着シートにおいて、上記支持体が
非水溶性の材料からなり、かつ、上記支持体と該支持体
上に設けた粘着剤との間に水溶性ポリマー層を設けた構
成からなることを特徴とする播種用粘着シート。 - 【請求項2】上記水溶性ポリマー層が水溶性ポリマーラ
ミネートであることを特徴とする請求項1記載の播種用
粘着シート。 - 【請求項3】上記水溶性ポリマー層が支持体に含浸させ
た水溶性ポリマーの表層であることを特徴とする請求項
1記載の播種用粘着シート。 - 【請求項4】上記水溶性ポリマーがポリビニルアルコー
ルあるいはポリエチレングリコール、または、ポリビニ
ルアルコールとポリエチレングリコールとの混合物であ
ることを特徴とする請求項1記載の播種用粘着シート。 - 【請求項5】上記シート状の非水溶性支持体が紙あるい
は高分子フィルム、または、片面に剥離剤を塗工した紙
または高分子フィルムであることを特徴とする請求項1
記載の播種用粘着シート。 - 【請求項6】上記粘着剤が支持体上に点状あるいは筋状
に設けた粘着剤であることを特徴とする請求項1記載の
播種用粘着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2265992A JPH0728579B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 播種用粘着シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2265992A JPH0728579B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 播種用粘着シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255646A JPH05255646A (ja) | 1993-10-05 |
JPH0728579B2 true JPH0728579B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=12088974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2265992A Expired - Fee Related JPH0728579B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 播種用粘着シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0728579B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19648106C2 (de) * | 1996-11-21 | 1999-07-01 | Wolfgang Behrens | Begrünungselement sowie Verfahren zur Bildung einer Begrünung |
GB2376402A (en) * | 2001-04-27 | 2002-12-18 | Procter & Company The | Multi layered seed mat |
KR101227810B1 (ko) * | 2012-05-18 | 2013-01-29 | 권옥 | 블로킹 방지 기능을 갖는 생분해 멀칭필름에 씨앗 부착 자동화 장치 및 그 장치를 이용한 씨앗 부착방법 |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP2265992A patent/JPH0728579B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05255646A (ja) | 1993-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2488991C2 (ru) | Стикер с семенами и способ его получения | |
JPH01296909A (ja) | 播種育苗用粘着シートおよび播種育苗方法 | |
KR200491385Y1 (ko) | 묘종 매트 | |
JPH0565124B2 (ja) | ||
JPH0728579B2 (ja) | 播種用粘着シート | |
JP2000041418A (ja) | 芝の発芽用フィルム及びそれを利用した種子マット | |
JPH07112365B2 (ja) | 播種シートを用いる播種育苗方法 | |
JPH02283202A (ja) | 播種育苗用粘着シート | |
JPH07121162B2 (ja) | 播種育苗用シート | |
JPH10191774A (ja) | 蘚苔類植物を法面上で栽培する方法 | |
JPH02268611A (ja) | 播種育苗用粘着シートおよび播種育苗方法 | |
JPH0726886Y2 (ja) | 播種育苗用シート | |
JPH0591807A (ja) | 種子シート並びにその製造方法 | |
JPH06205602A (ja) | 播種用粘着シート | |
JP3018955U (ja) | 播種育苗用シート | |
JPS60153719A (ja) | 農業用シ−ト | |
JPH0761204B2 (ja) | 播種育苗用粘着シートおよび播種育苗方法 | |
JPH0523013A (ja) | 播種シート | |
JPH04248904A (ja) | 播種育苗用粘着シート | |
JPH0117925Y2 (ja) | ||
JP2553778Y2 (ja) | 播種育苗用マット | |
JPH0123253Y2 (ja) | ||
JPH0621287Y2 (ja) | ねぎ播種育苗用粘着シート | |
JPH0529309U (ja) | 播種用テープ | |
JPH04283284A (ja) | 播種育苗用粘着シートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |